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1954-09-17 第19回国会 衆議院 決算委員会 第50号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年九月十七日(金曜日)     午後二時一分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 青木  正君 理事 鍛冶 良作君    理事 田中 角榮君 理事 高橋 英吉君    理事 河野 金昇君 理事 柴田 義男君    理事 杉村沖治郎君       天野 公義君    小峯 柳多君       徳安 實藏君    中川源一郎君       丹羽喬四郎君    松山 義雄君       安井 大吉君    藤田 義光君       村瀬 宣親君    片島  港君       山田 長司君    伊藤卯四郎君       吉田 賢一君    池田正之輔君  委員外出席者         内閣官房長官  福永 健司君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 九月十七日  委員田中角榮君、高橋英吉君、三和精一君及び  大矢省三君辞任につき、その補欠として小峯柳  多君、中川源一郎君、徳安實藏君及び伊藤卯四  郎君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  証人出頭に関する件     —————————————
  2. 田中彰治

    田中委員長 これより決算委員会を開きます。  本日堤議長委員長に会いたいというので会いましたところ、昨日の決算委員会逸脱行為があつたというような話でありますが、委員長から絶対にないことを申し上げておきました。逸脱行為は当委員会には今日までございません。  引続いて政府関係機関の収支のうち、造船融資の問題に関連する事項を議題として審議を進めます。本日は特に福永官房長官出席を求めましたので、委員各位の発言を許します。河野君。
  3. 河野金昇

    河野(金)委員 この委員会造船融資の問題に関して一月以来調査を進めておるのであります。すでにわれわれは吉田総理証人としてこの委員会喚問して調べることになつておりましたが、外遊というようなことで今日まで逃げておられるのであります。外遊を目前に控えて一国の総理大臣疑惑に包まれたまま外遊されるということは、吉田さんのためにも、また日本のためにも好ましいことではないと私は思うのであります。吉田総理みずからが潔白であるというならば、こういう機会を利用してむしろ進んで身の潔白を明らかにして、そうして外遊されることが総理大臣のとらるべき態度であると思うのであります。  かつてアメリカの副大統領ニクソンが副大統領に就任せんとするとき、反対党から収賄の嫌疑をかけられたときに、彼は一切の自分の財産を公表して身の潔白を証明して、そして副大統領に就任しております。チヤーチルが数年前、イギリスはポンドの持出しを制限しておる、五十ポンド以上は何人といえども持ち出すことができないという制限を受けておるときに、一夏南欧に遊んだことがあります。反対党から、一夏南欧で遊ぶのに五十ポンドではとても足るものではない、チヤーチルみずからが国の規則、法律を犯しているという抗議を受けたときに、彼は、南欧行つて講演をして講演料をどれだけとつた新聞社にニユースを提供してそれで幾らとつた、そういうようにして身の潔白イギリス国民の前に表明したのであります。私は一国の総理大臣あるいは副大統領とも言うべきような人は、こういう手段をとることが当然のことであろうと思います。今日に至るまで吉田総理がこの委員会に出られないことは、われわれ委員会としても残念であるが、吉田総理みずからのためにも私はとるべき手段ではないと思うのであります。すでに去る十五日この委員会証人として喚問しておつたけれども、そのときは閣議決定事項を天皇陛下に奏上しなければならないから行けないということによつて断られたのであります。習われわれは再び総理をこの委員会喚問することになつておるのであります。総理の身辺におられる官房長官として明日当委員会吉田総理が出て来れるかどうか、また今日以後二十六日までの吉田総理日程等をまず承りたいと思うのであります。
  4. 福永健司

    福永説明員 ただいま河野さんから外国例等も引かれましていいろいろお話がございました。この点は大いに参考にしなければならぬと存ずる次第でございます。  そこで具体的の点につきまして、明日当委員会吉田茂証人として出頭するかどうかという御質問でございますが、証人として出席するかどうかということにつきましては、私から出席いたしますとかいたしませんとかいうことはちよつと申し上げがたいところではございますが、総理公務等につきまして大体のことを承知いたしておりまする私が客観的に見まして、私が考えまするところを申し上げまするならば、明日相当に公務に忙殺されるであろうというような事情でありますことは、私どももよく承知をいたしておるわけでございます。ことに海外出張につきまして閣議決定をいたしました後におきましては、非常に多繁な公務、ことに対外的折衝等に関するものが輻湊いたしておりまするような状況にかんがみまして、私は本人ではございませんので、出る出ないということまでは申し上げられませんが、非常に出席は困難であろう、かように存ずる次第でございます。明日以後のことにつきましても先ほど申し上げましたような次第で、すでに海外出張出発の日が旬日の後に迫つておりまするような次第で、公務に忙殺されるという状況はおそらく出発の瞬間まで続くのではないか、かように考えておる次第であります。
  5. 河野金昇

    河野(金)委員 そういう感じを承るだけでは私たち承知ができないのであります。だからあすわれわれば吉田総理喚問することに決定いたしておりますから、具体的に何時にだれと会うとか、あるいはどういう会があるとかいう具体的なあすの日程、それから二十六日、外遊ぎわまでつんでおるという意味官房長官のお言葉でありますが、つんでおるならばそのつんでおる内容が官房長官にはわかつておるはずであろうと思いますから、時間的に具体的にひとつ明細にここに御報告を願いたいと存じます。に具体的にひとつ明細にここに御報告を願いたいと存じます。
  6. 福永健司

    福永説明員 ただいま詳細なる日程についてというお話でございますが、何時何分から何分までということを一々、私は全部が全部までを承知いたしておるわけではございませんしいたしますが、大体のことは承知をいたしております。従いましておもなる事項について申し上げたいと存じます。なおこれを申し上げまするに先だつてちよつと御了解を得ておきたいことは、すでに先刻も申し上げましたる通り海外出張について決定をいたしまして、何分日が迫つておりまするので、この間におきまして出張目的を達するために必要なるべき諸般準備を急がなければならないような状況等もございまして、従いまして私がただいま申し上げること以外に、相当突発的なことも起り得るであろうし、なおすでに話を受けていることでも、この日程等にまだ織り込んでないものもあるわけでございます。  さような次第をまず御了承願いまして申しまするならば、まず明十八日について言えということでございますが、明日は朝から——これは十時近くになるのじやないかと思いますが、法王庁代表ヒユールステンベルグ氏が参ることになつております。御承知のごとく、法王庁ないし法王が、カトリツク諸国に対しまして大きな影響力を持つておりますることは皆さん御承知通りでございます。今次海外出張にあたりまして、ヴアチカンを訪れることになつておるわけでございますが、私から申し上げるまでもなく、過ぐる戦争中におきまして、ローマ法王がわが国に対しましていろいろ配意をしてくれたことは申すまでもございません。戦争後におきましては、たとえばモンテインルパの戦犯釈放につきまして、ローマ法王が特別に配意をしてくれたこと等もございます。その他あげればあるかと思うのでございますが、さような事態にかんがみまして、ヴアチカンに今度訪問することにもなるのでございますが、それに先だちまして法王庁代表ヒユールステンベルグ氏に会います。この会見は向うからもしばしば申し込まれておつたわけでございますが、訪問が決定いたしましたので明朝会いまして過去の日本に対する諸般配意に対しましてお礼を申し上げることその他をやらなければならぬごとになつているわけでございます。このことがカトリツク諸国、ことに東南アジア等におきましても、この影響を受けるであろうと考えられる国々等もあるわけでございまして、フイリピンを初めそうした幾多国々との関連のあることを考えますときに、出発前に、ことになるたけ早くこうした方にお目にかかつて総理大臣としてなすべきことをなさなければならぬと思うわけであります。かような次第で明朝はこの法王庁代表とお目にかかることになつております。
  7. 河野金昇

    河野(金)委員 お話の途中ですけれども、そんなに詳しくいろいろな戦争中の話からしていただかなくても、法王庁の方に何時ごろまで会う、十時からはだれと会うからどうだというような、そういう具体的のことでけつこうだと思います。あまり懇切丁寧過ぎますから、もう少し具体的に簡単に話してくださいる
  8. 福永健司

