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1954-02-26 第19回国会 衆議院 建設委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年二月二十六日(金曜日)     午前十一時三十二分開議  出席委員    委員長 久野 忠治君    理事 瀬戸山三男君 理事 田中 角榮君    理事 佐藤虎次郎君 理事 志村 茂治君    理事 細野三千雄君      岡村利右衞門君    高田 弥市君       松崎 朝治君    五十嵐吉藏君       村瀬 宣親君    三鍋 義三君       山下 榮二君    只野直三郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣 塚田十一郎君  出席政府委員         自治政務次官  青木  正君         自治庁次長   鈴木 俊一君         総理府事務官         (自治庁税務部         長)      奥野 誠亮君         大蔵事務官         (主計局次長) 原  純夫君         建設政務次官  南  好雄君         建設事務官         (大臣官房長) 石破 二朗君         建 設 技 官         (道路局長)  富樫 凱一君  委員外出席者         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ――――――――――――― 二月十八日  委員佐藤虎次郎君、堀川恭平君及び佐竹新市君  辞任につき、その補欠として大平正芳君、有田  二郎君及び中居英太郎君が議長指名委員に  選任された。 同日  委員有田二郎君及び大平正芳辞任につき、そ  の補欠として堀川恭平君及び佐藤虎次郎君が議  長の指名委員に選任された。 同月十九日  委員中居英太郎辞任につき、その補欠として  佐竹新市君が議長指名委員に選任された。 同日  委員佐竹新市辞任につき、その補欠として小  平忠君が議長指名委員に選任された。 同月二十日  委員小平忠辞任につき、その補欠として佐竹  新市君が議長指名委員に選任された。 同月二十四日  委員堀川恭平君及び村瀬宣親辞任につき、そ  の補欠として有田二郎君及び竹山祐太郎君が議  長の指名委員に選任された。 同日  委員竹山祐太郎辞任につき、その補欠として  村瀬宣親君が議長指名委員に選任された。 同月二十六日  佐藤虎次郎君が理事補欠当選した。     ――――――――――――― 二月十五日  北上川下流改修工事促進に関する請願内海安  吉君紹介)(第一六七四号)  雄物川中流改修区域変更に関する請願齋藤憲  三君紹介)(第一六七五号)  環状線二級国道路線計画に関する請願松崎朝  治君紹介)(第一六七六号)  串木野市内国道鋪装工事施行に関する請願(迫  水久常紹介)(第一六七七号)  高田村地内鵜川災害復旧工事促進請願(田  中角榮紹介)(第一七九〇号)  柏崎、湯沢間の産業道路改修促進に関する請願  (田中角榮紹介)(第一七九一号) 同月十八日  災害復旧のための低利資金融資額増加に関する  請願熊谷憲一紹介)(第一八五一号)  川上村に臨時特例諸法適用に関する請願田中  萬逸紹介)(第一八八四号)  棚倉村に臨時特例諸法適用に関する請願大石  ヨシエ紹介)(第一八八五号)  久世郡に臨時特例諸法適用に関する請願大石  ヨシエ紹介)(第一八八六号)  福知山市に臨時特例諸法適用に関する請願(大  石ヨシエ紹介)(第一八八七号)  利根川架橋請願竹尾弌君紹介)(第一九一  二号)  府県道三沢本郷線改修に関する請願福井勇君  紹介)(第一九一三号)  岡山県下各河川砂防工事施行に関する請願(橋  本龍伍紹介)(第一九一五号)  大手川改修計画に関する請願大石ヨシエ君紹  介)(第一九一六号)  道路整備費財源等に関する臨時措置法による  予算措置に関する請願池田清志紹介)(第  一九一八号) 同月二十日  東頸城郡下道路防災工事施行に関する請願(  塚田十一郎紹介)(第一九九一号)  東頸城郡下砂防工事施行に関する請願塚田  十一郎紹介)(第一九九二号)  東頸城郡下橋りようを永久橋架替え請願(  塚田十一郎紹介)(第一九九四号)  早川に災害土木事業助成工事施行に関する請願  (塚田十一郎紹介)(第一九九五号)  県道和田松代線改修工事継続等に関する請願(  塚田十一郎紹介)(第一九九六号)  三国国道開さく工事促進に関する請願藤枝泉  介君外一名紹介)(第一九九七号) 同月二十二日  災害復旧のための低利資金融資額増加に関する  請願江藤夏雄紹介)(第二一二六号)  道路整備費財源等に関する臨時措置法による  予算措置に関する請願只野直三郎紹介)(  第二一七一号)  東郷村及び余瀬にダム建設反対に関する請願(  片島港君紹介)(第二一七二号)  阿仁川改修工事促進に関する請願石田博英君  紹介)(第二一七三号) 同月二十三日  秋芳川沿岸地盤沈下地帯対策事業費国庫補助に  関する請願(逢澤寛紹介)(第二二七三号)  県道周匝弓削線改修工事促進に関する請願(逢  澤寛紹介)(第二二七四号)  国営芦田川ダム建設工事費認可に関する請願(  高橋禎一紹介)(第二二七五号)  布部橋永久橋架替え請願松浦周太郎君  紹介)(第二二七六号)  阿仁川改修工事促進に関する請願石田博英君  紹介)(第二二七七号) 同月二十四日  豊平川右岸道路開さく促進に関する請願椎熊  三郎君紹介)(第二三三二号)  一ツ瀬橋永久橋架替え請願片島港君紹  介)(第二三三三号)  篠原村地内国道一号線鋪装工事施行等に関する  請願中村幸八君紹介)(第二三三四号)  日勝産業幹線道路開設等に関する請願伊藤郷  一君紹介)(第二三三五号) の審査を本委員会に付託された。 同月十七日  水害対策に関する陳情書  (第八二二号)  復旧工事費つなぎ融資及び利子補給に関する  陳情書  (第八二三号)  雄物川改修に伴う部落移転費増額に関する陳情  書  (第八二四号)  軽井沢町の都市計画事業街路鋪装事業実施に  関する陳情書  (第八二五号)  青木島水門設置促進に関する陳情書  (第八二六号) 同月二十日  白川の拡張工事計画変更に関する陳情書  (第九六三  号)  子飼橋の流失による被害補償等に関する陳情書  (第九六四号) 同月二十三日  奈佐村を水害特別措置による災害地域指定の  陳情書  (第九八八号)  大山村を災害特別措置法適用地域指定陳情  書(第一〇  〇〇号)  港村を災害特別措置法適用地域指定陳情書  (第一〇〇  一号)  都市計画促進に関する陳情書  (第一〇三八  号)  瀬戸川改修事業に関する陳情書  (第一〇三九号)  住宅難解決促進に関する陳情書  (第一〇四〇号) 同月二十四日  海岸河川堤防本格的工事実施等に関する陳  情書外一件  (第一一一〇号)  住宅施設の強化に関する陳情書  (第一一一一号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  連合審査会開会申入れに関する件  道路に関する件     ―――――――――――――
  2. 久野忠治

