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1954-03-23 第19回国会 衆議院 経済安定委員会 第11号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十九年三月二十三日(火曜日) 午前十一時九分
開議
出席委員
委員長代理理事
加藤
宗平
君
理事
小笠
公韶君
理事
武田信之助
君
理事
松原喜之次
君
理事
菊川 忠雄君 迫水 久常君 西村 久之君
根本龍太郎
君 平野 三郎君
楠美
省吾君 小平 忠君
杉村沖治郎
君
水谷長三郎
君
委員外
の
出席者
参 考 人 (
電気事業連合
会事務局長
)
平井寛一郎
君 参 考 人 (
電気事業連合
会事務局次長
)
福田
勝治
君 参 考 人 (
東京電力株式
会社取締役営業
部長
)
笹森
建三
君 参 考 人 (
関西電力株式
会社支配人
)
加藤
博見君 専 門 員
圓地與
四松君 専 門 員
菅田清治郎
君 ――
―――――――――――
三月十九日 兵庫県灘村を
離島振興対策実施地域
に指定の陳
情書
( 第二一二五号)
吉野川地域
の
総合開発事業促進
に関する
陳情書
(第二一二六号)
瀬戸内海地域
を
国土総合開発特定地域編入
に関 する
陳情書
(第二 一二七号) を本
委員会
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した事件
連合審査会開会申入れ
に関する件
電気料金政策
の
総合調整
に関する件 ――
―――――――――――
加藤宗平
1
○
加藤委員長代理
これより
会議
を開きます。
連合審査会開会
の件についてお諮りいたします。ただいま
内閣委員会
において
審査
中の
行政機関職員定員法
の一部を
改正
する
法律案
につきましては、本
委員会
の所管とも
関係
がありますので、この際本案について
内閣委員会
に
連合審査会開会
の
申入れ
をいたしたいと存じますが、この点御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
加藤宗平
2
○
加藤委員長代理
御
異議
ないものと認めましてさ
よう
決定いたします。 なお
右連合審査会開会
の日時につきましては、
内閣委員長
と協議の上決定いたしたいと存じますので、さ
よう
御了承願います。
加藤宗平
3
○
加藤委員長代理
この際お諮りいたします。
電気料金政策
の
総合調整
に関する件について
参考人
より
意見
を聴取いたしたいと存じますが御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
加藤宗平
4
○
加藤委員長代理
御
異議
なしと認めます。 それでは
電気事業連合会事務局長平井寛一郎
君を
参考人
とし、
意見
を聴取いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
加藤宗平
5
○
加藤委員長代理
御
異議
なしと認め
参考人平井寛一郎
君より
意見
を聴取いたすことといたします。 この際一言ごあいさつ申し上げます。
平井参考人
には、御多用中にもかかわらず御出席くださいましてまことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。本
委員会
におきましてはただいま
電気料金政策
の
総合調整
に関する件について鋭意
調査
を進めておる次第でありまして、ことに今般の
電気料金値上げ
の問題につきましては、その各
方面
に及ぼす
影響
にかんがみまして、去る十九日の本
委員会
におきましては、
電気消費者側
の
参考人
より
意見
を聴取いたした次第であります。本日は
平井参考人
より
電気事業者側
の立場より御
意見
を承るわけでありますが、
平井参考人
には
本件
につきまして忌憚のない御
意見
を開陳されまして、
本件調査
の
参考
に資されたいと存ずる次第であります。 これより
平井参考人
より御
意見
を伺うことといたします。
電気事業連合会事務局長平井寛一郎
君。
平井寛一郎
6
○
平井参考人
ただいま御紹介いただきました
平井
でございます。本日は当
委員会
の席上におきまして、
皆様
に今回の
電気料金改訂
並びに
料金制度改正
に関するお願いの件について、御
説明
を申し上げ得る機会をお与えいただきましたことを厚くお礼申し上げます。
財政緊縮
による
経済安定政策
が強力に今推進され
よう
といたしております際におきまして、
電気料金
の
値上げ
をお願いいたしますることは、私
ども
といたしましてはまことに心苦しいきわみであり、また
国民
の
皆様
に対しましてもはなはだ相済まないとは存ずる次第でありますけれ
ども
、にもかかわりませずこの際この
値上げ
の
申請
をせざるのやむなきに至りましたことにつきましては、ここにその
事情
の概要を御
説明
申し上げることによりまして、御
調査
の
参考
の一助ともなりますならばたいへん幸甚とする次第であります。 今回の
料金
の
値上げ
は、
新規
の
電源開発
による
電力原価
の
高騰
が要因とな
つて
おるのでありまして、その
原価高騰
を招きましたおもな
原因
は、
資本費
の
負担
が急激に
増加
したことにあるのであります。すなわち私
ども
は再編成以来全力をあげてこの
電源
の
開発
を強行して参
つたの
でありまするが、これらは
前回
の二十七年五月の
料金改訂
以降になりまして、
よう
やく順次完成の域に達しまして、そうして二十九年度までに
開発
される
電力
約二百万キロの
増加
を見るに
至つたの
であります。これがために
前回料金改訂
当時と比べまして、
供給力
は二三%の
増加
を見ることにな
つたの
であります。しかるにこれらの
電源
の
開発
によりまして
増加
した
稼働資産
は、いずれも最近の高い
建設費
のものでありますために、この二箇年間に二千三百億円という金がかかるのであります。二十七年度末の
稼働資産
が三千九百億円ございましたが、これに比べまして
稼働資産
が約六割の急激な
増加
をするという結果になるのであります。すなわち
供給力
は二二%増したのに対しまして、
稼働資産
の方は金額において六〇%を増すという形にな
つて
おるのであります。なおこのほかに第三次再評価をいたしまする
関係
上、約千百億円がふえますので、これを加算いたしますると、二十九年度夏の
稼働資産
は総額で約七千四百億円に上昇する予定であります。この
よう
に
新設分
の
設備
は
建設費
が非常に高いために、
新設分
の
料金単価
が
既設分
の
料金単価
の約二倍に
高騰
するのであります。これはまつたく
資本費
の
負担
が
増加
したためなのでありまして、
企業内部
ではいかに
合理化
をいたしましても、
資本費自体
はいかんともなしがたいという
関係
にあるのであります。この
よう
に
新規
の
開発
によりまして
供給力
が
増加
をされますが、従来の安い
設備
とこれがまじりますので、
平均料金単価
は漸次
高騰
せざるを得ない
よう
な結果になります。元来
電気料金
は
原価主義
の
建前
にな
つて
おりまして、一切の
費用
を
原価
に織り込んで
料金
をきめるというふうに法定されておりますけれ
ども
、私
ども電気事業者
といたしましては、
