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1954-03-08 第19回国会 衆議院 建設委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月八日(月曜日)     午前十一時十九分開議  出席委員    委員長 久野 忠治君    理事 瀬戸山三男君 理事 志村 茂治君    理事 細野三千雄君    逢澤  寛君      岡村利右衞門君    仲川房次郎君       松崎 朝治君    赤澤 正道君       村瀬 宣親君    三鍋 義三君       佐竹 新市君    山下 榮二君  出席国務大臣         建 設 大 臣 戸塚九一郎君  出席政府委員         建設事務官         (大臣官房長) 石破 二朗君         建設事務官         (住宅局長)  師岡健四郎君         建 設 技 官         (道路局長)  富樫 凱一君  委員外出席者         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ――――――――――――― 三月四日  委員三鍋義三辞任につき、その補欠として柴  田義男君が議長指名委員選任された。 同日  委員柴田義男辞任につき、その補欠として三  鍋義三君が議長指名委員選任された。     ――――――――――――― 三月八日  住宅金融公庫法の一部を改正する法律案内閣  提出第七八号) 二月二十六日  日間賀島村の災害復旧工事促進に関する請願(  早稻田柳右エ門紹介)(第二四九五号)  若戸架橋工事反対に関する請願福田昌子君紹  介)(第二四九六号)  頓別市街地海岸防災施設設置に関する請願(松  浦周太郎紹介)(第二四九七号)  仁達内二股上猿払間に産業開発幹線道路開設  に関する請願松浦周太郎紹介)(第二四九  八号)  頓別川及び宇曽丹川治水工事促進に関する請願  (松浦周太郎紹介)(第二四九九号)  塩津村の高潮対策費に関する請願福井勇君紹  介)(第二五〇一号)  新橋を永久橋架替え請願早稻田柳右エ門  君紹介)(第二五〇二号)  春日村地内国道一号線舗装工事施設に関する請  願(早稻田柳右エ門紹介)(第二五〇三号)  黒川筋助成工事促進に関する請願小林進君紹  介)(第二六一四号)  稲津橋永久橋架替え請願坪川信三君紹  介)(第二六一五号)  県道新井飯山線を準国道に編入の請願田中彰  治君紹介)(第二六一六号)  関門国道隧道工事促進に関する請願平井義一  君紹介)(第二六一七号)  二級国道福知山大阪線改修工事施行に関する請  願(有田喜一紹介)(第二六一八号)  八重坂峠改修費国庫補助に関する請願(大上司  君紹介)(第二六一九号)  二級国道八戸仙台線中川上地区内道路改修工  事施行に関する請願内海安吉紹介)(第二  六二〇号) 三月二日  災害復旧のための低利資金融資額増加に関する  請願村上勇紹介)(第二六七六号)  小山田迫水系改修工事促進に関する請願内海  安吉紹介)(第二七一七号)  新橋架替え請願佐々木盛雄紹介)(第二  七一九号)  万石橋架替え請願内海安吉紹介)(第二  七二〇号)  道路整備費財源等に関する臨時措置法による  予算措置に関する請願高橋圓三郎紹介)(  第二七九四号) 同月三日  米谷地内北上川排水暗きよ復旧工事施行に関す  る請願内海安吉紹介)(第一八三〇号)  県道寒河江谷地線舗装工事施行に関する請願(  牧野寛索紹介)(第二八四〇号)  道路整備費財源等に関する臨時措置法による  予算措置に関する請願仲川房次郎紹介)(  第二九七六号) 同月五日  冷害並びに災害土木事業対策確立に関する請願  (増田甲子七君紹介)(第三〇四〇号)  道路工事につき国の直轄工事継続施行に関する  請願石山権作紹介)(第三一七七号)  和田川を準河川に認定の請願内藤友明君外一  名紹介)(第三一七八号) の審査を本委員会に付託された。 