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1954-04-13 第19回国会 衆議院 経済安定委員会 第17号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十九年四月十三日(火曜日) 午前十一時三十六分
開議
出席委員
委員長代理理事
加藤
宗平
君
理事
小笠
公韶君
理事
武田信之助
君
理事
栗田 英男君
理事
松原喜之次
君 内田 信也君 岸 信介君 迫水 久常君 西村 久之君
根本龍太郎
君 前田 正男君
杉村沖治郎
君 山下 榮二君
出席政府委員
総理府事務官
(
経済審議庁調
整部長
) 松尾 金蔵君
大蔵事務官
(
銀行局長
) 河野 通一君
委員外
の
出席者
大蔵事務官
(
銀行局総務課
長) 大月 高君
通商産業事務官
(
中小企業庁
振
興部長
)
石井由太郎
君 専 門 員 円地与四松君 専 門 員
菅田清治郎
君 —
——
——
——
——
——
——
本日の
会議
に付した事件
金融政策
の
総合調整
に関する件 —
——
——
——
——
——
——
加藤宗平
1
○
加藤委員長代理
これより
会議
を開きます。
金融政策
の
総合調整
に関する件について
調査
を進めます。御
承知
の
通り政府当局
は、目下
金融
引締め
政策
を実施しておるわけでありますが、特に
中小企業方面
につきましては、相当な
影響
を与えているやに聞いておりますので、この際
政府当局
よりその実情並びに
対策
について
説明
を聴取いたしたいと思います。
説明員
、
中小企業庁振興部長石井由太郎
君。
石井由太郎
2
○
石井説明員
中小企業金融
の現状と当面採用いたそうとしております
対策
について御
説明
申し上げます。
金融
の引締めは昨年の秋以来逐次実施されておるのでございますが、本年度になりますと同時に、
財政方面
の圧縮も相ともに行われておるのでありまして、
インフレ
の抑制からむしろ
デフレ
の方向へと
政策
が向いつつあるわけでございますが、
インフレ
のときでありますと、
中小企業
はその内面に包蔵しておりますいろいろな
欠陥
をやや糊塗することができるのでございますけれども、
デフレ政策
が行われる段階になりますと、従来持
つて
おりました
欠陥
が表へ現われて来るというようなことと相なりまして、いわゆるしわ寄せが
中小企業
にどうしても強くな
つて
来るという
傾向
は避けられないかと思うのでございます。現に昨年の秋以来の
金融
引締めの
影響
がぼつぼつ
中小企業方面
に現われて参
つて
おりまして、大
企業
の
下請代金
が著しく遅延しておるというような事実、あるいは
商取引
における
手形
がだんだん
期間
が長くな
つて
来ておるというような事実、ないしは
繊維商社
といつたようなものの
倒産
が相次いでおるというような事実、こういう点が表に現われて参りますと同時に、昨年中の著しい
傾向
でございました
不渡り手形
が、最近は非常に毎月
記録
を更新しておる
状況
でございまして、昨月中におきましても、四万四千件という
記録
をつく
つて
おるわけでございます。しかもその一件当りの
金額
は十一、二万円という
程度
でありますことから察しましても、
中小企業
が非常な
金融難
にあるということがわかるわけであります。かかる
状況
に対応いたしまして、
中小企業方面
に
金融
上どういう手を打
つて
参るかということは、予算の編成と並びましていろいろな
方策
をめぐらしておるのでございますけれども、そう事新しい
施策
があるわけではございません。大体従来とも行われておりました
施策
をさらに強化して参るという以外に手がないと存ぜられます。すなわちまず第一段には、
政府関係金融機関
を
最高度
に
活用
いたしまして、
財政資金
の許します限り、この
方面
から
財政
上の
資金援助
をや
つて
参るということが第一点であります。第二点は、これは
金融操作
といたしましては、やや例外的な
扱い方
と思うのでありますが、従来とも行われておりました
指定預金
の
操作
を通じて、
中小企業金融
の疎通をはか
つて
参るということが第二に考えられるわけであります。第三の
方策
は、
中小企業者
の
金融
上の弱点でございまする
信用力
の劣弱さを補うための
信用補完制度
を
活用
して参るということでございます。第四点は、最近町の
金融機関
がいろいろな事情からその営業を停止しておるような
状況
でございます。この
関係
から
小口金融方面
が非常な逼迫を予想せられますので、この
方面
の打開をはかるということが第四の策と考えます。第五点は、大
企業
がみずからの手詰まりを、
下請
への
支払い遅延
というようなことで糊塗いたしますのを防ぎまして、
下請支払い
を促進するための
措置
を講じて参るということに尽きるかと思うのでございます。 第一の
政府金融機関
の
活用
という点につきましては、まず第一が
中小企業金融公庫
でございまするが、昨年九月十一日に発足いたして以来、三月末までに三千八百余件、百九億円の
貸付
を行いまして、この
公庫
の設定された目的を大体達しておると思うのでございます。二十九年度におきましては、
一般会計
からの
出資
二十五億円、
運用部
からの
借入れ
百五億円、
回收金
並びに
利息
六十億円、
合計
百九十億円を原資といたしまして、これを
中小企業者
に貸し付けて参ることと相な
つて
おりまするが、その月割の
融資額
は昨年より若干小さくなると思うのであります。すなわち
昭和
二十八年度におきましては、十七億円
程度
が月平均して貸し出されたのでございまするが、今年は十六億九千万円
程度
でございまして、昨年より若干下まわるのでございまするが、
一般
に
金融
を圧縮しておる
状況
からいたしまして、この
程度
をも
つて
満足せざるを得ないかと思われるのでございます。 なお
公庫
の貸出しの
方針
といたしましては、不況になりますると、どうしても
企業
それ
自身
の持
つて
おりまする内部の
合理化
をやらねばならぬというので、
合理化用
の
設備資金等
を供給いたしますることはもとよりでございまするが、さらに
長期
の
運転資金
をも供価し、また非常に不測の大
企業
の
倒産
というようなことの余波を受けまして、
中小企業
が将棋倒しになるというような事態を回避するためには、健全に
再建
のできまする
時分
には、
長期運転資金
を供給いたしまして、積極的にその
再建
をはか
つて
参りたいと考えておる次第でございます。 また
公庫
の
運用
につきまして、
代理店
を経由して
使つて
おりまする
関係
上、その
手続
が煩瑣であるとか、あるいは従来
代理店
に八割の
回收
の
責任
を持たせまする
融資方式
だけが採用されて来ましたので、
事業
の性質上、あるいは
企業
の
実態
からしまして、真に
財政資金
を投入する必要がある面にまわらないというような批判もございましたので、四月から
代理金融機関
に対しましては、
元利回収
について三割の
責任
しか持たせない
乙方式
というのを採用いたしまして、これを極力円滑に
運用
いたしまして、
信用力
の不充分な、しかも
事業
の将来というものに対して希望の持てる
中小企業
を伸ばして参りたいと考えておる次第でございます。
国民金融公庫
は現在約五十二万件、三百十一億余の
融資
をいたしておりますが、二十九年度の貸出し
資金量
は、
一般会計
の
出資
二十億、
運用部
からの
借入れ
が九十一億円、
回收金
二百六十億円、
合計
三百七十二億円を
予定
しております。
昭和
二十八年が三百二十五億円でございましたので、約一五%の増加と相なるわけでございます。なお後ほど申し上げますように、
国民金融公庫
の
融資
の
運用
にあたりまして、
小口
の
貸付制度
を考えまして、零細な
企業者方面
の
資金需要
を迅速にまかなう
方法
を考えておる次第でございます。 なお
政府関係
の
金融機関
と申しますか、準
政府関係
の
金融機関
