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1954-01-27 第19回国会 衆議院 建設委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年一月二十七日(水曜日)     午前十一時二十五分開議  出席委員    委員長 久野 忠治君    理事 内海 安吉君 理事 瀬戸山三男君    理事 田中 角榮君 理事 佐藤虎次郎君    理事 山下 榮二君       逢澤  寛君   岡村利右衞門君       高木 松吉君    高田 弥市君       仲川房次郎君    堀川 恭平君       松崎 朝治君    山田 彌一君       赤澤 正道君    五十嵐吉藏君       村瀬 宣親君    三鍋 義三君       山田 長司君    佐竹 新市君       細野三千雄君    只野直三郎君  出席国務大臣         建 設 大 臣 戸塚九一郎君  出席政府委員         建設政務次官  南  好雄君  委員外出席者         建設事務官   石破 二朗君         (大臣官房長)         建設事務官   渋江 操一君         (計画局長)         建設事務官   師岡健四郎君         (住宅局長)         建 設 技 官 富樫 凱一君         (道路局長)         建 設 技 官 木村 恵一君         (営繕局長)         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ――――――――――――― 一月二十六日  委員安平鹿一辞任につき、その補欠として辻  原弘市君が議長指名委員に選任された。 同月二十七日  委員中井徳次郎辞任につき、その補欠として  佐竹新市君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 一月二十一日  神町キヤンプ接収地の補償に関する請願(上林  與市郎君外一名紹介)(第六五号) 同月二十六日  紫川下流右岸道路公園建設に関する請願(青野  武一君紹介)(第二一六号) の審査を本委員会に付託された。 同月二十日  工鉱業地帯整備促進法の制定に関する陳情書  (第九一号)  同(第九二号)  地盤変動及び海岸浸しよく対策促進に関する  陳情書(第九三号)  地盤変動対策強化陳情書  (第九四号)  砂利道補修費国庫補助制度復活陳情書  (第九五号)  国道十七号線の改装並びに舗装促進に関する陳  情書(第九六  号)  府県道三島静浦線改良に関する陳情書  (第九七  号)  高知徳島線及び松山、高知線を一級国道に編  入の陳情書(第九  八号)  高知、木頭、徳島線国道開通促進陳情書  (第九九号)  進駐軍軍人軍属不法行為に基く損害賠償に関  する陳情書  (第一〇〇号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  昭和二十九年度建設関係予算に関する説明聴取     ―――――――――――――
  2. 久野忠治

