○富樫
政府委員 ただいまのお尋ねのことと順序がかわるかもしれませんが、まずこの
道路について建設省はどういう
調査をしたかということを申し上げますと、この
法案によります
道路そのものかどうわかりませんが、この
法案によります第三条第二項の要件を満たすと
考える
道路についてごく初歩の
調査をいたしました。すなわち航空測量をいたしまして、これを一万分の一の
地図に図化いたしました。この程度の
調査を
行つております。これを
実施しますとすれば、今後必要な
調査はこの図面に数線を入れました結果について現地を踏査いたします。踏査いたしましてそのうちでこの線がよいときまりました線について実測をいたします。実測をいたしました結果について、さらに大きなトンネルとか橋梁がありますので、そういう点の
実施調査が必要になります。それらの
調査をいたしまして
実施設計をつく
つて実施するということに相なるのでございまして、まだ相当の
調査を要するという
事業が残
つておるわけでございます。
そこで
日本の
道路の現況でございますが、府県道以上の延長が十四万キロございます。十四万キロのうち改良されておりますのは三万キロ足らずでございまして、なお十一万キロは改良されずに残
つております。また橋梁もほとんど木橋でございまして、橋数は六万二千ございますが、その半数は木橋である状況です。また鋪装につきましてはごく蓼々たるものであります。
これらの
日本の
道路をどういう
計画で今後改修しなければならぬかと申し上げますと、ただいま
道路整備五箇年
計画が閣
議決定されましたので、その線に沿うてこの五箇
年間は
道路の整備をいたすわけてございますが、この五箇
年間で総額が
事業費にいたしまして二千六百億でございます。
年間にいたしますと三十年度以降約五百億の
事業をいたすことになりますが、これをやりましても
日本道路のまだ二〇%程度が改良されるということになるわけでございます。
そこで提案されております
国土開発中央自動車道でございますが、これは
公共事業費でやるというふうにも受取れないのでありまして、自動車
道路ということになりますと、あるいは有料ではないかとも
考えられるわけでございます。
公共事業費でない他の資金でやるということになりますと、これはまた別の
観点からながめなければならないと存じますが、こういう
開発道路につきましては、われわれといたしましても
公共事業費の中に
資源開発の
道路を含めて
考えておるわけでございます。ここに提案されております中央自動車
道路は高速自動車
道路の性格と
開発道路の性格と二つ持
つているように
考えるのでございますが、
開発道路の規格は高速
道路の規格と異なるわけでございます。高速
道路は幅員の広いものがいりますし、また高速を出す
関係で勾配、曲線等も抑えられて来るわけでございます。また高速
道路の第一の目的は短時間に結ぶということでございますので、高いところに上
つてまた下るとか、あるいはまた
年間使用できるような地点を選ぶべきでありますので、そういう条件に合うような
道路を選べばよろしいと思います。また
開発道路は
開発さるべき地域に最も便利なようにつくればよろしいので、必ずしも高速を出す必要はないわけでございます。また
開発道路になりますとこの
道路の培養線がたくさんできると思いますが、それらの
道路と結びつきやすいように、また
森林資源の
開発でありますと木材を切出しやすいような
道路を選ぶべきでありまして、この二つの
違つた性格の
道路を結びつけて一本にする場合には、おのおの別にこしらえるよりも、あわせてつく
つた方が建設費も安いし、また
年間の使用の点からい
つて便利であろうと
考えます。ここに提案されております
道路がどのくらいの建設費がかかるかはまだ今後の
調査をまたなければはつきりいたさないのでございますが、それらの
調査の結果をま
つて、二本つくるよりも一本でや
つた方がよろしいということならまた別でありますが、今の段階で意見を申し上げるのははなはだ行き過ぎかと存ずるのでございますけれども、ただいまの一万分の一の平面図のできたところでわれわれが中心線を入れて
考えますと、問題は赤石山脈を抜けるところで、これを高さ九百四十メートルと押えまして抜けることにいたしますと相当の困難があります。あるいはセンターを赤石山脈でなくほかに求めなければこの線は
通り得ないかもしれないと
考えておるのでございまして、これらの点から
考えますと、おそらく建設費は莫大なものになろうと
考えますし、また相当標高の高いところを
通りますので年中使うことができるかどうか、あるいは使うにいたしましても相当の維持費をかけなければならぬのじやないかというふうに
考えます。また非常に長いトンネルができて参りますので、これらの維持費は
年間相当の費用にもなろうと
考えます。そこでこの
法律のような
道路の
事業を行うものが、
単行法の方がよろしいかどうかという問題でございますが、前に申し上げましたように
開発道路であるということであるならば、
総合開発計画の方で
総合開発の
計画がきまれば具体的に
道路の
計画を定めまして、それによ
つてや
つて行くべきではないかと
考えておるのでございます。また
公社をこしらえて
実施すべきかどうかの問題でございますが、これが
公共事業費でなく、有料
道路でやるというふうなことになりますと、これはまた
公社ということも
考え得ることと思うのであります。こういう
事業を
公社でや
つた方がいいかどうかの問題については、まだ研究が十分でございませんが、もし料金をとるということになれば、
公社ということも
考えられるというふうに
考えております。