といたしましては、ほかに
商工中金
があるわけでございます。
商工中金
は御
承知
のように
組合融資専門
の
金融機関
でございまするが、従来は
指定預金
の
操作等
によりまして、
昭和
二十七年中は百三十億余、二十八年中におきましては百五十億の貸
増し
をいたし得たのでありますが、本年は
指定預金
が大幅に
引揚げ
られることと相な
つて
おりますために、従来のような順調な貸
増し
を期待することはできないようでございます。現在のところ
金融債発行
による手取り九十一億、そのほか
預金増等
を見込み得ますけれども、
政府
に対しまして四十一億の
指定預金
の返済をせねばなりませんので、
純増年間
六十億
程度
ということを予想いたしておるのでございます。なおこの点につきましては、後刻申し述べまする
指定預金操作
におきましては、十分考慮せねばならぬことかと考えておる次第でございます。 第二の
金融
上の
操作
といたしましては、
財政余裕金
を
金融機関
に
預託
いたしまして、これを
中小企業金融
に流させる、いわゆる
指定預金
の
操作
でございます。
指定預金
の
操作
は
金融
上から申しますれば、これはいわば変則の
扱い
かと思われるのでございますけれども、
財政
の
揚超
と
一般
の
資金量
との不均衡を是正するために、従来とも使われて来た手段でございます。しかしながら
昭和
二十九年度の
予定
といたしましては、
指定預金
の
預託
されておりまするものが三月末現在で九十九億
——
百億をちよつとかける
程度
の数字でございますが、これを九月末までに全部
引揚げ
るということが一応の
方針
として確定いたしておるのでございます。と申しますのは
一般
に
金融
を引締めるという
方針
にのつとりまして、
日本銀行
を通ずる貸出しはできる限りこれを圧縮して参るというのが
方針
でありまするさ中に、
財政面
から
預託金
の
預託
を通じまして、これをくずして参ることは、
金融
と
財政
との
歩調
が合わないということになるきらいがあるというのがその根拠でございます。しかしながら考えてみますると、昨年三月末には
中小企業向け
の
指定預金
は、約二百四十億あ
つたの
でございます。それがただいま申し上げましたように、本年三月末では約百億
程度
で、すなわち百四十億というものはすでに
引揚げ
られておるわけでございます。一方、
日本銀行
の
市中
に対する
貸出状況
を見ますると、昨年の三月と今年の三月との間では、むしろ百八十億
程度
ふえておるということにな
つて
おります。これらの
状況
を勘案してみますると、
財政
の
方面
からする
財政資金
の
引揚げ
による
金融
の引締めと申しますか、ことに
中小企業方面
に対する
金融
の引締めは、若干先走
つて
いるやのきらいすら感ぜられるわけでございます。このような状態でございまするので、
指定預金操作
はもちろん
銀行
に対する貸出しの
手かげん
とほぼ同じ
歩調
で進まねはならぬ時期合いにございますので、この辺も十分考慮いたしまして、九月までに
引揚げ
る
予定
の約百億の
指定預金操作
につきましては、
一般
の
金融情勢
、ことに
中小企業金融
にしわ寄せされる
程度
といつたようなことを考慮いたしまして、その
操作
に
手かげん
をや
つて
参りたい、このように考えておるのでございます。 第三番目の
金融
上の
施策
といたしましては、
信用補完制度
の
活用
でございます。
中小企業
の
信用力
の補強のために、
政府
がみずから行
つて
おります
信用保険制度
、それから
府県
が中心とな
つて
や
つて
おります
信用保証協会
の
制度
、この両
制度
はともどもに逐次強化されて参
つて
おるのでございますが、
昭和
二十九年度におきましては、
政府
の
信用保険特別会計
において
金融機関
の
融資
に対する
保険
を三百億、
保証協会
の
保証
に対する再
保証
を百八十億、さらに
金融機関
を
相手方
といたします
保証保険
を八十四億行いまして、
中小企業金
が、少くとも
信用力
不十分という角度から妨げられることなきようにいたしたいと考えたのでございます。なお
小口
の
信用保険
につきましては、別に三十六億を
予定
いたしまして、一件十万円
程度
までの
融資
が円滑に行くことをはかるつもりでございます。また
信用保証協会
は、昨年
特別法制
をしきまして、これを法制化いたしたのでありますが、現在各
府県
にございます
信用保証協会
の数五十一、
出資総額
四十五億、現に
保証
をいたしております
金額
が三百億を越えておるという
状況
でございます。この
保証協会
に対しましては昨年の
信用保険法
の改正によりまして、
政府
が
保証協会
の
保証責任
の六割をさらに再
保証
する、従来五割でありました
保証限度
を六割まで引上げ、かつ昨年中途におきまして、従来三%でありました
保証料
を二%に引下げるという
措置
を講じましたので、
政府
の行
つて
おります再
保証制度
が地方の
保証協会
におきまして、より容易に
運用
し得るようになりましたから、この
方面
からも
融資
の
円滑化
が相当期待し得るものと考えておる次第であります。 第四番目には、
小口金融
の
円滑化
をはかる必要があると考えるのでございます。従来
中小企業金融
の
対策
と申しますと、ともすれば上の方、すなわち
金額
の大きいないしは
従業員数
の多い部面に押し上げられる
傾向
があ
つたの
でございますが、実は
中小企業金融
で最も困難を感じておりますのは、高利の町の
金融機関
に走るといつたような零細な
小口金
、の
方面
でなかろうかと思うのでございます。それも先ごろ来のこれら町の
金融機関
の混乱といつたようなことのために、非常に末端の
金融方面
が困難を感じておると思われるのでございます。そこで
国民金融公庫
におきましては、新たに
一口
五万円
程度
まで、
貸付期間
三箇月
程度
のものを、約八億の
資金
をもちまして、きわめて簡略に貸しつけて参るという
措置
を講ずることといたしたのでございます。すなかち
担保条件
でございますとか、あるいは事実の
調査
でございますとかいうような諸
手続
といつたようなものを、非常に簡素にいたしまして手取り早く五万円
程度
までの
融資
が行われるようにいたそうと考えておる次第でございます。
予定
といたしましては、八億の
資金
をもちまして
年間
二十三億
程度
を貸しつけたい、三
回転程度
を予想いたしておるのでございます。 第二には、
小口保証保険制度
を新設いたしたことでございます。これもねらいといたしましては、ただいま申し上げました
国民金融公庫
の
小口貸付制度
とほぼ同じような点をねら
つて
おるわけでございますが、
中小企業者
のための
信用補完制度
といたしまして、二十九年度以降
小口保証保険制度
を創設したわけでございます。
一口
十万円までの
融資
に対しまして、
府県
の
信用保証協会
が
保証
を引受けました
時分
には、
政府
が通常は六〇%の再
保証
の
責任
を負うのでございますが、これを八〇%まで負けということにいたしまして、事実上
保証協会
におきましては、
事後承認
ないしは
現地調査等
を省略するという
程度
の
手続
で
保証
をいたす。そうして
金融
を受けるような道を講じ、同時に
政府
といたしましては、
信用保証協会
に対しまして八〇%までを再
保証
いたしましては、
信用保証協会支払い
の基礎を強固にしてやるという
措置
を考えた次第であります。これは今
国会
におきまして、すでに法案の御
承認
を得ましたので、四月一日公布いたして実施に移
つて
いる次第でございます。 第五番目の
方法
といたしましては、これは消極的な
方法
でございますが、
下請中小企業者
の
金融
上の
地位
をよくいたしますためには、
協同組合
をつくりまして
融資
するといつたような
方法
ももとより必要でございますが、同時に
下請払い
自身
を迅速にするということが必要かと考えるのでございます。この点につきましては、昨年来いろいろな