    久野委員長 これより会議開きます。  昭和二十九年度建設省関係予算について、政府より説明を聴取いたしたいと存じます。南政務次官
  3. 南好雄

    南政府委員 まだ正式に予算案が提出されておりませんので、決定せられました予算案概要について、簡単でありますが御説明申し上げたいと存じます。  まず一般会計から申し上げますと、建設省所管昭和二十九年度歳入歳出予算は、歳入が四十四億九千七百余万円で、歳出が九百七十三億七千九百余万円でありますが、この歳出総理府所管に計上されております予算執行の際、建設省所管に移しかえになる予定北海道開発のための経費を合算いたしますと、歳出合計額は一千五十三億八百余万円になるのでありまして、これを前年度予算と比較いたしますると、歳出において二十四億六千百余万円の減額なつております。  以下歳出予算案の各項目について御説明申し上げます。  まず治山治水に関する経費について申し上げますと、河川関係事業費は、内地の分が二百四十五億三百余万円で、北海道の分が三十二億一千万円、計二百七十七億一千三百余万円を計上いたしておりまして、前年度に比較いたしますると、三十三億九千八百余万円、約一割四分の増加と相なつております。また砂防事業費内地分が五十七億四千九百余万円で、北海道の分が五千六百余万円で、計五十八億六百余万円となつておりまして、前年度に比して四億九千百余万円、約九分の増加と相なつており、河川関係事業費砂防事業費両者合計いたしますと、前年度に比較いたしまして三十八億八千九百余万円、約一割三分の増加なつております。治山治水事業は、政府重要施策の一をなすものでありまして、昨年内閣に設置いたしました治山治水協議会治山治水根本対策に関する結論も決定はいたしておりませんが、一応まとまつておりますので、この趣旨にのつとり、昭和二十九年度におきまして右諸経費をもつて砂防、ダム、浚渫に重点を置いて、治山治水事業の施行に遺憾なきを期して行く所存でございます。  道路事業費は、内地の分が百十四億一千八百余万円、北海道の分が三十五億一千五百余万円、計百四十九億三千三百余万円と相なつております。前年度に比しまして二十億八千二百余万円、約一割六分の増加なつております。これは道路整備費財源等に関する臨時措置法に基く五箇年計画の初年度として道路事業を実施するために必要な経費でありまして、最近の自動車増加及び大型バス等重量車両増加に対処いたしまして、特に幹線道路鋪装並びに橋梁整備促進するとともに、産業開発道路建設を実施いたしたい所存でございます。  なお、このほか道路整備五箇年計画に基く事業といたしまして、都市内に重要道路整備いたしますために必要な経費といたしまして、後に説明いたしますように、都市計画関係事業費の中にも十八億円を計上いたしております。都市計画事業費内地分が三十九億一千八百余万円、北海道分が一億二千百余万円、合計四十億三千九百余万円となつておりまして、前年度に比較いたしまして三億二千万円、約七分の減少なつております。これは戦災及び火災復興街路鋪装橋梁立休交叉整備並びに都市水利等事業に必要な経費でありまして、このうち道路整備五箇年計画に基く都市内道路整備費十八億は、戦災復興関係街路七億、街路事業関係十一億とわかれております。  なお戦災復興事業昭和二十九年度最終年度とする五箇年計画に基いて実施しているものでありますが、昭和二十八年末においての進捗率は五大都市は六七%、その他の都市は八八%、平均七七%となつており、本予算をもつては若干不足する見込みでありますが、事業実施のその都合並びに財政上の関係をも考慮して、一部の都市については多少完成年度を延長することにいたしたのであります。なお、戦災復興は一応完了をいたし、なお不十分な都市もありますので、重要都市整備事業を策定いたしまして、これら不十分な都市整備をはかりたいと考えております。  建設機械整備費内地の十億七千五百万円、北海道分が一億七千七百余万円で、合計十二億五千二百余万円となつております。前年度に比較いたしまして四億八千五百余万円、約二割八分の減少なつておりますが、財政規模縮小の方針にのつとり、機械新規購入は極力これを差控え、現有建設機械整備活用重点を置いて、建設事業機械化促進いたしたい所存であります。  公営住宅施設費内地の分が百十七億五千余万円、北海道分が八億四千九百余万円、合計百二十六億余万円となつておりますが、前年度に比し十六億一千余万円、約一割四分の増加なつております。これは住宅の不足を緩和するため、公営住宅法に基き、低廉なる賃貸住宅を擁護するための経費でありまして、これにより災害分を含め五万三千戸の公営住宅建設いたす所存であります。  次に、災害復旧事業について申し上げますと、昭和二十八年度以前発生いたしました北海道を含む全地域における建設省関係災害復旧事業建設省所管に計上しております。災害復旧事業費合計額は三百三十九億九千二百余万円と相なりまして、これを前年度に比較いたしますと八十六億三千四百余万円の減額なつておりますが、二十八年度予算には二十八年発生災害復旧するに要する経費百七十二億三千余万円を含んでおりまするので、実質的には八十五億九千余万円の増加なつておる次第であります。これ弄各項目別に申し上げますと河川等災害復旧事業費は三百二十八億九千六百余万円でありまして、これにより直轄災害については残事業士部分を完了し、地方公共団体において実施いたします公共土木災害復旧につきましては二十七年以前の災害については、重点的に箇所選択をして残工事進捗をはかり、二十八年度災害については、再度災害を誘発する危険のある箇所については出水期までに復旧工事を完了するとともに、特に緊要な橋梁についても本復旧を進めたいと考えております。  都市災害復旧事業費は十億九千五百余万円でありまして、都市村落等排土事業並びに都市施設等災害復旧する予定であります。  次に、雑件について御説明いたしますと、総額四十六億六千四百余万円、前年度に比較いたしまして十二億三千二百余万円の減少なつております。  本経費のうちおもなるものは高速自動車道路調査費千五百余万円、国土総合開発調査費二千八百余万円、防火建築帯造成補助金一億円、産業開発青年隊導入費補助金千百余万円であります。  以上が一般会計概要でございます。  次に、特定道路整備事業特別会計につき御説明申し上げます。歳入予定額は、借入金が二十億円、地方公共団体貸付金利子収入一億九千四百余万円、料金収入三千二百余万円、計二十二億二千六百余万円、歳出予定額は、歳入予定額と同額で二十二億二千六百余万円、これを前年度に比較いたしますと七億四千二百余万円の減少なつておりますが、別に地方公共団体に対し一般公募債五億円程度を許す予定にいたしております。この特別会計道路整備特別措置法に基き、国または地方公共団体の行う有料道路建設に要する経費を経理するものでありまして、昭和二十九年度中には総事業箇所二十三箇所のうち戸塚国道のほか三箇所は完成する予定でございます。  終りに住宅金融公庫の事業計画について一言申し上げます。昭和二十九年度貸付契約額総額は百八十億円を予定いたしており、その原資といたしまして一般会計出資金が五十億円、資金運用部より借入金が九十五億円、回収元金等が三十五億円、計百八十億円を予定いたしております。その貸付戸数一般三万戸、産業労務者用が一万戸であります。  以上簡単に御説明いたしましたが、詳細についてはさらに御質問に応じて御説明いたします。
  4. 久野忠治

    久野委員長 質疑に入ります前に、建設大臣より発言を求められております。よつてこれを許します。戸塚建設大臣
  5. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 ただいま御説明を申し上げました本年度予算については、建設委員皆さんとしては非常に御不満の点が多かろうことを私もお察しをいたします。私自身といたしましても、非常に遺憾の点が多いのでありまするが、御承知のような国の財政緊縮の折からであつてまことにやむを得ざるものと御了承願います。  なお、この内容その他につきましては、いろいろ皆さんの御意見もございますることと存じます。何分よろしく御支援のほどをお願いいたします。
  6. 田中角榮

    田中(角)委員 ただいま建設大臣及び建設政務次官より、昭和二十九年度予算編成につきまして御説明を聴取したわけでありますが、それに関上二、三簡単に質疑を試みてみたい、こう感ずるわけであります。  まず第一番に申し上げたいことは、もちろん均衡予算編成という前提は、何人もこれを承認しておるのでありますが、建設委員会所管の事項であり、特に経済復興基盤となるべき災害復旧につきまして、予算編成の過程においても、主務官庁である建設省認定をした過年度災害事業費総額及び大蔵事務当局査定額とについては、相当開きがあるようであります。この問題をこのままにして将来に遷延することは、ひいては政治への不信を招くおそれもあるのでありましてこれが最終額認定については、いかなる措置をおとりになるおつもりであるか。災害復旧は、原則として三・五・二の率をもつて行うというのでありますが、一部新聞の報道等によりますと、大蔵事務当局整理をした計数と非常に大幅に食い違いがある。三・五・二どころではなく、一・一・一くらいで行くのじやないかというふうにも見られるのでありまして、こういうものは、予算を提出した今日、明らかにすることが政府の責任であると考えておるわけであります。その意味において、大蔵事務当局との折衝はいかなる段階にあるのか。しかも二十九年度予算に対して三・五・二を通して行くおつもりがあるのかどうか。まず第一番目に、以上の点についての事情をお聞きしたいと考えます。
  7. 石破二朗