二月二十七日  国の直轄工事分担金の免除に関する陳情書  (第一三三六  号)  災害復旧費並びに災害防除費の増額に関する陳  情書(第  一三一七号)  災害復旧及び土地改良事業全額国庫負担等に  関する陳情書  (第一三一八号)  災害復旧事業迅速化過年度工事費未払分の  早急交付陳情書  (第一三一九号)  台風十三号の被害対策に関する陳情書外一件  (第  一三二〇号) 三月三日  四国中央産業道路改修完成促進等に関する陳  情書(第  一四四七号)  災害復旧費施行年割額の繰延べ反対陳情書  (第一四四八号)  災害復旧工事土木費全額国庫負担並びに早  期完成に関する陳情書  (第一四四九号)  異状雨量地帯災害対策に対する特別立法陳情  書  (第一四五〇号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長補欠選任  住宅金融公庫法の一部を改正する法律案内閣  提出第七八号)  建設行政に関する件  連合審査会開会申入れに関する件     ―――――――――――――
  2. 久野忠治

    久野委員長 これより会議を開きます。  お諮りいたすことがあります。すなわち佐藤虎次郎君が二月十八日に、村瀬宣親君が二十四日に、佐竹新市君が二十八日に、三鍋義三君が今月四日に、それぞれ委員辞任され、再び本委員となられました。また堀川恭平君が十八日に委員辞任されて有田二郎君が本委員となられ、山田長司君が十一日委員辞任されて和田博雄君が本委員となられ、辻原弘市君が十一日に委員辞任されて安平鹿一君が本委員となられましたが、以上の辞任された諸君はそれぞれ河川道路住宅及び請願及び陳情書審査小委員でありましたので、それぞれこれが補欠選任を行わねばなりませんが、この選任につきましては、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認めます。  それでは河川に関する小委員に    有田 二郎君  村瀬 宣親君    安平 鹿一君  道路に関する小委員に    佐藤虎次郎君  和田 博雄君    佐竹 新市君  三鍋 義三君  住宅に関する小委員に    佐藤虎次郎君  有田 二郎君    村瀬 宣親君  和田 博雄君    安平鹿一君   佐竹 新市君  請願及び陳情書審査小委員に    佐藤虎次郎君  村瀬 宣親君    和田 博雄君  佐竹 新市君    三鍋 義三君 を指名いたします。  また村瀬宣親君は住宅に関する小委員長でありましたので、これが補欠選任を行わねばなりませんが、これは委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認めます。それでは住宅に関する小委員長村瀬宣親君を指名いたします。     —————————————
  5. 久野忠治

    久野委員長 ただいま付託になりました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案内閣提出第七八号)を議題とし、提案の説明を聴取するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  戸塚建設大臣
  7. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 ただいま議題になりました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由とその概要を御説明申し上げます。  住宅金融公庫は、御承知通り昭和二十五年に発足し、以来国民大衆に健康で文化的な生活を営むに足る住宅建設資金を融通して、いわゆる公庫住宅を多数建設して参り、公営住宅建設とともに国の二大住宅供給方策一つとして、大きな役割を果して参りました。  しかるに、最近における建設費の騰貴と特に地価の急激な高騰による土地取得難は、住宅建設の大きな障害となり、公庫資金借入希望者に対しても甚大な影響を与えているのであります。政府といたしましては、このような公庫融資による住宅建設における当面の障害を除去し、住宅建設が円滑に行われるよう方策を講ずる必要が出て参つたわけでありますが、まず建設費につきまして、標準建設費実情に即するように改訂し、これにより自己資金負担が過大とならないように措置した次第であります。  次に土地問題につきましては、公庫利用者土地取得難の現況にかんがみ、土地開発造成について融資をすることにより、低廉な宅地供給をはかる措置を講ずるとともに、住宅高層化促進して、土地高度利用促進いたしたいと考えているのであります。このため公庫業務の範囲を拡充し、貸付条件の変更を行う必要が出て参りましたので、住宅金融公庫法について所要の改正を行うこととなり、ここに公庫法の一部改正案提案した次第であります。以下改正案の主要な点について御説明申し上げます。  