○上村
会計検査院説明員 二十六
年度の二一号と二十七
年度の一八号から二四号、これはいずれも同じ種類のものでありまして、物品の購入計画が当を得なか
つたという事案でございます。
二十六
年度の二十一号の一は、脱脂綿五百グラム入りのものを八百二十五包買われたのでありますが、当時
保安庁では相当多量の脱脂綿を保有しておられまして、その保有数量は相当の年月使用しても使い切れないほどあ
つたわけです。だからさらに脱脂綿を買う必要がなか
つたという
事態でございます。
第二にありますのは
一般病院用として手術用器具器械等を二千四百余万円はど購入されておるのであります。当時の警察予備隊には、御
承知のように、病院施設もございません状況でありまして、現在に至りましても病院
関係は十分整備されておらない状況であります。当時はそういう状況でありますから、器械類を買いましても使用する方途がないわけであります。そういうものは
予算の使用上十分
考えられて、購入の必要のときに購入することが適当じやないかと
考えておるのであります。
それから二十七
年度の十八から二十四までも大体同じような
事態でございますが、十八のものは、野戦病院患者用の折畳寝台を七千三百八十八台ほど購入されておるのでありますが、当時必要数量は隊員七万五千名の場合に二千八百八十台あればよか
つたわけでありまして、さらにその後三万五千名増員に
なつたわけでありますが、それでも三千四百台くらいあれば十分間に合ういう計画に
なつてお
つたわけでありますが、これは数字のとり方を間違えられて余分に購入されたこういう
事態でございます。
それから十九は、看護婦用の被服として被服類を三日八十四名分ほど購入されておられます。その金額は約一千二百万円ということに
なつておるのでございますが、二十七
年度になるほど
定員は三百八十四名ということに
なつておりますが、実際採用されておられます者はわずかに五十四名でありまして、先ほど申し上げましたように、病院施設が非常に遅れておりまして、看護婦を使うゆとりもないという状況でありまして、しかも二十七
年度にはその
建設予算がなか
つたというような状況のもとにおいて購入されるということはいがかなものか、こういう
事態でございます。
二十号は、セミトレーラー二十トンのものを百三十四両、二億三千五百万円ばかりで購入されておりますが、これには索引するトラツクターが八十両くらいいることに
なつておるわけでありまして、その必要なトラツクターの方は二十八年の三月に三十二両を購入する
契約をされただけでありまして、物を購入せられる場合に、両者相ま
つてその用をなす場合には、両者を勘案されて購入さ入ることが適当だ、こういう
事態でございます。
二十一号は、くつ補修用の当て革として一万坪ばかりを百五十余万円ほどで購入されておるのでありますが、当時手持ちが二万七千坪くらいございまして、月間の消費量が二百六十坪くらいの状況でございます。そういう点から申しまして、一時にこれを多量に購入する必要がなか
つた、こういうふうに
考えております。
それから二十二も大体二十一と同じようでございますが、くつ補修用のゴム本底を五万一千余簡約三百万円で購入されております。これは補給廠のくつ修理工場で大修理に使うものでありますが、当時部隊
関係の修理の施設というものがございませんで、小修理ものでも補給廠でやられるような
事態で、補給修理工場の能力その他から見まして、これほどたくさん買われても、さしあたり使用のめどがつかない、こういう状況にあ
つたようでありまして、二十八年の八月になりましても五万箇のうち四万箇が残
つておるような状況であります。
それから二十三号であります。これも物品の破行購入でありますが、地図用特殊フィルム百四十六ダース、三百余万円で購入されておるのでありますが、これを使うカメラ・セツトがあ
つて初めて用をなすわけでありますが、購入当時その使用が決定していないということに先だ
つて、フイルムだけしかも耐用期間のあるようなものを取急ぎ購入する必要がなか
つた、こういうような
事態でございます。
それから二十四号は、無線電話
工事用の木材を千二百七十本ほど約五百余万円で購入されております。これはいずれも部隊等で既存建物の電話
工事等に使うものでありまして、十分
調査しますればどこの部隊にはどれだけいるということがわかるはずだと思いますが、大体一部隊五十本から三百本ほど購入したものを、その実際の消費数量等はおかまいなしに納付させられたということで、その結果ある場所では相当余り、余
つたものをほかに保管転換するという
事態が起
つております。要するに物品の購入計画を立てます場合に、
現実に使用する部隊の
人員とか施設、器械等の整備の
実情を十分勘案せられないで物品の購入をされた結果、こういう
事態が起
つたものと
考えるのであります。