    石破説明員 私から初めに事務的の経過について御説明申し上げます。  ただいま田中委員お話通り、二十九年度予算前提をなします被害額認定の点につきまして、大蔵省独自の見解を持つておるようであります。これに対して、建設省意見を持つております。両者意見は、まだ完全に合致いたしておりません。従いまして、この予算をもつて何割できるということは、まだ申し上げかねる現段階にありますが、実情を申し上げますと、二十七年度前に発生いたしましていまだ復旧いたしていない、いわゆる残工事の額が、二十八年度末におきましては約七百億あるという査定の結果になつて今日に至つておりますが、それを今日見直してみますと、さらに昨年来建設省においても鋭意実施いたしております監査の結果に徴しましても、必ずしもこの七百億の残工事というものをそのまま信用していいかどうかという点については、相当の疑問があります。と申しますのは、御承知通り、当時はほとんど大部分がいわゆる机上査定でもありましたし、従つて査定当時において若干の間違いがあつたこともいなめませんし、さらに、年月の経過によりまして、河状の変化その他によつて災害復旧工事をもうやらぬでもいいところが相当出て来ておるような状況であります。ごくわずかの事例についてでありますが、建設省において実地検査した結果によりますと、金額にいたしまして一割と二割の間、まあ一割五、六分見当復旧事業費を圧縮すべきであるというような結論が出ております。これをにわかに全部に押し当てるということは、非常な危険だと思いますが、一応そういう結論も出ております。さらに昨年末全国の土木部長を集めまして、こういう趣旨で県の自発的の再審査を願いましたところ、事業費にいたしまして七百億残つておるといううち、約九十億見当災害復旧工事をもうやらぬでもいいと思いますというような報告も出て参つております。建設省といたしましては、今後二十九年度復旧工事をやるにつきましては、こういう状況にかんがみまして、これをもう一ぺんよく再審査いたしまして、その再審査を通つたものから工事をさせたいというようなつもりでいるわけでございますが、大蔵省におきましては——これもまた私の方とほとんど連絡なしではありましたが、去年の末あたりから各地の財務局などを使いまして、やはり相当抜き検査をやつているようでございます。その結果に基くわけでございましよう、大蔵省においても、あまり自信はないがというようなところで、たとえば二十三年度発生災害はもうやらぬでもいいでしよう、あるいは二十四年度、二十五年度に発生した災害は、半分くらい復旧すればそれで済むでしようとかいうような一応の前提をつくりまして今度の予算を組んでいるようでございます。従つて、そういう計算のもとに、この予算では何割復旧ができるという勘定を一応つけているようでございます。  それから二十八年度災害につきましても、予算折衝いたしました際には、実は私の方の査定も全部済んでいなかつたというような状況からいたしまして、建設省査定額大蔵省の現在の推定額との間には、さらに開きがあるようでございます。これら両者につきまして、建設省大蔵省との間に意見食い違いがあるのは、まことに申訳ない次第でございますので、今後二十九年度事業実施の際までには両省ではつきりして要復旧箇所というものを確定いたしまして不要不急法律に違反した復旧工事というようなものが行われないようにいたしたいと考えております。従いまして、この予算災害復旧残工事の何割は確実にできますということは、目下のところは、申訳ありませんけれども申し上げかねる実情でございます。
  8. 田中角榮

    田中(角)委員 ただいま官房長説明で、うやむやの原因が非常にはつきりいたしたわけであります。なぜうやむや予算を編成しなければならぬか、なお、うやむや予算を編成していることによつて三・五・二の比率で工事が行われないのでもなく、また行われるのでもないというところに、非常に微妙な政治的な手が打たれているようでございますが、やはりこういう問題は、日本経済再建復興再建というものの基盤をなす問題でありますから、早急に数字を決定し、筋を通す必要がある。こういうものの筋をいつまでも通さないでいると、ひいては政府行政に対する国民不信の声が大きく上ることを憂えるものであります。その意味において、主務官庁である建設省自体でさえも机上査定であると言つており、その総額を把握することはむずかしいと言われているのでありますから、ましてや大蔵省事務当局が、実際の数字をつかむことをせず、推定数字をもつてこれに対抗するということも、またやむを得ないと考えます。ただ建設省机上査定であるということに藉口して、大蔵省事務当局が、自分の方の数字が正しいのだ、その数字によれば、三・五・二を当然貫いておるのですというようなことで、国民の目をおおうことはできない。私はその意味において、建設大臣は特にこの問題をできるだけすみやかに結末をつけていただきたい、こう考えておるわけであります。特に今官房長の言われた通り机上査定であるというのは、人間がないからだ、河川局長ども、これを早急に決定するには、なかなか人がないと言われるのでありますが、こういう政治的にも行政的にも大きな筋を通すという問題でありますので、でき得るならば、技術的にやむを得ないというような直轄以外は一時停止をせられても、これらの技術屋の諸君を災害査定官に一年でも二年でもまわすという勇断をとられても、この問題は明らかにしておく必要がある。そうでないと、災害主務大臣建設大臣大蔵大臣かわからぬというふうになつては、政治の紛淆これに過ぎるものはありません。私はそういう意味で強く要望しておくわけであります。これは、やればできる仕事であつて人間がない、時間がないということを言つていると、大蔵事務当局がこれに藉口する機会を与えるのでありまして、特に峻厳にこの問題は処理をしていただきたいということを申し上げておきます。  第二に、これに関連して、議員が災害立法を行つたわけでありますが、この件数が非常に多いというので、建設委員会としては、当時相当な議論もあつたのでありますが、事ここまで来れば、私はやはり大向うをうならせるような災害処置ではいけないと考えておるのです。ここまでは地方負担でやるべきだ、ここまでは国がやるべきだという線は、おのずから明らかにしなければならぬ、こういうことを考えておるのです。災害立法によつて一件工事三万円以上は国庫の対象になるというような考えに対して、私は別な意見を持つておるのでありますが、建設大臣はこれを十五万円に上げた方がいいと思うか、三十万円くらいに上げた方が非常にこの災害事業費基礎数字をきめるにもいいというような面からでも、この問題に対してお考えがあれば承つておきたい。もちろん二十九年度に強い予算を組んで、現実にこれを執行して行くという面になりますと、当然そういうことになるのでありまして、これが言いにくいから言えない、きめにくいから、整理をしにくいからしないと言つておりますと、実にまずい結果が出て参ります。ぐずぐずと年度末までひつぱつたり、ひつぱつているうちに忘れてしまうだろう、あきらめてしまうだろうというようなことでは、こんなものは政治でも行政でもない、私はそういうことを考えておりますので、特にこの予算案を出されておる現在、建設大臣は、災害一件工事をどうというようなことに対して、どのようなお考えを持つておられるか、第二の問題として承つておきたい。
  9. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 ただいまのお話は、前々議会特別立法をなされたその当時から、私の気持はよく申し上げておつたつもりなんです。そういうことが、かえつて全般に悪い影響を与えるのじやないかという心配を持つてつたのでありますが、当時の勢いはどうにもならなかつたというのが、実情だと私は思います。なお、これをどういうふうにするかということについては、ただいまいろいろ私ども考えております。また、議会特別立法の行き方が、かえつて全体から見たらいい結果でなかつたというようなこともよく考えられるのでありますので、今後この点についてどの程度がいいかということについては、もう少し研究いたして参りたい。ただいま幾らがよかろうというふうに、すぐに私が申し上げるわけにも参らないのであります。大蔵当局も、ずいぶんその点については考えている点があるようでありますが、また私どもとしても、これは考えて行かなければならぬ、かように思つております。
  10. 田中角榮