    福永説明員 承知いたしました。そこで、ただいまのお話もございますので、そういう趣旨によつて申し上げたいと思います。そのあと、お昼にウーチヨウ・ニエン氏と会談をいたします。これは申すまでもなくビルマに対する賠償の問題で、最終の結論も出したいし、せつかく出た結論——もしそうした結論が確定するとしますれば、この結論本国において承認されることが望ましいと思いますので、さようなことにつきまして会見することになつております。もしこの間におきまして幾分でも時間ができますれば、アメリカに参ります準備といたしまして、建設大臣と道路の関係その他のことについて、早急に打合せをいたしたい、かように存じているわけでございます。なおこのウー・チヨウ・ニエン氏との会談が終りましたあとは、一応ただいまのところ防衛庁関係木村国務大臣打合せをすることになつております。それから夕刻、イギリスの某要人に会うことになつております。  それから十九日は日曜でございますが、日曜日午前、経審長官通産大臣たる愛知揆一氏諸般重要政務について打合せ等をいたしたい、かように考えております。お昼に、米、仏、伊の大使それからハル長官に会うことになるかと思います。これらの方々にお目にかかることになつて、すでに連絡済みでございます。なおそのあと適当に時間があれば農林大臣所管のことについて、重要政務打合せをいたします。  それから二十日、月曜日には、朝インド大使会見いたすことになつております。これはインドヘお伺いすることになつておりましたが、今度行かないことになりましたので、これと関連いたしまして、若干の打合せをいたしたいと考えておるわけであります。そのあと外務大臣重要政務につき打合せをいたすことになつております。それからお昼には英、独、カナダ代理大使をお招きいたしまして、それぞれ今度の外遊等につきまして儀礼を行うことになつております。なおこの後におきましては運輸大臣所管の事務につきまして、諸般打合せをなすことに予定をいたしております。さらに国民の皆様へのごあいさつ等もございまして、放送、報道機関人たちとの会見等予定をいたしております。  なお二十一日、火曜日には閣議があります。午前中は閣議出席をいたします。午後ブラジル大使中国大使等会見予定をいたしております。なお戦犯釈放その他のことで法務大臣とも打合せをいたすことになつております。  二十二日はフランス大使に朝会うことになつております。そのあとタイ国代表と会うことにいたしたいと存じております。これは特別円のこと、その他のことと考えております。それから午後はオランダ大使ベルギー大使予定いたしております。これはそれぞれ別でありますが、かように予定をいたしております。  二十三日は、朝はハル長官及びアメリカ大使にお目にかかる予定でおります。なお何とか差繰つてセイロン公使にもお目にかかりたいと思つております。  ここでちよつと申し上げさしていただきたいのでございますが、アメリカフランス、イタリアの方々と御一緒にお目にかかる日程が十九日にございますが、今度参りますにつきまして個々国々と若干の折衝等がございまして、出発前にぜひお目にかかつて了承を得なければならぬこと等もございますので、こういうふうに各国個々にお目にかかることにいたしているわけであります。午後はイギリス代理大使予定いたしております。なおスイス公使が近く本国に帰られるため、総理出発前にぜひ会いたいということを申し出られておりますので、これをこの日に予定いたしておるわけであります。  二十四日は、金曜日でございますが、午後は閣議予定いたしております。総理出発前の最後閣議になるかとも思いますので、あるいは相当時間がかかるのではないかと存じているわけでございます。午後アルゼンチン大使との会見予定いたしております。なおこの日はいよいよ出発を間近に控えまして閣僚党幹部とのいろいろの打合せも考えておるわけでございます。  二十五日は、出発の前日でございますが、この日は閣僚等といよいよ出発最後諸般打合せもいたしたいと存じておりまするし、いろいろ万全を期して準備をいたしましても、なおかつ残つたこと、あるいはさらに一段と仕上げを必要とするような事項も起ろうかと存じますので、そういうことに充てたいと存じております。  一応ただいま申し上げましたような次第でございますが、これは政府を中心としましてのなんでございまして、党の関係のこと等はもちろんこの中にございません。別途いろいろ党から御要求等もあろうかと思います。なお、今申し上げましたほかにも若干交渉を受けておること等ございまするが、かような次第で、まだ日程に組み込み得ないものもあるようでございます。さらにただいま申し上げました国々等につきましても、あるいは都合で若干日時等が、ある国とある国が組みかえになるようなことも起り得るかと思います。十分先方から御返事をいただいていないような向きもございまするが、大体ただいま申し上げましたような次第でございます。
  9. 河野金昇

    河野(金)委員 そうすると、二十六日お立ちになるわけですが、羽田から何時に、どこの飛行機お立ちになりますか。
  10. 福永健司

    福永説明員 二十六日は、たしか朝の九時だつたと私は記憶いたしております。カナダに参りまするし、たしかほかに適当な飛行機がないのじやないかと思いますが、カナダ飛行機で行くと、私はそのように了承しております。もし間違つておりましたら、後刻さらに正確に申し上げます。大体それで間違いないと思います。
  11. 河野金昇

    河野(金)委員 外遊ということをおやりになる計画はしておられたようだが、正式にきめられたのは十五日であつたと思います。私たちが当委員会吉田総理喚問決定したのは十一日であつたと思うのであります。そうすると、われわれの喚問がきまつてから閣議外遊をおきめになつて、それでなるべく議会へ出ないように無理に日程をお組みになつたように拝承するわけであります。明日私たちがここへ呼んでおりまするが、先ほどの説明でうまくごまかしておられると思うのであります。まあ夕方英国要人お話になる前、午後防衛庁関係打合せがあるというのでありますが、その打合せあとなり、あるいは夕方英国要人と会われたあとなり、来る意思があるならば、何もわれわれはそう総理大臣を何時間もここで調べようというわけではないのであります。これは各党時間を打合せてやるのでありますから、そちらの方の都合で二時間にしてくれとか、あるいは二時間半にしてくれということならば、そういう話合いならばできないこともおそらくなかろうと思うのでありますが、福永君の今の話を聞いていると、いかにもわれわれの喚問後に外遊をきめて、そうしてなるべくこの委員会に出ないように、無理にいろいろな日程を組まれておるように思われてならないのであります。明日喚問をしておることは御承知通りであります。あすこういういろいろな日程があるのでありますが、この問に差繰つてここに出す努力をされる気持があるのかどうか、それを承りたいのであります。
  12. 福永健司

    福永説明員 閣議決定が十五日であり、本委員会における喚問の御決定がそれ以前であつた筈のことにかんがみて、本委員会への出頭を回避するために、さような決定をしたのではないかというような意味のお言葉でございますが、私どもの方では、この閣議決定はできるだけ早くいたしたいと考えておつたわけでございます。外国に参りますといたしますと、先方国々の御都合等もございまして、これらにつきまして御都合を伺いまして、そういうことを十分織り込んだ上で正確なる閣議決定をする必要等がございまして、従いまして、早く早くと存じながら十五日になりましたような次第でございます。決して喚問と関連して意識的にどうこうということは毛頭ない次第でございます。  なお明日の出席につきましてただいまのお話でございますが、私どもはもとより国会委員会の御決定の御趣旨は尊重して努力すべきものであると思うわけでございますが、先刻も申し上げましたような次第で、ぎつしり予定がつまつておりますような関係で、客観的には本委員会吉田茂が参りますということは容易ではなかろうと存じておるわけでございます。私が先ほど申し上げましたような立場でございまするから、ここに出ませんというようなことはもちろん申し上げられる次第ではございませんが、私どもは、今申し上げましたような次第で、けだし至難であろうかと存ずる次第でございます。努力することにつきましては河野さんの御趣旨従つて、私どもはできるだけのことはいたしてみたいとは存じております。
  13. 河野金昇

    河野(金)委員 われわれがここへ吉田さんを呼んでおるのは、何も外遊前にいじめようとかけちをつけようとかいうことじやない。非常に疑惑に包まれておるから、それをきれいにして、お行きになるものなら、何か泥のかかつたような、雲のかかつたようなからだじやなしに、きれいなからだとして出してあげたい、実はこういう親切な気持から呼んでいるわけなのであります。われわれがこの間うち調べたことによつてもはつきりして来たことは、造船融資の中から政界に流れておる金が一億一千九百六十万円というようなこともわかつて来ておる。これはおそらく九牛の一毛であろうとは存じます。しかもいろいろ伝えられるところによると、昨年の選挙といい、あるいはこの間の十九国会が終つたときといい、外務大臣の官邸において総理みずからが自由党の議員の諸君に、どういうおつもりであるか知らぬが金を直接渡しておられる。これは麻生君が立ち会つておるはずであります。あなたも官房長官立ち会われたかどうかは知りませんが、とにかく麻生立ち会つて渡しておることは事実のように承るのであります。そこでそういうような疑惑に包まれたまま行くということは、しかも国会が正式の手続を経て証人として喚問しておるにもかかわらず、それを外遊日程がつんでおるからというような理由のために出ないでお行きになるということは、やはり身に何かあるのだ、だから国会に出ることをきらつて、いかにも逃亡にひとしい外遊をされるように思うのであります。これは私は総理のためにも日本国家の名誉のためにも非常に残念に思います。従つて明日、あなたがやはり総理をきれいなからだとして出してやりたいと思うならば、時間の繰合せをつけて、そしてあなたが努力して時間の繰合せがつくならば、われわれは委員会を早くしてもよろしいし、おそくしてもいいのであります。あすの夜の十二時までのうちならば、どういう時間でも私たち総理の便宜をはかる意味において、委員会審議の時間はどういうふうにでも変更したいと思います。私が今言つたの疑惑のただ一つにすぎないのでありまするか、そういうような幾多疑惑をここで一つ々々ほぐして、きれいなからだで行つていただきたいと思う私たちの親切な気持が、あなたは一体わからないのですか。わかつたならば、ひとつあなたも努力して、あしたはどうにでも時間のやりくりをつけて、たとい二時間でも三時間でも、あるいはその時間がなかつたならば一時間も一時間半でも、とにかく出て来て国会審議に応ずる、こういう態度をおとりになることが、民主主義国々をまわられる吉田総理大臣として当然最後になして行かなければならない手段であろうと思うのであります。官房長官たるものは、ただ吉田さんの小使で、きめられたことをその辺に使い走りするだけが能ではなかろうと思います。吉田さんをきれいなからだにしてやろうというわれわれのこの気持に対して、あなたはやはりそれだけの努力をしてそれに報いなければならぬと思うのであります。私は、同僚諸君も聞くでありましようから、もうくどいことは申しませんけれども、私のこの気持に対してあなたはどういうお考えであるか、最後に承つて同僚質問を譲りたいと思います。
  14. 福永健司