まず第一に、土地開発造成して低廉な宅地供給の増大をはかるため、地方公共団体その他の法人土地を開発して譲渡する事業を行う場合、それらの法人に対しまして、公庫は、土地取得造成に要する資金を融通して、公庫住宅建設希望者にあとう限り低廉な宅地取得させる方策を講じたことであります。  第二に、現在住宅建設して譲渡する事業を行う者に対しまして、直接に資金を融通する道がないのでありますが、このたびこれらの事業を行う地方公共団体等に対し公庫資金融通の道を開いたのであります。この方策により開発造成宅地または既存宅地に集団的に住宅建設してコストの引下げをはかり、良質かつ低廉な住宅を手軽に入手できるようにいたしたいと存じます。  第三に、高層住宅につきましては、貸付金償還期間が、現行では三十五年でありますのを五十年に延長することにいたしたのであります。既存宅地を最も効果的に利用するためには、高層住宅建設促進をはかることが適切な方法であることは申すまでもないところでありますが、一方建物の高層化によつて建設費が増大し、高層住宅入居者家賃等も増加いたしますので、この際償還年限を延長し、高層住宅入居者負担を軽減して高層住宅建設促進せんとするものであります。  第四に、賃貸または分譲事業を行う法人等が、その所有地住宅建設資金のみを借り受けて高層住宅建設する場合には、当該家屋内の住宅建設費当該家屋内の住宅建設のために通常必要とする土地取得するに要する費用に相当する金額を合計した額の八割五分に相当する金額までを貸し付けることができるようにいたしたのであります。これにより遊休宅地利用促進住宅高層化をはかることにいたしました。  第五に、公庫は、公庫貸付金にかかる高層家屋建設される場合において必要と認める場合には、当該家屋内の住宅以外の部分が事務所、店舗等利用されましても、その部分主要構造部、すなわち柱、壁、床等建設するに必要な資金を貸し付けることができることといたしましたのであります。これは既存宅地高度利用によつて住宅敷地の確保を容易にするためであります。  なお災害のあつた場合、被災者公庫利用を容易ならしめるため、地震、暴風雨等災害により滅失した住宅災害当時居住していた者が、災害発生の日から二年以内に公庫融資を受けて住宅建設する場合には、貸付金償還期間を三年以内延長し、三年以内のすえ置き、期間を設けることといたしました。  その他公庫附帯業務整備をはかるほか、前述の改正に伴い必要な関係法規改正を行おうとするものであります。  以上が住宅金融公庫法の一部を改正する法律案提案理由及びその概要でありますが、何とぞ慎重御審議の上、御可決あらんことをお願いする次第であります。
  8. 久野忠治

    久野委員長 本案に関しまする質疑は、次会にいたしたいと存じます。     —————————————
  9. 久野忠治

    久野委員長 次にお諮りいたしますが、地方行政委員会において審査中の昭和二十九年度揮発油譲与税に関する法律案につきまして連合審査を行いたいと存じますが、この旨申し入れるに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————
  11. 久野忠治

    久野委員長 建設行政一般につきまして調査を進めます。発言の申入れがあります。よつてこれを許します。村瀬宣親君。
  12. 村瀬宣親

    村瀬委員 建設大臣がお見えになつておりますので、お伺いをいたすのでございますが、前回の補正予算の際に、災害復旧に要する経費として、予算以外に百五十七億円を融資方法が、あるいは資金運用部資金、それが足らないときは、民間市中銀行から大蔵省があつせんをして、災害工事復旧支障なからしめるという確言を得て補正予算を通したのでありますが、その後あの大風水害の災害復旧現状はどのようになつておりましようか。またこの百五十七億につきましては、当委員会におきまして、建設省関係能力または責任のゆえに、その金は出す必要がなかつたのだと大蔵当局に言わしめないような万全の方途をとつてもらわねばならないということを、繰返し申し上げておいたのでございますが、その間の経過を一応御報告願いたいのであります。
