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1954-03-29 第19回国会 衆議院 決算委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月二十九日(月曜日)     午後一時五十分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 天野 公義君 理事 大上  司君    理事 安井 大吉君 理事 柴田 義男君    理事 杉村沖治郎君       徳安 實藏君    村瀬 宣親君       片島  港君    横路 節雄君       吉田 賢一君    池田正之輔君  出席政府委員         運輸事務官         (海運局長)  岡田 修一君         運輸事務官         (船舶局長)  甘利 昂一君  委員外出席者         大蔵事務官         (理財局次長) 酒井 俊彦君         大蔵事務官         (銀行局総務課         長)      大月  高君         日本開発銀行総         務部次長    岡田  豊君         日本開発銀行審         査部長     竹俣 高敏君         会計検査院事務         官         (検査第四局         長)      大沢  実君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 三月二十九日  委員山田長司君辞任につき、その補欠として横  路節雄君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  政府関係機関収支日本開発銀行造船融  資)に関する件     —————————————
  2. 田中彰治

    田中委員長 これより決算委員会を開会いたします。  これに引き継ぎまして、私が病気のために長く休んでおりましたので皆さんに非常に御迷惑をかけて、まことに申訳ないと思つております。もう四、五日うちに病気が全快いたしますから、必ず出て参りまして、皆さんとともに、決算委員会だけは政党政派を超越して徹底的に、国民が泣いて納めた血税の行方をただし、これに心正があれば断固これに対して取組んで行きたい、こう考えております。決して自由党に行きましたから自由党の幹部に押えられたわけでもありませんし、決してそういう考えは持つておりませんから、ひとつお願いいたします。  それでは本日は、政府関係機関収支のうち、日本開発銀行造船融資に関する問題を議題とし、調査審議を進めます。本問題につきましてはすでにかなり検討して来たのでありますが、なお調査の完璧を期するため、当局並びに各関係者も率直に応答されるよう特に要望いたします。それではこれより質疑を許します。
  3. 杉村沖治郎

    杉村委員 私は議事進行についてひとつお諮り願つておきたいと思います。  最近当決算委員会委員に対して、はなはだおもしろからざる風評、ことに新聞報道等が行われておるのであります。この際わが決算委員会におきましては、大いにその任務を遂行するために最善の努力をいたしてみたいと思うのであります。委員長がただいまも申されたように、委員長がおからだの健康がすぐれないために御欠席になつた関係もありましようが、当委員会審議がきわめて遅々として進まないということはまことに遺憾しごくであり、ことに先ほど申し上げましたような社会から非常な疑惑をもつて見られるようなことがあつてはまことに遺憾しごくであるのであります。一般会計特別会計を通じますならば、二兆数百億円に達します国の財政審議するこの決算委員会が、かくのごとくであつては、本会期中に昭和二十七年度までの決算を終了させることができるかどうかということがはなはだ疑問であるのであります。今日かくのごとく汚職に次ぐ汚職財政紊乱その極に達しておるときに、当決算委員会は今後連日でもやりまして、そうしてこの会期中に二十七年度までの決算を上げるように、委員長においておはからいが願いたいと思うのであります。これは後日のために特に本日私がここに発言をいたして、委員長にお願いを申し上げておく次第であります。
  4. 田中彰治

    田中委員長 杉村委員にお答えいたします。私が健康を害したために休みまして非常に申訳ないと思つておりますが、六日の日から医者がもうさしつかえないと言つておりますから、必ず六日から出まして、今まで遅れた分を必ず取返すように私も努力いたしますし、皆さんにもお願して努力していただく。決算委員会だけは、御承知のごとく、国民が泣いて納めた血税を各政府関係機関がどこにどういうぐあいに使つたか、不正があつたか、むだがないかを調べて、国民に納得の行くよりに知らしめて、税金を納めていただくという重要な委員会でありますかり、杉村委員がおつしやるように、ぜひともやつて行きたいと思います。天野君。
  5. 天野公義

    天野委員 数点、基本的な問題について開銀にお伺いしたいと思います。まずお伺いしたい点は、造船融資に関して基準があるわけであります。たとえば一番抵当とか二番抵当とかいろいろな基準があるわけでありますが、どういうぐあいになつておりますか。
  6. 竹俣高敏

    竹俣説明員 お答えいたします。追船融資基準と申しましてもかなり広くなるわけでございますが、いかなる船会社に金を貸すかということは、一口に申しますれば、資産信用力の相当耐え得るものに対して金を貸したいこいうことをまず銀行当局としては考えるわけでありますが、そのほかに国には運輸行政があるわけでありまして、なるべくそれにのつとりたいということを片方において考えます。従いましてその両者が合体いたしまして、それに適当と思われる船会社に対して貸出しが行われるということになります。これが一つの簡単な基準でございます。さらに今度は、融資をいたします場合には、当然担保物件が十分でなければならない。ただいま一番抵当でなければいかぬかどうかというお話がございましたが、原則といたしまして、つくります船を一番抵当に入れていただくことは当然のことでございます。しかしそれだけでは不十分でございますので、そのほかに持つておられる資産——船会社の持つておる資産は大部分は船でございますが、その船に対して二番、三番、四番というふうについておるわけであります。
  7. 天野公義

    天野委員 そうすると今まで、二番はいいとして、三番、四番抵当に入つておるのはどのくらいありますか。
  8. 竹俣高敏

    竹俣説明員 お答えいたします。三番、四番に入つている数字がどのくらいか、ちよつと空で覚えておりませんけれども、現実に私どもが扱つておりますのは、何番という番数ではなくし、担保余力があるかないかということでございます。従いましてある船に一番抵当がついておつて、しかもそれの金額が減つて参りますれば、当然そこに担保余力が出て参ります。担保余力が出ていないのにナンバーをつけても意味がありません。三番も四番も次次とつけて行くということは、担保余力を予定しているというふうに御了解願えればけつこうだと思います。
  9. 天野公義

    天野委員 担保余力があるのを予定して二番、三番をつけて行くのですか。余力ができたから二番、三番とつけて行くのですか。
  10. 竹俣高敏

    竹俣説明員 むしろ先担保余力ができて来るであろうということを予定いたしまして、万全の策として船会社も持つております財産に全部抵当権をつけて行く。結局国民の大切な金でございますから、そういう手続的なことでもつて回収がまずくなれば、それは当然銀行自身責任であります。従つてその責任を果すべく、必ずそういうふうに次々につけて行くという方法をとつております。
  11. 天野公義

    天野委員 そうすると建造中のものを担保するときにはどういうぐあいになりますか。
  12. 竹俣高敏

    竹俣説明員 お答えいたします。建造中のものについても、これは保険対象になります。従いまして保険金請求権に対して質権を設定いたします。そういう方法担保に徴収するという方法をとつております。
  13. 天野公義

    天野委員 今まで大分開銀融資で船がつくられております。これは明らかな事実でありますが、そうすると、期限が来ておるにもかかわらず、開銀融資されておつた金がまだもどつておらない、すなわち期限が来ても返済されておらない金額がたくさんあるわけであります、一体どれぐらいありますか。
  14. 竹俣高敏

    竹俣説明員 十七億四千二百万円であります。
  15. 天野公義

    天野委員 今までの造船に対する融資総額は、それではどのくらいで、返済期限が来て返済されておらない金額はどれくらいか、もう一ぺんお答え願いたいと思います。
  16. 竹俣高敏

    竹俣説明員 実は数字につきましては、きよう一緒に参つております総務部次長岡田君が承知いたしておりますので、岡田君からお答えいたしたいと思います。
  17. 岡田豊

    岡田説明員 お答え申し上げます。もう何回かここで御説明が出たかと思いますが、一応全部の数字を申し上げまして、最後に質問にお答えいたしたいと思います。     〔委員長退席安井委員長代理着席〕  開発銀行は、復興金融金庫の時代及び見返り資金で出しておりましたとき、その両方を引継ぎまして、開発銀行になりましてから出したもの、これらをすべて合計いたしまして、外航船として開発銀行融資しております十二月末の残高は、御承知のように九百九億六千五百万円でございます。そのうち第一回ないし第三回といつたふうな最初の契約によります分割償還期の来ました債券総残高が二百二十八億でございます。これは新聞その他にも若干誤解をされておるかと思いますが、これは御承知のように貨物船につきましては、三年すえ置きで十五年、油送船につきましては、三年すえ置きまして、それを含めて十三年で返すことになつておりますので、まだすえ置き期間中のものが多いわけですけれども、そのすえ置き期間を過ぎまして、分割償還期の来ましたものが、今申し上げましたように債権総額で二百二十八億三千三百万円あるわけでございます。この二百二十八億三千三百万円のうち、分割償還期が来ておる金額が、今申し上げました十七億四千二百万円でございます。従つて実質的に延滞と認められるものは、その十七億四千二百万円でございます。この十七億四千二百万円は、御承知の通り半年だけ現状で内入れ延期措置を講じて、この次の分割償還期まで——つまり半年ごとに分割償還期が参りますので、その次の分割償還期まで延期しておいて、その間に状況がよくなれば第二回目にとるように今措置をしております。
  18. 杉村沖治郎

    杉村委員 ちよつと関連して……。これは非常に遺憾とすることなんですが、この前私がこの点につきまして質問したのに対して、あなた方の答えるところがみな数字が違うんです。それがために、これについては今日までに貸し付けた金額、及び償還期の来た金額償還期が来ても支払うことのできなかつた船会社を書いて出すようにということを申し上げたことをお忘れではないと思う。速記録にも載つているんですから。それで今貸した総額について答えるところによれば、九百九億ということを言つておるんですが、これがみな数字が違つておる。この前は九百九十二億というように松田説明員答えておるのであります。それから岡田海運局長答えはまたそれと違つておる。こういうようにその都度都度数字が違つておる。この前の決算委員会の当席上において、答える者によつてみな数字が違うから、明確なる資料を出してもらいたい、償還期が来ても支払いのできない船会社については、すぐに述べてもらいたいと言つたところが、いろいろにあれやこれや答えたが、結局は、本日はその資料を持つておらないということだつたので、それでは次までに必ず資料を出すようにということを言うたのですが、それがまた今日になつても出ておらないのはどういうわけか。今述べられた数字は間違いがあるのかないのか。この点をひとつつておきます。
  19. 竹俣高敏

    竹俣説明員 おそらく時期のとり方の相違ではないかと思います。今申し上げましたのは、開発銀行融資残高でございますが、融資総額あるいは融資残高、その他補給金利子対象になつておる額、さまざまにございますので、その点が若干混淆いたしたかと思います。その点を明確に申し上げれば、その御疑念は晴れるのではないかと思います。
  20. 杉村沖治郎

    杉村委員 資料のことは……。
  21. 竹俣高敏

    竹俣説明員 実は前の決算委員会の席上で、国民血税であるから、その金がどういうふうに貸し出され、どういうふうに延滞になつておるか、それは当然知りたいことであるから、延滞の具体的な状況を知らせるようにというお話がございました。私考えますのに、ごもつともなことだと存じます。われわれといたしましても、むしろ進んでお答え申し上げてもいいのじやないかというふうにも一時考えたのでございますが、実はよくよく考えてみますると、その後発表の方法といつたようなものに関連いたしまして、ここで考えねばならないことがあるのではないかというふうに私自身考えたわけでございます。すなわち国民ほんとうに御要望になつておられることは、大切なその金が貸し出されて、安全であるかどうかということはもちろん当然でございますけれども、ただ安全であればいいということでもない。もしただ安全ということだけを……。
  22. 杉村沖治郎

    杉村委員 そんなことを聞いているのじやないですよ。この前資料を出してくださいと言つて、あなたは出しますということを言つてるのですよ。そうして今になつて国民がどういうことを要望しておるとかおらないとか、そんなことはよけいな心配だ。ここで決算委員がこういうことを聞いて、答えなさいと言つたら、あなたはその答えをすればいいじやないか。公の席でその答えをすることが、どうしても国の治安上とかなんとかでいけないということであつたならば、その由を伝えて秘密会を求めるなり、それは別個の問題です。けれどもあなたが、国民要望しているのはこういうことじやあるまいか、ああいうことじやあるまいかと、議員質問に対してそんなことを言う必要はごうまつもない。問われたことを答えればいい。それをこの前あなたはいろいろに問い詰められて、銀行としてはこういうところで発表してはどうかと思うと言うたものだから、そういう必要はないといつて委員長からここに諮つたところが、しまいには、実はきようはまだ調べておらないと言つた。それならば最初からそんないいかげんなことを言わずに、調べておりませんでしたと答えればいいじやないか。こういうことがちやんと速記録に載つておる。それを出すように言われておるにかかわらず、今日に至るもそういう資料が出ないのはどういうわけかというのです。国民要望がどうとか、そんなことを聞いておるのではない。どういうわけで出さないかということを言つておるのです。
  23. 竹俣高敏

    竹俣説明員 お答えいたします。ごもつともだと思います。ただ前回申し上げましたのは私ではなくて、松田説明員から申し上げたのでございますが、あのときの御説明では、ただ銀行としてはいかがかと思います。というきわめて不十分な説明しか申し上げておりませんでしたので、はなはだあれでございますが、若干説明させていただきますと……。
  24. 杉村沖治郎

    杉村委員 資料のことを聞いておる。どうして出さないのか。
  25. 安井大吉

    安井委員長代理 簡明に、りくつを言わないで……。
  26. 竹俣高敏

    竹俣説明員 簡単に申し上げます。具体的に延滞いたしておりまする会社の名前をここで公表申し上げるといたしますと、特に現在のような経済情勢でございまするから、その会社信用に大きく影響いたしまして……。
  27. 杉村沖治郎

    杉村委員 そんなことを聞いているのじやない。
  28. 竹俣高敏

    竹俣説明員 それで渋つておるということを申し上げようと思いますので……。開発銀行長期資金設備資金しか出せないものでありますから、もしほかの金融機関に締められますと、つぶれないでもいい会社までつぶしてしまうおそれが出て来はしないかということも危惧いたしております。これは銀行業者として当然であり、従つて開発銀行取引先信用に関することを公開の席で言つてしまうというふうに、銀行仲間あるいは取引先にわかりますと、今度われわれが企業の審査をいたしますときに、その経営の内容について、あるいは経営秘密についてわれわれに打明てくれない。従つてほんとう意味での審査ができなくなるということをまずおそれます。まずおそれるほかに、おそらく銀行仲間からは銀行の風上にも置けぬやつだと思われること自身は、われわれとしては、いわば自殺をしいられるようにつらいことなのであります。そういうことでありますから、公表はまずいのでありますが、もちろん全然申し上げられないというのではなくて……。
  29. 安井大吉

    安井委員長代理 出せないのか、調べないのか、結論を言つてください。要求しておるところの責任者に対して言うべきです。出すか、出さぬか、それを言つてください。
  30. 竹俣高敏

    竹俣説明員 出したくないのでございます。お許し願いたいと思います。
  31. 横路節雄

    横路委員 今の点に関連しまして開発銀行の方にお尋ねいたしますが、私この間他の委員会委員長を通しまして資料を要求しましたら、私のところにこういう資料を出してくださいました。
  32. 竹俣高敏

    竹俣説明員 御発表いただきたくないのですが……。
  33. 横路節雄

    横路委員 今私が言うのですから、委員長取扱いをしていただきたい。委員長、実は私開発銀行の五次船、六次船で償還期に来ているもので返らないものについて私も非常に疑問に思つてつた。なぜならば、九次前期のいわゆる船主選考にあたりましては、開発銀行が非常に重大な決定権を持つておるのです。私は九次前期に関してはやはり開発銀行が主たる主導権を持つておると思う。そのときの海運造船合理化審議会議事録によりますと、そのときの条件は、償還期に来ているもので順調に償還しているものを船主として九次前期の割当に選ぶ、こういうことでありますので、従つてそれをもし開発銀行で九次前期船主を選んだときに、五次、六次の償還期に来ているのに償還されていないものに当てたとするならば、これは開発銀行の不当の措置であるというふうに私はお尋ねをいたしまして、五次、六次の償還期に来ているもので、いまだ払わないものについて資料を出してもらいたいと言つて資料をもらつてつておるのです。これは当該私ども関係委員長を通していただいた資料なんで、従つてこちらの方からなぜ出せないかと言うときに、この委員会でこれが発表できないと言うことはおかしいと思う。私はここに持つておる。私が正式に要求した資料なんで、どうしてこの問題についてここでおやりにならないのか、ちよつとふに落ちませんものでしたから関連してお聞きしたわけです。
  34. 安井大吉

    安井委員長代理 大野委員もこれに関連して一緒に注文を願つて返事を求めます。
  35. 天野公義

    天野委員 関連で少しと切れたのでありますが、それならば今お話になりましたのは、第一、第二、第三回の償還の遅れておるものが十七億四千幾ら、こういうように聞いたのですが、その後で返済期に来ているのは一体どのくらいですか。そうして返済期限が今日来ておりながら返済されておらない額と、返済された額をお話願いたい。
  36. 岡田豊