原価主義
の原則があるとは申しますものの、これをこのまま不用意に
料金
の形で
消費者
の
皆さん
に
負担
していただくということは、わが国内外の
経済情勢
にかんがみまして極力避けたいと
考え
まして、昨年以来半歳にわたり、いわゆる
電力緊急対策
というものを打立てまして、
開発
の
促進
と
電力原価高
の矛盾を解決するために、
原価高
のおもなる
原因
であるところの
金利
とか
税金
とかいう、言いかえれば
資本費
の
軽減方
を
政府
及び
関係方面
にいろいろと要請をいたしておるのであります。私
ども
は、その効果には相当の期待をいたしてお
つたの
でありますが、何分これにつきましては、
政府
の施策と国会の御決定を必要といたしますために、
申請
当時はこれらはいずれもまだ何ら確定をいたしておりませんでしたので、今回の
料金値上げ
の中にはそれは織り込んでございません。ししながらこれが確定いたしましたあかつきは、その分だけは
料金値上げ
を
軽減
する用意があるのでありまして、私
ども
は、今日でもなお引続きこの
金利
、
税金等
の
軽減
の問題についても努力をいたしておる次第であります。以上の
よう
な結果で、二十九年度の
電力原価
の総計、すなわち私
ども
の言葉で申しますと
総括原価額
と申しますが、これにつきましては
送電損失
、
石炭
の
消費率
その他の
工場
とかいろいろな
事業内部
における
合理化
や
石炭
の値下りも織り込む、そういうふうにして圧縮したのでありますが、なおその
数字
が二千百億円となりまして、二十九年度の
総括原価額
の千四百四十八億円に比べると六百五十四億円の
増加
となります。しかしながらこの二箇年間には約二割の
供給量
も
増加
いたしておりますから、
現行料金
によ
つて
の
収入増
によ
つて
、
石炭費用
の
増加
その他の一般諸経費の
増加
も十分まかなえるのでありまして、これを差引きました二百六十四億円だけがどうしても
不足
する。そういう
意味
において、これだけが純増になるのであります。これはすべて
資本費
の
増加
によるものでありますが、この二百六十四億円の
不足分
を吸収するための
料金
の
値上げ率
は、今回
申請
いたしました
通り全国平均
において一四・四%となります。ただここに補足いたしておく必要のありますのは、実際にはその後に
石炭
の価格が下
つて
おりますので、その
値下げ
に伴いまして、
動力料金
の方につきましては、若干の
値下げ
をスライドの
条項
に基いていたしております。従いまして現在の
値下げ
後の
料金
に比べますと、この
値上げ倍率
が一七・一%に当
つて
おるのであります。なおこの
料金
の
改訂
と同時に
現行料金制度
の
改正
をも
申請
をいたしております。現在の法的な
電力
割当
制度
なるものは、終戦後
電力不足
に対応するための過渡的な措置として策定されたものでありますが、この
制度
の欠陥を順次是正をして、そうして
消費者負担
の公平をはかり、かつ
電源増強
による
電力需給
の緩和を反映するために、
料金制度
の
正常化
に一歩を進めましたところの新しい
料金制度
をここに確立し
よう
とするものであります。その
内容
は、
電源開発
の
進捗度
と見合いまして、一本
料金制
または
負荷率別
二段
料金制
を採用いたしまして、さらに
電力
を原料として
使い
ます
よう
な
電解電力用等
につきましては
特約料金制
を取入れ、も
つて
個別割当制度
にかえ、同時に
制度改正
による急激な
影響
を少くさせる
よう
なくふうをいたしたのであります。私
ども電気事業者
は、今回のこの
緊縮財政
による
経済安定政策
には全面的に協力いたす覚悟であります。しかしながら今回あえて
料金
の
改訂
をお願いいたしました理由は、
電源開発
に伴う
電力原価
の
増高
をば
最低限度電気料金
の中に織り込んでいただいて、予想される一層の悪条件のもとで
電源
の
開発
を引続き強力に進捗いたしまして、一日も早く
電力
の
不足
を解消することを念願するためなのであります。ここにもし
増加
する
資本費
の回収が困難となり、
会社経営
の
安定性
を喪失する
よう
な事態に立至ります場合には、増資とか社債の発行という
よう
な
建設資金調達
に非常な困難を生ずるのでありまして、これはひいては目下工事の
最盛期
にあります
電源
の
開発
にも重大な支障を生ずるおそれがあることを深く憂えるのでありまして、今日の
段階
において
料金改訂
をお願いせざるを得ない衷情はそういうところにあるのであります。何分この点を御賢察をお願いしたいと思うのであります。以上、
料金
の
改訂
並びに
制度改正
をお願いいたしますに
至つた事情
を申し上げて各位の御
参考
に資し、御
理解
及び御協力をお願いしたいと思うのであります。 なお
電気料金
の
改正
につきましては、
政府
の
認可
を要することに
法律
で定められておりますので、私
ども
はそういう
意味
で
認可申請
をいたしたのでありますが、
申請
があります場合には、
政府
におかれましてはその
内容
を
審査
せられ
——審査
の過程には
聴聞会等
もあるのでございますが、そしてその
内容
が定められた
一定
の
基準
に照して適正である場合には、それを
認可
されるというふうなことにな
つて
おるのであります。
従つて
この
申請
後、
政府
におかれましては、これを一応
聴聞会
におかけになりまして、この三月の十二日から十九日にわたりまして、
全国各地
でそれぞれ各
方面
の
利害関係者
の
意見
を御聴取に
なつ
た次第であります。その上に立
つて
政府
とせられましては、その
内容
が適正であるか、どうかその他を御検討にな
つて
、どういうふうに御処分になりますか、これは今後の問題だろうと思
つて
おるのであります。 なお
最後
に、この
料金
の
値上げ
をいたしました場合に、それがどういうふうに
影響
するかという点について一言申し上げてみたいと思うのであります。
電気料金
の
値上げ
をいたしますれば、それだけ当然、これが
家庭生活
の面にもあるいは
生産原価
の面にも、一応
数字
的に響きますけれ
ども
、またそれだけに私
ども
その点を非常に心配するのでありますが、この点につきましては、どの程度の
影響
があるかということについて、手元にもいろいろと
調査
した資料がございますので、後ほど、私の
あと事務局
の
次長
から
補足説明
をお許し願いたいと思います。ただこれについて一言申し上げますと、何分現在
電気
が足りませんので、その
意味
におきましてまず
電気
をつくるということがわれわれの使命だと
考え
て善処しておる次第でございます。今回の若干の
値上げ
が
家庭
に響きます面につきましては、たとえば
電燈
その他の面についても響くのでございますが、
電気
の足りない際ということも御配慮いただきまして、若干のむだの節約と申しますか、たとえば深夜燈あるいはむだな
電気
をお消しになるというふうなくふうを願いますならば、その面で若干また
電気
の
供給力
が他の
方面
に生きて使えると同時に、この面も緩和されるのではないかと思いますが、この点は
国民
の
皆さん
にもお願いいたしたいと思いますし、また
生産面
に響く点につきましても、それは
生産
の
増強
によ
つて
、
工場
の
稼働率
その他の
合理化