措置
を考えてお
つたの
でございます。すなわち、たとえば
政府支払い
につながるものにつきましては、各
調弁官庁
におきまして、
契約
の
相手方
に
下請払い
の
迅速化
を勧告したり、あるいは元請の
契約者
から
委任状
を取寄せまして、
下請
に直
払い
をするというような
措置
を、各庁の
協力
を求めてや
つて
参り、また
金融機関
に対しましても、大
企業
に対して
融資
をいたします
時分
に、
下請
に
払い
ます
融資わく
は特にしぼらないというような
協力
をも求めてお
つたの
でございますが、この
程度
をも
つて
してはなお足りないという見地から、昨年来
公正取引委員会
を煩わしまして、
下請払い等
に不当に遅延いたしておりますものは、これは
独占禁止法
第十九条の、不
公正取引
の一態様という態度を明らかにいたしまして、昨年暮れにおきましては、
中小企業庁
と公取の
共同調査
の結果に基き、約十社ほどの支
払い
状況
不良なる
企業
に対しまして警告を発しまして、
改善方
を求めたのでございます。この
措置
は想像以上の効果があつたと思うのでございます。すなわち大
企業
の
責任者
が、そのような
経理状況
を全然知らなかつたというような事実もわかりまして、かえ
つて
関係
大
企業方面
の経営の
着実化
ということにも相当役立つたように思われるのでございます。今回
公正取引委員会
におきまして、
下請払い
の
基準
を明らかにいたしまして、その
基準
よりも遅れることは、不
公正取引
になるということを発表いたしました。これは間接的な
方法
でございますが、
下請払い
がこれによ
つて
促進されれば、
関係
の
中小企業者
の
金融
上の
地位
は、相当改善されるのではなかろうかと考えている次第であります。 以上のいろいろな
措置
をとりまぜて行いまして、
中小企業者
の
金融
上の
地位
を改善したいというのが考え方でございますが、なお、何と申しましても
市中銀行
が、
中小企業
に対する
金融
の大宗でございますので、この
市中銀行
からの
中小企業向け
の貸出しというものを、より以上に
円滑化
するために、
金融機関方面
に対しましても
協力
を求め、また
日本銀行等
に対しましても、少くとも現在行われております
金融
引締めのしわが、直接に
中小企業者
の
金融
のポジシヨンに
影響
のないような
措置
を求めているのでございますが、現在のところまだ取立てて言うほどの名案がございません。なお十分に
大蔵省方面
とも相談をいたしまして、少くとも直接に
中小企業者
に対しまして
融資
の
わく
が減らされたり、あるいは従来よりも非常に厳重な
融資条件
になるようなことのないように努力いたす考えでございます。
加藤宗平
3
○
加藤委員長代理
この際質疑の通告がありますので、これを許します。
杉村沖治郎
君。
杉村沖治郎
4
○
杉村委員
いろいろ
お話
を承
つて
たいへん参考になるのですが、どうも
自由党内閣
が今までや
つて
来たところを見ますと、
国民
の金を貸しておる先が、非常に大きな財閥のや
つて
おる方には、たくさんな金がきわめて簡単に貸し出されておるのです。もつともそれが
船舶
あるいは
電気事業
というようなことですから、これは何と申しても
日本
の
経済
の
振興
をはかるためには重点的にきわめて必要な金でありますが、これに対する貸出し並びに取立て、こういうことは非常にルーズに行われておるのです。たとえば
船舶会社
に対しまして
昭和
二十四年から今日まで貸し出されておる
政府
の金は、九百九十二億一千九百万円も貸しておる。そしてその
利息
すら満足に
払つて
ない。さらにその上に、御
承知
のように昨年十六
国会
で
利子補給法
を通して、
昭和
二十六年まで逆にさかのぼ
つて
行つて利子
の
補給
をしてやる、こういうようなばかばかしい
法律
をつくつた。しかしそれも
外航船舶
の
必要性
から来たのでありまして、われわれは必ずしもそれが全部悪いとは申しませんが、このように非常にルーズにやられておる。
従つて
これが今日の
造船疑獄
とな
つて
現われておるのであります。また
電気事業
にいたしましても、莫大な金が今日までここに貸し出されておるわけであります。そうして
せんだつて
も
電気料金
の値上げ問題について、
電気事業者
がここに来ていろいろな
説明
をしておるのでありますが、
電気事業
の
利益配当等
を見ますれば、一割五分も
配当
しておる。この間
電気事業
の方がここに見えて、
運転資金
を十分に
融資
してもらえなければ、どうも開発に支障を来して、一割二分の
配当
が困難だ、こういうようなことを
平気
で言
つて
おる。このように莫大な
政府
の
資金
を貸りてや
つて
おる
電気独占事業
が、大体一割五分も
配当
しておるというようなことは、われわれから見ればはなはだ不都合なことです。そしてもし
資金
が得られなければ、一割二分でとどまらなければならぬというようなことを言
つて
おるので、われわれはあきれ返らざるを得ないのです。このような莫大な、半分も
政府
の金を
使つて
お
つて
、それで一割二分の
配当
なんということは、今日ではとんでもないことだと思うのです。それで
平気
でおる。それにもかかわらず、
中小企業
への
金融
は今御
説明
のようにほんのわずかなんであります。しかもただいま申されたように、
下請
、いわゆる大
企業
とつながりのある
ボス連中
には、この
中小企業
に対するわずかの
資金
が、きわめて簡単に貸し出されておる。ところが今
お話
に
なつ
たような、
一口
五万円というような金を融通してもらえば非常に助かるというところでは、ちよつくらちよいと借りるわけには行かない。五万円ぐらいの金を借りるために、それこそ非常な煩瑣と日数を要するので、借りても、実際最後に借りたときには、もう時期を失するようなことになる。今
お話
のように五万円の金を三箇月の
期間
で
回收
するということを言
つて
おるが、そもそも
中小企業
に対して五万円や十万円の金を貸してやろうというところまでの親心があるなら、こんな三箇月の
期間
で
回收
なんということは、私はどうかと思う。もちろんわれわれは
外航船
や
電気
と同じようにやれとは言いませんけれども、
外航船舶
の
貸出金
などは、
貸付
後三
年間
すえ置きでございましよう。そしてそれを
船舶
の種類によ
つて
十年あるいは二十年という
長期
にわた
つて
分割支払い——電気
においてもそうです。しかも一方に一割二分というような
配当
をしておる。また
外航船舶
の方では、
船舶業者あたり
も
政府
の金をたくさん
使つて
おるにもかかわらず、一方には非常に莫大な
遊興費
を
使つて
、豪勢な生活をしておる。
中小企業
の
実態
を
ほんとう
によくお調べくださつたなら、取立てる方を五万円、三箇月などと言わないで、むしろ最小限三年くらいに取立てるくらいにしてやつたならば、
ほんとう
に
中小企業者
が救われるのじやないかと思う。五万円ぽつ
ちの金
を借りて、自分の商売を何とかしようという人が、三箇月というと、今月借りれば再来月にはとられることになる。三箇月でもうかれば世話はない。どうもそんなことはできつこないのです。だから
中小企業者
に対する
金融関係
を、必ずしも
電気事業
や
船舶業者
に貸すようなふうでなくとも、何とかいま少し
長期
間にわた
つて
取立てればいいようにしていただきたい。それから
中小企業
に対する
融資関係
でもあるいは
国民公庫
や
住宅金融公庫
、こういうものは、政党まで言うとぐあいが悪いのですが、
自由党
とかあるいは役人につなが
つて
おる者の方ではきわめて簡単に借りられる。われわれは
住宅金融公庫
の
関係等
についても、
決算委員会
においし調べてみたいと思
つて
おるのですが、われわれが知
つて
いる範囲においては
情実関係
が非常に多い。そういう
方面
には非常に簡単に貸されておるのですが、
一般
に
ほんとう
に何ら
関係
のない人には、
法律
がいくらできても、こういう
制度
