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1954-03-19 第19回国会 衆議院 決算委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月十九日(金曜日)     午後一時五十八分開議  出席委員    委員長代理理事 大上  司君    理事 天野 公義君 理事 松山 義雄君    理事 安井 大吉君 理事 柴田 義男君    理事 杉村沖治郎君       徳安 實藏君    牧野 寛索君       藤田 義光君    村瀬 宣親君       片島  港君    山田 長司君       吉田 賢一君  出席政府委員         北海道開発政務         次官      玉置 信一君         自治政務次官  青木  正君         保安政務次官  前田 正男君         保安庁局長         (保安庁経理局         長)      石原 周夫君  委員外出席者         総理府事務官         (北海道開発局         会計課長)   近藤 亮一君         総理府事務官         (自治庁財政部         財政課長)   柴田  護君         建設事務官         (河川局防災課         長)      浅村  廉君         会計検査院事務         官         (検査第一局         長)      池田 修蔵君         会計検査院事務         官         (検査第二局         長)      上村 照昌君         会計検査院事務         官         (検査第三局         長)      小峰 保栄君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十六年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十六年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十六年度政府関係機関決算報告書  昭和二十七年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十七年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十七年度政府関係機関決算報告書     —————————————
  2. 大上司

    大上委員長代理 これより決算委員会を開会いたします。  引続き委員長の委嘱を受けまして理事の私がその職務を代行いたしますから御了承願います。  本日は総理府並び外務省所管昭和二十六、七年度決算議題とし、審議いたす予定でありますが、まず総理府所管から審議に入り、順序としてこれを北海道開発局自治庁保安庁調達庁の順に進めたいと存じますから御了承願います。  なお審議内容が多岐にわたり、関係当局者も多数出席を要求してあり、しかも予定時間内に処理いたしたいという関係上、その説明及び質疑応答につきましても、要点を簡潔に述べられるよう特に要望する次第であります。  それでは昭和二十六年度検査報告三十一ページ以降及び昭和二十七年度検査報告三十九ページ以降の北海道開発局関係事項一括議題とし、昭和二十六年度においては番号九ないし一五、二十七年度においては番号九ないし一七につき詳細な説明を求めます。会計検査院検査第三局長小峰説明員
  3. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 九号以降の案件について御説明をいたします。二十六年度でありますが、ここに表で並べてございます七件でありますが、これは請負工事出来高設計に比べて、すなわち金を払いました額に比べて少かつた、こういうものであります。九から一五までの合計の請負額が二千七百六十九万四千円、それに対して検査の結果発見いたしました出来高不足額が三百十六万三千円、相当な金額になつております。一つ一つ案件につきましては、下に摘要として書いてありますが、掘鑿の設計土量不足していたり、あるいは蛇籠の詰石、こういうものが不足しているというような種類のものが多いのであります。簡単でございますが、以上申し上げます。
  4. 大上司

    大上委員長代理 政府当局発言を求めます。──別にないようでありますから、質疑を許します。天野公義君。
  5. 天野公義

    天野委員 北海道関係を拝見いたしますと、二十六年度にいたしましても二十七年度にいたしましても、道路その他工事関係批難事項が非常に多いようであります。ここで資料によりますと、厳寒風雪の時期に多大の困難を冒して工事を進めて来たようでありますが、そういう点が一番問題になるのではないかと思います。北海道は冬期非常に厳寒風雪の多いところでありますので、そういう点で工事内地の場合と違つて、非常に困難な場合、もしくは非常に予算を食うような場合があると思うのであります。そういう点について、政務次官はどういう努力をされ、どうされるのが一番いいとお考えでありますか。
  6. 玉置信一

    玉置政府委員 お答えいたします。御指摘になりましたように、積雪寒冷地帯でありましても、わけても北海道は、寒冷積雪の度合いが、東北その他の地区の積雪寒冷地帯に比較いたしまして、はるかに強いわけでございます。この点工事の施工上に非常に支障を来しておることは、すでに議員各位においてもお認めになつていただいておることであろうと思います。これかり審議される幾多の問題につきましては、それぞれ所管担当官よりお答えいたしますが、そうした批難事項の多い基本的な問題につきまして申し上げますと、一番困ることは会計年度のことであります。一応基本的な問題を先に申し上げますと、北海道開発庁北世道開発法に基きまして、農林、建設、運輸、しかも運輸省の方は港湾、漁港、燈台、それから災害復旧、営繕、等の費用の関係は直接扱つておりませんが、一応こうした総合企画をいんしましたものを開発庁においてとりまとめて、大蔵省に要求し、予算の裏づけがついて決定いたしたものを各省移しがえをするのであります。移しがえをいたしまして、その事業実施開発庁出先であります北海道開発局において実施をいたすのであります。ところがその監督は、移しがえをいたす関係上、それぞれの各省所管の大臣が監督をするという、きわめて変則的な機構なつておるわけでございます。そういうようになつておりまして、実施の面におきましては、私ども開発庁出先がやつております。繰返して申しますと、監督は……(「なるべく簡潔にしてください」と呼ぶ者あり)基本的な問題でありますので、ちよつと触れさせていただきたいのですが、そうした関係で、劈頭申し上げましたように、予算が決定されまして移しがえされて示達されるのに、少くとも二週間、たいてい四週間を要する。それから入札をして着工するということになると、早くて六月に着工することになるわけであります。仕事内容によりましては、七月、八月になります。そうしますと、十月にはもう雪が降つて来る。こういうような関係で、やむを得ず雪をかきのけて施工しなければならぬという状態にぶつかることが間々あるわけであります。御指摘になりました問題はここにあるわけでございまして、何とか根本的にこれをただしていただくことが、批難事項が少くなり、しかも事故防止をし得ることにはるのではないかと思います。  御承知のように各省──建設省出先地方建設局農林省出先農地事務局運輸省出先港湾建設局というものと比較いたしまして、北海道開発局は非常に人手が足りないために、設計審査をする場合におきましても、その準備が非常に手遅れになるというようなところに大きな原因があるわけでございます。私はこの際委員各位に御了承願つて、こうした事故防止の面においても、根本的に御配慮を願いたいわけであります。その手続を迅速化するとか、いろいろの問題がありますが、時間の関係で省略いたします。  ただ一つ申し上げますと、内地府県におきましては、調査のストックがあるわけであります。これがありますと後年度事業の着手の上においても、示達を受けてからただちに入札もできるというような便宜があるわけでございます。前段申しましたように、北海道開発局の場合は非常に人手が足りないことと、積雪による制約を受けてこれがスムースに行かないというところに大きな原因があることを特に御了承願いたいと思うわけであります。
  7. 天野公義

    天野委員 大体御指摘なつた点は、会計年度の問題と、それから実施開発局であり、監督各省出先ということで、所管省違つておるという点、それから冬が早く来るというこの三つの点に一番問題があると思うのですが、それではそういう点を解決して、批難事項を少くして予算を効率的に上げるには、開発庁としてはどうするのが一番いいか。基本的な考え方をちよつと簡略にお願いしたいと思います。
  8. 玉置信一

    玉置政府委員 この問題は非常に各省との関係がございまして、簡略に申し上げかねますが、私たちの立場から申し上げますと、予算を一本の姿において開発庁がにぎつて実施まで一本の姿で開発庁がやることが一番理想的でございますし、すなわち実施官庁として一切の問題が解決できるのじやないか。こういう年度の問題につきましては、昨年の参議院の決算委員会におきましても委員長から特にこの点を指摘されて申し上げたのでありますが、会計法改正によらずして実施できる方法もございます。結論的に簡略に申し上げますと、一本の姿で予算をとり、実施をするという姿に機構を改革することが最善のように思われますが、これにつきましては、いろいろ意見がございますので、この席上でお話することを遠慮しておいた方がいいかと思います。
  9. 天野公義

    天野委員 もう一つお伺いしたい点は、開発庁でいろいろお仕事をなさる場合に、道庁との関係は緊密に行つていますか。その点をお聞きしたいと思います。
  10. 玉置信一

    玉置政府委員 巷間伝えるところにおいては、開発庁出先である開発局北海道との間に多少の意見の食い違いがあるということでありますが、最近におきましては、道と出先機関である開発局との間に緊密な連絡をとつて仕事ができていると確信をいたしております。
  11. 杉村沖治郎

    杉村委員 ただいまこの席で申し上げることはちよつとはばかるというようなことを言われたのです。内容は別ですが、それはどんなことなんですか。
  12. 玉置信一

    玉置政府委員 御承知のように、北海道開発法に基いて北海道開発庁が設置せられている現段階におきましては、法律改正が一番先にならなければならぬわけであります。その法律改正してかりに実施官庁とする場合におきましては、今まで開発庁で総合して予算を獲得して各省移しかえをしていることをしなくて、一本の姿になるわけですが、その間において農林省なり、建設省なり、運輸省なり、それぞれの意見があるわけであります。こういうことの調整をはからなければなりませんので、ここで一方的な考えを申し上げておきますと、将来こういう問題が出て来た場合に、議論の渦中に巻き込まれるようなこともなきにしもあらずというので、御遠慮申し上げた次第であります。
  13. 大上司

  14. 柴田義男

    柴田委員 今の御説明を承つておりますと、国が直接工事をやつているような問題は、予算と実際工事の面に入つて時期的なずれが相当出て来て、そういう関係から批難されるような事項が出て来ている。こういうように結論的に伺えるのですが、そういうお考えお話でございましたろうか。もう一度御所見を承りたいと思います。
  15. 玉置信一

    玉置政府委員 先ほど申し上げたことは、積雪寒冷の地においてと特に前提を置かれての御質問でありましたので、その問題を主眼としてお答え申し上げたのでございまして、一般的批難事項につきましては、もとより現地における施行上における監督の不行届きであるとか、請負者工事そのもの契約通りに行つていなかつたとかいう問題が主たる原因であります。私はただそうした障害になる基本的問題いかんという御質問にお答えしたのであります。
  16. 柴田義男

    柴田委員 それなら了解されるのでありますが、ただ私どもは、予算使つて国がいろいろな直轄工事をやつている実情は、知らぬことはない、知つているのであります。ただそれは一つ常識論でございまして、現実会計検査院からこういうたくさんの批難事項をわれわれに提示受けておりますので、この一つ一つをことさらに解明しようという考えではございませんが、こういう工事の執行にあたつてわれわれが最も考えなければならぬことは、ことに請負をした当の相手と実際その工事施行に当つているものが相違していることがどこの工事場にも見受けられるのでありまして、そういう点からこういう批難される事項が随所にできて来ていはしないかと考えられますが、そういう点がこの批難されている事項にはございませんでしたろうか、会計検査院から伺いたいと思います。
  17. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 ただいまの柴田さんの御質問でありますが、一般には契約名義人と申しますか、元請の下で下請ということが部分的に行われるのが多いのでありますが、北海道の場合は、私どもが今知つてるところでは、大体元請人がやつていて、あまり下請にたくさんは出していなかつたように承知しております。
  18. 柴田義男

    柴田委員 それなら普通でございますが、たとえば今九から十五まで問題になつておりますが、工事費の中から出来高不足であるにもかかわらず、すでに金は支払いを完了している、こういう問題でありますが、たとえば請負業者金融をはかろうといたしましても、出来高証明を添付いたしませんと、決して金融対象にもならない、こういうことをわれわれは地方において聞いているのでありますが、厳重な出来高調査をやつているにもかかわらず、こういう出来高不足の額が現実に何件もできて来ることは、出来高証明を書く係の者が簡単な出来高証明を書く結果、こういう事態が生ずるのでございましようか。その点を重ねて会計検査院からお伺いいたしたいと思います。
  19. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 北海道工事には二十七年度にも出来高不足がたくさんできているのでありますが、内地建設省直轄工事などに比べまして、この種の批難が比較的多いことは、事実であります。一般には検収をして設計通りできているということで金を払うわけでありますが、結局その検収が不十分だつたことが主たる原因ではないかと思います。  それから先ほど冬季云々というお話がございましたが、私ども検査に参りますのは春になるのでありまして、大体は手直しを済ましたあとが多いのであります。北海道は先ほどこまかく御説明がありました特殊な事情によりまして、積雪期間中に工事がこわされる、こういう場合は手直しをさせることが大体原則になつているようであります。私ども参りまして、なおかつこういう、ふうにたくさん手面ししないものがある、こういう事態であります。そうして検査後にこれは全部請負人負担手直しをさせているわけであります。
  20. 柴田義男

