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1954-02-05 第19回国会 衆議院 建設委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年二月五日(金曜日)     午前十一時二十八分開議  出席委員    委員長 久野 忠治君    理事 瀬戸山三男君 理事 田中 角榮君    理事 志村 茂治君       逢澤  寛君   岡村利右衞門君       高木 松吉君    高田 弥市君       仲川房次郎君    堀川 恭平君       赤澤 正道君    村瀬 宣親君       辻原 弘市君    三鍋 義三君       山田 長司君    只野直三郎君  出席政府委員         総理府事務官         (自治庁税務部         長)      奥野 誠亮君         建設政務次官  南  好雄君         建設事務官         (大臣官房長) 石破 二朗君         建設事務官         (住宅局長)  師岡健四郎君         建 設 技 官         (道路局長)  富樫 凱一君  委員外出席者         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ――――――――――――― 二月一日  長節、温根沼間運河開さくのための基礎調査に  関する請願(伊藤郷一君紹介)(第三五九号)  久慈川改修工事費増額に関する請願(大高康君  紹介)(第三八八号)  県道小出只見線中未改修区間改修工事促進に  関する請願(田中角榮君紹介)(第三八九号)  県道田辺竜神線中未改修区間改修工事促進に  関する請願(田渕光一君紹介)(第三九〇号)  北上川治水工事施行等に関する請願(只野直三  郎君紹介)(第三九二号)  黒又川電源開発のための輸送道路開設の請願(  田中角榮君紹介)(第三九三号)  天竜川中部地区建設省直轄河川改修工事地域  に編入の請願(中村幸八君紹介)(第三九四  号)  砂防防災ダム建設に関する請願(佐々木盛雄君  紹介)(第三九五号)  災害復旧工事地元民使用に関する請願(久野  忠治君紹介)(第三九七号)  破間橋架替えの請願(田中角榮君紹介)(第三  九八号)  布川町、佐原市間に橋りよう架設の請願(葉梨  新五郎君紹介)(第四〇〇号)  同(竹尾弌君紹介)(第四〇一号)  建築基準法の一部改正に関する請願(大矢省三  君紹介)(第四〇二号)  天建寺橋取付道路変更に関する請願(荒木萬壽  夫君紹介)(第四〇三号)  猪名川改修工事促進に関する請願(原田憲君外  四名紹介)(第四〇四号)  冷害並びに災害土木事業対策確立に関する請願  (井出一太郎君紹介)(第四〇五号)  同(小川平二君紹介)(第四〇六号)  同(吉川久衛君紹介)(第四〇七号)  同(中澤茂一君紹介)(第四〇八号)  県道楯岡谷地線新設道路建設反対に関する請願  (上林與市郎君外一名紹介)(第四〇九号)  日勝産業幹線道路開設に関する請願(伊藤郷一  君紹介)(第四一〇号)  萩浦橋永久橋架替えの請願(三鍋義三君紹  介)(第四一二号)  荒川中川総合開発促進に関する請願(荒舩清十  郎君紹介)(第四一三号)  仙台市地内各河川等災害復旧工事施行に関す  る請願(庄司一郎君紹介)(第四一四号)  県道小代八鹿停車場線改修工事施行に関する  請願(佐々木盛雄君紹介)(第四一五号)  曽呂村地内地すべり対策確立に関する請願(水  田三喜男君紹介)(第四一六号)  岩屋谷川改修工事促進に関する請願(佐々木盛  雄君紹介)(第四一七号)  三国川、五十沢川合流河川改修工事促進に関  する請願(田中角榮君紹介)(第四一八号)  府県道石打停車場上田線改修工事促進に関す  る請願(田中角榮君紹介)(第四一九号)  磐田、犬居線道路府県道に認定の請願(足立  篤郎君紹介)(第四二〇号)  円山川下流増補工事施行に関する請願(小島徹  三君紹介)(第四二一号)  沼田川及び天井川に背割堤築設に関する請願(  中川俊思君紹介)(第四二二号)  気仙沼地域等北上総合開発地域に編入の請願  (長谷川峻君紹介)(第四二三号)  船川港線外二箇路線を国道に編入の請願(細野  三千雄君紹介)(第四二四号)  吉野川改修工事促進に関する請願(岡田勢一君  紹介)(第四二五号)  大和川右岸補強工事施行に関する請願(杉山元  治郎君紹介)(第四二六号)  南谷地区内河川を天神川改修工事区域に編入の  請願(赤澤正道君紹介)(第四二七号)  士別、紋別間に道路開設の請願(松浦周太郎君  紹介)(第四二八号)  士別、苫前間に道路開設の請願(松浦周太郎君  紹介)(第四二九号)  紀の川堤防増強に関する請願外二件(坊秀男君  紹介)(第四三〇号)  天塩川水系総合開発に関する請願(松浦周太郎  君紹介)(第四三一号)  大規模ダム築造管理に関する請願(小平忠君紹  介)(第四三二号)  和田組合外二箇村に国営治山治水事業施行に  関する請願(原茂君紹介)(第四三三号)  住宅建設促進に関する請願(堤ツルヨ君紹介)  (第四三四号)  小樽、倶知安間に開発道路開設の請願(椎熊三  郎君紹介)(第四三五号)  磯谷、島野間に雷電道路開設の請願(椎熊三郎  君紹介)(第四三六号)  磯谷、島野間の道路改修工事促進に関する請願  (椎熊三郎君紹介)(第四三七号)  広川を国直轄河川に編入の請願(荒木萬壽夫君  紹介)(第四三八号)  倶知安橋永久橋架替えの請願(椎熊三郎君  紹介)(第四三九号)  一ツ橋を永久橋架替えの請願(相川勝六君紹  介)(第四四〇号)  新国道百九十九号線を遠賀等海岸地帯を経て  福岡市に延長の請願(熊谷憲一君紹介)(第四  四一号)  二級国道秋田盛岡線改修工事促進に関する請  願(鈴木善幸君紹介)(第四四二号)  金ヶ崎橋永久橋架替えの請願(志賀健次郎  君紹介)(第四四三号)  二級国道下関益田線改修工事促進に関する請願  (田中龍夫君紹介)(第四四四号)  大山村の災害復旧工事費国庫補助に関する請願  (佐々木盛雄君紹介)(第四四五号)  城崎町の災害復旧促進に関する請願(佐々木盛  雄君紹介)(第四四六号)  国府村の災害復旧促進に関する請願(佐々木盛  雄君紹介)(第四四七号)  大庭村の災害復旧促進に関する請願(佐々木盛  雄君紹介)(第四四八号)  伊佐村の災害復旧促進に関する請願(佐々木盛  雄君紹介)(第四四九号)  上久下村の災害復旧促進に関する請願(佐々木  盛雄君紹介)(第四五〇号)  草山村の災害復旧促進に関する請願(佐々木盛  雄君紹介)(第四五一号)  南河内村の災害復旧促進に関する請願(佐々木  盛雄君紹介)(第四五二号)  大蔵村の災害復旧促進に関する請願(佐々木盛  雄君紹介)(第四五三号)  久下村の災害復旧促進に関する請願(佐々木盛  雄君紹介)(第四五四号)  山口村に臨時特例諸法適用に関する  請願(佐々木盛雄君紹介)(第四五五号)  三椒村に臨時特例諸法適用に関する請願(佐々  木盛雄君紹介)(第四五六号)  照来村に臨時特例諸法適用に関する請願(佐々  木盛雄君紹介)(第四五七号)  射添村に臨時特例諸法適用に関する請願(佐々  木盛雄君紹介)(第四五八号)  美和村に臨時特例諸法適用に関する請願(佐々  木盛雄君紹介)(第四五九号)  奥竹野村に臨時特例諸法適用に関する請願(佐  々木盛雄君紹介)(第四六〇号)  古市村に臨時特例諸法適用に関する請願(佐々  木盛雄君紹介)(第四六一号)  港村に臨時特例諸法適用に関する請願(佐々木  盛雄君紹介)(第四六三号)  雲部村に臨時特例諸法適用に関する請願(佐々  木盛雄君紹介)(第四六三号)  中川村に臨時特例諸法適用に関する請願(佐々  木盛雄君紹介)(第四六四号)  城南村に臨時特例諸法適用に関する請願(佐々  木盛雄君紹介)(第四六五号)  村雲村に臨時特例諸法適用に関する請願(佐々  木盛雄君紹介)(第四六六号)  長井村に臨時特例諸法適用に関する請願(佐々  木盛雄君紹介)(第四六七号)  畑村に臨時特例諸法適用に関する請願(佐々木  盛雄君紹介)(第四六八号)  星田村に臨時特例諸法適用に関する請願(淺香  忠雄君紹介)(第四六九号)  水本村に臨時特例諸法適用に関する請願(淺香  忠雄君紹介)(第四七〇号)  津田町に臨時特例諸法適用に関する請願(淺香  忠雄君紹介)(第四七一号)  交野町に臨時特例諸法適用に関する請願(淺香  忠雄君純介)(第四七二号)  田原村に臨時特例諸法適用に関する請願(淺香  忠雄君紹介)(第四七三号) 同月三日  換地清算交付資金に対する政府資金融に関する  請願(大野伴睦君紹介)(第五二〇号)  川内川改修に関する請願(池田清志君紹介)(  第五七九号)  川島大橋架橋の請願(大野伴睦君紹介)(第五  八〇号)  信濃川水系砂防工事施行に関する請願(降旗徳  弥君紹介)(第五八一号)  福地村地内堤防築設に関する請願(川俣清音君  紹介)(第五八二号)  和田組合外二箇村に国営治山治水事業施行に  関する請願(原茂君紹介)(第五八三号)  藤原ダム関係犠牲者水面使用権並びに漁業権  使用に関する請願(藤枝泉介君紹介)(第五八  四号)  藤原ダム建設に伴う補償費予算化に関する請願  (藤枝泉介君紹介)(第五八五号)  新田地先堤防延長工事施行に関する請願(西村  直己君紹介)(第五八七号)  佐久間ダム建設に伴う天竜川西岸道路開設に関  する請願(福井勇君紹介)(第五八八号)  貸家組合法の一部改正等に関する請願(青柳一  郎君紹介)(第五九〇号)  冷害並びに災害土木事業対策確立に関する請願  (松平忠久君紹介)(第五九一号)  伊丹飛行場騒音等による特別損失補償に関す  る請願(富田健治君紹介)(第五九四号)  内川村に臨時特例諸法適用に関する請願(佐々  木盛雄君紹介)(第六〇三号)  後川村と大阪府境に砂防ダム建設の請願(佐々  木盛雄君紹介)(第六〇四号) 同月四日  貸家組合法の一部改正等に関する請願(青柳一  郎君紹介)(第六三一号)  第十二地区の区劃整理改善に関する請願(加藤  勘十君紹介)(第六三二号)  九世ケ畑ダム建設反対に関する請願(廣瀬正雄  君紹介)(第六七四号)  新登山、占冠間等道路開設の請願(玉置信一  君外一名紹介)(第六七五号)  県道宇美青柳線改修工事促進に関する請願(熊  谷憲一君紹介)(第六七六号)  県道畑山安芸線改修工事促進に関する請願(長  野長廣君紹介)(第六九五号)  吉井川下流改修工事促進に閲する請願(逢澤寛  君紹介)(第七三二号)  破間橋架替えの請願(田中角榮君紹介)(第七  三三号)  県道小出只見線中米改修区間改修工事促進に  関する請願(田中角榮君紹介)(第七三四号)  富田林市の災害復旧促進に関する請願(田中萬  逸君紹介)(第七三五号)  千早村に臨時特例諸法適用に関する請願(田中  萬逸君紹介)(第七三六号)  河内村に臨時特例諸法適用に関する請願(田中  萬逸君紹介)(第七三七号)  稲沢村道を県道に編入の請願(荒舩清十郎君紹  介)(第七四一号)  駐留米軍隊の行為による特別損失補償により校  舎移転実施に関する請願(原田憲君紹介)(第  七四三号) の審査を本委員会に付託された。 同日  都市計画法改正促進に関する陳情書  (第二八八号)  国庫一部負担の災害普及工事に対する主務省の  事務取扱改善陳情書  (第二八九号)  京葉国道改良工事促進に関する陳情書  (第二九〇号)  新二級国道金沢岐阜線指定に関する陳情書  (第二九一号)  九州国際観光ルート国道編入並びに建設促進  の陳情書(第二九二  号)  地盤変動対策強化陳情書  (第二九三号)  同(第二九四  号)  建築基準法の一部を改正する法律案反対に関す  る陳情書(第二  九五号)  住宅金融公庫法並びに同法運用の改善に関する  陳情書  (第二九六号)  住宅用地開発のため長期融資措置に関する陳情  書(第二九七号)  住宅金融公庫融資住宅建設費地域別単価引上げ  に関する陳情書(  第二九八号)  進駐軍軍人軍属不法行為に基く損害賠償に関  する陳情書(第  二九九号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員会設置に関する件  建設行政に関する件     ―――――――――――――
  2. 久野忠治