の面から、むしろ
原価高
は将来その面において吸収し得ると
考え
ますので、
緊縮財政
の中ではありますが、やはり
電気
をまずつく
つて生産
の
増強
、
生産
の
合理化
ということを通じて輸出を増進される、これが長い目で見た
国民経済
へのプラスになるということを期待いたしまして、その
意味
での御
理解
をいただきたいと
考え
ておる次第でございます。本日はこの
説明
をいたすにつきまして、
ちようど東北
、東京、中部、北陸、関西の五
電力会社
の
営業担当
の
責任者
も参
つて
おりますし、
事務局
からも二、三の
次長
以下の
説明員
も参
つて
おりますので、私で足りません点につきましては
委員長
のお許しを得まして
補足説明等
をさしていただきたいと
考え
ております。最初のごあいさつを終ります。
加藤宗平
7
○
加藤委員長代理
この際質疑の通告がありますのでこれを許します。
松原喜之次
君。
松原喜之次
8
○
松原委員
まずお伺いいたしたいことは、この前の本
委員会
において、
電力
の
需用者側
の
参考人
に来ていただきまして、いろいろ御覧を承
つたの
でありますが、その際に各
方面
の方々が示された今回の
値上げ
による
影響
、すなわち言いかえれば、実際の
値上げ率
というものをそれぞれ
計算
してみられたその
数字
を報告されたのでありますが、その
数字
と、そうして
電力会社側
から示されております標準一四・四%、ただいまの御
説明
によれば現在の
電力料
に比べれば一七・一%
値上げ
というその
数字
とは、
相当開き
があるのでございます。たとえば
中小企業
のある
工場
の方は一九%ばかりの
値上げ
があると言、あるいは
硫安工業
の方は
全国平均
で七九%の
値上げ
になると言い、いろいろありますが、どの
数字
をと
つて
みましても一四・四%よりははるかに上まわつた
数字
を示されておるのであります。これはもちろん二十八年度の
実績使用量
に新しい
値上げ料金
を適用した場合を
計算
された結果でございますし、
電力業者
から示されておられる一四・四%というのはそれとは違う
基準
で
計算
されておるというところにこの
数字
の違いが出て来たのであろうとは思いますけれ
ども
、しかしながら二十八年度の
使用実績
、これを基本として
計算
されて、そして非常な
値上り
になる、わえわれその
計算
の方が具体的で実際的で、事実でなかろうか、こういうふうに感ずるのでありますが、その点に関するお
考え
を承りたいのであります。
平井寛一郎
9
○
平井参考人
御
質問
の点はまことにごもつともな点でございまして、実は私
ども
も
需用家
の
皆さん
の方からいろいろと
数字
的に違
つて
いやしないかという御
質問
を聞いておるのであります。また各
業種団体
の
方面
からの御
説明等
の
数字
も私
ども
の予想しない
よう
な
数字
が実は出ておるのでございます。その点につきましては、その後引続き各
電力会社
ともそれぞれの
責任
において具体的に個々の
工場
、
会社別
に御
説明
及びお
話合い
を進めておりますので、その点は順次御
理解
をいただいて来つつございます。その食い違
つて
おります行き違いのございました点については、いろいろやはり私
ども
の
説明
の足りなかつた面、あるいは
需用家
の方でお気づきのなかつたという
よう
な点がいろいろあ
つたの
でございます。それらの大きなものを例で申し上げますと、その
一つ
はこれは
大口電力等
についてでございますが、
基準月
のとり方が、最近の二箇年間の
実績
を
基礎
とするという
建前
にな
つて
おるのでございますが、不用意にこの二箇年をそのままとりますと、その中には
渇水等
のために
電力制限
をしたり、あるいはストライキのために
供給側
の不可抗力による御迷惑をかけている面があります。こうしたものにつきましては、
一定
の
基準
をも
つて
そうした月のものは
基準実績
として扱わないで、
補正
をする
建前
をと
つて
ございます。この点が当初われわれの方の
説明
が十分届いておらなかつた
関係
上、その
補正
をする線によ
つて
非常に
数字
が違う点があるのであります。それからまた
大口工場等
につきましては
契約電力——
現在の
契約
の
数字
をそのまま
需用家
の
皆様
は一応おとりに
なつ
たらしいのでございます。御
承知
の
よう
に長い
間割当制度——
これは非常に利益の面も一時あ
つたの
でありますが、これについてはいろいろ弊害の面も残
つて
おります。できるだけ
割当
はよけいもらいたいために、必要以上に
契約電力
を非常に大きくせられた傾向があつた。その姿が今日残
つて
おりますそのままのものを
需用家
の
皆さん
が
計算
の
基礎
にするということは御迷惑だと思います。私
ども
はその
実績
に即しましてこれをそれぞれお
話合い
によ
つて
下げて行くという線で、
お話
を進めておるわけであります。そうすればそれだけ
料金
が安くなるわけでありますが、この
点等
も当初の
段階
においては御
理解
がいただけないで行き
違つた
という
よう
な点があ
つたの
ではないかと思います。そのほかそういう
よう
な点がいろいろございまして、当初行き
違つたの
でございますが、今日ではおおむね
需用家
がその点については、それぞれ
会社
のそういう
補正
をする
基準
は
皆様
にはつきりと申し上げております。そうして順次御
理解
をいただいておりますので、そういうふうな
基準
によ
つて
やりますと、決して当初お
考え
になりました
よう
な大きな
値上り率
にな
つて
おらないのであります。私
ども
といたしましては、この点につきましては今後ともなお御
理解
のない面について十分御
説明
を申し上げれば、よく御納得をいただけるものと
考え
て善処いたしております。なおただいま
需用家
といろいろ
折衝
をいたしております
値上げ倍率
の
業種別
とか、いろいろの種類による
平均
の
上り方
が、私
ども
の見ております今の
段階
における
数字
、これはまだ
折衝
中でありますが、若干は下るとかまたいろいろ
補正
などはあると思いますが、現在の
段階
において、私
ども
がこの辺までは行くという見通しを立てております
数字
、
お客様方
との
話合い
の上に立
つて
出た
数字
がどういうふうな
全国
的な
平均値上り率
にな
つて
おりますかを私
ども
の
事務局
の
福田次長
から御
説明
することをお許しいただきたいと思います。
加藤宗平
10
○
加藤委員長代理
この際お諮りいたします。
電気事業連合会事務局次長福田勝治
君、
東京電力株式会社取締役営業部長笹森建三
君、
関西電力株式
会社支配人
加藤
博見君を
参考人
として
補助説明
を聴取することにいたしたいと思いますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
加藤宗平
11
○
加藤委員長代理
御
異議
なしと認めさ
よう
にとりはからいます。
福田参考人
。
福田勝治
12
○
福田参考人
私らの方で調べました
影響調査
は、そこに差上げておきました「
大口電力影響調査表
」というのがございますので、こらんいただきたいと思いますが、これは、
大口
の
工場
だけにつきまして調べたのでございますが、御
承知
の
よう
に、今回の
電気料金制度