    福永説明員 きれにしてやりたいと思うのだ、これは親切なんだというお話でございます。御親切に対しましてはつつしんでお礼を申し上げます。ただ今私の名前を出されて立ち会つたかどうかというような意味のことをちよつと言われましたが、そんなことは全然承知をしておりません。私が申し上げますことは、先ほども申し上げておきました通り、いろいろ重要公務が輻湊いたしておりますので、とても困難でございましよう、こういうことなのでございます。努力をしろとおつしやいますことにつきましては、私ども努力をいたさねばならぬと存じておりますが、なかなか困難であろうと存じておるわけであります。
  15. 河野金昇

    河野(金)委員 官房長官の答弁は誠意なきものと認めます。私は、結局きたないままで逃亡にひとしい外遊をされるものなりという断定を下して、他の人に譲ります。
  16. 福永健司

    福永説明員 ただいま断定をする云云とおつしやいましたが、総理大臣をきたないものであると断定されるということは、親切にとおつしやるお言葉とは大分違うように思うのでございます。その御親切はもとより感謝するわけでございますが、断定云々というようなことは、少しお言葉が過ぎるのではないかと思うのであります。
  17. 田中彰治

  18. 柴田義男

    柴田委員 ただいま同僚河野委員質問に対する官房長官のお答えを承つておりますると、まつたくわれわれは奇異の念を抱くものであります。河野委員もるる申しましたように、日本開発銀行の造船融資をめぐつて、本委員会は去る六日から開会をいたしまして、しかもその六日の当日に、吉田総理外五名の政府の重要な方々証人としての喚問決定しております。こういう政界あるいは政府当局に対して重大な問題が決定されておつた一つ前提だけは、少くも官房長官は御承知があるはずである。しかもこれに対しましては、堤議長はいろいろなことによつて逡巡をされておつたのでありますけれども世論もあるいはまた言論機関も、あげてわれわれの行動に対して支持を与えたのであります。これに屈したとは申しませんけれども、やはりこういう世論の動向によつて堤議長喚問手続をとつてくだすつたのである、こういう前提の条件が前からおわかりのはずである。しかも、十六日付の名紙を見ますると、十六日の朝の九時十分に官房長官首相公舎を訪問されて、外遊に関するあらゆる日程計画に参加されておるはずであります。こういうように外遊日程を組まれる場合に、官房長官総理大臣とこの日程に関する協議をされておる、こういう現実が残されておるのであります。十五日の首相喚問もたとえばわれわれに対する御出席のできないという理由は、閣議及び閣議報告事項内奏のため、とすこぶる簡単な理由のもとに出席を拒否されておる。だからその当日の委員会におきまして、あらためて十八日という明日を指定申し上げたのであります。それを十六日に御協議に参加された官房長官が、何ゆえに十八日にそういう無理な日程を組まれたのか。これに対しまして国民疑惑を持たざるを得ないし、当委員会といたしましても、最高権威である国会の国政調査に対しまして、首相みずから、しかも現在では、大政党である自由党の大幹部であられる福永官房長官が、こういうことをことさらにやられたということは、われわれは断じて承服ができないことである。ただいま十八日以降の御日程を承りますと、まつたく無理をされてつくられたような日程であつて、われわれは承服ができないのであります。十六日のこの日程計画される御相談の場合に、あなたから総理外臣に対しましてやはり十八日はこういう日程がございますということを御注意なすつたのかどうか、その点を承りたいと思います。
  19. 福永健司

    福永説明員 十六日の朝こまかい日程等協議いたしたという次第ではございません。大体のことについては話合つたように記憶いたしております。無理にそういうようにつくつたというお話のようでございますが、同じことも立場々々によりまして受ける印象は違うわけでございます。私どもは決して今お話のような意味で無理をいたしておるというつもりはございません。もう少し時間があつたらまだ外遊前にさらに完璧を期してやりたいと思うこと等もあるわけでございます。そういう点からの無理がまだあると考えておるわけでございます。十八日に喚問がありますることにつきましては、御決定になりました次第も伺つておりましたし、そうしたことがあり得るならばこれもたいへん幸いなのでありますが、先刻来申し上げるような次第でございまして、緩急の次第等も考えまして、全体といたしまして、どういうように、出発までに何とか重要事項をさばいて行くかということで、また先方からのいろいろの申入れ等いうようなことも考慮いたしまして作成いたしました日程でございます。本委員会からのお話をわざわざ回避するためのような次第ではないことにつきまして御了承いただきたいと思います。
  20. 柴田義男

    柴田委員 もう一つ、今私から伺いました重要な問題で、十八日の日程がこうなつておる、そうして国会決算委員会証人喚問を受けておる、そういう御注意をあなたからなされたかどうか、この一点を伺つたのでございますが、これに対する明快なお答えを願いたい。
  21. 福永健司

    福永説明員 たしか十六日の朝はまだ文書はいただいてはいなかつたかと思いますが、しかし委員会でさように御決定になりました旨は、私からも申しましておる次第でございます。
  22. 柴田義男

    柴田委員 その場合の総理大臣のお答えはどういうことでございましたか。その十八日に決定されておるのだから、どういうお答えであつたか伺いたいと思います。
  23. 福永健司

    福永説明員 言葉は記憶をいたしておりませんが、私の言つたことは耳にいたしたと存じます。そのときどう言いましたかということは私記憶がございません。
  24. 柴田義男

    柴田委員 おそらくその当日は官房長官総理とその他どなたが御参加なさいましたかわかりませんが、やはり親しくこの十八日の問題に対しましては、簡単なことじやなかつたと思う。少くとも一国の総理大臣決算委員会証人として喚問を受ける、こういうことは十五日の当日もあるいは十一日当委員会決定いたしました当時から、すでにこの問題に対しまして何らか御考慮があつたはずである。そういうところから推してみまして、十八日の問題を、これらの日程を組まれる場合に必ずや相当時間ここにがかつたと、われわれには想像されるのであります。それとも問題にしなくて、十八日の問題は全然考えないでこういう御日程をつくられたのかどうか、この点をあらためてもう一度承りたいと思います。
  25. 福永健司

    福永説明員 十八日のことにつきましても、もとより考慮をいたしておるわけでございますが、すでに決定をいたしました海外出張によつてりつぱに所期の目的と達して来なければならぬということの要請との間の調整も、なかなか困難でございます。先ほどから申し上げましたような次第によりまして日程を組んでおる次第でございます。
  26. 柴田義男

    柴田委員 どうも私ども官房長官のお答えを承つておりますると、まつたく誠意を何ものも認められません。これは一つの新聞の論調でありまするが、自由党は日本最大のいわゆる徒党であつて、こういう言葉をここで書いております。(「赤新聞」だと呼ぶ者あり)私が申し上げるのじやない。その徒党の支持をもつて無理横車を押して来て、まつたくキング・コングのような暴力的態度で、たとえば検事の捜査は指揮権発動で押えつけて、世論や正当な報道は……     〔「赤新聞だ」と呼び、その他発言する者多し〕
  27. 田中彰治

    田中委員長 御静粛に願います。
  28. 柴田義男

    柴田委員 流言飛語とののしつた。しかるに国会喚問あるや世論に屈してか、喚問に応ずるに……     〔発言する者多し〕
  29. 田中彰治

    田中委員長 御静粛に願います。
  30. 柴田義男

    柴田委員 こう書いてある。赤新聞か何かわかりませんが、産経が書いておる。堂々と「世論は弱くない」に書  いておる。     〔「徒党とは何か〕と呼び、その他発言する者多し〕
  31. 柴田義男

    柴田委員 私は新聞に書いてあるままを言つておるのであります。     〔発言する者多し〕
  32. 田中彰治

    田中委員長 柴田君、自由党のやじなんか気にかけないで質問をした方がいい。
  33. 柴田義男

    柴田委員 しかも、これらの状態であつた自由党も総務会においてやはり喚問に応ずることはやむを得ない、喚問に応ずべきである、総務会はふしぎなことに冷静な方々がおつたと見えまして、そういう結論に達したと報じておる。そういう自由党総務会ですらも出席しなければならないと決定された問題を、官房長官みずからこれらのプランをぶちこわしてしまうようなことをお立てになつたのかどうか、もう一度伺いたいと思います。
  34. 福永健司

    福永説明員 新聞の記事にもいろいろございまして自由党を見る目もいろいろあろうかと存じます。ことさらに一つの例をあげられまして、自由党はかくのごときものであるかのごとき印象を受けるような御発言に対しましては、私は官房長官といたしましてより、一自由党の党員といたしまして、自由党の権威のために私は決して……(「官房長官として聞いておる」と呼び、その他発言する者多し)自由党は決して徒党ではない、堂々たる政党であると確信をいたします。なお総務会におきまして決定になりました趣旨のことにつきましては、政府といたしましてももとよりこれを尊重いたしまして、何とかして都合がつくならばというように努力をいたしておるわけでございますが、先刻来しばしば申し上げまするような客観的情勢によりまして容易でないという次第であることを御了承いただきたい。
  35. 片島港

