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1954-02-10 第19回国会 衆議院 決算委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年二月十日(水曜日)     午後一時十九分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 大上  司君 理事 松山 義雄君    理事 河野 金昇君 理事 杉村沖治郎君       塩原時三郎君    徳安 實藏君       藤田 義光君    阿部 五郎君       片島  港君    吉田 賢一君       中村 梅吉君  出席国務大臣        大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君         運 輸 大 臣 石井光次郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (銀行局長)  河野 通一君         運輸事務官         (海運局長)  岡田 修一君         運 輸 技 官         (船舶局長)  甘利 昂一君  委員外出席者         会計検査院長  佐藤  基君         会計検査院事務         官         (検査第四局         長)      大澤  實君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 二月九日  委員山田長司辞任につき、その補欠として片  島港君が議長指名委員に選任された。 同月十日  委員山村治郎辞任につき、その補欠として  中村梅吉君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  政府関係機関の収支(日本開発銀行造船融  資)に関する件     —————————————
  2. 田中彰治

    田中委員長 これより決算委員会を開会いたします。  本日は一昨日の理事会におきまして協議決定いたしました造船融資に関する件並びに旧虎の門公園敷地に関する件の二件を議題とし、それぞれ主管大臣説明を求めることにいたします。  まず造船融資に関する件でありますが、本問題は、政治問題として目下世上に大きくうわさされていますことは、すでに御承知通りと存じます。しかし当委員会といたしましては、あくまでも決算委員会所管範囲を逸脱いたさないよう万全の注意をもつて本問題に対処いたしたいと、かように考えておる次第であります。従いまして、運輸省及び政府関係機関である日本開発銀行等決算の問題を中心とし、いわゆる計画造船をめぐる融資関係調査するものでありますから、委員各位におかれましても、常にこの趣旨の範囲を逸脱されないように特に御注意を要望いたす次第であります。  それでは本問題に直接関係を有する運輸大臣から、種々問題にされております開発銀行その他に対する融資についてきわめて詳細な説明を求めます。石井運輸大臣
  3. 石井光次郎

    石井国務大臣 昨年度予算を議せられました議会において初めて戦後船舶に対する利子補給の問題が現われたのでございます。それから二十八年度予算を議せられるときにあたりまして、さらにこの利子補給の度が強化されたのでございます。この問題と、それから開発銀行融資は、昨年度におきまして二百二十億の財政資金をもちまして、これで計画造船政府資金による計画を立て、その不足の分は市中銀行よりそれぞれ造船割当を受けた人が融資を受けたようなことになつておるのであります。来年度予算には百八十五億円が政府融資として計上されておるのでございます。これが大体のところでございますが、いろいろ世上うわさに上つておりまする問題は、本年の予算に関する問題だと考えるのでございます。まず計画造船のことでございますが、これは本年度二十五万トンを建造することになつたのでございます。前期に約五万トン、後期に約二十万トンの計画造船決定いたしたのでございます。これは今まで一次から八次までの間にもいろいろな方法によつて計画造船決定したのでございまするが、どれもまだ物足りないのがいろいろありまして、結局昨年の春ごろにあたりまして造船決定——いわゆる九次の前期でございますが、この九次の前期をやります場合には、開発銀行でもいろいろ取調べをし、それから運輸省におきましても、はたしてどこの造船所、どこの船主に割当ててしかるべきかというようなことを、航路の問題でありますとか、船の性質のわけ方等いろいろな点から配置を考えまして、そうして運輸省としては候補者を相当数出して開発銀行に送つたのでございます。そうして開発銀行においてそれを検討いたす、開発銀行が大部分の融資をするのでございますから、開発銀行がこれをいろいろ検討して、自分たちの方の考え方を加えまして、それによつて私の方にあらためて相談かありまして決定をいたしたのでございます。後期になりますると、開発銀行もさることながら市中銀行が一番よくその船主になる人たち事情を知つておるのじやないか、そして市中銀行首脳たちにもこの船主決定に参画してもらつた方がよりいい結果を来すのではないか、それで開発銀行運輸省市中銀行というものの三つが集まりまして、資料を持ち寄つて相談したらどうであろうかということを、私の提案として持ち出したのでございますが、市中銀行はいろいろな取引関係があつて、あるものに賛成し、あるものに賛成しないというようなことがわかると、取引の上にも困るというふうなことであつたように承知しておるのでありますが、市中銀行は、いろいろ一個々々について意見を聞かれればお答えするけれども、全体的に相談にあずかるということはかんべんしてくれということでございました。これに対しまして、開発銀行とも相談いたしまして、それでは開発銀行とわれわれの運輸省とが寄つて相談をしようということの話合いを私と開銀総裁とがいたしたのでございますが、おのおの資料は両方でつくり合つて、そうしてこれを持ち寄つて話をしようということで、運輸省運輸省開発銀行開発銀行建前から、各船主についていろいろ調査をいたしまして、これを持ち寄りまして最後に決定をいたしたような手順になつておるわけでございます。  それから利子補給の問題でございますが、これは前年度におきましては補正予算で組まれたのでございますが、開発銀行利子を七分五厘の程度になるように政府利子を補給するということで、初めて戦後利子補給の問題が出て来たのでございます。これは当時議会で論議されましたから、御承知通りでございますが、一昨年ごろからだんだん海運市況が悪くなつたような状態を呈して参りまして、金利支払い等もなかなか困難な情勢になつて参りましたので、とにかく利子補給をして行く方がよろしかろうということに議会において決定されたわけでございます。戦争前においては、御承知のように、航路補助でありますとか、利子補給等、いろいろな形で海運助成策が講ぜられておつたのでありますが、戦後は、御承知のように、日本海運壊滅状態になり、それから立ち上るのには非常に苦しい状態船主はもちろん、日本国そのものが置かれたわけでございます。それは戦時の特別補償海運に対しては打切るということになりましたために、海運会社は船は持たなくなり、そうしてこれを再建するには何らの資産も持たないというような哀れな状態になつてつたわけでございます。また御承知のように、日本に対して戦勝国といわれる国々の中には、日本海運回復をどうしても押えておこう、海運を押えて行くことはすなわち日本経済復興を押えるゆえんであり、これによつて戦勝国はその間に早く回復をする、戦敗国あとからそろそろ回復するようにしてやつたらよろしかろうという声がみなぎつておりまして、講和会議のときにおきましても、ほかのことは経済の自由を許すが、船の問題だけはいけないという声が戦勝国の間にもあつたことは御承知通りであります。幸いにいたしましてアメリカのいろいろなあつせんによりまして、海運も無条件で回復するという筋だけは認められたのでありますが、さて今申しましたように、ここに何ら資金も持たない、船も持たないという状態でありましたから、やむを得ず日本の国としては海運復興にはあらゆる助力をして、その資金面等においての力を、政府も貸すということになつたのがこの計画造船の始まりだと承知いたしております。そういたしましたところが、幸いと申しますか、朝鮮動乱が非常に海運の復活にいい刺激になりまして、数年前まではいい状態で、だんだんと回復をして来、従つて政府資金その他において借りておる金も、第五次までの辺はほとんど返還ができるような状態までなつて来ておるときに不況が来たわけでございます。そういたしますと、世界海運界に復帰して、いろいろな航路がだんだんと昔のように回復の緒について来たと申しながらも、まだ船の量においては非常な欠乏でございますので、これに対しまして私どもは、二十八年度から向う四箇年間、毎年三十万トンを目標として、百二十万トンの外航船舶をつく上りげたい。こういたしますと四年後には戦前の約七〇%の船を確保することができることになりまして、これで世界海運国に伍して競争ができるようになるであろうというのが私どもの願いで、今日まで進んで参りました。また朝鮮事変が治まりまして、世界が一応安定の形をとりますと同時に一船運賃というものがだんだん下つて参りました。昨年あたりから船会社においては配当はもちろんのことできないし、銀行から借りております金の利子支払いも困難だというような状態になつて来たわけでございます。世界先進国の様子を見ますと、イギリスあたりにいたしましても、その他の勝ち誇つた国におきましても、相当船残つてつた。それに従つて相当な自己資金も持つておる。かつ金を借りて船をつくるという場合においても、三分とか三分五厘という低利でありますが、日本はさつき申しましたように、自己資金というものはほとんどゼロにされるような形になつておるところへ、全部借金をする。その金利が相当高いのでありますから、これではどうしても世界競争には耐え得ない。ここに一つの悩み、峠があるわけであります。そこで一昨年の臨時国会に初めて利子補給の案が出て、さつき申しまするように、実際七分五厘まで払えばよい状態まで補助してもらいましたが、二十八年度予算を組むときにあたりまして、私どもはできれば政府資金ぐらいは三分五厘程度まで下げてもらいたいということの念願は持つておりましたけれども、なかなかそうも行かないものであろうと思いまして、順次その次にお願いするということにして、まず市中銀行金利も、それから開発銀行金利も五分になるようにという案を初め考えておつたのでございます。ところが海運重要性をいろいろ論議しまして、話を進めて行くうちに、開発銀行を通します政府資金を三分五厘まで下げ、市中銀行は五分までになるようにして、これでしつかりと日本海運の進出を支持して行こうではないかということになりまして、私どもはその線によつて提案をいたし、皆様の御賛成を得て、そのように決定しておるのが今日の状態でございます。さてその次の問題までもついでに申し上げますと、来年度予算におきましては金利が平年度支払いになりますので、相当大きく予算に出て来るのでございます。昨年は八月以降ですから少くてよかつたのでありますが、本年は全年度ということになりますので、三十数億の金が計上されることになつておるのでございます。これにつきまして政府資金が非常に手詰まりでございますために、どこか少しずつでもこういうものへの政府の支出を少くして行こうじやないかということからいたしまして、政府資金に対しまする利子は、今は三分五厘でありますが、五分まで政府利子補給をする。これで本年と同じような額になるようにする。残りの一分五厘は開発銀行が進んで利子を引下げるという形をとることになつたのでございます。また一方これは予算の面にはあまりはつきり出ないので、御承知ない方もあると思いますから申し上げますが、昨年利子補給問題をきめますときに考えられたのは、この利子補給がありますれば、自然海運界におきましては、銀行から借りております利子支払いが大部分可能になるわけでございます。このために利するところはどこかと申しますと、市中銀行が、金利を払つてもらえぬかもわからないものが、きちんと払つてもらえるような状態になるということであれば、この利子補給のおちつくところはどこにあるかというと、市中銀行そのものを大いに利するのであります。利するだけであつてはならぬではないか、君らの方ももし利子補給がなかつたならば当然滞納になるものが相当よく支払われることになるのだから、君らの方も一役買うべきではないかというので、私は昨年の秋ごろ市中銀行首脳人たちに集まつてもらいまして、海運に対する金利の引下げについて要望をいたしたのであります。いろいろな事情があつて、なかなかそう私ども思つたようにやつてはもらえなかつたのでありますが、日歩二厘、年七厘三毛、市中銀行利子を減額することになりました。これが平年にいたしますと約三億くらいの金額になるわけでございます。これを市中銀行人たちは、海運会社は三分五厘の政府補給ではまだまだほんとうにしつかりしたつつかえ棒にはならないから、われわれの方の出す金も船会社の方に補助の形でまわしてくれないか、要するに自分たちの払う金を船会社の方に入るようにしてくれという希望があつたのでありますが、われわれとしては開発銀行金利三分五厘、市中の五分ということまで援助しておるから、その金は政府に納めるべきであるということにいたしまして、政府に納入させることにいたしたのでございます。そういうのが大体今日までの経過でございます。
  4. 田中彰治