    久野委員長 これより会議を開きます。  お諮りいたすことがあります。すなわち、佐藤虎次郎君が去る十八日に本委員辞任され、同日再び本委員となられたのでありますが、同君は理事でありましたので、これが補欠選任を行わねばなりません。この補欠選任につきましては、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認めます。それでは理事佐藤虎次郎君を指名いたします。     —————————————
  4. 久野忠治

    久野委員長 道路に関して調査を進めます。発言の申出があります。順次これを許します。村瀬宣親君。
  5. 村瀬宣親

    村瀬委員 塚田長官がお見えになつたようでありますから、自治庁でお考えになつておる地方譲与税のうちの揮発油税として徴収された分の三分の一をこれに充てるという点につきまして、お尋ねいたしたいのであります。  本件につきましては、法律改正しなければ、さようなことは考え得られないことでありまして、しかもその法律改正は、自治庁においてなさるべき性質のものではありません。建設省その他、他の箇所がすでに決定をいたしました道路整備費財源等に関する臨時措置法の条項の改正をしなければ、かようなことは行えない性質のものでございます。これに対しましては、どのような処置をとるか、まだ一向現われて参つておらないのであります。その間の事情につきまして、あるいは政務次官の問で、またはその他の間でいろいろの方法についての協議が行われておるそうでありますが、その間の事情について、塚田大臣から、まず今日までの経過を一応御報告願いたいのであります。
  6. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 この問題は、実は自治庁としては非常に困難をいたしたのでありますけれども、しばしば事務局同士または政務次官同士の間で話合いをいたしまして、最終的にようやく政府態度決定をいたしたわけであります。こまかい点は、後ほど次長から申し上げることになると思うのでありますが、大体四十八億というものをひもつきとして道路に充当するような形において、地方財政計画の中に織り込みまして、当建設委員会及び建設省側の御希望のような形で地方財政計画運用をして行く、こういう方針に大体きまつたのであります。それをどういうぐあいにして地方財政で消化をして行くかということであります。これは非常に困難があるのでありますけれども、当初から十億程度は何とかやれるのではないかという考え方をいたしておりましたので、この額の程度は問題ないとしまして、残り三十八億でありますが、しかし考えられますことは、今度の新しい考え方と、その考え方によらない場合と、二つの行き方をした場合、どちらにしても同じものに金が出るという、重複される部分があると考えられますので、その部分は実質的には響きはないわけでありますから、そういう部分を除きました部分が、結局地方財政計画の上で処理をして行かなければならない部分だと考えるわけであります。そこでその部分につきましては、一部分はもちろん単独事業というようなものの節約ということでまかなわなければならぬ部分もあると考えます。しかし、なるべくそういうことにしわの寄らないように努力をしたいと思うわけでありますが、最終的には地方財政計画全体をだんだん運用して参りまして、あるいは税収の部分などにも若干伸びも考えられるかもしれません。またそうでなくても、できるだけ今後の預金部資金増加というようなことも頭に置きまして、できる範囲におきましては大蔵省側協力を得て、起債わくをある程度また増加をしてもらうということも一部考えられるじやないか、こういうふうに考えております。どちらにいたしましても、それらいろいろな方法地方財政計画としてはそれを消化いたしまして、当委員会の御希望——もちろん当委員会としても、これで十分御満足であるというようには、私ども感じておらぬのでありますが、一応ごしんぼう願えるような線まではわれわれの方も御協力を申し上げる、こういう考え方に立ているわけであります。
  7. 村瀬宣親

    村瀬委員 塚田長官の御答弁を伺いますと、たとえば重複されるべき部分等もあるから、そういう点については問題もないと思うが、あるいは単独事業の一部の節約とか、起債わくをふやすというような方法で善処したいというような御答弁でありまして、たとえばどこが重複されるのか、その答弁にはかなり幅があると思う。この問題については、当委員会で今日初めて提起されたのではないのでありまして、相当論議し尽されたものでありますから、あまりどつちにでもとれる幅のある御答弁では、われわれに承服できない段階に立ち至つているのでありますから、きわめて簡単に私は今までの経過を申し上げまして、そしてはつきりした御答弁伺つて、それによつてわれわれはこの問題に対する態度をあらためてきめたいと思いますので、ひとつ確実な、解釈が二途に出る余地のない御答弁を伺いたいのであります。  もともと日本道路は非常に悪い。それがために、日本産業興隆にもはなはだ支障を来す、従つて経済自立計画を樹立する上にも、まずこの道路整備ということが基本になるという意見は、国会の内外を通じての定説であつたのであります。ここにおきまして、これをどうやつて早急に解決するかという点につきまして、いろいろ議論の結果、アメリカで実施をした先例等も勘案いたしまして、まずガソリン税相当額道路整備に充てるという一つ根本方針を昨年樹立いたしたわけであります。これにつきましても、むしろ目的税のようなものがよいのでありましたけれども、しかし目的税といたしますと、他にもいろいろ、これもこういう方面目的税、あれはああいう方面目的税とぶんどり主義になりますと、税制並びに国の財政に混乱を来すというので、表現を非常に苦心いたしまして、ガソリン税相当額を国の道路整備に充てねばならないという表現にいたしたことは、塚田長官も御存じの通りであります。そういういきさつを経て、このガソリン税の処分が法律によつて一応義務づけられたのでありますから、もはやこれは議論はない。七十九億円というものは、これは日本法律を遵守する正しい国であるならば、何らの疑いもなしに道路整備に充てねばならないのであります。これは衆参両院の満場一致の議決によつてできた法律でありますから、この本質に対しては、何らの疑義もさしはさむことはない。それを一兆円とかいろいろな内閣の御方針一つの取引といいますか、技術的な部面に制約されて、七十九億円を自治庁の方へまわすということになつた。いわゆる譲与税のうちの揮発油税部分をもつて充てるということに相なつたわけであります。そういういきさつはこれは簡単な、ただ財源がそこにあつたからとつて来たというものではありません。そういう関係になつておるものでありますから、法律を遵守するならば、七十九億円は全部返していただきたい。そうして道路整備に充てて、日本産業の開発に充てねばならないのであります。しかし、今年度の特殊事情等からも考えまして、一応政府の方でこういう予算をお出しになつておるのでありますから、その他やむを得ない点はわれわれの方で修正の計画もしておりますが、もし何らかの筋道が立つならば、われわれは必ずしも反対のための反対をしようとは考えておりません。そこで今三十八億と申しますのは、今年度ガソリン税を二千円、一万一千円が一万三千円に上つたその二千円分の三十一億は、これもまた理由がないのでありますけれども、われわれがかりに百歩を譲つて、これだけは堅持をしようという七十九億から三十一億を引いて四十八億というものが、今ここで問題になつているわけであります。そのうち十億円は塚田さんの方でお考えになる。そうすると、残りは三十八億円と相なるのでありますが、こういう経過を経てしぼりにしぼつた三十八億円でありますから、今のような御答弁では、われわれはとうてい承服はできません。起債その他によつて、あるいは単独事業節約によつて適当に処理をするというような御答弁では、われわれは断じて承服はできないのであります。  そこで、これからかちつとひとつ動くことのない御答弁を伺うのでありますが、一体地方財政計画総額幾らでございますか。
  8. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 九千六百五十三億四千八百万円でございます。
  9. 村瀬宣親

