○田中(角)
委員 関連して。藤田君から大体私の質問の要旨の質問がありましたから、あらためて申すまでもありませんが、非常に重大な問題でありますので、重複するかもしれませんが、
ちよつと時間を借りて質問をし、
開発銀行側及び
海運局長の所見をただしておきたいと考えるのであります。
海運行政、なかんずく第十次
造船計画の成功不成功についてこう考えております。第九次までにおける
造船計画につきましては、現在検察庁において取
調べ中でありますので、不法行為があればおのずから明らかになり、将来のこの種の案件に関する国策面について幾多改めらるべきものが出ると考えております。しかし戦後の日本海運界の増強推進もまたゆるがせにしてはならないということは、もう何人も異論のないところであります。特にただいま藤田君が申された通り、日本の
造船計画の推進によりまして非常に恐慌ぎみであ
つた諸外国の
造船界、なかんずく英国等は、今次事件の発生によりまして日本海運界の進展が一頓座を来したことに対して希望的な観測を持
つており、この事件を利用して日本海運界の一大進展というものを阻止できるのではないかというような形勢にあることも、またいなむことのできない事実であります。その意味におきまして、事件は事件として、日本海運界の増強、伸張というものもゆるがせにしてはならない。その意味におきまして十次
造船の計画については、不正を排除する具体処置も当然考究せられなければなりません。
造船合理化審議会の運営、
利子補給率についてはどういう考えを持つか等々の、今後
造船に対して合理化すべきところは勇敢に実施をしなければなりません。そうして少くとも国民の納得する方途を早期に樹立をしていささかでも日本海運の伸張にブレーキをかけてはならない、こういうことを国会としても重大な関心事として見守
つておるわけであります。ところがこういう事件が起きますと一般国民も、特に海運界のその衝にある方々でも、事件が解決してから十次
造船をやるのがいいのではないかというような俗論に迷わされやすいものであります。正すべきものは正す、しかし国策として取上ぐべきものは勇敢に取上げなければならないはずであります。しかもそれが将来過誤があ
つて、その責を追究せられる場合には、
海運局長でも現職
大臣でも、当然負えばいいのであります。少くともこの種の事件に遭遇したことによ
つてこれら重大なる国策がゆるがせにせられてはならない、こういうふうに考えておるのでありまして、これが具体的処置に関して当局の方針をただしておきたい。特に今までの問題に対して過誤ありと考える場合、立法措置を講ずる意図があるかどうか。しかも十次
造船に対していかなる処置をして、このマイナスをとりもどして行くか、国政審議としては最も重要なるポイントであると思いますので、運輸当局の方針をただすとともに、このような問題がありますと、特に
開発銀行、
市中銀行等で、まず危いものには近寄らない、こういう考えが持たれたらたま
つたものではありません。これは日本の経済復興に大きなブレーキをかけるもので麦
つて、私たちが心配をしておるのはその一事に尽きるのでありまして、正さるべきものは正されるのでありますから、その問題とはおのずから別に、将来の問題に対しては明らかに方針を決定し、ただいまからでも進めなければならぬ問題だと確信をしております。その意味において
関係当局の
意見をあわせてただしておきたい、こう考えるわけであります。