によりましては、先ほど申し上げました
通り業種別料金
と、もう
一つ
は、
特約
でも
つて
供給
申し上げる
需用家
と二つあるわけでありまして、三千キロ以上の
大口工場
につきましては、その特性から
考え
まして
特約供給
を申し上げる
需用家
が非常に多くなるのであります。それは
特約
と申し上げますと、結局
電力
をわれわれの発電の能力に応じて、たとえば夏は多く、冬は少くあるいは雨が降つたときにはたくさんに使
つて
いただくという
よう
に、われわれの方で出せる
電力
に合わせて、
工場側
で調整していただける
よう
な
設備
に対しましては、
原価
的にも特別に安くなりますので、特別な
料金制度
で
供給
を申し上げることに相なります。
先ほどお話
がありました
硫安等
の
工場
は、従来そういう雨の降つたときに出る
電気
であるとか夏場の
電気
であるとか、そういう
よう
な特別な
電気
をお
使い
にな
つて
おられた、そういうのでありまして、最近は
電力
の
割当
がございますので、必ずしもさ
よう
ではありませんが、従来はさ
よう
な
電気
であつたわけでありまして、また現在すでに一部では、そういう
よう
な
電気
をお
使い
にな
つて
いらつしやいますので、今後もそういう
よう
な方針に
従つて特約
を申し上げ
よう
、こう思
つて
おるのであります。
従つて硫安
は
先ほどお話
のありました
通り
そういう
特約
による
料金制度
を適用しなかつたならば、先ほどの
お話
の
よう
に、七九%という
よう
な
数字
もあるいは出るかと思うのであります。しかしこの
硫安協会
で出された数子は、どうも私らの方ではわからないのでありますが現在
特約
にな
つて
いらつしやる
需用家
を、有利に常時
契約
になる
よう
な
契約
をされて変更するとして勘定された
よう
な気もするのでありまして、どういう
計算
かよくわかりませんが、さ
よう
なことで非常に大きな
影響
が出ております。ところが今お配りいたしておりますその表をごらん願いますと、第一ページは、二十九年度の
特約需用家調査表
というのでありまして、たとえば
肥料
というのは大体
全国平均
一二三%になるということに相な
つて
おります。この
肥料
の
工場
は、
全国
三十六
工場
についての
平均値
でありまして、大体
肥料
の大部分が入
つて
おると
考え
ております。
従つて硫安協会
の方で言
つて
おられる
よう
な大きな
数字
には大体ならないのだとわれわれは一応
考え
ておる
よう
な次第であります。なおそのほかに、ここに各
業種別
に
特約
の
値上り率
を書いておきましたか、これは
合計全国
で二百十六
需用家
の、
業種別
に総
平均
したものでありまして、大体その
最後
の欄に書いております
よう
な
値上り率
になるかと思います。 それから第三ページにありますのは、
特約
でない普通の
既定料金
でも
つて
契約
される
大口丙
、すなわち三千キロ以上の
需用家
の各
業種別
にどのくらいの
値上り率
になるかということを示したのが、この第二枚目の表であります。右から二行目の数が大体先ほどの数と対応する数であります。 それから三枚目以下には
特定業種調査表
というのがありますが、これは今回の
料金制度改正
によりまして、いろいろと
影響
を調べてみますと、
影響
がかなり大きく出る特殊な
業種
があるのであります。たとえば
電鉄
であるとか上下水道であるとか
製氷冷凍
であるとかいうものにつきましては、かなり
影響
が大きく出て参るのであります。
従つて
こういうものにつきましては、われわれはいろいろの
契約条項
を
考え
まして、なるべく
影響
の少くなる
よう
な方途を講じました。と申しますと、たとえば
電鉄
でありますと、御
承知
の
よう
に
電鉄
は電車の
路線
が、すなわち
直流側
の
路線
においては、全部
二つ三つ
の
変電所
から
供給
しておるものが並列に運転されておりますので、従来は各
供給点
一箇所
ごと
に
契約
いたしておりましたが、今後その
一つ
の
路線
について
直流側
で全部つなが
つて
おるものについては
総合契約
にし
よう
じやないかということでも
つて
、個別の
供給点
一箇所
ごと
の
契約
ではなくて、個別の
総合契約
にいたすとか、その他
契約
上の方法にいろいろの配慮をいたしまして、
原価
的に最も妥当な
よう
な
値上り率
になる
よう
に、
契約条項
においていろいろと
考え
た次第であります。さ
よう
にいたしました結果、
電鉄
、上下水道等におきましても、いずれもそこに書きました
よう
な程度の
値上り率
に
なつ
た次第であります。 大体
影響
はさ
よう
なことでありますが、なおここにちよつと
参考
までに申し上げておきたいと思いますことは、この
電気料金改訂
申請
資料という冊子の七十ページを見ていただきますと、これは現在の
割当
制度
というものがどういう
よう
な結果にな
つて
おるかという
よう
なことにつきまして、
一つ
の資料として書いた次第であります。これは三千キロ以上の、
需用家
につきまして、去年の二月にお支払いに
なつ
た金額を、お
使い
に
なつ
た
電力料
で割
つて
みました一キロワット・アワー当りの単価が、どの
よう
にな
つて
おるかということを示しておるのであります。これは日本
全国
ではありませんで、ある
一つ
の
電力会社
の数であります。たとえばその一ページにあります
よう
に、金属工業の普通鋼という欄をごらん願いますと、三千キロ以上の
需用家
の数は、十八あります。これが去年の二月にお支払いに
なつ
た
電力料
金の一キロワツト・アワー当りの単価は、右から四行目にあります
よう
に、一番上は——これは少し間違
つて
いる点がある
よう
であります。一の
需用家
は、三十二円とな
つて
おりますが、三円二十銭であります。二番目は二十一円にな
つて
おりますが、二円十九銭であります。これで見ていただきますと、そういう
よう
にな
つて
おりまして、たとえば十四という
需用家
は一円八十七銭という
電気
をお
使い
にな
つて
いらつしやるかと思うと、その上の十三という
需用家
は六円六十銭という
電気
をお
使い
にな
つて
いらつしやる。結局こういう
よう
に
割当
制度
があることによ
つて
、少し
割当
が多くもらえた
需用家
は非常に割安になりますし、実際使用に対して少し
割当
が少ければ非常に高い
料金
の
負担
になります。しかも三千キロ以上の同じ
業種
において二倍あるいはそれ以上も支払いが違
つて
おるという
よう
な状態にな
つて
おります。 なお化学工業の一例をちよつと申し上げますと、七十五ページにソーダ工業がございます。ソーダ工業は六つの
需用家
があります。ところがその
需用家
が二月にお支払いに
なつ
た一キロワット・アワー当りの
電力料
金を見てみますと、一番安いのが一円三十一銭、一番高いのが五円五十銭という
よう
な
料金
でお支払いにな
つて
おられます。かくの
ごと
く現在の
割当
制度
につきましては、
電力
の
割当
が多い少いということは結局
原価
に非常に大きな
影響
を来しますので、こういう
よう
な
制度
はできるだけ改めたいと
考え
ておる
よう
な次第であります。 なお
影響
の非常に大きいのはどちらかと申し上げますれば、従来非常に安い
電気
