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柴田委員 黄変米問題についてお伺いいたしたいと思います。大分この問題はいろいろな角度から各
大臣の御所見を承つたのでありますが、本日も同僚各
委員からの
質問に対しまして、たとえば
外務大臣は外交上の問題の一小
部分だけは
外務大臣の
責任において処理をされておられる。
農林大臣は
日本の
食糧問題の立場からこの問題をお考えにな
つておられる。
厚生大臣は食品衛生の立場から
責任をも
つてこの問題をお考えに
なつおる。そもそも
日本の
食糧問題を考えますと、足りないこその後に至
つて白色の米の中からも黄変粒が発見された。しかもイスランデイア
黄変米であるとか
タイ国
黄変米とい
つて毒素の非常な高度のものが発見されておるのだ、こういう
現実と各
大臣のお答えを承りますと、足りないから
輸入にまつ以外にはないのだ、しかも検査が厳重に
なつたのだから黄変粒というものが新たな角度から発見されるということはやむを得ないことではないか。
国民も騒ぐことはけしからぬ。われわれは二・五パーセントまで許容率だとして発表しておるのだからこれを黙
つて食べれば何ら心配がないのだ、こういうように一切をあげて
国民大衆にその
責任を転嫁するようなお答え以外に何ものもわれわれは本日まで承ることは残念ながらなかつた。しかし少くも政治というものはそういうものじやないと私は考えておるのであります。なるほど今までの
研究の結果では黄色されたものの一パーセントは問題に
なつたけれ
ども、いわゆる検査あるいは衛生食品の立場から白色のものの中にも黄変粒があるということが
現実にわかりました場合には、ただちにこういう米を入れぬ方途を講じなければならぬのが政治である。
外務大臣の、
日本が米が足りないのだからあるところの米であつたならば、売るとい
つて来るものがある場合にはどこの米でも、どういうものでも、ともかくお取次をすればいいのだという無
責任なことについては、どうしても黙
つてお聞きするわけには参りま
せん。少くも政治というものは、やはり
国民大衆の食生活をほんとうに守る政治でなければならないし、餓死するものは一人もできないような政治でなければほんとうの政治であるとは言えないと私
どもは考えるのであります。そういう立場からたとえばフイリピンで一九五二年の
ビルマ米を買
つてもてあましておつたものを
日本に持
つて来たのだが、それでも何らそれに検討を加えずして
外務省は
農林省にこの旨を通じてそれを買わしめた。
農林省は
食糧の状況あるいは品質の状況を見ることは
農林省の
責任であるのだから、おれの方でどんなものを紹介した
つて責任は何らないのだということは断じて許されない。また
国民も承知しないと私は存ずるのであります。
また草葉
厚生大臣に承りたいことは、この問題とは直接
関係ございま
せんが、十九国会において現在の諸物価の状況から、現在の
国民保険医はまつたく困
つておるのだ。一点
単価の
価格というものは、いわゆる終戦前あるいは
昭和十一年、十二年当時の諸物価の状況から考えれば安くて困る、食えないと言
つて叫んでおるのだ。だから何とかして一点
単価を上げてやらなければならぬということを大蔵
委員会でしばしばわれわれは要求いたしました。その場合に草葉
厚生大臣は、
日本の財政の状況がどうにもしようがない。
日本の財政はみんな知
つておる。だけれ
ども実際諸物価の指数から割出して合わない、いわゆる一点
単価を強要しておりますると、全国の
国民保険医はあげて診療を拒否するような場合が、面前に来ておるということをわれわれは主張しておりました。現にもう三箇月か四箇月ならずして、保険医が
厚生省に対して居すわりをやつたり、あるいは患者の診療を拒否しておる
現実の姿が現われておるではないか。これを何と考えられるか。二・五パーセントまでは大丈夫だと
厚生大臣が言
つても世の中の人々はもちろん承知しま
せんし、また多くの学者の諸君は非常にこれに対して反対を表明しております。こういうような場合に、政治ということを考えないで、単に足りない
食糧だからやむを得ないとい
つて配給するという
考え方は、根本的に間違
つておりま
せんか、重ねて私は伺いたい。
それから具体的な問題といたしましては、たとえばフイリピンの二万トンの
契約に対しまして六千六百トン入つたとわれわれは外部か聞いております。この六千六百トンという数字は間違いないのか、もう一つは六千六百トンの中に
黄変米が三パーセント以上あつた、またそのほかに砕米が三〇パーセントから四〇パーセントあると聞いておりますが、こういう状態は違わないのかどうか、これを
農林大臣にお尋ねをしたいと思います。