○
田中(角)
委員 数字を聞いて、あまり小さいのにびつくりしたわけであります。四、五
年間に七、八十億であれば、こんな
法律をつくらなくてもやれるのではないかという気持が私はいたします。どうも立案の
当局は、現在ある
業者の
手持ち機械に対して
抵当法をつく
つて、いわゆる
一般の
資金の中から
建設機械を買
つて行かなければならないという
業者の
実情に対して、幾らかプラスをすればいいじやないかというような
目標だけお
考えにな
つておるようであります。私は、少くとも
日本の将来を
考えて、その十倍
程度の
建設機械の充実というものに
目標を置かなければいけないんじやないかという
考えを持
つております。これに対してはまたひとつ、この
法律はまだ上らないのでありますから、十分検討していただきたい。その
程度の
機械整備をやるためにだけというような
目的でお
考えにな
つてお
つては、非常にスケールが小さなものになる。
電源開発で新しい
機械を入れるということになれば、
只見川水系千億の
事業量に対して、十億の
機械力がただちにいるのでありますから、この問題は、十箇所もやれば数百億になるのであ
つて、どうも
ちよつとポイントが違うんじやないかと
考えております。これはいずれ御
答弁を煩わすことにいたしましよう。
そういうふうに、現在の
建設機械だけを
考えておられるということになりますと、
さつき仲川君が言われた
通り、どうも大
業者偏重になりやすいというふうに一応
考えられるわけであります。特に百万円以上といいますと、相当大規模な
機械であります。現在
日本は
中小企業が多いのでありますから、
自動車等におきましても、御
承知の
通りオート三輪車というようなものでや
つているのが非常に多い
現状であります。これを普通のものにしなければならないのでありますが、
建設機械に対しても大体そういう
実情であります。一件百万円以上の
機械を使い得る
大業者は、
中央の七社から二十社で、各府県におけるところの一箇年一億以上の
施工量を持つというものは大体一県二社か三社、全国合せて百社ぐらいの
企業者が使えるくらいのものということになるのであります。一件百万円以上の特殊な
機械を使うということになると、これは例外なく大
企業者だけということに実際はなります。いわゆる
建設業法によ
つて登録をしておる
土木業者は、
登録にはたくさん
事業をや
つておるようにな
つておりますが、その反面、税務署に出す書類を見ると、非常に小さく書いてあります。この中間をと
つてみても、大体
年間一億以上やる
業者というのは
中堅業者以上で、まずそうないのであります。これは
昭和十八年における
企業整備の、
年間施工量五十万円というのは、
日本の大体の
平均以上の
業者でありまして、そうしますと、現在大体一億の
事業をやるのは一箇月千万円
程度でありますから、百万円以上の
機械はなかなか使えないと思われる。どんなものでも三十万円ほかかるし、
破砕ミキサーは四十万円であります。この
程度が
対象にならなければいけないのでありますが、これを
対象にすると、非常に
事業量が
対象になり、
金額が多くなるわけです。しかもこれを貸し付けるという場合に問題が起きて来ますが、特に
建設業法による
登録業者は、一応組合の
対象になるということでありますから、これは一面非常にあぶない貸付にもなります。特に今は
前払金保証法によ
つて前払いをしてや
つても、その
前払いは、造船がリベートをや
つたように、どつかに使
つてしま
つて、
工事が全然できなくて投げ出しておるという例が、たくさん
直轄工事においてもあるのであります。こういう
現状から見ますと、その貸した金も回収できないのですから、そういう
業者自体を
対象にして金を貸したら、収拾できなくなるということも出ます。しかしそういうものにはしないというのは、あまりに
大業者を
保護するので、にわかに貸せないじやないかという
意見も出て来て、この
法律の適用はむずかしいものになると思うのであります。
さつき南君が言われたようにして、一応大きなものからだんだんと幅を広げて行くか、もしくは全部拾うことにしておいて、実際面において縛るか、二つの
方法があると言われましたが、大体その
通りであります。しかし、やはりこういう
法律が出ると、どうも
目的の
日本建設事業の
機械化、
能率化という命題は、非常にいいのでありますが、実際の運営上、ある種のものだけを
整備をし、
保護をするということで、俗にいう
企業全体の
保護立法であればまだいいのでありますが、部分的な
業者の