    岡田説明員 今申し上げました数字は一回、二回、三回のものが全部来ておるということじやなくて、ある会社によつては一回目から一時延期措置を講じたところもあります。ある会社によつては一回、二回を内入れをいたしまして、第三回目から滞りましたので一時延期措置を講じたところもあります。これは船の建造の時期、従つて竣功の時期が非常に違つておりますので、同じ第何次船といいましても、そういうふうに第一回、第二回という償還期の来る時期が違うからそういうことになるわけであります。  なお今の御質問の、今までの回収はどれだけあつたかということを申し上げます。まず計画造船計画造船以外の船、この二つにわけて申し上げます。計画造船関係では合計十四億六千七百九十三万一千円の回収がございます。それから計画外造船では十七億三千六百三十万七千円ございます。両方合計は三十二億四百二十三万八千円でございます。なおこの計画造船内訳、つまり回収内訳を申し上げますと、ほとんど大部分が第五次及び第六次でございまして、第五次船では四億九千五百九十九万九千円の回収がございます。六次船では六億一千九百五十三万円でございます。
  37. 安井大吉

    安井委員長代理 竹俣説明員に申し上げますが、今杉村横路委員からの質問資料の問題であります。この前は多分松田という説明員であつたと思います。この委員会はその資料を出すべく要求してあることは確かであります。開発銀行側としては、それを出すことが困る、銀行決定として委員長に対してその資料は出せないということを御通知になつておるかどう」か、さらに本日、それはあなたのお考えであるか、開発銀行全体を代表してそういうことに決定してあなたがお答えになつたのか、その点を伺つておきます。
  38. 竹俣高敏

    竹俣説明員 前段の委員長に交渉しているかどうかということでございますが、直接には御交渉申し上げておらないそうでございますが、監督官庁としての大蔵省にお願い申し上げまして、なるべくお出ししないで済むようにというふうにお願いしてあるわけでございます。(杉村委員「ここにぼくは持つておる」と呼ぶ)実はそれは委員会にお出ししたんではございませんで、おそらく個人的に申し上げておつたんではないかと思います。
  39. 安井大吉

    安井委員長代理 なお伺います。個人的にそういうものを出して、決算委員会へ出していかないとお考えになつておるのか。
  40. 竹俣高敏

    竹俣説明員 公表をしないという意味でございまして、実は議会に限らないのでございますが、一体どうなつておるのかといつたようなことは、もちろん国家の機関ではありまするし、皆様に認識していただいた方がいいわけでございまして、さしつかえない限りはお知らせしたいという気持はあるのでございます。ただ公開の席で公表ということになりますると、これは先ほど申し上げましたような意味で、相手の会社も困りまするし、同時に開発銀行自身機能をやめて——極端に申しますれば機能をやめるというようなところにまでも発展いたしますので、当然これは皆様の御良識によつて御遠慮いただけるのじやないだろうか、お話申し上げればわかるんじやないかというふうに考えておつたわけでございます。第二点の、今の考え方は私個人考えかどうかというお尋ねでございましたが、これは金融機関といたしましてはむしろ常識でございまして、私個人としても考えまするが、銀行全体としてももちろん考えております。このことは必ずしも開発銀行だけではなくて、一般金融機関も同じ感じであろうと思います。
  41. 安井大吉

    安井委員長代理 わかりました。竹俣説明員のきようの答弁は、一般銀行の拒否するところであろうということによつて、このすでに起つた取扱いに対しては、そういうことを希望するというのか、あるいは開発銀行協議によつて、これは出さないと決定して大蔵省に交渉したのか、その点をもう少し明確にしてもらい。
  42. 竹俣高敏

    竹俣説明員 希望するというふうに申し上げておるわけでございます。
  43. 安井大吉

    安井委員長代理 わかりました。ついでに大蔵省理財局次長がおりますが、酒井説明員は、この問題に対して説明を受け、どう処理すべきかをおきめになつたか、これを伺つておきます。
  44. 酒井俊彦

    酒井説明員 この問題は、開発銀行に関する所管は直接に銀行局でありまして、私自身としてはそういう協議を受けておりません。銀行局長がそのうちお見えになると思いますので、その際に……。
  45. 安井大吉

    安井委員長代理 それでは今の問題は、しばらく銀行局長出席を待つこととして、この程度にしておきます。
  46. 天野公義

    天野委員 一言つけ加えるならば、個人に渡しても委員会には出せないとなりますれば、非常におかしな話である。委員会公表しては困ると言われれば、委員会としても公表するようなばかなことは、国会議員としても、この委員会でもしないわけでありますから、その点をお含みおき願いたいと思います。あとは銀行局長が来てから、今の資料の点はお伺いいたします。  今の問題は、会社がどうであつたかという点についての問題だろうと思う。私のお伺いしておつたのは、概括的な第一回から今日までの、償還期限の来たものと、返済のものはどれだけあつたかという大わくのことをお伺いしておるので、これをぜひ資料として出していただきたい。それならば出せますでしよう。第一次融資、第二次融資、第三次融資が幾らであつて、たとえば本年三月三十一日の期限の来たものが一体どれくらいで、そのうちに返済がどれくらいされておるか、こういうような点を資料としてお出し願いたい。それから開発銀行としては、今まで遅れておつたところに対してはどういう措置をとられて来たか、返済期限が来ておりながら返済をされておらないものに対しては、どういう措置をとつておられるか、また今後どういう措置をとろうとしているか、それをお伺いします。
  47. 竹俣高敏

    竹俣説明員 延滞いたしておるものに対するといたしましては、その延滞している実際の理由がどういうことであるか、何か経営者個有の欠陥によつ延期しておるというのでございますれば、これは当然責めてしぼり上げるというような形もあるいは出るかと思いますが、また反面海運界全体が沈滞いたしておりまして、これは一種の不可抗力であるということになりますれば、情状酌量すべきものがあるということで、半年間の延期というような措置をとつております。ただしかし今後一体どうなるかということについては、かなり悲観的な見方もございますので、われわれといたしましては、融資先の会社がより安定になる一つの方法といたしまして、最近開銀総裁も言つております、一種の整理統合的なことも一つの考慮に入るのではないかと思います。それから、先ほどの天野委員のお言葉はよくわかりましたが、個人に出して委員会には出さないという、差別待遇をする意思は毛頭ないのでありますが、ただ金融機関の性格から、公表いたしますと相手会社及び金融機関自身機能に大きく影響いたしまして、おそらくせつかくつくりました開発銀行というものの機能を、途中でにぶらせてしまうことは、むしろ国民の望むところではないだろうというようなことを考えまして、できればということで御希望申し上げたわけであります。ただしかし天野委員のおつしやられますように、三次、五次がどのくらいに達して六次はどうだという、そういう意味内訳資料は喜んで提出するようにいたします。
  48. 天野公義

    天野委員 そうするとこの造船についての保証人はどういうぐあいになつておりますか。参議院の木村議員などは、造船融資一般融資と違つて会社役員は保証人としてとらない規定になつておるということを、各所で言つておられるようでありますが、これはちよつとおかしい点もあるのではないかと思うのです。その保証人の点は一体どうなつておりますか。
  49. 竹俣高敏

    竹俣説明員 保証人の点で申し上げますと、ただいま天野委員のお言葉にありましたように、参議院の木村禧八郎議員が、どうも開発銀行造船融資については、ほかの融資とは違つて会社役員の個人保証をとらない規定になつているということを、ラジオでおつしやられたり、あるいは参議院の予算委員会でおつしやつておられますので、実は私も驚いたのでございますが、事実はそれに全然相違いたしておりまして、そういう規定はもちろんございませんし、現実に一つの例外もなく会社役員の個人保証をとつております。これはどういうわけでそういう間違いがあつただろうか、実は私個人的に木村議員のところに伺いまして、どうもおかしいと思うがどういうことでございましようかと言うてお尋ねいたしましたところが、実は金融年報の中に、私どもの業務方法書が載つておるのであります。その中に、船舶融資の項で、保証人と書きまして会社役員、それで法人保証は原則としてとらない、こう書いてあるのでございますが、その区切り方が非常に下手でございましたので、そういうような御疑問が出たのじやないかと思います。事実はまつたくそういうことはございません。
  50. 天野公義

    天野委員 そうすると、会社役員その他が保証人になつて、ほかの融資と同様にやつているわけですか。
  51. 竹俣高敏

    竹俣説明員 さようでございます。
  52. 天野公義

    天野委員 そうすると、融資が遅れたり経営がだんだん不振になつて会社がつぶれるというような事態が起きた場合には、開銀としてどういう措置をとりますか。
  53. 竹俣高敏

    竹俣説明員 実はまだそういうひどい段階にまでは至つていません。非常に悲観的に見ますれば、やがてそういつたようなこともあるいは来るかとい」うふうに考えられておりますが、まだそこまで至つておりませんので、特にそういう悪い想像のもとに、銀行はこう考えている、ああ考えているというふうに申し上げますと、先ほどの例によく似ておりまして、ちよつとお答えしにくいのでございますので、ごかんべん願いたいと思います。
  54. 天野公義

    天野委員 償還期が来ているのに、大分延滞をしている会社がある。それから現在の海運界の状況も、非常に見通しが暗い。こういうような条件下にあつて担保余力も、政府説明によると、ぎりぎりまで来ているというような答弁をわれわれは聞いているわけです。そうすると、今後の造船計画において、こういうような担保余力の限界に来ている、もしくは滞納をしているような会社、あるいはこれが両方競合しているような会社、こういうものに対して、開銀としては一体今後の造船計画において、どういう考えを持つておられますか、これを開銀政府当局からお答え願いたいと思います。
  55. 竹俣高敏

    竹俣説明員 開発銀行は、実は十次造船をどうやるべきかということを、ただいま研究中でございます。当然運輸御当局と連絡をとりつつ研究中でございまして、まだ成案を得ておりません。ただしかし、ただいまお話がございましたように、担保余力が次第に少くなつて行くということで、船舶金融そのものが担保金融的な性格を持つておりますだけに、その点特に苦慮いたしております。
  56. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 ただいまの御質問ですが、十次造船に関連いたしまして私どもの一番頭を悩ましておるのはお尋ねの点でございます。もう船会社には担保余力がない、従つて市中銀行としてはもうこれ以上融資すると、銀行としてあるいは背任罪を構成するかもしれぬというふうなことが言われておる。開発銀行自体も担保余力がなくし貸せない、こういうことであります。一方において返還期が来てそれの返還を延期してもらつた、こういう会社に対して金を貸してはけしからぬじやないか、こういうお説がある。ところが海運会社全体がそうなんです。そういたしますと、今のままの形では船がつくれないということであります。しかし今これを急に転換していい方法があるかというと、これは非常にむずかしい。根本的な方策を立ててもそれはどうせ法律を要す。そうすると今年中には船がつくれない、こういうところに追い込まれております。従いまして私ども担保余力がないないとおつしやつているが、はたしてどの程度にないか、これは市中銀行開発銀行とでこの点について十分御検討願つて、少しでも余力があるならばその余力を利用して十次造船は何とか既定通りやつて行きたいというので、目下意向を打診したり検討したりしておるわけでございまして、開発銀行銀行としての性格を厳重に守つて行かれると十次造船は不可能である。だから開発銀行がむしろ国策的な機関という考えにおいて、どの程度に担保の見方あるいは償還についての考え方をゆるめて行くかどうか、これが十次造船を曲りなりにもやる唯一の逃道ではないか、こういうふうに考えております。しかしこの点は開銀は何回も国会で総裁以下について厳重なる警告が与えられておるわけですから、非常に固い態度をとつておる。この辺をどう打開するかということが私どもの悩みでございます。私どももう少し開銀、市中銀行とよく話合いをいたしまして、苦しいところを何とか打開いたしたい。御承知の通り、五月になりますと輸出船をとつている造船所だけが何ぼか船台をふさいで、あとは全部あいてしまうという事態に追い込まれておりまして、これは私どもとしては非常に頭の痛い問題でございまして、今具体的にどうするかというところまでは行つておりませんが、御質問の点が今一番私どもの悩みの点であるということを申し上げて御答弁にかえます。
  57. 横路節雄

    横路委員 私は最初ちよつと岡田海運局長お尋ねしたいのですが、それは昨年の第九次前期船並びに九次後期船の場合に、これは海運局長がよく御承知のように、いわゆる低性能について買上げをしたわけです。ところが買上げをして外航船一隻について二隻ずつ解撤の船をつける、それに対する利子補給が出ているわけですが、実際解撤してそれがほんとうに解撤になつたものか、解撤にはなつたというが幽霊が生きているのではないだろうかということは、実はただ単に昨年九次前期、後期ばかりでなしに、昭和二十五年の低性能買入れのときの状態でも非常に私ども疑問なわけであります。そこで海運局の方に聞いてみると、これは実際に最終的にはどこで判断するのかというと、いや三分の一とか四分の一主要な部分をとりはずしたところを写真にとつてつておけばそれで一応作業が完了したということになる、こういうわけですが、これは私が申し上げるまでもなく、大阪商船の那智川丸の問題ですが、那智川丸事件というのは非常に大きな問題になつて、結局これは許可のいらない船だからというので、死んだ船がどこかとりはずして生きて海の上に浮んで動いている、こういうわけなんです。私はこれはまことに奇々怪々だと思うのです。海運局で外航船一隻に対して二隻ずついわゆる船質改善利子補給法で買上げをして、これに利子補給をやつている。それが解撤になつた。解撤になつたかと思つたらどこかだけはずして新しいものを添えてその幽霊が生きて、現に浮かんでいる。この点について海運局と船主協会とでいろいろ問題になつたが、結局海運局としてはこれはしようがないということなんですが、これは事実であるわけです。私はこの国がやつた船質改善利子補給法等との関連においても、幽霊のようなものが生きておつて海に浮んでいるというようなことは、まことにわれわれ常識として考えられないことであります。これは海運局としては四分の一だけはずしてそこで写真をとつてつておいたら、それで責任はのがれたのだといえばそれまででしかたがないかもしれませんが、こういうものに対しては、総額二億に上る利子補給をやるということになつておる。こういうことが全部起きて来たらどういうことになりますか、これは外航船の利子補給に二隻ずつくつついた船のことだから、最初にあなたに聞いておきます。
  58. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 お説のようなケースが起りました。これは役人の考え方があまりにもまつすぐであつて、業者の方にすつかり裏をかかれた。法の盲点をつかれたということでございます。私どもはそんなばかなことが出るとは夢にも考えませんで、解体船の四分の一をこわし、それからエンジンを取払つたら、これは解体したものとみなすという規則をこしらえた。ところが業者はその規則の裏をくぐりまして、大体四分の一ぐらいをこわし、エンジンを取りかえて、その船を再生した。私どもはこしらえた法律の上から言うとどうにもしようがない。しかしわれわれがE型解体を実行したその趣旨から言いまして、そういうことはどうしても許しておけないというので、やかましくその船を解撤する責任を持つた大阪商船を通じあるいはその払下げを受けて再生しようとする業者に、直接いろいろ勧告をいたしまして、そうしてその船が前の船とまつたく同一性を持たないというふうに認められるところまで、その船をつぶさせるという措置をとらせまして、別のものに生れかわつたものとし認めざるを得なかつたた、こういうことです。しからばその船が同一性を持つているかあるいは全然別の船として更生したものであるかという点については、技術的になりますので、船舶局長から答弁さしていただきます。
  59. 横路節雄

    横路委員 たいへん恐縮ですが、私は開発銀行の方にたくさん聞きたいと思いますので、今のように、法の盲点といえば法の盲点でしよう。ただこれは大阪商船の第九次前期船のロンドン丸の引当船としての那智川丸の解体にからんでのことなのであります。なるほど法は四分の一解体すればいい。しかしこれは明らかにいわゆる一つには、低性能、一つには、今日外航船というものに対して、ことに船質改善利子補給法というものをつくつて、明らかに二億近い利子補給をやつたわけです。この点は法の盲点がこうだつたからやむを得ないという説明を、私はここで長々とお聞きしようとは思わないのでございまして、こういうような法の盲点が実際にあるような、こういうものに対してわれわれが二億にわたりいわゆるこれも利子補給をやるということについては、はなはだ遺憾にたえないと思うのでありまして、なお特にまた時間があればお答えをいただきたいと思いますが、たいへん恐縮ですが、開銀の方に主としてお答えをいただきたいと思います。  そこで私は開発銀行の方にお尋ねをいたしますが、昨年の七月の十七日に予算委員会で、保守三党の共同修正で通り、たしか七月の二十六日であつたかと思いますが、衆議院の運輸委員会でこれまた政府原案の外航船利子補給法が修正になりました中において、開発銀行で当時外航船については七分五厘で金を貸しておつたものを、国としては五分と三分五厘との差額の一分五厘だけを利子補給法によつてやることになつたわけです。そこで私は開発銀行の方にお尋ねしたい点は、この七分五厘をあなたの方で五分に下げた、五分と三分五厘の差は、利子補給でやつた。この七分五厘を五分に下げた法的な根拠は何かをあなたにお尋ねしたい。どういう措置でおやりになられたのですか。
  60. 竹俣高敏

    竹俣説明員 実は五分という根拠はございませんので、五分にしておりません。現実には六分五厘に下げております。従つて六分五厘の根拠を御説明すればよろしいかと思いますが、六分五厘にきめましたのは……。
  61. 横路節雄