というか、
割当
が非常に多くて安くお
使い
にな
つて
いらつしやつた方が、
影響
が大きく出ておるかの
よう
に一般的に
考え
られる次第であります。 以上であります。
松原喜之次
13
○
松原委員
なお一、二点同じ問題でお尋ねを申し上げたいのでありますが、非常にこまかくなりますけれ
ども
、
電鉄
で業者の話によると、特別
大口
は関東において六二%
値上げ
になる。関西でもやはり六二%、それから中部では九〇%というふうな
値上り
になる。それからそうでない五百キロから三千キロまでは、ち
よう
どあなたの方の表に出ております
よう
に二二%になる、こういうふうに言
つて
おるのでありますが、それがはたして先ほど申されたところの総合
料金制度
に
改訂
することによ
つて
救済され得る問題なのかどうか。ちよつとそれと反対の
よう
な気がするのですが、そういう点。 それからなお結論的な
質問
を申し上げますが、いずれにいたしましても、各業者よりも
電力会社
の側がより専門家であるから、その推算はおそらく正しいとは思いますが、しかしながらやはり何を申しても腰だめ的な未確定なフアクターというものがそのうちに必ず入
つて
おると思うのであります。従いまして、はたしてこういうふうな
電力会社側
の御
計算
がそのまま現われるかどうかということは、必ずしも保証がないのであ
つて
、やはりそれが予想よりは相当な増減のあることも
考え
得ると思うのであります。しかも
電力会社
の
計算
によれば、おそらく
原価
の方は、予想よりも減の方は大体ないだろう、むしろ増の方が多いだろう、そのプロバビリティの方か多いだろう、そうわれわれは邪推するのであります。結局それが相当大きく
違つた
場合には、
業種別
にどういう救済策を講ずるのか。あるいは全体としてそれが大きく
違つた
場合には、全体としてどういう是正方法をとるのか。それらの点に関するあなた方のお
考え
を承
つて
おきたいのであります。
平井寛一郎
14
○
平井参考人
ただいまの御
質問
の点につきましては、当初
電鉄
関係
の方にはそういういろいろな御不安の点もあ
つたの
でありますが、最近におきましては、先ほど申し上げました
よう
に、
総合契約
にするとか、いろいろな措置をとりまして、言いかえれば
電気
鉄道事業自体の持つ特殊な
電気
の消費の仕方にち
よう
ど
原価
的に合う
よう
な面を調節いたしました結果、
全国
的の
平均
は先ほどの
数字
の
よう
に二〇前後の
数字
にな
つて
おります。一番高いのでも
大口
の
電気
鉄道については三割以上を越したものはないということにな
つて
おります。この点は御懸念はないのであります。 それでち
よう
ど御発言も、ございましたので、実際の状態を、東京、関西の例についてもう少し
補足説明
をさせていただきたいと思います。
笹森建三
15
○
笹森
参考人
東京の
電鉄
について申しますれば、東京の
電鉄
さんで一番初め
計算
なさいましたのは、
お話
の
よう
に六割九分の
値上り
にな
つて
おります。その
計算
いたしましたのは、先ほど
平井
事務局
長及び
次長
から話がありました
よう
に、従来
通り
の
供給
地点別の
契約
によ
つて
計算
をしております。それが
一つ
。 もう
一つ
は、二十九年度において使用するキロワット・アワーを相当大きく見込んでおります。
従つて
それが二段
料金
にかかる、そういうことで六割九分という
数字
が出たわけでありますけれ
ども
、
事務局
長、
次長
から話がありましたそれで
計算
してみまして、東京では二割一分見当の
数字
が現在出ております。これにつきましては、各私鉄さんの方も現在では了解しておられる、そう私
ども
は見ております。
加藤博見
16
○
加藤
参考人
関西の私鉄について申し上げます。関西の私鉄は五大私鉄並びに大阪、京都、神戸の三市電、そういう
電鉄
が大部分でございますが、その
平均
の
値上り率
は、先ほどの御
説明
にありました
よう
に、いろいろな特別の措置を
考え
ました結果、
平均
して一九・三%にな
つて
おります。そのうち五大私鉄におきましては
平均
二一・六%ぐらいに調整できるというふうに
考え
ております。なおこれにつきましては運賃
値上げ
まで特別の措置を講じたいと
考え
ております。
平井寛一郎
17
○
平井参考人
なお
電鉄
関係
といたしましては、今度の税法
改正
の面で
電気
ガス税が、
電気
鉄道
関係
につきましては今回免除されることに今国会で御審議が進んでおるやに伺
つて
おりますが、これで今申し上げました
数字
より約一割ほど下まわ
つたの
が実際の
電鉄
事業の業界への
影響
であるというふうに御
理解
していただけばけつこうだと
考え
ます。
松原喜之次
18
○
松原委員
ちよつと結論的な
質問
に対する御答弁が抜けているのですが、なお補足して、ただいま聞いたところをも
つて
いたしましても、一四・四%よりはいずれも上まわ
つて
おる
よう
であります。そこで特に
大口
電力
需用者でございますと、
電力会社
に対して相当大きな発言権を持
つて
おられて、すでに事前にそういう緩和救済の手段さえも講じておるということでありますが、一般小口需用者になりますと、そういうふうな適切な早急な是正は非常にむずかしかろうと思うのであります。そこで結論的に出て来るものは、先ほど申した
よう
に、
電力会社側
としてはおそらく相当のリスクを見込みながらこの
数字
を出しておられると思うのであります。
従つて
先ほど来聞いた
よう
に、その例をも
つて
しても一四・四%よりは相当上まわ
つて
おる。しかもそれは相当救済手段を講じた結果である。救済手段を講ぜられないその他の多くの企業ないし
家庭
等においては、この予想以上の上まわつた
値上り
になるかもしれない。ならないということは保しがたい状況であると私は察するのであります。従いましてそういう際に、
電力会社側
としては予期以上の収入があつたというふうな場合に、今度は経営費が高くな
つて
、結局は利益増にもならないという
よう
な詰まらないことになるかもしれない。そういうことを
考え
ますと、
電力会社
をいじめるのではありませんが、
国民経済
の立場から申して、そういうふうな予想以上の増収があるということは好ましくないことでありますから、これに対してどういうふうに
考え
ておられるか、そういう場合には何か特別な方法を講ずることを
考え
ておられるかどうか、そういう点について
話合い
等がなかつたかどうか、こういう点について承
つて
おきたいというのが、先ほどの結論的な、
質問
であります。
平井寛一郎
19
○
平井参考人
先ほど来るる御
説明
申し上げました
電鉄
とか特殊なものは、実は従来特に
料金
が安かつたために、今回
割当
制度
の姿からより公平な姿に前進をいたしました
関係
上、
値上り
倍率が
平均
より上まわる傾向の出る産業が多く問題にな
つて
おると思います。
電鉄
もその例なのでございます。しかしながら全体を通じて見ますならばこの
値上り
倍率は、たとえば
電燈
の
全国
の
平均
値上り
倍率は一六%程度にな
つて
おりますし、それから
電力
につきましても、これは一七%強の
平均
にな
つて
おります。こういうことで全体の
平均
値上り
倍率というものは決してそう不当に高くな
つて
おらないのであ
つて
、当初に申し上げました
よう