    田中委員長 次に本問題に対して大蔵省所管事項について大蔵大臣説明を求めます。
  5. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 それでは大蔵省所管について申し上げます。見返り資金海運融資手続を最初に申し上げます。  これは当初年間及び四半期運営計画が策定されました。この策定は、米国対日援助見返資金運用及び使用の手続に関する政令に基いて行われたのであります。この政令によりまして、見返り資金運営というものは、すべて経済安定本部の策定する年間及び四半期運営計画によつて行われたのであります。年間運営計画見返り資金業種別年間運用額わくを策定する。この計画を策定するにあたりまして、運輸省では、経済安定本部及び大蔵省と密接な連絡を保ちつつ、当該年度における造船計画を策定したのであります。この場合純トン数、標準船価所要資金総額及び財政資金所要額について決定をしたのであります。以上の造船計画経済安定本部に提出して、同本部はこれに必要な調整を加えて当該年度見返り資金所要額を算出し、見返り資金年間運営計画額を定めたのであります。さらに四半期運営計画には、業種別四半期見返り資金運用計画願わくをきめたものと、会社別融資計画額をきめたものと二種あるのであります。これを経済安定本部がきめるにあたりましては、運輸省は、前に申し上げた年間運営計画と並行しまして、船主公募を行う等所要手続を経ましてさらに詳細な具体的造船計画を策定したのであります。この際運輸省は、建造の時期、船主、船型、造船所船価財政資金所要額等目体的事項について決定をいたしました。運輸省は前の造船計画に基きまして、会社別見返り資金所要額経済安定本部に提出したのであります。経済安定本部は、その具体的計画に基いて、これに調整を加えまして、会社別見返り資金融資計画を策定して、業種別四半期別運営計画とともに大蔵省に通知しました。  次は融資の実行でありますが、大蔵省経済安定本部四半期別会社別運営計画に基く見返り資金貸付を受付けようとするものであるから、あらかじめ日本銀行を通じて提出を受けた貸付申請書により審査の上、船主及び見返り資金融資額について閣議において決定しました。  なお御参考までに申し上げますと、この場合審査はまず日本銀行によつて実施せしめて、大蔵省日本銀行意見を待つて融資の可否を決定する建前がとられております。日本銀行及び大蔵省の行う審査は、会社資金繰り、償還見込み等金融的の審査に限つておるものでありまして、船主変更金額変更等は全然審査の目的ではなかつたのであります。上記の閣議決定を経た後に、司令部に対しまして融資申請行つて、その許可があつたときは、これに基いて融資を実行したのであります。なお大蔵省融資後においては、資金が確実に所期の設備計画に使用されることを確保するため、借人主当該資金を特別の預金口座に預け入れまして、ほかの資金と区別して経理する措置を講ずることに相なつてつたのであります。  それから見返り資金私企業貸付開銀に承継後は、見返り資金運営計画開発銀行に対する貸付という形で定められるにとどまりまして、会社別内訳はもちろん、電力、海運、こういつた産業別内訳見返り資金運営計画には規定されず、別途政府資金による産業設備融資方針を年々閣議決定いたしておるのであります。これには融資対象となる事業を規定いたしまして、産業別の大きいわくについては決定するが、個々の融資については、開発銀行自主的運営の本質にかんがみて、何ら触れておりません。従つて会社別融資額決定する段階は、船舶については、もつぱら運輸省及び開発銀行のみで行うこととなつております。
  6. 田中彰治

    田中委員長 委員諸君に申し上げます。石井運輸大臣を参議院の本会議から呼びに来ておりますから、もし石井運輸大臣にお尋ねされる方があれば、一人五分くらいずつで二、三人の発言を許します。
  7. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 一、二点伺います。第六次計画造船以後のことについて伺いたい。利子補給対象になつておる船会社は多数に上るようでありますが、さきの御説明によりますと、海運界の景況の変動によつてかなり困難な立場に立つてつたような御説明もあつたのであります。ところで六次以後の計画造船について、これらの船会社は——できれば船会社の名前も述べていただきたいのですけれども、それは時間の関係上適当に願つてけつこうですが、これらの船会社は、自己資金をもつて計画造船建造をなすことができなかつたかどうか。従つて、結局、借入金のみをもつて外国航路の船の建造が可能となつたわけであるのかどうか。自己資金が全然用いられることなく、借入金のみで建造し得る、こういう状態になつたのではないか、この点についてひとつ御説明つておきたい。
  8. 石井光次郎

    石井国務大臣 第六次以後の造船の場合に、自己資金を使えなかつたかというお尋ねでございますが、これはなるべく正確にお答え申した方がよいと思いますから、海運局長から詳しく申し上げます。
  9. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたでおわかりなければ、その答弁あとにしてもらいましよう。  それでは、第六次以後の融資状況について、開発銀行興銀長期信用銀行などで融資した総額、その他の市中銀行融資した総額、そうして現在における残額は何ほどになつておるか。この点をひとつ御説明つておきたい。
  10. 石井光次郎

    石井国務大臣 ちよつとラフな計算でございますが、市中融資が七百五十億……。
  11. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それは時間の都合上局長答弁を求めることにいたしまして、あなたに伺いたい点を一点だけお聞きしておきましよう。利子補給の二十八年度以降の金融機関との契約はなさつたのかいなや、しないとなればいつできるのか、なぜ遅れておるのか、二十八年度にすでに予算は七億数千万円が国会を通過しておるのでありますから、今日までできておらない理由はどこにあるのか、それを聞いておきましよう。
  12. 石井光次郎

    石井国務大臣 二十八年の一月五日に成立しました利子補給法に基いての契約はすでに結ばれております。それは前期十二隻の分だけでございます。それからその後の問題については、こまかい点でまだ大蔵省と話がつかない点が少しありますので、まだ本契約には至つておりません。
  13. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それじやもう一点だけ伺いましよう。政府資金は相当大きなものが流れておるわけでありますが、これの融資実情融資後の金の行方、こういつた方面についての監督行政官庁の最高のところはどこにあるのですか、大蔵大臣なのか運輸大臣なのか、いずれなんですか。
  14. 石井光次郎

    石井国務大臣 これは直接に貸し出す立場になつております開発銀行で、すつかり見ておることになつておるわけであります。
  15. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 開発銀行融資をなす機関であります。開発銀行政府財政投資によつてできておる銀行でありますが、これもやはり広い意味の国の会計の運営ということになるわけでありますから、あなたが御答弁できなければ大蔵大臣でもいいですが、あなたの方か大蔵大臣かを聞きたい。
  16. 石井光次郎

    石井国務大臣 私の方といたしましては、あと監査によりまして、はたしてどういうふうにやつておるかということを調べるという監査の行き方になつております。
  17. 田中彰治

    田中委員長 本問題につき会計検査院はどの程度調査をし、かつその結果における実情はどうであるか、会計検査院長の詳細な説明を求めます。佐藤会計検査院長
  18. 佐藤基