    田中(角)委員 なるべく早く御結論をお出し願いたいと思います。  第三に、今度の予算最終年度なつております有料道路特別会計の問題があるのでありますが、これは今年度やめられたらたまらないというのは、私たちだけでなく、地方問題としても、また日本道路行政全般の問題から見ても、たいへんな問題であります。しかも道路整備費財源等に関する臨時措置法をつくつてこれで幾らか目が出るかと思つてつたら、それも三分の二に削つて法律を改正しようというような御意見であるようであります。建設委員としてだけではなく、日本経済再建に、交通網整備ということが不可欠の問題であるという大きな立場から考えて、暗澹としているわけでありますが、有料道路特別会計の延長は、私は、現在から見れば、まあ五箇年くらいは延長しなければならないのではないかと思うのでありますが、現在の二十九年度の超均衡予算を組んでおられる政府当局としては、なかなかどうもむずかしい問題だと考えるのであります。橋は全部完成しなければ、道路の用に供せられないのでありまして、半分だけやつておいてあとは木橋にしてくれということもできかねると思うのでありますが、この法律を延長せられる改正案をお出しになる意思があるかどうかということを、第三にただしておきます。
  11. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 端的に申せば、当然これは延長しなければいけないものだと思います。ただいま田中委員は、五箇年くらいと申されましたが、私は、日本の今の道路実情からいつて、はたして五箇年でいいかどうかということさえ疑問に思つております。と申しますのは、なるほど特定道路のやり方というものは、ほんとうの道路行政という点からいえば、やや変則的なものだということは十分承知しておりますが、今のわが国の財政状況等の点から考えてみましても、どうしても、変則な方法ででも、少しでも多く道路整備するという建前をとつて行かなければならぬ、これはもう当然のことだと考えておるのであります。二十九年度予算につきましても、御承知のように、はなはだ心細いような関係なつております。これは実ははなはだ申訳ないのでありますが、私少し遅れて参りまして、今の説明は、その点についてはまだ申し上げないつもりで原稿を読んで参つたのでありますが、間に合いませんでした。そういう点はお含みおきを願いたいと思うのであります。あの点については、私はまだ来年度に関してもあきらめておりません。もう少し折衝を続けなければならぬ、何とかいう形でこの方法を継続して行くことにいたしたい。また法律の点もただいま申し上げたように継続して参りたい、かように考えております。
  12. 田中角榮

    田中(角)委員 非常に力強い御発言で、私自身も感謝をいたすわけであります。私も、三年や五年どころではない、永久にも有料道路を続けて行きたいという考えでありますが、大蔵当局では一年間ぐらいでもなかなかたいへんだと思うので、まあそのときどきで、永久に延長しようと考えておりましたが、建設大臣はさすがに勇敢に御発言をくださつて、まことにありがとうございます。  第四番目に、最後に伺つておきたいのは、今ここで建設大臣の御意見を伺うということ自体が、むずかしいと思うのでありますが、当然三月三十一日までには、二十九年度予算が衆参両院を通過しなければならない。この六、七十日間の間に十分審議をせられるべき問題であり、特に野党の諸君等からも、活発な御意見がきつと出ると考えておりますが、いわゆる明治審法以来初めて議員立法で予算編成権及び予算審議権を拘束したという道路整備財源等に関する臨時措置法があるのでありますが、この公布後いまだ六箇月という、施行も見ないうちにこの法律がもう有名無実になりそうであります。私たちは、ただこの法律を立法した一人であるというがゆえをもつて、面子などにとらわれて申し上げるのではなく、こんな法律さえも実施せられないということになると、これはもう超均衡予算という美名に隠れて道路行政が寸断せられるということであつて、これは実に耐えがたいことと考えておるわけであります。先ほどの官房長の懇談会におけるお話の雰囲気の中から看取せられることは、われわれも建設省の省員であり、内閣の職員であれば、内閣が提出した予算に対してはもちろんこれに賛成の意を表しておるのであり、特に賛成をしなければならぬ、その立場から、当然道路整備費財源等に関する臨時措置法改正案、すなわち三分の二に限つて道路整備の費用に充て、あとの三分の一はどうしてもいいのだ、地方還付金にしようが、予算をどうしようが、何でもいいのだというような法律を出さざるを得ないようになるのではないか。しかし、私たちは非常に出しにくい、こういうお話でありましたが、建設省が出しにくいものを、われわれ提案者であつた建設委員が出せようはずがない。その場合には、当然政府法律違反の責めを負わなければならぬのでありますが、それができないので、大蔵省事務当局は知恵をしぼつて、譲与税云々の法律の附則によつてこれを改正しようというような名案も持つておられるようでありますが、これは筋の通らないもはなはだしいものである、こういうふうにわれわれは考えております。もちろん大臣は閣僚の一員として、国務大臣として閣議で決定せられるときには、これに対して当然発言せられるわけでありますが、今の段階において建設大臣を責めるのでもなく、言質をとりたいというのでもないことは、建設大臣重々おわかりだと思うのでありますが、この問題に対して今の段階において、少くとも建設大臣としてそういう改正案を出す勇気がないと言われるか、閣僚の一員としては当然出さなければいかぬ、こういうふうにお思いになるか。私たちは全然出す意思もない、また出せないと思うが、大蔵省事務当局が別の手段、別の法律によつてやるならばやむを得ないという結論になられるか。先ほどの御答弁の中に、この問題に対しての大臣の気持はよく現われておつたようでありますが、私は建設委員会委員でありまするから、委員の職責において、ただすべきはどうも悲しいかなたださなければならぬので、ひとつ大臣の御心境を打診しておきたい。
  13. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 なかなかむずかしいお尋ねで、私も言葉の上でどういうふうにお答えをしていいかわかりません。あるいは懇談会で官房長がどういうふうに申し上げておるか存じませんが、おつしやる通り予算の上から、ただいまごらんのような三分の一を地方に譲与するということになつておる。この点は、私はやむを得ないと考えます。しかしこれをどう取扱うべきかという一ことについては、大蔵省でどういう法律の案を持つておるのか、まだ私はつきりしたものを存じません。だんだん事務的に聞いたところでは、いろいろ案があるようでありますが、まだ結論的なものを私はつきり承知いたしておりません。ただ、私が今考えておりますことは、事ここに至つておるのでありまするが、皆さんの御意思を尊重する、何とか道路整備の上に最も有効な結論を得るようなやり方がいいじやないか、ただちに臨時特別法案ですか、ガソリンの法律改正案をこちらから出すか出さぬかということも、露骨に言えば、実際にどつちが得かというところをねらいにして考えて参りたい、かように考えております。
  14. 佐藤虎次郎