    柴田委員 もう一つ次官にお尋ねいたしますが、こういう粗漏の検査をして出来高不足額を出した最も大きな原因は、たとえば開発庁なら開発庁の職員の手不足というような関係がありはしまいかと思いますが、そういう理由がございませんでしようか。
  21. 玉置信一

    玉置政府委員 柴田委員から御指摘がありましたように、実は手前みそに陥りますけれども定員が非常に少いので、これを一面から申しますと、先ほど申し上げましたように建設省農林省運輸省府県出先機関におられる人員に比べますと、非常に不足をいたしております。それとは逆に北海道のあのように広大な地積で、しかも施行される場所と申しましようか、箇所が点々として距離が非常に長いわけであります。加えて現地監督する人が手不足のためにいつもその現地に飛びまわつて行くということができないというような場合もあるわけであります。現在開発庁出先開発局を合せての定員が三千百六十二名であります。今度の整理対象となりましてこれが実施されますと、新年度から三千百十七名になるわけでございます。実は整理計画対象は八十一名でございますが、二十九年度におきましては四十五名減員になるわけであります。これは繰返して申しますが、各省府県出先機関に比較いたしますと、人が非常に少くて、持つ事業量、それから面積、距離というようなものが何倍にもなるというような悪条件下にあるわけでございまして、この点で私どもは非常に困難をいたしておる実情でございます。
  22. 柴田義男

    柴田委員 私もそういう点を感じたのでその点を伺つたのでございますが、人数の点で──整理人員が四十五名と申しましても、この三千百六十二名という現在の人数からなお四十五名の整理をやらなければならぬ。ところが現在の人員ですらも人手不足である、こういう場合でも、ただ行政整理各省に対する割当を一律にやる、こういうようなことを政府当局がやられておるということは、この面一つを見ても、根本的に誤つておりはしないかと思う。私ども人員整理に対しましても、どの省を見ましてもそういうきらいがあるのであります。ことにこういう批難事項がたくさん出て来るのも、やはり人手不足が大きな原因をなしておるということでありますならば、そういう点も十分考えられて──次官政府の一員であられるのだから、なぜこの人員整理に対しましてもつと確固たる御信念をもつて反対をなさらなかつたのであるか、ふしぎに思われるのであります。そういう点もあわせて申し上げておきます。  なお一つ一つの問題でまだお尋ねいたしたいこともございますが、他にも御質問があると思いますので、私はこれで終ります。
  23. 玉置信一

    玉置政府委員 ただいま柴田委員からお話になりました点は、ごもつともだと存じておりますが、私ども政府の側に立つておる立場として、この人員整理につきましては、府県北海道と、かかるハンディのあるところについては、当初整理対象が約三百名となつておりましたものを、実は八十一名までに食いとめたわけであります。これはこういう席で申し上げると、あるいは各省に対して波瀾を起すかもしれませんけれども各省に比較いたしまして、北海道特異性を強調し、これを政府当局者に認識せしめて、かような数字にとどめさせることができたということは、政府自体北海道を認めてくれたと思つて、実は私も非常に喜んでおるような次第でございまして、この点御了承を願いたいと思うのであります。
  24. 杉村沖治郎

    杉村委員 この出来高不足により過払いの結果を来したのは、一体どういう原因からですか、その事情をお聞かせ願いたい。
  25. 玉置信一

    玉置政府委員 ただいまの御質問でございますが、契約実施の面につきましては、それぞれ各省担当官がやつておりますので、その方から答弁させることにいたします。
  26. 杉村沖治郎

    杉村委員 御承知のように、昨年もあんなに河川の氾濫がありまして、非常な災害を受けておるのですが、こういうように工事にいいかげんなことがあるから起るのですが、どういうわけでこういうことになつたのか聞かしてもらいたい。
  27. 浅村廉

    浅村説明員 実は九から一二までは私の方の所管でございませんので、ただいまは担当一二から一五までの災害復旧事業について簡単に申し上げたいと思います。  一二から一五まではいずれも災害復旧工事でありまして、一二道路災害復旧工事一二河川関係災害復旧工事、一四も同じく河川関係災害復旧工事、一五は海岸関係災害復旧工事ということになつておりますが、開発局施行されます工事は、直営でおやりになりますものと、請負でおやりになるものとございますが、この四つのものはいずれも請負施行されたものでございまして、検査報告摘要欄に御指摘内容がいろいろ書いてございますが、いずれも出来高不足ということで御指摘を受けておるのでございます。どういうわけでこういうふうに出来高不足を生じたかという詳細な理由については、現在私の持つております資料ではちよつと御説明いたしかねる点がございますが……。
  28. 杉村沖治郎

    杉村委員 そんなことなら説明してもらつても何にもなりません。出来高不足であるにもかかわらずこれだけよけい払つておるわけでしよう。一千万円もよけい金払つておるのは、どういうわけでそういう、ことになつたのか、それをわれわれ決算委員は聞くのです。それが説明できないじや説明の役はせぬじやないですか。
  29. 浅村廉

    浅村説明員 実はこの結果をどういうふうに処理をいたしたかということを調べて参りましたので、さようなことを申し上げたわけでございますが、一二につきましては、出来高不足の点が確かにございますので、これは二十七年の六月二十日付で請負人負担において手直しをさせております。それから一三の問題も、これは請負工事でございますので、出来高不足分につきまして、同じく二十七年六月十六日に請負人手直しを命じまして、手直し工事実施されております。それから一四は、二十七年の六月十日に請負人負担において手直し工事が完了いたしております。一五も二十七年七月十日に請負人負担において手直し工事が完了いたしております。またできたからいいではないかというわけでは決してございませんが、かような出来高不足ということは、請負人側にもいろいろ理由があつたと思いますが、監督の不行届きの点も大いにあつたかと思いますので、ただちにできるだけ短期間に出来高不足分について手直し請負人負担において命じまして、正しい形にもどしておるわけでございます。
  30. 杉村沖治郎

    杉村委員 あなたそれは結果を答えておるので、こういうように出来高不足しているやつを何で金を渡したのか。どうしてそういうことをしたのか、それを私どもは聞くのです。あなたの結論だけ聞いているのでは何もならない。何ゆえ出来高不足のところに金を渡したのか、どうして検査しなかつたのか、あとでわかつたのですか、そういうことを伺いたいのです。不足しておるなら完全に直つてから金をやつたらいいじやないですか。不完全なものに金を渡してしまつて、それであくる年になつて直させればいいじやないかというようなばかばかしいことでは、国民の血税をへとも思わない。自分の家の仕事つたらどういうことになりますか。あなたのところで家屋をつくらせて、柱が一本足りなかつたら足りないままで請負代金をみんな払いますか、払わぬでしよう。柱一本補わせてから金を払うでしよう。出来高不足であるにもかかわらず金を払うということはないわけです。検査しないで金を払つたが、あと出来高不足がわかつたのですか、どうなんですか。われわれはそういうことを聞きたいのですよ。
  31. 浅村廉

    浅村説明員 国費を用いてやるわけでございますので、当然厳重な監督の上で工事実施し、またできましたものについてはこれを検収いたしまして又払いをいたすということは、当然われわれの義務であると考えております。この点検収しないで支払つたということはございません。検収いたしておりますが、いろいろな手落ちがございまして、正しい設計と比較いたしまして、若干出来高不足しておつたというような遺憾な事態が発見されましたので、ただちにこれを元の正しい形にもどしたわけでございます。
  32. 杉村沖治郎

    杉村委員 あまりそう長く言わなくとも、私らでもわかるのですから簡単に質問をよく聞いて答えてください。検査をしなかつたのじやない、こう言うけれども、金を渡してしまつてからあとでわかつたのですか。金を渡すときにすでにそういうことはわかつてつたのだけれども金を渡したのですか。どうですか、それだけでいいのです。イエスかノーかでいいのです。それでなければ時間がかかつてとてもかなわない。金を渡すときにそれだけの不足はあつたけれども全額払つたのか、払つてからそういうことを発見したのか。
  33. 近藤亮一

    近藤説明員 ただいまの件について私から説明いたします。北海道泥炭地とかいろいろ寒冷地のために……。
  34. 杉村沖治郎

    杉村委員 今問うたことを答えてください。
  35. 近藤亮一

    近藤説明員 それは検収をやりまして、出来高があるということを認めてそれから支払いをしておるわけです。ただ春になつて雪が解けますと土がおちついて参りまして、出来高が非常に減るわけでございます。そういうものがありますので、北海道では従来はあと受け補償というものをとつて、雪が解けてからさらに検定して手直しをさせておつたという状態であるのであります。
  36. 杉村沖治郎

    杉村委員 発言中ですけれども答えにならないのです。出来高不足というのは、金を先に渡してしまつてからあと不足がわかつたのか、金を渡す前にわかつてつたかどうかということを聞くのです。そんな北海道は寒いとか九州があたたかいということはわれわれでもわかつておるのですから、そんなことはいらないんです。
  37. 近藤亮一

    近藤説明員 検定官が検定したときは、あるということを認めたわけであります。それで金を払つた。その結果春になりまして……。
  38. 杉村沖治郎

    杉村委員 あとはたくさんです。そういう不足があるということがわかつてつて、どうして全額払つたんですか。
  39. 近藤亮一

    近藤説明員 不足があるというのではなしに、検定官が検定したときは完全にできておつたわけです。それで払つたわけです。
  40. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうするとその不足あとでわかつたわけですね。
  41. 近藤亮一

    近藤説明員 はあ。
  42. 杉村沖治郎

    杉村委員 検査が悪かつたということですね。
  43. 近藤亮一

    近藤説明員 結果的には検査が悪かつたということであります。
  44. 杉村沖治郎

    杉村委員 それでけつこうです。要するに金を払うときには一応検査をして金を払つたけれどもあとでそれだけは不足していたということがわかつたの手直しをさせた、こういう意味ですね。
  45. 近藤亮一

    近藤説明員 そうであります。
  46. 杉村沖治郎

    杉村委員 だからそういうときは、検査が悪かつたということを率直に言つてくれればわれわれは深く追求しないが、いろいろああ言い、こう言いしてぐあいよく答えようとしても私らは納得できない。  次は四の方で伺いたいのですが、架空の人夫賃の名義によつて支払いをした、こういうのがあるが、架空の人夫賃というのはどのくらいの額で、どういうことによつてどれに充てておるか、ちよつと説明してもらいたい。北海道が冷寒地だとかなんとかいうことは言わないでいい。
  47. 浅村廉

    浅村説明員 架空人夫賃の名義によるという言葉がございますが、これはこの番号で見ますとおそらく十六番目のものが該当になると思います。これについてお答えいたしますと、これは災害復旧工事ほか三工事というものが対象なつておりまして、人夫賃の名義で二百七十一万一千三百四十五円というものを一応支払いに立てまして、その立てたことがけしからぬというおしかりを受けておるわけであります。架空の人夫賃を立てたこの金は何に使つたかと申しますと、その期間中の山道の改修、運搬等の工事請負代に使用しておつた、こういう御指摘を受けております。これは予算の区分を乱る問題でありまして、非常に常識のないやり方をしたものだと考えております。今後このようなことのないように厳重注意を喚起しております。これは工事関係に金が使われておりますので、出来高不足であるといつたようなものとは少し性質が違いますけれども、今後厳重に注意いたしましてこのような予算を乱ることのないように注意を喚起しております。
  48. 杉村沖治郎

    杉村委員 あなたの答えで言えば、工事に金を使つたことだからほかの出来高不足というようなものとは違うということをおつしやられるが、架空の人夫賃が十六であつたとすれば、明らかにここに必要な事業があるならその事業に使うといつて消費したらいいじやないですか。何を苦しんでどこの人夫賃をこういうふうにごまかして使つたんですか。どこの人夫賃をそういうふうに架空にしてこれだけ捻出したんですか。答えてください。──答えられないんですか。
  49. 柴田義男