  13. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 昨年の災害復旧状況でございますが、もちろんあれほどのことでありましたので、思うにはまかせませんが、大体においてそれぞれ復旧事業進行をいたしておると承知いたしております。ただ、ただいまお話がありました融資あるいは借入れ等によつてでも、災害復旧事業進行させるというふうに申し上げておつたのでありますが、その後融資の額が少いというお話もしばしば承つておるのであります。ちよつと今ここで数字のことははつきりいたしませんが、御承知つなぎ融資で、建設省関係が七十億くらいになつておるのではないかと思います。これとただいまお話の、前国会で補正予算の際に申しました融資ということとは性質は違いますけれども、実態としては、あるいは考えようによつてはこのつなぎ融資が後の融資に振りかわるという考え方にもなるわけだと思うのであります。せんだつて予算委員会大蔵大臣が、まだあの融資は全然しておらないというふうに申しましたけれども、私の気持では、全然しておらないというふうに考えぬでもいいじやないか、かように思います。これは考え方あるいは言い方だと思いますか、ただもう少し融資——つなぎ融資言つていいかもしれませんが、融資を多くして、地方災害復旧をもつとどんどんやらせるべきであつた、それを建設省の方の督励ないしは指導が不十分であるものだから、融資を多くしなくて現状に至つているのではないか、かように御心配をいただくものだと思いますが、地方の申込み等から見まして、まだそこまで参つておらない点があります。それからまた事業は進みましても、請負者との関係融資をいたさないでおる。たとえば伊勢湾三河湾のごときは、相当事業進行いたしておるのでありますが、まだ請負者に支払うというところまで参つておらない実情のものもございます。これは伊勢湾三河湾関係では、私大体もう二十五億くらい本年度における融資の必要があるというふうに承知いたしておりまして、この点は大蔵省とも十分連絡打合せをいたしております。支払う必要ができれば、いつでもその要求に応ずる段取りにいたしておるのでありますけれども、今申し上げましたようなわけで、請負いの出来高関係とかいうようなことで、まだただちに手続をするところまで参つておりません。それで百五十何億ということが、全部ではありませんか、つなぎ融資のことも考え、あるいは今後、ただいまも申し上げましたような伊勢湾三河湾状況等を勘案いたしますと、相当のいわゆる融資が実現せられることになるのであろう、かように私は考えております。災害復旧、そのもの全体が十分に行かないじやないかという御批判があるいはあるかもしれぬと思いますが、これはあるいは私どもの不行届きの点があるかもしれませんけれども、ただいま各県とも全力をあげて努力をいたしておるのでありまして、少くとも出水期までには、いわゆる必要最小限度復旧をいたして、一般関係者に不安を抱かせないようにいたしたいという努力をいたしておる次第でございます。
  14. 村瀬宣親

    村瀬委員 私は建設省つて一丸となつて災害復旧に夜も続けて努力をしてくださつておることは、よく承知をいたしておるのでありますが、ただ問題は次のことであります。それは百五十七億というなかなか大蔵大臣が御承知にかねるものを、特に当委員会において三、五、二の割合で三年間に災害復旧するならば、二十八年度予算のほかにもう百五十七億はぜひいるのだと言つて、無理にこの融資大蔵大臣に承認をさせましたときに、戸塚さんに私はこういうことをお尋ねしたのであります。こうやつてせつかく百五十七億という融資の道が開かれた以上は、どうしてもこれだけの金額相当する——これは農林省も関係がありますけれども災害復旧を二十八年度内にやり遂げねばならない。もしそれが物理的にできない理由があるならば、これは日本の建設行政全般の基本問題に触れるのであるから、われわれも包み隠ししないで、虚心坦懐にその降路を打開して行かなければならない。それには人的、設計の面で百五十七億できないのか、あるいはセメントその他資材の、面で百五十七億分ができないのか、または工事上の機械化、人夫その他機械的な問題でできないか、そこをひとつ虚心坦懐に吟味してみて、そうしてもつと機械化を進めねば二十八年度内に百五十七億はできないというのならば、二十八年度において機械の方面に力を入れてもよろしい。あるいは資材の面で百五十七億二十八年度にはとうてい見込みがないというのならば、その資材の手配をしてかからねばならない。そういうふうなことをお尋ねしたのでありますが、大体やれるだろうということであつたのであります。ところが、今お話のありました伊勢湾三河湾等の例で見ますと、出来高払いというのは、会計検査院と決算の関係で、非常にむずかしい調書がいるのでありますけれども、いろいろこの設計調書または出来高調書等関係で、昼夜兼行でやつても、なかなか人的不足があるのだというようなことも想像されるのでありますが、そういう場合にどのような打開策をお講じになるか。行政整理のやかましく言われておる現在でありますから、むやみに人をふやすことの時代逆行であることは、これは当然であります。しかし、それがために、せつかく災害復旧の道が開かれておるのに、そこに一つ支障が起るというのでありますならば、必ずしも行政整理の合言葉におそれをなして、災害復旧を阻害するという必要はないのでありますが、それらについては、このようにお考えになつておりますか。