    ○佐藤(虎)委員 ちよつと大臣に、これは小さい問題ですけれども、やはり大きいと思いますから、お尋ねしておきたいのですが、これを見ますと、直轄道路改修費が昨年は三十六億、本年は三十三億で、二億九千万円ばかり減つておるようであります。ところが直轄道路の改修ができ得ないということになると、私は自動車の台数が非常にふえて舗装道路もどんどんやらなければならない建前のときに、むしろ五十億くらい必要でないかと思つてつたときに、あべこべに減つて来たというと、直轄道路改修費というものが非常に少い。そういたしますと今日補助工事といたしまして、県あるいは地元でこれを負担しなければならぬという建前になりはしないか。しからば、県あるいは地元で負担する能力があるかどうかということも、一応考えなければならない問題でありますが、せめてこれは大臣、いま少し大蔵省と努力していただいて、自動車も非常にふえて参りましたから、十億くらいもつとふやすようにひとつ御努力願えるでしようか、どうでしようか。
  15. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 予算ですでにああいうふうになつてしまつておりますので、今ここで直轄道路の方を十億ふやすということは、ちよつと困難であります。しかし今お話通り、これは地方でも非常に困りはしないかという点を心配いたしております。どういうふうにこれを持つて行こうか、今いろいろ研究をいたしておるのですが、それがために地方を困らせるということにはならないようにいたしたいと考えております。また、お話のように、もつとたくさんになるということはもちろん望ましいことで、それほどけつこうなことはないのでありますが、何分にも、今年のような状態でありますので、困難であります。なお直轄の方が少くなつたということは、どうも私がぼんやりしておるものですから、そんなふうになろうとは実は考えていなかつた。なかなか予算折衝といいますか、あのつくり方はむずかしいものでして、私も長年役人をしておりながら、そういうことがわからなくて、しまいになつたら、何だ、こんなふうになつておつたのかという、はなはだ無責任なことを申し上げるようですけれども、私ども事務当局さえ、その点については、平たく言えば一ぱいやられたという気持を持つております。せめて善後の処置を困らないようにしたいということで、今考えておるのであります。
  16. 佐藤虎次郎

    ○佐藤(虎)委員 これは委員長にお願いしておきますが、この問題は大蔵省と関連がありますので、次会は大蔵省政府委員に、主計局長なりどなたなりお願いして出席を求めて私はこれを追究してみたい。
  17. 久野忠治

    久野委員長 承知いたしました。
  18. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 先ほど田中委員が、重要な問題点にぱつぱつと火をつけて行かれたようでありますが、一向要領を得られないようです。そこで、いま少しはつきりできる範囲のことを伺つておきたいのであります。まず、災害復旧事業費の金額の比率について、おわかりと思いますから伺います。われわれけさまでまだ予算書をボックスにいただいていなかつたので、わからぬのでありますが、二十九年度に起るべき——起らないことを望むのでありますが、起つた場合の災害復旧費を幾らと見ておらるるや、それから全然見ておらないのか、見ておるのかという点であります。二十九年度に起る災害に対するもの、それからこの三百三十九億九千二百万円というものについては、建設省事務当局も基礎においていろいろ御不満な点があるということを先ほど明らかにされたのでありますが、大蔵省がどう言おうと、どういう数字を出されようと、それにはおかまいなしに、一応建設省としての数字を伺つておきたいのであります。それは、三百三十九億九千二百万円というものは、二十七年災以前のいわゆる繰越し災害に対してどのくらいお使いになるのであるか、それから二十八年災にはどのくらいお使いになるのであるか、そうしてその比率は三・五・二というような問題がありますけれども、当然そういうことにならぬのでありますが、どういう復旧パーセンテージになりますか。
  19. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 今の数字の点については、官房長からお答えを申し上げますが、内輪の不統一のようなお話を申し上げることははなはだ私も好まないのであります。大蔵省の推定では、何割をしなくてもよろしいというようなことを言われますけれども、私は今三・五・二という比率の問題にこだわつている必要はない。そうじゃなくて、地方で実際困るところを何とかして処置をして行くということに重点を置いて参りたい、かように考えております。それで、あるいは今の額ではどうしてもそれができないという場合もないとは限りません。そこが苦しいところでありましようけれども、この限度で何とか都合をつけてやつて行きたい。その率がどれほどになるかということは、水かけ論になる場合が多いのではないかと思います。ただそれを正面切つて大蔵省では何割というが、おれの方は何割だ、こうは申せないのでありますけれども、しかし今私の方で大体考えておる率は、数字で御説明を申し上げます。
  20. 石破二朗