    横路委員 ちよつと待つてください。あなたはそうおつしやいますが、七分五厘を五分に下げたのですよ。六分五厘はまたあとのことです。七分五厘を五分に下げた、その法的な根拠、あるいは開発銀行としての措置のよつて来たところはどこなのかと聞いておるのです。
  62. 竹俣高敏

    竹俣説明員 本来七分五厘で融資をいたしておりましたので、正式に五分に下げたことはございませんのです。ただそういう法律案が出まして、そのときに五分というような話は出たかと思いますが、銀行が金利をきめますのは、当然貸借契約証書にうたい込んでいたしますので、五分という話が最初に出たことはあるかと思いますが、現実には五分になつておりません。六分五厘にきめたいということで、それは大体きまりつつあるわけであります。その六分五厘の説明をいたしましようか。
  63. 横路節雄

    横路委員 どうも私は了解できないのです。大蔵省から出されておる予算委員会説明書に、日本開発銀行外航船建造利子利率については、昭和二十九年二月一日以降は年六分五厘、それ以前は七分五厘と定められている。これは開発銀行法第十九条の規定に基いて、日本開発銀行が定めた。そこでいわゆる三党修正の予算で、開発銀行については五分と三分五厘との差の一分五厘を外航船の利子補給法によつて支給する、こうきめたのです。だから七分五厘と五分との差をあなたの方でどういうようにしたのか。内部的な措置をしたのですが、私の言うのは、その七分五厘を五分にしたのはどういう法的な根拠でおやりになつたのかというのです。あなたはよくおわかりにならないようですね。
  64. 竹俣高敏

    竹俣説明員 岡田総務部次長から御説明申し上げます。
  65. 岡田豊

    岡田説明員 私からお答えいたします。横路委員の御質問ごもつともだと存じます。実は今三党修正というお話がありましたが、それが出ましたときに、私たちの方は七分五厘の金利を海運についてはとつてつたわけです。これは御承知の通りであります。その際に政府側の意見としては、今お話のありますように国会で五%の金利にして、その差額一・五%を補給するというような話になつておるから、開発銀行として検討してもらいたいという政府の意向が伝えられたわけでございます。しかし私の方は、金融機関として運営して参ります関係上、どうしても一分五厘の利子補給はうなずけない。結局海運業者の金利負担を実際上三分五厘しするかどうかは海運政策の問題でありますから、われわれの批判する限りではありませんけれども、三分五厘にしたとすれば、それを金融機関の運営の面でどういうふうに調和させるべきかという問題が起るわけであります。そこで依然として私の方の金利は七分五厘ということを主張しておりましたので、七分五厘と三分五厘の差の四分を利子補給してもらいたいということを政府側に強く要求したわけです。ところが政府側としてはなかなかお聞き入れにならないで、われわれが依然としてそういう主張を繰返しておるにかかわらず、国会においては一分五厘しか補給しない法案が通過してしまつた。現在におきましてもやはりそのような状況でございます。そしてその途中におきまして、この二月でございますが、われわれの方としては七分五厘の金利を六分五厘に下げることが妥当であるという結論を得ました。それ以後は六分五厘と三分五厘の差三分を補給してもらいたいということを主張して参つたわけであります。ところが御承知のように、二十九年度の予算は緊縮財政ということで、開発銀行の利下補給はやるわけにはいかぬという話になりまして、結局御承知のように、われわれの方には利子補給が参りませんので、利息の延納という措置をとつてみようかというふうに考えました。そして今その具体的措置について研究中でございます。何がゆえにこの利息の延納措置をとるようにしたかと申しますと、それは利子補給金が参りませんにかかわらず、政府側が利子補給をする建前からいたしまして、海運界の利息の負担能力は三分五厘が適当であるというふうに言われますので、海運政策からそういう要請が出るといたしますれば、われわれも国家機関としてそれに協力する方法を講じた方がいいのではないかということで、そういうふうにいたしました。従つてさかのぼりまして、結局同じような考え方を二十八年度においてもとるべきではないかということから、政府側が二十八年度予算で決定し、一分五厘しか利子補給をよこさないということであるとすれば、われわれとしてもこの一分五厘と三分五厘を加えました五分と、七分五厘との差額二分五厘は、二十九年度以降海運業者に対してやると同じような措置を講ずるのが、公平論からいつて妥当ではないかと今考えておるわけであります。
  66. 横路節雄

    横路委員 そうすると今のお話で、六分五厘と三分五厘との差の三分は、利息の延納措置というわけですね。延納ということになれば、相手の海運業者との間に何か証文のとりかわしをやるのでしようね。それはどういうことになつておりますか。前には大蔵省とまだ十分話合いがついておりませんということでしたが、もう一月半もたつておるのですから、ついたでしよう。十分な話合いをつけて、利息の延納についてどういうふうに定められたか。大蔵省開銀で話合いがきちつときまつて開銀と海運会社との間に一体どういう契約を結ばれておるか。利息の延納はいつになつたら返してもらうか、何ぼの配当があつたらよいか、何ぼの利益があつたらよいかといつて、‘二月十五日にお尋ねしたときに、大蔵省と話合い中ですということでした。もう年度末ですから話合いはついておるものと思いますが、どういうようになつておりますか。なおできましたら資料を出してもらいたい。
  67. 岡田豊

    岡田説明員 御説明いたします。大分遅れておりますが、まだ最終決定というところには至つておりません。今申し上げますことは、進行中の、ほぼ結論に近いところだと御了承願います。
  68. 横路節雄

    横路委員 七分五厘が六分五厘に変化しておりますが、どういうように変化したかお話いただきたい。七分五厘というのは、いつからいつまでか。六分五厘というのはいつからか。開発銀行の当事者から御説明してください。
  69. 岡田豊

    岡田説明員 開発銀行が海運融資を引継ぎましたときは、見返り資金が七分五厘ということになつております。引継ぎましてから今年の一月末までは七分五厘という金利を採用いたしました。二月一日以降六分五厘というようにいたしました。
  70. 横路節雄

    横路委員 これは大蔵省側からいただいた資料ですが、あなたは間違つておりませんか。二十八年八月十四日までは年七分五厘、八月十五日から九月までの期間は年六分、十月一日から二十九年一月までは年七分五厘、二月一日以降は年六分五厘相当額、そうでございませんか。
  71. 岡田豊

    岡田説明員 今の六分五厘という金利は、これは七分五厘から一分五厘を、つまり利子補給を一分五厘といたします。その一分五厘を差引いたものを金利というふうに大蔵省考えられて、ここにお書きになつたのじやないかと思います。われわれの方は六分に下げたことはございません。
  72. 横路節雄

    横路委員 そうですか、それではこれは問題ですね。これは大蔵大臣の説明ですから速記に載つておるのですが、「以上によりまして、第六次以降の貨物船、第七次後期以降の油送船の建造資金融資について日本開発銀行が請求すばき利子額は、」今私が申し上げましたように、「昭和二十八年八月十四日までは年七分五厘、同年八月十五日から九月末日までの期間は年六分、同年十月一日から昭和二十九年一月末日までの期間は年七分五厘、同年二月以降は、年六分五厘相当額であります。」これは大蔵省の方とどうですか、まだ私はこれからどんどん聞くのですから、一つずつ……。
  73. 岡田豊

    岡田説明員 今のお話は、われわれの方が金利と定めておるものと、相手方から徴収すべき金利というものと、この二つの概念に混淆があるのじやないかというふうに思われます。相手方から徴収すべき金利は、利子補給金を差引きましてそれを相手方から徴収するわけであります。ところが表面金利は、その利子補給金を含めた七分五厘であります。われわれの銀行経営からいいますと、相手方から七分五厘をとるけれども、そのうち利子補給金を一分五厘もらうから、それで一分五厘を相手方から徴収する、つまり国からいただくか海運業者からいただくか、どちらからいただいてもいいわけですから、これを利子補給では国からいただくということになつているので、つまり海運業者から徴収すべき利息は六分でございます。
  74. 横路節雄

    横路委員 先ほどお話の利息の延納については根本的にはどうなさるのですか。その話合いが全然できていないというわけはないでしよう。あなたの方では、六分五厘でなければ開発銀行としては成り立たないのだ、三分五厘は不当だ、政府にぜひ三分については利子補給をやれと言うがやらない。これは当然開発銀行政府関係機関予算に出して来る歳入の点に非常に欠陥を生ずる。これは延納なんだからいつかはとるわけですね。どうなつたらとるのですか、どうなつたらとれないのですか。しかもそれはどういうふうに延期するのですか、それはどういうふうになつておりますか。
  75. 岡田豊

    岡田説明員 この利息の延納につきましては、私の方の考え方を申し上げますと、利息でございますから、当然海運業者の経理といたしましては損金として計上すべきものである、そういうふうに考えております。従つて海運業者が利益をあげる直前、つまり収支とんとんになれば、当然利息がすでに計算されておるはずであるということで、利益をあげる直前、収支とんとんになればわれわれの方はこの延納金をいただくつもりであります。それから具体的にいかなる契約の仕方をするかという問題がございますけれども、これは海運界の状況がいつ好転するかもしれぬ、これは普通の常識に従えばこのような状態が続くのかもしれませんけれども、われわれの方としてはより一層シビヤーな態度で、そういうものからいつ変化をするかもしれないということで、いつでも状況がよくなればとり得る態勢を整えておくということから、一年を限つて延納する、こういう措置をとつております。
  76. 横路節雄

    横路委員 今の点は非常に重要なんです。三分に対する利子の延納を認めて一年だけというのですが、そうするとこうですか。ことしやつてみたがうまくなかつた、とんとんにならなかつたからまたどうだ、またとんとんにならなかつたからまたというように、それはその収支がとんとんにならない限りは何ぼでも延ばして行くわけですね。それともあなたのお話では、六分五厘と三分五厘の差の三分だけはこの年だけは延納するというのですか、その点はどうなんですか。
  77. 岡田豊

    岡田説明員 御質問の点ごもつともだと思います。今のような海運界の状況が続くとすれば、そして依然としてこの海運業者の状況、つまり利益があがらないとすれば、これは今御質問のような事態が生ずるかもしれない。これは利子補給法よりも少しきびしい、つまり利子補給を国が与えるよりも少しきびしい態度でわれわれの方は進みたい、こういうことで、利子補給が停止されるというような事態が来ればわれわれの方もこういう延納をやらなくてもいいかもしれませんけれども、もしそうでなく、利子補給が停止されないというような状況が続きますれば、中にはそういうふうに一年ごとにまた切りかえて行かなければならぬ会社が出て来るかもしれないというふうに考えます。
  78. 横路節雄

    横路委員 あなたにお尋ねしますが、この六分五厘にし、そして三分五厘との差の三分については利息の延納を認めるというのは、開銀の総裁と石井運輸大臣との話合いできめたのですか、これは何できめたのです。
  79. 岡田豊

    岡田説明員 りくつぽくなります。が、開発銀行は貸付の条件につきましては開発銀行法の定めるところによつて開発銀行総裁が定めるということになつております。従つて開発銀行といたしましては、政府が利子補給法を制定されるようなそういう海運界の現状というものを前提にいたしまして、延納をするのが妥当であろうというふうに判断をいたしまして、政府側にもそういう意向があるということは、これは文書にもなつておりまして、利子補給法のそういう建前から開発銀行も利息の徴収方法について検討してもらいたい、こういう文書を大蔵省からいただいております。そういう政府側の意向にも沿うということで、今度の処置をきめたわけでございます。
  80. 横路節雄

    横路委員 そうすると今のお話で、大蔵省からそういう一札といいますか、要望書が入つて開発銀行としては政府要望にもこたえてやつたわけですね。間違いございませんね。  それでは今のお話で、私は開発銀行としては利子補給法による市中銀行と同じにある一定の利益があがるまでは継続して利息の延納を認めるのかと思つたら、開発銀行はそうでなしに、収支がとんとんになれば必ず徴収するということで、この点は外航船利子補給法によるところの市中銀行に対する償還と大分内容が違いますので、この点は銀行局長が来てからお尋ねします。  そこで私は、責任者がどなたかわかりませんが、あなたにお尋ねしたいのは、昭和二十七年の五月一日、第八次の油送船をきめます場合における船主選考委員会海運造船合理化審議会等の議事録によりますと、これは明らかに全部自己あるいは市中銀行融資でまかなう、政府財政資金は出さないということを決定いたしまして、そして貨物船については総トン五万トンをもつてこれをきめたわけでございます。ところがその後状態を見ておりますと、いつの間にかこの油送船についてはこれが開銀に肩がわりをしておる。開銀に肩がわりをする以上は、先ほどあなたのお話がございましたように、当然政府の方から何らかの話があつたものと私は考える。そこであなたにお尋ねしたい点は、そういうように第八次のタンカーについては自己並びに市中銀行融資で全部まかなうときめながら、それを後に開発銀行でそのうちの何割かを肩がわりするようになつたのはどういう経緯であるか、開発銀行の当事者としてお答えを願いたい。
  81. 岡田豊

    岡田説明員 この問題はむしろ政府側からお答えつた方がいいのではないかというふうに考えますけれども、私の了解しております限りでは、当時九次船を始める前でありまして、開発銀行といたしましては、実は海運融資についてはまだそれほどの準備といいますか、やるべき段階に来ておらなかつたのでありますが、今お話の、つまり肩がわりをいたしましたタンカーの次に、四隻のタンカーをつくつております。この四隻のタンカーをつくるのに、やはり市中銀行側で、国家資金がつかなければこのタンカーの融資はできないだろうというふうな話がありまして、当時政府部内においてこの四隻については二〇%の政府資金をつけるのが妥当ではないか、こういう議論が出たというふうに私は聞いております。そこでこの四隻、つまりあとにつくります四隻のタンカーについて二〇%出すとすれば、同じ年につくりましたタンカーとして、前には自己資金ないし市中銀行の金だけでやつたわけでございますけれども、当時タンカー市況も下向いておりましたので、権衡上二〇%をつけてやるのが妥当ではないか、こういうな話でわれわれの方に肩がわりということが持ち込まれたというふうに聞いております。この間の事情は、開発銀行はまだ見返りを承継いたしまして間もなくでございますので、むしろ政府部内でこの議論が行われましたのですから、むしろ政府の方から聞いていただいた方が間違いはないかというふうに思います。私としては、今申し上げましたことはこういうふうに承つておるということを申し上げた次第であります。
  82. 横路節雄

    横路委員 私は、この点を特にあなたにお尋ねしているわけは、今日非常に大きい問題は、タンカー協会からの政治献金が非常に問題になつている。この点は第七次後期のタンカーについては、初め予算の修正ではこれは利子補給の対象にならなかつたのです。後運輸委員会で、これが、法律の修正というよりは決議とかいうような行政上の措置でなつたわけです。これが三ぞうとも播磨造船に行つて、今日播磨造船の取締役会長である横尾さんが逮捕状を突きつけられたとかいうような原因等も、私たちはこういうところにあるのではないかと懸念をしている。そこで今あなたにお聞きしたい点は、この第八次のタンカーについてはあなたの言う通り最初四隻だつたわけです。ところが三隻だけきめて、残りの一隻は後ということになつた。その残りの一隻がいつの間にか四隻になつた。そして二十七年五月一日には、この油送船については絶対に市中で融資してやるのだ、こうきまつて、後に開銀にかわつてしまつた開銀はあなたが言つているように、市中銀行に三年の短期なのだ、油送船にしても開銀は三年すえ置きの十年の長期なのだから、だれだつて肩がわりしたい。そこでこれはあなたの方でやつたわけじやないと言うが、するとどこか大蔵省とか運輸省とかの政府の方からこういうようにしてやりなさいということでやつたわけですか。その点どうなんですか。
  83. 岡田豊

    岡田説明員 これは先ほども申し上げましたように、こういうふうにするという話は政府部内で行われて、われわれの方はこの意向を受けてやつたというのが実情でございます。
  84. 横路節雄

    横路委員 そうすると今のお話では、開銀側としては政府部内の意向を受けてやつた、こういうわけですな。そこであなたにお尋ねいたしたいのは、ちよつと私も資料を調べてみたところが、ふに落ちない点がある。あなたも、きようは造船融資についての開銀関係ですから資料をお持ちだと思うのですが、そうすると八次のタンカーについては初め三隻のあと四隻ですから七隻ですな。ところが利子補給法の対象になつておる船は六隻しかないようなんです。この点は、あなたの方は八次のタンカーについてはどこどこが一体利子補給になり、もし八次のタンカーで利子補給を受けていないとするならば、その会社と船の名前はどうなんですか、あなたの方で一覧表をお持ちでございましよう。
  85. 岡田豊

    岡田説明員 今のお話の中に利子補給の対象にならない会社が一社ございます。これは船会社ではございませんで、大協石油という会社がつまり自分の油を運ぶためにタンカーをつくつた。この会社が利子補給の対象から抜けておりますので、今のようなお話が出るのじやないかと思います。
  86. 横路節雄