    久野委員長 これより会議を開きます。  お諮りいたすことがあります。すなわち河川道路住宅及び請願陳情書等に関し、調査ないし審査を進めるため、それぞれ河川道路住宅請願及び陳情書審査小委員会を設けることに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認めて、さよう決定いたしました。  次に小委員及び小委員長ですが、小言の数はおのおの十五名とし、その選任につきましては、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認めます。小委員及び小委員長は追つて公報でお知らせいたします。     —————————————
  5. 久野忠治

    久野委員長 建設行政に関する件につきまして調査を進めます。今国会に提出を予想せられております地方譲与税法案不動産取得税法案につきまして、その後の経過政府より説明いたさせたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認めます。  南政府委員
  7. 南好雄

    南政府委員 先般来から委員の各位におかれましては、措置法地方譲与税との関係につきまして、いろいろ御協力をいただいておるのでありますが、政府におきましても、地方譲与税法案骨子につきまして、大体案ができたようでございまして、先般その骨子につきまして、建設省の方に相談がございました。お手元に差上げてあります地方譲与税法案要綱という一枚紙でございますが、その要綱によりますと、私たち考えておりましたよりも、措置法精神と非常に相反するものがあるのでありまして、この譲与税法案につきましては、建設省といたしましても、とうてい同意することができかねるのであります。この要綱によりますと、大体私たちが想像しておりましたように、三分の一に相応いたしまする七十九億円を地方に譲与する。譲与せられた場合におきましては、その七十九億円は、従来交付金算定基準になつておりましたところの百億の肩がわりにする。ただ、この三分の一の譲与せられた七十九億円と申しまするものは、道路に関する費用に充てるということを法律に明定するという程度で、地方譲与税法案要綱になつておるのでありまして、これでは臨時措置法とまつたく正面衝突をする結果になるのであります。そこで、毎日のように自治庁当局あるいは大蔵当局折衝を重ねておるような次第でございます。  ただいまの段階におきましては、私たちは、少くとも七十九億円を二十九年度の特別の措置として地方に譲与するということにつきましては、別に異存はないが、その使用につきましては、自治庁考えておりますような、従来の百億に肩がわりをするというようなことは絶対に困る。かつ、元来措置法精神が、このガソリンの消費税は、道路五箇年計画計画せられました道路のいわゆる改修に使う費用に充てるべきものでありまして、従来のように一般道路改修費に使われるべきものではないというような点につきまして、目下大蔵当局及び自治庁当局と再三折衝しておるような状況であります。自治当局におきましては、地方財政計画が、この問題が解決しないと容易に成案を得ることができないという点と、予算委員会において地方財政計画案提出を求められた場合においては、これができないということを返事することは非常に困るから、なるべくすみやかな機会において建設当局同意を得て、地方譲与税法案要綱なりとも決定したいという二つの点で、向うの方から再三折衝の申出があるのでありますが、事務当局といたしましても、問題が非常に措置法との精神におきましての根本的な違いがございますので、私たちといたしましても、建設省は少くとも七十九億というものは別わくとして、何とか五箇年計画道路はやつて行きたい。従つて地方財政計画中に、七十九億に相応する金額の捻出を自治庁において考えてもらえないか。さらに進んで、譲与税法案は一年限りにして、来年におきましてはまた別途の相談に乗ることにしたいというような趣旨をもつて、今のところ交渉しているような段階になつております。これはなかなかむずかしい問題でございますので、経過の途中におきましても各委員に御連絡を申し上げまして、少くとも建設委員会における各委員のいわゆる御同意を得て、この問題について善処して行きたい、こういうふうに考えているような次第であります。  なお、いま一つ不動産取得税の問題につきましては、御承知通り地方財政が非常に困つておるというので、地方財政税源といたしまして二、三種類の税金をあげた中に、不動産取得することに税金をかけようという自治庁案が、事務的にこちらの方に連絡がございました。その案の要綱はお手元に差上げてございますが、土地家屋取得に対して道府県で税を課する、標準税率は百分の三とする、新築家庭取得の場合は百万円を基礎控除して行く、住宅建設のための土地取得については五十万円までの部分を非課税とするというような骨子で私たちの方に相談があつたのであります。この問題は、地方財政の赤字を解消せしめるために税源を与えるという問題でございまして、地方税法改正という法案になつて政府提出する法案なのでありますが、これも予算がかかつておりまして、一日も早く政府として成案を得たいというのが自治庁の希望でございます。建設省といたしましては、現在における社会問題の最も重大な問題は、やはり住宅の問題であろうかと存じます。むしろ家屋取得というような場合は別に考えるにいたしましても、土地のごときは、大体現行法によりますると、土地を売つた場合において、売つた人は代金の半分まで課税されるというような状態になつておりますその考え方が、今日における住宅建設の大きな障害になつておるという点も考えまして、むしろこういう方面における半分まで算定をさせないような税制の改正をしなければならぬというような考え方でいる際に、さらにその上に今度買つた人まで、形式的にある程度のいわゆる基礎控除がございましても、課税をされるということであつては、今日の住宅難の解決に大きな障害になるということで、事務的には、少くとも——家屋の場合はいざ知らず、土地の場合におきましては、大きな都市におきまして、土地がないということで家が建たない実例が非常に多くございますのみならず、大きな土地を分譲して小さい住宅を建てさせるというような場合におきましても、こういう考え方では大きな障害があるということで、何とかしてその土地の問題につきましては税金を課さないようにしたいものだという趣旨のもとにおいて、自治庁当局と再三折衝しておるのであります。自治庁当局におきましては、土地を除外いたしますると新築家屋に対する税金というようなことになつて行くので、不動産収得税というようなことにちよつとぐあいが悪い、何とかそこに折衝の余地がないものかというのが、昨日あたりまでの双方のいわゆる経過のあらましであります。  なお詳しいことにつきましては、こちらの方に住宅局長も来ておりますし、官房長も来ておりますので、御質問がございますれば、両政府委員から説明いたさせます。
  8. 久野忠治