ができても、ほとんど貸されないのです。だから実際にこれが
運用
されて行く場面をいま少しよく御
調査
にな
つて
いただきたいと思うのですが、これらについての御所見はいかがでありますか。
石井由太郎
5
○
石井説明員
杉村先生
からいろいろと御忠告があつたわけでありますが、私の
説明
が若干不十分なところがございました。三箇月と申しましたのは、
国民金融公庫
の金は
原則
として
長期金融
でございまして、普通二
年間
の
分割払い条件
の
貸付
にな
つて
おるのでございます。
短期
のものは従来やらないというので、
小口
の
融資
の面でいろいろと不便がありましたものですから、特に三箇月ないし六箇月
程度
の
短期
の
金融
も今度やるように
なつ
たというのでありまして、本来の行き方はやはり二年ないし三年
程度
を目途といたします
長期
の
金融
が
原則
でございます。その例外を設けたというのが今回の
制度
でございますことを御了承願いたいと存じます。 それから
貸付先
に対しまして、よく監督をするよりにという
お話
でございますが、これはまことにごもつともな
お話
でございます。
金融機関
との
情実
ないしその他の好ましくない勢力によ
つて融資
が左右されることは厳に慎まねばならぬところと存ずるのでありますが、私
ども自身
も事あるごとに
融資先等
について
調査
をいたしております。また先ごろ会計検査院が静岡県、愛知県
方面
にも
中小企業金融公庫
の
融資先
を御監督くださいまして、その結果やはり一、二好ましくない事例がございました。しかし
調査
されました件数約五十件の中に一、二件、これも
代理金融機関
がやや理解不十分というような理由に基いたものと思うのでございますが、御指摘を受けた点もあつたわけでございまして、それらにつきましては、ただちに善後
措置
を講じております。なお御指示のごとく最終的には会計検査院の検査を受ける点でございますけれども、
公庫
自身
におきまして、また監督官庁でございますわれわれといたしましても、十分御指示の点は注意いたしまして、監督と申しますか、監査と申しますか、こういう点には万遺憾なくやるつもりでございます。
杉村沖治郎
6
○
杉村委員
いま一点お伺いしておきたいのは、地域的にたとえば埼玉県なら埼玉県、静岡県なら静岡等、地域的の預金と、いわゆる還元貸出しとの割合はどんなぐあいにな
つて
いますか。
石井由太郎
7
○
石井説明員
国民金融公庫
につきましては、御
承知
のごとく各
府県
に支所がございます。
従つて
その
府県
内の
中小企業
階層の
資金需要
というものに大体合せて
資金
を配付し、貸出しが行われておるわけでありますから、商工業
方面
の
経済
の実勢にほぼ即応した
融資
を行うものと存じております。
中小企業金融公庫
の方におきましては、これは
代理店
を使
つて融資
をいたします間接
金融
でございますので、それぞれの
代理店
の
中小企業向け
の各地域における
融資
の実績、こういうものをペースといたしまして、各
代理店
に取
扱い
をお願いいたします業務量、すなわちいわゆる
わく
というものをきめておるわけでございます。従いまして大体各地における
中小企業
の
資金需要
に応じた
貸付
が行われておるものと考えておるわけでございまして、現に
公庫
発足以来きわめて日は浅いのでありますけれども、各種の角度から見ました各府以の実勢と申しますか、
経済
上ないしは
中小企業者
の実勢というものにほぼ比例いたした
貸付
のように、私どもは理解いたしておるのでございます。しかし一、二の
府県
におきましては、
金融機関
の
公庫
の代理業務を
扱い
ます関心と申しますか、意欲と申しますかそういうものが非常に薄くて、どうも
貸付
がはかばかしく進歩していないという県もございます。これらの
府県
に対しましては、
公庫
の
方面
からも各
代理店
に注意を促し、何とか
代理店
としてその職責を果して、県内の
中小企業者
の要望にこたえるようにということを、
公庫
自身
からも勧奨し、また
大蔵省方面
からもそれぞれ御勧告を願
つて
おるという
状況
にございます。
杉村沖治郎
8
○
杉村委員
ただいま
一般
に
中小企業者
の関心が薄いというのですが、実際は関心が薄いどころではない、うんと関心を持
つて
いるのですが、もうあきらめてしま
つて
借りられないくらいに思
つて
いる。それから出先機関があまりにも回収のことのみを考えて、回収に一生懸命にな
つて
しま
つて
いるものだから、それを警戒するために結局は貸出しが鈍る、こういうことになるのです。元来これは金貸業として貸すのではないのですから、救済というか、いわゆる
振興
という意味において貸すのですから、出先機関が回収々々ということのみにあまりに神経質にならないように、ひとつ私は注意をしてや
つて
ほしいと思うのです。 それからいま一つお伺いしたいのは、
中小企業
の限度ですね。今あなたがただ
中小企業
とい
つて
も、それがどの
程度
まで、どの範囲までを言うのかなかなかむずかしいので、あなたがおつしやられる
中小企業
という、その
程度
をちよつとお伺いいたしたい。
石井由太郎
9
○
石井説明員
ちよつとこれも
説明
が不十分でございまして、関心が薄いと申しましたのは
代理金融機関
がどうも熱意がない、それを大いに促しておるということでございますから御了承を願います。 それから回収につきましてあまりやかましい条件をつけておる、これでは
融資
が促進しないのじやないかということでありますが、われわれといたしましてもそのような
傾向
があるものと考えまして、先ほども
説明
の中でちよつと申し上げましたように、
乙方式
といたしまして、
金融機関
の
元利回収
についての
責任
は三割である。あとの七割については
公庫
が直接に
責任
を負うという、いわゆる
乙方式
という
融資方式
をこの四月一日より採用いたすことによりまして、
代理金融機関
といたしましては
回收
についての
責任
は、相当軽減された
責任
で
融資
ができるようにということをねら
つて
おるわけであります。 それから
中小企業
の限度はどうかというお尋ねでございますが、
中小企業金融公庫
法、
中小企業
信用保険法
、
中小企業
等
協同組合
法、この三つの
法律
におきましては、
中小企業
と申しますのは、個人でございますれば従業員を製造業の場合は三百人、商業でございますと三十人までを使用しておるものでございます。それから会社でございますと資本金一千万円までということが一応この概念規定に相な
つて
おります。そのほか
協同組合
でございますとか各種組合はもちろん入るという考えでおりますが、基本的な考えといたしましては、従業員三百人、商業にあ
つて
は三十人までの規模のもの、ないしは資本金一千万円までの法人ということに相な
つて
おります。
杉村沖治郎
10
○
杉村委員
今おつしやられた五万円
程度
のものを貸し出すというのは、どの
程度
のものにお考えにな
つて
おるか。
石井由太郎
11
○
石井説明員
国民金融公庫
の方で五万円までを貸しますのは、これは
金額
そのものから申しまして、きわめて零細な階層であろうと想像されます。
中小企業
信用保険法
で今度
小口
保証保険
を行うことにいたしましたが、この対象としての小
企業
者という観念が今度新しくできたわけでございますが、これは従業員の数が五人まで、商業でございますと二人までの従業員をかかえておる規模の経営者ということにいたした次第でございます。
杉村沖治郎
12
○
杉村委員
あなたから伺
つて
おるところでは、それが実際にそういうふうに行われて行けばけつこうなんですが、私どもはそれでも先ほど言つたように二年、三年という
期間
がまだ短か過ぎると思うのです。これをもう少し長くしてや
つて
ほしいということと、いま一つは、もつと重要なことは出先機関をあなたのような気持にせしめるように徹底してもらいたいことであります。昨年私どもが凍霜害の問題で、その補償
関係
を
国会
で大騒ぎをや
つて
支出することにな
つたの
ですが、われわれがその
国会