    佐藤会計検査院長 船舶建造融資あるいは利子補給につきましては、二十七年度分と二十八年度分以降で非常に違つて来ておるように思つております。二十七年度以前につきましては比較的金額も少い。たとえば興業銀行融資して、それに対する利子補給は、二十七年度決算によりましても六十四、五万円と思つておりますが、大した額でもありません。ただ開発銀行からの融資は相当大きいのであります。それで二十七年の末ですか、融資残額が八百億余りと聞いておりますが、これは相当大きな融資をしております。この開発銀行につきましてはわれわれの権限があり、またその責務があるので融資関係書類等を通じまして十分に検査をしております。しかしながら二十七年度までにつきましては、別に不都合な点は見出しておりません。次に二十八年度の問題でございますが、二十八年度につきましては、先般外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法というのができまして、従来の法律を改正し、また一方におきまして予算も相当な額——たしか本本度は七億かと思います。来年度は、さつき運輸大臣が言われましたように、三十数億かと思いますが、そういうふうに非常に額も大きくなるし、従つて国民負担との関係も特に私の方では気をつけなければならぬ。開発銀行関係におきましては検査権限はちつともかわつておりませんけれども市中銀行融資した場合につきましては、今度の法律によりまして、必要によつて船舶を注文する、いわゆる運航業者の方も検査できることになつたのであります。そこで、現在におきましてはまだ融資が行われておりませんけれども、その融資の行われたあかつきにおきましては、金額も大きいしまた世間でいろいろ問題もあるように聞いておりますので、十分の検査をやりたいと思つております。
  19. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは大蔵大臣に伺いますが、第六次計画造船以後における見返り資金融資状況、それから、その他一般に計画造船につきまして開発興銀長期信用銀行、他の市中銀行等総額何ほどの融資が行われ、現在残は何ほどであるか、この点について御答弁願います。
  20. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 全般に関するものはちよつと手元にございませんので調べておきますが、二十四年度第五次造船から始まりまして二十八年度分までに対するものでございますと、見返り資金が五百四十六億三千大百万円、開発銀行自体資金が三百二十六億六千四百万円、合計して八百七十三億円の融資額に相なつております。
  21. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 さき運輸大臣に伺つた点ですが、この計画造船というのは、国家の造船政策の現われであろうと思いますけれども、これらの場合に、政府資金が使われておる面はもちろん、造船計画に関与いたしました一切の金融機関、これが利子補給対象になる金融機関になつておるものはもちろんですけれども、それにかかわらず、前後七十ばかり数字があるようであります。これらの一切の銀行について融資実情とその経過については、大蔵大臣は相当監督をされる立場におありでないかと思いますので、銀行局長にさせるのかどうか存じませんけれども、その辺については監督の責任関係はどういうことになるのでしようか、お聞きしておきたいと思います。
  22. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 開発銀行あるいは国家資金をもつてする貸出しにつきましては、御承知のように、法の建前開発銀行というのは自主的に運用する機関になつておりまして、政府の方におきましては、ことしの開発銀行計画では、造船に幾ら、電力に幾らというような大わくだけをきめて、これを閣議決定をするだけであります。しかしながらこの造船の分についてはほかへ流れて行つてはいかぬから、別に各会社にそれぞれ別個の口座を開かせまして、他に流用されないようにする措置は講じてございます。そのほかは、ただいまのところは開発銀行に対する監督はいたしておるけれども、別に開発銀行に対して政府が命令をするとかなんとかいうことはございませんので、今申し上げたように、大わくだけをきめてそのわくの中で処理させる、こういうことになつておるのであります。
  23. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 もし開発銀行船会社等に融資いたしまして、その元利の償還、利息の支払い等につきましてあるいはそれを怠つておる、怠つておるけれども開発銀行その他運輸省の協議の上でこれに新しい計画を許してそうして融資する、こういうこともまた考えられると思うのであります。これはまあ部外からの考えでありますけれども、そういつた場合には、やはり適当でない融資が行われる危険性もあるわけであります。勢いやはり融資の現状に対して、直接に大蔵大臣は国家財政の担当者といたしまして、政府資金の流れて行く道を監督するという趣旨においてこれを監督せねばなるまいと思うのですが、そこまで監督をしないのですか、もしくはしないのであるとするならばなぜできないのか、その辺を伺つてみたいと思います。
  24. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 開発銀行に対しては、一般的の監督権は持つておりますから、一般的には監督いたしますが、個々の融資については、これは開発銀行に自分で自主的にやらせる、こういうことが開発銀行建前でありまして、そういうふうに相なつております。しかしもし一般的監督のもとに不当なる貸出しがあるということでありますれば、これに対して厳重な監督をする、これは当然でございます。
  25. 田中彰治

    田中委員長 藤田君。
  26. 藤田義光

    ○藤田委員 ただいまの吉田委員の質問に関連しまして、まずお伺いしたいのであります。日本開発銀行に関しましては、大蔵大臣としては監督権限はある、しかし具体的な個々の問題に関しては何ら権限がないというような意味の御発言がありましたが、日本開発銀行法の第四十条によれば、その第二項におきまして、業務に関して必要な命令まで出せるということになつておるのでありまして、ただいまの答弁と食い違いがあると私は思うのであります。この点に関しましてはどういう御見解でありますか、お伺いしたいと思います。
  27. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 開発銀行は、建前としては自主的運営をやらせることになつておりまして、ただいまのは非常の場合にこれをやる、こういうことなので、普通には、その条項をやらないことになつております。
  28. 藤田義光

    ○藤田委員 建前ということは、これは法理論じやないと思うのです。現実の運営の問題でありまして、私が質問いたしておることは法律に基いて大蔵大臣の見解を聞いておるのであります。いま少しくはつきりとその点をお答え願いたいと思います。
  29. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 法律的に申しまするならば、これは権限はあると存じます。
  30. 藤田義光

    ○藤田委員 そうしますると、開発銀行の業務の運営に関して、たとえば造船融資の問題に関しまして落度があつたということになれば、当然業務命令の発令権を持つておる大蔵大臣の責任ということになると思いますが、いかがでございますか。
  31. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 これは内容いかんによると思うのですが、当然そうだろうと思います。
  32. 藤田義光

    ○藤田委員 日本開発銀行法の十八条によりますると、経済の再建及び産業開発に寄与する設備に必要な資金で、銀行その他の金融機関から供給を受けることが困難なものに限り融資するというはつきりした条文があります。そうしますると、先ほど来の運輸大臣の御説明によれば、市中銀行がやつておる、開発銀行もやつておる、こういうことになりますると、開発銀行法の立法の趣旨が没却されてしまう。市中銀行がやれるものなれば、何も開発銀行法十八条に基いてこれに融資する必要はないのじやないかという論も出るわけでありますし、一方これは日本経済再建に必要なことであるから、開発銀行がやつておることが本道であつて一般の市中金融機関のやることは邪道であるという見解でありますかどうでありますか、お伺いしておきます。
  33. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 民間が中心でありまして、それのみでは計画造船ができない場合に、やはり国家のために開発銀行が出勤する、こういうことになると存じます。
  34. 藤田義光

    ○藤田委員 せつかくの御答弁でありますが、私は反対に考えております。造船海運あるいは石炭その他の超重点産業は、当然開発銀行が中心であつて市中銀行が従たるべきものでありますが、そういう大蔵大臣の考え方で日本開発銀行融資わく決定されて、二十九年度におきましても運営される方針ですかどうですか。これは問題の処理上非常に重大な結果になりますので、重ねてお伺いしておきます。
  35. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 興銀や長銀のごとき、ああいう市中銀行でそういう使命を果すところもございますので、ただいま御答弁申し上げた通りに私は考えております。
  36. 藤田義光

    ○藤田委員 そうしますると、これは重要産業に対する現政府大蔵大臣の見解が不幸にしてわれわれと違う。重点産業にあらざる海運というような感覚をもつて、国家財政金融をやつておられるというふうな結論をつけざるを得ないのであります。世界各国が相当の助成をいたしまして、海運、特に貿易に必要なる造船の育成をやつておる今日におきまして、敗戦によつてわずか三十万トンになつてしまつた日本計画造船を、政府が自由放任経済の中に造船だけは計画経済運営しているという実情に沿わない答弁と私は思いますが、いま一度この点に関する大蔵大臣のお感じを率直に聞いておきたいと思います。
  37. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 船舶は重点産業の一つであるから、従つて国がこういうふうに見返り資金開発資金等を出すのでありますけれども、しかし本体としてはやはり民間の金融機関が出すべきであつて、それで足らざるところを国が力をかしてこの計画を実行さすのだ、従つてさつき申した大きいわくをきめまして、これだくのことをやつてやるというふうに、いわゆる閣議決定をしましてやつておるのでありますから、藤田さんと実は考えは違わぬと私は思うのです。
  38. 藤田義光