    柴田委員 議事進行に関して。今同僚杉村委員からすこぶる常識的な質問を試みておるにもかかわらず、答弁が非常に不活発でございます。こんな不活発の状態は、どの審議をやるにいたしましても、われわれはまことに不愉快きわまる。建設省のもう少し責任ある者の出席を求めたいと思います。
  50. 浅村廉

    浅村説明員 ここに実は資料を持つて参りましたのですが、非常にこまかく出ておりますので、これからそれではこれを読みまして御説明申し上げます。
  51. 杉村沖治郎

    杉村委員 そんなにこまかく読まなくてもいいです。あなた方は大体そんなものを見なくたつて、ここへきよう出て来る以上は──われわれはあなた方の方で出しておる書類によつて聞いておるのですよ。大体においてこことここのこういうところへ使う金を実は人夫賃にしてこつちでこういうふうにした、こういうような答えをすればわれわれそれで了解しますよ。片はしから全部読まなくてもいいんです。あなた方の答えが、そこへ来てわれわれから聞かれてから一生懸命調べなくちやわからないようでは問題にならぬ。そんなにこまかく読まなくてもいいですよ。
  52. 安井大吉

    ○安井委員長代理 簡明に要点をやつてください。
  53. 浅村廉

    浅村説明員 それではこの問題、私頭を整理いたしましてお答え申し上げますから……。
  54. 山田長司

    ○山田(長)委員 説明員が頭の整理をやるというのですが、資料を持つて来るということでありますから、ついでにその資料を持つて来るときに御提出願いたいのです。それは北海道の開発工事にはいずれも鉄線蛇籠が何本も非常に使われております。実は鉄線蛇籠につきまして最近耳にしている問題で、これは北海道ばかりに限つたことではないのでありますが、全国的に鉄線蛇籠の単価がべら棒に高いということが私の調査の結果出ておるのですが、北海道の場合もしあなたここでわかつておるならば、鉄線蛇籠一本どのくらいでできておるか知らしてください。わかつていないなら、全部鉄線蛇籠の資料を出してください。
  55. 浅村廉

    浅村説明員 鉄線蛇籠につきましては、ただいま私存じておりません。これは調べまして資料を御提出したいと思います。
  56. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私は四から一五まで、ページ三十三から三十五ページまでやりますが、一応総括して開発庁次官にお聞きいたします。あなたはこれらの批難された事項原因が、北海道の特殊事情あるいは定員不足あるいは各省出先関係がばらばらであつたということが原因のごとく御説明でありましたが、しかし検査指摘の方の摘要欄のところを読んでみますと、番号四におきましては、末尾に「切込砂利八〇%が脱落している。」とあり、次の五のところにも、八〇%脱落、六に至つては九〇%規格以下のものが混入しておるということになつております。こういうことは行政上の機構の問題でもなければ定員の問題でもなければ、各省出先のばらばらの関係というふうには思いません。これは別な原因から来ているものと判断しなければならぬのだが、御所見はどうです。
  57. 玉置信一

    玉置政府委員 お答えいたします。最初の行政機構上の問題は、先ほど天野委員から指摘を受けてお答えしたので、後段の蛇籠その他の問題につきまして、八〇%、九〇%脱落しておるのは一体どういうわけか、これをどう見るかということでありますが、それは最初にお答え申し上げましたように、予算はこちら一本にとりますが、移しかえをして、各省の大臣が事業監督をする立場でありまして、各省それぞれの担当官がおりますので、その方面から答弁する方が筋が通ると思います。
  58. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 あなたはそれぞれ担当の方から答弁するのが筋だとおつしやるのだが、しかしながら実施関係についてはあなたの方の所管に属するということが、北海道開発法の第十二条第一項第一号に書いてあります。だから実施についてはあなたの方が責任があるはずだ。それを他の省へ答弁をゆだねるというのは責任転嫁だと思うが、どうですか。
  59. 玉置信一

    玉置政府委員 実際は監督権がないわけでございます。
  60. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 実施の責任はあるでしよう。
  61. 玉置信一

    玉置政府委員 実施する面において、ただちに移しかえをしたその予算において入札契約が行われ、実施する劈頭から所管省の大臣が監督するのでありまして、私の方からは一応手が離れるわけであります。
  62. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 監督をするのが他省の関係にありといたしましても、開発庁の使命から見まして、実施については当然責任があるのではないのですか。だから、実施について責任もなければ、監督するのはあなたの方に関係がない、せられる、するは一応別にいたしましても、実施について責任がないとは一体この法律のどこから出て来るのですか。そういう議論は……。
  63. 玉置信一

    玉置政府委員 繰返して申し上げますが、開発庁の直接責任のある問題は人事に関する点だけでありまして、その他の事業実施につきましては各省所管において監督指導をすることになつておりますので、これは時間が許せば詳しく申し上げるのですけれども、吉田委員におかれましても、本日のこれで納得行きませんでしたら、詳細に法律の建前と北海道開発庁並びに局の建前をゆつくりと御説明申し上げると御了解願えると思つております。
  64. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうすると人事だけの関係であるならば、あなたはきようの関係については答弁の資格が実質的にないわけですね。何のためにいらしたのですか。
  65. 玉置信一

    玉置政府委員 私の方の所管の問題があるわけであります。同時に北海道開発庁としての批難事項に対するいろいろな基本的な問題等の質疑がありますれば、その建前上から御答弁申し上げなければならぬと思つてここへ出て来ておるのです。
  66. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしますと、あなたの方といたしましては北海道開発に関する基本的な事項について責任もある、しかし具体的の工事については工事責任はない、こういうふうにお答えを了解してもいいですか。
  67. 玉置信一

    玉置政府委員 そう御了解を願えばけつこうであります。
  68. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 わかりました。ではそうしておきましよう。そこであなたの方は、こういうように北海道で多額の予算を食い散らして批難されているような事項が起つておるのでありますが、こういうことにつきましては、あなたの方としてさきに対策として若干予算措置やら会計年度措置のことをお述べになつておりましたが、北海道の開発に対する基本的なあり方ということについて何らかの根本的な誤りが内在するのではないでしようか。たとえば私ども他の省の、農林省にしましてもあるいは建設省にいたしましても、他の地方においてこんなに厖大な過誤を犯したような批難事項を見ることが少いのであります。こういうことについてあなたの方の根本の方針に相当誤りがあつたのじやないでしようか。
  69. 玉置信一

    玉置政府委員 吉田委員の御指摘のごとく、機構上において私どもつたく吉田委員と同じ考えを持つておるわけであります。これが先ほど申し上げましたように、開発庁実施機関として予算から実施まで一本の姿にしていただきまして、実施監督、指導の権限まで与えていただくことによつて、こうした批難事項は、絶無にすることはできないまでも、相当防止ができるという確信を私は持つております。当初の北海道開発法を制定する際の原案というものはそういう姿になつておつたのでありまするが、残念ながら、かかる変態と申しますか、矛盾きわまる法律のもとに実施されているということを御了解願いたいと思います。
  70. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ただいまの四ないし一八については北海道開発庁は人事関係以外には責任もないし、また行政機構上も何ら義務関係はないということでありますので、これは直接農林省建設省にここに出頭してもらつて聞くことにいたしまして、あなたに対する質問はこれでしないでおきます。
  71. 杉村沖治郎

    杉村委員 私は今の次官の御答弁はちよつと誤つているのじやないかと思うのですが、あやまちがないとするならばそれでけつこうですよ。あなたのような答弁が正しいとすると、北海道開発庁長官というものは不要なものですね。北海道におけるところの国の予算を使つたことについて責任もなければ何もない。何のために北海道長官というものが必要なのかということになつて来るのですけれども、責任がないというのは、ちよつとあなたは行き過ぎじやないでしようか。
  72. 玉置信一

    玉置政府委員 機構北海道開発法のもとにおいて実施しておる現段階におきましては、責任の問題は、やはり各省にある建前で行つていただくよりしようがないんじやないか。道義的な立場から申しますと、私ども責任を痛感して、かかることのないように、個人的にはしばしば注意をいたしておりますけれども、どうも建前上直接の責任を負うて、こういうあやまちをしたからこういう処分をするというようなことは言えない今の建前にありますことを御了承願いたいのであります。
  73. 杉村沖治郎

    杉村委員 どうもあなたは責任がないというふうに今もおつしやるのですけれども、それじや北海道開発庁長官はどういうためにできて、どういうことをやるのですか。国の国務大臣として、特に北海道開発庁長官として送られたその人が、開発庁仕事について責任がないということは私はどうしても納得がいかぬのですがね。あなたの答えはどうかと思いますがね。開発庁長官はそのためにできたんじやないですか。
  74. 玉置信一

    玉置政府委員 開発法には実はこううたつてあるのであります。「北海道開発庁は、開発計画について調査し、及び立案し、並びにこれに基く事業実施に関する事務の調整及び推進にあたる。ということになつておりますので、全体の総合調査計画をして北海道予算を獲得するということに重点を置いてあるのでありまして、私どもあなたのお考えと実は大同小異でありまして、ほんとうはそこまで行かなきやならぬという信念を持つておりますが、現在においてはどうもいかんともなしがたい実情にあることを御了承願いたいと思います。
  75. 杉村沖治郎

    杉村委員 時間がかかりますからくどく申し上げませんが、今あなたが北海道開発庁法を読み上げられた事項については責任があるんじやないですか。
  76. 玉置信一

    玉置政府委員 むろんあります。
  77. 杉村沖治郎

    杉村委員 計画促進、そういうことについては……。
  78. 玉置信一

    玉置政府委員 あります。
  79. 杉村沖治郎

    杉村委員 そういうことについて予算をとつて来たならば、計画のうちには実行も含んでおるのでありましよう。それだから、それについて責任がないというあなたの言葉は行き過ぎで、あなたが今読まれた法令の中にちやんと明らかにうたわれておるんじやありませんか。それにもかかわらず吉田委員の質問に対して責任がないんだとあなたははつきり言われるから、それじや何の責任を持つて開発庁長官はあるのだということをわれわれは反問したくなるのです。あなたがおつしやる予算をとる、それの実行をする、どうする、すべての計画実施である。私は責任がないとあなたが言うことは行き過ぎだと思う。
  80. 玉置信一

    玉置政府委員 どうも私もくどいようでありますが、計画して、調査して、立案して予算をとるわけで、実施に関する問題はただ調整をするということだけで、実施の面にわたつて予算移しかえておるわけであります。そこで各省監督してやる建前になつておるわけでございますから、この点はどうも何回繰返してもこれ以上のことは申し上げられないのであります。
  81. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 議事進行について。これは本来ならば農林省建設省運輸省をここへ来てもらつて質疑すべきものであります。今の答弁ではできません。もつと研究して次会にすべきだと思います。次に進んでいただきたい。
  82. 安井大吉

    ○安井委員長代理 今日来ておりますのは、自治庁次長、保安庁次長、調達庁長官、外務省、会計検査院、これだけであります。それ以外の政府委員及び説明員は、建設省の営繕局の、管理課長高田説明員、建設省防災課長浅村説明員、それから運輸省港湾建設課長坂本説明員、農林省の農地局建設部かんがい排水課長小川説明員、これだけであります。
  83. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そういう人では問題が解決しないからあらためて来てもらうことにしましよう。
  84. 安井大吉

    ○安井委員長代理 それじやそういうことにしましよう。  次に二十七年度の九ないし一七につき詳細な説明を求めます。会計検査院小峰説明員。
  85. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 二十七年度……。
  86. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 御発言中ですけれども、これは前々回の理事会の運営方針の申合せによりまして六年、七年をあわせて審議することになつておりますから、なるべく、たとえば北海道開発庁関係におきましては二十六年、七年、また保安庁関係におきましても、予備隊関係になりますが、六年、七年というように発言を求めることが便宜だろうと思います。大体重複するおそれもありますからかようにお願いしたいと思います。開発庁問題は一応この際保留しまして先へ進んでいただきたいと思います。
  87. 安井大吉

    ○安井委員長代理 それで皆さん御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 安井大吉

    ○安井委員長代理 それでは次に昭和二十六年検査報告四十二ページ、地方財政委員会補助金、昭和二十七年検査報告書五十四ページ、自治庁補助金問題を一括議題とし、会計検査院当局より説明を求めます。検査第一局長池田説明員。
  89. 池田修蔵