    横路委員 それでわかりましたが、その大協石油に対しての開銀融資は何ぼになつております。
  87. 岡田豊

    岡田説明員 二億九千四百万円でございます。
  88. 横路節雄

    横路委員 わかりました。  それでは次に私は海運局長お尋ねしますが、今のお話のように八次のタンカーについては、当初これは全部市中銀行あるいは全部自己融資だというふうになつてつたのにいつの間にか、これをお話のように政府部内から強い要請があつて開銀に肩がわりをした、こういうわけなんですが、その間のいきさつはどうなつておりますか。
  89. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 二十七年度の建造計画における当初のタンカーの建造量の予定は四隻でございました。当初タンカー市況が非常によかつたものですから、もう財政資金をつけないでやろうということで出発をしたのでございます。ところが財政資金をつけないで出発したものでございますから、従つて船主の選定は市中銀行に主としてやつてもらいたいということで、市中銀行の方でいろいろ御相談になつて、当初の三隻だけはだれが見ても異論がないというので三隻だけやつて、あと一隻だけは、これはなかなかきめるのがむずかしいから少し延ばそうじやないかというので延ばしておる間に、選挙があつたわけです。従つて選挙の前あるいは選挙の途中においてその船主を選考するといろいろな疑惑が起る、従つてすつかり選挙が済んでからやろうじやないかというので、選挙が済んだ後にやつた、ところがその一隻に対しまして相当の会社が申し込んでおる。そのうち四隻——隻に対してあと四隻をきめたのですが、四隻については大体似たり寄つたりで、できればこれは全部つくらせたい、こういうよ「うな意向で、私の方もなるほど建造計画として四隻五万トンというふうにやつおりますが、多々ますます弁ずるわけです。資金的にまかない得るならば少しでもたくさんつくりたい、こういう非常に強い考えがあつたわけです。そうして市中銀行と私ども相談しましたところが、市中銀行としては——その当時におきましても財政資金について一定のわくを見ますると同時に、市中資金についても一定のわく的なものを年度の初めにきめまして、“そうして日本銀行に話をし、市中銀行に話をして、大体本年度は新造船にはこれだけの市中資金を使うという了解を得て済んでいたのでありますが、ところが船の隻数が多くなりますと、それだけ市中の金をたくさん使わなければならない。だから市中銀行としては、そのタンカーの隻数をふやす場合には、市中の金なり負担をできるだけ少くする方法を講じてもらわなくちやならない、こういう非常に強い要求があつた。市中銀行の出す金を少くする方法といえば財政資金を一部出すよりしかたがない。そこで二割程度の財政資金が出るかどうかということを大蔵省の方に相談しましたところ、二割程度のものはいろいろの資金の差繰りその他で出せる、こういうことになつたものですから、あとからつくる四そうについて二割出す。そうすると先ほど開銀の方から話がありましたように、前につくつたものと非常に不均衡ができる。そこで前につくつた、全額市中でつくる計画で出発したものについても二割だけは肩がわりにしてやろう、こういうのでやつたわけでございま“す。その間いろいろの臆測なり何なりが行われているようでありますが、私どもの進みました考えは、一に財政資金なり市中資金の都合がつく限り、少しでもたくさんつくりたいという意図から出発したのでございます。
  90. 横路節雄

    横路委員 財政資金のつく限りめん蹟どうを見てやるということは、私は必ずしも行政上の措置としては不当だとは思わない。しかし今のお話でなるほどそうであろうなということが一つわかりました。この決定はいつなされた本ものであるか。今海運局長の御答弁で、二十七年秋の選挙が終つてからなされている。二十七年秋の選挙には、御承知のように飯野海運、三菱海運からある政党に献金されているのです。そうして飯野海運は二十七年九月の株主に対する配当が四割で、二十七年の利益は十四億一千七百四十八万円であることも明らかである。同じタンカー会社の三菱海運は二十七年の配当は三割、利益は合計五億六千六百万円。日東商船にして二十七年の九月、三割五分の配当で約四億。こういうように高率の配当をし、これだけの利益をあげている会社に対して、なぜ市中銀行は——市中銀行は三年短期なんですから、こういう会社こそ、市中銀行に対する短期融資を皆済して、やや困難だと思われる会社に対して開銀に対する肩がわりをやるのが、開銀として当然な措置だ。莫大な利益をあげて、莫大な株主配当をやつているところに、一体なぜ三年すえ置き、十年長期というような、この大切な財政資金の肩がわりをしたのか。今世間でうわさされているように、この間の、取扱いかどうか知らぬが、二十八年の四月の選挙には飯野海運を中心にしたタンカー協会から海運造船議員連盟にそれぞれ献金をされていることは明らかなんです。これははつきり新聞に出ているので、受取つた人は受取つた、選挙に使つた言つている。こういうところに非常な疑義を持たれる。岡田さん、そうでないですか。私がその点言うだろうと思つて前もつて話があつたけれども、どうもその点はなはだ了解ができない。こういうように四割の株主配当をし、莫大な利潤をあげている日東商船、三菱海運、飯野海運なんですから、どうしてわざわざ開銀の肩がわりをおやりになつたのか。しかも開銀としてはあなたの方の要請でやつたという。これはどういう根拠に基いておやりになつたの。この点が非常な疑惑になつているのです。現にタンカー協会から海運造船議員連盟に相当の金が献金されている。受取つた者が、受取つて選挙に使つたと率直に言つている。こういうことをなぜおやりになつたのか。
  91. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 タンカーの建造隻数をふやして財政資金を二割つける。これは選挙が済むまで全然そういう話は起つておりません。選挙が済んで、しからはあとのタンカーをどうして建造するかということを運輸省と市中銀行が相談して、初めて四隻つくろうじやないか。四隻つくるには市中はそれだけ金が出せない。従つてその出せない分を財政資金で出してもらいたいということで、そのときに初めて話が出たのです。従いまして選挙とタンカーについて財政資金を二割出すということについては、全然関係がないのです。飯野、日東等が配当をしているじやないかということでありますが、飯野、日東それから三菱海運等、当時タンカー市況はようございましたから相当の利益をあげております。その利益はすべて償却にまわし、銀行からの借入金に充てると同時に、将来の増資のために配当をしているわけです。これは飯野海運あたりいろいろ問題になりますが、配当に使つた金と増資のために集めて来た金とを比較していただきますと、飯野あたりが増資のためにどのくらい使つておりますか、三億か四億、あるいは多くて五億足らずかと思いますが、増資で集めたやつは三十億である。従いまして不当に配当したからけしからぬというのではなくて、その配当の目的というものを見ていただきたい。ともかく船をつくります場合に、市中銀行に対しているくの御批判があるようですが、このたび金を出していただかなければならぬ。市中銀行からその金を出すためには、相当一その会社は利益を上げておつても、新造船全体としてこれだけの金が出る。これ以上出されちや市中銀行としては耐えられぬ。従つて今年度の市中銀行として出す金のわくはこの程度にとどめてもらいたい。これは非常に強い要請である。私ども市中銀行に非常に無理を言つておりますので、できるだけ市中銀行の要請に沿つて、もし財政資金が出せるものならば出すようにしよう、こういうことでその都度大蔵省と交渉してやつているわけでございます。
  92. 横路節雄

    横路委員 まだ銀行局の方は来ておりませんか。それじや海運局長お尋ねしますが、タンカーについて財政資金の二割を出すということをきめたのはいつの閣議ですか。
  93. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 閣議の日取りは覚えませんが、村上大臣のときでございますから、今の石井運輸大臣が大臣におなりになつたのは十一月の初めじやないかと思います。従いまして十月の終りごろじやなかつたかと存じます。
  94. 横路節雄

    横路委員 そうすると、大体私たちが聞いていることと話が一つになるわけで、大体私どもの聞いているところでは十月一日の選挙が終りまして、十月十日の閣議でこのことが決定をされて、開銀の方へぜひ二割を肩がわりをしてもらいたい、こういうことになつているというのですが、この点はただいま海運局長からお話がございました。しかしこの点はなお銀行局長からも私は二十七年の十月十日の閣議でこれが決定されているものと思うのでありますが、閣議で決定されていることは明かになりましたので、その日にち等についてはさらにあとで正確なところをお話していただきたいと思うのであります。  そこで委員長、実は私先ほど関連質問で申し上げましたが、私は今日は特に決算にこの問題について出していただいたのですが、私は予算委員長に正式に資料を要求したなぜならば九次前期の船を割当てる場合の開銀の強い要請は、五次、六次の償還期の来ている船会社償還をしておらないもDはやれない。いわゆる信用資産能力、それから償還が順調に行われているかどうか、これを私は当然予算委員会質問をし、この点開銀理事松田さんからそのときは答弁がありませんでしたので、さらに重ねて委員長を通して資料を要求し、私のところにこうして正式に資料が来ている。それを私は持つている。これは決して個人的ではない。私はたとえば運輸省の海運局から資料をもらう場合でも、私が何か言つて資料をもらつて私が発表したら、私にそれを出した方が上司からあるいは譴責を受けるかもしれない。そういうことでは困りますので、私はいつでも委員長を通して受けた公式の資料で発表している。私がこの資料をなぜここで発表していけないでしようか。ここには明かに五次の船について、六次の船について、さらにいわゆる改造船について、それぞれわけて、それぞれの船会社と、一体何ぼ今納めなければならないものを延長しているかという金額が出ているのですが、これを先ほど開銀の方が、私個人によこしたんだと言うことは、私としては了解できないのですが、しかしなおあなたの立場もあるでしようから、開銀の方から正式に委員長を通して私のところに来た資料で、私がこの点について公表し、聞くことについてなぜあなたは拒否をなさるのですか。先ほど私は、それはあなた個人にやつたからうまくないのだというようなお話がありました。これはちよつと了解ができません……。
  95. 安井大吉

    安井委員長代理 ちよつと申し上げます。横路委員及び杉村委員からお話のありました資料の問題は銀行局長開銀より相談を受けて、これを出す出さないについての決定がありやいなやを伺いたいと思いましたが、河野銀行局長は今参議院の大蔵委員会に行つております。出席ちよつと不可能であります。従いまして、この提出の問題は、委員会で一たびきめた問題でありますから、開銀及び大蔵省関係について後刻理事会を開いて、これに対する決定をいたしたい、こういうように考え、そうすることが正しい道である。また開銀の方といたしましては、この問題を大蔵省協議したというのであるが、その協議の程度がどういう程度であるかも判明いたしません。銀行局長出席もありませんから、この問題だけあとにまわしていただきたい。
  96. 横路節雄

    横路委員 委員長からそういうお話なんですが、私はこれはどこでも公表して、どなたからも責任は追究されないのです。なぜならば、私は正式に他の委員会において、その委員会に所属する委員として、開発銀行委員長を通して要求していただいた資料なんですから、あなたはもつと率直に——あなたがそういうように躊躇なさるから委員長はそういう取扱いをなさるのです。まずあなたのお考えを——委員長たいへん恐縮ですが、こちらの方が非常にがんばるので、与党の委員長としても当然だろうと思いますが、私は今ここで新聞社の方に、これはいただいた貸料なんですから公表しますよといつて、お見せしたつて何でもない資料なんです。もし何でもあるとしたら、それならば開発銀行が第八次、第九次の前期後期の割当をするときに、五次、八次の償還について順調に行つていない、金を返してないものについて、開発銀行は割当をしたなんと言う。この間三月八日の朝日新聞に出ているように、開銀理事松田さんが東京地検に任意出頭を命ぜられて、そうして、有田二郎君が東西汽船の船を名村造船に割当てたからといつて、お礼と称するものをふろしき包に入れて持つてつて新聞の報道にある五十万円とおぼしきものを持つて松田さんのところへ行つた松田さんは断つた松田さん任意出頭で呼ばれた、松田さんの態度は非常にりつぱであつた、それで見ると何か開銀というものは絶大な権限を持つておるように思うわけです。もしもあなたの方で五次、六次を発表されては困るのだといわれると、ははあ開銀では五次、六次の償還がされていいものを九次の前期、後期にやつたではないか、こうなるのです。疑惑は深まる一方ですから、あなたはそはここで公表してさしつかえございませんと言つたらどうですか。私はちやんと資料を持つておるのですから……。
  97. 安井大吉

    安井委員長代理 説明員に申し上げますが、さつきあなたはこれは私の考えですがと、こういうお話があつたのですが、銀行の方でさように決定して公式に大蔵省へ話すか、あるいはここの決算委員長に対して公式にこの提出は拒否する、こういうことに決定したものをあなたが説明したのか、そこを明らかにしないと非常に紛糾いたします。
  98. 竹俣高敏

    竹俣説明員 正式に拒否すると決定はいたしておりませんけれども、先ほど申し上げましたように、銀行の立場から申しますと、できればお許し願いたい、こういうふうに申し上げたのでございます。そこで申し上げますが、ほかの銀行と違いまして、長期の資金、十年、十五年という長い間には、お取引先にかぜをひく者も出ればあるいは腹をこわす者も出て来る、それをそのときにこれこれの会社延滞しておるということを申し上げますれば、その会社信用的に大きなマイナスのレッテルを張られまして、普通ならばつぶれないで済むものもつぶれてしまうということをわれわれ銀行業者としておそれるのでございます。これは何も船会社に対して申し上げているのではなくて、銀行取引全体について申し上げておりますことですが、そのことと、もう一つは開発銀行それ自身が、先ほど申し上げましたように、営業の内容にかなり立入りましてお教えを申し上げております。それは銀行取引は信用を主にしておりますが、われわれを信用していただいて、もしそれが教えていただけないということになりますと、今度は開発銀行機能が十分に果せなくなるのではないか、(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)それは銀行業者にお聞きになりますれば、それはだれでも主張いたすであろうと思います。
  99. 横路節雄

    横路委員 私は了解しないのです。さらに私はあなたがそういうふうに言うから、衆議院の大蔵委員会の要求資料として、ことしの二月の二十二日に大蔵省から大蔵委員会に配付された資料がある、外航船建造融資利子補給及び損失補償法の対象として、日本開発銀行計画造船融資に関する説明書、これは一つ一つ全部船会社について、第六次以降について、いつ償還されてこれを見ても全然払つていないのだ、利子まで払つていない、そういう一覧表がここに出ておる、六次、七次、八次、九次について出ておる。あなたはこれを御存じないのではないですか。  そこで私はこのことについて全部調べてみた、そうしたら、もうすでに二十八年の十一月二十八日ごろから償還が始まる、それをちやんと納めていないのに第九次前期、後期に割当てている船を私は全部丹念に調べた。あなたはこういう資料を出しておいて、しかもこの会社については利子を払つてないことを明らかにしておる。それをなぜあなたは第五次の船についてそれほど頑強に拒否なさるのか、だから私が言うように、どうも開発銀行はおかしいぞ、よほどこれはひとつ徹底的に話をしてみなければならぬ、なぜ一体一方の大蔵委員会へ出したのですか。払つてない利子も詳細に全部書いてある、それを予算委員会にも出しており、大蔵委員会にも出しておる、なぜ一体それを決算委員会へ出すことを拒否なさるのか。
  100. 安井大吉

    安井委員長代理 ちよつと申し上げますが、竹俣説明員ちよつとお待ちください。この前は松田理事が出ておる。きようは審査部長である。資料提出を要求したときと人が違つておる、ことに非常に希望意見が多い、そこで出すか出さぬか決定してくれということを言つておる。またあなたの話を聞くと決定の程度に至つていないようである。希望意見をやめて今相談中なら相談中、出すならいつ幾日ごろまでに出す、そういうように簡明にお答え願います。
  101. 竹俣高敏

    竹俣説明員 大蔵御当局お話合いを進めておりますが、なるべく近い機会に正式に申し上げるようにいたします。
  102. 横路節雄

    横路委員 あなたはこの読売新聞の「開銀造船融資秘密、一千億の明細、利息さえ一文も還らず」この内容は岡田海運局長から、これはうそだということをこの間予算委員会で話があつた、読売のこれはでたらめだという答弁があつた、非常に海運業界に与える影響は甚大だ、(「これはうそだ」と呼ぶ者あり)そこで私はそのうそかどうかはこれはわからぬとして、この大蔵委員会の出した資料ほんとうでしような。この点あなたにお尋ねしておきます。
  103. 竹俣高敏

    竹俣説明員 正式に資料としてお出しいたしましたものは正確であります。
  104. 横路節雄

    横路委員 それではあなたにお尋ねいたしますが、開銀造船融資秘密として、この読売に出ているものは私はこれは正確だと思う。なぜ正確かというと、これは大した問題でないのだから、たとえば何々汽船会社が利子補給を受ける場合の船は何隻開銀から融資された船の数は何隻、昭和二十八年十二月末の残高が幾ら、この残高幾らということは、これはすでに予算委員会にあなたの方から資料が全部出ておるのです。これは否定できない。今ここに持つて来ていますが、日本開発銀行貸付残高一億以上ということが出ているが、これは間違いないと思う。なおこの点について利子は払つてないようになつているのだから利子が払つてないことも事実である。この点については、残高中の利子というものもここにある。これは実に重要な資料だと思う。あなたはこれをまず根本的に正しいと思うのか、それとも大方は正しいと思うのか、まるつきり正しくないと言うのか、大まかなところをひとつ御答弁をいただきたい。
  105. 竹俣高敏

