○岡
委員 急いで対策を講ぜられるという御意思でありまするが、問題は根本的にひとつこの際この害悪を除くという決意のもとに対策を講ずる必要があろうかと思います。現在でもこの薬の製造については、ある特定の会社はそれを認められている。またその
使用についても、特に精神病を担当する医師等についてはその
使用が認められている。しかし精神病を担当する医師にいたしましても、ヒロポンがなければ医療ができないということはないのであります。また多少そのことによ
つて迷惑をこうむ
つても、根本的にこういうものは禁止するというようなところまで思い切
つた措置を講ぜられない限りは、今日こうしてやみからやみへと地下水のように浸透しているところのヒロポン禍を防ぐことはできない。そういう
意味でこの際厚生省としては、今
国会においてもつと
法律の改正をするとか、果断な措置をも
つて、このヒロポン禍の根源を除くという点についての御考慮を煩わし、また同時にその点については、後刻あらためて
厚生大臣なり担当の局長より
責任ある具体的な御
答弁を要求いたしまして、一応私はこの程度にとどめたいと思います。
なお引続きこの際当局にお願いをいたしたいことは、ただいま質疑を許されているところの各種
法案でありまするが、なかんずく医薬
関係の審議会の問題についてであります。この審議会を
設置するという
法律案そのものは、法に基く適法のものであり、いわばきわめて技術的なものではありまするけれども、しかしながらこの審議会が取扱う問題は、何しろ七十年の長きにわた
つて日本の薬剤師会と
日本の医師会が葛藤を続けて来た問題でありまするので、審議会の導き出す結論については、私どもも重大な関心を持たざるを得ないのであります。そういうわけからいたしまして、前回において、医師は原則として処方箋を交付しなければならない、あるいは付添人や患者の希望によ
つて調剤することも可能であろう云々の改正がなされたのであります。あの改正をめぐ
つて、医師会、薬剤師会並びに公正な中立的な立場に立つところの団体なり、また諸君の意向というものが、十分に審議をされ、その結論としてあの改正が導かれたのでありますけれども、この改正に基いて、いよいよ審議会が
設置され、改正の内容にわた
つての決定をしようとするのでありまするから、当時における医師会、薬剤師会あるいはこれに
関係ある公正なる意見を、われわれ
委員会といたしましてもさらに検討をすることも必要であろうかと思いまするので、資料といたしまして要約した当時の審議の
経過をぜひとも御
提出を願いたいと思う。
それから遺家族の援護法等につきましても、これもまた本院におきましては、引揚げ対策の特別
委員会がいろいろと骨を折
つてはいただいておりますが、引揚げ問題は、要はやはり一日も早く一人でも多く帰るというところに
問題点があるのでありまするから、これは援護法の根本的な解決といたしまして、いわば援護法がなくな
つてしま
つた姿がわれわれの待望する姿であ
つてみれば、この
法案の審議のためには、やはり現在における、特に中共なりあるいはソビエト社会主義連邦における在留
日本人あるいは戦犯者の動静、また引揚げの実績、将来の見通し、こういう点についてもやはり具体的な資料の
提出をお願いをいたします。
以上二件については、ぜひ厚生省として資料を
提出され、われわれの審議に便を与えられんことを要求いたす次第であります。