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杉村委員 長官に伺いますが、
昭和二十七年度の
保安庁の
歳出予算額から三十二億七千七百三十三万二千二百二十一円というようにたいへんたくさんな
不用額が出たのですが、これはいわゆる
保安隊の
漸増ということをお
考えにな
つておるために、かような非常な
不用額の出ることはあるかもしれないが、とにかく金だけよけいと
つておこうというような
考えからこういうたくさんな
不用額が出たのであるか、なぜこんな
不用額が出たのかあまりにも
予算がずさんであ
つたのかあるいはどうなのか、その点が承りたいのであります。
さらに同じことについてですが、
流用額がたいへんあるのでありまして、たとえば
職員の
給与について他の目から
流用しておる額が三億八百十二万三千円、かようにたくさんの金を他から
流用したのです。これは
あとの
備考に書いてはありますけれども、この書いてあるのがきわめて簡単であ
つて、どうもはつきりいたしません。どういうわけでこういうふうに他の目を
流用しなければならなか
つたか。他にもいろいろ
流用がありますが、みな当初の
予算の
見込み違いであ
つたためにこういうことにな
つたのかどうか。こういうことが第二点であります。
第三点といたしましては、これは
会計検査院からの
批難事項が出ておりますが
昭和二十六年度の
批難事項で
昭和二十六年度中に
脱脂綿等を、たくさんの
在庫品があ
つて不用にもかかわらず
買つておる、こういうことがあるのであります。さらに
手術用の
器械器具等につきましても、全然
病院の
設備もないのにもかかわらず
多額の金を出して買い入れておる。これは一番最初に申し上げましたように、
保安隊を
漸増しよう
漸増しようということがよく
説明をされておるので、とにかくだんだんふやして行くのだから、何でも
買つておけということで
買つたのかどうか。これは
会計検査院で調べたのですか、ほんとうに
不用なもの、しかも
器具器械を
買つても入れるところがない、
病院がないというにもかかわらず
買つておるのであります。これはどういう意味合いからこういうことをしておるのか。か
つての
食糧庁の
麻袋事件、あれもずいぶんひどか
つたのですが、あれは一応は米麦の買入れが閣議で相談されたということについてのずれが生じたのですがこれの方はずれよりも何よりも、全然
病院の
設備もないにもかかわらずこういう
器具器械を
買つたということはどういうのであるか。
脱脂綿においてもその
通りであるし、さらに
塊炭、
粉炭等を
多額の金を払
つて買い入れたのでありますが、
塊炭につきましては四百四十
カロリー、
粉炭につきましては九百三十五
カロリーも
カロリーが
不足であるにもかかわらず、買入れ代金をそのまま支払
つておる。これはわからないで
払つたのであるかどうか、こまかいことは
長官もあるいはおわかりにならないかしりませんから、こまかいことにつきましては他の
政府委員から伺いますが、いずれにいたしましても、
石炭において
カロリーが
不足であ
つたならば
石炭の用をしなくな
つてしまうのですが、こういうようなことがわか
つておるにもかかわらず、こういうたくさんの金とそのままで
払つたとするとこれははなはだ不都合な問題であるのですが、これらはどういう事柄であるか、こういうようなことをしておるものに対して何らかの処置をおとりにな
つておるかどうか。他にもこれを
一つ一つあげて行きますとまだたくさんあります。こういうようなことは
保安庁としてははなはだよくないことだと思うのですがこれらはどういうわけでこういうことにな
つておるのか、ひ
とつ長官の御意見が伺いたいのであります。さらに第四点は、これは
会計検査院の
批難事項には出てはおりませんが、
食糧庁から
保安隊員に
もちをついてやるということで五百トンの
もち砕米を
払下げをしたということであります。その価格はトン六万二千二百円で払い下げたそうですが、この
もち砕米を市中のいわゆる
菓子製造業者に横流しした。そうしてお菓子をつくらせるということをや
つておる。これは
大蔵委員会においても問題にな
つておるのでありますが、これははなはだどうもよくないことで、
国民が非常に
食糧に困
つている際、
保安庁において、
食糧庁から特に五百トンも米の
払下げを受けて、これを町の
菓子製造業者に横流ししたということは、はなはだよろしくないことですが、これらについて
長官は
知つておいでになるのであれば、知
つておることを伺いたい。そしてそれに対して
保安庁長官はどんなお
考えでおられるか、伺いたいのであります。とりあえず以上四点について伺いたいと思います。
木村国務大臣 二十七年度の
予算の問題についての御
質疑であります。これは私はいわゆる
自衛力漸増を見越てや
つたわけのものでは決してないことをまず申し上げておきます。主としてこれは
人件費に
関係するものであります。委細は
経理局長から詳しく御
説明申し上げたい、こう
考えております。
それから
会計検査院の
批難事項についてであります。私もその
報告を受けて
承知いたしたわけであります。主として
脱脂綿の問題であります。これはいろいろ
事情がありまして
——もちろん私はこれはいいとは言いません。批難されるに値する
事項だと
考えておりますが、御
承知の
通り、当時
警察予備隊が発足して間もない
状態にありまして、
病院の
施設をつくり上げることについて非常に苦心したのでありますが、なかなか思うよう参りません。
国立病院の転用問題も起
つたのであります。しかし
事務当局といたしましては、
病院ができるものと仮定の上においていろいろくふうをいたしまして、物を買い込んだような
事情でありまして、この間の調節が、悪いと批難されればこれはやむを得ません。しかし事実といたしましては、
事務当局の方では
病院の
施設ができ得るものと
考えてや
つた仕事でありまして、悪意を持
つてや
つた仕事でないということを私は認めておるのであります。この間の調節問題について、遺憾の点がむろん私はあろうと
考えております。将来に対して十分私は今後かようなことがないように注意をいたしたい、こう
考えておる次第であります。
最後の
食糧庁から
もち米を払い下げて横流しした、私も今聞いて驚いたのであります。
初耳であります。さようなことがありましたことはまことに申訳ありません。十分これは私は調査いたしまして、事実であれば厳重に私は処置いたしたい、こう
考えております。何分これは
初耳であります。私はよろしくない、かようなことがあ
つては申訳ないと
考えております。私自身はまだ知りませんから十分調査いたしたいと
考えております。
あとは
経局長から詳細に御
説明申し上げます。