    竹俣説明員 間違つていると思います。それはたとえば利子云々のお話がございましたが、これは元加分でございまして、最初からの契約によつて利息を元金に加えて行くという契約がかつてつたそうでございます。これを開発銀行が引継ぎましてからは、どうもそういう方法は金融の見方からすれば穏当でないだろうということで、それを改めて元加的な制度をやめております。しかし前にそういう契約でやつたものはそのまま受継いでおりますので、そういうような言い方が出て来たかと思います。
  106. 安井大吉

    安井委員長代理 横路君、大分長くなつていますから……。
  107. 横路節雄

    横路委員 これは非常に重要ですから、あと一、二点……。  あなたは元加分については前はそういうことがあつたが今はやらないと言うが、今というのは船についていえば、いつから元加分はやらないのですか。
  108. 竹俣高敏

    竹俣説明員 正確には岡田総務部次長からお答え申し上げます。
  109. 岡田豊

    岡田説明員 元加は見返り資金時代にやつたものでございまして、私の方がやりましたのは九次からでございますから、八次の船まで元加ということをやつております。それで昨年十二月末の統計では、その利息は元加をやつたもの、それからわれわれの方で貸したもので元加をしないもの、それらを合せまして、海運業者から利息が、パーセンテージで申し上げますと、九五・六%入つております。
  110. 横路節雄

    横路委員 今のお話では八次まで元加分を認めたというのですから——大体大蔵委員会に出された資料についても八次まで元加分があるわけです。ですから読売新聞の記事はあなたは間違いだと言うが、まるつきりうそだとは言えないわけですね。これは八次まではそういう契約をしたのだから。私たちは開発銀行の今のお話を聞いても、開発銀行がこれなればこそ、飯野海運その他のタンカー協会が莫大な金を使つてもいいわけだと思う。八次までは利子を全部元金に繰入れて行つて払わなくてもいいのだから。しかしこれはどえらいことを開銀はやつていたものです。——あなたの方で私に言うことがあつたら、ちやんと資料などを持つて来て言つたらいい。隠すことだけは隠して、片方の都合のいいことだけは言うというようなやり方では、これは話にならないわけです。そこで私も次の質問者にお譲りしますが、先ほどからはつきりしない点は、六分五厘を三分五厘にした、その三分についていまだにはつきりしない。これは莫大な金額ですよ。この開発銀行の年三分に対してはまだ大蔵省と明確な話合いをしていない。それから今のお話で非常に重要な点は、一年間を限つている、そうして収支がとんとんになつたらもらう、ほんとうにその通りかどうか。これは利子補給法における市中銀行の場合と大分違う。その点は開銀からそういう御答弁があつたからこれは非常に重大だと思うのであります。  それからもう一つはこの五次については、きようは決算ですから、私は別に他の委員会でとつた資料について他の委員として発表することについては、それは当該委員長の御承諾を得てとつた資料でございますから、私は何ら拘束されるものではないのです。  なお岡田海運局長からは先ほど言われたいわゆる第八次のタンカーの分につきましては、これは銀行局長とあわせてその点がどうなつておるか、その点を明確にしていただきたいと思うのであります。  まだいろいろお聞きしたい点もございますけれども、あとの方にお譲りします。なお私の質問にお答えがありましたらまたそのときに御質問申し上げたいと思います。
  111. 竹俣高敏

    竹俣説明員 ただいまのお話の中で、開発銀行ほんとう責任をもちまして開発銀行の判断を入れまして造船融資をいたしましたものは、九次の前期及び後期でございますので、その前の分について、たとえば条件の一つに元加契約をやつたということは、それの債権をお引受けしたわけでございますから、それを責めていただきますと非常に弱るわけでございます。私どもの力の及ばなかつたときのことでございます。
  112. 横路節雄

    横路委員 私は今の質問でやめようと思つたのですが、ああいう答弁がありましたから申しますが、読売新聞の記事は十二月末の残高言つておる。だからあなたが御指摘のように、見返り資金を引継いだものがこの中に入つておることは百も承知なんです。しかし少くとも八次船までは利子を払わないで、それを全部元金に繰入れて行くという制度をとつていたということは、まつた岡田海運局長のどえらい政治力で日本の海運界がこういう財政資金を受けていたものだと思う。そういう意味で私は読売新聞の記事は、あなたの責任ではないけれども、しかし八次船までは利子を払わないで元に入れたということは、これは正しいということを私は認めて、これで一応私の質問を終ります。
  113. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 今のことについて弁明さしていただきたいと思います。私先日予算総会でこの読売新聞の記事について答弁をいたしました関係上、ちよつと弁明さしていただきます。それはこの表題を見ていただきましても、「一千億の明細利息さえ一文も還らず」こうありますが、先ほどお話のありましたように九五・六%は払つておるわけです。ここに書いてあります利息は、契約上当然認められた利息でございまして、返さなくてもよくて元加されることが許されておるものでございますから、私はこの読売の記事は大きな誤りであり、世人を惑わすものであるということをもう一度述べさしていただきます。  それから元加を認めたのはけしからぬじやないかということですが、これは占領当時において、あれほどやかましい占領軍でさえ、海事金融というものは長期のものであり、しかも建造中の金利はすえ置くのが当然であるというふうな、非常にものわかりのいい考えでやつてくれたのです。日本海運にあれほど強く当つてつた占領軍でさえ、この海事金融の性格を理解してこういう条件をつけてくれたわけでございますから、もし日本の海運を復興させるという意味において海事金融を考えていただくならば、こういう制度は必ずしも不当ではないのではないか、こういうことを弁明さしていただきたいと存じます。
  114. 杉村沖治郎

    杉村委員 今の見返り資金に関する読売新聞の記事はうそだということについて関連して伺いますが、旭海運のあまぞん丸に貸しておる金ですが、これは昭和二十五年の三月二十四日に貸しつけておる。これは利子も何も払つていないと思うがどうですか。以下たくさんありますから、みんなここで発表して——船会社も船の名前もあるから、それをひとつ聞いてみたいと思う。
  115. 酒井俊彦

    酒井説明員 ただいまの旭海運のあまぞん丸でございますが、これは五次船だと思います。それで貸付額が一億四千五百九十七万円に対して見返り資金時代に六百二万五千円の利息を入れております。ほかに契約によりまして、二年間の元加が千四百六十九万七千円でございます。もつともただいまのは見返り資金が締まるまでの計算でございます。
  116. 杉村沖治郎

    杉村委員 私のは見返り資金じやなくて昭和二十八年の十二月末日現在においてです。ひとつ答えてもらいたい。
  117. 酒井俊彦

    酒井説明員 私は見返り資金時代の数字だけしか持つておりませんので、他に適当な方からお願いいたします。
  118. 杉村沖治郎

    杉村委員 それでは開銀から答えてください。
  119. 岡田豊

    岡田説明員 今たまたま会社資料を持ち合せておりませんけれども、今大蔵省からお話がございましたように、元加を計算しておりますから、多分その数字であろうと思います。
  120. 杉村沖治郎

    杉村委員 きようは全部聞こうと思つて来たんだが、あなた方はきようは造船の貸出し関係について来ておるのに、いやに持たせぶりをして答えないが、はなはだ私は不都合だと思う。われわれ決算委員会は、国民血税船会社に貸した金がどれくらい返つておるか、どういうことになつておるかということを調べることが仕事なんです。日本開発銀行は普通の金もうけ会社とは違うのですよ。それにもかかわらずもう第一の質問から答えられぬ。はなはだ不都合千万だと思う。しかたがないからこの程度で、あとは総裁、運輸大臣、大蔵大臣の来るときまで質問を留保しておきます。
  121. 安井大吉

    安井委員長代理 吉田賢一君。
  122. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 造船融資につきまして、特に財政資金の融資総額あるいは残高、元加金も含んだもの、そういつた数字につきまして、とかく新聞、雑誌等にいろいろな報道がありますので、はしなくも当委員会におきましても前会来いろいろその点について質問があつたのでありますが、資料が正確に出ず、きようまたいろいろな説明がありましたけれどもはつきりいたしません。やはりこの数字は基本的に相当明確にしておくことが必要であろうと思いますので、特に財政融資の面につきましては、きようは開銀も検査院も大蔵省もあるいは運輸省もみな見えておるのでありますから、可能な範囲においてきようの機会にできるだけ明確にしておきたいと思います。それでまだ発言がありませんから、その方面から検査院の方に伺つてみたいと思います。  われわれは計画造船財政融資の総数をつかむ意味におきまして、まず第一に一次ないし四次の融資の実施——これはずいぶん古い復金時代のことでありますので、帳簿その他の関係もあろうかと思いますから都合によりまして残額でもいいと思います。当初の融資額もしくは最近、でき得るならば昭和二十九年の二月末現在、今までは、去年の十二月末ということが相当会計検査院からも述べられておりましたけれども、やはり本年に入りまして、時期到来した分も大分あるのでありますから、できますならば本年二月末現在の残額、及びこれに対しまして延長を認める処置をとつたものとしからざるもの、これだけをまず一括して御説明を願いたいと思います。
  123. 大沢実

    ○大沢会計検査院説明員 計画造船融資金額は、この委員会の席上でもいろいろと数字が出まして、新聞にも出ますので、会計検査院といたしましても正確な数字を把握する必要があるというので、特にこの三月になりましてから開発銀行の帳簿につきまして最近の数字を調べ上げました。その結果を一応御報告申し上げます。但しお断りしておきますが、一次から四次までのいわゆる復金時代の融資で完済されましたものは、その帳簿、書類も別に整理されておりますので、倉庫の中まで行つて調べるのはどうかと思いまして、それは現在の融資残高が残つている分だけを調べ上げました。五次から九次までの分は、計画造船百九十八隻の全部に、開発銀行が多かれ少かれ関与しておりますので、その開発銀行融資総額というものがわかるわけでございます。
  124. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 御発言の途中ですけれども、今一次ないし四次と申しましたが、五次以降も逐次お述べ願いましたらけつこうでございます。
  125. 大沢実

    ○大沢会計検査院説明員 現在一次から四次までで融資残高の残つておりますのは一次と二次だけであります。三次、四次はありません。一次の分の融資残高は二十九年二月二十八日現在で一億一千十八万二千円であります。二次の分が同じく二月二十八日現在で一億九百五十二万円、これがいわゆる復金時代の融資残高であります。この分は大体においてもう期限が来ておるのでありますが、一部期限延長を認められたのがありまして、一次の分で言いますと、期限が来ていわゆる延滞になつておる額が一億一千十八万二千円のうち九千七百八十六万円となつております。二次の分は八千二百五十七万円が延滞になつております。以上が一次から四次まででその程度の数字がわかつております。  それから五次から九次まででありますが……。
  126. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 一応五次を聞き、六次を聞くというようにいたしていただきたいと思いますので、私お尋ねいたしますが、五次につきましては、できれば船数も御説明願えばなお適当だろうと思います。  それから融資は、融資の計画と混淆することを避けたいと思いますので、執行した額をひとつお述べ願います。  それからなお延長を認めた分と認めない分につきましては、少々こまかくなりましても明らかにしていただきたいことと、なお元加金の有無につきましても、これもひとつ明確にしておいていただきたいと思います。
  127. 大沢実

    ○大沢会計検査院説明員 数字ばかりで長くなつて恐縮でございますが、逐次申し上げます。  まず五次船、これは御承知の通り五次で計画して、その後七次扱いにした二隻がありますが、いわゆる川南造船所が途中でつぶれたために延びた分であります。この統計は一応七次船の方に入れておりますから、五次船はその二隻を除いた分四十隻であります。これは確かに計画は四十二隻だつたのだと思うのですが、ただいま申し上げましたようなわけで四十隻であります。これに当初融資しました額が百二億二千五百六十二万四千円、これは三年すえ置きでその分が元加されておりますが、一部償還もありまして、二十九年二月二十八日現在の残高が百九億六千百十九万二千円——銭以下の端数は省略させていただきます。このうち期限が到来しましたのが六億六千十五万二千円。これだけが当初の融資契約の条件でありますと期限が到来したことになつておりますが、そのうち先ほどからお話のありましたいわゆる期限延長の手続がとられたもの、これが三億七千二百三十三万二千円で、結局残りの二億八千七百八十二万円というものが二月二十八日現在では延滞ということになつております。しかしながらこれもその後の手続によりまして、期限延長を認められるであろうと思われる数字がこの中には入つておりますので、実際にはずつと減るだろうと思つておりますが、二月二十八日現在で押さえるとそういう数字が出て来ます。これが五次であります。  次は六次船、これは三十五隻、これが当初の融資実行額か百三十二億千六百六十二万七千円、これが元加されまして一部入金がありまして、二月二十八日現在の融資残高が百三十八億八千八百六十一万四千円、このうち当初の契約であれば期限の到来したという額が十五億二千二百三十一万五千円、そのうち期限延長を認められた額が十三億二千八百十一万一千円、残りの一億九千四百二十万三千円が延滞になつております。この数字を申しまして御疑念が出るかと思うのですが、六次の方よりも七次の方が期限到来した額が多いというのはどういうわけかといいますと、六次の分は一部市中銀行融資を肩がわりしたのがありますが、この分は肩がわりしたときは、市中銀行融資条件通りに三年間で償還する、こういう条件で肩がわりしたわけであります。でありますからただいま申しました十五億という期限到来の金額は、その市中銀行の条件通りならば期限が到来したであろうという数字であります。それはすぐあとに普通の見返りの造船融資と同じように、三年すえ置き十五年というように条件を変更されましたので、いわゆる期限延長を認めた十三億という数字の中に入つております。おおむね十一億ほどそういう数字が入つておると思います。以上が六次であります。  それから七次前期、これは三十隻、三十隻と申しますのは、先ほど申しました五次からおりて来たといいますか、二隻加えて三十隻になります。この分か当初融資実行額が百二十六億八千四百八十四万円、これも元加されまして、二月二十八日現在の残高が百三十八億六千二百四万七千円、このうち期限が到来しましたのか二億四百五十一万六千円、この期限到来額のうち延長を認められた額が五千九十五万九千円、残りの一億五千三百五十五万七千円は、二月二十八日現在ではまだ期限延長の措置もとられずに延滞になつている、こういう数字になります。  次に七次後期、これは二十隻、この当初融資実行額は百三億三千六百六万一千円、これは元加されまして二月二十八日現在の残高が百十一億四千七百九十万五千円、この分はまだ期限の到来して来ているものは一隻もございません。  次は八次、八次は三十六隻、当初融資額が百三十四億九千百八十九万円、これも元加されまして、二月二十八日現在の残高が百四十億三千九百四十六万四千円、この分も期限到来はありません。  次は九次前期、これは十二隻、融資実行額が百二億六千五百二十九万円、これが先ほどお話のありました分が元加されておりませんですから、二月二十八日現在の残高も同じ数字であります。百二億六千五百二十九万円であります。この分も期限到来額はありません。  九次後期、これは二十五隻、これは二月二十八日現在ではまだ全部融資されておりません。いわばまだ竣工融資の分が金が出ていないのがありますので、現在までに融資の実行された額は九十三億五千三百六十五万円、この金額そのままが二月二十八日現在残高になつております。
  128. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そこで続いてこれをしめてみたいのですが、五次以下九次後期までの分合計の隻数と、それから当初の予定額を一応知りまして、それから融資の実行額、もしできますればそのうち見返り資金の分と開銀資金の分を区別せられたい。それから本年二月末の元加金を含んだ残額、このうち見返り資金分と開銀資金の分の区別、なおもう一点は、本年二月末償還時期の到来の分、そのうちさつきから問題になつておりました延納を承認した金額と、いまだ承認をしない金額、これらについての御説明を願いたい。
  129. 大沢実

    ○大沢会計検査院説明員 五次から九次まで全部しめますと、隻数は百九十隻になります。この分の当初実行額、先ほど申しましたように、九次の後期はまだ一部残つておるのですが、実際に融資実行した額が七百九十五億七千三百九十八万三千円、その分の八次以前は元加されております。それから一部償還といいますか、二月二十八日現在の残高が、八百三十五億千八百十六万四千円、そのうち二月二十八日までに、当初の条件であれば期限が到来していたという額が、二十三億八千六百九十八万五千円、このうち期限延長を認めた額が十七億五千百四十万三千円、まだ認めていないと申しますか、延滞になつておるのが六億三千五百五十八万千円、こういうことになつておりまして、この融資残高八百三十五億千八百万円を見返り資金と開発資金にわけますと、見返り資金の分が五百六十億六千三百六十八万五千円、それから開発資金の分が二百七十四億五千四百四十七万九千円、合せて八百三十五億千八百十六万四千円が二月二十八日現在の融資残高、こういうことにすべての書類を調べまして計算をはじいたところが、そろばんにもしも誤りがあれば別でありますが、そうでなければこれが正しい数字であろうと思つております。
  130. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 今のは五次を含んだ分でありますが、利子補給の対象になります六次以降の貨物船、七次以降のタンカー、この分についての数字の集計はいかがでございますか。
  131. 大沢実