    村瀬委員 この三十八億円はその外になりますか、長官から伺います。
  10. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 最終的には、今申し上げた数字の中には、先ほど申し上げた十億だけが入つておるのでありまして、あとの三十八億は、最終的にはこのわくを広げなければこれはできないのであります。またそのような覚悟をしておるわけであります。当面は先ほど申し上げたように、単独事業節約、そういうようなもので仕事にはさしつかえないように運ぶ、こういう考え方であります。
  11. 村瀬宣親

    村瀬委員 おいおいはつきりして参りますが、十億だけはその総額の中に入つている。三十八億はその外であるといたしますと、塚田長官は一応この謄写刷りにしたものに総額は出しておるけれども、これにプラス三十八億円の措置をすると、ここで言明をなさるのでございますか。
  12. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 三十八億円は、今大臣から御答弁申し上げましたように、財政計画の中にさしあたり入つていないわけでございますが、今後単独事業節約による切りかえ、あるいは税の増収等を見、さらに五箇年計画道路等、当初から予定をしておりました府県道の一般の単独整備事業と重複するようなものが、将来計画を立てるにあたつてできますならば、そういう部分も接合されることになるのでございますが、それらのものを見ましたとぎに、残りはこれは政府資金の蓄積の状況公募債償還状況等とにらみあわせまして、この点は今後補正するようにして参りたいと計画考えている次第であります。さような措置ができます際には、地方財政計画の補正をいたしたいというふうに考えている次第でございます。
  13. 村瀬宣親

    村瀬委員 政府側答弁が上手で、聞いていると、それでよさうでありますけれども、なかなかよくない要素が含まれておるのであります。たとえば、今の御答弁でも、公募債その他資金運用部資金預金がふえたりしてそういう措置ができます場合は、計画をふやしてもいい。そういう措置ができます場合はというような条件付では——このごろ妙な条件付がいろいろはやるのでありますが、そういう条件付ではわれわれは安心ができないのであります。措置ができます場合にはするというのでは困るのであります。公募債が相当余つておる、また資金運用部の金も、これは二十九年度の国民所得増加予定等から考えて、あまりふえないかもわかりませんが、何らかの方法でそれをやるのだというはつきりした御答弁がない以上は、われわれはこの三十八億円に対して安心ができないのであります。もう少しはつきりしたお答え長官から伺いたいのであります。
  14. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 これはいろいろな財政計画の上の困難を処理する方法として、そういうぐあいに処理をいたすつもりでありますと申し上げておるのでありまして、四十八億というものを当委員会が御希望のような方法に使わなければならないということは、これは当然に優先して行くわけでありまして、今地方財政計画全体が、そのことによつてつて来る措置をどういうぐあいにするかということを申し上げておるのでありますから、皆さん方立場からは御心配はいただかないでいいのではないか。とにかく四十八億は、御希望のように必ず措置をいたします。またおそらく法律がそういうような形でできるのでありますから、その法律通り断行せざるを得ないわけであります。繰返して申し上げますが、そうした場合に起きて来る地方財政計画の他の面のしわ全部、それを他の面の節約などは、もちろんぎりぎりの財政計画でありますからできませんが、そういう面はいろいろこういう漢、ああいう方法考えております。一部分はもちろん単独事業節約ということにもなるでありましよう、こういうことであります。
  15. 村瀬宣親

    村瀬委員 先ほどの長官の御答弁と、ただいまの説明的な御答弁とは、食い違つておる。だから私は最初から心配をしておる。そういう点は、私の方がいろいろやりくりして心配するのであつて、今の塚田さんのお話では、建設委員会で何も御心配はいるまいということですが、そうじゃない。もともとこの一二十八億というものが、国の再建に役立つように使えるかどうかこいう問題でありますから、これは私らの方が心配するので、あなた方の方は、むしろその措置をさつさとなされば心配はいらない。なぜかといいますと、最初私は長々と前口上を置いて、そうして塚田さんに、一体二十九年度の地方財政計画幾らでございますかと聞いた。そうしたらどなたかから九千何百億円ですと言われた。そこで私は塚田長官に、しからば三十八億はその外でありますかと言つたところが、外にするような意味の御答弁があつた。そうしていろいろ聞いているうちに、今の御説明では内側に入れてしまつている。そしてそれを地方財政計画中側へ入れて、三十八億をいろいろやりくりするのは、これはあなた方も御苦労でありましよう。その場合に、建設委員会では何もあなた方御心配いりませんというお言葉があつたが、それは、われわれの方で単独事業節約したりしてやりくりをするのだから、その点は建設委員会は御心配いるまいというお言葉だと思う。そうすると、最初お答えなつたあなたのお答えとかわつて来た。最初地方財政計画の外に三十八億を置く——置くとははつきりおつしやらなかつたが、置かねばこの問題の処理はできぬような御答弁があつた。置くように解される御答弁であつた。そこで私は質問すると、今度は外ではない、内側へ入れるとおつしやる。いわゆる公募債等をそこへ持つて来るならば外側であります。が、内側に置くのか外側へ置くのか、あなたははつきりしていない。これは当然外に置くべきであると思います。外に置かなければ、ガソリン税としてせつかく道路改修に充てるといつた根本的な第一の基本線がくずれるのでありますから……。一体内で処理をしてしまうのか外で処理をしてしまうのか、その根本考えを承つておきます。
  16. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 最初お答え申し上げたところと、今申し上げたところと、ちつともかわつておらぬのであります。これは地方財政計画というものの性格から来るのでありまして、皆さん建設委員会のお立場からは、要するに四十八億というものは、ひもがついて道路にそれが使われるということが、おそらく最終的の御希望であり、それができるならば、さしつかえないはずであります。その面は、もちろん当委員会重大関心をお持ちになつているはずであるし、その点については、各省ともいろいろ折衝した結果、自治庁終局において了承いたしましたことは、その通りにいたしますということを私どもも承知いたしたわけでありますから、もしも九千六百五十三億の今のわくがふえませんならば、それはその中でもつてもちろん四十八億はまかなわなければいけない。十億だけありますから、あとプラス三十八億はまかなわなければいけない。それでわくがふえませんければ、どこかほかへしわが行くわけでありますが、そのしわが行くところをこういう方法でカバーをして、なるべくほかへしわが行かないように、当委員会の御希望に沿うように努力するという考え方でおります。そう申し上げたのでありますが、終局においては、もちろんわくは相当ふえるでありましようし、そうして全体として大きなしわを他に寄せずに、当委員会の御希望のようにもちろんいたす、こういうことになるわけであります。そういう話の経過から御想像がつくように、皆さんの御希望の面は優先的に考慮しなければならぬ、こういう感じでおるわけであります。
  17. 村瀬宣親

