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石破説明員 御質問の第一点の、二十九
年度に発生するかもしれない
災害に対しましては、
大蔵省所管の
災害対策予備費という中に
建設省分、農林省分、運輸省分等を
合計いたしまして、たしか前年
通りの百億を組んでおるはずであります。私まだ
予算書を見ておりませんので、今日のところはその
程度で御了承願いたいと思います。
第二点の、
査定の根拠と今年の
予算の割振りの見込みでございますが、先ほど
田中委員の御質問にもお答えいたしたのでありますが、——その前にはつきり申し上げておきたいと思いますのは、被害の額を確定する権限を持
つておりますのは、あくまでも
建設大臣でございまして、
大蔵省がいかように言いましても、それは実は外部に対しては権威のないことでありまして、
建設省の
査定が
政府の義務として
法律上発生するわけでございます。その点はあらかじめ御了承おき願いたいと思います。
次に、被害の方の
建設省の見込み
状況と今度の二十九
年度予算でどれだけの
復旧ができるかということについて申し上げたいと思います。まず
直轄災害についてでありますが、これは二十七
年度までに発生した
災害は、もうすでに全部
復旧いたしておりまして、二十九
年度には、いわゆる過年災の
災害復旧という問題は起りません。ただ二十八
年度に発生しました
直轄災害の
復旧費所要額が七十二億ありました。それを二十八
年度中に三十五億支出いたし、また
年度内に支出いたす
予定でありまして、差引二十九
年度以降に持ち越します
直轄災害の
復旧所要額は三十七億という
見当でございます。
昭和二十九
年度予算中からは三十一億をこれに充てる
予定にいたしております。
残事業の約九〇%
程度は、これで
災害復旧可能と
思つております。なお
直轄災害につきましては、いずれも
直轄工事を施工しておる
箇所に起
つた災害復旧でございまして、これにつきましては、これで大体手当は終る
予定でありますけれ
ども、万一これで足らぬ場合は、
直轄工事費をも
つて一時流用して、あとで予備費の支出とかなんとかで補正する、
予算をもとにもどすという操作も、緊急の場合には可能じやなかろうかと
考えておるような
状況でありまして、
直轄災害は、大体去年発生した分は
復旧可能という見込みでございます。
それから二十七
年度前に発生いたしました
災害の
残事業の額は、二十八
年度末におきまして約七百億円
見当ございます。この七百億円というのが、実は問題に
なつておるわけでございまして、先ほど御
説明いたしました
通り、
建設省がその後実地監査を、ごく少
部分ではありますけれ
ども、しました結果によりますと、十五、六パーセントの不用額が生ずる見込みでございますし、先般各都道府県の
土木部長を集めて、自発的に再
審査を願
つた結果によりますと、約九十億
程度は、これは不用にしてもよろしゆうございますと自発的に申し出て来ておりますような
状況でありますし、私の方といたしましては、これはどうも一部
抜き検査をしたのも、もともと
机上査定が多うございますし、
河状の変化等でその後
状況がかわ
つておりますから、それを全部に推し進めるのもおかしいと思いますし、とい
つて土木部長の方から自発的に申し出て来たものを信用するわけにも参りません。いわんや
大蔵省では、先ほど申しました
通り非常にはげしい推定をいたしておりますが、それに承服するわけには行きません。要するに、これから
年度一ぱいかかりまして、もう一ぺんよく調査いたしまして、実際の
復旧所要額というものを確定いたし、その確定した分から着工させたいと
考えております。以下申し上げますことは、非常に推定の
数字が入りますから怪しくなりますが、そのつもりでお聞取りを願いたいと思います。
過年度災害の
復旧の
残工事量の七百億、これに見合う
国庫負担額は五百億、これを今度三月一ぱいかかりまして、かりに二〇%圧縮——圧縮という言葉は悪うございますが、要するに不用額が出たといたしますと、国費の負担額が四百億ということになります。しかるに、これに対して二十九
年度予算では、二十七
年度前の分として一応八十九億という計算の基礎に立
つております。そうしますと四百億に対して八十九億でありますから、二二・五%
程度に相なるわけでございますが、この二〇%圧縮するかどうかというのも今後の問題でございますし、さらにこの八十九億というのも一応の計算の基礎でございまして、その三百数十億の中から二十七
年度前にどれだけ持
つて行くか、そのあんばいも実は今後の問題でございますので、この二二・五%というのは、その両方の
意味からしてまだ不確定の
数字と御了承を願いたいのであります。なお、以上申しましたのは公共土木施設の
災害復旧だけでございます。
次に、二十八
年度発生災害の
復旧事業費は一応千百二十七億と
なつております。これも昨年は原則として全部実地
査定をいたします、いたしたいと申し上げてお
つたのでありますが、残念ながらそうは参りませんので、県によりましては六割
程度しか実地
査定ができなか
つたという
状況で一ございまして、一応形式的には
査定は終りましたけれ
ども、さらに見直さなければならぬ点が
相当あろうと思いますが、これを一応もとの
数字にして、これを基礎にしてずつとや
つて参ります。二十八年
発生災害の
事業費が千百二十七億、これに対して二十八
年度にどれだけ
復旧したかと申しますと、実は補正
予算の際に三十数億計上されました
災害予備費の支出がまだはつきりいたしておりませんけれ
ども、これがまあ十億
見当入るものと
予定いたしまして、二十八
年度予算では百三十七億
見当を
復旧したことになります。これを
事業費に換算してみますと、これも特例法適用なりやいなや、はつきりいたしませんけれ
ども、大体百五十億
見当の
事業費に当るだろうと思います。なおこの、はかに百五十七億を限度として、できるだけ融資して
復旧させようということになりまして、この辺がまだはつきりいたしておりませんけれ
ども、そういうことをいろいろやりまして、かりにこれを八十億
見当と融資を仮定いたしますと、二十八
年度には二〇%ぐらいできるであろう、かような大
見当がつくわけであります。それでは二十九
年度予算にどれだけ計上しておるかと申しますと、
災害復旧費として二百七億を二十八
年度分に当てる計算の基礎に
なつております。これを
事業費に換算いたしますと、二百三十億円、それからもう一つそのほかに、これはまだ御
説明申し上げてありませんが、二十九
年度から新たに
災害関連助成費というものを十一億円計上いたしております。
災害復旧の原形
復旧はもちろん
災害復旧事業としてやるわけです。超過
工事も、万やむを得ぬものは
災害復旧事業としてやるわけですが、さらにそれに若干プラスして
災害復旧の超過
工事と改良
工事のあいのこのようなものをやる
意味で、
災害関連助成費というのを十一億計上いたしました。これを
事業費に換算いたしますと、これは五割補助ですから二十二億。そういたしますと
災害復旧費と
災害関連助成費、これだけを
合計いたしてそれを
事業費に換算いたしますと約二百五十債
見当であります。そこでその次が非常に問題があるわけですが、この二十八
年度にかりに八十億
政府が融資して、それを二十九
年度予算から返さすのかどうかというのが、まだ非常な問題が残
つておるわけでございまして、それのいかんによ
つて二十九
年度の
進捗率というのがはつきりして来るわけでありますが、かりに八十億をもう長期債にしてしまう、二十九
年度予算から返さぬでもいいことにしたとすると、二十九
年度にはどれだけ
復旧できるかと申しますと、
残事業については約三〇%足らず、それから全
事業については二十三、四パーセントというふうになるかと思います。八十億を二十九
年度予算に返せということになりますと、またずつと率が落ちる勘定になります。
どうも仮定の
数字を申し上げましてたいへん恐れ入りますが、どうぞ御了承願います。