    ○大沢会計検査院説明員 ただいますぐ出る数字はここに持つておりませんが、役所に帰りますればすぐにはじけますが……。
  132. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それは資料として当委員会にご提出方をおはからい願いたいと思います。  開発の方ヘお伺いいたしますが、今会計検査院がいろいろ御説明になりました財政融資数字でありますが、これにつきまして何か御意見なり御異存はありますか、ありましたら伺いたい。
  133. 竹俣高敏

    竹俣説明員 特別にございません。
  134. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 数字は正確ですか。
  135. 竹俣高敏

    竹俣説明員 実は私手もとに数字を持つておりませんのではつきりしたことは申し上げられません。しかし会計検査院がきちんとお調べになつたのでございましようから、いいかげんな数字はおつしやつていないと思います。
  136. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 運輸省の方はいかがですか。
  137. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 私も数字を当つたわけじやございませんけれども、会計検査院のお述べになつた数字は正しいものかと推定いたします。
  138. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それから開発の方に伺いたいのです。さつきから問題になつておりました数字会社名を発表するかいなやの点であります。これは私からもぜひあなたの方になお一点確かめておかなくちやならない。御承知の通りに国の財政資金で補助を受けたり、あるいは直接融資を受けたり、何らか国の予算が流れて行きます対象に対しまして、たとえば今の船会社の場合であれば、船会社の支払うべき利息が何ほどか軽減せられる。軽減の内容は、国の財政の金がそれに補給せられる、そういうことになるのでありますから、国の財政資金の補給の結果は船会社が利益を得る。さような場合には当然これは会計検査院も内容を調査する権限があると思います。新聞に伝うるところによりますと、会計検査院はすでに協立汽船の調査を開始しておられるらしい。われわれも先般来船会社に対する調査要望を当委員会にしたぐらいなんです。そこで検査院が調査なさる対象に対しましては、同時に決算委員会はその職権におきまして国政調査対象となし得るのであります。これは御承知だろうと思いますけれども、会計検査院法及び国会法などを御参照くださればそうなつております。でありますからあなたの方が世論を気にしたり経済の何らかの影響を気にするというようなことは、これはあなたの方の御意思の内輪のことである。やはり国会といたしましては国政調査の権限の行使ができますので、当委員会に対しましては、内部事情はどうあるにかかわらず、当然要求に応ぜなければならぬ義務があるわけであります。御承知でなければ今申し上げましたような趣旨におきまして、当然これは応じなければなりませんが、その点についていかかでしよう、そういう事情になつております。だんだんと論議がお互いにされておりましたけれども、これはもう一議はないのであります。内部の事情いかんにかかわらず、当委員会の請求に応じなければならぬ義務があります。いかがでしようか。
  139. 大上司

    ○大上委員 関連して。吉田委員のただいまの発言でございますが、ごもつともでございます。田中委員長が御欠席なさつて、私が委嘱を受けまして、代理委員長を相勤めました折に、その質問が出まして、開銀松田説明員から言えるとか言えないとかいう話があり、皆さんも国会法にのつとつてお尋ねして、出してくれということを本委員会で結論をつけたのです。そこで委員会終了後出したものだろうか云々の説明が今ありましたが、当時は私でございます。私としては開銀の方へ、これは大蔵省に相談しなさい、当然大蔵省があなたの方の検査をしておる、あるいは決算委員会の藤田委員の方からは、開発銀行に対する業務命令云々という問題まで出たのだから、よく指揮を仰ぐのがよいでしよう、委員長としては大蔵省に相談なさるのがいいであろう、こういうことを申し上げておいたのです。そこで大蔵省の方からは主管課長が、こういう話があるがということであつたのですが、それについて私の返事は、私のついておる間はいわゆる般会計検査の批難事項ニ千件を二十六年、七年両年度並行してやつて行くから、造船の問題は委員長も来られて、委員長も必ずや御同様におやりになるから、とにかくよく委員長と相談をしておくということで今日まで来たのであります。従つて私として思い当る節があるのは、そういうことを決して命令的に言つたわけではない、大蔵省によく相談しなさいと言うたのは事実です。大蔵省に対しては、田中委員長が必ず出席なさるはずだから、委員長とよく相談して善処しましようということにしておきましたので、委員の諸君誤解があつたらいけませんから、一言付言をしておきます。
  140. 竹俣高敏

    竹俣説明員 繰返して申し上げるようではなはだ恐縮でありますが、船会社は運転資金を非常に必要とするのでございますが、もし信用に影響がございますと市中がお締めになる。締めますと開発銀行の債権まで危うくなるというような事態も出て参りますので、そういつた点で躊躇——しかし国会の皆さんは国政調査権を無制限にお持ちでいらつしやいますから、それを拒否することはできないけれども、事情をお話すればお許し願えるのじやないか、こういうことであります。
  141. 大上司

    ○大上委員 ただいまの問題ですが、当然開発銀行としても本委員会資料を提出すべきだと思います。たまたま本委員会において天野委員質問なさつたについて、開発銀行説明の中には、開発銀行の操業について銀行はなかなか意見を言えないのだ、もしも言うとなると銀行から爪はじきされるとか云々の言葉がありましたが、これは私はもつてのほかではなかろうかと思います。これは営利銀行じやないんですから、われわれ国民の代表がその資本金も与えれば運営もさしておるのだから、普通の一般銀行のような観念でこれを扱われてはわれわれはたまつたものじやない、国民はたまつたものじやないんだから、その点私はあらためて、意思表示をしておきます。
  142. 柴田義男

    ○柴田委員 関連して。何か審査部長さん、御自分の主観で、誤つておるんじやないかと私は考えます。前の委員会松田理事が、出席の場合に、ここで逐一説明することは対外的な信用を保持する会社に対して悪いから、ここで一々の発表はできない、だが資料としては提示するというようなことにわれわれは了承しておつたのです。私の想像では、すでに委員長の手元へ詳細な資料が来ているんじやないか、それを調査員の荻野君がりつぱな袋に入れて封印をして持つておるはずだと私は了承しておるのです。それで私どもはそれをなぜ一刻も早く提示しないか、てその提示を要求したはずです。まだ委員長の命令がないからこれは委員会に提示できないということを理事会の席上で言つているのです。荻野君はきようはどこかに出張しておるようですが、完全にその資料を持つておる。ただ委員長の命令によつて出し得ないでいるとわれわれは聞いておる。本日は委員長がおられればその点を承りたかつたのでありますが、不幸にして中座されたので、その点を承りかねておりますが、われわれはそういうことに了承しておるんですが、何かはき違えているんじやありませんか。もう一度……。
  143. 安井大吉

    安井委員長代理 竹俣説明員から、先ほど大蔵省協議中であるということでありまして、その希望は一応やめてくれ、前にきまつていることだから、出すように大蔵省と相談する、こういう答弁がありましたから、それでひとつ大蔵省の返事を聞くことにしますが、大蔵省答えできますか。
  144. 大月高

    ○大月説明員 ただいまの点につきましては、この前の当委員会の結果を松田理事から報告を受けまして、どうしたものであろうかという相談を受けたわけであります。内部で相談いたしました結果、この件は、延滞につきましては相手の船会社信用にも関係することであるので、公の——公と申しますのは正式に、ここで申しますれば、速記をとつて発言をすることはできるだけ御遠慮する方がいい、しかし秘密会としてお許し願えればぜひ秘密会の席上で資料を一切お出しして説明したらよかろう、こういうことでありまして、その次に開かれる当委員会の席上で、大蔵省としてもその意向を述べて、御了承を得て、ここで発表しようかと思つてつたわけであります。その事前の手続といたしましては、先ほど大上委員からお話がありましたように、こういう事情になつておるから、ぜひおとりはからい願いたいということをお頼みいたしてございまして、この委員会がその次の機会に当りますので、委員会の御要求がございますならば、ここでできれば秘密会にしていただいて、公表さしていただければけつこうだと思います。
  145. 安井大吉

    安井委員長代理 その当時の大上委員長もう一ぺん……。
  146. 大上司

    ○大上委員 せつかく委員長から御指名がありましたから、再び申し上げます。ただいま大月課長がおつしやつたのが事実でございます。なろうことなら秘密会という申入れがありましたが、さいぜん申し上げます通り、特に次の議題がいわゆる一般の会計検査院の批難事項をやろうということで、理事会が一致しておりましたので、新しく委員長病気がなおつてから議題として出そう、こういうことを決定いたしましたから、これはどちらも手落ちがないと思います。
  147. 柴田義男

    ○柴田委員 大上委員のことはそれでわれわれも了承しているんですが、ただ、今の銀行局の課長の御答弁ですが、私どもどうしても納得できぬことは、予算委員会にはちやんと横路委員が持つているような資料が出される場合には、大蔵当局と相談せずに出されたのが、われわれの決算委員会から要求があつたときに限つて大蔵省と相談をしなければならぬ、この点われわれは非常に了承に苦しむ。あるいは大蔵委員会に——私も大蔵委員の一人であつて、大蔵委員会には堂々と資料を提示されて、われわれはもらつておる。そのほかにも私は興業銀行のものもあれば、長期信用銀行のものもある。これらの一切の資料を整えて、ともかく造船問題はこれを一切まとめて質問したい。きようは開発銀行の問題を質疑しよう、こういう覚悟で私どもあらゆる角度から資料を整えておるのだが、ひとり今出席開発銀行審査部長に限つて、何か奥歯に物がはさまつておるような言い方をやつておる。これがどうしてもわれわれは了承ができないのでありまするが、他の委員会に対しては提示し、当決算委員会に対してのみ大蔵省といろいろなことを御相談しなければならぬということは、いかなる理由であるのか、その点を承りたいと思います。
  148. 大月高

    ○大月説明員 大蔵省の見解は先ほど申し上げました通りでございまして、別に相談なしで延滞の具体的な数字——合計は明らかに出ておるかもしれませんが、どの会社のどの船についてどうという資料は出ておるとは存じておりません。
  149. 杉村沖治郎

    杉村委員 私はこれ以上は聞きません。聞く前に一つ答えを願いたいのは、今開発銀行から来て答えをした人は、あなた個人とかなんとかということじやなくて、あなたが今日ここで供述なさつたことは、開発銀行を代表してなさつておるのだろうと思いますが、その点間違いあるかないか。それから大蔵省の総務課長ですか、あなたが答えておることは、大蔵大臣が責任をもつた答え思つてさしつかえないことであるかどうか。それをまず伺つておきたい。今のことについて、両方とも個人的なことでは答えにならぬ。
  150. 大月高

    ○大月説明員 大蔵省といたしましては、私が上司と御相談申し上げてこの結論を出したわけでございますので、大蔵省の見解と考えていただいてけつこうでございます。
  151. 竹俣高敏

    竹俣説明員 ただいま政府委員のお答えになられたと同じように、私どもも役員と相談いたしまして、申し上げておるわけでございます。
  152. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると、この昭和二十九年三月一日月曜日の決算委員会におけるところの松田理事の供述と、本日お見えになつたあなたの供述とは違うが、それは開発銀行はその後に意見が違つたのかどうか。
  153. 竹俣高敏

    竹俣説明員 前に松田理事が申し上げましたときには、皆様に御発言が多くて、全会一致で出せと言われて、ただ黙つて閉口しておつたわけでございます。しかし先ほど大上委員から申されましたように、監督官庁としての大蔵省と御相談をして対処したい、こういうように考えます。
  154. 杉村沖治郎

    杉村委員 あなた、そんないいかげんなことを言つてはいけないんだ。松田説明員はこういうことを答えている。「実は今日その関係の——正直に申し上げまして、どういう関係か存じませんで呼ばれまして、そういうことを申し上げるのはまことに失礼なんですが、今日その関係資料を持ち合せておりませんので……。」こういうことを言つている。それで最初秘密会なら……というふうにあなたと同じようなことを言つておる。そこで秘密会の必要がないからと言われたので、それではこの次に資料も出します、発表もしますということを答えておる。ところがあなたの今日言うのは全然違うのだが、今日は違つた答えをしろと言われて来たんですか。
  155. 竹俣高敏

    竹俣説明員 杉村委員のおつしやいますことは一応ごもつともなのでございますが、そのとき私もお供してわきにおりましたので、よく存じておりますが、物理的には資料を持つて来ていないということも一つの理由であつて、喜んでお答えしたいというふうに申し上げたはずではないと私は思います。そういうふうに了解いたします。
  156. 杉村沖治郎

    杉村委員 あなたは決算委員会というのを何と思つているのですか。あなたの方の決算もやはり当決算委員会に承認を求めておるのですよ。予算、決算をあなたの方でお出しになつておるでしよう。決算委員会決算の承認を求める以上は、政府から開発銀行に行つた国民の金が、どういうふうに貸されて、どういうふうに返つて来て——そうしてまた開発銀行法に基くなれば、将来返還の見込みの確実なるところの会社に貸す、こういうことが書いてあるのですよ。この開発銀行法に基いてあなたの方で貸した金がこんなに滞つておるのは、はたして貸すときに、この会社は確実なりとあなたの方で見込んで貸したのであろうかどうかということも調べなければならない。またこれだけの滞りのある会社にあなたの方で貸したのは、どういうわけだろうということもわれわれは調べなければならないのです。それにもかかわらず、あなたの方が、どこの何会社に幾ら貸して、幾ら残りがあつて、幾ら期限が来ても返さない会社があるというようなことをこの決算委員会に出さないで、われわれ決算委員会は、政府機関であるところの開発銀行決算を何によつて調べることができるか。あなたは銀行業者としてとかなんとか言いますけれども開発銀行というのは金もうけ会社ではありませんよ。政府機関でありますよ。その政府機関が地方の銀行業者と同じようなことを言つてつて済むと思うのでありますか。われわれが非常にふしぎに思つておることは、私は全部ここに持つているので一一聞きたいのだが、こういうものをあなたの方から進んで出してこそ、この決算委員会の承認を求めることになるのにもかかわらず、これを出さないで、出せと言われれば、ああでもない、こうでもないと、まるでばかばかしいこと言つておる。われわれは、あなたを初め船会社から金をもらつているのではないかとさえ思う。はなはだ失礼千万な言い方だけれども、あなた方がきよう来て変なことを言つておるのは、あなた方がやはり造船被疑者と同類項じやなかろうかと思われるのだ。こういうことを言われるのは、あなた心外じやありませんか。これだけを言つておきます。
  157. 横路節雄

    横路委員 私は開銀の方がこの点をどうして秘密になさるのか了承できませんのは、先ほど申し上げました「開銀造船融資秘密」というので読売に出ておつた一覧表は正しいのです。ただ表題のつけ方が「利息さえ一文も還らず」とつけたからいろいろ問題があるので、この点は大蔵委員に出された資料をただその通り写しただけなんです。十二月末残高残高中利子が同じなんです。今ほかの委員皆さんからお話のように、五次、六次の償還期に来ているもので償還されないものについてなぜ発表できないか。この点はまことにおかしいのです。なおこの点について開発銀行としては、あなた御承知のように、万一あなたたちの今回の融資その他について何らか疑惑を持たれたならば、あなたたちの刑法上の処置は国家公務員と同じ処置を受けるのです。あなたはさつきから銀行がどうとかこうとか言うておるのですが、そういう意味からいつてぜひお出しを願いたいし、それから大蔵省としてもそういうことについて一般公表されるなら公表された方がよろしい。この点は決算委員の方々が数字に明るいので、予算委員会には出した、大蔵委員会にも出した、しかし決算委員会にはどうも出せないということは、あまり恐ろしがつて出されないのかもしれませんが、そういうことでなしに出してもらいたい、こういうふうに思うわけです。
  158. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 開発銀行出席の方に申し上げておきますが、今あなたらの方で、大蔵省銀行局との間でいろいろ話し合つているという問題につきましては、今横路委員も御指摘になりましたが、当委員会にも二月十五日付で開発銀行から利子補給対象の分については一括して会社名、船名あるいは船の種類、造船所、トン数、速力、契約価格、当初融資の予定額、貸付年月日の予定、それから償還条件、昨年八月十四日付の残額、昨年十二月末の残額すなわち実施額、それから当初よりの元金の回収金額、元加額というものは一応出ておるのでありますから、これはすでに世上流布されておる。従つて今御指摘になりました分の三月十日の読売の記事もみな共通のものであるということも、大体問題に関心のある方面ではわかつておる。そこでやはり当委員会におきましてもこれはこれといたしまして、やはり具体的に会議録を通じまして相当問答せねばならぬ点もございますので、従つてこの利子補給の対象の分以前の分につきましても相当あなたの方から資料を出してもらわなければならぬ。こういうことも一つの理由になつておると私も考えておるのであります。私もこれに資料を出すことを強調しておりまするのは、そういうような一つの根拠があるのであります。でありまするから、大蔵当局におきましても、大蔵省銀行局の総務課長のあなたにおいても、こんな問題でとやかくと時間つぶしをしないで、さつと当委員会の要求する通りのものを出すようにおはからいにならなければいかぬと思います。あなたの方で妙な話合いでこじらして時間をつぶすということは、資料の提出を要求するわれわれの権限をゆがめるという悪例を残す危険がありまするので、そういうこともひとつぜひ御注意を喚起しておきたいのであります。そういうふうに私が申し上げまするので、さようにひとつぜひあなたは帰つておはからいを願いたい。あまりそんなことに干渉することなくさしてもらいたいと思うのであります。これについて何か御意見がありましたら聞いておきます。
  159. 大月高