でやつたときには何も
保証
人をつけるとかつけないとかいうことは問題にしていなか
つたの
ですが、いざと
なつ
たところが、末端へ行くに
従つて
めんどうくさくな
つて
しま
つて
、昨年四月の凍霜害のいわゆる救済金が暮れにな
つて
もまだ百姓の手に入らないという、その
手続
たるや県の下の方の役人がいろいろむずかしいことを言
つて
お
つて
、しまいには二人の
保証
人がいるという、
保証
人がなければその
融資
は受けられないということにな
つて
しま
つたの
で、どうも
国会
できめたことでも、あるいは役所できめたことでも、上の方できめたことが
ほんとう
に下へ徹底しない。でありますから、この
中小企業
関係
におきましても、どうかあなた方が考えておるこの
法律
の精神なよく言
つて
聞かせて、下の方の出先に
ほんとう
にあなた方の考えておる意思が徹底して、
国民
に接して、それが
ほんとう
に
運用
されるように、ひとつ私はぜひ出先の者をよく指導してもらいたいということをお願いをしまして、私の質問を終ります。
加藤宗平
13
○
加藤委員長代理
小笠
公韶君
。
小笠公韶
14
○小笠委員 私は一、二お伺いしたいのですが、第一点は最近の
金融
の引締めの
影響
を受けまして、預金の増勢率が相当減
つて
来た。各種
金融機関
の中でも、特に
中小企業
専門の
金融機関
と見られる信用
協同組合
あるいは信用金庫あるいは一部の相互
銀行
等における貯金の延びというものが相当減
つて
来ておると思います。これに反しまして郵便貯金が相当強い増勢をたど
つて
おる、これが現在の
一般
的
傾向
だと思うのであります。そこで先ほど
杉村先生
もちよつと触れておりましたが、このような行き方で参りますと、
中小企業金融
機関の中におきまする相互
金融
という点がますますむずかしくな
つて
、郵便貯金によ
つて
吸い上げられた金は、いわゆる大きな公共
企業
の方向に流れて行くという
傾向
を非常に見せておるのじやないかと実は私は思うのであります。その結果は、一面から申しますと、信用
協同組合
あるいは信用金庫、相互
銀行
等の一連の
中小企業
相手の
金融機関
の弱体化が伝えられて来ておると私は思うのであります。町の
金融機関
であつた保全
経済
会あるいはその他の投資
金融
会社というものがだんだんにしつぽを出して参りましたが、これがある意味におきまして、零細な
中小企業金融
機関の弱小
金融
が大きな役割を持
つて
おつたという事実はやはり私はいなめないと思うのであります。それで今申し上げましたような
中小企業
専門のこれらの機関が弱化して行くということになりますと、いよいよも
つて
私は
中小企業金融
が困難にな
つて
行くと思うのであります。そこで今後の
金融
の引締めの方向との関連においてもこういう信用
協同組合
あるいは信用金庫というものの基礎の強化というものを私ははかるべき時期ではないかと実は思うのであります。卒直に申しますと、戦後今日まであまりにも
金融機関
というものが弱小なものが多くでき過ぎておるという感じを私は禁じ得ないのであります。そういう意味におきまして、今申し上げましたような
状況
でありますので、これらの正規の
中小企業
専門の
金融機関
の強化
方策
というものについて、どういう考え方をと
つて
おるかということをお伺いいたしたいのが第一点であります。
大月高
15
○大月
説明員
ただいま
お話
のございました預貯金の伸びでごぢいますが、御指摘のように最近
金融
の建締めが浸透いたして参りますに伴いまして、預貯金の伸びも全体としては低調でございます。具体的には
昭和
二十八年度の貯蓄目標といたしまして、九千三百億を
予定
いたしておるわけでございますが、ただいまの推計によりますと、三月末におきまして大体七千二百五十から七千三百億
程度
になるであろうか、そういたしますと、貯蓄の目標に対しまして約七八%ないし七九%こういう数字になると見込んでおります。これは郵便貯金も含む字数でございますが、各
金融機関
別の目標に対する達成率は区々でございまして、ただいま
お話
のございましたように、郵便貯金の成績は比較的良好でございます。成績が最も振いませんのは
一般
の
銀行
でございまして、都市
銀行
、地方
銀行
なべまして増加率が非常に減
つて
おります。これは主としてこういう情勢にな
つて
参りますと、貯蓄性の預金が伸びて、営業性の法人預金、
短期
の当座預金が、減る、こういうことから参
つて
おるわけであります。従いまして、そういう
短期
の預金を扱
つて
おります
銀行
に最もそれが多くして、貯蓄性の預金の主として集ま
つて
おります郵便局その他今
お話
がございましたが、信用金庫は相互
銀行
は比較的よい方に入
つて
おります。これは
長期
の安定性の貯蓄性預金を主として扱
つて
おる、そういう意味において御了解願えればよいかと思うのです。従いまして総体的な比重といたしまして、信用金庫あるいは信用
協同組合
はその基礎が弱くな
つて
おるか、あるいは比重が軽くな
つて
おるかと申しますと、
資金量
の面から見ればむしろ多くな
つて
おる、こう申し上げてよいかと思います。ただ問題はこういう中小
金融
専門の
金融機関
が相当数が多いわけでございまして、信用金庫は全国で約三百、信用
協同組合
が約五百ございます。相互
銀行
が約七十ございますが、こういうものにつきましては、
一般
のいわゆる街の利殖機関と異なりまして、それぞれ免許
制度
をと
つて
おりますので。極力乱立を避けて
運用
して参
つて
おりますので。基礎あるいは内容自体については御心配になるようなものはそうないと存じております。ただ今後こういう情勢が進展いたしますと、やはり貸出しの審査に当りましても、あるいは監理、
回收
に当りましても、相当慎重にやらなければいろいろ貸出しができぬ、これは
一般
論として申し上げられると思いますので、そういう面の指導につきましては、今後検査の重点を都市
銀行
あるいは地方
銀行
でなくして信用金庫なり、あるいは相互
銀行
なり、そういうような中小の専門の
金融機関
の方に向けまして、そういう
金融機関
の基礎が薄弱にならないように事前の
措置
をとりたいと存じております。
小笠公韶
16
○小笠委員
お話
わかりましたが、先ほど申し上げましたのは、こういうような
金融
行政で参りますと、たくさんの信用
協同組合
あるいはその他の
中小企業金融
機関の中に経営の基礎があぶなくなるというおそれを多分に実は予感いたしておるのであります。そうい意味におきまして、これらの正規の
金融機関
にもしも万一のことがありますと重大問題でありますので、特に今のうちから相当強化
方策
を講じていただきたい。検査というふうな手によ
つて
これが強化
方策
を講ずるのも一つの
方法
でうありますが、また他の面から経営の基盤自体を強化して行くという方にも御配慮を願いたいと実は思
つて
おるのであります。 第二点として伺いたいのは、
中小企業金融公庫
の
運用
問題でありますが、その
運用
に関連して第一点は
中小企業金融公庫
が代理貸しの
制度
をと
つて
おる、この代理貸しをやる場合に、いろいろな事情から
代理店
の数が多くなり過ぎておるのではないか、細分化されておる、細分化されておるということは、真に必要な
方面
への適正なる資
金融
通を困難にしておる面が多分にあるのではないか、先ほども
杉村先生
からもちよつと
お話
がありましたが、細分化されるだけに、ボスなり顔が介入する余地を多く残しておるのではないかと私は実はそう思うのであります。この点につきまして、代理
制度
の可否の問題もありましようが、その支店の細分化の点について、あらためて検討を加える時期ではないかと私は思うのであります。おそらく先ほどもちよつと
お話
がありましたが、昨年度におきましてわずか百九億の貸出しに対して、取
扱い
の
代理店
がおそらく数百に上
つて
おるのではないかと思うのであります。これは
資金
効率を非常に悪くすると同時に、今申し上げましたような弊害も出て来はせねかというので、御検討と言いますか、御反省を願いたいと実は思うのであります。それと同時に、この