    久野委員長 次に自治庁側より不動産取得税法案について説明を聴取いたしたいと存じます。奥野税務部長
  9. 奥野誠亮

    奥野政府委員 ただいま建設政務次官から不動産取得税の大要についてお話がございましたので、その他つけ加える必要もなかろうかと存じますが、ただ一言申し上げてみたいと思いますのは、不動産取得という機会担税力を推定いたしまして、そうして相当の税負担をしていただく、そのかわりに、将来恒久的に負担して参ります固定資産税税率はできる限り引下げたい、かような考えを持ちまして今度の地方税法改正案を立案いたして参つておるわけであります。なおまた、このあといろいろ御質凝に対しまして率直にお答えいたしたいと存じます。
  10. 久野忠治

    久野委員長 質疑に入ります、田中角榮君。
  11. 田中角榮

    田中(角)委員 建設政務次官に、前段の道路整備費財源等に関する臨時措置法関係する部面について、建設委員一員として注文を申し上げておきます。政府当局が二十九年度予算道路整備費財源等に関する臨時措置法という現行法律に対立するような譲与税法提出することを前提に組まれておるわけでありまして、政府委員一員として考えてみれば、当然この予算提出した責任、また通さなければならない責任があるわけでありますから、この譲与税法提出異議を申せない立場は、よくわかるのでありますが、臨時措置法をつくるときにも、しばしば、御注意を申し上げておる通り道路はこの法律適用を受けなければ、整備ができないのでありますから、道路行政所管官庁である建設省としては、道路整備費財源等に関する臨時措置法精神をあくまで貫くということを、ひとつ大前提として明らかに銘記しておいていただきたい。今の段階においては、譲与税法等に対する私の考えは、一応保留いたしておきます。但し、どのような事態においても、道路整備のためにどうしてもなさなければならないと衆参両院炉議決したところのこの法律精神、ただ一年間の臨時的措置であるとはいいながら、そのようなことをもつて、この法律の大目的を歪曲してはならないということだけは臨時措置法立案委員会であつた建設委員会一員として、特にこの種の交渉にあたつて、私がただいま申し上げた事項を十分腹の底に入れられて態度をきめられたいということだけ申し上げておきます。  第二には、奥野さんにちよつとお聞きしたいのですが、この不動産取得税というのは、あろ意味においては非常にいい税だと思うのでありますが、これを下手にかけると、大きな社会問題を起す。もう一つは、社会問題というよりも、特に戦後、日本住宅不足であるということは、もう私が申さなくともおわかりの通りであります。しかし、なぜ日本ドイツやイギリスのように住宅が建たないのかという理由の一つに、この不動産取得税というものがあつたわけであります。戦後建つたところの三百万戸の住宅も、実際国の力や地方自治体の力で建つたものは非常に少いのです。九割以上が一般民間の力によつてなされておるのでありまして、今年も十万戸計画という予算書提出はせられておりますが、自然減や老朽を見ると、年々歳々絶対不足数がふえておるというような状態でありまして、この法律を制定するにあたつて、この法律のために、さなきだに不足住宅がまた制約をせられるというようなことがあつてはならない。もう一つは、不動産という名目で、非常にこまかく規定しないと、経済再建一大阻害を招くおそれがあるという問題があります。特にドイツ等、西欧の日本と同じ敗戦国の事情を見ますと、こういう措置は各州でやつておるようでありますが、非常に幅の広い税のとり方をやつております。生きた税のとり方をやつておるわけであります。ところが、日本は御承知通り中央集権といいますか、とにかく議会の議決を経て、法律をもつて税法を制定するというのでありますから、州でもつて適当のときに税法をかえるというふうな生きた幅の広い税法の建前はなかなかとりにくいところに、非常に大きながんがあるのでありまして、この不動産取得税を制定して、工場とか生産施設に大きな税がかかるというようなことになりますと、たいへんな問題が起るわけであります。不動産取得税というものの基本的な考えとしては、生産を阻害しない、住宅の建設を阻害しない、そればかりではなく、生産復興のために必要な一つ措置として、そういうものを促進する面も考え法律でなければならぬ。この法律をうまく適用しますと、ビルが建たないで工場が建つ。とんでもないデパートやキヤバレーができなくなつて住宅が建つことになるのでありまして、臨時建築制限令などというものをつくらなくても、この取得税法だけでもつて明らかにうまくやれるのです。そこを勘違われると、えらい問題になるのであつて、この委員会であなたにおいで願つて考えていただきたいというのは、そういう面であります。でありますから、税率を制定する場合に、一面においては建築制限的な税率を制定してもらいたい。一面においては、この税法の必要とする税率をつくつてもらいたい。こういう二つの目的を明記して、税収に対して的確を期していただきたい、そういうふうに考えております。まあ生産に直接必要な工場等に対しては、税をかけないという問題があります。それから国の補助等をもつて建てるものに対しては、税率を非常に下げる。もう一つは、当然国が補助してもつくらなければならない耐火建築等に対しては、減免する。この税法では、税はとらないというだけではなく、建築を促進するという面もうたつていただかなければならぬわけであります。またある面においては、銀行の建物のように、金を貸すのには、何もあんな大きな建物を必要としないのですから、そういうものに対しては、心臓を大きくされて、建築費と同額ぐらいの税をおとりになるということもできるわけであります。百分の三とする必要は亳末もない。私は昨年の秋、ちよつと欧州を見て来たのでありますが、なぜ銀行やデパートが建たないのだろうといつたら、州で、ひどいときにはその建築費と同額の税をとつて、第二次オートバーン計画に充てている。こういう税法をつくれば、一兆円などといわず、五千億もできる。こういうふうに考えておりまして、この税法をつくるときにはそういうことを表に出す。吉田内閣の使命はそれであります。官庁営繕物に対しても税をとるというくらいのことをやつてもかまわぬでしよう。こういう問題については、大蔵省の予算担当の諸君と話をしたこともあります。これを下手にやられると、一面においては百三十五億も金を出して、とにかく公営住宅をつくろうといいながら、家賃も多くなり、税金もとられる。こんなことではどうにもならぬのだから、促進をする意味でこの税法をつくる。あるものは——建築制限令を法律として、この法律がある以上は、とんでもないものはつくれない。キヤバレー、バーに対しては建築費の倍をとる、こういうことが明らかに規定せられれば、この法律にこの委員会は双手を上げて賛成するわけでありますから、私は基本的な考えだけをあなたに申し上げて、これに対して御答弁がちようだいできれば、ひとつ基本的な意見をお聞きしたい。
  12. 奥野誠亮