    ○片島委員 関連して——福永さんも国会のこの証人喚問の問題がやはり重要な公務であるということをお考えになつておるに違いないと思う。これは御答弁願わぬでも、重要な公務だと思う。ただいま発表になつたのは十八日だけが特に丁寧に午前十時ころから正午、午後、夕刻、十九日から先は大分ぼやけて午前、午後、あるいは正午も入つておりますが、午後といつたつて、農林大臣とか運輸大臣とかにある特定の日に午後だけ会われる、午後会うといいましても気の向いたときにいつでも会われるわけでなく、何時から何時まで会われるということはきまつておるでありましよう。もし十二時から先一時間話せば二時から手があくのであります。三時から会うならば、正午から三時まであくのであります。こういう点は福永官房長官、あなたが日程をつくられる役目でありますから——もつとも全部あなたの言うことが総理大臣の方に届くのではなくて、もつと親しい、たとえば麻生和子さんのごときが重要な発言権を持つておられるそうでありますが、福永官房長官は聞くところによると麻生和子夫人ともきわめてじつこんの間柄と聞いておる。もしあなたが麻生和子さんと十分相談されたならば、ここに出ておるところの午後にだれと会う、何日の午後はだれと会うという午後を、もう少し分析をして行くならば、二時間や三時間出ないとは思わない。かりに十八日はどうしても出られぬというならば、官房長官が、ほんとうに自由党の総務会の決定通り出すべきであるということをあなたが御努力なさるならば、十九日以後においても十分できるものと思う、あなたは側近の人らと相談して……。そういう自信はございませんか。
  36. 福永健司

    福永説明員 十八日について詳細であとは、というお話でございますが、この点につきましては、詳細に十八日について半分ばかり申し上げましたところで、河野さんからさような詳細なことは必要がないからという御注意等もございまして、その御趣旨によりましてお答えをいたしたわけでございます。なおある一つの要務から次への関連でございますが、ことに外国方々との折衝等におきましては、きようは三十分なら三十分、一時間なら一時間しか会わぬというようなわけに行かない次第もあるわけでございます。ことに外遊前に結論を得てと存じておりますこと等については、おのずから時間も単なる儀礼で会うというようなことと違いまして、よけいに必要とする場合が多かろうと存ずるわけでございます。さようなことで必ずしも何時何分から何時何分までということのみでは律し得ない次第もありますることを御了承いただきたいと存じます。  なお麻生和子夫人の個人的の名前をあげられまして、かような人と相談して政務についてもつとうまく云々というようなお話でございますが、かような人が政務に関して何らの発言権を持つているはずもなく、またさようなことにつきまして私どもはそういう人と相談をすることはないのであります。非常に歪曲された表現をなさいましたが、この点につきましてはすなおにお受取りをいただきたいと存ずる次第でございます。先ほどからも御注意もございましたし、私自身も皆様の御決定の御趣旨にも沿うことに努力することにはやぶさかでないのでございますが、客観的事情が、るる申し上げているような次第で、必ずしも皆さんの御趣旨に十分沿い得ないということで、非常に私たちも苦慮をいたしている次第でございます。
  37. 柴田義男

    柴田委員 福永官房長官は、先ほど私は一新聞の文書を例証いたしましたが、ところが新聞によつてはいろいろの書き方もあるんだがと言つて、しかも自由党の問題に及ぶや、憤然色をなして御立腹の態度でありましたが、われわれは、少くも民主主義的な政党であつたならば、総務会のいわゆる多数の方々——総務会においても一、二の反対があつたということは聞いておりますけれども、やはり出席が妥当である、喚問に応ずべきだ、こういう決定をされている。それを吉田さん一人の考え方から、しかもこの国会の国政調査に対しましてそれに応じようとされない、こういう総裁そのものが徒党と言わずして何と言う。そういう政党自体の徒党と言われることは、赤新聞だなんということではなく、世論が許さないとわれわれは思う。こういうことに対しましてみずから反省することがあるならば、堂々と出席されることは当然だと思うし、官房長官を勤めている福永さんも、これを官房長官として御忠告申し上げてでもここに出席をさせられるのが当然だとわれわれは思う。そのことに関する福永さんの責任のほどを承りたい、こう思うのであります。
  38. 福永健司

    福永説明員 民主主義政党としての自由党の総務会の決定につきまして、もとより政府はこれを尊重するにやぶさかでない次第でございます。決して当総務会の決定に反しているわけではない次第でございます。十分その精神は尊重いたしている次第でございます。かようなことにつきましては、責任者たる幹事長も加えましていろいろ相談をしているわけでございまして、政府と与党自由党の間に何ら意思の背馳いたしている点はない次第でございます。
  39. 田中彰治

    田中委員長 吉田賢一君。
  40. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 今お述べになりました日程について少し事務的に伺つてみたいのであります。  まず第一に本月十五日の十時には本委員会証人として吉田さんを喚問しているのであります。そこで十五日には不参であるという通知が当日参つた。聞けば事情はやはり臨時の閣議とかあるいは閣議決定事項の内奏とかいうことになつているが、すでに十三日の夜議長から手続ができたことも院内外で公知の事実であります。そこで十四日には通知を受取つているわけであります。そういうような場合には、臨時閣議もさることながらやはり国会の方が重要ではないかと思いますので、当然十五日には一応まず国会喚問に応ずるということが必要でなかつたかと思うのでありますが、そこで聞いてみたいのは、閣議をお聞きになる前にすでに十五日の喚問手続はあなたの方へ入手されておつたのであるかどうかこの点なんです。
  41. 福永健司

    福永説明員 公文書をちようだいいたしたのが、ただいまの御質問からいたしますと、そういうことを決定いたしますそれより後だつたかと承知いたします。ただしこの十五日にお呼び出しがあるということは、本委員会決定をほかの方法において承つておりますから、承知をいたしておつたわけでございます。たたこの閣議におきまして外遊決定いたしますまでは——実はあの十五日というのはよくよくぎりぎりであつたわけでございます、どうしてもあの日ぐらいにきめない場合においてはいろいろ支障を来すというような事情に追い込まれておつたような次第でございます。日もずいぶん迫つておりましたような次第で、決して本委員会の御喚問と関連してことさらにあの日をきめたというような次第では全然ないのであります。
  42. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 十五日に不参になりまして、そこで即日当委員会は十八日午前十前ということをあらためて指定して、そうして喚問手続をすぐやつております。そこで十八日ということはすでに十五日中にあなたの方では御承知であつたはずです。承知しておつたということはお答えになつておりますが、十八日の日程がその後に組まれております。これもやはり十五日の不参によつて新たに十八日が指定されているのでありますから、十八日の諸般日程をきめる前には、当然この証人喚問の十八日ということを頭に入れて、その重要な公務があるので、十八日に今お述べになりました数箇の日程をすでにきめておつたら支障があるから変更せねばなるまいし、あるいはいまだであればこれはきめないが当然であろうと思う。しかるにかかわらずどうしておきめになつたのか。ことに検察庁であるとかあるいは内部の木村防衛庁長官と会うというようなことをお述べになつておりますが、こういうようなことは当然削除せねばなるまいと思うが、どうなんですか。
  43. 福永健司

    福永説明員 実は外国関係方々とお目にかかつて諸般の折衝をいたしますこと等は、閣議決定で正式に海外出張をきめました後でなければ、ぐあいが悪い事情があるわけでございます。さような次第で閣議決定を非常に無理をいたしまして、たくさんの折衝等もいたしますので、さようなことから非常にぎりぎりの日程になつておる次第でございます。ただいまお話のごとく何とか十八日に時間をあけるようにということは、その趣旨はよく私どもわかるわけでございますが、総理大臣としての重大公務海外出張出発前に、この海外出張を意義あらしめ、目的を十分達成させるために、できるだけの準備措置等も講じなければならぬという次第で、お話のような時間がなかなかとれないような事態に至つておりますことは、ぜひとも御了承いただきたいと存じます。  なおお話の何大臣々々々というのと会う時間をというお話でございますが、これもちよつと申し上げなければ、さようにおつしやることもごもつともに存じます。これは今度出発いたしますことにつきましての準備といたしまして、どうしても懸案事項等について最終的の結論を得ておかなければならぬというような事情のことでございますので、政府部内の者ではございますが、問題は時間的に非常に急を要するという次第でございます点を御了承いただきたいと存じます。
  44. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この建設大臣とか木村長官と会うということをいつきめたのですか。あなたの方では緒方副総理もおられるのだし、大磯に首相はずいぶん長い間滞在されることが多いのだから、この重大なる国会へ出るべき国務がある日に内部の大臣と会うことをきめて、今あなたは堂々とここでお答えになつている。これは国会証人喚問をまつたく軽視して、出ない腹だろうと推測されても弁解の余地がないのじやなかろうか。だからこういうものは国会証人として出るべき重要国務のために当然取消して、自分で行けなければ緒方副総理がおやりになつてもいいのだし、また当日がいけなければその翌日でもいいわけです。だから大臣と会うことによつて、当委員会に出ることのさしつかえの理由になるということであるならば、根本的にその考え方は違つておると思うのです。その辺の組みかえをこそ、これは常識から考えても当然しなければならぬだろうと思うのです。
  45. 福永健司

    福永説明員 これは出かけますことに関連いたしまして、急遽必要とするような打合せ事項でございます。そういう次第でございますから、総理大臣でなくて副総理がかわつてというわけにも行かない次第であります。本日の閣議におきましてもそうしたことを非常に急いで、二十六日の出発までに問に合せなければいけないので、全閣僚非常に努力をして協力いたさなければならぬことを申し合せたような次第でございます。
  46. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 十九日は日曜日であります。十九日に通産大臣とかあるいは農林大臣と会うということをきめたということであるが、これはいつきめたのですか。
  47. 福永健司

    福永説明員 これは本日の閣議の際にも日曜といえども……。
  48. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 いつきめたかを言つてもらえばいいのです。
  49. 福永健司