    ○池田会計検査院説明員 ただいま議題に上つております自治庁地方平衡交付金についての問題でございますが、この検査報告に書いてございますようにこういう間違いを起します原因は、平衡交付金を交付します基準となる金額の算定の道行きにおきまして、一番初めのもとになる統計をとる台帳そのものが不整備であるとか、あるいはその台帳から拾うときに拾い違いをするとか、あるいは拾つたものは正しかつたが、わくを補正するときに補正誤りをしたもの、あるいは単なる計算間違いをしたもの、たとえばそろばん違いとか、小数点二位までをとるべきところを一位までとつたというような単純なる計算上の間違いが多いのでございます。そういう間違いをいたしますのは、結局計算をいたします者が事務にふなれのために規則を十分にのみ込まない、あるいは計算が非常にめんどうだからその途中で間違うというのがおもなる原因だと思いますので、事務担当者がこういう規則並びに計算の方式に習熟いたしまして間違いを起さないようにするということが必要であろうと思うのであります。
  90. 安井大吉

    ○安井委員長代理 自治庁当局において何か発言されることがありましたらこれを許します。柴田説明員。
  91. 柴田護

    柴田説明員 ここに会計検査院から指摘されましたことにつきましては、ただいま会計検査院の方から御説明がありましたので、大体尽しておると思うのでありますが、私たち事務を行いますときに注意して参つておりますし、またずつと会計検査院からも御注意いただいておりまして、その御注意に従つて地方団体へもその趣旨を徹底いたして参つたのでありますが、何分平衡交付金制度が創設されましてから間もないことでありますので、なかなか趣旨が徹底しかねておりまして、かような計算違いがいろいろ現われて参りまして非常に申訳ないと思つております。大体計算間違いにつきましては、現在平衡交付金法の十九条の規定によりまして、その錯誤を発見いたしました年度または翌年度において処置することにいたしております。現在ここに検査院から指摘されました事項につきましては、山梨県と京都府の二府県につきましては半額だけ、その他の府県につきましては、昭和二十八年度地方財政平衡交付金におきまして全部錯誤を訂正いたしました。なおその訂正をいたします際にかような錯誤のないように厳重に注意をいたしております。またかような計算間違いが生じて参ります原因は、先ほど来お話がありましたように、注意が十分行き届かないということもありますので、昭和二十九年度からはなお一層厳重に注意をいたしまして、このことについて指導し、またこのことにつきまして調査なり検査なりを行つて行くというような方法によりまして、こういつた間違いをなくするように努力して行くつもりでおるわけであります。
  92. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ちよつと一点伺いますが、自治庁におきましては、このような莫大な過大計上ないしは過小計上があつて、たとえば二十六年度における過大計上の場合には群馬県において三千五百万円、奈良県のごときは七千八百万円、過小計上におきましても、徳島県二千九百万円、福井県が二千六百万円、二十七年度における過大計上が、京都府が五千万円、北海道が一千七十万円、こういうような莫大な数字が過大に計上せられ、過小に計上せられるということになりましたならば、当該地方における財政が、そうでなくても今日は全般的な赤字財政でございますので、影響するところは相当深刻であろうと思います。そこで自治庁はこういうふうな過大計上のあつたことをいつ知つたのでありましようか。それとも会計検査院指摘されて知つたのでしようか。過大、過小ともその点いかがですか。
  93. 柴田護

    柴田説明員 会計検査院から指摘されまして承知したものもございますし、配分したのを翌年度の平衡交付金を算定いたします際に、どうもおかしいとい、ことで発見したものもあります。
  94. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 今指摘したものはどうでしよう。
  95. 柴田護

    柴田説明員 これは会計検査院の御指摘によつて承知いたしましたものであります。
  96. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 政務次官に伺いますが、自治庁はこの平衡交付金の交付については、相当責任もあるし、また監督の権限も義務もあると思う。一府県で、貧弱府県でもあろうが、七千八百万も取過ぎて検査院に指摘せられておるというようなことは、自治庁自体の責任だと思うかどうでしよう。
  97. 青木正

    ○青木(正)政府委員 お話のごとく、地方財政平衡交付金法に定められた一定の基準によりまして、交付金の額を決定いたしますので、自治庁といたしましては、その交付につきましては、もちろん十分の責任を負わなければならぬと思うのであります。そこで実際の問題になりまして、各府県からその基礎になります数字を計算して参るのでありますが、その基礎になります数字に譲りがあつたというようなことから、こうした錯誤を来したのでありまして、そのことをすぐそこで気づけばよろしいのでありますが、私ども府県から出正した数字を一応そのまま認めて出してしまつてあとで気づくというようなことで、気づき次第第十九条によりまして錯誤を訂正することになつておるのでありまして、非常に煩雑な数字でありますので、そうした間違を起したことにつきまして、まことに申訳なく存じておる次第であります。
  98. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私はやはり平衡交付金が一千数百万円組まれて、地方に交付されるという状況は、相当重大な予算の執行と見ております。一兆億円に近い予算のうちの手数百万円といえば、パーセンテージにしてみましても、相当大きな数字であります。そうしてこれが他の財政監督会計検査院指摘せられるまで自治庁は知らなかつたというのは、一体どういうわけであろうか。自治庁は平衡交付金の交付の途上において、計算の過誤等についてあるいはまたその他の使用の状況についてあるいはその他の流用等の有無について等々、予算執行について監督する責任とか義務とかはないのですか、いかがですか。
  99. 青木正

    ○青木(正)政府委員 御承知のごとく新しい憲法の建前といたしまして、府県に対しまして自治庁としては監督権はないわけであります。監督権はありませんが、しかしそうした数字について検査することはできるわけであります。出て来た基礎数字について一々自治庁が詳細に確めてしかる後やれば、こうした間違いも少いかと思いますが、自地庁もいろいろ検収いたすのでありますけれども検収いたしましてもこうした間違いを起した、かように私ども考えております。
  100. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 しかしこれは二十六年に莫大なこういう計算違いが生じ、そして今御説明を聞きますと、何か事務が習熟しなかつたとか、法律が新しいので云々というようなことに転嫁してしまつたのだが、二十七年また出て来るということになれば、これはやはり自治庁におきまして予算執行の状況を監督するということは相当せられねばならぬのじやないか、そしてほんとうに事務が習熟しないということが原因であるかどうか、あるいは疎漏であるのかどうか、人間の素質が悪いのかどうか、あるいは各地方庁において大きな間違いがあるのかどうか、あるいは制度上に欠陥があるのかどうかというようなことを、あなたの方自身が検討すべき責任があると思います。会計検査院指摘せられて初めて知つて、ここへ出て来られて今後注意いたしますと言うような、そういう問題じやないと思うのです。これは二十六年の予算執行で、すでに二十六年に間違いを指摘せられて、あなたの方もここへ何とかの説明書を出しておるのだから、二十七年について再び繰返すことの有無について厳重に責任を持つて地方の平衡交付金を受けた側のその受取り方等について検査もしなければならぬと思うのだが、それをしておらぬのですか、もししないとすればなぜしないのですか。
  101. 青木正

    ○青木(正)政府委員 監督というわけではありませんけれども検査の方はいたしております。それが十分でなかつたという御非難はあろうと思いますが、検査はいたしておるのであります。なお平衡交付金の決定に至りますまでの事務的過程等につきましては、一応説明員の方からお聞き取り願いたいと思います。
  102. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 こまかい平衡交付金をどうして計算するか、あるいは平衡交付金の交付の内容はどうかという個個の説明は省略していただいた方がいいと思います。私どもは結果と、そして原因の重点を、こちらで気のついたところを討議してみたいと思います。私の一つの尋ねたい点は、五千万円も七千万円も過大に計上しておるものを、あなたの方が数字を検査するときに発見せぬというのはどういうわけだろう。地方のたとえば京都なら京都へ行かれて、土木費が幾ら、教育費が何ぼということを全部御調査なつていろいろと説明をお聞きになるという丹念な方法をとれば大体見当がつくと思うのです。もしその際に調べられる方が逃げてしまつたら、それは先方側において相当大きな手落ちがあつたのじやないか、こう思われる。検査したと言うから聞くのですが、検査したならこんな大きな数字はわかるべき筋合いだと思うがどうか。また十分にしておらぬということであれば、なぜしないのであるか、今後は一体どうするのか、それを聞きたいと思うのです。
  103. 柴田護

    柴田説明員 通常平衡交付金を計算いたします場合には、府県分につきましては大体自治庁でやるのであります。市町村分につきましては県知事に事務を委任しまして、県知事が計算をやつて参ります。そこでそれを受取ります場合に、数字を全部点検するわけでございまして、点検するときに通常の誤りならば全部発見するわけであります。ところが毎年その計算の規則が、補正計数等いろいろなものが若干ずつかわつて参ります。事務の配分状況あるいはいろいろの基礎になる数字の変化、税収等の変化によりまして、計算の方法が少しずつかわつております。そこで非常に大きな間違いでありましたならば、そのときにすぐわかるはずでありますが、それがそういう基礎数の変動がありますために見のがしてしまうという点があります。これは確かに私たちの疎漏であります。それから実際に検査に参りまして発見したものもございます。検査に参りましてわからなかつたものもありますし、また一年間に全部の府県をまわるべきでありますけれども予算その他の制約もございまして、十分まわりきれないといつたような面もございまして、私たちの庶幾するだけの検査ができないわけであります。ただ御指摘のように、今後におきましては、検収の場合におきましても、数字を地方から受取る場合におきましても、なお厳重に検査をいたしますとともに、二十九年度におきましては計算のあと実施について十分検査を一貫しまして、かような誤りのないようにやつて行きたい、かように考えております。
  104. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これは詳細にここで自治庁との問に問答することを避けておきますけれども、やはりあなたの方でみずから誤つてつたものも相当含まれておるのじやないかと思うのであります。たとえて申しますれば、二十六年の北海道関係におきましても、北海道の耕地の面積については、北海道自治庁へ報告したものに対しまして、自治庁みずからの計算が誤つてつたというようなことも、ここに指摘せられておるのでありますが、そういうみずからのあやまちもあるのじやないですか。だから今計算の仕方等につきまして何かと御説明がありましたけれども、これはやはり自治庁も相当な誤りがあるということが一つ原因をなしておる分もあるのじやないか、こういうことも私ども指摘したいのであります。しかし今こまかいことについてそういろいろと申すことも差控えますけれども、結局お互いが数字の検討にあたりまして、十分に責任を負つておらなんだということに帰着するのじやないかと思うのです。この点につきまして検査院の御意見を聞いておきたいと思います。
  105. 池田修蔵

    ○池田会計検査院説明員 ただいまの吉田委員の御意見はごもつともだと思います。やはり一応府県の審査して出しました資料自治庁でさらに検査いたすわけでありますが、自治庁の方でさらに自分自身の誤りをされるということも、一、二発見しておるようでございます。しかしむしろその方は少くて、県の方で誤つたの自治庁が審査するときに見落されたというのが大部分のようでございます。
  106. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 またこのたび法律改正になりまして、新しい交付税制度になるようでありますが、それにいたしましても、計算の内容、仕方あるいは交付する計算自体の対象になるべきものはあまりかわらないようでありますけれども、そうすると今のようなやり方でやつたら、また二十八年も大きば過誤が出る、二十九年も過誤が出るということで、処置するところがないと思うのであります。これについてやはり抜本的にこれをなくするということが必要だ。これにしましても実は一億円以上の数字の食い違いが出て来ておるのであります。手数百億円のうちの一億円というのであれば、それは千分の一程度であつて、大したものでないと言えばそれまでですけれども、鳥取県とかあるいは島根県あたりは五十億や六十億の小さな予算で、ほとんど国におんぶしておる財政実情であります。そういうことは私が申すまでもなく御承知なんでありますけれども、そういつたような府県実情にかんがみると、こういうことの絶滅を期するということでなければ、やはり府県の中央への信頼というか、そういつた面からもくずれて来ると思います。そうでないと、あとでこれを補補填する差引するというような行き方はやむを得ざるあとの措置にすぎません。前もつてこれをなくすることについては、今後も問題が残つていると思うのでありますが、一体どういうお考えであるか、これにつきまして自治庁検査院の両方から伺つておきたいと思います。
  107. 青木正