    奥野政府委員 今お話になりました点は、われわれ立法に当たりまして、よく考えてみなければならない点だと感じております。ただいま考えております諸点を率直に申し上げますと、第一点といたしまして、住宅建設を阻害してはならない。これはまつたく同感であります。そういう意味合いにおきまして、新築住宅取得につきましては百万円を基礎控除する。こういう考え方をとりますと、大体通常の家屋につきましては、不動産収得税はかからないと思つております。またアパート等につきましても、一戸について百万円ずつ控除したい、かような考え方を持つておりますから、まず課税されるようなアパートはないのじやないかというくらいに考えております。  第二、産業の再建を阻害しないようにしなければならない。そういう意味において、工場用の土地家屋について特別な措置考えるべきではないかというお話でございます。工場等につきましても、土地家屋だけが課税対象でありまして、そのほかに機械設備等の構築物などもあるわけでございますが、こういうものには、もちろん課税いたしません、ただ現在世論といたしまして、機械設備、構築物等に対する固定資産税負担が重過ぎる、こういう意見が非常に多いのでございます。そこで、現在固定資産税税率が一・六%でございますけれども、これを二十九年度においては一・五%に下げる、さらに三十年度においては一・四%に下げる、こういうふうな方針をとることによりまして、工場の持つております償却資産に対する租税負担を軽減する反面に、土地家屋だけは不動産取得税の対象に持つて行きたい。また工場でありましても、相当金のかかつた家歴などをつくります場合には、その際ある程度の租税負担をしてもらつてもよろしいのじやないか。また工場なるがゆえに、土地家屋全面的に課税しないのだというような線を引くことは、他の課税客体との間に非常な区別の困難を感ずるわけでございます。そういう税務行政上の見地もございますので、工場なるがゆえに土地家屋は課税しないという線は、とりたくない。しかし、固定資産税を下げることによつて、全体の工場の持つております固定資産税負担が非常に軽減されて来るのではないか、こういうふうな考え方をとつておるのであります。また工場といいましても、いろいろなものがあろうかと思いますが、これは府県税でございますので、府県が府県の実態に即しまして、また工場等によりまして、府県の条例で適宜産業発達を阻害しないような措置を講じて行けばよろしいのではないか。またこういう面につきましては、むしろそういう線の出し方が適当だというふうな考え方を持つてつて行きたい、かように考えているわけでございます。  第三に、防火建築等の、せつかく国が助成措置をとつているものについては、不動産取得税が阻害的なものにならないように考えるべきだというお説でありますが、これもまつたく司じように考えているのでございまして、その細部をどう立案して行くかということにつきましては、せつかく現在建設省と打合せをしている最中でございます。
  13. 田中角榮

    田中(角)委員 これは法律を立案する基本的な考えでありますから、あなたが今この法律を近く提出をしなければならないという事務的な立場から考えると、大体ただいま御発言になつたような趣旨が納得せられるわけであります。これはもう当然なことであります。私がただいま申し上げたようなことは、あなた方に求めることではなく、時の政府与党や閣議においてそういう線をきめて、事務措置をすべきものであるが、どうも間違つて、議員である私があなたにそういうような政府的な面の質問をしているようで、まことにはずかしいようなわけでありますが、確かにこういうふうな税は、日本の今までの行き方通り税法に規定をするというのがあたりまえだと思います。しかし、今ここで不動産取得税というのをやりますと、確かに税はとれるが、建築の抑制になるということは、現実の問題として大きく浮び上つて来ると思うのです。だから、こういう場合には、やはり政治的にその基本的な態度をきめて、生産に直接関係のないものは普通の税率をもつてつて、生産費にまわさなけなばならない、保全経済会の事務所をつくるような場合には百倍の課税をしてもいい。こういうふうに基本的な観念をきめてかからないと、これは弊害だけが生れて、どうもうまくないのじやないか。私ども今度の予算で一億円計上していたぜいて、耐火建築の助成をやろう、防火帯の設定をやろう、こういうことを考えておりますが、こういうふうに国が助成をしておるというようなものは、やはり原則的に免税をするのはあたりまえの話じやないか。こういうことさえも、法律の立案の仕方においては、どうもあなたの今言うような結論におちつきそうでありまして、これも提出を時間的に非常に急いでおられると思いますが、私たち議員の間でもこういう基本的な観念は練りますから、あなたもこの不動産取得現を出すことによつて、ほんとうに——理論的には幾らも理論闘争はできますが、これをやると必ず家は建たなくなります。確かにそうなんです。今ようやく家賃統制令が撤廃されて、保全経済会に金を出すのだつたら、まあアパートでもつくつて人に貸した方が、薄利ではあるが、元も子もとられることはないという健実な投資になりつつあるときに、これを阻害することはたいへんなことだと考えます。だから、立案にあたつて、特に私がただいま申し上げたようなことを十分お考えになつてつていただきたい。建設省当局に対しても、あなた方の立案に対して御参考になるような結論を早急に出すように、この委員会もそういうような慫慂をいたします。この法律を出されることによつて建設委員会がやつていることがまつたく逆転するというおそれが十分ありますので、特にお考えを願つておきたい。
  14. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 私は南政務次官に、要望を兼ねてお尋ねをしておきたいのであります。ここに御苦心のあとのはつきり現われておりますような道路整備に関する財源、すなわちガソリン税に関連のあるものにつきましての謄写刷りをいただいておるのであります。それに基いて先ほど中間報告というようなものがあつたと了承いたすのでありますが、それの二項に「昭和二十九年度において地方に譲与する七十九億円については、これを別わくとして取扱い道路整備五箇年計画に則り建設大臣の指定する事業に充当せしめる。」と書いてあるのでありまして、これは非常に筋道のよく通つた話でございます。ところがその次の三項に「七十九億円を国費に計上するものと、譲与して紐付で事業を行うものとの事業費の差額は三十年度以降において一般財源を以て補損する。」ということがあるのでございますが、この三項というものはどういう意味でございましようか。これは七十九億円が、もし六十九億円とか五十億円になりますと、この差額というものがますく大きくなつて、三十年度以降において一般財源をもつて補損する額が異動する、つまり増大しく来るという結果にも相なるのでありますが、この間の御説明を願いたいと思います。
  15. 南好雄

    南政府委員 お答え申し上げます。この譲与税につきましては、建設当局といたしまして、二十九年度予算計上の際に、一兆円のわくを越えないということを、国務大臣としての建設大臣が了承いたしました結果、この措置法との関係につきましては、大蔵当局と、私みずからも再三折衝をいたしました。それで二度、副総理を交えて特別に話をした際におきましても、このガソリン税を一部地方に渡す際におけるその形が非常に大きな問題になつて来るのだから、詳細を説明してくれと言つた際におきましても、大蔵当局考え方がはつきりわれわれに明示されなかつた。最終の段階におきましては、附加税の形において地方に譲与するということを主計局長及び事務次官が私に言つたことがあるのであります。附加税の形に参りますと、当時自由党が考えておりましたように、キロ当り、一万一千円がガソリン消費税を一万三千円にする、こ千円高くなります。それを地方に譲与するのではないか、こういうふうに私は考えておつたのであります。そういたしますと、一万一千円が国費に計上せられて参りますから、村瀬さん御承知通り予算に計上されまする場合には、事業量は倍になります。七十九億円が百五十八億ということになつて参りますので、五箇年計画達成には一歩拍車をかけて行くのではないか、こういうふうに私は考えておつたのであります。ところが、われわれの想像と漢書て、七十九億円が譲与されまして、しかもそれがいわゆる従来の百億の肩がわりになるというような形に行つたので、非常に私たちも苦悩しておるような段階でございまして、この点は先ほど御説明申し上げた通りであります。この三項は、これは建設当局考えた案じやないのでございます。おそらくこれは、建設委員会として、建設省の立場もくんで、おそらく委員長手元でおつくりくださいまして皆様方に御相談なつたのだろうと思う。私いつも、大蔵当局なり自治庁当局には、むしろ建設当局としては、政府一員でありますので、いわゆる国務の総合という点において、忍ぶべかざる点も忍ぼという意思を持つておることを、最初から申し上げておる。しかし臨時措置法は、御承知通り、これは議員立法でございまして、ことに皆様方が何年かかつて、非常に御苦心の結果、日本道路はどうしてもこういう措置でなければよくならないのだ、これがまた日本の産業復興に一番大事な要諦にもなるのだというので、どつちかと申しますれば、率直に申し上げますと、委員会に引きずられておるというのが、建設当局の現在のありさまであります。従つて、党における説明におきましても、事務的折衝におきましても、私は、建設当局の意思より、委員会の意思を先に重んじて動いておるような次第でござまして、その趣旨におきまして、これはおそらく委員長手元においてまとめられたものだと思うのであります。  前置きが長くなりましたが、三は、これがもし国の道路費に計上せられますと、五割補助でございますから、地方の裏づけの五割がありまして、倍になつて参ります。ところが、今の案では、七十九億全部別わくにいたしましても、裏づけがございませんので、それが全事業量になりますから、七十九億来年度不足して来る。その足らぬ分は来年の予算に計上せよということを、この三項は言つているのじやないかと私考えておるのであります。
  16. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 私は、これは、建設省の方でこういう方針のもとにこのガソリン税の譲与税に対する態度をおきめになつたのかと思つたのでありますが、ただいまの御説明によりますと、この三項は、あるいは当委員会委員の希望した条項であつたのかもしれません。問題は、翌年へ繰越してみましても、財源をもつて補償するといいましても、来年度の中から、これは前年度の分だからというわけに行かないので、ちようどこれは繰越し災害に対するものと同様なものでありまして三・五・二、の比率で必ず災害復旧をやろうということを何度言明なさり、きめてみましても、やはりその年の予算の範囲内でなければ仕事のできない災害復旧の例から考えましても、こういう、三十年度以降において一般財源をもつて補填するというようなことは、その場の気休めに終るのであつて、一向実際の効果はないと私は考えるのであります。そこで、昭和二十九年度において地方に譲与する七十九億円は、道路整備五箇年計画にのつとり建設大臣の指定する事業に充当せしめるという基本線は、これは必ず守り通せるお見込みでございまするか。まず金額において守り通せるか。金額は、かりにこれが六十億に減らされねばならない場合が生ずると仮定をいたしました場合に、その六十億を、道路整備五箇年計画にのつとり建設大臣の指定する事業に充当せしめるという方の一線は守りおおせる御方針、御決意があるのでございましようか、お見通しを承りたい。
  17. 南好雄