    福永説明員 大体本日の閣議で各閣僚に御了承願つておりますが、何日の何時にだれということが一々連絡にはなつていない人もあるかもしれませんが、大体しかし日曜でも各閣僚はそのつもりでおるわけでございます。
  50. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 二十日の日にインド大使と会うということ、それから英、独、カナダ大使と会うということ、これはいつおきめになつたのですか。また運輸大臣、あるいは報道機関を通して会うということ、これもいつおきめになつたのですか。
  51. 福永健司

    福永説明員 英、独、カナダ大使とお目にかかることは、これは数日前からきまつております。私自身でこの外国関係の交渉等をいたしておりませんので、正確には承知いたしておりません。これは前からきまつておるわけでございます。インド大使の点につきましてはこれまた外務省で折衝をいたしておりますので、どういうことになつておりますか、何日の何時に先方と約束ができたか、その点は私十分承知しないわけでございます。大臣等につきましては、先ほど申し上げましたような趣旨によつてできるだけすみやかに出発前に、今度の海外出張と関連してのことで結論を得たいとの所存から、それぞれ各大臣にもその心組みで協力を求められておるわけでございます。放送等につきましてはこれは大体前々から折衝はいたしておりますが、この日ということにつきましては大体本日あたりにそういうことに決定いたした次第でございます。
  52. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 二十六日の海外出発はきまつた。そこで当委員会におきましては、当初十五日をきめ、さらに十八日がきまつた。こういうような事情の経過にかんがみまして、二十五日までにたとい一日でも当委員会出席の日をあけねばならぬということは、あなたの方の内部では議に上らなかつたかどうか。
  53. 福永健司

    福永説明員 あとうべくんばそうしたいという気持は私も持つておる次第でございますが、先刻来申し上げておりますような事情によりまして、なかなかそうした事態が容易でないという次第で苦慮いたしておるわけであります。
  54. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 国会から証人として呼び出しを受けておるという事実を外国の使臣等とお会いになる約束をする際に、こういう重要な国務が出来しておるという事実を相手にお告げになつて日時等の折衝をすることはしなかつたのですか。もちろんあなたが直接やつたのでないというお話もあつたのだが、しかし最終的に内閣のいろいろな庶務を統轄するあなたとしては、重大なる国務がそこにあるのだから、それは外務省で交渉するにいたしましても当然これを持ち出して、国会証人日時等も述べておかねばならぬと思うのですが、その点はいかがだつたのでしようか。
  55. 福永健司

    福永説明員 現実に外国の方にどういう言葉を用いましたか、私は必ずしも承知はいたしていないわけでございます。喚問のこと等を外国へ由してはいないだろうと思いますが、その辺は私直接交渉いたしませんので、経過はわかりかねます。
  56. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 よろしゆうございます。
  57. 田中彰治

    田中委員長 藤田君。
  58. 藤田義光

    ○藤田委員 先ほど来質問がありましたが、総理外遊の随員の氏名をひとつお示し願いたい。
  59. 福永健司

    福永説明員 私今書類を持つておりませんので、私の記憶いたしておりますところで申し上げますと、内閣官房副長官田中不破三、外務省の松井明、これは官房長でございます。それから総理大臣秘書官杉浦徳、それから外務省の、これは語学の達者な小幡薫良、それともう一人いたかと思います。名前は正確に記憶しておりません。それから身のまわりのことを世話する安斎正助、それから看護婦がたしか一名、名前は記憶いたしておりません。随員として政府が出張を命令し、ないし依頼いたします者はそのくらいであつたか、あるいはあと失念いたしております者があるかもしれません。現在までに命令ないし依頼の手続をとりました者はそういうような程度だつたと記憶いたしております。
  60. 藤田義光

    ○藤田委員 そうしますると、あなたの非常に愛着を持つておられる自由党代表は一人も随行されない。特に不可解に感じますのは、国会代表はだれもお供しない。ブラジルの建国四百年祭にすら国会代表外務大臣とともに現地に行きます。伝うるところによれば相当重大な要件を持つておられるというようなことを言われておりますが、それに国会代表が随行しない。チヤーチルあるいはアイゼンハウア一等が常に旅行しておりますがどうも身のまわりに何の看護をするのか知りませんが、看護婦とそれから安斎それがしというその二人が苦しい予算の中から随行する。ところが一方、党の代表国会代表もだれもついて行かない。非常に不自然な印象を与えますが、その辺の選考のいきさつを何か御存じでありましたら教えていただきたいと思います。
  61. 福永健司

    福永説明員 かくのごとき種類の海外出張につきまして国会から御一緒に願うことにつきましては、それぞれ考え方があろうかと思います。藤田さんのお考えもまことにいいお考えであろうと私も思うわけでございますが、政府といたしましては、国会に対しましてはどうしていただきたいいとうことは私が申すまでもなく現在の国会との関係上、その点につきましては、ただ政府がどう考えますからということのみではなかなか律し得ないと存ずるのであります。ただいまのところでは、政府がみずからお願いをするということによつて国会側から行かれるという人はないわけでございます。個人的に同行されるというような人はあり得ると思いますが、政府がお願いし、従つて政府が旅費等を負担するということにおきましてお願いするというものはないわけでございます。
  62. 藤田義光

    ○藤田委員 そうしますと政府の負担にあらざる同行者が予定されておりますか。麻生太賀吉代議士夫妻が同行するという報道も拝見したことがございますが、何かお聞きになつておりますか。
  63. 福永健司

    福永説明員 これはまだ正式には伺つておりませんが、今御指摘の名前のような人が同行されることになるのではないかと存じます。しかしこれは先ほど申し上げましたような、その人たちの発意によるところの個人の資格においてということであろうと存じます。
  64. 藤田義光

    ○藤田委員 田中委員長福永長官もわれわれも昭和二十四年一月初めて国会に出て来て、いわば同期生でありますから、ひとつ率直な御答弁をお願いしたい。吉田総理国会へ出て来られないということに関しましては、正当の理由があるかどうかということが当委員会の目下最大の問題であります。これは見解の相違も出ましようが、先ほど来あげられたことはいわゆる一般国務でありまして、特に外遊されるにあたつて格別の相手というのはあげられておりません。あえて言えばビルマの賠償代表くらいじやないかと思うのであります。そのほかの人は常日ごろよく会われておる方々である。そうしますと一般公務のために国会に出て来ない。特に証人喚問を拒否するという事態は非常に重大であります。釈迦に説法でありますが、内閣法の第五条には、総理大臣は一般国務及び外交に関しまして国会にみずから出て来て報告するという規定がある。これは一般の場合でも総理は進んで国会へ出て来て積極的に報告せよという規定であります。ましてや全国民が非常な疑惑を抱いておる本問題に関しましての証人喚問である。これは私はフランクな気持総理はどうしても出て来るべきであるというふうに考えますが、もし出て来ない場合の国会証言法の罰則を長官御存じでございますか。
  65. 福永健司

    福永説明員 条文の文句は一々は記憶いたしておりませんが、その趣旨といたしますところは承知いたしております。  なお、先ほどからの御発言についてでございますが、御指摘の点も重々考えなければなりませんと同時に、先ほどからるる申し上げます通り総理大臣といたしまして海外出張の目前を達成するための方途もできるだけ万全を期してもらいたいと考えておる次第でございます。日ごろ会つておりまする大公使でございますが、先ほども申し上げましたように、実は閣議決定をいたしまして正式にきまりました上で折衝を必要とすること等がございまして、日ごろ会つておるのでございますが、この際会わなければならぬという次第でございます。その点御了承いただきたいと存じます。
  66. 藤田義光

    ○藤田委員 あなたの仕えておられる吉田総理は、浪人時代現在の奥さんを自転車のうしろに乗せまして大船に買出しに行つてつた。そういううるわしい姿を大磯町民は過去においてしばしば見ておつた。そういうように本質的には民主的な吉田茂である。どうも最近の吉田総理の行動は、浪人中のそういう人間性をよく現わしたうるわしい姿がみじんもない。これは私はこの間二十年間も政権を維持しておつて遂に自殺いたしました南米ブラジルの大統領のヴアルガス氏の末路をどうも日本においても再現しわしないかというような非常に不吉な感じがする。去る八日のNHKの放送におきまして阿部真之助、御手洗辰雄という評論家が、もしこのまま外遊すれば普通では済まない、非常に危険な手段が予想されるということすら、当代一流の政治評論家が、政府から金を出してやらせておるNHKから堂々と放送しておる。まことに不穏な形勢であります。あなたは総理府設置法十九条で総理大臣を助けておられる当面の責任者であられる。今からでも私はおそくないと思うが、何らかの方法によりまして、時間の制約を受けず、ちよつとの間でも出て来て誠意を示す、これが官房長官の当面の一番大きな国務ではないかと考えますが、その心境をひとつ伺いたい。
  67. 福永健司

    福永説明員 最後の藤田さんの御注意の点はつつしんで拝聴いたす次第でございますが、先刻から申し上げます通り、客観的に見まして時間の制約等容易ならざる事情にありますことは御了承いただきたいと存じます。  なお、もう一度繰返して申し上げておきますが、私は証人に呼ばれております当人でございませんので、出ませんと申し上げているわけでない点だけは承知していただきたいと存じます。おそらく困難でありましようという事態を申し上げている次第でございます。御注意の点はありがたく拝聴いたします。
  68. 藤田義光

