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田中委員長 私の体験から申し上げるのですが、
厚生省の方もよく聞いていただきたい。私は今鶏を一万羽、その他
動物もいろいろ飼
つておるが、今から二十年前、白米を鶏に食べさせては毒だということを、高橋広治氏だ
つた思いますが、養鶏家から発表された。そこで私は一間四方の部屋を百つくりまして、この部屋のとりには白米だけ一週間、ここのとりには大麦だけ一週間、このとりにはふすまだけ一週間、このとりには菜つぱだけ一週間、このとりには野草だけ一週間というふうにわけて
試験したが、全部とさかが縮み、
肝臓が肥大にな
つて倒れてしま
つた。そこで鶏に白米は毒であるということは一応通
つたのですが、しかし今度はそれに米ぬかをちよつと入れると、死ぬ率が三分の一にな
つてしま
つた。それにふすまを入れたら死ななくな
つてしま
つた。それに士をくれたら非常に強くな
つて、胸肉がついて来た。そこに魚のあらをくれたら卵を産むように
なつた。こういう
試験をしたのですが、あなた方が
動物実験とい
つて、ねずみならねずみに
黄変米を三日、それだけ食わせたら、
黄変米でなくても、やはり
変化は来るのですよ。
人間でもそうです。小麦なら小麦だけ食わしても
変化が来る。だからたとえば
黄変米をどれだけの熱度で沸騰したらどういう
変化がある、なま煮えにしたらどうなる、米ぬかのようなものをまぜたらどうなる、菜つぱのようなものをまぜたらどうなる、大根のようなものをまぜたらどうなるということを
試験しないで、ただあれだけを食わして、医者がモルモットに
試験するようなことをや
つたら、私の鶏の体験からしても、百からの部屋をつく
つて、全部失敗に帰したようなことになる。高橋広治君が言うように、鶏には白米は毒であります。白米だけ食わせればにわとりはほんとうに倒れる。実際に
肝臓が大きくなり、とさかは縮んで
しまつてにわとりはだめになる。つまりそれだけ食わせるから栄養が偏重とな
つて毒になるということですから、そういう点をよく御研究されてみる必要があると思う。私が申し上げるまでもなく
国民の税金を出してこの米を買
つて、それを
国民の税金で補給金を出して安く
配給しているのですから、高く買
つたものを安い値段どんどん
工業用なんかに売られて
しまつては、農村がたまらない。自分たちがつく
つた日本米は石八千幾らしかとれない。そして土地改良の金はとられ、肥料費はとられて騒いでいる。ところが外米は石一万二、三千円で買
つて来て、それを補給金で安くしているでしよう。それがまた今度
工業用にどんどん四千円か三千八百円で売られたのでは、国費もたまらなければ、農業をまじめにやる人もなくなる。
黄変米が毒であるかどうかということは、
国民の税金の面からい
つても、
食糧の面からい
つても、あるいは食生活の面からい
つても重大な問題ですから、
厚生省はそういうものに対する研究をもう少しされてみたらいいと思う。
黄変米だけなら毒であ
つても、大根を刻んで入れて沸騰させたら毒でないかもしれない。もし
黄変米が毒なら
みそにしても毒です。お菓子に使
つても毒です。御飯もたくのです。生で食うのではない。そういう研究をされないで、ただ
厚生省が
黄変米だとい
つて、それを
農林省がおつかぶ
つてこれをどんどんやられたのでは、太る者はそういうものを取扱う商人、
みそ屋、しようゆ屋、役所と連絡のある者のみが太るだけで、迷惑するのは
国民です。農民です。よく考えてや
つてください。