    ○青木(正)政府委員 御指摘の点まことにごもつともと存じます。そうした国費に錯誤を起したことは申訳ないばかりでなく、これを受ける地方公共団体側においても、その結果としてあとなつて清算するということになりますと、運営上支障を来すことになりますので、私どもはこういうことがあつてはまことに申訳ないと深く感ずるのであります。  今後の問題についての御注意の点、まことにごもつともでありまして、この制度は昭和二十五年からとられて、二十六年当時は年なお浅いからということがあるかもしれませんが、もうすでに五年近くなるのでありますから、こういうことがないように、自治庁といたしましても最善の注意をいたします。なお先ほど来から御説明申し上げましたごとく、今回交付税の改正にあたりまして、いずれ各府県担当官を集めまして、新しい税法等の説明をいたしますので、そういう機会においても十分注意をいたします。  なお現実の配分額を決定する場合におきましても、過去の経験にかんがみまして、こうしたことのないように、自治庁として最善の努力を尽して行きたいと存じます。
  108. 池田修蔵

    ○池田会計検査院説明員 私ども検査した結果はいろいろ感ずるところもございますが、これは単に平衡交付金の計算の制度というような単純な問題でございません。やはり地方制度全体に関することだと思いますので、その交付金の算定方法だけを申し上げてもあまり意味がないんじやないかと思いますが、一応その面だけから見てみますと、規則が相当めんどうで、その解釈等の徹底が十分担当者の方に行つていないのじやないか。そこで趣旨を十分担当者の方に徹底させるのがまず第一だと思います。ただ非常にめんどうになつているということは、もつと簡単にできないかという問題があると思います。これは簡単にする方が事務も簡捷にできますから、間違いを起さないで済むので非常にいいわけでありますが、もつと根本にさかのぼりますと、各府県事情違つておりますので、一律に単純なものでやりますと、各府県実情に沿いません。その府県の人口密度も違いましようし、児童の数も違いましようし、港湾、海岸線の長さも違うし、いろいろ違いましようから、それに適応するような交付金の金額を出すためには、やはり実情に応じて少しずつ計算をかえて行かなくちやならぬ。そういうことをやりますと、どうしても事がめんどうになつて間違いを起す。そこでどういうふうにすれば最も府県実情に沿いながら計数がはつきりするものになるかは、だれが考えても矛盾したことを調和しようということでありますから、非常に困難な問題でございますが、地方制度調査会なんかもございますので、そういうところで十分御研究になりまして──私の方はむしろしろうとでありますから、そういう専門の方でよく御研究なさいまして、制度を簡素にしかも実情に適するものとするということと、趣旨の徹底をはかつて担当者に早く習熟させる。それからよく規則がかわるようであります。二十六年と二十七年ではかわるし、二十七年の中でも最初の仮決定のときと本決定のときとでは少しかわる。かわるということは、なるべく合理的なものにしようとする良心からでありますが、それがひんぴんとかわるから、せつかくなれたものがかわつて、前のものをのみ込んでいたから、あと改正を忘れて前の方で計算してしまつたというような、涙ぐましいような誤りもあつたようでございます。そういうことで、とにかく早く徹底させて正確な金額を出すことが必要であると思われます。
  109. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 その点につきまして自治庁──きようは大臣が見えておりませんが、あなたの方でよく御相談を願いたいと思いますのは、やはり趣旨を徹底させるということだけでは解決しないと思います。これは機構とか、交付金を計算すべき根本の各般の構成の問題というような面に相当新しいくふうを織込んで行くというところまで進んでおやりになることが、この際いいのじやないか。こういうことを私が提言いたしまして──自治庁として今後新たなる税の改正もあるでしようし、非常にいい機会ですから、これを根絶する意味において来年は再びこの種の問題が当委員会に来ないために、ひとつ基本的方針、機構とか構成とか制度とかいつた方へ一歩打ち込んで行くという方向へ努力せられんことを希望しておきたいのであります。
  110. 杉村沖治郎

    杉村委員 これは青木政務次官はどちらも就任前のことでよくわからぬでしようし、就任になつていれば自分の県のやつも少く見積られているんだからすぐわかつただろうと思いますが、ぼくら見て心外千万だがしかたがない。そこで私はいわゆる政治的にこういうことが行われておりはしないかということだけ疑念を持つのです。いかにも額が大きいですよ。奈良県のごときは七千八百七万六千円よけい行つている。山梨県、福岡県などもそうでしよう。こういうように県に対する交付金が少く見積られているのと大きく見積られているのと、県の財政に及ぼす影響の開きはたいへんですよ。これは間違いだ、間違いだというけれども、聞違いであればまだけつこう、と言つては語弊があるかもしれませんが、間違いであれば直せばよろしい。もしこういうことが政治的にでも行われているとすると、これは重大問題じやないかと思うのです。二十六年にあつて、やはり二十七年にもある。京都府のごときは五千九十八万四千円もよけい行つている。山梨県は二十七年もよけいに行つている。こういうことを政治的にでも行われることになつたらたいへんなんですが、どうか青木政務次官におかれても、そういうことを十分に御留意願いたいと思う。これは政務次官でなくほかの政府委員でけつこうですが、この過不足についてあと整理されて、不足のところには交付をされているのですか。
  111. 柴田護

    柴田説明員 処理されております。
  112. 青木正

    ○青木(正)政府委員 ただいまの杉村さんのお話でありますが、私も決算委員会で交付金の関係の間違いがあつたということで、先ほど財政部長等からも事情を聞いたのであります。まつたく御指摘の評うな政治的な考慮は一つもないのでありまして台帳の数字の間違いであるとか、小数点のとり方の遅いであるとかいうことで、地方財政平衡交付金制度の基準財政のきめ方が非常にややこしい計算になつておりますし、それからただいま会計検査院から御指摘になりましたように、たとえば給与ベースが上りますと、それに対心して全部の基準の数字がかわつて来る。人口一人について幾ら幾ら、生徒一人について幾ら幾らというようにかわつて来ますので、これを何とかもつと簡略化して、昔の交付税のようなことで行ければいいのかもしれませんか、しかし平衡交付金制度そのものから考えますと、やはり府県の基準財政需要を見まして、府県の基準財政収入と両方比較いたしまして、その差額を国が補給する、こういう財政調整の使命を果すためにはどうしてもその中間計算をしなければならぬ。中間計算をするためにこうした結果になり、かえつてこれで御迷惑になる。そういうことは御指摘のごとくまことにごもつともなことでありますので、こういうことのないように、私どもの方といたしましてできるだけの研究もし、注意もして行かなければならぬと考える次第でございます。
  113. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 ちよつとお尋ねしておきますが、これは二十六年度も二十七年度も通じて過大に評価された方が総計して多くなつている。これは単に偶然でありますか、何か事情がおありでありますか、簡単でよろしゆうございますから会計検査院と両方からお答えを願いたいと思います。  それから、今度は地方交付税でありますか、これか平衡交付金制度にかわるわけでありますが、その場合にこういうことが多少関連がありますか、全然ございませんか。この二点をお伺いいたします。
  114. 柴田護

    柴田説明員 そういうことは全然ございませんで、まつたくの計算間違いでございます。それから交付税との関連はおつしやるようにあるのでございまして、かりに二十八年度にあつたといたしますと、二十九年度におきましてはやはり二十八年度の間違いを直し得るというような法的措置になつております。従いまして計算聞違いのものはあくまで間違いとして、正しい姿に引き直すというような措置を講じております。
  115. 池田修蔵

    ○池田会計検査院説明員 ただいま自治庁からも御説明がありましたように、金額は大きいのでございますが、やはり計算間違いでございます。奈良県、それから京都府なども大のきいものは間違つた経緯はむしろ簡単で計算間違いになつております。金額は小さくても、いろいろめんどうなところで間違つたものもありますが、むしろ大きい方は計算間違いであります。  それで故意があつたかどうかということでありますが、故意があつたということを断定するほどではなかつたと思います。故意はなかつたろうと思います。やはり単なる計算間違いだろうと思います。
  116. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 つまり平衡交付金制度が始まりましてから——各県別でなくてけつこうですが、過小に評価された方が多かつた年があるでありましようか。いつも過大に評価された方が——それは過小の県もあり過大の県もあるのでありますが、総計していつも過大の方ばかりだというと、偶然に同じ過誤を犯すにしても、そこに非常に疑問があるのじやないか。総計して過小に評価された方が多かつたという年が一年でもあれば、これは作為がなかつたということがわかる。それと今のお答えでまだはつきりいたしませんことは、平衡交付金制度が交付税にかわるわけでありますから、そういたしますと、平衡交付金でかように多く行つたり少く行つたりしておる。それを交付税で修正するというその技術的な面は簡単なのでございますか。
  117. 青木正

    ○青木(正)政府委員 後段の改正の問題につきまして私から御説明申し上げます。交付金がかわりまして今度は交付税になりますが、しかしその配分のやり方はやはり同じであります。やはり基準財政需要を見まして、そうして基準財政収入との差額を出す。ただかわりますのは、今までのは財政需要によつて国の方の予算でことしは幾らだというふうに交付金をきめるわけでありますが、今回のはそうでなしに、所得税と法人税と酒税の二割という、つまり千二百億というものを交付金としてきめる。これがかわりますが、配分の仕方、いわゆる基準財政需要のきめ方、測定単位であるとか単位費用であるとか、こういうことは全然同じ筆法で行くのであります。そうしてかりにこの場合で、二十六年度に錯誤のために多く出し過ぎたというものは、この法律の規定によりまして翌年はそれだけどうしても差引かなければならぬことになつております。従いまして各担当官といたしましても、それが間違いがあれば必ず翌年整理されるのでありますから、翌年と言いますか、次の配付のときにわかれば、わかり次第次の交付税の配付のときに整理いたすことになつておるのでございます。従いまして私ども承知いたしておりますところでは、配付が行き過ぎたという点がありましても、これは当然それがわかり次第整理されるのでありまして、行ききりというものではないのでありますから、そういうふうに意識的に多くの間違いをするということはちよつと考えられないのでありまして、われわれはまつたく事務的な計算の間違いから出て来たのではないか、かように見ておるわけであります。
  118. 柴田義男

    柴田委員 今の御説明を承つておりますと、みな意識的でないというお答えのようでございますけれども会計検査院指摘されております二十六年度の、たとえば各市町村の調査の結果を見ましても、二十六年度において四十五の市町村を調査されました場合に、交付の基準額が過大に計上されたものが二十八市町村で、二千九十三万二千円、過小に計上されたものが十七市町村で五百五十二万七千円でございます。それから二十七年にもやはりこういう例が載つておりますが、この場合にも、市町村の数は減つておりますけれども、金額においては、過大に計上されておるものが一千七百八十八万四千円で、過小に計上されておるものが千四百六十万四千円である。いずれもそういう市町村を御調査の場合に過大に評価しておるところが多いように見受けるのであります。こういうところから判断いたしますと、どうしても各市町村なり各府県の基準額調査の仕方というものは、過大に調査しがちのように見受けられますが、そういう点を自治庁では十分御承知でございましようか、承りたいと思います。
  119. 柴田護

    柴田説明員 御指摘のような傾向が全然ないとは私たちも断定いたしかねるのでありまして、御指摘のような傾向を若干持つということは認めざるを得ないと思いますけれども、それは検収の際には十分注意をしておるのでありますけれども、なお実際に配りました結果計算間違いのものが出て参るのでございます。     —————————————
  120. 安井大吉

