○桑原説明員 私の存じておるところを申し上げます。順序が不同かも存じませんけれ
ども、従来われわれの心配いたしておりましたものは黄変粒、色のかわ
つたものでございます。これにつきまして、今の最後のお尋ねでありますが、私
たちといたしましては、商社に対して、ビルマとの交換文書の中に、黄変粒が一パーセント以上入
つておるものは断るというふうに書いてあるから、これをよく実行いたすようにということを申しております。しかしながら商社といよしましては、逆に一パーセントまでのものであれば自由に認めてもらえるはずである、それ以上の努力をいたす必要はないというふうにや
つておるかどうかという問題でありますけれ
ども、これはたまたま数字的に申し上げたということではないわけでありますが、現実に
昭和二十六会計年度におきましては、ビルマの例をと
つて申し上げますと、十六万六千トンの米が入りまして、色のついたものとして忌避されましたのは、七千二百トンにな
つております。この年は四・三三パーセントであります。二十七会計年度にはいささかふえておるわけでございますが、十五万四千トン入りまして、一万三千トンのものが発生いたしております。これは八・四九パーセントにな
つております。なぜこの年にふえたかと申しますと、この年においてはビルマとしてはまだ売惜しみをいたしてお
つた時代でありまして、少しでも積出しといいますか、買入れに応ずることを拒否せば、高値に売れるということで、いささか控えた年であります。従いまして引取方といたしましては、時期が遅れた年であります。遅れましたけれ
ども、ともかく米をあちらこちら買いあさ
つておる時代でありましたから、やむを得ず雨期に入
つてまで引取
つたという
関係で、数字が逆にふえております。二十八会計年度になりましてからは、二十四万トン入
つておりますが、黄変粒といたしましては、わずかに千五百トンというものが入
つております。これは〇・六四パーセントということにな
つております。かようにいたしまして、二十九年度にな
つて、つまり昨年の米から少くとも一パーセント以上のものは忌避するということを明確にいたしたわけでありますが、今日におきましては、
一つも入
つておらぬということは、はなはだ申し上げにくいのでありますけれ
ども、量的には現在問題を起しておるような事態にまで、いわゆる色のついたものとしては入
つておらぬわけであります。従いまして私
たちとしましては、現地において商社がどのようなことをや
つておるかということについて、いわゆる積み取る最盛期におきましては、
農林省から現地へ係官が
行つて調査もいたし、監督もいたしております。それからビルマの領事館なりタイの方にも、
農林省に籍のある者が外務省の方に籍を移しまして
行つております。やがては
農林省に帰
つて来る約束もあ
つて行つておりますが、さようなことがあ
つて、かようなことにな
つておるわけであります。
それから船賃の問題がございます。一番最近の新しい例をと
つて申し上げますが、ことしの一月の第一回のビルマからとります。船賃のきめ方であります私の方といたしましては、五月、六月、七月の三箇月間において日本に向けていろいろな
食糧なり、塩なり、すべての外国船が入
つて参
つておりますが、要するに船運賃としまして、五六、七、三箇月間の各月ごとの運賃を見ております。その三箇月の趨勢を
調べてみましたところが、九十六・何パーセントで下る傾向にあるということで、その比率をとりまして、これに七月にきめました七ドルの運賃をかけて、六ドル八十というものをわれわれの予定価格といたして見ております。一方御指摘の三社が大部分異な
つた会社から見積りをとりまして、その見積りをと
つた結果を三社が持
つて参
つております。これを見ますと、最高のものは七ドル、最低のものは六ドル七十セントというふうに出ております。従いまして私
どもの方では、六ドル七十セントの入札値があ
つて、船の条件、年齢、その他においても十分なものがありますから、これでやれるはずである、従
つてそれ以上の船賃でやるということは、われわれの方としては
規定いたしかねる、それで六ドル七十でやれるものはや
つてくれ、こういう仕組みにいたしております。
それから商社のきめ方でありますが、これは従来私の方といたしましては、大事な米を持
つて来るわけでありますから、米に経験のある者というのが第一条件になります。こちらに着きました内地の港の操作の問題がありまして、ビルマに支店があるもの、あるいはわれわれの要求するような適当な人間がおるかどうかという問題、それから外国為替銀行の証明のあるものというような条件をつけて、その中から選んでおるわけなのであります。ビルマについてはほかにも希望する商社もございますけれ
ども、また向うの方といたしましても従来からコネクシヨンのある三社ということにな
つて参
つております。しかし今後においていろいろ研究しなければならぬ点がありますが、今申したようなことでや
つて参
つております。