  15. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 ただいまお話の各種の条件がいろいろあるわけでありますが、私資材の面では、あるなしという点から行けば、そう心配はないと思います。ただ、これを運ぶというようなことで、相当の隘路があることは承知いたしております。それから人的の問題でありますが、これは行政整理の際でありますけれども、ある程度増員をいたしておるのでございます。しかしそれでも、現地においては非常に足らないという声を聞いておりますので、特に伊勢湾三河湾については、各地方建設局から応援を出してでもやろうというようなことで、ただいまさような手続をしているところであります。仕事が思うようにまかせないということは、初めの考え方か、できさせたい、できさせたいという気持の方が多いために、何とかやれるというふうに考えた私どもの不十分な考え方もあつたと思いますが、お察しもできますように、仕事がどこでもなかなか段取り通りに進まないものでありますので、そういう点で多少遅れている点があるのではないか、これは考えられます。しかし、努めて地方の府県も督励いたし、建設省としても全力をあげて復旧努力をいたしたい。ただいま申し上げました人的の点で、ほんとうを言うと私ども一番悩んでおりますが、それもただいま申し上げましたように、特に三河湾伊勢湾については非常な不足である。また臨時に集めたために、その能力の点においても欠けるところがあるというような考え方もいたされますので、相当熟練した者を各地方建設局から応援に出して、この間を切り抜けて行きたい、これは率直に申してさような考えでやつております。
  16. 村瀬宣親

    村瀬委員 次に、先ほどお話になりした、つなぎ融資が引続き百五十七億のうちに入るべきものだとおつしやる点は、われわれもそう思ったのでありますが、そこで二十九年度予算はすでに衆議院を通過したのでありますけれども、この中には災害復旧につきましては、戸塚大臣多年の主張でありますところの三・五・二の割合は、遺憾ながら実現ができなかつたのであります。先ほどお話になりましたつなぎ融資、百五十七億のうち、建設省関係で八、九十億の割当といいますか、このうち全額は、工事関係——今お答えのような事情で、借りられぬかもしれませんが、かりに二十八年度で百五十七億の分のうち、五十億建設省で借りて工事をした、こういう場合に、それは二十九年度災害復旧予算で差引なさることになりますか。というお尋ねは、実は二十九年度ではどれだけの工事量ができるのかという問題なのであります。予算で通過いたしました額は、ここに持つておりませんが、その額から百五十七億円分のうち建設省関係工事をした分、いわゆる融資を受けた分を差引いた金額しか、二十九年度では使えないものであるかどうか、その点御方針を伺いたい。
  17. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 つなぎ融資年度限りのものでありますので、理論的に申しますと、予算がとれればそれで差引くということになるべきであります。私がかようなことを申してはいけませんが、そこを何とか話合いをいたして、さらに来年度にでも振りかえるといいますか、借りかえるといいますか、そういうような形をとつてでも行きたいものだ。さもしないで、そうした融資によつたものは、全部新しい予算で差引くということにいたしますれば、かりにわれわれが初め思つたほど工事が進まないといたしましても、それでは足りないという結果になるだろう。その間のことは、今ここで、地方は借りたものをそのまま引きずつてかまわないのだ、かように私は申し上げるわけには参りませんけれども、そこはひとつ財政当局とも話合いをいたして、少くとも仕事の方に事欠かないようにいたして参りたい、かように考えている次第であります。
  18. 久野忠治