    ○安井委員長代理 それでは次に進行いたします。二十六年度検査報告、三十八ページ、警察予備隊の項及び二十七年度検査報告四十七ページ保安庁の項を便宜一括して議題として、会計検査院当局より説明を求めます。但し右のうち二十六年度番号二一、二十七年度番号一八ないし二四を重点的に御説明願います。上村会計検査院検査第二局長。
  121. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 二十六年度の二一号と二十七年度の一八号から二四号、これはいずれも同じ種類のものでありまして、物品の購入計画が当を得なかつたという事案でございます。  二十六年度の二十一号の一は、脱脂綿五百グラム入りのものを八百二十五包買われたのでありますが、当時保安庁では相当多量の脱脂綿を保有しておられまして、その保有数量は相当の年月使用しても使い切れないほどあつたわけです。だからさらに脱脂綿を買う必要がなかつたという事態でございます。  第二にありますのは一般病院用として手術用器具器械等を二千四百余万円はど購入されておるのであります。当時の警察予備隊には、御承知のように、病院施設もございません状況でありまして、現在に至りましても病院関係は十分整備されておらない状況であります。当時はそういう状況でありますから、器械類を買いましても使用する方途がないわけであります。そういうものは予算の使用上十分考えられて、購入の必要のときに購入することが適当じやないかと考えておるのであります。  それから二十七年度の十八から二十四までも大体同じような事態でございますが、十八のものは、野戦病院患者用の折畳寝台を七千三百八十八台ほど購入されておるのでありますが、当時必要数量は隊員七万五千名の場合に二千八百八十台あればよかつたわけでありまして、さらにその後三万五千名増員になつたわけでありますが、それでも三千四百台くらいあれば十分間に合ういう計画になつておつたわけでありますが、これは数字のとり方を間違えられて余分に購入されたこういう事態でございます。  それから十九は、看護婦用の被服として被服類を三日八十四名分ほど購入されておられます。その金額は約一千二百万円ということになつておるのでございますが、二十七年度になるほど定員は三百八十四名ということになつておりますが、実際採用されておられます者はわずかに五十四名でありまして、先ほど申し上げましたように、病院施設が非常に遅れておりまして、看護婦を使うゆとりもないという状況でありまして、しかも二十七年度にはその建設予算がなかつたというような状況のもとにおいて購入されるということはいがかなものか、こういう事態でございます。  二十号は、セミトレーラー二十トンのものを百三十四両、二億三千五百万円ばかりで購入されておりますが、これには索引するトラツクターが八十両くらいいることになつておるわけでありまして、その必要なトラツクターの方は二十八年の三月に三十二両を購入する契約をされただけでありまして、物を購入せられる場合に、両者相まつてその用をなす場合には、両者を勘案されて購入さ入ることが適当だ、こういう事態でございます。  二十一号は、くつ補修用の当て革として一万坪ばかりを百五十余万円ほどで購入されておるのでありますが、当時手持ちが二万七千坪くらいございまして、月間の消費量が二百六十坪くらいの状況でございます。そういう点から申しまして、一時にこれを多量に購入する必要がなかつた、こういうふうに考えております。  それから二十二も大体二十一と同じようでございますが、くつ補修用のゴム本底を五万一千余簡約三百万円で購入されております。これは補給廠のくつ修理工場で大修理に使うものでありますが、当時部隊関係の修理の施設というものがございませんで、小修理ものでも補給廠でやられるような事態で、補給修理工場の能力その他から見まして、これほどたくさん買われても、さしあたり使用のめどがつかない、こういう状況にあつたようでありまして、二十八年の八月になりましても五万箇のうち四万箇が残つておるような状況であります。  それから二十三号であります。これも物品の破行購入でありますが、地図用特殊フィルム百四十六ダース、三百余万円で購入されておるのでありますが、これを使うカメラ・セツトがあつて初めて用をなすわけでありますが、購入当時その使用が決定していないということに先だつて、フイルムだけしかも耐用期間のあるようなものを取急ぎ購入する必要がなかつた、こういうような事態でございます。  それから二十四号は、無線電話工事用の木材を千二百七十本ほど約五百余万円で購入されております。これはいずれも部隊等で既存建物の電話工事等に使うものでありまして、十分調査しますればどこの部隊にはどれだけいるということがわかるはずだと思いますが、大体一部隊五十本から三百本ほど購入したものを、その実際の消費数量等はおかまいなしに納付させられたということで、その結果ある場所では相当余り、余つたものをほかに保管転換するという事態が起つております。要するに物品の購入計画を立てます場合に、現実に使用する部隊の人員とか施設、器械等の整備の実情を十分勘案せられないで物品の購入をされた結果、こういう事態が起つたものと考えるのであります。
  122. 安井大吉

    ○安井委員長代理 ただいまの説明に対し、保安庁当局の説明を求めます。前田政務次官
  123. 前田正男

    ○前田政府委員 昭和二十六年度、二十七年度決算検査報告に関しまして、決算委員会において説明させていただくことになりました。  保安庁、当時警察予備隊と申しましたが、警察予備隊の昭和二十六年度決算から簡単に概要を申し述べます。昭和二十六年度は、当初、本予算で百六十億円の決定を見た後、給与改善の費用にあわせて、装備施設の整備をはかるほか、施設の面におきましても、補給廠倉庫、学校、通信施設、射撃場等を新設し、または整備するために、補正予算百五十億円の議決を得たものでありまして、これを加えた三百十億円に、二十五年度からの繰越額約六十七億円をもつてこの年度予算額としたわけであります。このうちこの年度で支出済みとなつた額は二百十四億円、納期や、竣工期限などの関係から翌二十七年度へ繰越した額が百五十二億円であり、不用となつた額は十二億でありました。  営繕工事につきましは、用地の買収事務や、補修工事などを除き、ほとんど建設省に支出委任し四十億円を支出しております。  次に警察予備隊の支出で、会計検査院指摘を受けましたものが六件ございます。内容は、不急の物品を購入したという問題、納入石炭が契約予定カロリー数に達しなかつたものがあるのに減額しなかつたという問題、塗装の完全でないウオーター・カンを購入したため再加工に経費がかかつたという問題、購入木材について、契約内容をかえたのに値引きしなかつたという指摘、主要食糧の購入にあたつて統制額の適用を誤つたという批難、福知山の部隊に起きました隊員の不正行為、自動車整備用工具の購入にあたつて不良品があつたという問題などであります。その事情説明書に書いてある通りでありますので、詳細の説明は省略いたしますが、会計検査院指摘の通りでありまして、まこに遺憾であります。  次に三十七年度決算の概要を申し述べますと、予算といたしましては、当初予算として五十四億円、予算移しかえに上る増加額は約四十七億円、補正予算として認められたもの約十四億円、それに前年度からの繰越額として約百五十二億円、合計いたしまして約七百五十二億円でありました。これに対して決算額といたしましては支出済み歳出額が約四百三十億円であります。翌二十八年度への繰越額が二百八十九億円、不要額は三十三億円でありました。御承知のように警察予備隊は、昭和二十七年十月に保安隊と改められますと同時に、七万五千人の定員も十一万人に増加されたのでありまするが、これに伴いまして機構の拡充、部隊の編成、改編、装備の充足等緊急を要する事項が多かつたのであります。このような事情のもとで鋭意予算の適正な執行に努めたのでありましたが、物品の購入につきましては、規格の決定、製造、修理などに、また施設につきましては、土地の選定、購入、設計工事等にそれぞれ意外の日数を要しましたために、二百八十九億円の繰越しを余儀なくするに至りました。  また決算検査の結果につきましては、不要不急の物品を調達したというような問題など八件が批難事項として報告されるに至りましたことは、まことに遺憾であります。御指摘の各事項につきましては、会計検査院指摘の通りであります。その間の事情につきましては、別にお手元に差上げてあります説明書のような事情でありますので、詳細な説明は省略いたします。  以上二十六、二十七年度で御指摘を受けましたその後の経理につきましては、担当者の教育訓練や内部監査、検閲を頻繁に実施して、経理業務の向上と適切な予算の執行について、指導、改善に努めております。  なおその後の処理状況につきましては、二十六年度の石炭の問題と、隊員の犯罪による国損の一部を除くほか、両年度とも全部是正または回収済であります。  また関係責任者に対する処分状況につきましては、二十六年度分につきましては、差上げてある資料の通りの状況であり、二十七年度分につきましては、目下検討中で、判明次第善処する予定であります。  はなはだ簡単でありますが、説明を終ります。
  124. 安井大吉

    ○安井委員長代理 質疑を許します。天野公義君。
  125. 天野公義

    天野委員 まず会計検査院にお伺いしたいのですが、警察予備隊の検査にあたつては、大体どの程度検査をされていらつしやいますか。
  126. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 保安庁は、御承知のように、経費を使いますのが物品の購入その他で、物品の購入は大部分大きいものは本庁でやつております。それから地方の方は、建設省に委託された営繕工事及び部隊におけるちよつとした物品の購入、それから食糧費、人件費、こういうようになつておりますが、本庁の方は大体年に二回くらい参つております。営繕工事の方は大体主要なものは一応見ております。部隊の方は、所によりますと、二回も行くところもありますが、大体のところを申し上げますと、三分の二くらいは一年一回行つておるという状況でございます。
  127. 天野公義

    天野委員 そうすると、検査は相当厳重にやつているという自信がおありでしようか。
  128. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 気持の上では厳重にやつておるつもりでおりますが、御承知のように保安庁で購入されるものは車両とか、あるいは今後船舶も大きいのが出て来ますし、あるいは無線の関係とか、そういうふうなもので金額のかさばるものが相当あると思います。技術方面もありますので、そういうものについて必ずしも徹底を期しがたかつた点があるように思いますが、今後はできるだけ十分力を注いで参りたい、こういうように考えております。
  129. 天野公義

    天野委員 大分自信のないような御答弁ですが、非常な予算を食つておる費目の問題でありますから、ひとつ検査については今後十分御監督をお願いいたします。  ついてはここに多量の不急品を購入したものという——ほかにもたくさんあるわけですが、項目の中の一、二点をとらえて御質問したいのでありますが、これを見ますと、まことにばかばかしいことだけが出ておる。特に二十一の二項においては、病院の施設もないのに手術用器械や歯科用器械を多量に購入しておる。それから二十七年度の十八においては、これは先ほど承ると、数字が違つたというようなお話でありますが、これまた予定の人間よりも莫大な数量を購入しておる。こういうのはひつきようするに、予算がたくさんあり過ぎて、金の使い場所かないので、とにかく金があるのだから今のうちに使つちまえというような考え方で買つているのじやないか。そういう点を会計検査院保安庁当局にお伺いしたい。
  130. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 会計検査院指摘のような事態を惹起いたしましたことは、はなはだ遺憾に存ずるのであります、ただいま天野委員から御指摘がございました二点につきましての当時の事情は、差上げてありまする文書におきまして一応書いてございますが、若干追加して御説明を申し上げますると、病院の器械の点につきましては、実は二十七年早々におきまして病院をつくろうじやないかという議が起り、これは現在二百床の福山と百床の針尾に病院がございまするが、現在大体収容し得る患者数というものは二割程度でございます。従いまして、これは当初から病院をつくらなければいけないという議論があつたのでございます。最初は、厚生省の所管におきまして相当な病院が地方にあるわけであります。これを何とかうまく利用いたしまして、これに改修を加えまして利用いたしてはどうであろうかということで、厚生省と相談をいたしまして、二つほどの病院につきましていろいろ折衝を重ねたのでございまするが、一つの方は厚生省側でどうしても困る、もう一つの方は破損の状況が非常にひどうございまして、これは改修をして使うのには必ずしも経済的じやなかろうという考え方でありまして、厚生省の病院の移管を受けまして、それを改修して使おうということを断念いたしました。その場合におきまして、そこら辺の見通しを十分に立てまして、手当をいたしますればよかつたのでございますが、一応そこら辺のところを前提といたしまして、医療器械の手当をいたしました結果、今申し上げたような経緯におきまして、現実に病院の入手とか施設が利用できる状態にならなかつた。そこで新しく予算をいただきまして、病院をつくることにいたし、これはさきに御議決を得まして、現在進行いたしておる状態であります。これができますれば、当然これに使うわけであります。そういうような事柄の行き違いがございましたことが、病院の医療器械関係の手当が不適当であつたということの原因であります。  もう一つの御指摘のありました数量の誤記という問題でございまするが、これは何分にも早急の間に相当の数を持ちまする部隊の編成をいたしまして、これに対しまするところの装備をいたしましたために、御承知のような沿革におきまして、アメリカ側の定数というものを基礎にいたしまする場合が少くなかつたわけであります。その間におきまして相当短かい期間、しかもふなれな者がこのことに従事をいたしましたために、御指摘のようなことがありまして、まことに申訳ないわけであります。その後におきましては定数、装備、そういうものにつきましても、逐次整備確立をいたし、その検討をいたしております。今後におきましてはそういうことのないように十分注意いたしたいと思います。
  131. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 いろいろの問題が起きております直接の原因は、結局計画の検討とかそういうことが不十分であつたというふうに考えておりますが、普通考えました場合に、予算が非常にきゆうくつであつたという場合にはそういう面も非常に検討されて行くということはこれは常識だろうと思うのであります。従いましてこういう計画が起るということは、客観的に見ればそういう判断も可能ではなかろうか、こういうふうに考えるのであります、
  132. 天野公義