    村瀬委員 塚田長官は、われわれが建設委員会の狭い分野でこの問題を考えておるとお考えになつておるのではないかと思います。特に当委員会は、国土計画常任委員と言つておりました時代から、セクシヨナリズムにとじこもつた官僚の考えというものを排撃して参つたのでありまして、いわんや私たち自身として、ただ建設省関係の一角にとじこもつた議論をしておるのではございません。従つて皆さんのお考えは、三十八億円がはつきりと道路に使えればそれで能事終れりとするのではないかという今の御答弁には、私は承服できないのであります。そういう狭い視野から考えておるのではございません。従つてわれわれは九千六百五十三億円の地方財政計画のあらましを、一応調べておるわけであります。なお、いろいろ府県等から相当陳情も受けております。これくらいのものではやつて行けぬのだ、こう言つておることを承知いたしておりますから、私はこういうように非常に手を詰めたようなきついお尋ねをしておる。ところがそれに対する御答弁は、何度もはつきりした御答弁を要求するにかかわらず、今でも終局においては相当わくがふえるかもしれないが云々というような御答弁である。それでは私たちは承服できない。それでは終局においてどれだけふえるのであるか、そうして実際九千六百五十三億のどこで減らすのか。われわれは相当不満な声を地方から毎日陳情を受けておる。われわれ建設委員会委員だけとしての陳情じやない、代議士として地方財政計画についていろいろ陳情を受ける。でありますから、そういう終局において相当のわくがふえるだろうというような御答弁でなしに、三十八億のうちで二十億はふえる、二十五億ふえるのだ、あとはどこをどのように節約をして、そうして九千六百五十三億円のうちから措置ができ、残り二十五億はわくをふやすのだという御答弁を得られるのならば、私たちは承服できる。ただ相当わくがふえるだろうというような抽象的な御答弁では、私たちは一この法的にちやんと準拠した、当然道路に使用せねばならないと衆参両院で満場一致できまつたものを、かつてに事務官僚によつて侵害されることは、これは国会の権威にかかわるものである。もちろん一つわくをふやせば、たとえばこの問題をふやすならば、あるいは電源開発も少いと言つておる、鉄道建設も少いと言つておる、それもふやさねばならないから、ひとつ腹芸で承認してくれないかという政治的御要求があるかもしれない。しかしそのウエートにおいては、これは法律によつてきめられておるものである。電源開発も必要でありましよう。しかし法律によつて電源開発を幾らやれということはさまつておりません。鉄道建設も必要であります。しかし法律によつて何ぼやれということがきめられてあるものじやない。これはちやんと法律によつてきめられてあることであります。従つて私は、そこにはつきりとした御答弁を得られない限り承服できないのでありますが、今終局において相当わくがふえるであろうと考えると御答弁なつたことは、一体何億円ふやすつもりでありますか。
  18. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 私は問題の焦点が二つあると思うのでありまして、法律によつてきまつているとおつしやる部分は、結局この問題の場合には、ひもつきで四十八億が地方財政の中で道路費に出るか、しかも特定の道路に出るかということであろうと思うのです。その点は、必ず出します、このようにはつきり申し上げておるのでありまして、私は十分法律を尊重しておるつもりであります。  そこで問題は、それを出す場合に、今までそういうものを考慮しておらなかつた——四十八億のうち三十八億は考慮しないで組んだ財政計画に狂いが出て来ざるを得ない、その面と、もう一つ建設委員会皆さんが御心配をいただいておるというお話でありましたから、これはまことにありがたいと思いますが、その部分は国の財政計画全般とまた地方財政計画のにらみとで、ある部分は緊縮してやらねばならぬ部分もあるでありましよう。また金融の情勢では、一部分起債わくなどを広げられる部分もあるかもしれない。また今組んでおる地方財政計画の歳入の部分予定よりも伸びがあつて、そういう部分でまかなえる部分もあるかもしれません。そういういろいろな事情を勘案いたしまして、あるいは二十億ふえることになるか、二十五億この外にふえることになるか、これは地方財政計画の最終的な総わくの問題でありますから、御心配いただいております点はまことにありがたいのでございますが、今ここで幾らふえますということは、まだ申し上げるところまで問題の検討が進んでおりません。
  19. 田中角榮

    田中(角)委員 関連してちよつとお聞きしておきたいのです。塚田長官が非常に明快に答弁をしておられることを、もう一ぺん私が確かめておきたいのは、いわゆる地方財政計画として四十八億を何とかしなければならぬが、何とかできない場合——できない場合ということに、うんとしぼつた場合のことを御質問申し上げますが、あなたの言われるようにして、公募債もできない、資金運用部資金わくもふえない、またいろいろな財源措置が全然できない場合であつても、そのわくの中で、ほかの事業には影響があるかもわからないが、この法律できめた道路費の四十八億というものだけは、あらゆるものを犠牲にしても確保する、こう考えてよろしゆうございますか。
  20. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 その通りでありますし、また今政府が出そうと考えております法律は、そのような内容でありますから、その通りせざるを得ないわけであります。
  21. 村瀬宣親