    久野委員長 村瀬君に申し上げますが、百五十七億のこの特別融資の問題は、相当災害県では関心を持つておりますから、明日の当委員会大蔵省関係をも呼びまして、十分これを再検討したい、こういうふうに考えております。そのときに御質疑をお願いしたらどうか、こう思つております。
  19. 赤澤正道

    赤澤委員 ちよつと関連して。  建設大臣はきようは何か非常にお疲れの体に見受けるのですが、今村瀬委員から御質問になつた点は、私この前予算委員会で、大蔵大臣を相手に相当つつ込んで話し合つたわけなんです。あなたもいらつしやつたはずでございますが、結局あのときに了解したことは、つなぎ融資というものは、これは当然二十八年度限りのものですから、理由のいかんを問わず引揚げるべきものであると、相当これに対して手きびしい考え方が持たれていることは当然のことです。この百五十七億についても、大蔵大臣は、何も百五十七億ということを約束したのではなくして、例の三・五・二の比率の三ということになると、四百六十何億か計上されるので、三百億との差額というものは、あの三派で協定した線に沿うてできるだけ御希望を達成するように融資の道を講じたい。それも、事業進行必要度を勘案してというようなことも入つてつたのでございます。ところが実際面では、百五十七億を出すということを大蔵省は渋つているという実情を聞いておりましたので、あのときいろいろ質問したのですが、そのときの理解では、とにかく百五十七億は必要があれば融資をいたしましよう。今年度内に融資したものは、当然新しい予算が令達になれば差引かれてしまう。それであくまでこの三箇年でもつて一応災害復旧をしようと思えば、もし来年度においてまた工事施行の余力があつた場合には、やはり追加してつなぎあるいは特別融資という形でお出しになるつもりかどうかと言つたら、来年のことは来年になつてみなければわからぬというような御答弁であつたように私は記憶いたしております。今建設大臣お話を聞きますと、どうもつなぎ融資も、災害の百五十七億の特別融資も、同じであるというような御説明のように承知したのですが、これがやはり一応考えの根本になるのではないかと思うのです。もう一ペん御答弁をお願いいたしたいと思います。
  20. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 いや、同じようなも  のという意味ではないのでありまして、性質からいつたら、まつたく違つたものだと思います。しかし、つなぎ融資年度末で一ぺん切りかえになりましても、大蔵大臣は、実情に応じて実際の工事進行いかんによつてと申しておりますが、私の気持からいえば、来年度さらにまた、つなぎ融資という名前ですか何ですか知りませんが、必要に応じてはそういうことも交渉して行かなければならぬ。もつと露骨にいえば、過去の実例をだんだん聞いてみますと、あつかましい県では、返さないでおつて、それでやつた例もあるように聞いております。しかしそういうことは、ここで奨励することでもないし、主張するものでもありませんが、そういう点をもう少し話し合つて行かなければならぬ点がありはしないか。というのは、結局二十九年度予算が、これでは不十分だという気持が私もあるものですから、ついそういう余分な、かつて考えをするようでありますけれども、そういう気持を露骨に申し上げたのであつて大蔵大臣の立場からすれば、当然実情に応じてという以上には言われないことだと思います。私がこう申し上げたから、そうできるのだというふうにお考えいただいてもいかがかと思いますけれども、私としては、そういうような気持ででも進まなければ、おそらく足りないだろう、また足りないような時期が来るほど復旧事業が進まなければ困るのではないかというような気持が、腹の中に始終あるものですから、つい理論的にははなはだおかしなことを申し上げるようにお考えになつたのだと思います。
  21. 赤澤正道

    赤澤委員 建設大臣のお気持はよこわかるのですが、さいふを持つている大蔵当局としては、なかなか簡単な考え方ではないようであります。予算書の説明を見ましても、二十九年度で大体五ないし六割を復旧するのだというようなことが、たしか書かれてあつたと記憶いたしております。しかし財政の許す限りにおいては、やはり三箇年で三・五・二という比率でこれを復旧するということについては、大蔵大臣もたびたび御意志に沿うように善処したいということを言つておられるわけであります。しかし予算書を見ますと、必ずしもそれを忠実にやつて行こうということも表現されておらないようでございますが、ただいまの打割つた大臣のそういうお気持を、ぜひ今後も生かしていただきますように、ひとつお願いいたします。