    天野委員 そこが一番問題であつて、計画も非常に疎漏であつたということはこの一、二の例を見てもはつきりわかるわけであります。それで二十一の二項に出ておりました器械というものはこの報告書によると梱包のまま立川補給廠に在庫になつておるということでありますが、今の状態はどうなんですか。
  133. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 現在このうち一部利用いたしておるものもあると存じますが、病院が、東京について、申しますれば、三宿というところにございます。もと駒沢であります。それから北海道及び札幌おのおの三百床、そういうようなベツトの充実をやつておりますので、これができますれば当然それに入ります。現在におきましても若干は利用されております。
  134. 天野公義

    天野委員 そうすると、大部分はまだ残つておると了解してよろしいですね。
  135. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 さようであります。
  136. 天野公義

    天野委員 実にはかばかしい話だと思う。それではこの二十七年の第一九に指摘されておる看護婦の定員がきまつた、それで定員だけすぐさま品物を購入する、ところが人間は実際にはちよつぴりしか採用されておらないという点で批難なされておるのでありますが、これなども金があるから定員がきまつたからすつぱり買うという思想がここにはつきりと現われていると言わざるを得ないので、こつちの残りの分はどうなりましたか。
  137. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 御指摘の二十七年度の一九の項の点でございますが、これは病院の一応の建設予定いたしまして、ここに発注をいたしましたような定員が二十七、二十八年度予算いずれも組まれておるわけであります。ただ私どもの書類に書いてございますような、予算の成立が遅延をいたし、その後の状況におきましてこれの入手が、現実に病院がでぎますことが遅れておりますので、これができ次第当然看護婦の採用を近くいたすつもりでありますので、その際に使うことに相なると思います。
  138. 天野公義

    天野委員 この第一九によりますと、はつきりここに書いてあるわけでありますが、病院の建設予算がないのに、看護婦の定員をきめたり、医療器械ばかりぼかぼか買い込んだりして、いまだに衣服も器械も倉庫にしまつておくなんという、こんばかばかしいことが一体官庁に許されますかどうですか。
  139. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 この二十七年度におきましては、病院の建設予算関係につきましては、病院の既設のものを利用いたしまして、それでやろうじやないかという時期がございまして、それを織り込みまして、予算定員が入つてつたわけであります。ところが先ほど御説明申し上げましたような、ある期間の事態の推移によりまして、それらの病院の建設というものを、既設のものを利用することにかえまして、考え直しました。従いまして、いわば天野委員の御指摘のような、から定員のような事柄が地方において生じたわけであります。この予算は先ほど申し上げましたような事情で、病院の既設のものを利用しようじやないか、そこら辺の事柄に、基礎的に当初に申しましたように行き違いがありましたために、ただいま御指摘のような事態が生じたわけであります。
  140. 天野公義

    天野委員 そうしますと、これは予算の執行においてきわめて不穏当であつた、これ以上不穏当な予算の執行はないといつても過言ではないと思います。ところでこういうような問題について担当官に贈収賄みたいなことは全然なかつたですか。
  141. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 そういうことは承知をいたしておりません。
  142. 天野公義

    天野委員 どうもこういうようなむちやくちやな使い方をすると、担当官関係業者から買収されたというような疑いを私どもは持たざるを得ないのでありますが、その処分について一体どういうような処分をなされましたか。
  143. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 二十六年度の分につきましては、実は昨年の国会の際に、参議院におきましては、たしか御審議がありましたが、衆議院におきましては、御審議が済まなかつたように承知をいたしておるのでありますが、先ほど政務次官が読まれました説明の中に、報告ということがございましたが、これはこの前の国会におきまして、処分状況の御報告を申し上げております。ただいま御指摘の二十一につきましては、処分の該当者はございません。二十七年度分の処置につきましては、全体をとりまとめて御報告を差上げておりますが、ちよつと今手元にそろつておりませんので、まとめた上で御報告いたします。
  144. 天野公義

    天野委員 処分の該当者なしということはどういうことですか。
  145. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 事態の推移からいたしまして、この二十一の各医療器械の件でございますが、当時のような事態のもとにおきまして、先ほど申し上げたような病院を転用して使おうということを考えまして、それに対します設備器械の発注をいたしたものでありますが、その間におきましてやむを得ない事情があつたというふうに認定をいたしたわけであります。
  146. 天野公義

    天野委員 買つた方は上から命令されて買うということもあるいはあり得るかもしれません。しかしながらそれなら病院をほかのものを借りて、それでそれを中へ入つて使おうというような話合いもきまらない、それからその要員も整備されておらない。そういうような状態のうちにこういうようなばかげた計画をした担当官は、当然責任を負うべきです。何らかこれに対する責任の所在を明らかにしなければ今後の保安庁のいろいろの事態が起つた場合に、綱紀の粛正ということができないじやないですか。それから今度は会計検査院指摘されて、昭和二十七年度決算にちやんと報告されている。もうこれが報告されてずいぶん今日まで時間がたつておる、それであるにもかかわらず責任者の処分がまだはつきりしておらないような状態では、保安庁の綱紀の粛正は一体どこでやるのですか。国民のいろいろな批判の的に立つておるときに、保安庁がこんなことをやつてつたならば、こういう面から保安庁に対する国民の信頼というものがくずれて来る。こういう面をはつきりして行かなければ、国民に信頼される保安庁なんていくら宣伝したつて絶対につくれない。ひとつ責任者の責任の所在を、この際さかのぼつて厳重に検討して適切な処分をしていただきたい。それから先ほど会計検査院も言われておりましたけれども予算がたくさんあるから計画もずさんになり、そして余分な物を買つたり、計画もきまらないうちに物を買い込んだり、定員がきまつて、それが実員より相当幅があるのに、定員だけずばり物を買うというような、まことにずさんきわまる経理をやつておるのだと言わざるを得ない事態が起きておる。今度保安庁を改めて、防衛庁になるわけでありますが、そういうものになつ予算が膨脹して行けば行くほどこういう面は厳重にしなければならない、重大な問題であります。そういう重大な問題を解決するためには、今日この際こういうような点をはつきりと固めて行つて、綱紀の粛正という面になお一層努力をする必要がある。また金の使用の面については不要不急のものばかりでなくて、適正なる価格という面にも十分に気をつけられて、国民の血税である予算を、法の命ずるところに従つて適正に使用しなければならないということを痛感する次第であります。こういう点について政務次官並びに検査院の所見を伺います。
  147. 前田正男

    ○前田政府委員 御意見まことにごもつともでございまして、われわれ保安庁といたしましては国民の期待に沿うべくできるだけこういう問題の再発しないように、十分な監督をし、その責任を明らかにして行かなければならないと考えておる次第であります。最近起りましたいろいろの汚職問題につきましても、できるだけ早急な処分を行うとともに、部内にそういう問題の起らないように、今年の初めから実は綱紀粛正週間を実施して、われわれ自身といたしましても再出発を期して、部内の粛正に努めておる次第であります。今御指摘のありました二十六年、二十七年のこの問題につきましては、十分にわれわれも御意見のあるところをよく考慮いたしまして、善処いたしたいとこう考えておる次第であります。
  148. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 保安庁予算は年々歳々大きくなつておりますし、国民の注視されておるところでもありますから、経理にあたりましては今後とも保安庁の方で十分引締めて行かれることを希望すると同時に、私ども検査する立場からもまたさような意味合いにおきましてなお一層検査をして、国民の血税の行方がどうなつたかということをはつきりしたい、こういうふうに考えております。
  149. 天野公義

    天野委員 今指摘したものはほんの一例だと思うのですが、二一、二二のような問題で該当者なしというようなこと、また一八、一九のような問題でなおその処分がきまつておらないというような事態は、きわめて遺憾千万であります。もし保安庁の方でこれらについて処分をしないならば、われわれ決算委員会の方で処分をすべしという勧告をあるいは出さなければならないと思うのでありますが、これはあと理事会で委員長よりお諮りを願いたいと思います。
  150. 松山義雄

    ○松山委員 関連して、会計検査院に伺いますが、これは実にでたらめきわまるものだと思うのです。で会計検査院としては、保安庁の経理のやり方をほかの各官庁と比較してどういうふうにお考えになられるか、ということを第一に伺いたいと思います。
  151. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 比較することはなかなかむずかしいのでありますが、概括的に申し上げますと、各省は大体できましてから歴史もありますし、それから物を調達するにしましても、会計的な面におきましても、人員とかそういうものが相当そろつて、歴史もあるわけでありますが、保安庁の方はできまして日が浅いということと、それから保安庁で物を調達されるとかそういうような面でも非常に新しい面が相当ある。そういう経費の面あるいは調達計画あるいは調達の面で人員等が十分かどうかというような点を他の官庁と比較しまして感ずるわけであります。ただ気持としましては、保安庁の経理とかそういう面から見て間違いのない方向でやりたい。相当厳重な形でやるという点では、よそから比べますと、むしろ厳重なやり方をやるという気持でやつておられる点は多々あるようであります。
  152. 松山義雄

    ○松山委員 保安庁に申し上げたいのですが、出発早々で歴史が浅いということで人員その他が十分そろわないということもわかりますが、一見いたしまして各官庁の経理状態保安庁とを比較したときに、私たちといたしましては非常に大ざつぱなような感じがいたします。上の方ではしつかりお締めになつておるような気持でも、下の方で締まつていなのじやないか。ですから機構等も伺いたいのですが、これは次の機会に譲りまして、十分そういうふうな熟練されたような人あるいは教育をされるとか、そういうようなことでこういうふうに大ざつぱにならぬように、もつとほんとうに計画を立てて、こういうふうな購入の場合に、不急不要の品物を買うとか、あるいは不当な代価で買うとか、いりもしないような物を多量に買い込むということにも十分気をつけていただきたい、かように存ずる次第であります。
  153. 杉村沖治郎

    杉村委員 関連して。この保安庁関係の費用については、これは実に重大問題でありまして、私どもが今まで決算委員会で調べて来たところの例の麻袋の事件、これはこの決算委員会において非常に大きな問題となつたのですが、この保安庁の経費の使い方を見ておると、これは麻袋の事件以上だと私は思うのです。麻袋のときにおいては時期にずれがありましたけれども、大体においていつ麦を買うとかあるいは買わないとかいうような決定があつたのですよ。ところがこの場合においては何もないのです。架空なものなんです。しかもこれはいわゆる憲法違反であるといつて、われわれは今でも叫んでおるのでありまして、もうこんなところへ使うのは全然不生産的な費用なんです。しかもその不生産的な費用がかなりいいかげんなことに消費されておる。その点は重大な問題だと思うのです。  さてそこでたとえば一九でありますが、一九の方から申し上げますならば、この請負工事等においてはどういうような契約をやつておりましたでしようか。先ほど天野委員がいろいろ責任者を追究されておつたが、請負契約はどういうふうに契約しておつたのですか。
  154. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 この場合におきまする請負契約の具体的なやり方は、今ちよつと資料はございませんが、被服の調達につきましては大体指名競争契約をいたしますものと、一般競争に付してありますのとありますが、ただいまの件は一般競争であります。一般競争に付しまして落札いたしたものであります。
  155. 杉村沖治郎

    杉村委員 これは今天野君が問われた点ですが、この一九においても全然出たらめなことをやつたことになつて、十九万千四百八十円というものは全然高価買いとなつておるのです。これは全然よけいに出されておるということになつておるのですが、こういうことについてはどういう処理をされましたか。
  156. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 このものは先ほど申し上げましたように、病院の整備に伴いまして看護婦の定員を充実いたします際に使用いたすつもりで保存をいたしております。
  157. 杉村沖治郎