    石破説明員 御質問の第一点の、二十九年度に発生するかもしれない災害に対しましては、大蔵省所管の災害対策予備費という中に建設省分、農林省分、運輸省分等を合計いたしまして、たしか前年通りの百億を組んでおるはずであります。私まだ予算書を見ておりませんので、今日のところはその程度で御了承願いたいと思います。  第二点の、査定の根拠と今年の予算の割振りの見込みでございますが、先ほど田中委員の御質問にもお答えいたしたのでありますが、——その前にはつきり申し上げておきたいと思いますのは、被害の額を確定する権限を持つておりますのは、あくまでも建設大臣でございまして、大蔵省がいかように言いましても、それは実は外部に対しては権威のないことでありまして、建設省査定政府の義務として法律上発生するわけでございます。その点はあらかじめ御了承おき願いたいと思います。  次に、被害の方の建設省の見込み状況と今度の二十九年度予算でどれだけの復旧ができるかということについて申し上げたいと思います。まず直轄災害についてでありますが、これは二十七年度までに発生した災害は、もうすでに全部復旧いたしておりまして、二十九年度には、いわゆる過年災の災害復旧という問題は起りません。ただ二十八年度に発生しました直轄災害復旧費所要額が七十二億ありました。それを二十八年度中に三十五億支出いたし、また年度内に支出いたす予定でありまして、差引二十九年度以降に持ち越します直轄災害復旧所要額は三十七億という見当でございます。昭和二十九年度予算中からは三十一億をこれに充てる予定にいたしております。残事業の約九〇%程度は、これで災害復旧可能と思つております。なお直轄災害につきましては、いずれも直轄工事を施工しておる箇所に起つた災害復旧でございまして、これにつきましては、これで大体手当は終る予定でありますけれども、万一これで足らぬ場合は、直轄工事費をもつて一時流用して、あとで予備費の支出とかなんとかで補正する、予算をもとにもどすという操作も、緊急の場合には可能じやなかろうかと考えておるような状況でありまして、直轄災害は、大体去年発生した分は復旧可能という見込みでございます。  それから二十七年度前に発生いたしました災害残事業の額は、二十八年度末におきまして約七百億円見当ございます。この七百億円というのが、実は問題になつておるわけでございまして、先ほど御説明いたしました通り建設省がその後実地監査を、ごく少部分ではありますけれども、しました結果によりますと、十五、六パーセントの不用額が生ずる見込みでございますし、先般各都道府県の土木部長を集めて、自発的に再審査を願つた結果によりますと、約九十億程度は、これは不用にしてもよろしゆうございますと自発的に申し出て来ておりますような状況でありますし、私の方といたしましては、これはどうも一部抜き検査をしたのも、もともと机上査定が多うございますし、河状の変化等でその後状況がかわつておりますから、それを全部に推し進めるのもおかしいと思いますし、といつて土木部長の方から自発的に申し出て来たものを信用するわけにも参りません。いわんや大蔵省では、先ほど申しました通り非常にはげしい推定をいたしておりますが、それに承服するわけには行きません。要するに、これから年度一ぱいかかりまして、もう一ぺんよく調査いたしまして、実際の復旧所要額というものを確定いたし、その確定した分から着工させたいと考えております。以下申し上げますことは、非常に推定の数字が入りますから怪しくなりますが、そのつもりでお聞取りを願いたいと思います。  過年度災害復旧残工事量の七百億、これに見合う国庫負担額は五百億、これを今度三月一ぱいかかりまして、かりに二〇%圧縮——圧縮という言葉は悪うございますが、要するに不用額が出たといたしますと、国費の負担額が四百億ということになります。しかるに、これに対して二十九年度予算では、二十七年度前の分として一応八十九億という計算の基礎に立つております。そうしますと四百億に対して八十九億でありますから、二二・五%程度に相なるわけでございますが、この二〇%圧縮するかどうかというのも今後の問題でございますし、さらにこの八十九億というのも一応の計算の基礎でございまして、その三百数十億の中から二十七年度前にどれだけ持つて行くか、そのあんばいも実は今後の問題でございますので、この二二・五%というのは、その両方の意味からしてまだ不確定の数字と御了承を願いたいのであります。なお、以上申しましたのは公共土木施設の災害復旧だけでございます。  次に、二十八年度発生災害復旧事業費は一応千百二十七億となつております。これも昨年は原則として全部実地査定をいたします、いたしたいと申し上げておつたのでありますが、残念ながらそうは参りませんので、県によりましては六割程度しか実地査定ができなかつたという状況で一ございまして、一応形式的には査定は終りましたけれども、さらに見直さなければならぬ点が相当あろうと思いますが、これを一応もとの数字にして、これを基礎にしてずつとやつて参ります。二十八年発生災害事業費が千百二十七億、これに対して二十八年度にどれだけ復旧したかと申しますと、実は補正予算の際に三十数億計上されました災害予備費の支出がまだはつきりいたしておりませんけれども、これがまあ十億見当入るものと予定いたしまして、二十八年度予算では百三十七億見当復旧したことになります。これを事業費に換算してみますと、これも特例法適用なりやいなや、はつきりいたしませんけれども、大体百五十億見当事業費に当るだろうと思います。なおこの、はかに百五十七億を限度として、できるだけ融資して復旧させようということになりまして、この辺がまだはつきりいたしておりませんけれども、そういうことをいろいろやりまして、かりにこれを八十億見当と融資を仮定いたしますと、二十八年度には二〇%ぐらいできるであろう、かような大見当がつくわけであります。それでは二十九年度予算にどれだけ計上しておるかと申しますと、災害復旧費として二百七億を二十八年度分に当てる計算の基礎になつております。これを事業費に換算いたしますと、二百三十億円、それからもう一つそのほかに、これはまだ御説明申し上げてありませんが、二十九年度から新たに災害関連助成費というものを十一億円計上いたしております。災害復旧の原形復旧はもちろん災害復旧事業としてやるわけです。超過工事も、万やむを得ぬものは災害復旧事業としてやるわけですが、さらにそれに若干プラスして災害復旧の超過工事と改良工事のあいのこのようなものをやる意味で、災害関連助成費というのを十一億計上いたしました。これを事業費に換算いたしますと、これは五割補助ですから二十二億。そういたしますと災害復旧費と災害関連助成費、これだけを合計いたしてそれを事業費に換算いたしますと約二百五十債見当であります。そこでその次が非常に問題があるわけですが、この二十八年度にかりに八十億政府が融資して、それを二十九年度予算から返さすのかどうかというのが、まだ非常な問題が残つておるわけでございまして、それのいかんによつて二十九年度進捗率というのがはつきりして来るわけでありますが、かりに八十億をもう長期債にしてしまう、二十九年度予算から返さぬでもいいことにしたとすると、二十九年度にはどれだけ復旧できるかと申しますと、残事業については約三〇%足らず、それから全事業については二十三、四パーセントというふうになるかと思います。八十億を二十九年度予算に返せということになりますと、またずつと率が落ちる勘定になります。  どうも仮定の数字を申し上げましてたいへん恐れ入りますが、どうぞ御了承願います。
  21. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 大体わかつて参りましたが、今の御説明でちよつとふに落ちませんのは、災害関連助成費十一億、五〇%補助で二十二億円ほどという、これを工事費に加算なさつたようでありますけれども、この二十八年度災の千百二十七億円というものは、災害関連助成費で施行すべき分は含まれていないと思うのであります。でありますから、それを加算して今のパーセンテージとか総工事費を出されるということは、これは無理じやないかと思いますが、どうでありましようか。
  22. 石破二朗