    ○藤田委員 国会証言法第七条には、もしその正当の理由がなくして総理が出て来ないという場合におきましては、どうしても国会は義務として告発しなくてはならない。これは随意規定ではございません。強行規定があるのであります。私は自由党総裁吉田茂はとにかくとしまして、総理大臣という抽象的な存在を考えますと、これの生命は不滅であります。議会政治が続く間は総理大臣というポストは続いて参ります。そういう人に対しましてここに国会が義務づけられておる正当の理由のないという認定のもとに告発という事態が起きれば、総理外遊に一大汚点を印する。外遊途上において各国の元首等において相当の侮辱を受ける。従いましてそういう危険を冒してまで国会出頭を拒否されるということは、これは輔翼の責任を持たれる。福永さんとしましてもよほど考えていただきたい。告発ということもやむを得ないわれわれはどうも良心あらば寸暇をさいて国会にはせ参ぜんとする余裕があると思う。先ほどの日程でも、片島君が申し上げた通り、その時間的余裕ありと認定しております。正当の理由がなくして出頭しないという認定があれば、告発ということもあえてしなければならない。もしそういうようにでもなれば一応考えましよう。もう一回官房長官として法律の許せる最大限度の権限を発動して、総理を何とか連れて来ましようという誠意ある御答弁ができませんかどうですか、お伺いいたします。
  69. 福永健司

    福永説明員 もとより法律を尊重すべきこと、ことに総理大臣においては特にそうあらねばならぬと存ずるわけでございますが、ただいま申し上げましたように非常に時間的にも制約されておる総理大臣の職責を全うするために非常に、今申し上げましたような事態で苦慮いたしておるような次第でございます。ではございますが、ただいまの御注意は私どももとより重々承り、さらに努力すべきものはいたしたいと思いますが、先ほど申し上げましたようなわけで、なかなか至難であろうと考えるのでございます。
  70. 藤田義光

    ○藤田委員 かりに現在告発を国会がしておりますと、それの決定はおそらく多少の時間的余裕が必要でありましよう。もし総理が政権の座から離れておれば起訴されるということも考えられる。そういうことになりました場合におきましては、日本の議会史に汚点を印することになります。私はそういう観点からしまして、多少官房長官の表現が丁重にはなりましたが、結局は出る見通しがないという判定をくださざるを得ない。これ以上質問を繰返しましてもかんじんな総理が出て来そうでないという官房長官の発言ではいたしかたありません。  それで最後にお伺いしておきたいのでありますが、総理出発前大磯に何回くらいお帰りになるような日程を組んでおられますか。特に出発の前日二十五日あたりは大磯の予定がありますかどうですか、今後のわれわれの対策上いろいろ研究すべき問題でありますのでお伺いしたいと思います。
  71. 福永健司

    福永説明員 私はもつぱら総理大臣の政治と関連いたしまして予定等を考慮いたしておりますので、吉田茂の私的生活に関連いたします点では、ちよつとどういうことになりますか、話を明確には申し上げられないと思うのであります。しかし主として向うに在住しております関係等から、出発前にやはりいろいろ身のまわりの準備等もございまして、もちろん帰ることはあろうと思いますが、ただいまのところは何回帰るか、いつ帰るかということはちよつと私では承知いたしておらないわけであります。
  72. 藤田義光

    ○藤田委員 そうしますと、あなたが先ほど同僚河野委員にお示しになつ日程というものは、非常にぼんやりした大体の輪郭をつくつておられる。相当時間的にはラフなものであるというふうに解釈してよろしうございますか。
  73. 福永健司

    福永説明員 ラフという次第ではございませんが、相当公の仕事がぎつしり詰まつておるわけでございます。私的の時間もあまりなさそうで、出発直前の個人吉田茂に対しましては、まことに気の毒だと存じております。
  74. 田中彰治

    田中委員長 山田長司君。
  75. 山田長司

    ○山田(長)委員 二、三点でありますから、ここから伺います。今日党の首脳者を目黒の公邸に呼んでおるようですが、野党の各派の人たちは大体これを御辞退するということに国会対策委員会で話がきまつておるそうであります。そこで今日せつかく委員会を開いたついでですから、自由党の幹部が集まるくらいの席なら了解がつくと思うが、今晩五時からの委員会にあなたが連れて来て、吉田総理にわれわれの質問を答えてもらうような努力をするかどうか、このくらいのことはできないことはないと思うが、一応伺います。
  76. 福永健司

    福永説明員 本日国会関係方々に今次海外出張につきましてごあいさつ申し上げたく、ささやかな会を催すべく、お招き申し上げておる次第であります。これにつきましてはどなたがお見えになつて、どなたがお見えにならないかということは、御返事をいただいておりませんので、十分私どもはわからないわけでございます。決して自由党だけの集まりではないと存じております。すでに御通知等も差上げ、なお国会へのごあいさつという趣旨で御案内申し上げておる次第でありますから、これは変更いたしましてどうこうということは非常に礼を失することでもあり、私どもといたしましてはさようなことはできがたいことでありますので、この点御了承いただきたいと思います。
  77. 山田長司

    ○山田(長)委員 大体計画自体がずいぶん国会議員全体をばかにしておる計画だと思う。なぜそういう時間がとり得るなら、昼前でもいいし、あるいは午後でもいいが在京しておる国会議員くらいと話をする時間がとれないのであるか。そういう点で私はあなたにさらに尋ねたいのは、今の日程を見ると毎日朝は大体九時半か十時の計画だ、しかも夕方五時か六、時に終つていると思う、しからば五時か六時に終つたあと、われわれは何時間でも待つが、この場合待つた場合には、あなたは努力して連れて来る意思があるかどうか。
  78. 福永健司

    福永説明員 予定は、先刻も申し上げましたように、ぎつしりのような感じもいたしますが、それでも骨格的なものでございます。さらに余裕がある場合においては、なお若干この海外出張と関連いたしまて望んでおることもあるわけでございます。ただいまお話のような、おそくでも連れて来いというお話でございますが、どうぞそういうことにつきましては常識的な御判断をいただきまして、今次出張にあたりましてやはりある程度の健康を保持して行かなければ目的も達せられないわけでございます。向うへ行つて寝込むというようなことでもいけません。総理大臣たる立場において参りますものにつきましてさような点についての御理解をぜひお願いいたしたいと存じます。
  79. 山田長司

    ○山田(長)委員 私はきようの日程をあなたから聞いて——私は最初からもうあなたを呼んでも大体だめだということはわかつたのだけれども、やはり一応どういうでたらめなことを言い出すか参考に聞いておこうということで、私はそういう意図であなたに出て来てもらうことについて了解したくらいなんです。それがやはりあなたに報告を聞けば聞くほどでたらめなのにあきれてものが言えないのです。そこであしたの日程一つとして私は伺いたいのは、大体外国人は土曜日だとか日曜などには会わないことが一般の社会通念になつているそうだ。ところがイギリス要人と会うということをあなたは発表している。総理の威力をもつてすれば会えないことはないかとも思うけれども、一体あしたのその要人というのはだれですか、一応これも伺いたい。
  80. 福永健司

    福永説明員 原則といたしまして土曜、日曜等は避けるのが普通だと思います。でございますが、先ほども申し上げますように、よくよく時間がございませんので、御無理を願つて土曜、日曜にも来ていただくことになつておるわけでございます。そういうような次第でございますから、どうぞよろしく御了承願いたいと存じます。
  81. 山田長司

    ○山田(長)委員 今の名前をちよつと聞きたい。
  82. 福永健司

    福永説明員 明日の夕刻来られる人は、私名前を正確に記憶いたしていないのでございますが、わざわざ遠くから——もちろん外国からでございますが、英国人で急拠来られて、そうしてその時間、明日の夕刻に間に合つて会うということになつておるような次第でございます。これは大分前から外務省及び秘書官の方で交渉をいたしておる人であるということを伺つております。
  83. 山田長司

    ○山田(長)委員 大分前から話になつているということならば、大分前から話があるくらいな人をなぜわからずにるいのだ。
  84. 福永健司

    福永説明員 それは電話をかければすぐわかることでございますから、時間をいただけるならばすぐ問い合せて申し上げます。
  85. 山田長司

    ○山田(長)委員 総理が今回アメリカに行く問題についての輿論が、行つたらもう帰つて来ないのじやないか、こういうくらい悪口を言つている人が実はおるのです。あるいは吉田は亡命するのじやないか、というくらい国民の輿論のいろいろの反撃があるときであります。それだけに私たちはどうしても、吉田総理が今度行く問題についてはやはり明らかにしてやりたいというのが、いろいろ誤解はあるかもしれぬけれども、われわれの聞こうとするゆえんです。  さらに今度だれか政党の人を連れて行く問題についても、ガリオア、イロアの問題について一応借金として承認をするための判こを押して来るのだ、こういうことを言つている人があるくらいです。こういうことについて官房長官としてそのそばにいて、一体ガリオア、イロアは道徳的債権が法律的債権か、この問題について法律的な債権として承認をするために判こを押して来るので、まわりの人を連れて行くとじやまになるというのですが、これは容易ならぬ問題だと思うが、どう考えておるか。これは横道にそれた感じがあるかと思うが、容易ならぬ問題だから官房長官に伺つておきたいと思います。
  86. 福永健司

    福永説明員 まず、一国の総理大臣に対して亡命云々というようなお言葉でございますが、これにつきましては、私はお答えするのもむしろ妙なことだと思います。さようなお言葉国会議員としてどういうお気持でおつしやるのか、ひとつ私どもといたしまして承つてはおきまするが、それに対してお答えするのもどうかと存じますので、この程度にいたします。  なおガリオアのことにつきましては、今御指摘のようなことは私どもは聞いておりません。
  87. 藤田義光