    杉村委員 あなたはとんでもないことを答えておられる。どこに看護婦のことがありますか。看護婦のことなどは聞いておりません。二十六年度の一九ですよ。金額まで私が言つておるでしよう。
  158. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 二十六年度の一九の場合でありますと、これは工事は警察予備隊の関係でございますが、北海道開発局の方のことでございますので、私どもは詳細にはちよつと承知いたしておりません。
  159. 杉村沖治郎

    杉村委員 これは警察予備隊、これは開発庁と言いますけれども、先ほど開発庁の長官の方では、これはおのおの所管の方において責任があるのだ、こういうことを言われたので、私どもは、開発庁長官である以上は責任者じやないかと言つて問うたのです。ところが開発庁ではそのおのおのの担任だというようなことを言つたから、それで警察予備隊の方だから、あなたの方に責任があるのじやないですか。
  160. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 開発局に支出委任をいたしまして、工事契約あるいは監督あるいは金の支払いの一切は北海道開発局の方の系統に属しておりますので、私どもの方で具体的な事柄のやり方につきましての点は承知をいたしておりません。
  161. 柴田義男

    柴田委員 この保安庁の問題についてもう大分質問いたしたのですが、ただ私どもはこの会計検査院指摘事項を見ただけでも、実は常識で判断のつかない諸項がたくさん載つておるのであります。こういうことであつて、は、先ほど天野委員からも御指摘の通りで、言葉を重ねるようでありますけれども、基本的な問題であると思いますが、いくら新しい官庁であつても、やはりそこには適当な人員の配置があつてしかるべきはずでありますし、それから機構の上でも十分御研究の上で機構をおつくりになつたと思うのでありますが、一体この経理の面に当つておる人、あるいは計画の面に当つておる人は、経理的な経験のある人を配置しておるかどうか、この問題をまず承りたいと思います。
  162. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 現在経理の方を担当いたしております者で、従来そういうような経験者が非常に多いかということでございますれば、これは開設早々に相当なたくさんの人間を募集いたしまして充員いたしました関係上、必ずしも従来からそういうような多年の経験を持つた者ばかりではもちろんございません。従いまして初期の時代におきまして、何分にも御承知のような急速なる増員、急速なる整備をいたしました関係上、人的な備えから見ましてもいろいろ不足な点があつたのではないかというふうに私は考えております。ただその後はいろいろ学校もできまして、学校に準じまして教育もやつておりますし、あるいは監査の点につきましても、会計監査隊というものを置きまして——もちろん会計検査院の方でも御検査になるわけでありますが、われわれの内部におきましても、少くとも年に二回監査隊が参つて監査をいたすというようなこともやつておりますので、人的な点にいたしましても、あるいは機構的な点にいたしましても、逐次充実をいたしておりますので、最近におきましては、従来のようなことはだんだんとなくなつておる、こう思つております。
  163. 柴田義男

    柴田委員 今度は基本的な考え方を承りたいと思います。私どもは、かつての軍国主義はなやかな時代におきましては、大蔵省へ将校が参りましてピストルをつきつけて予算の獲得をやつたという事実を知つておるのであります。現在の保安隊の根本的な考え方というものは、そういう考え方はないものかどうか。予算さえとつてしまえば、どのような使い方をやつても国民が許すとお考えなつておるのかどうか、こういうことを次官から基本酢に承りたいと思います。
  164. 前田正男

    ○前田政府委員 ただいま御指摘のようなことは全然ございません。われわれも国民の血税によつてつておるわけでございますから、慎重の上にも慎重を重ねて適正に予算の執行をすべきであると考えておりますし、また保安隊の予算の編成にあたりましても、国家の乏しい財政の中から予算をいただくわけでありますから、予算の額にいたしましても、極力詰めてやつて行きたいと考えております。なおわれわれの方は幕僚本部の制服の上に、さらに私服の内勤部の経理局等がありまして、これらが予算の編成につきましても、また執行にあたりましても、十分に監督をいたしまして、大蔵省に折衝をするというふうにいたしておりますので、ただいま御指摘の点は、われわれはとくと注意をいたしておるのであります。
  165. 柴田義男

    柴田委員 さらにお伺いいたしますが、二十八年度予算の経過をわれわれはこの決算委員会で見たのでありますが、十二月末日までに九百億の使い残りの金があつたのであります。その後一月から五月までお使いになるのでありましようから、これは相当減ることは予想されますけれども、五月まででも相当額の使い残りの分が出るはずであります。こういう現実の支出面を見ました場合に、どうしても保安庁予算に対する考え方というものは、根本的に何か間違いがありはすまいかという懸念を持たざるを得ないと思いますが、これに対して次官の明快な御答弁を承りたいと思います。
  166. 前田正男

    ○前田政府委員 二十八年度予算につきましては、実は御承知の通り、予算が解散その他でだんだん実施が遅れまして、八月に成立いたしたような関係もございましたので、これが執行につきましては逐次遅れて参つておりますが、しかし前年度に比べますと相当執行率はいいように考えております。しかしながら、予算があるからといつてむだに使いましたらいけませんので、たとえばその中でも大きな費目になつております船舶等につきましては、設計とか購入方法等について考慮いたしております関係で、予算の執行が遅れて参つておるというようなものもあります。従いまして、予算があるからそれじや全部使つてしまえというような態度のとれないようにしておりますが、ただ予算の成立が遅れましたので執行面が遅れておりますが、前年度に比べては改善されておるのではないかとわれわれは考えております。
  167. 柴田義男

    柴田委員 きよう終るわけではございませんから、ただ基本的な問題を一通り承つたのでございますが、やはりこういう問題になつたものは、どうしても大臣の御出席を願つて、もう少しわれわれが納得の行くような責任のある御答弁をいただきたいと思います。そういう関係でこの保安隊の問題は留保したいと思います。
  168. 安井大吉

    ○安井委員長代理 お諮りいたします。きようは調達庁と外務省の予定がありますが、保安庁についてもまだ質問のある方もありますので、本日はこの程度にして、今後の運営について理事会を開いてきめて行くということでいかがですか。
  169. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 きようはこれで打切るのですか。
  170. 安井大吉

    ○安井委員長代理 これを継続するために、木村長官なり出る人の問題やらその他をきめる必要がありますから、あと理事会を開き、きようは留保して継続するのです。
  171. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 委員長、それにつきまして私はきよう少し聞いておきまして、次に長官にぜひ出てもらつて質疑をする、こういう順序にして、今質疑を少し許していただきたいと思います。
  172. 安井大吉

    ○安井委員長代理 それでは吉田君。
  173. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 まず議事進行について保安庁の方に伺いたいのですが、きようはどうして長官はお見えにならなかつたのですか。
  174. 前田正男

    ○前田政府委員 衆議院の方で予算委員会をやつておりまして、第三次の補正予算案が提出されて質疑の応答をいたしておりますので、私がかわつて出席いたしたのであります。
  175. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それでは次に少し基本的なことをこの際聞いておきたいと思うのです。なお御答弁ができなければ、ひとつ書面で資料として提出していただきたいと思います。  第一に伺いたいことは、二十七年度予算から二十八年度へ繰越しました数額についてでありますが、これは検査院の指摘するところによりますと、保安庁費といたしまして二百七十四億八千四百余万円となつております。大蔵省におきましては二百八十億六千四百余万円、こういうことになるのでありますが、この点はいかがですか。
  176. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 二十七年度から二十八年度に繰越しをいたしました金額は二百八十九億円というふうに承知をいたしておりまするが、吉田委員のおつしやつておる問題はどれなんでしようか
  177. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 二百八十九億ですか。
  178. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 はあ。
  179. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それではあなたの方の正確な数字を言つてください。
  180. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 二百八十九億四千九百八十三万七千七百十三円。
  181. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それから……。
  182. 安井大吉

    ○安井委員長代理 木村長官に来てもらうように、理事会を開いて相談して、根本的なことからもう少しやらなければならぬという意見が多いですから、そういうふうになさつたらどうですか。
  183. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それじや資料としてお出し願いたい。二十七年度決算のうち、警察予備隊施設費として検査院の検査の済んでおらぬ数額が何ほどあるか、その内容を書面で出してもらいたい。  それから二十八年度予算の執行につきまして、海上警備費に属するものの中で各種の艦艇の発注があつたと思いますが、発注は済んだかどうか、その点はちよつと言葉で一応聞いておきた  いと思います。次の資料の都合がありますから、各種艦艇の総額と、それから二十八年度予算執行として、これがどの程度に執行されておるかどうか。
  184. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 二十八年度におきます艦艇の予算契約を含みまする総金額は百二十四億でございます。そのうち今日まで契約の済みましたものが、交通艇以下十四隻、内容を申し上げますと、運貨船それから油バージ、バージというのは小さい船であります。それから水バージ、そういうものです。金額は落札価格九千三百十二万九千円、そういうような雑船が発注済みであります。時期は昨年の十月ないし本年の一月、いずれ資料にして出しまして明細はごらんに入れます。
  185. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そこで確認しておきたいのですが、百二十四億円の艦艇諸経費のうち、いまだ一億円に足らざるものしか発注が終了しておらぬというわけですか。それは詳細に理由を聞きたいと思いますから準備しておいていただきたい。それからこの内容等につきましても、前年度の見通しでは繰越しにつきまして相当理由があるものと思われます。そこでいろいろと調査もあつたものと思いますが、その後その予算の使い方につきまして、これは前からここで大蔵省と議論したのでありますが、保安庁が見えておらないため終了しておらないのでありますが、どういう理由によつて予算の執行の進捗が遅れて来たのかということを相当詳細に聞きたいと思いますので、おもに施設費だろうと思いますが、ちよつと記憶しておりませんが、準備して来ておいていただきたい。
  186. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 二十七年度でしようか、二十八年度でしようか。
  187. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 二十七年度が二十八年度に繰越されて参つておる分であります。  それからもう一つ、これは予算の方でも若干問題になつたようでありますが、艦艇の注文と日立造船所との関係につきまして、何らかのいきさつが世上伝えられておりますので、これはもう少し決算におきましては究明して行きたいと思いますが、その辺につきましても準備して来てもらいたいと思います。まつたく知らない、何の関係もないのだということで行くならばこれはこれでもよろしい。そのつもりで御準備を願いたい。これも準備してもらうことになるんだが、やはり今付議されております不当批難事項の関連もありますので、昨年起りましたいわゆる保安庁における米の窃盗事件でありますが、そういつた種類の問題がありましたが、これも詳細に資料を持つて来てもらいたいと思います。  お待ちのようですからこの程度にしますが、委員長、次会にはぜひ長官は出席するようにおはからいを願います。
  188. 安井大吉

    ○安井委員長代理 了承いたしました。天野君。
  189. 天野公義

    天野委員 資料を要求いたします。二十六年度、二十七年度のおもなる物品購入の物品名並びに購入の径路並びに経理担当官
  190. 山田長司

    ○山田(長)委員 会計検査院に次のものを資料として持つて来てもらいたいんです。実はこの問承認した二十七年度の国有財産の増減の事項なんですけれども、いろいろ調べてみると、承認はしたけれども、一応参考に知つておきたいんです。実はこの書類の二百十四ページで、汽船を一そう売つているんですが、その汽船の一そうの値段が——汽船といえばこれは木でつくつた船じやないんですからね。その船が一そう三百四十六円で売つているんです。これはちよつと理解できないので、承認した事項ですけれども、一応どこの船であるか、あとのまつりであるけれども、参考に知つておきたいんです。  次に保安庁に。保安庁に保安新聞というのが発行されておりますが、これは一体保安庁といかなる関係において出されておるものか。保安庁の建物の中に二十坪の土地をもつて、印刷所を擁して新聞を発行しているわけですが、ただ漠然と保安庁のものでないということだけはわかつているんですか、どういう関係でなされているか。  いま一つ会計検査院に。その新聞を何万部か毎月買い上げて、それを全国  へばらまいているんですが、いかなる費目の中からその経費を出して保安庁では買い上げて、これをばらまいておるのか、これも一応資料として持つて来てもらいたいと思います。
  191. 安井大吉

    ○安井委員長代理 それでは本日はこの程度にし、保安庁以降全部継続して審議することとし、散会いたします。     午後四時四十三分散会