○山下(春)
委員 時間がないので簡単に
大臣にお尋ねをいたします。
先ほど
大臣がおつしやいましたように、一兆億の
予算を組む、国際収支のアンバランスを調整する、また政府が重ねて言明されるところによれば、
補正予算を組まないという、今年度の
日本の状態というものは容易ならざるものだと思うのでありますが、そういう状態から
考えまして起るであろう
社会情勢を想像いたしますときに、
厚生行政というものは非常に重大な部門になると思うのであります。ただいま同僚
委員から、
大砲の
予算だというようなお言葉もあ
つたのでありますが、少くともことしの
厚生行政というものは、現
内閣の中におきまして非常な大きなウエートがなければならないと思うのであります。これは国民に
一つの安心感を与える
意味においても、厚生省がすみつこの方にいるようなことでは、ことしはとてもしのげないと思うのであります、そういう点から、現
内閣が
厚生行政というものに対してどういうふうに重点的に
考えてくれているか。現政府の
厚生行政に対する心構えを、
大臣が想像された点に対し、新しい年度でもありますし、新しい
抱負をお持ちの新
大臣に今年度行わるべき
厚生行政の現
内閣の中におけるウエートというものについての御決心をお伺いしたいのが第一点であります。
時間がありませんから続いて申し上げます。第二点は、いろいろな
厚生行政中、どれも大事でございますけれ
ども、どうしてもこういう年には、たとえば軍人恩給とか、あるいは
社会保険が林立しておりますが、これらのものに対して前
大臣も非常な熱意をお持ちのようでありましたが、できるだけすみやかに統合整理をいたしまして、厚生年金その他に統合いたしまして
——たとえば厚生省の方から言われれば、今年のいわゆる
軍備費に使
つている費用よりもむしろ上まわ
つているという説明をされましても、さしあたり
厚生行政が七百幾億しか使
つていないような数字が出るために、これらはすべていわゆる
社会行政的に使われておるにもかかわらず、国民にぴんと来ない。こういう点は、どうしても厚生省が将来できるだけすみやかな
機会に統合整理をいたしまして、
厚生行政の強力な一線を打出される必要があろうかと思いますが、そういう点に対しまして
大臣はどういう御決意をお持ちにな
つているか。
それから今度の
予算では、政府も説明いたしておりますごとく、住宅などに対して
相当重点を置いているようであります。しかしながら建設省にありますと、どうもひもつきその他で実際に住まわせなければならない人には容易にこれが当らないというようなことがこれまでの長い間の
社会の実情でございますから、これはどうしても今後厚生省が庶民住宅というものは監督し、
厚生行政の一環の中にあるべきものだと思
つております。同様な
意味で、たとえば学校給食のごときものも、これは農林省と文部省との持合いみたいなものでや
つておられますが、これはまことに不徹底なものでございまして、これらの
行政も当然
社会保障の
一つの線として厚生省が所管すべきもののように思います。ただちにはならないとしても、そういうお心組みがあるかどうか。
それからたとえば軍人恩給の関係の中に、あの恩給局のかちかちの頭ではとうていこれはこなして行けないケースがたくさんございます。例を申し上げる時間がございませんが、それらの問題は、やはり厚生省が扱
つて行くことが、最も円滑にそれらの不平に対してこたえ得る
一つの施策が出て来ると思いますが、そういうものに対しての援護措置、例を
一つ申し上げますが、たとえば巣鴨の戦犯の今八百人ばかり残
つておられる方々が、つい二、三日前にあの巣鴨
委員会を解散するかどうかという全員投票をいたしました。幸いに残しておく方に投票が多か
つたのでありますが、これはどういうことかと申しますと、これは捨てばちでやけにな
つておる、お互いに一人々々の行動で、一人々々が政府対一人で行こうという雲行きのようでありましてこれは私
ども今までしんぼうしながらと思
つて、非常に残念な気がいたしましたが、幸いに結論は存置するという票数が多か
つたのでありますが、これらの人はもはやあきらめておりましてことしは釈放ということに行かないで、ひとつ援護の方に強力に働きとかけよう、こういう
考えを持
つております。
内閣全体の、あるいは外務省、法務省その他のいろいろな業務がありましようが、これらの点も厚生省で引取
つていただいて、厚生省の方で援護の面で、これらの人々のいらいらしております気持を押えていただけば、非常に大過なく済むと思うのであります。それからたとえば日雇い労働者の中からも漏れた、あるいはその地方の国民健康保険もまだ完備していないという場合に、結核患者についておる付添い看護婦だとか、あるいは助産婦だとか、それらの
社会保障の線から漏れております者たちが大同団結いたしまして、何か国民健康保険の恩典にあずかりたいと非常な努力を傾けておりますが、いろいろな観点からこれらもまだ救われておりません。そういつた広い面で、今の助産婦とかあるいは付添い看護婦などが日雇い健康保険からも他の健康保険からも漏れておるというような問題を持ち出しましても、これを今
大臣にどうしてくれということを私は言うのではありませんが、これらの問題も将来はいろいろなばらばらの線ではいけないと思うのであります。それでとりあえず今年度押し寄せて来るであろう、いろいろな問題が起るであろう
社会情勢から、こういうものに対してどういうふうに処して行こうとお
考えでございましようか。それらの問題について
お答え願いたいと思います。