    村瀬委員 自治庁長官としてお考えになるのならば、この前の御答弁も、必ずしも責めるべきではないと思いますが、やはり塚田さんは道路整備費財源等に関する法律のほんとうの精神を御理解になつていない点があるのであります。法律を尊重して、四十八億はとにかく道路に出すのだ、だからいいじやないかというお考えであるようでありますが、私は四十八億出すかどうかということについても、まだ釈然とはしないが、百歩を譲つてそうであるとしても、これは法律の趣旨を尊重なさつていないのであります。昨年議員提案で衆参両院を満場一致通過いたしましたあの道路整備費財源等に関する法律は、これは一メートルでも多く道路整備して、そうして産業の開発に資したいというのであります。そういたしますと、この四十八億円というものが、今おつしやる通り建設省の国の一兆円の予算わくからはずれて地方に出ても、道路に使われさえすれば、それでこの法律が守られたというわけではないのであります。現に工事が七十億円違つて来る。なぜかといいますと、百七十億余りのこの道路費のうち、直轄工事というものは三十二、三億であります。そのほかはみんなもし国の一兆円の中に組まれたことを考えてみますと、直轄工事の分にこの四十八億が充てられる場合は長官考えでよろしい。しかし直轄工事は三十二、三億しかないのでありますから、これがもし自治庁の管轄の予算から離れて、建設省関係の国の予算に入つた場合を考えますならば、これは道路工事の補助金として出て行くわけであります。その場合には当然あなたの方でこれに対する見返りの起債をつけねばならぬ、そうして初めて工事ができ上る。そういたしますと、あなたの方に四十八億円とられる——非常に妙な言葉になりまして、セクシヨナリズムはいかぬと言いながら、私もセクシヨナリズムの言葉になるけれども、説明しやすいからこういうふうに言うのでありますが、あなたの方に四十八億とられるということは、かりにその四十八億がそのまま道路に使われても、あの道路整備法律をつくるときの精神から言いますならば、四十億円ほど工事が減つて来るわけであります。こういうこともあるのであります。この四十八億円のうち十億あるとおつしやるのでありますから、三十八億円は確実に他を圧迫せずして道路工事にできるような道が講じられ得るかどうかという問題なのでありまして、繰返すようでありますが、このうち大よそどれくらいはわくをふやし、いわゆる九千六百五十三億円のわくをふやし、どれくらいは内部操作に充てるのかということをひとつ明らかにしていただきたい。なぜこれを重ねて要求するかと申しますならば、県単工事の分と五箇年工事の分との重複するところもあるであろうからとおつしやるのでありますが、この県単工事でやることになつておる分のうちの、五箇年計画の二十九年度と重複しておる分というようなものにつきましては、これは自治庁としてかつてな御決定をなさることは非常に迷惑するのであります。それは、たとえば昨年風水害によりまして、あれほど大議論をしてそして百五十七億円は確実に予算の外で大蔵省があつせんして、資金運用部の資金か、それでなければ市中銀行の仲に立つて工事をさせてやると言つたけれども、何度も何度も質問して何度も答弁なさつたけれども、今どれだけできておりますか。政府みずからそういう範をたれた先例があるのでありますから、私はこの三十八億円については、はつきりした数字を伺つておかねば、得心が行かぬのでありまして、もう一度この点を塚田長官御自身から御答弁願いたいのであります。
  22. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 いろいろお話を聞いて、当の委員会立場としては、まさに御意見の通りだと思うのであります。ただ私は自治庁長官として言わしていただくならば、自治庁としては、まことにこれは迷惑をいたす話なのでありまして、ただ国のいろいろな他の面の政策との総合で四十八億をひもつきで出すということで話合いがついたので、私どももその程度のしんぼうはしようということになつて従つてそれが他の面へ一部分どうしてもしわが行くでありましよう。ただしかし、先ほども申し上げましたように、この九千六百五十三億の計画自体が、国と同じようなぎりぎりの計画であるから、これ以上大きなしわは寄せられないので、なるべく起債わくなどで広げられる余地ができたならば広げてもらいたいという強い希望を持つております。そういうような状態でありますし、ことに重複する部分というものは、計画ができませんければ、これはおそらく建設省でもおわかりになつておらぬと思うのでありまして、今申し上げられませんし、また重複部分がかりに出て参りましても、そのほかどれくらいの節約でできるかということも、今後の検討によつて初めて数字が出て来るものでありますから、今九千六百五十三億の外でどれだけ地方財政わくを広げるのかというようなお尋ねに対しては、まだ数字をもつて申し上げるわけに参らない段階であります。
  23. 村瀬宣親

    村瀬委員 そういたしますならば、これはいくら押し問答しても、解決点は見出し得ないのであります。私が長官よりも先に、九千六百五十三億円の内訳はそうゆるやかなものでないであろうから、はつきり数字を示してもらわねば、われわれも府県から相当陳情も受けておるし、九千六百三十三億円でもなかなか容易なことでないと思うのであるから、その外に三十八億のこぶをつけるのか、このこぶを小さくして九千六百五十三億のうちに幾らか入れるのかということを、最初から四へんくらいお尋ねしているのであります。ところが今の御答弁も、起債等でわくを広げてもらうことができたならば広げてもらいたいと思つておるというような御答弁なのでありまして、一向事態の究明というものは進展をいたしません。そこで、先ほど田中委員からお尋ねがあつたのに対しまして、四十八億については九千六百五十三億の内側でやるか外でやるか、その比率はわからないにしても、とにかく建設大臣指定する五箇年計画に基いた箇所の道路改修及び修繕に使用するということでありますが、それは今度の法律に明記なさいますか。
  24. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 今のお尋ねの点は、近く提案をいたす予定でおります揮発油譲与税に関する法律の中で、四十八億円というものは道路整備費財源等に関する臨時措置法第二条第一項に規定する道路整備五箇年計画に定められた都道府県道で、その改築または修繕について国がその費用の全部または一部を補助しまたは負担するもの以外の面積によつて按分をいたしまして、それの使途を法律の上に明らかに規定をするようにいたしたい。この使途といたしましては、道路整備の五箇年計画実施するために必要な都道府県道の改築または修繕のために要する費用に使わなければならないというふうにいたしたいと考えておるのであります。
  25. 村瀬宣親

    村瀬委員 私は質問を続けますけれども、この三十八億円の処、理については、塚田長官の御答弁で了解したものではございません、全然了解できないのです。しかし何度押し問答をしてみても、同じ問答を繰返すのみでありまして、私は了承ができないままに次の質問をいたすのでありますから、さよう御承知を願いたいと思います。  最初にお尋ねをいたしました通り政務次官会議あるいは事務次官会議等で、いろいろこの問題の処理ついてお申合せがあるやに聞いておりますが、塚田長官はどのようにお考えになつておりますか。申合せをお聞きになつたのでありますか。その申合せをお聞きになつたとすれば、その申合せを閣議にかけるおつもりでありますか。この処理について伺いたい。
  26. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 これは先ほども申し上げましたように、申合せがあり、各省の間で最終的に意見が一致いたしまして、今次長がちよつと申し上げましたような法律案を国会に提出する準備をいたしておるわけであります。
  27. 村瀬宣親