代理店
の貸出し
運用
のいま一つの基本は、非常に物的担保主義に流れ過ぎているのではないかと思うのであります。人の金でありますから回収の確保ができる物的な不動産担保があれば必ず貸してやり、
事業
内容の審査というものがおろそかになるという
傾向
を馴致しやすいのであります。その弊害が出て来ておるのではないかと私は思うのであります。先ほど百九億の貸出しに対して、八百余件の取
扱い
をせられておると申しまするが、
中小企業
の
実態
から申しますと、五十万の
長期運転資金
がほしい、あるいは設備
合理化
資金
がほしいと申しましても、物的な設備がない、担保力がないがために、この金が借りられなくてせつかくの
合理化
意欲が挫折することが多々あろうと思うのであります。
中小企業
に物的担保を中心にした
金融
をするということ自体が私は無理だと思うのであります。そういう意味におきまして、これはその場合々々によ
つて
事情はありましようが、
原則
的な考え方として、ここに今日の
公庫
運用
の一つの画一的な
運用
の弊害が出て来ておることを感ずるのでありまして、この物的担保中心主義の考え方に対して、ひとつ反省を加えてほしいと思うのであります。 次は、
公庫
の供給する金の中に、
合理化
資金
としての設備
資金
と
長期運転資金
があるという
お話
がございましたが、
長期運転資金
の問題につきましては、いわゆる
中小企業
にとりましての最近の実情は、おそらく
手形
の不渡りです。
不渡り手形
の大きい原因はつの
企業
が預金の倍額
——
百万円の預金があればピークで二百万円の
手形
を割
つて
くれぬところに不渡り原因がたくさん出ておるのであります。従来は三倍あるいはいいのは三倍半、二倍半から三倍半という割引が通常であ
つたの
であります。今日おそらく
中小企業
を相手とする
金融機関
におきまして、ピーク時において倍額の割引をしているところは少いと思うのであります。ここに不渡りの大きい原因が出て来ておるのであります。私はそういう意味から見まして、
中小企業金融公庫
の
運用
は、
中小企業
の
合理化
はもとよりでありますが、
中小企業
存つぶさないこの
契約
に対して耐え忍んで持続せしめるという意味から考えましても、
長期運転資金
を貸してや
つて
手形
割引の中をつく
つて
行くという方向に、これからひとつ重点を置いていただきたいということをお願いいたしたいのであります。質問といたしましては、
長期
と設備との今日貸出されておる実績がどう
なつ
おるかということをひとつ伺いたいのであります。 その次にきようの
金融
公庫
につきましてひとつお願いいたしたいと思うのは、新しく五万円の
小口
短期
金融
を始める。従来の実績がおそらく平均十二、三万円くらいの件数ではなかろうかと私は思うのでありますが、この
国民金融公庫
が
中小企業金融
に果しておる役割は実に大きいのでありますが、現在の情勢から申しますと、今日連帯して、しかも物的担保があるときには二百五十万まで一
企業
に貸しつけ得ることにな
つて
おりますが、これをもう少し下げて数多く行けるような考え方ができないものかということを、まず伺いたいと思うのであります。
石井由太郎
17
○
石井説明員
中小企業金融公庫
の
運用
につきまして、いろいろと御注意並びに御質疑があつたわけでありますが、
代理店
の数が多過ぎるということは、われわれもこの
公庫
の
代理店
を指定いたしまする
時分
から、十分考えたつもりでございますけれども、この
公庫
の
代理店
につきましては、まつたく相反した二つの要請がございます。一方はなるべく集約化いたしまして、効率的
運用
を期せよという御意見で、これはただいまの小笠先生の御意見もその範疇に属するかと思うのでありますが、他方には何しろ全国に三百万を越える
中小企業者
が散在し、かつその取引機関も多種多様であるから、これらの
金融機関
とのつながりを十分
活用
してほしいという、まつたく相反する御意見がございまして、それらを彼此勘案いたしましたものが、現在の
代理店
の数
——
四百を越える、盛況と申しますと語弊がありますが、そういうありさまにな
つて
おるわけであります。しかしここ約半年の間の取
扱い
実績を見ますと、約八つほどの
中小企業金融公庫
の
代理店
は全然取
扱い
をやらなかつたというような事実もございます。またこれは信用金庫でございますが、八信用金庫は全然
扱い
をいたしておりません。こういうような点並びに
住宅金融公庫
につきまして代理業務をいろいろな
金融機関
がわれもわれもで当初や
つたの
でありますが、逐次整理されまして数が減
つて
参
つて
おります。これらの事実を考え合せますと、今急に数を集約化することは困難にいたしましても、将来は
扱い
の実績でありますとか、あるいははなはだ好ましくない
融資
態度をいたしましたとか、こういうものにつきまして逐次収縮いたして参ることはぜひやりたしと考えておるのであります。若干の日時をおかし願いまして逐次集約化に向いたいと考えております。 それから第二に、
公庫
の
融資
方針
が物的担保偏重主義にな
つて
おりはせぬかという
お話
がありました。これもしばしば指摘される一つの画一的な
——
悪く言えば官僚的なとでも申しますか、
扱い方
の現れかと思うのでありますが、私の方といたしましては
中小企業者
が適当な物的担保に欠けておるという点もお説の通りでございますので、結局
長期金融
をやる、その
長期金融
をやるのに対しまして、少くとも誠実なる履行の意思を何らか有形的に表示するという
程度
に物発担保の意味をと
つて
おるのでございまして、これを換価して元本の回収をはかるというところには重点を置いてないつもりでございます。しかし数ある
代理店
の中には、これらの趣旨を踏み違えておるものもうかがわれますので、これらは逐次業務の実施面において改善して参りたいと思いますが、
国会
におきましても何べんも衆議院通産委員会等で私どもも
金融
公庫
の
責任者
も申しておりますごとく、誠実なる債務の償還を誓約するいわば現われとしての物的担保ということでございまして、あくまでも当該業者の人間的な誠実性を尊重すべきものとして重点に考えるべきものであることは御説の通りでございますから、
扱い
面では画一性を逐次打破して参りたいと考えております。 それから第三番目に
長期運転資金
の供給
状況
でございますが、二月二十九日現在で
——
一箇月遅れてお
つて
申訳ございませんが、
運転資金
の件数が百四件億六千万円ということにな
つて
おりまして、現在のところ全
運用
量の三%
程度
という
状況
かと思うのでございます。これは
運転資金
の供給を始めました時間がずれましたことが一つの理由と、それから
長期
の
運転資金
の
貸付
管理というものが
代理金融機関
といたしましてなかなか困難である、設備
資金
でございますれば、有形的なものが加わ
つて
参りますから、これに金が入
つたの
だということがわかるのでありますが、
長期運転資金
というものはどうも管理に非常に骨が折れるというところから、
金融機関
が若干消極的ないし躊躇いたしておる節がありはせぬかと思うのでございますが、今後の
経済
情勢は、御指摘のごとくむしろ今日の波の中でどうして
中小企業
を護衛するかということになるわけでございまして、
長期
の
運転資金
を供給して、その経営を安定させるということは特に必要かと思います。ことに最近ひんぴんとして起りますように、大
企業
が大規模な不渡りを出す、そしてたくさんの関連
中小企業
が一ぺんに莫大なまつたく紙ほご同様の
手形
を手に入れてたな上げされるということになりますと、彼らにして、もしその後の二年なり三年なりの
期間
をかしてやれば
事業
が十分
再建
できるというような場合には、それらの
中小企業者
にどうしても
長期
の
資金
をめんどう見まして、
再建
のチヤンスを確保してやらなければならぬと思うのであります。これらの点につきまして、現在
公庫
の行
つて
おります
運転資金
の
融資
準則の中に、
企業