    ○大月説明員 ただいまの開発銀行の性格でございますが、政府機関でありまして、財政資金がこれに出されておる。そのお金は国民の税金からなつておるということはその通りでございまして、その点において会計検査も受け、大蔵省においても検査をする。また開発銀行の当路者においても慎重にこの融資について扱つておるということはその通りでございまして、ただ開発銀行政府の金を預つておりますが、やはり一面銀行の性格を持つておりまして、一般にたとえば銀行検査をやるなり、あるいは会計検査がございましても、その一件々々につきましては外部には出さない。現に銀行検査でどういう貸付をやつてつて、それについてどういうような悪い債権になつておるというようなことは、大蔵省としては存じておりますけれども、それは一切外部に出さないという建前で運営いたしております。これはむしろ銀行の立場と申しますよりも、銀行と取引を持つております相手の信用関係することでございまして、長年の銀行行政の一つの考え方になつております。この決算委員会で御要求となつております資料決算のお立場から必要な点は重々承知いたしておりまして、この資料をお出ししないとしうことは言つたつもりではございません。喜んで開発銀行としても提出すべきものだと存じております。ただこれを一般公表するというかつこうではお出し願わないことを大蔵省としては希望いたします。こういう希望を申し上げる次第であります。
  160. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 この点はもう論議したくないのですが、あなたはやはりあなた個人的なというよりも、あなた御自身の今の見解を固執なさるらしい。この委員会におきましては会計検査院の行う権限を、国政調査対象として同様になし得るということをあなたは知らないのですか。そういうようなことまでもとやかくとあなたははばもうとするのか、この点についてあなたが局長なりあるいは大蔵大臣の意見を代表して言われるならば、これはまた別の機会に話し合いますが、そういうことでなしに、今適当にあなたがお述べになつておるというならば、今われわれが言つておることを傾聴して、そうして固執しないで、あなたの方はうちへお帰りになつて善処なさるのが私は当然だろうと思う。あなた自身でわれわれのなすところを開発銀行にさしずして妨害するような結果を来らしむることは、これは重大な悪い弊害であります。今日また銀行局長も来ないで、銀行局上長との相談もしないで、あなたがかつてにそんなことを固執して言つておられることは、実に穏当でないと思うので申し上げておきます。時間をつぶしますから別にそれは聞きません。
  161. 大上司

    ○大上委員 ただいま当委員会の各派、また各委員からそれぞれ言つていますが、六蔵省にお尋ねします。まずこれは特に開銀説明員も聞いてもらいたいのですが、会社秘密事項を云云という言葉がありましたが、どの会社でも、特に船をやつておるのは、おそらく資本金一億円以上であろう。さすれば公認会計士その他の制度もありまするが、特に決算報告書をもつて新聞紙上に考課内容は発表しておるのです。従つて特に一般から言うならば、経済雑誌といいますか、証券業者に言わすならば、そこにどれだけの売かけ金があるとか、残金があるとかいうことは大体周知の事実なんです。何もこれを出すことを拒む必要は私はないと思う。さすれば、もしもこの決算報告書それ自体が全然つくりごとだというならば、われわれは非常に了解に苦しむ。もちろんこれから発生して税務会計と企業会計の相違というものが出て来るが、これは一応企業会計で扱うべきであるから、問題ないじやないか。それが例の予算委員会あるいは大蔵委員会等にも資料が出ておるそうでありますから、そういう意味からいえば、何も拒む必要はないと思いますが、特に吉田委員質問に関連して申し添えておきます。
  162. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 開銀審査部長に審査部の仕事をちよつと伺つてみたいのですが、ひとつ簡明に言つてもらいたい。計画造船融資にあたりましては、総じてどういうことを審査して、どういう結末へ持つて行くということにしたのですか。その仕事の要旨をひとつ説明願いたい。
  163. 竹俣高敏

    竹俣説明員 審査部の仕事は、開発銀行の中にございます営業部が受付けました船会社の申込みを、その会社内容について審査をいたします。もちろん表面的な審査ではなくて、先ほどお話しございましたが、やはり経営内容は、一般公表いたしております考課表よりもニユアンスが違うのでございます。従つてそれをつかまえてその会社資産信用力を査定いたしております。そのときには開発銀行自身信用をしてもらつて、その経営秘密をやたら外には出さないから、ひとつ腹蔵なく話してくれというような言い方でもつて話をいたしまして、それでその内容をつかみます。そのつかみました内容については、私ども責任を持たなければならぬわけです。結局結論は審査数字をはじき出しまして、何十社かの造船会社の中で、いわば一種の順位ができるわけであります。融資に、適格なもの、順々に行つて最も悪いものという順序ができて参ります。ところが、三十万総トンの船をつくろうというのでありますから、三十万総トンになりますように、その頭の方からきめて行きたい、こういうのが開発銀行審査考え方でございます。それからあとは運輸省との御交渉によつて現実に船主決定されるわけであります。
  164. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 あなたの方では、九次の前期、後期を開発銀行の資金で出しておりますが、この船会社の内容、資産信用経営等いろいろお調べになりまして、それで何らかの結論というと正確でないかもわかりませんが、審査部長として一定の意見をきめる、そういうことをなさるのですか、どうですか。
  165. 竹俣高敏

    竹俣説明員 船の場合に限りませんが、審査をいたしますれば、当然審査としての意見が出て参ります。この意見を総裁以下が出ておりまする役員会に報告いたします。
  166. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それは文書で出すのですか。
  167. 竹俣高敏

    竹俣説明員 いや文書でございませんで、私が出て参りましてその説明をいたします。当然資料も差出しながら説明をいたします。それによつてわれわれの意見が採択されるという形になるわけであります。
  168. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 この役員会に対して、審査部長が審査の結果を報告し、意見を述べる。そうするとその役員会は、また役員会としての意見があろうことと存じますが、そこで伺いたいのは、この九次計画はずいぶんとはげしい競争であつたかと伺つておるのでありますが、あなたの方では、この審査部長の意見の内容として、その後適格船主から漏れた、あるいは適格者として選に入つたというのと相反する意見をお述べになつたような、そういう会社がありますか。
  169. 竹俣高敏

    竹俣説明員 結果から申し上げまして、九次前期の場合も、九次後期の場合も、私ども審査部で立てました意見が、結果論において全部受入れられました。従つてその意見が運輸省に提示されて、そうしてきめられたのであります。
  170. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それは何らかの文書になつてつていることと思いますが、それを全部とは言いません、要領がわかる程度のものでいいのですが、九次船の前後期だけでも、これまたひとつ資料としてお出し願いたいと思います。これをお出し願うことを求めるのは、あなたの方としてはたいへんつらいかもわかりませんけれども、実は九次船の選考というものは、国会におけ三党協定による利子補給の修正案にひつかかる時期に関連があります。そういうこともあるし、それからまた昨年というときが、いろいろ世上疑惑を生みまして、われわれといたしまして事のいかんはともかくとしまして、事の真相だけはぜひともはつきりしたいと思う。従つてどもとしましては、財政資金をお扱いになつている開発銀行の金の貸付につきまして、あなたのお立場からして間違いない御判断をなさつたであろうけれども、結果から見てみますと、いろいろと一部不正に使われたことが世上に伝えられておつて、現に刑事事件まで起つておるのであります。こういうことでありますから、財政資金の行方というものにつきましては、国会の責任において相当明確にせねばならぬ義務がございますので、そこであなたの方のお仕事の立場から、先の議論のような筋から行くと、多少つらいかもわかりませんけれども、これはやはり国会の職責に協力してもらう意味におきまして、委員長はぜひ資料として出すことのおはからいを願いたいと思います。但し厖大なものになるのであれば、厖大なものの全部を出してくださいとは申しませんので、要点がわかるような方法資料としておまとめ願いたいと思います。それはたくさんないので、隻数にいたしましても全部で三十七隻でありますか、会社の数にしても、前期が十二社、後期が二十二社ということになつておりますから、大した数字でもないようでありますから、ぜひひとつ委員長おはからい願いたいと思います。
  171. 竹俣高敏

    竹俣説明員 今の御要求でございますが、審査資料というのは、たとえばどういうような形で御要求でございましようか。
  172. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 対象にいたしました船、会社融資の申込みをいたしましたその趣旨、内容、それからあなたの方で調査いたしました調査の要旨、何を調査したか。調査しました結果、信用とか営業の状況とか担保力とか、あるいはその他の融資関係や、あるいはすでに借り受けました元利の償還状況ども、相当明確におつかみになつたと思うが、そういうことが基礎になりまして、これは役員会へおかけになり意見をお述べになつたと思う。でありますから、意見をお述べになるその基礎になりました資料を、あなたの方でつかみ得る要点をおつかみくださつて、これを資料にしていただけばまとまりがいいと思います。すでに運輸省におきましてもこの船主選考の過程における、たとえば審査会の議事録とか、あるいはいろんな答申の前後の状況とかそういう詳細なものをお出しになつております。こういうものをあわせまして金を現実に貸した側のあなたの方からもどうしてもひとつ求めたいと思うのであります。これはひとつぜひとも国会に協力する意味におきましてお出しを願いたいと思います。
  173. 安井大吉

    安井委員長代理 お諮りいたしますが、今の吉田委員お話理事会できめるようにしてはどうですか。
  174. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 理事会で御相談なさるのはけつこうですが、この点につきましては、先般来業界に対する経済的影響というようなことがどうも頭にこびりついているらしいのでございます。そこでやはり国会の審査権の運営行使というものとの間に相当食い違いができやしないかと私は心配するのであります。でありますから、理事会で御相談を適当にしていただくというのはけつこうですけれども、今のような開発側の持つておるような、大蔵省銀行局総務課長の意見のようなそんな線で理事会が御協議願うならば、私はそういう趣旨でないようにお願いしたいのであります。
  175. 杉村沖治郎

    杉村委員 今の吉田委員の発言に私も付言しておきますが、それはどういうことを調査するかというと、われわれは見返り資金以来の開発銀行融資していることについて非常な競争があつて、つまり正しいものに正しく融資されているのならいいが、正しいものかはねられて正しくないものに融資されているというようなことがあつて、この償還ができないということになるということははなはだよくない。決算委員会としてはそこまで調べる必要があるのです。それですからこれは今日吉田委員が言われましたけれども、前回の決算委員会のときにすでに要求して、そこの専門委員のところに要求事項に書いてあるのですよ。それをきよう繰返したにすぎません。どうしてもこれはやはり出してもらつた方がよろしいと私も思つております。理事会で御協議をすることはけつこうですが、今言つたような銀行業者が云々というような、ばかくしいことにはわれわれは耳をかすことはできません。
  176. 安井大吉

    安井委員長代理 竹俣説明員は今答弁ができますか。
  177. 竹俣高敏

    竹俣説明員 ただいま御要求いただきました資料は非常に厖大でありまして、全体としては不可能に近いような感じがするのでございますが、たとえば対象会社あるいは融資申込みの趣旨、それからどういうポイントで審査をするかというようなことでございましたら喜んでお答えいたしますけれども……。
  178. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 まあともかく良心的に出してごらんなさい。それで足りなければまた要求しますから……。
  179. 竹俣高敏

    竹俣説明員 一応できる限りのことはしてみましよう。
  180. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それから伺いますが、あなたの方で意見を付して、これは適格船主であるというような、どういう条件か存じませんが、これは可とすべしという意見であるといたしましても、そうでないというようなものを否とするというようなものがあつて理事会におきまして、これを可とするというふうに加わつて来たというような、そういう変更はなかつたのでしようか。つまり何らかの増減とか変更の事実はあるのですか、ないのですか。
  181. 竹俣高敏

    竹俣説明員 船の場合もそうでございますが、そのほかの場合でもございません。これはおそらくその内容について会計検査院が詳しくお調べになつておられますので、そういつた点もおわかりでしようし、さらには監督官庁としての大蔵省なんかも十分その点は御了解いただいておるはずだと私は思つております。
  182. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 担保の問題について伺いますが、あなたの方では借入れの船会社の全役員もしくは職員がすべて保証人になつたというふうにお述べになつております。そうしますとこれはたとえば監査役を除いて取締役全部というふうに普通は了解していいと思うのですが、ちよつとその点尋ねて、おきますが、そうでございますか。
  183. 竹俣高敏

    竹俣説明員 正確に申し上げますと、常勤重役というのを建前といたしております。従つて常務以上ということになりますが、常務制のないところは、常務でない取締役もあえて保証人になつていただくというのが慣例でございます。
  184. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そういたしますと、ここで伺いたくなるのですが、御承知の通り、たとえば新日本汽船のごとき現職の大臣が取締役会長であつたと思いますが、そういうような場合には、明らかに大臣が、同時に開発銀行の債務者の立場になるということになるのであります。これは私ども考え方からいたしますれば、新日本汽船の山県取締役会長の在職の間に、これによりますと、比叡春丸は九次の前期に八億四百六十五万円の貸付が実施されておるものと読めるのです。こういう場合には、大臣は閣議においてそれ合\開発銀行に対して、融資について指揮をしあるいは決定し、各般の投融資につきまして、一種の行政上の指揮権を持つておる立場にあります。こういうような立場の人々が、他にもありますが、閣僚であるような人々があなたの方の債務者になるというような関係は、これはどうしたものでしようか。これはやはり当然道義問題だけではなしに、利害対立する立場に立つのであります。こういうものは頭から拒否するというのが、開発銀行の立場として当然じやないかと田』うのですが、そういうことは審査部長としてはどうお考えになつたのでございましようか。
  185. 竹俣高敏

    竹俣説明員 私ども審査いたしました場合の考え方は、大臣をおやりになつておられても、おられなくても、現実にその会社を運営するのにいかに寄与するかしないかという点、言いかえれば、その経営力という点に結集いたしまして、判断をいたしております。今の場合は一般的に申しまして多くの場合は大臣をやつておられるとかあるいは代議士になつておられて政治に関与しておられるという場合には、とかく経営の方がお留守になりますので、私どもの普通の審査の判断では、とかくマイナスがつきやすいのであります。大体そういうふうに解釈し、それでやつて来ております。
  186. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私の聞くのは、そういう趣旨を伺つておるのではないのであります。開発銀行は保証人であれば、保証人に対して債権を行使することができます。その相手方だから、開発銀行の立場からすれば、借金をしておる主であります。債務者であるかどうかという違いがあるだけであります。しかもそれが開発銀行を行政上監督する立場にある閣議の一員を構成いたします。閣議はやはり各省のそれぞれの省に対するいろいろ方針、意見などをきめるところであります。そこでそういう者が債務者の一員になるというような場合に、当然普通の代議士であるとか、あるいはそうでない他の政治家ですか、そういう者とまつたく違うのでありますから、行政上の一種の監督権の上下関係が当然あるわけなんであります。それならば、たとえばあなたの方の総裁が債務者になることもできるのでしようか。開発銀行の定款及び開発銀行法に、おそらくそんなことは認めないと思うけれども、普通の商法の規定から申しましても、その点は大きな制限がなければなりません。だからそれと同じように、利害が直接行政上の上下関係になり得るような立場の者を債務者にする、そういうような者を適格船の中に入れるということは、重大な大きな支障にしなければならぬ。これは私は問題だろうと思う。審査部長としてそれを普通に国会議員が入つておるような場合と同じように扱われることは、まつたく考慮の払われないやり方と申さなければならないと思いますが、その点どうでありましようか。
  187. 竹俣高敏

    竹俣説明員 私どもは先ほど申しました態度で従来やつて参りましたが、ただいまのお話も、ごもつともでございます。これも一つの見方であると十分考えますが、これはいわば法律制度の問題のように考えますので、できますれば大蔵当局政府の方のお考えでお答えいただげれば、非常に幸いだと思います。
  188. 大月高

    ○大月説明員 最初開発銀行から金を借りておる会社の保証人になるという問題でございますが、具体的に申しますれば、開発銀行融資一件一件につきましては、政府は一切関与しないことになつております。従つて閣議におきましても、どの会社のどの船に金を貸すということは、一切触れることはございません。それから大蔵大臣といたしましても、どの会社に金を貸すようにという命令はいたしません。そういう意味において、船会社の会長なり社長であられる国務大臣が、会社の保証人になられることは、開発銀行の性格から申しましても、その他法律的な点から申しましても、問題はなしと思います。  それからかりに開発銀行の総裁なり副総裁が開発銀行から金を借りるという問題につきましては、開発銀行法の第十四条がございまして、「日本開発銀行と総裁、副総裁又は理事との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合においては、監事が日本開発銀行を代表する。」という明文がありますので、債権債務関係に立つことはできない、これははつきり申し上げられると思います。
  189. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 失礼だけれども、あなたで答弁できる問題ではない。あなたの議論で行くならば、大蔵大臣でも開発銀行から金を借りることができるのであります。しかしながら、そういうことをするのがやはり政治、財政、経済を混乱させてしまうもとになります。法律で免れれば何をやつてもいいというのがあなたの議論の立て方だ。そういうことはあなただけで言えるわけなのです。もうあなたに聞く必要はない。これは大蔵大臣に聞かなければならぬ。そういうように法律のそでに隠れてやつたら何でもいいというのか、こういう疑獄を生むもとになるのです。これは別の機会に聞くことにいたしましよう。
  190. 安井大吉