    ○藤田委員 ただいま対米債務の問題が出ましたが、今回吉田総理外遊に際しまして、専売公社と電電公社と国鉄を担保に置きまして、世界銀行の融資を求める準備をしておる事実はありませんでしようか、どうでしようか。
  88. 福永健司

    福永説明員 私はさようなことは伺つておりません。
  89. 藤田義光

    ○藤田委員 アメリカの出資を求めるにあたりまして、国鉄、専売公社、電電公社に担保権を設定する、そうして五一%の株を世界銀行に持たせる、そのためにこの三公社の経理関係者が現在渡米中であるというような事実は聞いておられませんでしようか。かつて日本軍閥が中国でやつたと同じような手をアメリカが打つておるのではないかというような風評がありますので、この際伺つておきます。
  90. 福永健司

    福永説明員 私は直接そうしたことを主管いたしておりませんこともございますが、さようなことは一切聞いておりません。
  91. 山田長司

    ○山田(長)委員 最後にあなたにお願いしますが、何時まで待つてもあなたは総理を当決算委員会にお出しになつてくれるという誠意、あなた自身も努力してくれるという誠意はございませんか。最後にあなたにこの誠意を伺います。
  92. 福永健司

    福永説明員 努力するにはもとよりやぶさかではないのでありますが、何とぞ常識的御判断によつて御理解をいただきたいと思います。
  93. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 ちよつと田中委員長にお尋ねし、御相談しようと思う。委員長もお聞きのように、政府側の福永官房長官公務々々と盛んに言つておられるが、公務とは口実を設けるのに非常に苦心をされたようにしかとれない。日程等の問題についてもきわめて抽象的である。そして田中委員長は、このような質疑応答の間においても、私はおそらく議事整理上はなはだ認めがたいことをお考えになつておると思うのである。先ほど福永官房長官日程等の問題を抽象的に出しておられる、これではわれわれは理解も納得もできない、委員長もそうだと思う。よつて委員長福永官房長官とそこでひとつ話合いをやられて、この日程を時間的に、具体的に書面によつて御提出を願いたい。これによらなければ、われわれ信ずることはできないから、ひとつそういう点を委員長の方で話合いをしていただき、それを伺つた上で、私さらに二、三点質問しようと思います。
  94. 田中彰治

    田中委員長 伊藤委員に申し上げます。福永官房長官の答弁及び日程等については、委員長は半分ぐらいは事実と考え、半分ぐらいはでたらめと考えておりますから、お申込みまでもなく私の方から書類によつて提出させるように命令いたします。
  95. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 その書面をできるだけ早く提出させたいと思うのであるが、委員長はいつまでにその書面をわれわれの手元に提出させられるか伺いたい。
  96. 田中彰治

    田中委員長 福永さん、どうです。明日午前中くらいに書類で提出してくださいませんか。これくらいの義務はあると思います。
  97. 福永健司

    福永説明員 もとより提出してけつこうではございますが、最も詳細なるものが速記録にあると思うのでございます。速記録によつて承知いただければ幸いに存じます。
  98. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 速記録というのは先ほどから福永官房長官が答弁せられておる点を言われておるのだろうと思いますが、その点については委員長も半分ぐらいは認められるが、半分ぐらいはでたらめだと言われるくらいだから、なおさらわれわれもしかりであると思つておる。そういうものを速記録によつて信ずることができるくらいなら、わざわざ私は書面の提出を求めておらぬ。よつてできるだけ早い時間に提出させることを委員長はお打合せになつて、明らかにしておていいただきたいと思います。
  99. 田中彰治

    田中委員長 承知いたしました。福永さん、明日昼ごろまでに出してください。あなたもそのくらいのことは国民に対して義務がありますよ。
  100. 福永健司

    福永説明員 今まで申し上げました時間等のほかに、言葉で抽象的に申し上げましたことを加えて御了承願わないと、日程全部につきましての御了承も願いにくいかと思うわけでございます。さような意味で文書を出せとおつしやいますから、もとより文書を出してけつこうであります。ただこの文書をお読みになつていただく場合におきましては、今まで皆様の御質問に対して私のお答えいたしましたことをあわせて御考慮願いたいと思います。
  101. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 福永官房長官にお尋ねしたいのですが、総理大臣外遊プランのつくり方の考え方について二、三点伺いたい。  先ほどから官房長官外遊は非常に国家的に重大な使命を持つて外遊されるのだ、こういうようにとれるような答弁をされておるし、また私どももそう信じておる。そこでこのたび総理大臣外遊されることと、本委員会出席されることとは、非常に重大な関係があると私は思つておる。というのは総理大臣がこの委員会喚問に応じて出席されることによつて、われわれ委員側が疑問とする点を理解、了解するところに、外遊の道におのずから協力的な問題も出て来ると思う。しかし今のまま外遊されるということになれば、その協力的状態というものはなかなかできがたいと思うのであるが、そういう点等も考えながら、先ほどから抽象的に答弁されておるプランをおつくりになつたのかどうか、この点についてひとつお伺いしたい。
  102. 福永健司

    福永説明員 ただいまの御質問の御趣旨が、相当抽象的なお言葉でございますので、あるいは私若干取違えておるかとも思いますが、プランをつくるにあたりましては、私どもといたしましては、もとより総理大臣海外出張が非常に重大なものであり、意義あるものであるという確信のもとにつくつておる次第でございます。
  103. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 それではこの委員会出席をされないで、今きわめて疑惑の濃い、並びに非常に遺憾な問題を国会内にもはらませながら、そのまま外遊されることによつて、その重大な目的を十分達成されるというお考えがあるのかどうか、この点について伺いたい。
  104. 福永健司

    福永説明員 ただいまの点は私どもといたしましては、十分意義ある旅行たらしめるようにプランを立て、かつ今後の実際の海外出張の際においても、その実をあげるようにやりたいと存じておるわけであります。
  105. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 あなたの御答弁はまつたく抽象的で誠意も何ものもありません。先ほどから意義ある外遊、意義ある外遊ということをおつしやつておられるようでありますが、意義ある外遊とは何ぞやということも聞かなければならぬ。御承知のように世界各国の総理大臣というか、その国を代表する人が外国に出かける場合には、国会は与党、野党を問わず、あげてこれに行つていらつしやいという協力を示しておる。さらに国民もその目的達成を祈願する意味において、これに熱烈な声援をしてやつておる。ところがこのたび吉田総理大臣外遊されるにあたつては、国民どころでない、国会内においてすらその態勢ができておらぬのであるが、それでははたして意義ある外遊とはあなたはどういう点をもつておつしやるのか、この点をひとつ明らかにしていただきたい。
  106. 福永健司

    福永説明員 伊藤さんのお話のごとく、国会国民もあげて海外出張が有意義であるとし、また有意義ならしるために協力的な態度でお見送りいただくということは、私どもといたしましてもまことに望ましいわけでございます。しかし国民の中に非常な期待をもつてつていただく人と、あるいはそうでない人とあるかもしれないというような状況でありますことは、私どもも遺憾に存ずるわけでございますが、この出張を、今のような次第でありますので、あとから見て有意義だつたと言つていただけるようにやつて参らなければならぬ、こういうように存じておるわけであります。
  107. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 それはまつたくあなたが希望されるだけでございまして、国会内においても、すでに御存じのように、きよう吉田総理国会議員というか、あるいは各党代表というか、そういうことで招かれておるということも陰ながら聞くのであるが、それにすら、先ほどから意見が出ておるように出席できがたいという声があるのであります。およそあなたも政治家として、また官房長官としておわかりであろうと思うが、今の国会内の空気というものは、衆議院議員の半分近くは、今のような形のまま総理大臣外遊するならば、協力はできぬ、見送ることはできない、こういうことを言つておるのであります。いわんや外遊の目的についても国会に発表されない、公に今まで何ら発表されておらぬのであります。同時に、今問題になつているこれにも出席ができぬというのであります。それで一体意義ある外遊として国会国民の協力を求めようということは——あなたにほんとうに政治家的な良心と誠意があるなら、私はそういうことはおつしやられないと思うが、そういう点についてもつとざつくばらんに、遺憾の点があるなら遺憾の点を表明されて、そうして正直な政治家としてこの問題を解決して行くことがやはり私は大事じやないかと思う。そういう点についてもう少しあなたの政治家としての誠意を——ひとつどういうことをお考えになつておるか、ただ与党、政府と野党は何でもくそ隠しに対立して行けばいいのだ、それで野党がぐずぐず言うならやつてみろというような、今まさにけんか腰で仕事をやられようとしておられるようであるが、その考え方は二十六日総理大臣が立たれるまで貫いてやろうというお考えであるか、そのいきさつについてひとつすなおにお伺いしたい。
  108. 福永健司