    村瀬委員 申合せの全部を法律の文句には書けないというのでありますが、それは、書けばけつこうでありましようけれども、そういうことは技術的にも困難と思います。この法律の案文とは別に、なおこの譲与税のうちの揮発油税から入つて来る分に対しまして、たとえば建設省、大蔵省、自治庁というような間で、何らか一つの申合せをなさる御方針でありますか、どうでありますか。
  28. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 この問題を解決するのに必要な範囲では、全部申合せができておりますし、これ以上新しくさらに申合せをして、それを閣議にどうこうということはないと思います。閣議にかける部分は、おそらく法律案としてかかつて了解を得る、こういうように考えております。
  29. 村瀬宣親

    村瀬委員 法律案としてはつきり文章になるのでありましようが、そうなつたもの以外に、申合せ事項というものは、この譲与税、特に揮発油税関係についてはない、かようなことに伺つてよろしゆうございますか。
  30. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 揮発油譲与税に関する法律につきましては、今政府では最終の決定になつておりませんが、最近の閣議でこれを決定を願うということで、今関係の事務当局の間において話合いをいたしておるのであります。
  31. 村瀬宣親

    村瀬委員 しからばお尋ねをいたしますが、この譲与税のうち、入場税の十分の九と揮発油税の三分の一ということになつておるようであります。入場税の分については、われわれは別に意見を持つておりますが、それは当委員会で触れないといたしまして、揮発油税に関する分につきましては、本年限り、いわゆる時限法になさるおつもりであるか。あるいはもつとはつきり申し上げますならば、譲与税自体一年限りの時限法とするおつもりでありますかどうか、お伺いいたします。
  32. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 自治庁といたしましては、今回昭和二十九年度の揮発油譲与税に関する法律という題名のもとにこれを提案いたしたいと考えておるのでありまして、昭和三十年度以降の問題につきましては、先般の三政務次官の会合の際の話の筋に沿いまして、今後処理をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
  33. 村瀬宣親

    村瀬委員 大分はつきりして来たようであります。今の御答弁によりますと、昭和二十九年度揮発油譲与税という名称になりますか、どういう名称になりますか。もう一度技術的な法律案自体の文言を明らかにしていただきたいと思います。
  34. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 今申し上げましたように昭和二十九年度の揮発油譲与税に関する法律という題名で提案をいたしたいと考えております。これは昭和二十九年度だけの適用法律でありまして、三十年度以降については何ら規定をいたしていないのであります。
  35. 村瀬宣親

    村瀬委員 そういたしますと、この予算書に出ておりました譲与税というのではなくて、入場税譲与税と昭和二十九年度揮発油譲与税という二法案が出るわけでありますか。
  36. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 その点は、ただいま仰せになりましたように、当初地方譲与税法案ということで、揮発油譲与税、入場譲与税、両譲与税の譲与の方法等を規定いたそうというふうに考えておつたのでございますが、その後三政務次官のお話合い等がございまして、揮発油譲与税につきましては、昭和二十九年度における発揮油譲与税の問題として規定をするようにということになりましたので、自治庁といたしましても、そういう考え方に立つて、入場譲与税の方は恒久的な制度でございますので、これは別立ての法律とし、揮発油譲与税の方は昭和二十九年度の揮発油譲与税に関する法律というふうに、別に提案することにいたしまして、ただいま用意をいたしておる次第であります。
  37. 村瀬宣親

    村瀬委員 ただいまの御答弁は、われわれの委員会で一番最初に意見の出たことでありまして、当委員会の意見に非常に近寄つて参りましたことは満足するものであります。  そこで、なお伺つておくのでありますが、最初私たちは地方譲与税というような名称で出ましたときに、これは揮発油税相当額の三分の一とあるけれども、こういう地方譲与税というような一本の税法が出ておると、ちよつと四、五字かえるだけで、三分の一を二分の一に訂正するだけで非常に大きな金額の相違を来す。またこの地方譲与税にいろいろな財源を次々に考込んで行くというような便法もあるので、はなはだ危険を感じておつたのでありますが、今の御答弁でその点が除去されましたことは、非常に満足であります。ちよつと横道になりますけれども、念のために伺つておきますが、そういたしますと、恒久的な譲与税は入場譲与税という名称一本になつたのでありますか、あるいは地方譲与税としてその中に二つ、入場税の十分の九、揮発油税の三分の一とありましたその揮発油税だけを抜いたものであるかどうか。こういうお尋ねをいたしますのは、譲与税という一本の大きな柱を建ておいて、次乏いろいろな遊興飲食税というようなものの国税移管の方もお考えなつたようでありますが、そういうものを、次々にやつてつて、この譲与税を大きな柱に仕立て上げるというお考えであるのか、あるいはこれは入場譲与税に限つて、再びわくを広げないという御方針であるのか、念のために伺つておきます。
  38. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 当初当委員会におきまして、事務的のまだ固まらない案として御説明を申し上げましたときには、地方譲与税法案ということで、揮発油譲与税、入場譲与税を合せました譲与税の体系として、一つ法律案に規定いたしたいということで、御説明を申し上げたのでございますが、その後いろいろの経禁ございまして、先ほど来の御議論のように相なりましたので、今申し上げましたように、形式的に二つの法律にこれをわけまして提案をすることにいたしたわけでございまして、将来特に譲与税体系というものをつくり上げて、いろいろな税をさらにこれに持つて来るというような考えは、自治庁事務当局といたしましては全然持つておりません。
  39. 村瀬宣親

    村瀬委員 次に長官伺つておきたいのでございますが、実は長官との質疑応答は、しり切れとんぼでありまして、まだ決定を見ておりません。しかし、その点は押し問答になりますから抜きにして御質問をいたすわけでありますが、こういう御説明になりましたような方法で、この二十九年度の揮発油譲与税というようなものの使途についての処理をなさるというのでありますが、その結果生ずべき昭和三十年度以降の地方財政の欠陥を是正するために、三十年度以降交付税特別会計に繰入れるべき所得税、法人税、酒税の割合につき、揮発油譲与税相当額を交付税として計上して、その率を決定する等、何らかの措置を講ずるということになりませんと、二十九年度だけの揮発油譲与税であるといいましても、その方に穴を明けたままで置きますると、またこれがこちらへはね返り、とばつちりを受けるということになるのでありますが、それらに対しましては、どのような措置をなさる御方針でございますか。
  40. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 三十年度はどういうことになるのか、それぞれ建設省、大蔵省、関係各省の間に話になると思うのでありますが、私は自治庁立場といたしましては、もしも三十年度はガソリン譲与税がないということであれば、これは必ず何らかの措置をして、それにかわるべきものを確保しなければ、自治庁長官としての職責が勤まらないのでありますから、必ず何らかの措置をいたす覚悟でございます。
  41. 田中角榮