    安井委員長代理 柴田君
  191. 柴田義男

    ○柴田委員 岡田局長に伺いますが、三月一日の当委員会におきまして、第五次、六次の融資に対しまして、完全に期間が到達しておるものが二百四十億だ、それに元加が十億で二百五十億ある、こういう御答弁をわれわれは速記録ではつきりと知つておるのです。本日開発銀行の、どなたか審査部長のお話によると、期間が到達しておるものか二百二十八億三千百三百万円だ、こういうお答えであるのです。そうしますと、ここで二十一、二億の相違があるのです。数字で二十何億といえば莫大な数字なのでございますが、どういう点でこういう相違が出て来るのか。もう一つは、三月一日の開銀松田理事の御説明であると、内航船を含んだ開銀の総貸付が九百九十二億一千九百万である、こういうお答えをされておるのです。今度また別な機会には、どなたかからの御答弁には——私ここに筆記しておるのですが、全額であると九百五億だとお答えになつた。そうしますと、どれが確実な金額であるのか。われわれはきつねにつまされたような感じを抱くのですか、どれが正確な金額であるのか。もう一つは、しからば岡田さんがお答えになつたのは去年の十二月三十一日現在であつて、どなたかが御説明になつたのは十一月の末日であつたために、こういう数字の相違が出て来ておるのであるか。その根拠を明らかにしていただきたいと思います。
  192. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 前回の決算委員会で私が答弁いたしましたのは、非常にあいまいな数字でございます。そのときに私はたしかお断りしたかと存じます。正確な数字はむしろ開発銀行にお聞きください、こういう御答弁を申し上げましたところ、杉村先生から、何らかの数字か頭の中にあるであろう——そういう御質問であつたかどうかわかりませんが、それに類する御質問があつたわけです。そこで私は一つの推定として、五次、六次が大体期限が来ておる、その五次、六次の全部の金額が二百五十億くらいだ、こういうことですが、そのとき私は非常にうかつな御答弁をしたのです。二百五十億の二部が償還期限が来ておるというべきものを、二百五十億が償還期限が来ておる、こういうふうに誤つた表現をしたかと存じます。その点おわび申し上げます。二百五十億と、今開銀が申された数字が違つておりますのは、五次、六次の未償還額の全部を私は申し上げた。ところが六次にはまだ償還期限の来ていない、償還期に入つていない債権があるわけです。開銀の答弁が正確でございます。私の前の答弁は誤りでございます。
  193. 柴田義男

    ○柴田委員 了承いたしました。概算でそういう数字で御説明になつたとなれば、これはやむを得ないと思います。ただ利子補給を受ける対象となつておるのは、われわれの考え方では、貨物船は第六次から、タンカーは第七次の後期からかと考えておるのですが、その点はまちがいないでございましようか。
  194. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 利子補給の対象船は、お説の通り貨物船については六次船、タンカーについては七次の後期からでございます。
  195. 柴田義男

    ○柴田委員 もう一つ伺います。開発銀行数字はなおあとで正確な御答弁がございましようが、日本長期信用銀行の二十八億一千二百九十四万五千円、こういうようにわれわれがいただいております昨年の十二月末日の資料に出ております。この日本長期信用銀行と日本興業銀行の分が百四十三億一千七百余万円ございます。これらを全部合計いたしますと、民間銀行以外のいわゆる政府関係銀行から莫大な金額が出ておることになるのです。そういたしますと、たとえば日本興業銀行で貸し付ける場合と、それから長期信用銀行が貸し付けております場合を対照してみますと、同一の汽船会社に対する融資があるわけなんです。そういたしまして、同一の汽船会社へ貸し付けます場合に、たとえば先ほど来問題になつておりました重役が個人保証をやる、そういたします場合には、開銀に対しても個へ保証をやり、信用銀行に対しても個人保証をやり、興業銀行に対しても個人保証をやつておるのでございしましようか。この保証の点はわれわれは海運局長でなく、大蔵省の方から、それから今の数字的な面におきまして、あるいは担保を提供せしめます場合には、どういう資格で担保をとるのか、たとえば同一の船会社が三行から借りておるという場合には、その同じ銀行の権利が同じように保証されておるかどうか、この点を開銀等から伺つておきたいと思います。
  196. 大月高

    ○大月説明員 保証人の点に対しましてお答え申し上げます。現在の造船融資関係は、協調融資関係になつておりまして、二大類別をいたしますと、開発銀行とその他の銀行、こういうふうにわかれると思います。いわゆる長期信用銀行言つておりますのは二行ございまして、日本興業銀行と日本長期信用銀行の二行でございますが、これは法律的にはやはり民間の銀行でございます。その他たとえば三菱とか富士とか、こういう銀行一般の商業銀行てでございますが、これらの三種類、大別して、二種類、政府機関と民間の機関とが一つの会社に対しまして融資をいたしておるわけでございます。従いまして、担保の点につきましても、一つの担保をとりますればその順位は同一順位ということになつておりますので、かりに同じ人が民間銀行にも保証をし、あるいは開発銀行にも保証をするということになりまして、これを実行するということになれば同順位で実行する、こういうことになつております。
  197. 柴田義男

    ○柴田委員 そのほかの点について、今、長期信用銀行と日本興業銀行からの貸付の場合と、今の開銀から貸して、おる場合と、同一の船会社に貸した場合の状況を伺いたい。
  198. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 、お尋ねの趣旨は、人的保証の場合でございましようか。
  199. 柴田義男

    ○柴田委員 そのほかに、同じ船に対して三つの銀行を利用するということがあり得るのかどうか。
  200. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 新造船をやります場合の融資でございますが、実は開発銀行で七割、あとの三割を市中銀行から融資を受けるわけですが、その市中銀行のうちで——これは純然たる市中銀行でないかもしれませんが、一番たよりになるものは、長期信用銀行、日本興業銀行、しかしそれだけでは十分の金が得られませんので、それ以外に実際問題として四つあるいは五つくらいの銀行から借り集めております。九次以前、八次のときには六割が市中金融でございましたから、中には十行から十五行くらいにわたつたというふうなものがございまして、これはやはり人的保証をとり、担保も必要な担保をとつて貸しておるというふうに考えております。
  201. 竹俣高敏

    竹俣説明員 担保の件に関しましては大蔵省でお答えいたしましたので、私からお答えいたさなくてもよろしいかと思います。
  202. 柴田義男

    ○柴田委員 そういたしますと、われわれはしろうとでわからなかつた点が解明されたわけですが、日本長期信用銀行、日本興業銀行というのはいわゆる民間銀行としての立場で貸している、こう了承していいのですね、
  203. 大月高

    ○大月説明員 その通りでございます。
  204. 柴田義男

    ○柴田委員 そういたしますと、たとえば船会社が船の建造にあたつて三〇%の融資の証明をもらう。三〇%の融資の証明をもらつた場合には資格がそ、こに生じて来る。これはやはり日本長期信用銀行も日本興業銀行一般市中銀行も同じような形において融資の証明というものを発行したものでしようか、その点をもう一度岡田局長から承りたい。
  205. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 市中銀行からの融資確約証をとつて来いと言いました場合の市中銀行には、長期信用銀行、興業銀行も含めております。船会社は長期信用銀行、興業銀行を主としてたよりにして金を出してもらつているというのが現状であります。
  206. 柴田義男

    ○柴田委員 もう一つ開発銀行の方に承りますが、先ほど多分定款第六条をさして横路君の質問に対するお答えつたと思いますけれども、この利子の問題で、総裁が決定権を持つているので総裁がきめるのだ、こういう御答弁があつたようにお聞きいたしました。なるほど定款の第六条かを見ますと、業務に関しては本銀行の業務の運営に関し必要な諸規定は総裁が定めるというのが確かにございますが、ただこの業務という場合を考えましたときに、金利に関するいろいろな決定権まで、あるいは期間が到達したものをもう一度三箇年間だけ延ばそうとか、半年ごとに手形の切りかえをやろうというようなことは、総裁のお考えで御自由に決定される権限があるのかどうか。もう一つは利子の問題でありますが、造船コスト引下げに関する暫定措置要綱というものを大蔵省、通産省、運輸省等が中心となつておつくりになつておるのは、昭和二十八年の八月でございます。これらのコスト引下げに関する暫定措置要綱というものに何ら束縛を受けないで、開銀がかつてに利子の上げ下げができるとお考えになつておるかどうか、この点を承りたいと思います。
  207. 竹俣高敏

    竹俣説明員 利子の決定は法律的に総裁に権限が与えられていると思いますが、ただ開発銀行は御承知のように、国家銀行でございますので、国家の産業行政、金融行政に極力のつとりたいというふうにして運営いたしております。
  208. 柴田義男

    ○柴田委員 そうしますと、この造船コスト引下げに関する暫定措置要綱を大蔵省、通産省、運輸省かおつくりになつて、そして協議をされておる。たとえば銀行では興銀あるいは開銀、富士、三菱、三井、東京銀行、全銀連、それから鉄鋼会社では八幡製鉄、日本鋼管、川崎製鉄、住友金属、富士製鉄、造船会社では造船工業会、石川島重工、川崎重工、三菱造船、三井造船、三菱日本重工、こういう諸会社一緒になりまして、事務局を造船工業会内に置きまして、こういうメンバーができ上つてこのコスト引下げに関する要綱を作成されておる。これはどういう関係でこういう要綱が作成されたのか。開銀が総裁みずから一人でかつてに利息を安くしたり高くしたりする権限を持つておるならば、何を事好んでこういう要綱をおつくりになつたのか。通産省はきようお見えにならぬでしようから、大蔵省と運輸省から、この要綱の作成された目的というものはどこにあつたのか、これを承つておきたいと思います。
  209. 大月高

    ○大月説明員 この造船用鋼材の価格の引下げのための特別措置は、二十八年の特別司会で、いわゆる三党協定に基きまして国会の決議によつて措置いたしたものでございます。建前といたしましては、国会の意思が決議によつて表明せられておりますので、政府といたしましては極力その趣旨にのつとつて行政措置を進めるということにいたしたわけでございますが、開発銀行の件につきましては、先ほどの竹俣説明員お話にございましたように、利子の決定権開発銀行の総裁にございます。従いまして政府において具体的に開発銀行の金利を、たとえば一割から四分五厘下げるというようなことは決定し得ないわけでございます。しかし開発銀行政府機関になつておりますので、大蔵省といたしましては、開発銀行に対しまして、三党協定に基いて国会においてこういうような決議があつた、それについて、大蔵省としてはそれにのつとつて行政的に措置をすべきものだと考えるけれども、そういう情勢を考えて、開発銀行において適宜措置してほしい、こういうような通牒が出ておるわけであります。それにのつとりまして、開発銀行では内部の相談の結果、具体的に二分五厘の金額をこのプールに入れるということを決定したわけでございまして、その他今の造船会社にいたしましてもあるいは鉄鋼会社にいたしましても、政府は命令権を持つておりませんので、それぞれ運輸省なり通産省においてそれぞれの担当の部局において船会社なりあるいは鉄鋼会社と、直接御相談になつて、これも相談の上あるいは会社の方の自発的な決定で国策に即応しようということで、それぞれ腹をきめられて、それらの全体を総合いたしまして、政府としてはやはり監督の必要もございますし、一体その金で幾らくらい船の値段が下るかというような見通しをつける必要もありますし、それらの鉄鋼の鋼材の価格の引下げに伴いまして、造船価格を一体どのくらいまで下げるという政府の行政措置を進めるかというような腹をきめる必要もございますので、そういう開発銀行その他の民間会社決定した、そういう結論の出ましたものを閣議に報告いたしまして、それにのつとつて措置いたしておるわけでございます。
  210. 杉村沖治郎

    杉村委員 私は、今から私が質問しますと非常に長くなりますから、まつたくほかの方が実際迷惑だろうと思いますので、それに本日は大蔵大臣も開発銀行総裁も来ておらないので、ほんとうの核心にも触れられませんから、本日はこの程度として、次に大蔵大臣、開銀総裁が来たときに、私が第一席に質問させていただくこととし、本日の質問は留保いたしまして、この程度で散会せられんことを、議事進行とし申し上げたしと思います。
  211. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 きよう過ぎましたら、大した意味もなくなる重要な案件の質疑事項が残つておりますので、その点を伺いたいのです。  今国会にかかつております例の補助金等の臨時特例等に関する法律案によりまして、開発の補助金を今後なくしようという趣旨の法律案が出ております。要するにこれは利子補給及び損失補償法の十九条を廃止せんとする趣旨らしいのであります。そこでこの法律の条文を読んでみますと、二条の末尾もそうでありますごとくに、十九条の末尾にも、当然行わねばならぬというのではなくて、利子補給の支給の契約を開発銀行との間に結ぶことができるということになつておるので、それを契約するとしないとは政府の任意になつております。でありますから、必ずしもこれは「当分の間」でなくて、利子の補給を停止するという趣旨の法律案を国会に出す必要がないと思うのです。これは一体どういうわけなんでしようか。  それから一括して聞いておきますが、すでに十六国会において、三党協定による修正案が出ましたときに、運輸大臣はそれをよしとして同調する趣旨の御説明を、答弁として衆議院及び参議院におきまして述べられております。その後実際におきましてほとんど何もすることなく、突如として、半年の間にこれを廃止してしまおうということは、まつたく無定見ではないか。もしぜひこれを廃止し、もしくは一時停止するということであるならば、去年なぜそうしなかつたのか。このたびの問題が起つたのでそういうふうにするのであるかどうか。これは大臣に聞くのがほんとうかと思いますけれども、一応あなたから聞いておきたい。というのはきようはおしまいになつてしまいますから……。そういうことでありますので、私は、同意しあるいはまた事実行わず、二十九年の予算には計上せずというような点から見ましても、まつたくもておそぶことになるのじやなかろうか、こういう感を深うするのであります。これをだんだんと聞いてみたいのですけれども、時間もないのだから、こういう趣旨だけを概括的に聞いておきますが、せぬでもいいことをしておるのじやないかという感を深うするであります。この点お伺いします、
  212. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 お説の通りに、外航船舶利子補給法におきましては、開発銀行と利子補給の契約をすることができる、できるということでございますから、必ずしもしなくてもいいのじやないか、こういうことでございますけれども、やはりそういう条文がある以上政府としては何らかの契約をしないということは非常におかしいことである。ところが実際問題として、二十九年度予算からは開発銀行に対する利子補給というものがやめられた。開銀自体で金利低減あるいは利子猶予の措置を講ぜられた、従つて予算に計上されないで利子補給という形をやめた以上、法律の面もそれに合す方が形式的により妥当ではないか、ということで、この補助金の廃止に関する法律の中に外航船舶利子補給の規定を当分適用しないという条文が加えられたのであります。これは一切疑獄とは関係ございませんで、二十九年度予算に関連して、開銀に対して利子を補給しないということが、疑獄の発生する前にきめられたものでございます。従つてその法律は予算と歩調を一つにした、こういうことに御了承を願いたいと思います。
  213. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 納得できませんが、これは保留しておきます。
  214. 大上司

    ○大上委員 簡単に資料要求をしておきます。まず運輸省の中に監督出張と申しますか、特に先般来十人ほど特別にリベートを出した会社をお調べになつているということを新聞紙上で見ているのです。今次いろいろ問題になつておりますが、本決算委員会は国損が幾らであるかということを追求し、なおかつこれら国家資金の効率的な適用とか、政府に対する勧告等が主体をなしているのです。そこで巷間よく伝えられているリベートの問題について、先般岡田海運局長等ともいろいろお話したのですが、現在皆さん方は船価の立て方を奈辺に置いておられるか、これを資料としてちようだいしたい。  一体なぜリベートを発見できなかつたかということの理由を一つ。それから造船所と船会社とがこの問題で——大体大きな会社でございましたら六箇月が一決算期でございますが、三年というと約六決算期間である。相当長い間債権、債務を放任しているものがあるやに聞いております。これはリベートではないけれども、普通の常識からすれば返済しなければならぬ債務をそのままにほうつているようなことは当然おわかりだろうと思いますから、それを一つ。三年以上または四年でもけつこうですが、放任している船主と売掛金をお調べ願いたい。  その次は交際費でございます。特に私が伺いたいのは間接費であります。直接費対間接費のパーセンテージは大体常識でわかりますが、間接費のどこまでの項目をお認めになつているか、開発銀行あるいは運輸省当局もよく金の出し方がおわかりだろうと思いますから、お願いいたします。  次に大蔵省に要求します。われわれが勤労所得税を納めますと、当然所得のはね返りということが一応考えられるのです。いやしくも国家資金を使つて行き、しかも公益法人でなく営利法人である。従つて法人税または営業税がどれくらいはね返つて行くかという計算ができているはずですから、その総額資料ちようだいしたい。これだけ要求して、私は質問を留保いたします。
  215. 安井大吉

    安井委員長代理 それでは本日はこの程度とし、次会の期日及び日程は公報をもつてお知らせいたします。本日はこれで散会いたします。     午後五時二十三分散会