    南政府委員 お答え申し上げます。第一点は、七十九億全部が道路整備五箇年計画のその道路事業費に持つて行けるかどうかという御質問でございますが、これは、私は今感じている段階におきましては、自治庁考え方が、七十九億円が従来の道路補修費−五箇年計画道路の中に一部入つているのでしようが、それと無関係に、従来の道路補修費と肩がわりしておる点から考えますと、地方財政も非常に赤字でございまして、七十九億全部を五箇年計画に持つて行くということは、なかなか自治庁も困るだろう、こういうふうに想像しております。しかし、自治庁が困られても、措置法精神をほんとうにくんでいただけるならば、ここは政府において大蔵省と相談していただいて、七十九億についてはぜひやつてくださいと言つているのが現段階であります。私の見通しといたしましては、五億や十億は、政府の立場も考えておりますので、これは皆様方さえよろしいという御同意がございますればその点は動かせると思いますが、しかし現段階においては、そういうことを今言うべき時期ではないと考えております。  それからなお、道路整備五箇年計画にのつとりまする道路事業費に使うようにという第二点の御質問でございますが、これは、表面から申しすと、自治庁も別に異存はないようにも聞いてはおりまするが、このひもづけをあまりこまかくやりますると、現在の官庁の仕事のしぶりにおきまして、非常に妙なものになつて参ります、この点は、法律は規定するといたしますと、せいぜい建設大臣のきめた道路整備五箇年計画に策定せられておる道路改修にこの費用を使えという程度が関の山であつて、ごまかいことにつきましては、おそらく両省大臣の文書にでもよつて、事務的に破綻のないように行政を運用するというところが精一ぱいじやないかと思つております。
  18. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 これは、地方財政計画を立てねばならない府県、特別市等の例というものがありませんが、ここに指定しているものがありまするから申すのでありますが、そういうような、この譲与税を受ける方の側から見ましても、やはり長期の一つの目安がつかないことには、はなはだ浮草予算になつてしまうのでありまして、非常に困る面が多く出ると思うのであります。これは後ほど不動産取得税についてもお尋ねしてみたいが、強固な政治の信頼性を与えるのには、朝令暮改ではだめであります。この意味におきまして、こ十九年度から実施をしようといつて立法府が法律をつくつておきながら、その初年度に、もうこれはやらないのである、そうしてすぐに、それは一年だけやらないのだ、大体の御方針はこういうことなのであります。そうしますと、これをもらう方の地方の公共団体も、一年だけ七十九億円もらつて、来年はどうかというようなことにもなりまするし、またそれも、しかもひもがついておるというようなことになるのでありまして、何か法律をもてあそんでおる、いろいろあつちこつちとパラピン細工でもして、いろいろなものをくつつけもつつけしておるというような感じがあるのでありまして、これは税法の体形からいつても決して正しい姿ではないと思うのでございますが、この二十九年度のみ、一年間のみ有効のものである——有効というのは変であつて、一年間の法律ということになるのでありますが、そういう点に対しまして、自治庁の方ではどのような考えでございますか。この譲与税というものを一旦つくりますと、あと改正する場合に——これは一年限りということを今いつておりますけれども、これを置いておきますと、この揮発油税の徴収額の三分の一の額とするとあるのでありますが、ここ一項を、あるいはひよつとして二分の一の額とするというふうに四、五字修正をされますと、またわれわれの最初の計画であります道路整備というものに対する予算は、どつと一度に減つてしまう。こういう譲与税をつくつておいて、あとは三字や四字で直せるのだというふうにもとれるのであります。一年間でやめてしまうということは真反対でありますが、真反対の修正もある。そこでこういうのは、法律を何か子供がいじるような処置になつて参りますが、一年間のみということについて、自治庁はどういうお考えでありましようか。
  19. 奥野誠亮

    奥野政府委員 建設委員会のいろいろな空気から、自由党の政調会が中心になりまして、どういうふうな措置に持つて行くかということについて苦慮されているように聞いております。しかし私は、自治庁事務当局としてお答えするわけでありますが、現在はわれわれはやはり地方譲与税法というようなものをつくつて行きたい。別に二十九年度限りにするという考え方は、現在のところは持つておりません。
  20. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 事務当局としてはそうお答えになるのが、やむを得ないことかもわかりませんが、そういう御答弁と承つて参りますと、私はなおこれは根本にさかのぼつて——この地方譲与税をお置きになるのは、別に私は異議はありません。ただ地方譲与税の中にガソリン税を三分の一とか何分の一をとつてのけるというような点には、これは根本的に全然承服のできないものがありますので、あらためて突くの態度をきめたいと思つております。  次に、不動産取得税につきまして、先ほど田中委員から、その重要な骨子は、すでに全部御質問になつたようでありますが、なお御答弁の中に一、二不備なところがあつたと思いますので、承つておきたいと思います。これも以前に、家を建てれば税金とられておつたあの実績並びにああいう税金の運用実施の経過、前の金額と今度新たにこの取得税を設置されて地方税にどれだけの歳入がある御方針でありますか。前回の経過、何年間やつてどういうふうな年収があつたか、それから今度は大体どれくらいの予算を見ておるか、こういう点の御説明をいただきたいと思います。
  21. 奥野誠亮

    奥野政府委員 不動産取得税は、非常に古くから地方税として存在しておつた税種でございまして、数十年来継続して参りましたものを昭和二十五年に廃止したわけであります。当時から、不動産取得税は比較成績のよい税種でありましたし、同時に、かなり伸びのある税種でございました。しかし、今度設けようとしております不動産取得税は、新築住宅の建設を阻害しないという見地から、大幅な課税上の制限を設けておりますので、従来のような大きな税額を上げることは困難だと思つております。昭和二十九年度におきまして、四十数億円の収入を見込んでおります。
  22. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 従来非常に伸びのある税種であつたといいますが、昭和二十五年に廃したのでありますから、二十四年、二十三年は、むろん百万円までを基礎控除としてなかつたと思うのでありますが、一体どれくら一の収入がありましたか。それから取得の場合、百万円を基礎控除するのでありますが、評価は一体どのようなお考えになつておりますか。たとえば、今住宅金融公庫で金を借りますと、坪当り二万八千円、それがこの間多少かわつたようでありますが、その程度でその八割を借すという状態であります。金を借りるときは二万八千円だが、税金を納めるときは五万円で評価するというのでは、これまた政府の信用、いわゆる法律なるものを国民が信用しない。どういう御方針で臨んでおられますか。
  23. 奥野誠亮

    奥野政府委員 過去の不動産取得税の収入は、今手元に持つておりませんので、あらためてお答えをいたしたいと思います。  なお不動産取得税の評価の問題でありますが、新築家屋の場合には、固定資産税について、すでに評価の基準というものができ上つております。これに基いて県知事が評価をする、こういう考え方に立つておるわけであります。しかしながら固定資産税の課税標準であります価格は、時価をとつておるわけでありますけれども、そこに金をつぎ込んだ、あるいはたまたま売買が行われた、それがたまたまそこで売買が行われただけの話でありまして、常にいつ何どきでもその価格で売買できるというものではありませんので、大体そうした価格の七割見当が固定資産税の課税の標準として適当なものではなかろうか、こういう考え方に立ちまして指導して参つて来ておるわけであります。公庫住宅の場合、最高のものでありましようが、坪当り三万三千円が基準になつておるように承知して括ります。そうしますと三十坪でちようど九十九万円になります。実際はその七割見当の評価になりましようから、その程度の家屋でありました場合には、四十坪くらいまで課税除外になる、こういうような姿になつて参るだろうというふうに予想いたしております。
  24. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 先ほど田中委員から、工場、ビル等に対する質問があつたのでありますが、これに対しましては、はつきりした御答弁がなかつたようであります。そういたしますと、これから百万円以上の家屋税率を異にすることなしに——田中委員からは、いろいろ傾聴に値する御意見が出たようでありますが、今自治庁でお考えになつております分は、税率は一律に百分の三であつて、そうしてその工場の緊急度といいますか、いわゆる国民生活安定に対する必要度というものはお考えにならないで、ただ一律に百万円以上のものには百分の三をかけるという御方針でございますか。
  25. 奥野誠亮