な
平均
値上り
倍率の
一つ
の
内容
にな
つて
おります
電鉄
やその他の場合と違いまして、逆に
平均
値上り
倍率が非常に低いものもございます。
業種
のうちでも、お手元の営業調書の第二ページ目の表をごらんいただきましても、この
調査
の範囲内においての一般
大口丙
で
特約
以外のものでありますが、たとえば右の
数字
、あるいは左の
数字
等ごらん願いましても、現在より下つた
よう
な結果にな
つて
おるものもあるのでございますが、
値上り
倍率の
平均
が非常にわずかしか上らないものもあるのです。こういうふうで、そういう
影響
の少いところは割合声がないのですが、私
ども
の手元で全部集計いたしますと、大体申し上げました
よう
な
平均値
にな
つて
おるのであります。それからなおここにあります
業種別
の
平均
というのは、御
承知
の
よう
に
全国
地域によ
つて
値上り
倍率が若干違
つて
おりますので、その
業種
の地域分布の次第によりましては、必ずしも
全国平均
と合わない面はどうしても出るわけでございます。一例をと
つて
申し上げますと、これは関西あたりの紡績の例でございますが、従来は紡績の場合に、関西でもやはり一番安いのと高いのと同じ紡績の
需用家
であ
つて
倍以上違
つて
お
つたの
です。それで一番安い
需用家
の方は、どうしても
値上り
倍率が
平均
よりよけい上まるのです。ところが高いところはちつとも上らない、あるいは若干下るところもあるわけです。その
平均
は紡績産業の
平均値
で、
全国平均
はここにある
よう
な形で、決して御懸念はないと私
ども
は信じております。それからこの
計算
にはいろいろ含みがあるから、もうけが出るのではないだろうか、まことにごもつともな御
質問
でございますが、私の方としましては、やはりいろいろの
計算
で
家庭
はもうけておりますので、その辺であるいはもうけの形が出るか、あるいはそうでなしに赤字の形で出るかわかりませんが、そういう食い違いは出るかと思いますが、できるだけ良心のもとにこれをや
つて
おりますので、大きなそうした食い違いがあ
つて
、
皆様
から御批判を買う
よう
なことはない
よう
にと、実は努力いたしておる次第でございます。
松原喜之次
20
○
松原委員
最後
にこの際承
つて
おきたいのですが、
電力会社
の方もおられる際でありますから承
つて
おきたいと思うのでありますが、先般世界銀行の資金でございましたか、お借りにな
つて
、そうして火力発電
設備
について、アメリカから
設備
を輸入される
よう
なことに
なつ
たやに承
つて
おります。それは在来の日本でつく
つて
おつたものよりは効率が数十パーセントよいとかなんとかいう
意味
で、それをお入れになるという
よう
な理由も承
つて
おるのであります。しかるにそれに対して一方メーカー側の日立製作所等からは声明が出ておる
よう
に思うのであります。もはや日本の技術はさ
よう
なものを輸入する必要のある
段階
でないのであ
つて
、なるほど今までのものは劣
つて
おつたかもしれぬけれ
ども
、今かりにわれわれにあつらえてもらつたならば、決してアメリカのものに劣らざるものをつくり得る、こういうことであつたと思います。何と申しましても国策的な立場にある
電力会社
でありますからして、日立の申し分に対してわれわれがこれに加担するという方が正しい
よう
な気がするのでありますが、われわれはこの間の詳しい消息がわからない。これに対してはたして事実であるかどうか、また将来そういう
電力会社
方面
のお
考え
を持
つて
おられるのかという点について、この際聞かせていただけばたいへん幸せだと思います。
平井寛一郎
21
○
平井参考人
外国の機械を輸入するということは、
電気
事業者としては極力避けたいと思
つて
おります。やはり国内の産業が発展するという
意味
において国内の電機メーカーの発展することを念願するのであります。
従つて
できるだけそういう観点に立
つて
おりますが、にもかかわらずたとえば九州、関西、中国等におきまして若干の外国機械を輸入せざるを得なか
つたの
は、ち
よう
どこの三社におきましてはこの話が出ましたのが昭和二十六年ごろなのでございます。その当時の日本の火力発電
設備
の製作技術の水準と申しますると、たとえば例を気圧だけにと
つて
みましても、現在国内でつく
つて
おりまする最高気圧級のものはわずかに六十気圧級のものであります。ところが今回輸入のものは九十気圧級のものでありまして、性能の点においてもはるかに高いのであります。輸入をするかどうかにつきましては、経済比較もありますし、いろいろしたのでありますが、何しろ技術的にそうものができる
段階
になかつたものでありますから、これは
一つ
のモデル・ケースとして入れることにいたしたわけであります。外国ではもつとそれより高い技術のものがどんどん出ております。九十というのはもう標準型であります。そういうものを早く日本に若干輸入することによ
つて
日本の技術の水準の足がかりとしたらどうだろうというのが
一つ
の目標でありますし、もう
一つ
は、あの当時は資金のわくの面で、これの注文をいたしました場合に外貨がついて来る。そうすると国内の資金のわくの苦しい中と別途に金も貸してくれるという面もあつた。そうした経済的な面あるいは資金上の面、いろいろ勘案いたしまして、この輸入を
申請
いたしましたが、
政府
におかれましてもこの点は非常に慎重な検討をせられました結果、これは必要であろうということで輸入を御許可にな
つたの
であります。最近におきましては、それから後になりまして、若干東京
電力
あたりで輸入という話が出ております。これはその当時と違いまして、国内ではどうにも安心できない
よう
な特殊の高度の性能のものを部品として輸入するという程度にとどま
つて
おります。将来はおそらく国内の技術水準は、こうした外国の実物を目の前に見ることによ
つて
、日立さんがおつしやる
通り
に国内で十分のものができる方向にだんだん行くのではないかと
考え
ております。なおおつしやいまする日立さんの
お話
も、現
段階
におきましてはやはり日立さんに御注文申し上げても、部品については輸入のものがあるということをはつきり申し上げておきます。これを全部なくすることが日本の目標だと思いますが、やはりそういう方向に前進するためには、若干のこういう策もとらざるを得なかつたという点も御
理解
願いたいと思います。
加藤宗平
22
○
加藤委員長代理
杉村君。
杉村沖治郎
23
○杉村委員 ここにたくさん資料をいただきましたし、いろいろ御
説明
を承
つたの
ですが、こういう
数字
的の資料をここでいただいて
説明
を聞いても、この資料についてすぐいろいろお伺いするということは困難でありますし、先ほどから見ておりますが、お出しくださつた
数字
にも間違いがあるということで、今
数字
上について御
質問
を申し上げていろいろ伺うことができないのははなはだ遺憾とするので、他日また
数字
上のことはよく研究しまして伺いたいと思
つて
おりますが、先ほど前の委員がいろいろ
質問
された
よう
に、この資料はもちろんあなた方
電力会社
から見れば正しいということでお出しにな
つたの
でし
よう
し、今までわれわれが
需用者側
からいただいた資料を拝見しますれば、またその
説明
を拝聴いたしまするならば、これまたごもつともの
よう