の
再建
整備に必要とする
資金
であ
つて
、
関係
者の
協力
が十分得られ、かつ
企業
がその
再建
をやろうという意欲がはつきりしているもの、計画が立
つて
いるもの、こういうものに対しては
再建
貸金というようなものを、
長期運転資金
の一体様として供給することにな
つて
おるのでございますが、今後はこういう形での供給、これは単純なる救済
融資
ではございませんけれども、こういうような
資金
の供給がより重要にな
つて
来るのではないかと考えまして、漫然たる
長期運転資金
というよりは、むしろ
再建
するための
資金
というようなものを重点に置いて
融資
をや
つて
参りたい、このように考えております。
小笠公韶
18
○小笠委員 御
説明
で大体わか
つたの
でありますが、いわゆる物的担保を基本にしておる
貸付
方針
というものが、支
払い
に誠実性を示せばいいという表現をとられた。誠意さえ認められればいいということは、誠意は何で見せるが。誠意は物的な担保でなければ誠意と認めないのかどうかと私は言いたいのです。ここにいわゆる指導しておる人々と末端の
代理店
の考え方の食い違いが、出て来ておると私は思う。はつきりしなければ、支
払い
の誠意さえ十分認められる
程度
でよろしいということは末端から、言えば物的担保が十分でなければできぬということです。私はそこに食い違いがあると思うのであります。ここに
中小企業金融
というものが、純粋の
金融
と違う特色があるのでありまして、ここに中央の指導層において相当踏み切
つて
お
つて
も、末端へ行けば比較的小さくなりがちなのであります。
国民金融公庫
の
責任者
が、そういう表現をも
つて
糊塗せられるならば、私は非常に遺憾に存ずるのであります。その点はぜひお願いしたいのであります。 最後に一つ伺いたのは、
指定預金
の
お話
がありましたが、
指定預金
の
操作
の問題につきましては、今後の
金融情勢
とにらみ合して考えて行きたい、こういう御
説明
であ
つたの
でありますが、
中小企業
の
金融
の現状から見まして、九月で一応
引揚げ
るという
予定
を、早期に新しい
方針
を決定していただかないと、一度に九月にな
つて
引揚げ
てしま
つて
からぼつぼつ考えるというのじや、いわゆる間が切れてしま
つて
、そのとき困るのは
中小企業
でありますので、特に早目に
指定預金
活用
操作
の基本
方針
を立てていただきたいということをお願い申し上げて、私の質問を終ります。
加藤宗平
19
○
加藤委員長代理
武田君。
武田信之助
20
○武田委員 私は
中小企業金融公庫
、それから
国民金融公庫
この二つの
公庫
に対する
借入れ
の申込み件数、それからその
借入れ
申入れの総件数に対する
借入れ
申込みの総
金額
、それに対して
貸付
条件が合致しておるというところで、それらの
公庫
が実際に
貸付
を行つた件数と
貸付
の総体の
金額
、つまり申込みに対して何ほどの割合の
貸付
を実際においてや
つて
おるか、この点を知りたいわけなんです。 それからおのおの
公庫
の
貸付
の最高限度はどの
程度
の取
扱い
をいたしておるか、そ還れから償期限をお伺いいたします。 それからその次は
国民金融公庫
において、恩給を担保として金を出しておるということを伺
つて
おります。その場合その恩給なるものは、国費の
関係
分の恩給あるいは地方の公共団体の恩給証書あるいはまた学校員員の恩給証書、いろいろ恩給の種類が違
つて
おります。それらの異
なつ
た恩給の証書に対して、取
扱い
を二、三にいたしておるかどうか、同様にこれを取扱
つて
おるかどうか。また恩給を担保として
貸付
する場合には二年分とか三年分とかいう大体の取
扱い
のあれがあると思いますが、何年分まで実際に
貸付
しておるか。それから恩給を担保とする場合に、生活
資金
とか、あるいは
事業
を行うための
事業
資金
とか、いろいろ
資金
の用途というものがあると思います。その用途のいかんによ
つて
貸付
するとかしないとかいうような取
扱い
を実際にや
つて
おるかどうか。そういう点についてひとつ御
説明
を伺
つて
おきたいのであります。
石井由太郎
21
○
石井説明員
中小企業金融公庫
の資料として御提出申し上げてもけつこうだと思いますが、三月のものはまだ集計できておりませんが、二月末までの実績は、
貸付
申込みの申請が四千八百五十九件、百三億二千六百万円。それから
貸付
決定をしましたものが二月末までで三千八百八十三件、八十四億四千二百万円ということになりますが、申込みに対しましては八四%の実行率ということにな
つて
おります。なお一件当りの
貸付
金額
は、最高三千万円、これは
協同組合
でありまして、
協同組合
は三千万円まで貸し付け得るということに、な
つて
おります。最低は二十万円でありまして、二十万円より三千万円までというのが限界にな
つて
おりますが、一件当りの平均は、やや古い資料で恐縮でございますが、約二百三十万円
程度
にな
つて
おります。これは後日資料をも
つて
提出いたしたいと存じます。
武田信之助
22
○武田委員
国民金融公庫
の方はどうですか。
河野通一
23
○河野
政府
委員 私から申し上げます。今
お話
の
国民金融公庫
の申込みと
貸付
実行との
状況
でありますが、
昭和
二十四年六月に
公庫
は発足いたしております。爾来二十八年十二月末までをとりました数字がございますので、累計額を申し上げたいと思います。その間における申込み
金額
の累計が千八百六十八億、それに対して
貸付
をいたしましたものが六百九億、その申込みに対する割合が三二、六%ということにな
つて
おります。もちろんこの申込みの中には、いろいろな観点から
貸付
資金
がかりにあつたにしても
貸付
を行うことができないというようなものも入
つて
おりますが、それにいたしましても申込みに対して三二%
程度
しか貸出しが行われてないということは、決して満足すべき状態でないことは私ども十分に感じておるところであります。なお本年度にきましては
財政
を非常に締めて行くという
関係
もありまして、中小
金融関係
の
資金
の増加につきましては、その
わく
の中でできるだけ確保するように努めて参
つたの
でありますが、それにいたしましても現在までのところでは、
予定
されております
貸付
に充て得る
資金
と申込みが非常にふえております事情とにらみ合せまして考えますと、やはり申込みに対しまして三二・六でありますか、その数字まで持
つて
行くということはなかなか困難ではないか、かように考えておるのであります。
資金
源の充実につきましてはさらに今後
財政
の
状況
の許す限り考慮いたして参りたい、かように考えておる次第でございます。 それから第二には、
国民金融公庫
の貸出しの
金額
、限度でございますが、これは個人の貸出しで最高は五十万円ということにな
つて
おります。連帯で貸し出します場合には二百万円貸せるようにな
つて
おりますが、これはほとんど百万円以下であります。百万円以上二百万円までというものは、これは物的担保をはつきりとらなければいかぬことにな
つて
おりますが、連帯で貸しますものの大部分は百万円以下ということにな
つて
おります。新規の
貸付
の平均
金額
は、最近非常に一件
金額
が上
つて
参
つて
おりまして、約十一、二万円にな
つて
おりますが、今後の
状況
から見ますと、私どもといたしましてはできるだけ
小口
の貸出しということに、
国民金融公庫
の使命から見て、重点を置いて参りたい。本日もその問題について発表いたしたのでありますか、この二十九年度から新たに
小口
の貸出しということを別口でや
つて
参るようにいたしたいのであります。これは大体五万円まで、そして
短期
の大体三箇月ということで、小額の
企業
の
運転資金
を中心にいたしまして
小口
の貸出しを行
つて
参りたい。これに充てます
わく
と申しますか、大体
予定
をいたしております
資金
は、三箇月でありますから、三回転ないし四回転するとしまして約三十億
程度
のものをそれにまわして行きたいと
予定