    石破説明員 お話通りでございます。実は説明を落しましたけれども、千百二十七億はこれも全部実地査定をしておれば、まだ誤りは少かろうと思いますけれども机上査定によりましたものが多い現状でございますので、この中にはある程度はいわゆる超過工事災害復旧としてやるべきでない、またやらぬでもよろしいようなものも入つているのではなかろうかと思われるわけであります。それでございますから、千百二十七億を再審査して、もう少し金を落しておくという前提にいたしますれば、関連工事費の十一億は抜いてもいいわけですし、抜かなければならぬ関係に立つわけでございます。
  23. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 大臣にお尋ねいたしますが、先ほど必ずしも三・五・二の数字にこだわらないで、必要な箇所をやりたいとお話になりましたが、それはそれでもよいと思うのであります。しかし必要な箇所がそんなに減るわけではないのでありまして、できれば、目標を一応お立てになつたわけでありますから、三・五・二くらいはぜひやつていただきたいと思いますが、今の御説明によりますと、二四%そこそこということになりまして、最初の方針の半分くらいしかできないようであります。なおこれにつきましては問題が残ると思いますが、災害復旧はいずれはやらねばならぬ工事でありますので、この点に熱意を持つていただくように要望いたす次第でございます。  それから、これまた先ほど田中委員が大きな問題を投げかけているのでございますが、道路整備費財源等に関する臨時措置法の取扱いといいますか、二十九年度予算とどういうふうにかみ合せて行くかという問題であります。これはどうせ今日一日では解決がつかない問題として、引続き重大な決意をして行かなければならぬと思うのであります。  そこで一応承つておきたいのでありますが、万一地方譲与税とか、いろいろな小手先の一つのからくりでこれにつじつまを合わすというようなやむを得ない事態に立ち至りました場合、その地方団体といたしましてこれに対する起債その他の措置はどういうようにお考えなつているのでありましようか。つまりそれに基く工事の施行を実際に行うにあたつて、ちやんとした道が開かれているかどうかというような点について一応承りたいと思うのであります。
  24. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 先ほどお話か出ました三分の一が地方にまわされる。それをどうしてもこちらとしては例の立法の趣旨にも沿うように道路の方にまわさなければならぬというふうに考えてその筋を通したい、こう思つております。これが自治庁の側から見ると、その七十九億というものを地方の財源の一部に考えることになる。その間のやりくりというか、いきさつがどう話がつくかによつて、地方の起債の額というものが当然考えられて来るものだと想像をいたします。そこが今大蔵省なり自治庁なりと、私の方の毒といろいろもみ合う話になつているのではないかと思います。それで、今まで地方の起債がこうした道路等の負担についてどれほど認めておりますか、私はつきり存じませんが、七十九億の三分の一というものが、もしわれわれの考えているようになるとすれば、従つて道路その他に関する地方の起債というものについて、何とかまた自治庁と大蔵省とで考えなければならぬということは、想像はいたされます。ちよつとその数字のことはわかりませんが、そこがいずれは三省の間の話合いの重点になって来るのではないか。これはこつちから言う必要はないというふうにも考えられます。われわれの方は、あくまでその三分の一というものは、そうした一般の地方の財源に充てるような中に入れられては困るということを強く言つておるわけであります。そうなると、各省間で地方に交付金なり譲与金としてあげられておるが、地方の府県の公共団体のまかないにどれだけの起債をさせたらいいかということについては、別に自治庁の方で考えなければならぬ、こう思うのであります。
  25. 久野忠治

    久野委員長 ちよつと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  26. 久野忠治

    久野委員長 速記を始めて。
  27. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 私はあとで自治庁や大蔵省が来てからいたします。
  28. 久野忠治