    福永説明員 国をあげて御協力をいただけるような状態はまことに望ましいわけでございます。でございますが、必ずしもそうでないようにも見えるふしが一部なきにしもあらずという事態は私どもも遺憾に存じておるわけでございます。でございますが、この上ともできるだけ多くの方々に御協力をいただくような事態を私どもひたすら望んでおるわけでございます。前々から外遊のことにつきましていろいろ発表し申し上げるということは、正式に決定していないころでは、さようなこともいたすわけにも行かなかつたような次第でございまして、さようなこと等からも若干の誤解等の生じていることは、これも遺憾に存ずるわけでございます。今日決定をいたしております上からは、この海外出張をして意義あらしめるように、何とぞ御協力をいただきたいと切に存ずる次第でございます。
  109. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 あなたと押問答していたところでこれは解決する問題じやないことを私どもはさつきから感じておるのです。けれどもわれわれ野党側が、この委員会総理大臣出席されることを強く要求しておることは、何もつるし上げをするためにのみ言つておるのでないことを政府側も、あなたもよく御存じであろうと思う。ただ疑惑を残したまま外国に行かれれば、これについてまたとかくの質問もされ、苦しい立場に立つこともあるであろう、またわれわれも、本委員会総理大臣喚問に応じて出席されて、その真相が明らかなれば、われわれが了解することができるなら、これは、行つていらつしやいといつてわれわれも送り、また国民にそういう空気もできるであろう、そういう問題を解決するために、われわれはこの出席を求めているのである。それをことさらに拒う拒うとしておられるのであるが、私はその内容については、きようはあなたに質問をいたしません。これはいずれ後日においてわれわれも掘り下げて質問をし、また政府がそういう態度であるならわれわれもこれと闘わざるを得ないということもおのずから起つて来ると思うのであるが、私はさらに伺いたい。あなたは国会の意思を尊重する、国会の決議には十分敬意を払つてせなければならぬということをさつきからおつしやつておるのであるが、あなたの国会尊重、決議に従うということはどういうことをお考えになつているのか、それをひとつ伺いたいのでございます。
  110. 福永健司

    福永説明員 私どもはことさら拒もうと考えている次第では決してないわけでございます。ただ、先ほどから繰返して申し上げておりまするような事情でございますので、御趣旨は尊重いたしますが、一方におきまして、すでに決定の次第によりまして海外出張等によりまする成果もぜひあげたいということ等との調整において、必ずしも伊藤さんの御期待のようにも行きかねておる状況でございまして、この点は遺憾に存じます。ただいま申し上げましたことによつて御了承をいただきたいと存じます。
  111. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 あなたと質疑応答論争をやつてつてもこれはのれんに腕押しみたいなものでございまして、私の方でまごころをこめて質問をしてもあなたの方ではこれに応じようという熱意も誠意もないのである。ただ何とか時間的にずらかして行つてのらりくらりとやつておれば、まあ政府というか自分の方が目的を達するのだ、こういう不誠意な考え方であるから、ここで論議をしてみたつていたずらに時間つぶしになるだけであります。国会の決議を尊重する、それに従うという意味はそれを具体的に実行することであることはあなたも政治家であるから私は御存じであると思う。それを政府が全然やろうとしておらぬことはあなたも御存じの通りであります。こういう形で、吉田内閣が、また福永官房長官が、国会に対して儀礼的なゼスチユアとしては尊重し、従いますと言うか、腹のうちでは国会を軽視していることおびただしい、無視していることおびただしいことは私がここであえて言うまでもないのであるが、なお具体的な点についてはあなたから総理大臣外遊に関する今後の諸般決定についてはお出しになりました、それを見た上でさらにこの問題は追究をしなければならぬと思うのでありまして、根本的な問題等についてはあなたと議論しても議論になりませんからこの点に対する質疑はもう終りますが、ただ最後委員長に御相談をしておきたいのは、先ほどから要求いたしました日程の時間的なプランをおつくりいただくときに、何時から何時まで、どの用務があるということをきちつとしてひとつ提出されることを強く要望いたして、資疑はこの程度にとどめておきます。
  112. 田中彰治

    田中委員長 ひとつ官房長官、よろしくみんなが納得の行くような書類にして出してもらうようにお願いしておきます。それから官房長官どうですか、これはほんとうに公正な考えからあなたに申し上げるのだが、あなたは私の言うことを総理に、こういうことを言つてつたと言つていただけますかどうですか。
  113. 福永健司

    福永説明員 言うことを伺つて……。
  114. 田中彰治

    田中委員長 私が今委員長として公正な考えからあなたに申し上げることがあるのですが、それを総理にあなたから、こういうことを委員長が言つてつたということを言つていただけますかといつて聞いておるのです。
  115. 福永健司

    福永説明員 委員長が公正な考え方からということでおつしやいますことは、伝えることにやぶさかではございません。たださようにおつしやいますので申し上げますが、先ほども私が申し上げたことを半分くらいはうそつぱちというようなことをおつしやいましたが、私も誠意をもつてお答え申し上げております点は、どうぞ委員長においても御了承いただきたいのであります。
  116. 田中彰治

    田中委員長 総理大臣もいろいろここに出席されることを心配されておりますが、私も自由党におつたことはありますから、総理大臣はやはり私のように口の悪い、なかなか横着な人だから、私は失言があつたとか、あるいは口が悪かつたとか、そんなことにおいてそれにけちをつけるような小さい考えは持つておりません。われわれが総理大臣にここに出てもらうのは、国民が泣いて納めた血税が、三十六億からのものが、政界と財界と官界に流れておるという、ちやんと証拠を握つておる。それについて総理に一部聞きたいことがあるから出ていただくのでありますから、決してそういう総理の失言とか、口の悪いことにわれわれがけちをつけるような考えを持つておらないことが一つ。それだからぜひとも出ていただきたい。もう一つは、なあに、告発するならしてみろ、どんなことを法律でやつても、おれは一国の総理だから、行つてしまえば事済むというような簡単なお考えでもしこれを実行されるとすると、出て行かれるまでに、あなた方が想像しておられぬような支障が出て来て、こういうことならばあのときにやつておけばよかつたのだというようなことがあつたときに、あなたもやはり官房長官として責任をとられなければならぬのだから、どうかひとつよく総理にそういうことをおつしやつてください。
  117. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 私は稲永さんに総理にお伝えが願いたい。やはり委員長と同じなんであります。本日あなたにここにおいでを願つて委員がいろいろとお尋ねしたのでありますが、私はこの吉田茂という人があなたの意思ぐらいで左右でぎる人であつたなれば、これはきわめて簡単であろうと思つております。その点は重々承知いたしております。ただいかに吉田さんが国会を軽視しておるか、ことに昨年来日本におきまして非常にいろいろな事件が起りました。この決算委員会におきましては、国鉄の経理事件におきまして鉄道会館事件、あるいは食糧問題につきましては黄変米事件、あるいは麻袋事件、このたびの造船汚職事件、こういうように実に日本の財政経理の紊乱をこの決算委員会が取上げて昨年来調査して参つたのでありまするが、吉田総理が昨年第十六国会以来今日まで一回といえどもこの決算委員会に出て参らないのであります。これは私は決してうそ偽りを申し上げるのではございません。速記録をごらんくださるとよくわかるのであります。予算委員会におきまして、総理やその他の各大臣が出られてそれぞれ御答弁をなさつて、その欲するところの予算の編成については全力をあげられる、これはごもつともな話であります。当然そうなくてはなりませんが、私はより以上に、かくのごとくして全力をあげて編成したところの予算の執行について、みずから執行したこれについては十二分にみずからが責任を負うて、これを国会に承認を求めておるのでありますから、この承認を求めることにつきまして、決算委員会には予算委員会以上の責任をもつて総理大臣出席なさるべきが当然なことであるのでありますが、昨年の第十六国会以来幾たびか吉田総理出席を求めたのでありますが、一度も出ておりません。たつた一度決算委員会の部屋にひよいと来たけれども、一言半句も言わずに帰つてしまつたのであります。それで委員長も満足しておつたのであります。(笑声)さながらわれわれ代議士を見ること、われわれのところに来るのは、掃きだめにつるでもおりたような気持でおいでになつたかしれませんが、これは非常な国会の軽視であるとともに、日本の財政経理がかくのごとく紊乱をしているということは、由来決算委員会に対しまして、歴代の総理と言つてはたいへん語弊になつてしまいますが、吉田さんが六年、七年にわたり総理のいすにすわつてつて——私は昨年来からの体験にすぎませんが、おそらく過去においてもそうであつたのではあるまいかと思う。今日のこの財政経理の紊乱を来したゆえんのものは、これは政府がこの決算委員会を軽視しておつたがゆえであろうと私は思うのであります。官界あるいは役人の不正をためて行くこと、出家の財政を経理を厳粛にやつて、予算の編成をするときに、総理大臣以下これを一生懸命説明をしてその予算をとるというそのことを考えて、その通りに確実に行わせるというためには、ほんとうにこの決算委員会に出て、予算の執行の状態をつぶさにわれわれの質問に応じて答え、みずから進んで見るべきであつて、初めてそこに財政経理の紊乱を是正することができるであろうと思うのでありますが、遺憾ながら第十六国会以来一度も出ておりません。これは決して私はうそ偽りを言うのではございません。それが、今日のこの汚職事件を起したゆえんでありますから、これだけを申し上げて、しかも今日証人に呼ばれても、先ほどからのお話を伺つていると、遂にもう出られないのではあるまいかと思うのでありまして、あの吉田総理はなかなか言うことを聞く人でないから、われわれもそれくらいのことは十二分に承知しておりますが、たた私が申し上げましたごとく、あなたがいかに国会を軽視なさつているか、今日のこの財政経理の紊乱というものは、あなたが昨年以来今日まで一度もこの決算委員会に出ないということも、その大いなる原因ではありますまいかということも、進言をしていただきたいと思う次第であります。決してよけいなことは申し上げません。私はこれで終ります。
  118. 田中彰治

    田中委員長 本日はこの程度として、次会は明九月十八日午前十時から開会いたします。  これで散会いたします。     午後四時八分散会