    ○藤田委員 その点に関しましてはこれ以上お聞きいたしません。いずれ機会を見てあらためてゆつくりお聞きしますが、大蔵大臣日本開発銀行に対しまして業務命令まで出せる、運輸大臣造船に対する相当大幅な権限を持つておる、そうしますと大蔵大臣運輸大臣が大体の話合いをつけまして、そうして開発銀行が個々の問題に対しましては自動的に融資するという方式をとることによつて、弊害が相当是正されるのではないかというふうに考えております。この業務命令をそういうふうに解釈することが今後の事態を収拾する一つの方法ではないか、かように考えております。なぜそういうことを申し上げるかといえば、最近、一萬田日銀総裁が法王といわれておつたのが、漸次開発銀行の総裁小林中君が法王になりかけておるということをいわれております。私は国家財政資金を背景に自分の個人的な立場を強化するのはけしからぬ、こういう際に徹底的に是正すべきであると考えるがゆえに、その点に関する——われわれの税金をもつて投資しております開発銀行の総裁を法王にすることは、絶対反対でありますから、大蔵大臣の御意見を聞いておるのであります。ひとつその点、今後の日本開発銀行の業務運営に関しまして、何か新たな観点から発足される気持がありませんかどうかを、この機会にお伺いいたしたいと思います。
  39. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 藤田さんのおつしやる趣旨はよくわかります。しかし私どもが業務命令を出すというようなことは容易ならぬときに出すべきであつて、普通の場合に業務命令等を出すべきではない。やはり銀行の当局者が責任を持つて、自主的判断でやり得ることをやらせなければいかぬ。けれどもそれでいろいろなことをやられては困るから一つのわくをちやんときめて、そのわくの中でのことは自主的判断にまかす方がいい。しかしながらもし弊害が生じて見かねる場合があれば、藤田さんのおつしやるように、権限は持つておるのでありますから、これは業務命令を出す。しかし容易に出すべきものではないと思つております。
  40. 藤田義光

    ○藤田委員 私はただいま全国の言論機関が総動員で取上げております造船疑獄の問題であります。全国民が注視しております。現実に容易ならぬ事態が出ておる。従いまして日本開発銀行法の運営に関しまして、この際監督の責任にある大蔵大臣としては、真剣にいかにすればこういう誤解を払拭することができるかということをすでに考えられまして、具体的な方策があろうかと思つておるのであります。決算委員会に出て来られた以上は、それくらいの考えを持つて出て来られたと思うのでありますが、この点に関する考えを容易ならぬ事態でないと考えておられますか。私は新聞その他の情報を聞きますると、この問題で政界からも相当多数の人が犠牲者になろうとするというような風評も聞いておりまして、この点に関しまして容易ならぬ事態が出ておると考えるのであります。容易ならぬ事態が出ておれば、いかにして容易ならぬ事態を打開して行くかという大蔵大臣としての真剣なる具体的方策を、この機会に簡単でけつこうです、お聞きしておきたいと思うのであります。
  41. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 私どももこの事態は、今の藤田さんのお言葉をかりて言えば、容易ならぬものと思います。しかしそれはただちに造船に対してそういう業務命令を出すべきかどうか、こういうことについてはもう少し検討してみたいと思います。しかしいずれにいたしましても弊害がある、また世間からかれこれ疑惑を招くというようなことは、制度としては欠陥があるとも思われませんが、十分考慮いたします。そうして善処いたしたいと思います。
  42. 田中彰治

    田中委員長 大蔵大臣ちよつとお尋ねしますが、こういうような疑獄事件とか刑事問題が起きて、浮貸しなんかしておる。これは大蔵大臣の金でもなければ、吉田さんの金でもない。国民が泣いて納めた血税です。そういう問題が出ておるときに、これを容易な事態と思つておられるようですが、これより容易ならぬ事態はないじやないですか、どんなにお考えになつておるか、御答弁願います。
  43. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 私どももこれは国民の血税であるということは、よく承知しております。しかしながら、ただこれがただちに業務命令を出すほどの事態かどうかということについてのお話でございましたから、その意味で申し上げておるのでありまして、これは容易ならねものであることは、私はよく理解いたしております。
  44. 田中彰治

    田中委員長 ちよつとお尋ねしますが、そうすると、これより大きな事態というものは何なのです。刑事問題が起きて、浮貸ししたことがわかつてひつぱられておるのですが、これ以上容易ならぬ問題というのは、どういうことなんですか、聞きましよう。
  45. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 私は開発銀行との間に何ら問題が起つていることを承知していない。従つて開発銀行に対して業務命令を出す、あるいは開発銀行はこういうことをやつておるということかはつきりしないものに対して、業務命令が出せるか、十分考えてみて善処するということを申し上げておる。ただ私はいまだ私が監督しておる開発銀行が、こういう浮貸しをしたということは聞いておりませんので、十分調べた上で善処するということを申し上げております。
  46. 田中彰治

    田中委員長 大蔵大臣にお尋ねいたします。それは開発銀行から借りた金を浮き貸しされておるというのだから重大な問題ではないか。ところが銀行にまかして自主的にやつておるという——国民が泣いて納めた血税を融資した。船をつくるためにそれが浮き貸しされた。開発銀行にも何百万円の賄賂を使つたとか何とかいう問題があるのです。私は証拠がはつきりしないから申し上げないけれども、これほど重大な問題なのです。これより重大な問題とは何なのか、お聞きしたいのですが、これをあなたが重大な問題と考えていらつしやるならばけつこうなんです。どうなんですか。
  47. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 これはさつき申し上げた通り重大な問題と思つております。しかし開発銀行に業務命令を出すほどの重大な問題かどうかということを申し上げたので、これは質問に対する答弁でありまして……。
  48. 藤田義光

    ○藤田委員 大蔵大臣が、大蔵大臣としては業務命令を在任中一度も出せぬというような悲痛な声で言われるのがふしぎなのです。私は国家財政資金が出ている銀行に対して遠慮なくひんぴんと出してもらいたい。そうすることによつて金融フアツシヨというような風評を一掃することができるのでありまして、業務命令というものに対する大蔵大臣の定義を、この際率直に聞いておきます。どういう場合に出すものであるか、業務命令の定義を、ひとつこの機会にお聞かせ願いたいと思います。
  49. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 ちよつと用意しておりませんから、どういう定義を下すべきか、それはよくわかりません。開発銀行の業務について、こういう業務がいけないからこうしろとかいうようなことは、すべて業務命令であろうと考えております。常識的な業務命令という意味であります。ところが、今のところ開発銀行はどうなつておるか、関係がよくわかりませんから、私が申したのは、わかりさえすれば、これに対して出す。一生出せぬというようなことをおつしやいましたが、そんなことはありません。それは私が権限を持つておるのだから、必要があれば出します。それには皆が納得しなければいけないから、やはりもう少し事実を見きわめた上で出したいと思つております。
  50. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 この業務命令もきわめて重要な問題だが、その内容のことを聞く前に、私はもつと根本的なものについて聞きたいことがあります。先ほど運輸大臣説明されたところによりますと、融資をする船主等の調査については、運輸大臣開発銀行と協議をしてきめた。市中銀行は加わらない方がいい。こういうことを言つたが、市中銀行ではいろいろな事情があつてそれに加わることは困るというようなことで、運輸大臣開発銀行とで決定された。そしてその後において、これは閣議にかけておるということを、先ほど運輸大臣が答えられておるのですが、大蔵大臣はその閣議に参画されましたか、されませんか。
  51. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 閣議にかけるのは、見返り資金のときだけでありまして、開銀の分について閣議にかけるということはございません。私が就任して以来、そういうことはございません。開銀の分については参画した記憶はございません。
  52. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 それがないといえば、それ以上は伺いません。またあとで伺います。  そこで今新聞にも報道をされておりますが、リベートということが行われておる、割もどし金ですか、こういうことが行われておつたことをあなたは今日まで御存じでありましたか。御存じなかつたのでありますか。
  53. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 私は詳しくは承知しておりません。
  54. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 これは先ほどの業務命令の問答というようなことじやなくて、大蔵大臣が御存じがないとおつしやられれば、もうそれ以上申し上げませんが、ああいうところから不正が行われるのじやないかと思われる。これは、ほとんど公然のように——新聞などの報ずるところによれば、これは慣習的にまで行われておるのだ。なお聞くところによれば、自由党方面では、あれは、慣習だから、一向さしつかえない、(「ノーノー」)こういうようなことまでもいわれておることが新聞にも出ておりますが、大蔵大臣がこれを少しも御存じないということはいささかどうも、せつかく国民の血税を補給してやるところの船会社に対して、それはあとはかまわない、検査は十分じやないということになりはせぬか。これは非常な莫大な金であります。なるほど貿易を振興するためには、船の必要であることはわれわれは十分認めますけれども日本の今日の現情におきましては、国民がどんなに苦しんでおるかということは私が御説明申し上げるまでもありません。昨年の春の凍霜害におきましても、日本全国の百姓があれだけの被害を受けても、わずか五億九千万円しか政府は金を出さない、それにもかかわらずそのような莫大な何百億というような金が出された、そうしてリベートは公然と行われておる。それを大蔵大臣が御存じないというのは、日本経済を担当されておるあなたとしていささかいかがかと思うのですが、いかがでありますか。  さらにまた今日かくのごとき状態が起つて来たということは、私どもから見ればそういうところに端を発しておるのじやあるまいかと思いますけれども、この原因が那辺にあるかということを今日まで大蔵大臣はお考えになられたことがあるかないか、伺いたい。
  55. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 実は私はリベートの問題については、どういうふうに行われておるか承知しておりませんが、私は実はこういうふうに思つてつたのです。造船の方は、前には、造船業合理化審議会、昭和二十七年五月以降は海運造船合理化審議会といわれまして、そこでそれぞれその道の権威者が相談をし合つてやることであり、それから大体予算を出しますときも、重量トン一トンについて幾らあるという基準がありまして、それに基いて造船所その他を選んできめておるのでありますから、その数字というものは相当厳格な数字であると私は信じておつたのであります。リベートの問題で、どこがどういうふうなリベートをしておるとかいうことについては、ヨーロッパ等ではそういう慣習があることを聞いておりますけれども日本ではまさかそういうことが行われていないのではないか。このごろリベートの問題が新聞に出まして、日本でもそんなことをやつておるのかと、私うかつだつたかもしれませんが、むしろ正直に申し上げた方がいいと思つて、そういうふうに申し上げたのであります。
  56. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 ただいまのお答えを伺つて私はまたここに立ち上つたので、実はもう他の方に譲ろうと思つた。先ほどあなたは御存じないとおつしやつたが、一トンについて幾らというようなことまでも今お話になつた。それは外国のことでありますか、日本のことでありますか。
  57. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 運輸省の公募要領では、高速船ならばこれこれ、中速船ならばこれこれということが書いてありますので、これは各方面で練られた非常に厳粛な数字だ、こういうふうに考えております。
  58. 大上司