    奥野政府委員 不動産取得税的なものを設けるにつきましては、二つの考え方があろうかと思うのであります。一つは、お話のように、不急のビルなどの建築を抑制したいというような原則に出るだろうと思います。そういう意味におきまして、国税に建築税というものがございまして、税率も一〇%というような高率で課税をいたしております。しかし、こういうような考え方で、どの範囲のものの建築を抑制すべきかということになりますと、非常に区分に困難を伴つて来るのではないだろうかというふうにも思われるわけでありますし、また建築抑制という見地で課税をして行きますのが、五年も十年も続けられるものではないだろうか、もう一年、二年そういう方針をとるということは、さしあたり立てられるだろうと思うのでありますけれども、それを恒久的に課税して行くということにつきましては、非常な疑問が生じて来るわけであります。そうしますと、第一に区分が非常に困難・である、また恒久的なものとしても立案できない、そういうことになりますと、建築税の形で設けることがいかがなものだろうかというように憂慮せられるわけであります。そこで、むしろ不動産取得という機会に、そこに建つておるものを捕捉する、かたがた不急なものを建てて行つた場合には、ある程度の税負担をしなければならない。担税力を捕捉しながら、そごに若干むだなものはなるたけ建築を避けてもらうというような趣旨をもつて立案をしようといたしておりまするが、現在の不動産取得税でございます。従いまして、区分を設けないで、一律に税率は三%程度にしたい、かような考え方に立つて参つたわけであります。
  26. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 私はこれで質問を終りますが、最後に一点に伺つておきます。それは昭和二十五年に不動産取得税を廃止した、それはどういう理由でございましたか。それから二十九年度からこれを置こうという、その間に何か顕著な情勢の変化があつたかどうか、それをひとつできるだけ詳しく承りたいのであります。  それから今、、建築に関してはなかなか差別がつけがたいということを承りましたが、宅地に対して五十万円までを非課税としそ、税金をかけるという点は、これは日本の宅地政策というものは、非常に画期的な一つの思い切つた政策をとらねばならない時期に来ておるのではないかと私は考える。もともと農地改革では、つめに火をともすようにして、夜も寝ず、朝星をいただいて起きて働いて、そうしてようやく父子二代かかつて三反の田を買つた。ちよつと留守をしておる間に、みんな農地改革でそれらは消えてなくなつてしまつたのであります。当時、宅地についてもいろいろな調査が行われたと聞いておるのであります。占領最初の当時でありますが……。これは農地をとられた者から考えますと、一体宅地政策というものはどうしておつたのかという感じが、当時非常に強かつたものでありますが、これからの宅地行政というものにつきまして、何かこの不動産取得税をつくるこの際に、基本的なお考えを持つておられるかどうか。五十万円といいましても、この評価もいろいろ登記面の金額と、実際売買する場合とは、非常に建築の単価以上に大きな隔たりがあるのでありますが、こういう税金を復活するといいますか、新たにつくるといいますか、とにかくこういう今まで数年間なかつた税金をつくるこの際にこそ、ひとつ日本都市の宅地というものに対して、何らかの基本的な、画期的な、従来の考えとは相当飛び離れた思い切つた施策が必要ではないかと思いますが、これらについては、この法律をおつくりになるときに、基本的に何かお考えをめぐらしたことがあるかどうか。ただ漫然と五十万円とおきめになつたものでありますか、承りたいのであります。
  27. 奥野誠亮

    奥野政府委員 前回不動産取得税を廃止したのはどういう理由に基くかという御質問でございますが、廃止いたしました動機になりましたのは、シヤウプ勧告であります。このシヤウプ勧告によりまして、土地家屋に対しまする課税が、従来の地租家屋税から固定資産税にかわりまして相当負担が重くなつたわけでございます。これが一つの理由であろうかと思います。第二は、不動産でありましても、なるたけ流通を阻害しないようにした方がいいんじやないだろうか、流通の都度課税されるということは、必要な流通を阻害する傾きを持ちはしないだろうか、こういう考え方、大体こういうふうな点がおもであつたように記憶いたしております。  第二の、宅地についてどういう考え方を持つているかという御質問でございますが、現在、土地を買いまして家屋を建てました場合には、お話の通り五十万円までは課税をしない。また五十万円の線を引きますことによつて、大体普通の家屋であります場合には、土地を買いましても、不動産取得税の対象にはならぬのじやないだろうかというふうに思つておるのであります。またこの課税は、買つた人に課税をするわけでございますので、まあそういう際に相当の担税力が見出せるのじやないか。土地の問題につきまして、特にいろいろな支障を及ぼすほどのことではないのじやないだろうかという考え方を持つておるわけであります。
  28. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 シヤウプ勧告に基いて、二十五年に不動産取得税をやめたのは、流通の円滑をはかるためと、固定資産税にかわつて負担が少し重くなつたから、そういう関係もあつて廃止したと、こうおつしやるのであります。そういたしますと、流通の円滑をはかる必要は、今でもある。また固定資産税は多少——一・六を一・五、一・四にまでしようという御方針は、なるほど承りましたが、しかしそのほかに大して理由はないと思うのでありますが、何かほかに情勢のかわつたことをお考えでありますか。
  29. 奥野誠亮

    奥野政府委員 昭和二十四年、二十五年当時と今日とでは、世の中の安定も非常に違つてつておると思います。また当時は戦災の傷が十分にいえませんので、ビルデイングにいたしましても、住宅にいたしましても、非常に払底の状態でございました。従いまして、こういうような建築を阻害するということは、言いかえれば流通を阻害するということは、あまり適当ではなかつたように思うのであります。幸いに大体安定して参つておりますので、これからのそういうような建築の取得には、取得の際にある程度の担税力を見出しまして税金をとつて参ろう、それによつて一面非難があります固定資産税負担というものを緩和して行きたい、こういうふうな考え方に立つております。
  30. 久野忠治

  31. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 大体重要な点は、他の委員から御質疑がありましたので、繰り返すことは避けます。ただ、今村瀬委員からも言われましたし、先ほど田中委員から重要な御意見があつたこの点は、ひとに不動産取得税についてはよくや考え願いたい、こういうことを私希望を申し上げておきます。最後の点において、今土地価格の問題、宅地の問題があつたのでありますが、私も詳細研究しているわけではありませんので、こういうことはどうですかというような気持で奥野さんにちよつとお尋ねしておきたい。五十万円というと、かりに住宅を建てる場合に、文京区本郷あたりで、坪当り大体一万五千円から二万円、二万五千円しておると思いますが、かりに二万円しておるとしても、二十五坪だ。金額によつてかけられるのがいいかどうかということに多少疑問を持つているのです。坪数によるのが必要でないか。御承知通り土地の価格は各地千差万別であつて、どうしても坪当り二万円か二万五千円するところに建てなくちやならぬ人は、税金がかかる。そこに住まわなくちやならない。ところが一方では、ずつと離れたところへ広大な宅地を持つて、しかも租税がかからないで悠々とやる。これは税金の方からいうと、そういう議論は立たないかもしれませんが、大体今回こういう不動産取得税をとろうというのは、こういうものはとらないが一番いいのでありますけれども、御承知のように地方財政税源考えなくちやならない。もう一つは、先ほど田中委員からも言われたように、この際日本の緊縮といいますか、ある程度ぜいたくを防がなくちやならない、不要不急なものはこの際できるだけ遠慮をさせよう、こういう根本の気持から——これは私どもの党の考え方でありますが、この不動産取得税を一応この際地方の財源に充てようということで始まつた話であります。これはわれわれの内輪話であります。ところが、これを一律にかけるということになると、どうもその趣旨が技術的にむずかしい点があるかもしれませんが、貫かれておらない。そこで、話がまともにもどりますけれども、五十万円という金額で切るのは、たとえば東京都内だけでも、あなた御承知通り、あるいた中央区あたりでは坪十万円も二十万円もする。これは何もそこに住むのがぜいたくという意味じやないと思いますが、坪によつて計算されるというお考えはありませんか。
  32. 奥野誠亮

    奥野政府委員 お話のような考え方を、立案の過程におきましてわれわれもとつたこともございます。これはやはり両説成り立ち得るのではないかというような考え方を持つておるのでございます。坪一万円も二万円もするところでありましたならば、また少い坪数でも課税をがまんしていただく。また安いところであれば、ある程度大きな土地を買つても課税しないということも、一つ考え方じやないかと思います。すなわち不動産取得税を設けますのは、土地家屋取得した場合に、そこに担税力を見出してある税度の税金を持つてもらうわけでありますから、坪当り価格の安いところであれば、ある程度広い土地を買つたからといつて担税力が非常に多いんだというわけにも参らないのではなかろうか。そういう意味合いから、現在の土地取得につきましての非課税の限度も金額で行くべきではないか、かような考えでやつておるわけであります。
  33. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 ただいま立案中であると思いますので、私はただ意見として御考慮願いたい、こういうことを申し上げたのであります。  それからもう一つ、先ほど防火建築帯の問題については考えるということでありましたが、これは非公式に私はあなたに申し上げたこともあるのであります。御承知のように、今年は予算が少し減りましたけれども、日本の建築は特別の災害、火災その他の災害の防除のために、不燃建築を奨励しなければならない。財政がゆたかでないから、一億や二億の金で、特別に立法して促進いたしておるのであります。  そこで先ほどこれについて考えるというお話でございましたが、どういうようなお考えを持つておられるか。国が補助をして促進しておるのに、さらにそれに税金をかけるというのは、多少不合理があると考えられるのでありますが、今のはつきりした考えをひとつ伺いたい。
  34. 奥野誠亮