    久野委員長 瀬戸山君。
  29. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 今の問題でありますが、先ほど田中委員も、悲しみを感ずるというようなお話でありました。建設大臣がこの問題だけでなくて、建設省所管の各種の災害復旧その他の予算について、非常に御苦心をされたということは、最初のごあいさつでもはつきりいたして、感謝はいたしておるのでありますが、ただ、どうせきようこれで結論が出るとは思いませんので、建設大臣のこの予算編成についてのお気持——これは閣議決定されて本日提出されておると思いますが、どういうお考えであつたかということをちよつとお聞きしておきます。  御承知の先ほどから問題になつております道路整備費財源等に関する臨時措置法、これは、日本の非常に遅れておるといわれております道路を、何とかしてすみやかに整備して、産業経済の発展の資に供したい、この考え方の現われであつたのであります。しかもこれは、われわれもそうでありますが、自由党の大きな政策でもあります。道路整備——今日の総理大臣の施政方針の演説にも、その一項が現われるということが新聞に報道されております。これは自由党だけでなくて、各党ともそういうお気持を持つておられると思います。こういう関係で、今問題になつております法律が昨年の国会で成立をいたした。先ほど田中委員その他から言われる通り、そのとたんにおいて、この法律が完全に蹂躙されております。そのときに、建設大臣どういうお考えであつたかということであります。数字を申し上げるまでもないのでありますが、今度の予算案には二百三十七億のいわゆる揮発油税の収入見込みを計上いたしております。そのうちの七十九億でありますか、三分の一、それを地方の譲与税にするという一項も出ておる。自治庁の案にいたしましても、まだ細目の案は出ておりませんが、揮発油譲与税という案を今立案中であります。それについて、もちろんこの譲与税は、全額を道路に関する費用に充てなければならないという要綱を出しております。これは私どもも昨日検討いたしました。まだ結論が出ておりません。先ほども国務大臣という概念も出て参りましたが、国務大臣として閣議に列席せられまして予算案を決定された場合に——このいわゆる道路整備費財源等に関する臨時措置法は、申し上げるまでもなく、二十九年度以降五箇年間は、道路整備計画を立てて、そうして揮発油税に相当する当該年度の額をその実施の費用に充てなければならないということが法律として制定されておる。そのとたんに、こういう計画をされたときの大臣のお気持を、これは過去のことでありますからはつきりしておるわけでありますので、ひとつこの際お尋ねしておきたいと思います。
  30. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 気持ちは本日冒頭に私申し上げたつもりでありましたが、来年度予算は、編成がああした財政緊縮の方針に立つておるので、やむを得ないことと考えた次第であります。
  31. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 一兆円以内に切り詰めるということは、各党にもほとんど異論はなさそうであります。天下の声でありますので、それはわれわれとしても今のところ了承いたしております。しかしその中でも、二百三十七億というものは徴収することになつておる。しかも三分の一の七十九億は、先ほど大臣も、大蔵省も自治庁も一応その線は了解済みであると言われておるが、道路に関する費用に充てなければならない。そこで、それならば、それを今日まで従来の例に従つて地方庁が負担しておつた起債その他あるいは自己財源のかわりに地方財政の充実のために割振りをするのか、こういうことになりますれば、道路建設が非常に遅れる。さつき大臣は、そこは確信を持つておられなかつたようでありますが、そうではなくて、道路建設の費用にこれを充てる、しかも、そのほか地方公共団体が負担していた費用は、従来の例と同じように別途に起債その他で負担するのだ、こういうことになりますれば、道路行政が地方自治庁と建設省と二途にわかれる。しかも、申し上げるまでもなくこの臨時措置法にはこれに相当する金は五箇年計画を立てられたその費用に使わなくちやならぬというふうになつておりますので、どの道路にもこの七十九億をまわせるという性質のものではないと思います。建設大臣が言われましたように、これは道路のひもつきだ、同じ道路のひもつきにいたしましても、この五箇年計画を立てておるこの道路に使わなくちやならない、当然こうなつて来ると私は考えております。そんなことなら、何も一兆円に拘束されることなしに、ほんとうに道路行政を担当されておる建設省がこれを全部所管して、そしてこの計画従つて日本道路整備に充てる、これは何もそうむずかしいことではな、と思うのであります。ことさらに三分の一にわけて、地方自治庁の所管にする。譲与税にする、こういうことをしなければならないほんとうの理由をひとつ聞きたい。一兆円が非常に狭まつてつたから揮発油税を減らしたというのなら、別でありますけれども、揮発油税はちやんととることになつておる。それを三分の一をわざわざよそへ持つてつて、これをまた道路にやれよ、こういうことをどうしてしなければならぬかということなんですが、ひとつざつくばらんにお伺いしたい。
  32. 久野忠治

    久野委員長 ちよつと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  33. 久野忠治

    久野委員長 速記を始めて。  では次の機会にこの問題は取上げることにいたします。
  34. 高田弥市

    ○高田委員 これははなはだ小さい問題でありますが、明年度予算編成について、一点だけお伺いいたしておきます。従来建設省直轄で施行されておりましたダムで、今年度完成予定のものがあるのでありますが、いまだ補償費の支払いが済まない所がある。これを明年度予算より削つておる理由を伺いたいのであります。補償の済まないうちにダムが完成し、発電工事が完成することはおかしい話でありまして、ダム完成後における補償費とは一体何でありますか、その内訳をお尋ねいたしたいのであります。さらにまた、補償が済まずにダムだけが完成しても、その効用が発揮できるのかどうかという点についてお尋ねいたしておきます。
  35. 南好雄

    南政府委員 予算折衝の際に関係しておりました関係上、私からお答え申し上げますが、御質問の問題は猿ケ石のダムの補償費だろうと思うのであります。猿ケ石のダムの下の方には、たしか東北電力の発電所が一つつぶれることになつております。そのいわゆる補償費が二億二千万円だつたと記憶いたしますが、この補償費をダムの二十九年度予算の中から支出するように大蔵省と交渉しておるのであります。内容につきましては、大蔵省の方では緊縮予算を組んでおるのであるから、はつきりきまつたならば、また東北電力も負担能力のある会社であるから、もう少し待つてつてもいいのではないかという気持であろうと思うのでありまして、その中からこの二億二千万円払うことを、まだ事務的には承知しておらぬのであります。しかし今後折衝して二十九年度予算が両院を通過する際までには、何分の決定をするように事務的にも交渉をやつて行く所存であります。しかし今までのところでは、まだ大蔵省の方では二十九年度予算の中から二億二千万円を支出することにつきましては承知しておりません。
  36. 久野忠治

    久野委員長 次会は公報をもつてお知らせすることとして、本日はこの程度にて散会いたします。    午後零時四十五分散会