    ○大上委員 まず運輸大臣に聞きたかつたのですが、事務当局がお見えになつておりますから、二、三伺つておきます。私の聞き違いかもしれませんが、本日は政府または会計検査院等から、それぞれ法の執行者または監督者が出ておられますから、誤つておれば私だけが悪かつたのであります。さいぜん石井さんから、たとえば船主決定するについては、まず第一に開発銀行に送つた。簡単に申し上げますと、九次船その他の決定については、開発銀行運輸省意見調整をいろいろやるが、特にこれは開発銀行が主体となつて船主をきめるというような発言がありました。なおその次に利子の補給についても、開発銀行が進んで金利を引上げる方向に持つてつた、こういう発言がありました。これについては吉田委員並びに藤田委員がそこをついておられます。そこでまずこの船主決定については、行政処分でおやりになるのか、あるいはそうでないのか。これは行政権に所属すべきものか、そうでないものか、この一点をまずお尋ねいたします。
  59. 岡田修一

    ○岡田(修)政府委員 船主決定でございますが、見返り資金のときと開発銀行になりましたときとすつかり違つておりまして、開発銀行になりましてからは、開発銀行資金の貸出しは、開発銀行が自主的にきめる、こういう建前をとつております。一方におきまして、運輸省利子補給法によりまして新造船契約をして、市中から融資を受けたものに対して利子補給契約をするという権限と、それから臨時船舶建造調整法という法律がありまして、それで新造船建造を許可するという権限があります。従いまして同じ船をつくる場合に、二つの機関が同じものを対象とするわけであります。開発銀行融資対象を選定する。運輸省利子補給対象となるものを選定し、かつ建造許可の対象決定する。従いましてその両方が自主的に協議をして対処する。そこで実際やりました方法を申し上げますと、利子補給審査をして、九次の前期におきましては、これは運輸省の方で海運政策、それから造船所事情というものから見まして、相当幅の広いものを選定いたしまして開発銀行に示す。開発銀行はそれを資産信用の面から見まして、そのうちのこういう船主を選びたいということをきめまして運輸省相談する。運輸省は大体開発銀行のお選びになつた線が、われわれの海運政策、造船事情の面から見てさしつかえないという返事をいたしまして、そのまま決定する。九次の後期におきましては利子補給の助成その他が非常に厚くなり、かつまた前期におきましては造船所事情という面をそれほど考慮しなくてもいい状況でございましたが、後期においては相当深く考えなければならぬのであります。従いまして運輸省開発銀行に対する意見も、もう少しはつきりしたものを出そうというわけで、運輸省としては事前に九次の前期に示しましたよりもより詳細なる意見開発銀行の方に提出する。開発銀行の方は前回と同様に資産信用の面を審査して、それとつき合せまして、両者の意見の一致したものを九次後期船の船主として決定する。従つてこの決定したものに対して開発銀行融資をする。運輸省はそれに対して利子補給契約申請があつた場合にそれを受諾する。建造許可の申請があればそれを許可する。こういうことを内定いたしまして新聞発表いたした次第であります。
  60. 田中彰治

    田中委員長 大上委員にお諾りいたしますが、大蔵大臣は今降旗君の質問に答えるので、迎えに来ておりますから、大蔵大臣から先にやつていただきたい。
  61. 大上司

    ○大上委員 それでは大蔵大臣にお尋ねいたします。ただいま同僚委員から開発銀行に対する業務命令という問題があつたのでありますが、これは当然私たち考えるには非常に重大であります。その理由はまず第一に、いろいろな大わく財政資金のうち、特に造船業に出すについては、いわゆるどの程度がほんとうの生産コストであるとか、あるいはどの程度金利、その他が——間接、直接ということはありますが、結局それらの全体的なことが把握ができておらなかつたから今度のリベートという問題が起きた。だから起きた以上は、監督者としてはいわゆる融資の的確性という面から、あるいは全体的の金融政策、あるいは産業構造等から見てゆるがせにしておつたのではないかと思うのです。そこで現段階においては、リベート問題を云々せられておるのであるから、特に所管事項といたしましても、所得の把握が十分行つておるかいないか、あなた方の国税庁はどういうふうに調査をしておられたのか、これとも非常に関係がありますので、今日においてはわれわれは各同僚諸君と重大に考えておるのであるから、一応この点については、決して大臣は何でもかんでもわかつておれとは言わないが、大まかなところをつかんでもらいたいと思います。そういう面から見まして、当委員会のいろいろの発言者をそろえて、私ども重大に考えておるのであるから、これをどのように今後処理なさるのか、あるいはどのような具体的な方向に持つて行かれるのか、その構想をさらに承つておきたいと思います。
  62. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 これはひとつ大蔵省におきましても、至急これらの方面の関係者を集めまして調べてみます。調査の結果、たとえば今仰せになつた業務命令等を出す必要があれば、もちろん出すことにいたします。また業務命令を出すまでもなく、一応監督その他によつてこういうことが解決するものがあれば、そういう措置を至急にとります。いずれにいたしましてもこういうことが国民の疑惑のもとにあることはよくないと思います。  従いまして適当な処置をとりたいと思います。なおこの際大上委員委員長にもちよつと一言申し上げておきますが、実はこの間この委員会に出席要求があつたのであります。あのときはちようど予算委員会答弁しておる最中でありまして、たいへん遅れて参り、この次でよいという仰せがあつたので、御無礼をしたわけであります。今日またちようど予算委員会答弁しなければならぬので、はなはだ何ですが、ちよつとごめんさせていただきたいと思いますから……。
  63. 藤田義光

    ○藤田委員 大蔵大臣は、本日大蔵省令で配付されました資料をごらんになつておりますか。これは小笠原さんが大臣をされておる大蔵省資料であります。
  64. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 それは見ております。
  65. 藤田義光

    ○藤田委員 見ておられるならば、ちよつとこの機会においてお伺いしたいのであります。法律上の根拠はございませんが、現役の大臣が民間会社関係するということは、大体政治道徳上遠慮しておるはずであります。ところがこの資料の中には、有名なる現役の大臣が一会社の取締役になつておられますが、その事実を御存じでありますかどうですか、お伺いいたします。
  66. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 承知いたしております。
  67. 藤田義光

    ○藤田委員 御承知ならば、この際率直にお名前を伺つていただきたいと思います。
  68. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 それは私のことであろうと存じます。これにつきましては、昭和二十七年の十月、ちようど第四次吉田内閣の農林大臣になつたときに、二つの会社をやつてつたのでありますが、そのときに、極洋捕鯨会社は直轄会社ですから、即時辞職をいたしたのであります。太平洋海運というのは何もそういう関係でないので、特にこれは正式手続を経て——私は正式手続を経てあります。吉田総理の許可を得て、そのまま残つてつたのでありますが、昨年ちようど渡米したときに、こういうことで社長その他に残つておることは、おもしろくないという考え方がありましたので、社長は辞任して、取締役だけが残つております。しかし藤田さんは取締役もやめたらよかろうということだと思いますが、実は私も取締役をやめてもいいと考えておるのです。アメリカ流に考えると、そこまで行つたらいいと考えて、そういう手続をとることにいたしております。
  69. 藤田義光

    ○藤田委員 実は大蔵大臣が重役をされておることは、私は存じません。またこの資料を見ましたが、発見できなかつたのです。ところが率直に言われましたので、この機会にいま一つ、この資料を見ますると、新日本海運の重役に大野伴睦氏がなつておられますが、その事実御存じでありますか。
  70. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 実はなかなかたくさんの書類で、私もこういうものを出してはつきりすることはいいと思つただけで、中身は詳しく見ておりません。お話になつたことは、自分に該当すると思つたから、これならはつきりわかつたことで、自分のことだから、自分のことを申し上げたらいいと思つて、申し上げたのでありますから、あとは調べた上で……。
  71. 藤田義光

    ○藤田委員 それではお急ぎのようですから、簡単にお伺いしますが、国家の財政資金をまわしている銀行、すなわち日本開発銀行融資を重点に置く船会社の重役に——閣議造船わく等は決定しまして、これは経済審議庁が立案しておるようでありますが、それを日本開発銀行年度初めに通知するわけであります。そういう閣議に参画する現役の大臣が、財政資金を使う船会社の重役をされておるということは、私は一般の民間会社ならまだ恕する余地があるとしても、何と申しましても、これは国民の疑惑の的になるのではないかと思うのです。小笠原さんは人柄明朗でありまして、そういうことはないと思いまするが、国民はどうしても疑惑の目を向ける危険があるのであります。この際こういう問題に関しましてどういうふうにお考えでございますか、小笠原さんの率直な心境だけをお伺いしておきます。
  72. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 お答えいたしますが、私はこういう問題はかえつてはつきりしておつて、だれが見てもそうなつておるのだから、これは少しも疑う余地がないと思うが、しかしかりそめにも疑いを持つ人があるならおもしろくない、こういうふうに考えまするので、私一個の問題は私一個がお話のごとくに処理します。しかし他の人について、それではあなたもそうしたらどうかということを言うべきかいなかは、やはり個へのその人の心持にまかしたらよかろう、こう思つております。
  73. 田中彰治