    奥野政府委員 建設関係のことにつきましては、しろうとでございますので、建設省の方々に今お教えを求めているわけであります。今御指摘になりましたような問題について考えて参りますと、少くとも不動産取得税の課税標準を決定いたす場合に、国や府県が補助金として与えたものまで、課税標準として税額を算定して行くことは無理じやないか。これは課税標準となるべき額から差引かなければならぬという考え方をもつてつているわけであります。
  35. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 次に、これも非公式に申し上げておいたのでありますが、委員会で記録に残したいと思いますので申し上げます。御承知のように、この問題は横浜が一番痛切に考えられますので、横浜の問題を申し上げろのであります。長い間駐留軍の接収を受けてそれがようやく解除になる。特にこれは横浜ばかりが問題でないと思いますが、一番痛切に感じられるのは横浜の問題でありますので、例にとつて申し上げるわけであります。長い間接収されていて戦災の復興もできなかつた。住宅はもちろん、その他必要な防火地帯も同じでありますが、その他の建築、ビルも必要でありましよう、あるいはまた先ほど問題になつた銀行も商店も必要である。これから復興しなければならない。昭和二十五年まではどこでもかかつておつたのが、昭和二十五年からはこれを廃止して、その後相当そういう特別な制限がなかつたところは、いわゆる不動産取得税を払わないで建築物がどんどん建つ。ところが、その後引続いて接収されておつたところはそういうこともできなかつた。これから復興をしよう、これから戦災の区画整理をして復興しようというところに、またこれがかかる。これはちよつと気の毒と申しますか、不公平のような感じもするのでありますが、こういうところには、何か特別の御考慮をされるお考えがありますか。
  36. 奥野誠亮

    奥野政府委員 瀬戸山さんに御指摘をいただきましてから、防火建築の問題につきましては、先ほど申し上げたような構想を持ち、細部の打合せをしているわけであります。今おつしやいました点も、御指摘をいただきましてから、なおいろいろ苦慮いたしております。しかし接収解除地の実態によつて種々雑多ではなかろうか。やはりこれは地方団体がその接収解除地の実情に応じまして、この地域においては、一年以内あるいは二年以内に建築が行われるならば、基礎控除の額を引上げる、あるいは課税しない、そういうような政策を土地々々の実態に応じて機宜の立法をして行く。要するに府県議会の議を経ていたしているわけでございます。そうすることによつて一面接収解除地の復興をすみやかならしめて行く、こういうやり方よりしかたがないのじやないか。またそういう措置をとるように、自治庁としても地方団体に勧奨して行きたい。またそういうような面から起きた減収につきましては、別途地方財政平衡交付金等を通じて補填する。こういう考え方よりいたしかたないと思いますが、なお立法化の場合におきまして、建設関係につきましては、なお十分、御意見を研究さしていただきたいと思つております。
  37. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 今の問題は、本法にさように規定をされるかどうかということは、技術的の問題でありますが、ぜひ何らかの方法で、その精神を生かしてもらいたいということを一応申し上げておきます。  それから、これは先ほど話が出ておりましたが、共同住宅については、一戸分は百万円の控除をいたしたい。アパートあたりで、はどういうことになるのですか。それをひとつ承りたい。
  38. 奥野誠亮

    奥野政府委員 アパートの場合には、収容する世帯の数というものがかるだろうと思いますので、その世帯数を百万円に乗じた額を基礎控除の額にいたしたいと考えて心ります。言いかえれば、アパートはあまり課税したくない、こういう基本的な考え方を持つているわけであります。しかし立件としては、そういう形になるのじやなかろうかと思つております。
  39. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 もう一つ、こまかいことですけれども、今立案中だということで、あとでぐずぐず言うよりも、その方がいいと思いますから申し上げるのでありますが、たとえば併用住宅と申しますか、店舗もあれば住宅もある、これはなかなか区別がつかないでありますが、そういうときには、どんなふうな考え方で課税されるか。
  40. 奥野誠亮

    奥野政府委員 併用住宅といいましても、その実態はいろいろだろうと思うのでありますが、たとえば、住宅の用に供しながら物品を前に陳列して売つているようなものは住宅ではない、こういうような考え方を持つているのであります。この点はなかなか法律の条文の上では困難だと思つております。そういうような考え方で、住宅の範囲というものを地方団体に選定させるような指導をして行くよりしかたないのじやないか。併用住宅には課税しない、こういう考え方はとり得ないのであつて、一般に住宅は課税しない、しかし一般に併用住宅住宅でないのじやないか、こういう考え方を持つているわけであります。
  41. 田中角榮