    田中(角)委員 原さんが来ておられますから、大蔵省側の意見をただしておいた方がかえつてはつきりすると思いますから申し上げておきたいのであります。予算提出の事務的なことは主計局でやられたわけでありますが、今度の地方財政計画の一環としてガソリン譲与税をおきめになつたわけであります。だから地方自治庁は、もつと平たい言葉でいえば、大蔵省から押しつけられたけんかは買わなければならないような状態にあるのでありまして、一年限りガソリン譲与税をもらつても、来年になつて廃止をされるなら、別なもの、すなわちガソリン譲与税にかわるもので穴埋めをしてやるというようなことでないと困るでしよう。地方財政規模が小さくならない限り、当然その穴は別の方法をもつて埋めてもらわなければならぬ、こういうことになるわけであります。自治庁側は今年度の地方譲与税として道路費に充当される三十八億は何とか別財源で見てもらわなければならぬ。こういう意見をやつておりますから、当委員会における意見とは多少基本的な理念において食い違いがあるわけであります。そり意味におきまして、自治庁次長の御説明になつた二十九年度限りの揮発油譲与税法律案には、二十九年度におけるガソリン税収入に対してということに限定されて、三十年以後の財源措置に含みを残しております。そんな意味でこの委員会基本的に議論をしておりました線と多少食い違つて来る、そこに問題があると思うのであります。私たちの申し上げたのは、ガソリンの譲与税は原則的に二十九年度で打切る、それで財政収入面の穴は適当に政府において補填する方法を別途に考究する。三十年度になつてから、また三十年度分のガソリン税に対しては別途に考究するというのではなく、ガソリン税に関する譲与税は一切二十九年度でやめる、こういうのが基本的な考えです。だから、これをやめるには、やめるだけの代替財源に対する措置考えられなければならぬのでありまして、三政務次官が申合せをやつたことは、結論的には揮発油譲与税法は二十九年度でやめる、そうして三十年度のわくに穴の明いたものの補填は別途に行う、こういうことに了解しておるのですが、主計局の考えはそれでよろしゆうございますか。
  42. 原純夫

    ○原政府委員 三十年度に揮発油譲与税がなくりました場合に、この交付税交付金の率をどうはじくかという点に、ただいまの御質問の結論が出るの、だろうと思います。その点につきましては、ただいま自治庁側からお答えがありましたように、三十年度以降は揮発油譲与税がなくなるという前提で、平年度の交付税交付金の率をきめるという考えに立ちまして、ただいま仕事が進んでおるわけでございます。
  43. 田中角榮

    田中(角)委員 非常に頭のいい御答弁であります。あなたの真意は私たちでもわかるのですが、最もしろうと論を申し上げますと、三十年度において揮発油譲与税がなくなつた場合というようなことは考えないで、もう三十年度は揮発油譲与税はないのだということが前提でありますから、ない場合に、この穴埋めは自治庁と大蔵省と御相談の上別途の措置を講じて、この申合せに反するようなことはいたしません。こういうふうに御答弁になつていただければうまいですが、どうですか。
  44. 原純夫

    ○原政府委員 どうも非常に含みの多い御質問ですが、まあそういうふうなことでただいま話をしておると考えております。重ねて申せば、揮発油譲与税が三十年度以降はなくなるということになりますと、三十年度以降の地方財政総額、それに対する財源考えます場合に、交付税交付金というものが、いわば最後のしりを見るということになります。それの率をきめますのに、揮発油譲与税がないという計算でやるから、それだけその率が高くなるということで、今話を進めておるわけであります。
  45. 村瀬宣親

    村瀬委員 大蔵省がお見えになつていないと思つて、私は質問を打切つたのでありますが、お見えになつておるようでありますから、ひとつ塚田長官の前で私は伺つておきたい。その結果また塚田長官にもお尋ねをいたしますが、一体本年度の公募債で実際の使用に至らなかつた分、さらにこれからでもふやし得る能力といいますか、それは五、六十億円あると聞いておりますが、幾らになつておりますか。
  46. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 二十八年度の公募債の消化の状況についてのお尋ねでございますが、二十八年度の公募債は、一般会計と公営企業両方含めますと、総体で二百三十五億になるのであります。これは二十七年度に比較いたしますと非常にふえておりますので、なかなか消化に困難ではございますが、しかし公募資金の方はすでに最も早く各地方団体に割当をいたしまして、できるだけ消化の努力をする期間が長くなるようにいたした場のであります。そういう関係で、現在すでに全部割当を了しております。各団体において、若干は未消化の分が出て来はしないかと考えておりますけれども、これはやはり三月三十一日の年度末を経過して報告を徴しませんと、明らかにならないのであります。
  47. 村瀬宣親

    村瀬委員 五十億くらいは、未消化分といいますか、消化余力が二十八年度分でできるものと、われわれは想像し得る資料があるのでありますが、自治庁の方ではさようにお考えになりませんか。
  48. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 地方団体の気持といたしましては、公募債でありましようとも、少しでもそういうもののわくがもらえれば、あらゆる努力を払つてこれを有効に活用したいというのが、赤字に悩んでおる各地方団体の真摯な希望でございます。従つて御指摘のように、五十億も公募債の未消化分が出るというようなことは、われわれ事務当局といたしましては、ちよつと想像ができないのでございます。全然未消化分が出ないということは考えられませんが、さような五十億というような数字にはとうていならないというふうに考えております。
  49. 村瀬宣親

    村瀬委員 地方自治団体が非常に赤字に困つておることは、よく承知をいたしておるのでございます。従つて公募債の許可があれば、一応それは金を集めて、それを何にでも使いたいというのはもつともと思います。しかしいろいろ水道その他におきまして、かりに補助金は千万円、起債の許可を得たものは二千万円、工事は五千万円かかる、こういう場合に、自己負担分の調達ができませんで、涙をふるつてその起債の許可を断るというようなこともあり得るのでありまするが、そういう事態は全国に一つも生じておりませんか、どうでありますか。生じておるとすれば、その額の総計はどのくらいになつておりますか。
  50. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 公募債の消化の方法といたしましては、いわゆる五大市とか東京都というようなところでは、市場で公募いたしておりますが、この市場公募につきましては、本年は実際問題として相当きゆうくつになつております。その他の各府県あるいは市町村におきまして公募する分については、いわゆる縁故募集というものによるわけであります。この起債の配分に際しましては、町村に対する公募はできるだけ避けまして、相当消化余力のある団体に主としてこれを配分するような方針に立つておりますが、御指摘のような地方負担分として公募債の割当がされましたものが、消化し切れないために、水道事業がやれないといつたようなこともないとも考えられません。しかし縁故募集という方式で、たとえば金庫、銀行、あるいは金庫になつている金融機関に対して相当程度引受けてもらう、あるいは背に腹はかえられませんので、場合によりましてはある程度個人の目ぼしい人たち、あるいはその他の団体の目ぼしいもの等に負担してもらう、あるいは町村会の恩給組合とか、そういう団体に負担をしてもらうということで、あらゆる努力を払つてつております。若干は未消化の分が出ると思いますけれども、そう大きな数字にはならないであろうという期待を持つております。  しからば、どのくらいかというお尋ねでございますが、この点は、先ほど申し上げましたように、各地方団体から、これだけはどうしても不用になつたという報告の来ているものがまだ少いのでございます。従つて年度末になりませんと、総体の状況は把握できないと思います。
  51. 村瀬宣親