  22. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 三・五・二でありますが、私はかねてから災害復旧は三・五・二どころではない、二年でやらなければうそだということをしばしば申しております。私の理想的な考えでは、さように思つております。三・五・二ということは、あの際もいろいろうたわれましたけれども、私はあの時分から三・五・二というのはあまり信用していない。ことに大蔵大臣——こう言えばまた不統一だとかなんとか言われますけれども大蔵大臣が六割できるという説明をしたのは、はなはだ遺憾なんです。おそらくその後は、大蔵大臣も六割はつきりできるとはおつしやつておらないはずだと思います。それは自分の方の査定の基準を辛くしたかもしれないけれども、それに基いて割出した金からいえば、六割できる勘定になるのだとおつしやつておられるようであります。私の方から露骨にいえば、六割どころではない、おそらく四割内外だというように思います。結論的には、大蔵省でたといどういうふうに計算をいたされましようとも、建設省ではつきりした査定をして、査定の結果としてそこに現われたものが、やはり復旧の目標となるものでありますので、予算の面からこういうふうに切り詰めてやる、あるいは災害実情を調査して、切り捨てるものは切り捨てるというようなことをすればこうなる、という仮定のもとにできておるものだと私は承知いたしております。ただ私の方で、はつきり四割しかできないのだと申し上げられないのは、実は私の方でも全部の査定が終つておりませんので、そこをまだはつきりは申し上げられない。しかし大蔵省でいうように、六割というようなことはとうてい考えられないじやないか。その点も食い違いがございます。大蔵省には、六割々々とあつさり言つてもらつては困る、あなたの方では机上の査定といいますか、推定に基いて割出した一種の基準で、それで何がしという災害復旧費をそこに出すが、それからいえば六割できる勘定になる。大蔵省でただいまやつております査定のやり方といいますか、数字の出し方と、私の方で実際に査定をして数字を推定しておるのでは、相当な開きがあります。これは私どもの方の査定がはつきりしたときに、大蔵省の査定は無理過ぎるということになつて行くのじやないか、かように思います。ただ、最初の予算説明は六割ということがありましたので、そういうことは非常に矛盾を起すことだというので、その後その説明書もたしか書きかえてあるのじやないかと承知いたしておりますが、その点は両方の言い分で、私どもの方は工事をよくしたいという腹で査定をいたしますし、大蔵省の方は少しでも金を少くしたいというのでやりますから、人情からいつて、両方ほんとうにまじめにやつても、一割くらいの差はどうしても出て来るものなのです。そういたしますと、大蔵省でやつているように、三・五・三はそう簡単には行かない。それは従来の復旧状況をごらんになつても、三年で済んでおるわけでもありません。ことに過年度災害をあれほど背負つておりますので、この苦しい予算の中からなかなかそううまくはできかねる。私は三・五・二でなければならぬというふうには考えておりません。少しでもよく、地方の人の迷惑の少いような復旧ということが今としては眼目で、理想論を振りまわしておつても、とうてい間に合うわけじやない、こんなふうに考えております。
  23. 村瀬宣親

    村瀬委員 私はひとつ資料を要求いたしておきたいと思います。ただいま建設大臣の御答弁を拝聴いたしましても、もう少し資料をいただかねば、これ以上詳しいお尋ねをいたしかねる点があります。たとえば、赤澤委員のお尋ねの通り、大蔵省は六割という、建設省は一割くらい差があるとおつしやるが、少くとも四割はできるだろうというような今の御答弁でありますけれども、かつて委員会で二割四分くらいじやないかという資料に基いた御答弁もあつたと思うのであります。従つて二十八年度災害が幾らで、二十八年度災害以前のものが二十九年度予算では幾らできるか、そういう資料をひとつ出していただきたい。大蔵省が何と言おうと、建設省としての資料をもらいたいのであります。  それから、ついでに資料を要求いたしますが、電源開発に関する予算並びに各融資、その他資金運用部資金あるいはその他の資金関係の表を、これは前の建設委員会には出してもらつたのですが、まだもらつていないと思いますから、それをいただきたい。  