    田中委員長 もう帰しますが、そこで大蔵大臣、今後本委員会はこの事件を取調べて行きますし、行政監察や運輸委員会も素通りしませんから、数字を調べて徹底的に——こういう委員会の性質を御存じでしようが、どうか政府の方でも勉強し、大蔵大臣もうんと勉強して来ていただきたいと思います。
  74. 大上司

    ○大上委員 さいぜんの運輸当局の船主決定について、これは行政上の処分か処分でないかということを承つたのですが、どうも補足説明が多くて、結論が聞けなかつたのですが、りくつは抜きにして、行政権できめるのですか、そうじやないのですか。それからまず聞きたい。
  75. 岡田修一

    ○岡田(修)政府委員 運輸省としては、行政措置できめるわけです。開発銀行開発銀行建前で、融資先を決定するわけであります。
  76. 大上司

    ○大上委員 ではお尋ねいたします。が、さいぜん冒頭に申し上げました通り運輸大臣のお話を伺うと、行政権放棄のような聞き方を私はいたしております。まずそれを申し上げてみますと、運輸省から開発に送つた開発がきめるのだ、こういう発言があつた。その次に利子補給の問題、これはもちろん私の聞き方が間違つておれば、速記録で調べますが、今日の運輸大臣説明では、岡田海運局長も隣でお聞きの通りだと思いますが、私はそれでは運輸省は今日に至つて行政権を放棄したのじやないか、あるいは無責任じやないかと言わざるを得ないと思います。これについて局長運輸大臣のおつしやつた答弁をどう解釈しておられますか。
  77. 岡田修一

    ○岡田(修)政府委員 私運輸大臣の言葉をもう一つ正確につかめなかつたのでございますが、おそらくもし誤解を与えたとするならば、言葉が足りなかつたのじやないかと思います。運輸省利子補給対象となる船主をきめ、かつ臨時船舶建造調整法の対象となる船主をきめるわけであります。
  78. 大上司

    ○大上委員 持ち時間がきまつておりますから、これでとめますが、問題は、運輸省船主決定する場合に、特に実業之日本ですか、いろいろなこれに関連する刊行物を見せてもらつたのですが、外国船をとる場合に、すなわち日本の材料で、日本の労働力で、日本のあらゆる間接費、直接費でやつた場合に、外国船は内国船より非常に安くできる。これは鋼材の値上りとか、あるいは熔接上の問題とか、いろいろな問題がありますが、常識的に言われて来たものでございます。そこでなぜ内国船が第五次から九次までにしても、このような開きができたのか。もちろんこれについてわれわれが当然思い当ることは、労働賃金その他基準法によつても、いろいろ差があることは認めるが、そこに皆さん方がせんじ詰めれば、リベートをどういうふうに考えておられるか。製造原価あるいは各会社の経営上の実態は別にして、そのときの物価水準あるいは物価の指数等からにらみ合せてみて、当然運輸省においては賃金ベースはわかつておるでしようし、あるいは間接費の総合的な計算のパーセンテージも出ておるわけです。ところがあれを調査なさらなかつたから、リベートがああいうふうな方向に行つたのか、行かないのか、これは船主決定のキーポイントだと思いますから、その点についてお尋ねいたします。
  79. 甘利昂一

    ○甘利政府委員 今大上委員からのお話では、日本の外航船と輸出船とに開きがあるというふうなお話でございますが、これは確かに開きがあります。ただどうしてこのような開きがあるものかと詳細に調べてみますと、主として外国船、いわゆる輸出船の場合には、船主の支給品が相当ございます。たとえばレーダーとかそういうものは、自分の好きなものを支給する。支給品が内地船に比べて非常に多い。それらのものは船価の中に入つておりませんから、一見原価が安くなりますが、それらのものを中に入れて考えますと、そう違つてはおりません。もう一つ安いのは、外国の船主が注文する船は、仕様書や設計が非常に簡素化されておる。これは特殊の用途があつて、そういう船で十分だということから来ておるのだろうと思いますが、そういう面を考慮に入れると、輸出船と外航船との間にそう大した値の開きはございません。従つて内国船として非常に高い点があれば、一般の内地の製品及び資材である鋼材等が高いということが理由でありまして、これらを外国の価格に引直してやれば、決して日本船の船価は高くない、こういうふうに考えております。
  80. 大上司

    ○大上委員 かんじんのお尋ねしております点をぼかしておられます。それは前段の説明であつて、大体常識上はわかつておるのだが、製造価格といいますか、造船のあらゆる勘定科目を立てての計数が出て来るのだが、そこに皆さん方はリベートを承知しておられたのか、承知しておられないのか、この点をお聞きしておるのです。
  81. 甘利昂一

    ○甘利政府委員 われわれはリベートの余地はないと思います。そういうことはあるとは信じておりません。ただたまたまそういう話を聞きますので、少くとも財政資金を使う場合にはそういうことがあつてはいけないということは再三注意しております。それからリベートの余地があるかどうかということは先ほど大蔵省からいろいろお話がありましたように、われわれはたとえば利子補給をいたします場合とか、あるいはこれだけの財政資金で何ばいの船ができるというような計算をする場合に、一応目標船価を形成いたしますが、これらの目標船価は、合理化のいろいろのコスト低減であるとか、あるいはその他のいろいろな資料をもとにしまして、できるだけ低目につくつておりますので、決してその船価が高いということは私たちは考えておりません。
  82. 大上司

    ○大上委員 私といたしましては、ただいまの答弁はあまり無責任きわまると思う。なぜならば、先般来の新聞で見ると、リベートは商習慣とまでいわれているのではないですか。それの調査ができないようで、今までどこを観点にして、どういうふうなことをねらつて運輸行政をなさつたのか、われわれは了解に苦しむわけです。だから今言うように、リベートは商習慣とまでいわれて来ておる。それが特にただいまの答弁にお立ちになつた方から見ますと——これは通産省の役人ではないのだから、連日連夜の陳情、あるいは計画はほとんど造船に終始しておられると思う。それだけたくさん来ておつて、これを承知しておらなかつたというようなことは、私は断じて聞けないと思いますが、いま一度、この商習慣というようなことすら運輸省は調べておられなかつたのか、あるいは調べておられたのか、あるいはたまたま答弁に立つたお方が存じておらなかつたのか、これを最後にお尋ねしておきます。
  83. 岡田修一

    ○岡田(修)政府委員 リベートが商習慣と申しますかどうか、外国ではそういうふうなことがほとんど一般的と言つていいほど行われておるようです。それから日本におきましては、戦前一部においてやはりそういう慣習があつたように聞いております。従いまして戦後財政資金を使うようになつてからは、一切そういうリベートのような行為があつてはならぬということを再三注意し、もしそういうことが発覚すれば厳重なる処置に出るであろうということを警告して来ておるのでございます。従いまして私どもとしては、ただいま船舶局長がお答え申し上げましたように、そういうものは絶対ないもの、かように信じて来ておりましたが、しかし一部そういうものが行われておるのではないであろうかといううわさを耳にしたことはないではありません。従つてそういう場合には、具体的にどの業者ということがわかりませんから、一般的に警告を繰返す、こういう措置をとつて来ておる次第であります。
  84. 田中彰治

    田中委員長 ちよつと岡田政府委員に聞きますが、何か警告をしたと言うが、公文書でもつて警告をしたことがあるのですか。
  85. 岡田修一

    ○岡田(修)政府委員 これはそういう風評でございますが、はたしてそういうものが事実であるかどうかということが確かでございませんので、公文書でそういうことを警告することはいかがか、かように考えまして、新造船その他の会合のあるときに注意を促して来た次第であります。
  86. 田中彰治

    田中委員長 ちよつと岡田政府委員に聞きますが、会合のときに人に向つて注意を促せるなら、公文書で促せるじやないですか。どうして公文書でしなかつたのか、ちよつと説明してください。
  87. 岡田修一

    ○岡田(修)政府委員 公文書でそういうことを警告いたしますと、これがいかにも事実であるかのごとき感を与えて、かえつて誤解を招くであろう。それよりは口頭で警告をいたしまして、業者の良識にまつ、良心にまつ、かようにした方がよい方法ではないか、かように判断した次第であります。
  88. 田中彰治

    田中委員長 あなたの役人としての言い訳はそれで通りますが、国民が泣いて納めた血税ですよ。その何百億の金を政府があれしてやるのに、それを口では言えるが、公文書でやると何だとか、あなたはそんなことを役人としてお考えになるような方じやないだろう。事実リベートは行われているじやないですか。あなたは今それをいいと思つているのか悪いと思つているのか。やはり口で言つた方がよかつたと思つているのか、公文書でやつた方がよかつたと思つているのか、どうなんですか。
  89. 岡田修一

    ○岡田(修)政府委員 このリベートが事実行われておるかどうか、これを私どもといたしましてはもう少しはつきりいたしたいと思いますが、その文書による警告をなすが是か、あるいは非かということにつきましては、ただいま申し上げた通りであります。
  90. 田中彰治