    村瀬委員 従来の取扱いについて伺いたいのでありますが、かりに一億なり五億なり起債を断つて来るという事態が生じました場合には、その年度内で他の市町村、府県等にそれを割当てる処理になつておりますか。それはその年度内の決済はやめて、翌年度の新たな起債にまわすことになるのか、そういう処理の慣例を伺いたい。
  52. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 どうしても消化できないところが、例年若干出るのでありますが、その分につきましては、やはり年度内の起債の要求が非常に多くあるわけでありまして、順位から申しまして一番高いもので、しかも総体のわくが非常に少いために、割当が受けられなかつたというような団体に対しまして、未消化の分を年度末において割当てるという第二次的な措置をとつております。それで見て参りますと、未消化の分は、政府資金あるいは今回の公募債につきましても、まずないと御了解願つていいと思うのであります。
  53. 久野忠治

    久野委員長 瀬戸山君。
  54. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 ガソリン税の問題が大分長くもめておりましたが、大体最終の段階に来たと思います。そこで先ほど塚田長官は、最終的に大蔵、自治庁建設省の間の話合いを決定した、こう申されたので、この際私は、この話が右に寄つたり左に寄つたりするような状況でありましたので、その三者の間で妥結されました案をここで朗読してもらつて、速記に残しておきたいと思います。
  55. 青木正

    ○青木(正)政府委員 ただいま瀬戸山委員からのお話のありましたガソリン譲与税に関する三省政務次官の申合せの事項でありますが、御承知のごとくこのガソリン譲与税の問題に関連いたしまして、建設省側また自治庁また大蔵省側といろいろ見解の相違がありましても、将来の禍根になりますので、私ども関係政務次官が集まりまして、内部的にいろいろ検討いたしました結果、一つの結論と申しますか、三者一致の見解に到達いたしたのであります。その申合せの全文をここで朗読せよというお話でありましたが、これは三者集まりましてメモ的に書いたものでありまして、公式に発表して、はたしてその表現の形式等におきましても、いろいろ御議論がありましては、また後ほど問題になると思いますので、申合せいたしました趣旨だけをここで申し上げまして、はつきりしたいと存ずる次第であります。  第一点は、揮発油譲与税は二十九年度限りの時限法にするということ。それから第二点は、揮発油譲与税というものは道路の費用に充当するものであるということを法律の中ではつきりするということ。それから四十八億というものは道路整備計画に基く五箇年計画の費用に充当するという点。それから臨時措置法は昭和二十九年度に限り揮発油税相当額の三分一をもつてするというようにすること。それから第五点といたしまして、四十八億を道路整備計画の経費に充当する結果として、地方財源に不足を生じた場合——これは当然生ずるわけでありますから、その不足財源につきましては、予算の編成がえということをせずに、これを今後の実行にあたりまして、起債その他によつて補填の方法をきめて行くということ。第六点は、揮発油譲与税を二十九年度限りの税といたしますれば、三十年度以降地方財政に欠陥を生ずるわけでありますから、二十九年度限りの法律とする以上は、三十年度以降の地方財源の補填について、交付税において所得税、法人税、酒税から交付税に入れる率を多くする、そういう方法をとるか、その他何らかの方法において、三十年度以降における地方財政の欠陥を来さないようにすること、こういうような趣旨の申合せをいたしたのであります。
  56. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 今御説明を願いました三省申合事項といいますか、それは最終のものであつて間違いないということは、塚田長官それでよろしゆうございますか。
  57. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 これは言葉の表面に出ております点については、もちろんはつきりはしておるのであります。ただ、やはり解釈については、今後若干お互い三省の間で話合いをしなければならぬ点がある、こういうように考えられる点もあるのでありますが、しかしこの申合せそのものについては、大体先ほども申し上げましたように、三省間意見の一致をいたしておるところでございます。
  58. 村瀬宣親

    村瀬委員 今青木自治政務次官から御答弁がありまして、この点非常に安心をして、事態がはつきりして来たのであります。ただ、その文句などかれこれ言う筋合いのものでなく、次官のおきめになつたものでありますから、委員会でどうこう言うのではないのでありますが、聞いておつて奇異に感じましたことは、第一に、昭和二十九年度の時限立法である。これは事態は非常にはつきりした。それから第四のところに、今伺つておりますと、二十九年度に限りという文句が非常に耳につくのであります。第一で時限立法とすれば、二十九年度に限りは、皆さんのおきめになつたことをかれこれ言うのではないのでありますが、消していただきたい。そうしなければ、三十年度は三分の一はとらないが、五分の一となるかもしれないというように響きますので、ひとつ第一に時限立法と銘打たれた以上は、もう第三のところではただ三分の一ということだけを書いておいていただけば、事態が非常に明白になるのであります。二十九年度に限り三分の一、三十年度は四分の一かというようにも誤解を招くおそれがありますので、特にひとつ希望をいたしておきます。
  59. 青木正

    ○青木(正)政府委員 ただいま村瀬委員からの御指摘でありますが、そういうような表現になつておりますので、私がこのまま読むことは、実はお互いの考え方をメモに書いたもので、表現の形式等においては御指摘のごとく、非常に不備な点もあると思うのであります。但し、気持と申しますか、考え方はかわつていないのであります。なお従いまして、この考え方に立つて、現実に法律案を作成する場合になりますと、私どもがこういうふうに書いたメモ式のものは、法律の形式になりますと、また表現上はいろいろ髪がかわつて来ると思うのであります。しかしながら考え方においてはかわつていないのでありまして、その点はひとつ御了承いただきたいと思つております。従つて、ただいま御指摘の二十九年度限りという、限りということがお耳ざわりのように感じましたが、これはやはりそういう気持で書いたので、これはここに南政務次官もおられますが、ほんとうにメモ式に書いたのでありますから、その点はあしからず御了承願います。
  60. 久野忠治

    久野委員長 本件に関する調査は本日はこの程度にとどめます。     —————————————
  61. 久野忠治

    久野委員長 お諮りいたすことがあります。すなわち目下地方行政委員会において審査中の地方税法の一部を改正する法律案につきまして、連合審査を行いたいと存じますが、その旨、地方行政委員長に申し入れるに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認めてさよう決しました。  本日はこの程度にて散会いたします。    午後零時四十九分散会