それから、これは建設省と直接関係はないかもわかりませんが、資金計画、いわゆる二十九年度資金繰りの中の、特に資金運用部資金の使い方、これはいろいろな面からすでに他の委員会に出ているようでありますが、特に建設関係で参考になる編成方式でけつこうであります。あるいはよそに出したものをそのままとつて来られてもけつこうでありますが、資金運用部資金の二十九年度利用計画の資料をいただきたい。  それから、地方起債、資金運用部資金と重複いたしますが、いわゆる地方財政の計画の中における投融資計画と申しますか、たとえば有料道路等の問題につきましても、五億がどうなつている、こうなつているということがいろいろあるのでありまして、そういう点がこれでははつきりわからぬ。それで五億だけではなしに、そういう五億が全体のどこから出て来たのかというはつきりした資料がもらいたいのであります。これはこの間の三党協定による修正案の場合も、四十億円のうちの十九億は開発銀行関係で間に合わせましたが、あとの二十一億は資金運用部資金から出ている。そういう関係で有料路道等も、二十一億も出るものならば五億や十億は簡単に出たのじやないかと思うのでありまして、それがどうして有料道路の五億があとになつて出るようになつたのか。そういうことがすぐにわかるような、国民経済全体の二十九年度資金計画、資金繰りの資料を次会に出していただきたい、これを要望いたしておきます。  それから災害復旧につきましては、今委員長からお話がありました次会大蔵大臣等がおいでになつたときに伺うことにいたしまして、私はもう一つ住宅政策について建設大臣の基本政策を伺つておきたいのであります。  かつて公営住宅は十八万戸を三年間につくるということが衆議院の議決を経て決定いたしておるのであります。ところが一昨年は二万五千戸、昨年は五万戸、今年は五万三千戸でありまして、あの決議から見るとまだ五万戸余りが不足いたすのでありますが、あの決議とこの三年間の施工とはどういうふうになつておるのでありましようか。ただ漠然と希望を決議したというふうなお考えでございましようか。やがてまた来年度にはああいういろいろな決議が出ると思うのでありますが、もし漠然とただ希望を述べるだけであるならば、何も本会議で十八万戸とか二十一万戸とか具体的にきめる必要はないのであります。一体これらの関係はどのようにお考えになつておるのでありましようか。同時に、今年度の緊縮予算の結果といたしましては、国民生活、特に最低線のぎりぎりの生活をしておる者には非常な圧迫を感ぜしめるであろうことを覚悟の上で、二十九年度予算を衆議院が可決しておるのでありますから、これがじりじりと国民生活に迫つて参りますと、自然みなおちつきを失い、殺気立つて参ります。そういたしますと、何としても安息の住宅、一日の働きの最後に安んじて眠ることのできる住宅というものが解決をいたしませんと、よけいに国民の気分はいらだつて参るのでありますが、その住宅政策に対しまして、建設大臣はどのようにお考えになつておるか。
  24. 久野忠治

    久野委員長 村瀬君に申し上げますが、ただいま御要求の資料につきましては、委員長から次回の委員会に資料が整いまするように、しかるべくとりはからいたいと存じます。
  25. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 公営住宅の三箇年計画でありますが、もちろん十八万戸ということを目標にいたして、ぜひ完成させたいというふうに考えておつたわけでありますが、ただいまもお話のありましたように、まず第一年度に二万何千戸というようなことでは、結局それを二十九年度にしわ寄せいたしますと八万戸以上のものにならなければ、できないわけであります。私どもとしては十八万戸を完成するためには八万戸でもやりたいという強い気持を持つてつたのでありますけれども、これが御承知のような緊縮財政ということに出つくわしてやむを得ず五万数千戸にとどまるようになつたのであります。ただ、完成ができないことは、まことに遺憾に存じておりますけれども、さらに三十年度以降において、あるいは第二次計画というようなことで、またこれらの補充等を考えて参りたい、かように考えております。決しておるそかに考えておる気持はございませんけれども、まつたく緊縮予算の建前から、やむを得ざる結果に相なつた次第でございます。
  26. 久野忠治

    久野委員長 他に御質疑はございませんか。——なければ本日はこの程度にて散会をいたします。    午後零時六分散会