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杉村委員 その問題は、あなたはなるほど
理事会でということをおつしやられるけれ
ども、当
委員会で実は
はつきりとそういうふうに
秘密の必要なしという
決議があるのでしよう、そういう
決議をまたここで翻すということは、それは私は一事不再議でできないことだろうと思います。そこが私
どもは非常にふかしぎきわまると思う。いやしくもそういう
書類が出せない、何とか
秘密にしてもらいたい、こういうようなことを言うことは、われわれから考えまするなれば、この
疑獄についてあるいは
大蔵省の
役人、あるいは
開発銀行の
役人たちにも
関係があるのではないかという
疑惑さえ、われわれは抱かざるを得ない。そうでなか
つたならば、そんなことを何もひた隠しにする必要は毫末もないのであります。私は
経済安定委員会において
日本経済の安定をいかにすべきかという問題についての研究におきまして、いわゆる
金融関係あるいは
電源開発関係を
調査したそのときに、
金融業者の
代表者を
経済安定委員会に呼んで、いわゆる
金融状態を
調査したときに、
銀行から
船会社に融資しておる額がどのくらいであるかということを私が聞いたら、七百億貸しておるということを
銀行代表が答えた。もう私
どもはこれ以上お貸しすることはできない、
利息すらもら
つておりません、こういうことを
経済安定委員会で
はつきりと
銀行代表が私に答えておる。
銀行としても、国家の
外航船舶をつくるのだから必要なことではあるけれ
ども、どうも
利息ももらえないようなところにこれ以上貸すことはできないということを、
銀行代表が
経済安定委員会で
はつきり答えております。そのようなことにな
つておるにもかかわらず、なお
大蔵省の
役人や
開発銀行の
役人がその
資料を出さないというに
至つては、私はこれらの
諸君までが悪いことに連座しておるのではないかということを想像するようなことにな
つてしまうのです。拒めば拒むほど、そういうような感じを持つのでありますから、本
委員会におきましては、それが
一般に公表されて困るというのであれば、私は決して公表をしようと、ものずきにや
つておるのではありません。われわれは
決算書としてその事実を確かめればいいのでありますから、その
資料を出されて、そうしてこれはこういう
関係だからひとつ
社会に発表してもらいたくないというのであれば、われわれもそれを見て何も
社会に発表しないで済むものであれば、それでいいじやありませんか。それをわれわれに与えずして、それではわれわれは何を
決算をするか。しかもこれが問題が何も起
つてないのならよろしいのですけれ
ども、大問題です。いわゆる空前の大
疑獄とまでいわれておる
造船疑獄でございますから、これについてはわが
決算委員会がそれをいいかげんに済ますということは、そうでなくてすらも、いわゆる鉄道会館問題についてとかくの風説を受けておる、少くともわれわれ
決算委員会としては、そんなことで痛くもない腹を探られるようなことが起るのでは、はなはだおもしろくないのでありますから、どうしても私はこれを出してもらいたい。何のわけで
大蔵省の
銀行局や
開発銀行はこの
決算委員会に、かんべんしてもらいたいの、
秘密にしてもらいたいと言うのか。私はその真意がわからない。
委員長の従来のこの
決算委員会の
審議方針の御精神によ
つて、これはひとつぜひとも提出さしていただきたいと思う。しかし私は先ほ
ども申しますように、何でもかでもこれを公表するとか何とか、そういうために私は言うておるのじやないですから、その点誤解のないようにしていただきたい。