にわれわれは感じられるのでありまして、両者いずれが正しいかということは、この両資料をよくつき合せて検討してみなければ、われわれにもほんとうの点は納得が行きがたいのであります。さ
よう
な点につきましては、他の機会において御
質問
を申し上げたいと思
つて
おるのでありまするが、先ほど
平井
さんの
お話
のうちに、要するに
政府
の
緊縮財政
政策には全面的に賛成をなさる、こういう
お話
があ
つたの
でありますが、今の吉田内閣は、大蔵省では物価の一割
値下げ
を標榜しておりまするし、日銀におきましては二割の物価
値下げ
をやろう、こういう
よう
なことにな
つて
お
つて
、これができなかつたならば、いわゆる現内閣の財政政策の破綻を来すというくらいに真剣にやる、こういう
よう
なことを言われておるのであります。ところが
政府
の緊縮政策に全面的に御賛成なさるというお言葉と、この
電気料金
の
値上げ
というものは、正反対になるんじやないかと思われるのでありますが、大体この面から見ましても、二割近いところの
値上げ
ということになりまするが、この
電気料金
の
値上げ
をいたしました結果、それはいろいろりくつはありまし
よう
けれ
ども
、何とい
つて
もそれだけの物価が上るということは、われわれしろうとが
考え
ても、どうも上る
よう
な気がするのでありますが、あなたの先ほどの
政府
の緊縮政策に全面的に賛成だということと、この
電気料金
の
値上げ
ということは、われわれはどうもあなたの
お話
には納得できないのであります。そこで今こまかいことを伺
つて
お
つて
もしかたがないんですが、私は聞くところによれば、
電気
会社
が一割五分くらいの利益配当をしておる、こういう
よう
なことを聞いておるのであります。さらに私
ども
が
調査
したところによりますると、先ほどあなたもおつしやられる
よう
に、なお
政府
資金を要請しておるというのでありますが、今までに
政府
からどれくらいの資金があなたの方に行
つて
お
つて
、その総額がどれくらいであ
つて
、それの利子が幾らであ
つて
、どれくらい償還にな
つて
おるか、そういうこともひとつこの際伺いたいのでありますが、おわかりでありましたならば、まずそれらから伺いたいと思います。
平井寛一郎
24
○
平井参考人
最後
の
政府
から借りておりまする資金の点について、手元にわか
つて
おる限りの資料で御
説明
申し上げます。
福田勝治
25
○
福田参考人
二十九年三月三十一日現在の予想でありますが開銀から借りております金額は、大体一千九十三億程度だと
考え
ております。これは九
電力会社
の固定負債総額二千六百三十二億に対して一千九十三億借りておる、大体こういうことに相な
つて
おります。それで昭和三十年三月三十一日の予想では、大体千四百億程度に相なるかと思います。御
承知
の
よう
に開銀の
金利
は現在七分五厘でありますのを、六分五厘にしていただきますので、一分だけ引いていただく
よう
な予定でありますので、約十三、四億のものが一分引くことによ
つて
浮いて来るという勘定に相なります。大体どのくらい償還して来たかという金額は、今のところちよつとわかりませんが、現在残
つて
おりますのは大体そのくらいのものであります。
杉村沖治郎
26
○杉村委員 私
ども
が調べたところによりますと、相当多額の大きな
会社
ばかり——あなたの方でここに出されましたこの表の、特別
大口
何とかいう表のうちの住友——住友はここに入
つて
おりませんが、要するに北海道、東京、関西、中国、四国、九州以下書いてあるこれらの
会社
、そのほか合せますると莫大な、三千五百四十七億九千九百九十余万円、これは私の
調査
でありますから、私の
数字
が誤りでないとも限りませんが、なおそのほかに小さい
会社
に対しても、こういう
よう
に見返り資金等から金が出てお
つて
、これらの償還がどうな
つて
おるか。これは昭和二十九年二月九日現在の
調査
にな
つて
おるのであります。とにかくこの莫大な金は
国民
の
税金
であります。こういう
よう
なたくさんな
国民
の
税金
を、いわゆる独占事業である
電気
会社
もとより国家経済の根幹をなす
電気
でありますから、われわれも決してこれに国費を使うことが悪いとは
考え
ませんが、こういう
よう
な莫大な
国民
の
税金
を借りて事業をや
つて
、一割五分も配当をしてお
つて
、それはいろいろりくつもありまし
よう
けれ
ども
、さらにここに
値上げ
をするという
よう
なことは、われわれはとうてい承服することができないのであります。いずれこの表を検討いたしまして、さらに詳細なる検討の結果、またお伺いしたいと思うのでありますが、今まで私
ども
が
参考人
の方から伺つたところ、そのほか日本の各新聞の論説等を見ましても、ほとんどこの
電気料金
の
値上げ
に賛成しておるところはないのでありまして、われわれははなはだ承服できないのであります。さらに昭和二十九年度に、聞くところによると、まだ調べておりませんが、三百億くらいの資金要請をしておるという
よう
なことでありますが、造船
関係
におきましても、そのほかの特殊機関
関係
におきましても、こういう
よう
な
政府
の特別機関が
国民
の金を使
つて
おるというのは、はたしてこれがほんとうに正味
電気
事業に使われて、おるかどうかということまでがこのごろは疑われて来ておるのです。造船
関係
がああいうことがあるから、
電燈
会社
にもそういうことがあるのじやないかという
よう
な
考え
を持つことは誤りかしれませんが、どうも私
ども
がいろいろな立場から財政
関係
を調べてみますると、ほとんどどろ沼に足を踏み込んだ
よう
な状態であります。いずれこの
電燈
会社
のこともひとつ研究はしてみたいと思
つて
おりますが、そういう
よう
ないわゆる財政政策、経済政策において、
電燈
会社
あたりでは何も間違いなく、ほんとうに合理的に事業を運営されておるかどうか、ひとつ
お話
を願いたいと思います。
平井寛一郎
27
○
平井参考人
御
承知
の
よう
に
電気
事業の経営は、一面において独占が法定されておりますると同時に、これには厳重なる監督の基定を設けられております。そうしてそれによ
つて
独占の弊を食いとめる、同時にサービスの改善を意図する
よう
な強力な措置がとられております。たとえば会計規則につきましても、
法律
に基いて会計規則が
政府
できめられておりまして、費目のわけ方その他こまかいところにまで、
政府
は方針を立てて、厳重なる監督をいたしております。私
ども
といたしましては、こういうサービスの事業であるしいたしますので、特に配慮いたしまして、そういう
よう
なことのない
よう
に努力いたしております。その点は御心配のない
よう
に願いたいと思います。 それから資金の面でございますが、例を二十九年度の資金にと
つて
みますと、私
ども
の二十九年度の資金計画の総わくは、千四百六十六億に圧縮されております。その中で、開銀から三百数十億の金を予定いたしております。遺憾ながら終戦直後しばらくの
段階
におきましては、なかなか
料金
の
値上げ
も遅れがちでありましたりして、無配当等が続いておりまして、
政府
からの援助資金等の占める割合も大きか
つたの
でありますが、順次自己調達のわくを広げる方向に善処いたしております。しかしながらここで御
理解
いただきたいと思いますことは、先ほどの一割五分はどうだろうという配当の面についての御