いたしております。決して
金額
として十分とは思
つて
おりますが、現在そういうようなシステムをできるだけ
活用
することによ
つて
、
小口
の方に重点を置いて参りたい、かように考えておる次第でございます。 それから第三のお尋ねは恩給の問題でありますが、恩給担保の貸出しはすでに昨年来行
つて
参
つて
おるのでありますが、さらにこの
制度
を
法律
的にはつきりしたものに確立いたしたいということで、目下
国会
に
法律
案を提案申し上げております。これは二つの点で大きな差異が
——
三つと申し上げたい方がいいかもしれませんが、あるのであります。第一は従来は一種の恩給の受領権を委任する受領委任という形でや
つて
お
つたの
で、一種の担保物件としての性格を持
つて
いなかつた、これを担保物件としての性格を持つような
制度
にはつきり
制度
化したというのが第一点であります。それから第二点は、従来は
国民金融公庫
の本来の業務の一部として行
つて
参
つて
お
つたの
であります。従いましてその
資金
の用途はさきに
お話
いたしましたように、生業
資金
と申しますか、要するに広い意外の
事業
資金
に限
つて
お
つたの
でありますが、今度
法律
を改正することによりまして、恩給受給者の
金融
の特殊性から見まして、これをある
程度
消費
資金
にも使えるように、この
金融
の対象を広げたいというのが第二点であります。第三点は、今
お話
もありましたが、従来は大体国家公務員あるいは旧軍人遺家族といつた方々の恩給受給者を対象にいたして参
つて
お
つたの
でありますが、今度はそれを近く
法律
案が提出されるように聞いておりますが、地方公務員でやはり恩給
制度
ができておるものにつきましてもこれを拡大いたしたい。それから国家公務員の中で、恩給法の適用を受けないで、いわゆる非現業の傍済組合からそういう年金をもらう
制度
ができておりますが、これらの方々にもこの恩給担保
金融
の恩典を広げて行きたいと考えております。そういつたことで、恩給担保
金融
の対象になりますものを、今申し上げました三点において、従来よりも広げて参りたい、かように考えております。 なお
昭和
二十九年度において恩給担保に充て得る
資金
といたしましては、大体二十億を
予定
いたしております。それから恩給担保
金融
の年限等は、とりあえず最高三年分を
予定
して参りたい。これは御
承知
のように恩給受給者の生存年限というといろいろ見方もありますが、これをとりあえず、恩給金庫時代にや
つて
おりましたのと同じような建前で、三年を最高ということで出発いたしたいと考えております。
武田信之助
24
○武田委員 ただいまの御
説明
で大体わかりました。それで
中小企業
に対する
金融
の方は、その要求に対して大体八四%までの成績を上げておりますので
——
もちろんこれは十分とは申しかねますけれども、おおむねその設立の目的を達成いたしておるという感じがいたします。ところが
国民金融公庫
の方は、千八百六十八億円の申込みがあ
つて
、それがわずかに六百九億円、三二、六%の貸出しである。多くの
国民
がこの
国民金融公庫
の
金融
面に期待をいたしておるということは、この事実をも
つて
きわめて明瞭であります。しかるに大多数の人々が失望を感じて、むだな労力と時間を費して
国民金融公庫
にいろいろな折衝をいたしてお
つたの
がこの数字ではつきりわかるわけでありますが、多くの零細なる
企業
者あるいは
一般
国民
大衆と申しますか、それらの人々が国気
金融
公庫
に期待するものが大なるものがあると思うので、これは何とかしてもつと改善をして、多くの希望者に満足を与える方向に持
つて
行く必要があるのではないかということを痛切に感じます。この点については
関係
当局における特段の御尽力を要望して私の質問を終ります。
杉村沖治郎
25
○
杉村委員
議事進行について。私は実はきよう時計を間違えまして一時間遅れて、これはたいへんなことだ、話を聞けないでしまつたと思
つて
あわてて出て来たところが、まだほとんど始ま
つて
おらない。人も見えておらない。さて始ま
つて
みてもごらんの通りの状態であります。私はかねがね常に主張しておるのでありまするが、この
経済
安定委員会というものを私は非常に重要視しておるのであります。これはおのおの人によ
つて
観点に相違があるかしれませんけれども、私この
経済
安定委員会というものは一省一庁に偏しないで、真に
日本
の
経済
をいかにして安定せしむるかということを研究するのは、この
経済
安定委員会なおいて他にないと思
つて
おる。それにもかかわらずこの
経済
安定委員会の振わざること実に今日かくのごとしであります。これはもとより委員の不熱心にもありましようけれども、これを
一口
に言いますなれば、
政府当局
はきわめてこの
経済
安定委員会というものを軽視しておる。なお具体的に申し上げますなれば、審議庁の長官がきわめて不熱心だからこういうことになるのじやないかと思うのです。私はいま少し
ほんとう
にこの
経済
安定委員会において
日本
経済
の安定ということを研益して国家のためにという考えがありますなれば、こんなことであ
つて
はならないと思うのであります。ことにわれわれは
昭和
二十九年度の
経済
上のことぐらいを聞いてお
つたの
では、
日本
の
経済
を将来
ほんとう
に安定せしむることなどはできないのじやないかと思う。
昭和
二十九年度の予算が衆議院を通過しておる今日においては、三十年度の
経済
関係
あるいは三十一年度、少くとも将来の五箇年くらいのことはこの
経済
安定委員会で
経済
審議庁の長官が自己の抱負を語るくらいでなければならぬのじやないかと思う。これに対して委員が質問をするくらいの意気でなくてはならないかと思うのであります。さらに大きく考えますならば、
日本
がはたして将来いかなる状態で進んで行くか、すなはち農業立国として
日本
が立
つて
行くのであるか、あるいは工業立国で立つべきであるか、現在年年歳々百二、三十万の人口が増加して行きますけれども、いかに増産、開拓と申しましたところが、はたしてそれが人口の増加と、いわゆる国際
経済
の
関係
からい
つて
、自給自足なんというようなことで行けけるのかどうか、それよりも少くとも国際的の貿易という観点に立
つて
、
日本
は工業立国として立つべきである、あるいは農業立国として立つべきでああるとか、ただ輸入が多くては困る、輸入が多くては困るというようなことをのみ小さく考えるのではなくして、輸入すべきものはどんどん輸入し、また輸出すべきものは輸出すればいいのでありますから、そういうような観点に立
つて
われわれ研究しない限りは、
日本
の
経済
の安定なんと、うことはとうていあり得ない。こんなざまでは
日本
の
経済
の安定なんということはとうてい望めないと思うので。かくのごとき状態は、すなはち
政府当局
がふまじめきわまる、これを具体的に言えば審議庁長官がきわめて不熱心である。先ほど委員長が言われたように、
銀行局長
が、午前十時からの委員会にもかかわらず十二時の時計が打
つて
からここへひよこひよこや
つて
来て、前の
説明員
と重複したような
説明
をしてみたり、そんなことではとういてこの
経済
安定委員会の真の目的を達することはできないと思うのですありまするから、どうか委員長からこのことを長官によく伝えてほしい。そうしてやめるならやめてしまつた方がいい。法的に言つたならば、はたして今日の
経済
安定委員会が成立しておるかどうか疑わしいではありませんか。こんなことならばよすならよした方が私はいいと思う。どうぞ委員長からしかるべくおとりはからいを願いたい。
加藤宗平
26
○
加藤委員長代理
杉村君のただいまの発言はもつともだと思います。当局にしかるべく要請をいたしましてその趣旨に沿うようにいたします。なお今後河野
銀行局長
には出席を再び要求いたしますが、今日のごときのないように強く要請をいたします。 大分時間も経過いたしましたので、本日はこの
程度
にとどめまして散会いたします。次会は公報をも
つて
お知らせいたします。 午後一時六分散会