    田中委員長 行われておるかどうかということを検事局が調べて、そういうものは商習慣だと当人が言つておるのに、あなたはまだ信じておらないのか。当人が検事局で自白しておるのをあなたはまだ知らないのか。君のような人がいるから、国民がみな泣いて納めた血税がこういうようにされるのだ。ここに来たら人が聞いてももう少し責任ある答弁をなさい。あなたがそんな気ならこれをほんとうに調べるぞ。
  91. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 今の答えは、あなたは今そこで聞いておつたでしようが、たいへんおかしなことになるのだ。私が先ほど大蔵大臣に、このリベートというものはいいと思うか、悪いと思うかと問うたでしよう。それに対して大蔵大臣は、そういうことがあるというようなことは聞いてはおるけれども、しかし公募に載せられておるのだから、正しいものだと思つてつたという答えがあつたでしよう。あなたは聞いておられなかつたか。今あなたがそういう答えをしなければ、この速記録によつてちやんとはつきりして、いやしくも大蔵大臣が、リベートは公募に載つておるから正しいものだと思つてつたという答えをしておるのだから、少くとも大蔵大臣はリベートを公募上認めておつたということを、後に十分追究しようと思つてつたのだが、あなたがまだ知らないということを言つているのはどういうのか。大蔵大臣はさつき公募に載つておると言つているでしよう。それに気がつかなかつたかどうか。
  92. 岡田修一

    ○岡田(修)政府委員 ただいまの御質問は、大蔵大臣の御答弁を誤解されておるのじやないかと思います。大蔵大臣が言われましたのは、リベートはないものと思う、ということは、運輸省船主を募集するのに、船価に対して七割とか五割、こういう財政資金融資するわけです。それに対しまして船価が幾らかでも高いということになると、財政資金は幾らでも出て行く。従いましてそのときには運輸省として、どの船価が妥当であるかということを、先ほど船舶局長答弁申しましたように、いろいろな資料から推定いたしまして、たとい船価がそれ以上になつても、その船価を基準とした五割あるいは七割の財政資金しか出さない、こういう方法をとつておるということを大蔵大臣が端的に申されたのでございます。従いまして…。
  93. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そんなことじやない。君、そんな詳しいことをいつ大蔵大臣が述べたね。そんなことを言いはせぬ。あなたはだれも聞きもせぬことをしやべつている。大蔵大臣が言いもせぬことをあなたがしやべつているじやないですか。そんなことを大蔵大臣が言いましたか。私は内容的なことよりも、この問題は今日一日くらいで終える問題ではないから、そこで基礎的に聞いたのだ。リベートということがある、新聞にも報道されているが、大蔵大臣はそれを知つておるかと言つたら、知らないと言つた。それであとでトン幾らでとかなんとかいうことを言つたから、それは外国のことか日本のことかということを聞いたのだが、第一リベートということをあなたが知らぬというのはどうなんだ。それは公募に書いてあるのだから正しいものだと思つてつたのだということをはつきり言つておる。私の言うておることが違つたら、すぐ速記録を取寄せてもらつて——そんなあなたの言つたようなことを大蔵大臣は言いはせぬですよ。速記録を取寄せて聞きましようか。私の耳が間違つてつたのか、あなたが聞いておらなかつたのか、どうなんですか。そんないいかげんなことを答えられてはいけない。
  94. 岡田修一

    ○岡田(修)政府委員 私のただいまの答弁は、大蔵大臣が短かくお答えになつたことを少しわかりやすく敷衍して申し上げた次第でございまして、その点たいへん失礼いたしましたが、大蔵大臣は何もリベートを公募要領の中に書いてあるということは一言も申されておりません。公募要領の中に高速船については幾ら、中速船については重量トン一トン当り幾ら財政資金融資するぞ、こういうことを書いておるということをおつしやつた次第であります。
  95. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 それでは大蔵大臣答弁はいずれ速記録ができますから、私はそれを見てからにするが、本来ならば今すぐ取寄せてみたいと思うのですが、それ以上は申し上げません。あなたは今大上委員から言われて、そのリベートのことがあるのやらないのやらということをおつしやられておるが、あなたは新聞を毎日読んでおるでしよう。あれほど大きく出ておることを、今日になつてそういうふうにいいかげんなことを言うて決算委員会を煙にまこうとしても、われわれはこれから十分調べるのですから、あなたがリベートを知らないということは、ほんとうに国民を何と考えているかとわれわれは言いたいくらいなのです。決算委員会というものはそんないいかげんなことではこれから先ごまかされないのだから、どうぞそのおつもりで……。
  96. 田中彰治

  97. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 運輸大臣さき答弁できなかつたので、これらの点なお今後質問をだんだん展開して行かなければなりませんので、基本的な数字とか事実の関係について事務当局からひとつはつきりさしておいてもらいたいと思うのです。  第一に資料によれば、船舶建造決定する一つの階段といたしまして、海運造船合理化審議会令に基いて審議会ができておる。この審議会はいろいろと船舶の需給計画あるいは建造資金の事項あるいは新造船の原価の低減に関する事項等々、こういう事項などについて関係大臣に建議をするということが大体の仕事らしいのであります。これは相当重要なことを決定するようでありまするが、ところでその委員の顔ぶれを見ますると、関係行政機関の運輸次官、大蔵次官、通産次官、審議庁の次長などがありまするが、さらに日本郵船の社長、大阪商船の社長、三井船舶の社長、飯野海運の社長、山下汽船の社長、三井造船の社長、三菱造船の社長、浦賀ドツクの社長というように、つまり融資を受ける船会社の社長がみなそれぞれ名前を連ねてこの重要な審議に参画しておる。ところでこの審議会令を見ると、第三条には「委員及び専門委員は、関係行政機関の職員及び学識経験のある者のうちから、運輸大臣が任命する。」こうなつております。ところで学識経験者ということにはあるいはなるかもしれぬけれども、数十億の融資を受ける当の会社の社長がほとんど名前を列しておるのであります。この点について第一に聞きたいことは、これは大臣がきめるのか、あるいはどこで選考するのか。それからこういう数十億円の金を借りる会社の社長が委員になつて、この審議会令の第三条の趣旨にかなうのかどうか、こういう点についてはどういうふうにお考えになつておるのであるか聞いておきたい。
  98. 岡田修一

    ○岡田(修)政府委員 海運造船合理化審議会でございますが、この合理化審会が新造船主決定関係いたしまするのは、大体運輸省で、本年度財政資金わく大蔵省予算その他できまりまするから、その財政資金を使つてどの程度の量の船をつくるか、それからその船の内容をどういうふうにするか、こういうふうなことを合理化審議会にかけましてその意見を聴取するわけであります。  それから船主選考につきましては、その合理化審議会は具体的にどの船主を選ぶか、こういうことには関与いたしませんで、大体船主を選ぶ基準をどういうところに置いたらいいか、こういう選考の基準を合理化審議会できめていただくという方法をとつております。その選考基準によつて運輸省あるいは開発銀行、こういうものが具体的な船主をきめて行く、こういう方法をとつております。従いまして抽象的な基準でございまするので、関係の業者が入つてつてもさしつかえないのじやないか。むしろそういう船主たち海運あるいは造船について非常に深い専門的知識を持つておられますから、そういう専門的知識を拝借したい、こういう意味でございます。
  99. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ここは責任を回避するということじやなしに、率直にお答え願いたい。普通学識経験者というのは利害関係のある人は除外するものであります。あなたは抽象的な、基礎的な事項についての調査等をする機関だということの御説明であるが、現に借主なんです。利害関係の一番大きな者なんです、一番大きな者のみが入つておるのであります。通常は大学の教授とかそういつた者が学識経験者といわれておりますが、これはそうではなくして、いずれもが船会社の社長であり、造船会社の社長であります。それが学識経験者の中に入つてしまつて数十億円の金を借りる、こういうので、疑いがあるのでその基準を尋ねたわけでありますが、あなたは少し的はずれで、回避して御答弁になつておるのじやないでしようか。ほんとうに適切に第三条に適合した趣旨でこの人たちが選ばれておるということになるのでしようか。なるほどそれは飯野海運の社長とか山下汽船の社長を委員に選ぶことは、その人らの豊富な意見を聞くということでありますから、悪いことではないというような消極的な御説明は別として、やはり基本的な重要なことをきめるということであれば、なおさら利害関係者、借主を集めるというような仕方はどうかと思いますが、いかがでありますか、重ねて伺つておきます。
  100. 岡田修一

    ○岡田(修)政府委員 ただいま御答弁申し上げましたように、船主選考の基本的ともいうべき準拠をきめるわけでございますが、その基準は海運政策あるいは造船政策の基本に触れるようなことがそこに盛られるわけであります。従いましてそういう点につきましては、海運造船の専門家をその委員に入れるということは決して的はずれではないと私は考えております。
  101. 田中彰治

    田中委員長 岡田政府委員に申し上げますが、ここに傍聴の人もたくさんおるのだから常識をはずれたことではこの委員会は許されないのです。常識的にお考えください、この金は国民が泣いて納めた血税です。それを、借りる人が基準をめてしまつたあとはたれが基準をこわすのですか、りつぱな造船会社の社長とか、次官級、次長級、そういう人たちが寄つてきめたら、その標準をたれがこわすのですか、そんなことで公平に行きますか。行かないからいうこと問題が起きておるのじやないですか。どろぼうの判決をするのにその人のおじさんやおばさん、どろぼうの体験君が来てきめたら罪が軽くなりますよ。それであなたは公平に行くと思つておるのですか、あなたはよく説明してごらんなさい。
  102. 岡田修一