保護立法になるんじやないかという
意見が出ることは、この
法律のために惜しむものであります。そういう意味で、
政令でも
つてきめられるということでありますから、今ただちにこれが
内容に対して御
答弁もできないと思いますが、その間の事情について、これをきめるときには、
審議会なり
建設委員会にでも十分御相談にな
つていた、だいて、社会的に最も喜ばれ、またこの
法律の
目的?達成せしめられるように
政令をきめていただきたい。前に
建設関係の
基本法であるところの
建築基準法を通したのでありますが、
建築基準法の
実態というものは、
政令でも
つて定められるものできまるわけであります。ところがこれは
ブロック建築等に対して、二階で打切る、四階から出る、五階から出る、こういう問題になると、これの及ぼす影響は非常に大きいのであります。特にこの問題は、
対象になる
業種が
業種でありますから、これはなかなかむずかしいことが起きると思うのでありまして、特に起案せられた
建設当局としては、十分これが
実施にあた
つては慎重を期していただきたい、こう
考えるわけであります。
もう一つ伺
つておきたいのは、こういう
建設機械抵当法案を出されることは、この種の
法律案がたくさんあるのでありますから、ことさら新しいものではない。こんなものを出すのは、おそか
つたという理論にはま
つたく
賛成であります。
賛成ではありますが、これをつくるには、この次になおまた大きなものをつくる、こういうお
考えがあるかないか。それは
農林省は
農林省でも
つて、
建設機械を
一般会計から買
つております。
建設省は
建設省で買
つております。
運輸省は
運輸省で買
つております。ところがこういう
機械は、大体一割しか稼働しておりません。実際今持
つておる
機械がフルに運転しますと、まず三千億はやれるのを、超
均衡予算が一兆円というようなわけでも
つて、ほとんど
こま切れ実施をや
つておりますので、
機械は返したくないというので、現地に小屋をかけて温存をしておる。別な新しい
工事が出ると、またそこでも
つて新しい
機械を買う。だから、四十五億も五十億も
建設機械を要求しても、これはただでよかろうというふうに大蔵省になめられるわけであります。
シートパイルにおいても同じであります。このま
つたくせつない乏しい財政の中で、三百トンの
シートパイルが
関東地建に眠
つておる。信濃川で百五十トンほしいという場合に、
ちようど一箇月半かかる江戸川が始まるし、信濃川は三箇月かかるから、信濃川の方は百五十トンまた別に買おう、こういうふうに非常にめんどうなものになるのです。私の地域にはもつとひどいものもあります。港湾と河川の問題でも、船の問題がある。浚渫船などは今二千万も三千万もかかります。ドレツジヤー船においてもそうでありますが、こういうものに対しては、省が違うために、その前に遊んでおるものも、なかなか貸してもくれないし、また借りに行くのはこけんにかかわるというので、なかなか行かないのです。こういう大きなものに一つの——私は砂利
工事なんというものよりも、こういう
建設機械などは、こうするというような大きな
考えをも
つて統一すべきだと思う。その場合に、私は十億、十五億というような個々でやるよりも、実際、
年間百億、五箇
年間で五百億ということで
機械設備を行う、この
程度の
考えでいいのではないか、こう私は
考えておるわけであります。だから、この
委員会にかか
つておりました国土総合開発法による国土開発会社ができましても、これも調達庁の
機械を受継ぎながら、さつぱり
運転資金もなく——まあこのごろようやくうまく
行つているようでありますが、この
実態を見ておりますと、各個ばらばらでや
つておるので、今度この種の
法律を出した第二の段階においては、これは
建設省がちやんとまとめて、
機械管理省になるというくらいなお気持であれば、これはもうわが国の公共
事業進展のために、非常に
意義あることだと
考えております。これは夢ではなく、こんなことをやらなければ、こま切れ予算でどうにもならなくなるのであります。特に
機械はそうであります。そういう問題に対して立案の準備があるのかどうなのか、こういうことだけは当然お
考えにな
つておると思いますし、私は
建設省においては
建設機械課でなく、
機械局にしてもいい時期だ、こういうことを前からこの
委員会でも申しておるのでありますから、この種の
法律を立法せられる階段にある
建設省としては、将来当然国でまかな
つて行く国有の
機械等をどういうふうにされるおつもりか、関連的に伺
つておきたい。