    田中(角)委員 時間が非常に過ぎましたから簡単に申し上げますが、これは建設省におもに申し上げます。こういう不動産収得税というようなものを、一兆円予算の財源として考えておられるのですから、建設省は当然これに乗つて、少し共管の法律をつくるというようなことを考えなくちやいかぬじやないかということを申し上げます。これは地方自治庁がこういうものをつくつたときには、地方財政の財源としてこういうことを考えているのです。だから、私たち委員の発言とは多少食い違いがあります。言うまでもなく、今度の二十九年度予算において、一兆円予算という緊縮予算をつくつたのは、国の再建ということが命題になつているのですから、そういう線に沿つた立法措置自治庁から出して来なくても、あなた方も考えなくちやいけない、こういうよう考えております。そういう意味からいいますと、簡単に言つたら、建設省ではとにかく奢侈建築の制限という問題が一つ起きて来ます。いわゆる一兆円予算に対する順応であります。とんでもない譲与税などというものにばかり順応しておらないで、もう少しいい方にも順応しなければならぬ。その意味において、一面においては奢侈建築の建築制限ということを、もうすでに考えなければならない段階であります。国民に耐乏生活を要求しながら、現実的な方策をとらないなどということは、これは建設省の怠慢であると言われてもやむを得ない。その意味において、奢侈建築の制限ということ、もう一つは、当然国が助成してまでつくらなければならないような住宅に対する助成、防火建築帯の設定、こういう問題が出て参ります。もう一つは、今日自治庁が立案せられておるような建築制限もできないし、助成もしなければいかぬ、これを今度税法の規定のうまさによつて、一面においては建築制限になり、一面においてはこういう目的に沿う助成になるということを、先ほどから私は申し上げているのです。だから、今自治庁がお出しになるところのこの地方税法に乗れというわけじやないが、こういうものを自治庁がお出しになつて委員会の議論の中心になつておる。ですから、あなた方もこういう建築制限をするか、助成をするふというようなこと、こういう面はこの不動産取得税でもつて直してくれという考え方自体が甘いのであつて自治庁では迷惑な話でしよう。自治庁は、制限をするためには担税力があるところからとるという考え方で行くのは当然であります。そういう意味からいつて、あなた方が所管しておる事項がえらくゆがめられるおそれがあるのですから、その場合には、勇敢にこういう立法措置をあなた方もあわせて行わなければならぬと思う。私は前々からそれを言つているのです。にもかかわらず、ガソリン税なる問題がありますので、そういうところに知恵がまわらなかつたといえば、それよりしようがありません。ありませんが、自治庁がこの委員会に御出席になつて、なるべく建設省の仕事もして上げたいけれども、そこまで手がまわりかねるという奥野さんの先ほどのお話であります。これは当然な話で、こんなことを言われるだけおかしい。だから私は、ここでとにかくこの税法でもつてつてもらえるならばいいのでありますが、盛つてもらえないものに対しては、耐火建築の助成をどうするか、それから銀行やその他デパート等の、とにかく耐乏生活の場合、まず第一衆番にやり玉にあがるような建築の制限をするかしないかというような省議を、ひとつきめてほしいと私は思う。爆弾宣言でありますが、私は与党でありますので、一兆円予算、緊縮予算に対する責任の一半を負うつもりで、あえて勇敢にこの発言をいたしておきます。  もう一つは、耐火建築促進法による防火建築帯の設定、公営住宅及び住宅金融公庫の、特に不燃住宅の建設ということを口ばかりで言つておるが、これは予算を増額するだけでは、この目的は達成せられない。乏しい予算の中でも理想的なものをつくる。これはもう私がいろいろな例を申し上げなくとも、世界各国はもう十分それをやつております。このためには、当然建物に対しては規格の建物をやらなければいけない。西ドイツでは規格的な建物をやつておりますために、住宅の建設資金は一年間に八%あるいは一〇%ずつ下つているというような前例があるのですから、こういうものに対しても立法措置をするか、もしくは、立法措置をしなくても、今あるところの現行法律の省令をきめることによつて幾らでもできるのです。政令、省令でもつてできる問題があるのですから、こういうものをひとつ勇敢におつくりになつて、まず日本においては地震国であるから四階建にする、その軒高は十一メートルに制限するとかする、そうすれば窓わくとか一切のものが全部既成品で間に合う。さなきだに建築費が騰貴しておる現在、少くとも国が補助し、助成する建物に対しては、建築費が押えられるという問題があるわけでありますから、こういう問題に対して、とにかくお考えもあるでしようが、これも早急にひとつ実現化するようにお考えを願いたい。  もう一つ、ここまで来ますと、特に物価の引下げというものに役に立つのは、この税法もそうでありますが、これよりなお強いのは、耐火建築促進法もしくは住宅金融公庫法、公営住宅法、官庁営繕法等の附則でも改正できるところの人口稠密地帯における土地収用の道を開く。こういうことをすれば、銀座の百万円は、あすは五十万円に下る。文京区は、去年は坪当り五千円であつたのが、今瀬戸山委員のお話では二万円に上つているそうであります。これは特に土地の値段が上るから、住宅金融公庫でも、公営住宅でも、土地の造成費を予算に見積らなければならぬ。しかしこれが一兆円で押えられているので、これはどうしようもない話であります。これは土地の値を押えるところの法律をつくらなければならぬ。これをつくるのが建設省のお役目ではありませんか。こういう法律を御提出になる権限は、憲法に明らかに規定してあります。あなた方が御提出にならなければ、またガソリン税法のように、私たちがお出しして督励をしてもけつこうであります。こういうことをもうすでに実現に移さなければならない段階である。一兆円予算をいかに国民に言つても、現実的な措置をとらないで、一体実行できますか。各委員会ともこういう問題を真剣に討議する、各省もおのれのことに対して勇敢にそういう事実を取上げなければならない。そういう意味で、私はあなた方に申し上げておるのです。  もう一つは、公共事業費というものが削られておる。道路でもこんなにけんかしておる。これを限られた予算内で、公共事業費をうまくやらなければならぬという場合に、今の小貝川の問題がある。これは、私の村でもそうでありますが、道路一つつけてやるために、一体どうなる。発電所一つつくつてやるために、三年前に反当り六万円くらいで買えたところが、驚くなかれ現存電源開発は反当り二十一万円であります。二十一万円も出すのなら三十万くらい要求すればよいだろう、これは人の常であります。こんなことをしていると、用地買収などはとうていできない。もうすでに公共事業の施行に対しては、憲法に背反しない範囲内において公益は私益に優先するという大原則を立て、土地収用の道を開く段階に来ていると私は思う。ところがさつぱり、事務的にはお進みだろうと思いますが、当委員会建設省ではこういういい法律案を準備しているという御説明がいまだにない。この問題は一つ一つみな大きな問題であります。大きな問題でありますが、一兆円予算を表に出すところの政府としては、当然やらなければならぬ措置である。特に官庁営繕費は大幅に削られましたが、あれだけの費用を使うのでありますから、特に人口何方という稠密な都市に官庁営繕物をつくる場合には、不燃建築でなければいかぬというような相当強い制限をしなければならぬ段階だと思います。とにかく建設省としては、非常に大きな問題を——今は時間がないので、ちよちよこと羅列しただけでありますが、この問題に対しては、次の委員会くらいまでに、建設省では、この法律は私が出す、この法律はとても私の手には負えません、これはどうぞ委員会の皆様のお手でというくらいのはつきりした省議をきめて、お持ちとなることを希望しておきます。
  42. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 いつでも手遅れになつて、あとで騒ぐ癖がありますが、できるだけそういうことがないように、建設政務次官の意見を聞いておきます。これはもう御承知とも思いますが、今度通産省の事務当局では、電気法(仮称)あるいは電気事業法という名前で出て来ると思いますが、その法案を今立案中であります。まだ細部決定した案にはなつておらないようでありますが——いろいろ問題がありますけれども、一番われわれが問題にすべき点はここに一つあります。その素案の第八十三条に「都道府県知事は、発電水力の利用について、河川法案第十七条から第二十一条までの規定に基く処分をし、又は第四十二条第一項の規定により徴収する使用料若しくは占用料の額若しくは徴収の方法を定め、若しくは変更しようとするときは、通商産業大臣の認可を受けなければならない。」使用料云々は別でありますが、十七条から二十一条までの規定に基く処分、これは全部河川に関する工作物に関する都道府県知事の処分であります。これを通商産業大臣の認可を受けなければならないという規定がここに盛り込まれております。私はあえて何も建設省の肩を持つわけでもありませんけれども、今日まで長い間、私どもは当委員会全員一致をもつて建設行政の一元化ということを叫んでおります。ところが、政府部内においてはどういう考えか知りませんが、こうやつてこそこそと全然電気法などという人の知らぬような法律をつくつて、それでどこかにこういうことを盛り込んで、建設大臣が二人も三人もできるようなこういう案をすぐ立てるのであります。私はゆだんをしませんから、こうやつて見ておりますけれども、これについてこの際、できてしまつたあとで院内でお互いに騒ぐのはいやでありますから、建設政務次官の意見を聞いておきたいと思います。
  43. 南好雄

    南政府委員 お答え申し上げます。通商産業省におきましては、現在現行法でありまする河川法につきまする水利権の認可につきまして、電源開発その他の点から見て単純に治水利水というような点だけでなくて、特殊な見地が必要であるというようなことを理由にいたしまして、この問題についてかねがねから、何と申しますか共管程度の希望を持つておられる。同様に河川法を適用しておる河川につきましても、また適用しておりません河川につきましても、農林大臣から灌漑排水上必要のために水利権につきまして何らかの権限を持ちたい、またすでに持つておるというよなことを言いまして、現行河川法の建設大臣の持つておる権限について、何かの干渉をやろうとしておるのが事案であります。今そういう法律考えておるそうでありますが、その法律の中にも、私先ほど申しましたように、通産大臣の認可がいる、こうしておけば、最悪の場合にも共管になるというような、つまり官僚的なセクシヨナリズムの結果の希望が端的にそこに現われているのだと私考えております。この問題につきましても、過去における建設行政のあり方についても、反省をしなければならないのでありますが、現在の河川法と申しますものは、非常に絶対的な権限を持つております。しかしいつもほんとうに法律が与えておりまする権限を十分に建設大臣がややつて参つたかと申しますと、ぼんやりしているうちに農林省に灌漑排水のいわゆる水利権を持たれてしまつたり、あるいは電気のダムをつくる際における水利権を一ぺん与えますと、あとは管理権は全然通産大臣に与えてしまつたりするような、何と申しますか、河川法の考えておりまする精神から少しどうかと思われるような行政もやつてつております。そういうために瀬戸山さんの言われるように、行政がきわめて紛淆していることも事実であります。しかし、そこで、私たち河川法につきましては、従来の法律を尊重するとともに、現実にあります事態もまた考えまして、河川法を適当に改正してもう少し国が一つになつて行政がうまくできますような方向に持つて行きたいというので、河川法につきましては、御承知通り、もう三年も前から案をつくりまして、皆様とも御相談を申し上げているはずでありますし、また経済審議庁におきます水利制度部会と申しますか、そこに設けられている委員会にもこの案を出して、今審議をお願いしているような次第でありまして、今国会におきましても、もし各省の意見が一致いたしますならば、河川法を改正して、新しい河川法といたしたいというような気持をもつて、すでに今国会提出法案の予定にも河川改正が上つているような次第であるます。そういう法案ができましたことは、現在私といたしましては初耳でありますが、通商産業省におきましては、そういうようなことを、常に水制度部会と申しまして水に関する制度を調べている経審関係委員会におきまして、しばしば主張していることは聞いております。
  44. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 こういうことは、私個人ばかりでなくて、当委員会としても、あるいは国会の議員の各位全部そうだと思いますが、同じ任事をあつちにもこつちにも関係さして、共管と申しますか、そういうことで住民が右往左往する。今陳情政治はやむを得ませんが、一つの仕事をするのに、建設省に行かなければならない、通産省に行かなければならない。水道をつくるとすれば、建設省に行かなけばならない、厚生省に行かなければならない。こういうところに実に日本の大きなむだがある。これは政務次官も考えておられることと思いますから、こんな同じことを、しかも大した仕事ではない。発電所をつくるとか、川をどうするとかいうことは、あつちこつちへ相談して、みんながそれに関与しなければできないということではないと思いますから、どうかこういうことがないように、あらかじめ措置をしていただきたいということを要望しておきます。
  45. 久野忠治

    久野委員長 本日はこの程度にして散会をいたします。    午後零時五十六分散会