    ○岡田(修)政府委員 そういう委員が大多数を占めておるということならば、あるいは御指摘のようなことがあるかと思いますが、そういう委員委員の一部でございます。しかしそういう専門家がいないで、しろうとばかりが寄つてどういう基準ができるか。こういうことが片面において反問されるわけであります。従つてそういう専門家を一部に加えることは当然じやないかと考えます。
  103. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これはますます奇怪なことになつて来るから一応これははつきりしておかなければならぬと思う。あなたの方から提出した資料なんだからこれは明らかなんだが、一体その一部を占めておると言うけれども、借り主というのはこれは一々点検すればわかるのでありますが大部分であります。郵船の社長、商船の社長、三井船舶の社長、飯野海運の社長、山下汽船の社長、甲南汽船の社長、日鉄汽船の社長、沢山汽船社長、三井造船社長、三菱造船社長、川崎重工業社長、浦賀船渠、函館船渠社長、佐世保船舶工業社長、造船協会の会長、一体これ以外は製鉄会社の社長とそれから金融機関の代表者、そうして政府の事務次官のみなんです。その他は経連の会長とか、あるいは若干数名は職名なしで上つております。だからその一部にすぎないというようなことは、これは少し強弁であります。  もう一つ、あなた事務当局はこの令を曲解する何らの権限もない。この令は、第三条では明らかに国の関係行政機関の職員と学識経験者なのであります。だからこの学識経験者というのと、かく大枚の金を借りておる船会社の社長らがたくさん名前を並べているのはいかがかというのが質疑の趣旨なんです。でありますからこれらの人がほんの一部にすぎないというあなたの答弁の仕方は実に強弁だ。第三条を実に曲解している。海運局長はこの第三条を曲解する何らの権限もないと思う。やはりりすなおに令は解釈すべきだと思う。答弁の態度から見るとあなたが責任者らしいからなお追究してみたい。
  104. 田中彰治

    田中委員長 吉田委員、これはここであまりきようあれしないで、こういう精神なら材料を集めて私の方で徹底的にやりましよう。私の方では鉄道会館以上にこれをやりますから。
  105. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ではこれはやはり大臣に責任のある答弁を求めることにいたします。  それでなお二、三点はつきり……。
  106. 田中彰治

    田中委員長 ここでやるとかえつてこの事件はあれですから、あと理事会相談しましよう。これはひとつ徹底的にやりましよう。
  107. 佐藤基

    佐藤会計検査院長 造船融資の問題はただいまここで各委員が論ぜられておる通りきわめて重要な問題でありますので、私の方におきましても特に力を入れて調べたいと思います。
  108. 田中彰治

    田中委員長 会計検査院長に何か皆さんありましようか。
  109. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 局長もこれに見えておるようでありますが、当該局長でもかまいません。そこは適当でけつこうですが、さきに若干答弁もあつたのですが、昨年の八月に法律二百十五号ですか、外航船舶建造融資利子補給法の一部が改正されました。その後予算が補正減になつております。この補正減になつた七億何百万円かのあの補正予算の実行といたしましての、利子補給契約ができておるものとできていないものとがあるようです。これはなぜこんなに長引いておつたか。世上いろいろな疑惑を生じておるときでありますので、むしろ国家財政の経理の観点からすれば、しばらく何らかの措置でストップするというのが適当ではないかという意見すら出ておるのであります。そこで検査院のお調べになつた範囲でなぜこんなに遅れておるのか、いつそ遅れておるならしばらく見合せてはどうか、こういうふうにも考えるのですが、この二点についてお調べになつてつたら御答弁願いたい。
  110. 佐藤基

    佐藤会計検査院長 造船重要性にかんがみまして、国会で非常に大きな増額修正もあり、国家としてもぜひやるべきものだと思つておるのであります。にもかかわらず今お話の通り、私の方でもこれは重要問題でありますから常に関心を持つておりますが、まだ現実には利子補給もない。むしろどうしてこう遅れておるのかというような疑問を持つております。そうかといつしこれをストップしろということは行政に関係することであり、ことに造船が重要だというのでやつたのだから、これをストップしろということは全然私は考えておりません。
  111. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 遅れておるということについて御説明願いたいのですが、当該局長からでもいいのですが……。
  112. 大澤實

    ○大澤会計検査院説明員 これはむしろ運輸省の御当局から説明していただいた方が適当かと思いますが、私の方でただいままで承知しておる限りのことを御説明申し上げます。  運輸省の方からいただいたいろいろの資料を見ますと、最近になりましてあらためて利子補給の計算をし直すといいますか、予算の削減の関係もありまして、一つの基準を定めまして、各金融機関に対して、こういう計算で補給額を算定して出して来いという書類が出ております。出ましたのがたしか本年の一月でありまして、その提出期限が二月五日、または何次船という次船によりましては二月十日、本日でありますが、本日までに出すということになつておりますので、これがまとまらなければ補給には移らない、こうい状態で、なぜそこまで遅れたかということになりますと、計算の基礎が予算の削減によつてつて来たのだろうという推測がつきますが、私の方では確たるものは持つておりません。むしろ運輸当局の方から御説明つた方が適当ではないかと存じておる次第であります。
  113. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それはおかしいことなんです。第二次補正予算の数字を見ますと、七億八百三十九万七千円ということになつておる。こんなこまかい数字まで出ておるのに、最近に至つて二月十日までに金融機関に最終の確定的な数字を出すようにするということ自体がおかしい。そんなこまかい数字を出すときにはすでに基本的数字というものはきまつてつたはずだが、そのきまつておることもはつきりしないままに予算を組んで、当初予算の十億八千三百余万円からさらにこれを減しておるが、こういうようなずさんな予算を組んだということにもなるのだが、その点はいかがでしようか。
  114. 岡田修一

    ○岡田(修)政府委員 実は利子補給契約でございますが、その利子補給の内容ですが、約款につきまして大蔵省との間にまだ意見の食い違いがあるわけです。その食い違いを目下調整中でございます。反面予算利子補給範囲が多少狭まつたわけです。当初は新造船価のうち乗出費用というものが入つてつたわけです。これは新造船の場合の登記登録の費用あるいはその他の費用が入つておる。これを今度の予算で除いた。従いましてその分をさらに一応計算をしておるのですが、もう一ぺん再検討しつつあるという点もございます。
  115. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しかし本年度といつたところがあともう一月半で終了するのであります。政府予算を提出して審議をして国会が議決いたしまして、半年もたつて、それでまだ計算をし直さなければならぬ、そんなずさんな事実の認定で予算を編成するということになるのでしようか。今ごろ運輸省大蔵省との間に意見の食い違いがある、そういうようなことで利子補給法律の改正をし、予算を通すことを求めたということは実に奇怪なことなんです。一体そこに何かそういうふうに意見が食い違わなければならないというような事態が生じたのでしようか。大蔵大臣のかわりにだれでも……。大蔵省はいないのでございますか。
  116. 田中彰治

    田中委員長 この経過は大事でありますから、特に大蔵大臣との関連で……。これは重要な問題ですから、あまりここで何しないで、こちらが材料を持つてやることにしましよう。
  117. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それではこの程度にしておきましよう。
  118. 田中彰治

    田中委員長 それでは本日は、この問題がこういうところに暗礁に乗り上げましたから、あと理事会を開くことにして……。
  119. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 資料の要求だけ…。先に要求しておりました開発銀行興銀長期信用銀行からは何らの資料も参つておりません。
  120. 田中彰治

    田中委員長 今とつております。
  121. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 まだ来ておりませんので、それが促進を願いたいこと……。日本開発銀行日本興業銀行日本長期信用銀行につきまして、去る一日の委員会におきまして、資料はおとりはからい方を求めてあります。それを促進していただきますことと、それから開発銀行については各役員の住所氏名、就任の年月日、それから開業以来の年度の貸借対照表、損益計算書から財産目録、興銀につきましては、第六次の計画造船以降の分について同上の事実のこと、長期信用銀行につきまして同趣旨のこと、これをいずれもお取寄せのことをおはからい願いたいと存じます。
  122. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 なおそれに追加があります。開発銀行貸付しておるところの貸付先の会社名、並びに会社の社長、取締役、それを一切全部を書いて出さしていただきたい。それから会計検査院にお願いしておいたのですが、会計検査院も、貸付ができておらなければ、その先のことはわからぬでしようが、契約ができておれば、大体その契約の履行がどういうことになつたかということは調べられることだろうと思うのですが、会計検査院でもこの開発銀行貸付関係及び履行がどれくらい行われておるかというようなことをひとつ至急調べて出していただきたい。
  123. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 もう一つ資料のことですが、海運関係について、資料、書類が手元からなくなつたようなことが伝えられておりますが、それはそれといたしまして、かなり詳細な資料を、興銀その他の銀行に要求しておりまするものの裏づけになるようなあらゆる資料を出してもらいたいということの要求をしておつたのであります。この出て参つておりまするものでは、なおはつきりしない点がたくさんあるのですが、これは文書で出しますから、あなたの方で手元にありまするものは、ひとつ他の局とも御協議になりまして、できるだけ早く資料としてお出し願うようにおとりはからい願いたいと思います。
  124. 田中彰治

    田中委員長 それでは本日はこれで散会いたします。     午後三時十四分散会