意見
は、ごもつともな御
意見
であろうと思いますけれ
ども
今回の
料金
申請
に予定いたしておりますのは、配当は一割二分という
基準
で出しております。現在は確かに一割五分の配当をいたしております。しかし、その一割五分の配当をしておる
段階
における株の相場はどうであろうかと申しますと、
会社
によ
つて
違うのでありますが、額面をわずかにすれすれに上
つて
おるものと、むしろ下まわ
つて
おるものとがある
よう
な状態であります。その中で、ちよつと
料金改訂
問題についての不安な情報などが伝わりましたら、ただちにそれに大きく
影響
を受けまして、たとえば東京
電力
の株価は、数日前までは、五百十数円しておつたものが、額面を割
つて
、現在は四百五十円ぐらいに下
つて
おるという状態にあるのであります。非常に敏感な株式市場その他の中で、普通の既設の
工場
をも
つて
の操業だけにとどめるならば、その点では非常に安定した、できるだけ経営を
合理化
する
よう
な方法も楽なんであります。しかし御
承知
の
よう
に、
電気
事業は
電源開発
という大きな使命を託されております。その遂行こそ日本産業発展の基盤であると
考え
て、今一生懸命にや
つて
おりますが、この
開発
をいたしております
関係
上どうしても年々多額の
開発
資金を必要とするのであります。今は確かに資金のきゆうくつな中でありますので、一部
政府
からも融通していただいたりしておりますが、この
金利
が非常に大きく占めるのであります。新設の部分については、
資本費
の
負担
だけで大部分を占めるという
よう
な状態であります。冒頭に申し上げました
よう
に、今回の
料金
の
値上げ
も、そういう
よう
な非常に高い
設備
ができたために
平均
原価
が上
つて
、そのうちの
資本費
の一部がどうしてもまかなえないので、それをお願いしておるのであります。しかし私
ども
としては、そういうものをできるだけ
需用家
に転嫁しない
よう
にという
意味
で、昨年の春以来
政府
から御融資の
金利
については、七分五厘であつたものを、五分程度までは下げていただきたいとお願いし、
税金等
についても、それぞれの費目について減免の措置をお願いする
よう
な運動をしております。みなそういうふうにして、いろいろの特殊な御配慮をいただくならば、
基礎
産業としての
電気
の
原価
の上ることを、その幅だけは十分防止できますし、それによ
つて
日本の
生産原価
もできるだけ安くなる方向に行くことを念願いたしておる次第であります。しかしそれでも実を結ばないものについては、どうしても若干の
値上げ
をお願いしない限りは二十九年度はただちに赤字になるのでありまして、配当もできなくなる、しかも工事中の工事資金は集められなくなる、そのために
開発
の問題すら推進できなくなることにな
つて
、非常に
電気
の
不足
している実態の中でそれをとめるのは、非常に望ましくない姿になります。
従つて
、私
ども
といたしましては、やはり最小限度の配当——今度の
申請
も一割二分程度で、実際額面を維持できるかどうかは、市場の状況次第でわかりませんが、安定したこういうふうな配当をさせていただくならば、資金の調達もどうにかできるのじやないか、こう
考え
ておる次第でございます。
杉村沖治郎
28
○杉村委員 ただいまあなたの御
説明
で、
電源開発
資金がいるということでしたが、これはわれわれは十分
承知
しておるのです。
承知
しておるけれ
ども
、あなた方のふところの金を出しておるのではない。ほとんど大部分が
政府
の資金、
国民
の金を出しておるのであります。あなたは一割二分の最小限度などと申しますけれ
ども
、今日
政府
の金、
国民
の金を借りて使
つて
お
つて
、一割二分の配当などということは、少しぜいたく過ぎると私は
考え
ておる。五分かそこらでたくさんじやないかとわれわれは
考え
ておる。こういう事業は、普通の事業とは違うのであります。それについてあなたの
お話
は別に伺わなくてもけつこうなんです。が、さらに伺
つて
おきたいことは、要するに復金の見返り資金から
電気
会社
が借りた金の償還期が来ておるものは、全部償還されておるかどうか。それから利息もみな返
つて
来ておるかどうか。その点いかがでございますか。それだけ伺
つて
おきます。
平井寛一郎
29
○
平井参考人
政府
から借りておる金はもちろん、借りた金についての
金利
の償還は約定
通り
みな返しております。
加藤宗平
30
○
加藤委員長代理
菊川忠雄君。
菊川忠雄
31
○菊川委員 二、三の重要な点だけお尋ねいたします。その前に御
参考
にお尋ねしますが、この
委員会
におきましては、二、三日前
関係
の
電力
需用者においでを願
つて
、
参考
に
意見
を聞いております。それは大体書面によ
つて
提出されまして、それをそれぞれの業界のしかるべき代表者から口頭で敷衍
説明
を願
つたの
であります。
従つて
速記録に残
つて
おるわけでありますが、いずれも
改訂
の結果から来る
電気料金
の
値上げ
については、
数字
で推計した報告を受けておりますが遺憾ながらただいま伺いました
電力会社側
からの
数字
とは相当食い違
つて
おるのであります。先ほど来それにつきましていろいろと御
説明
を伺
つたの
でありますが、いずれが正しいかわれわれは後刻検討するにいたしましても、ここで二つのことをお尋ねしたい。
一つ
はこういう
電力
の
大口
需用者のしかもその業界の団体、たとえば日本機械工業会だとか、
硫安協会
であるとかあるいは
石炭
協会であるとか、こういうものが正式にきめておるところの
意見
と、
電力会社
の
申請
された
数字
が、われわれの手元に出た場合にはこの
よう
に大きな食い違いがあるということは、一体何に
原因
があるとお
考え
になるか。先ほど来の御陳述を伺いますと、今回の
改訂
は
料金
の
制度
と
料金
率との
総合調整
であるから、それぞれの具体的な場合によ
つて
複雑な
影響
があるわけですから、推定に困難があるということは察せられるのであります。けれ
ども
この
よう
な大きな食い違いがあるということは、そういう実情がわからないからこういうことにな
つたの
で、今後話をすればわかるのだし、今までの御報告によると、すぐに了解を得ているということでありますが、そういう程度に一方的な不徹底あるいは誤解に基くというふうに
電力会社
では解釈をと
つて
おられるのかどうか、その点が
一つ
。 なおそれに関連してですが、こういう
料金改訂
は今、国会に限りません。ところが
電力
事業というものは、公益的な事業の性質から見ても、独占的な企業であるという面から見ても、その
影響
がそれぞれの産業におけるコストに及ぶという観点から見ても、当然それぞれの業界の代表との間に何らかの正式な
話合い
があ
つて
申請
をされるのが、今日の時代における適当なやり方ではないかとわれわれは
考え
ている。これは民主的な常識をも
つて
すれば、公益事業を経営される方が
考え
ないのがおかしいのです。そういうことを
考え
てお出しにな
つたの
か。出した結果、業界から非常な反対があ
つたの
でびつくりして事後に了解工作をや
つて
おられるのか。一体こういう場合においては、従来慣例としておやりにな
つて
いないのかどうか、この点をお尋ねします。それからなお、それはわれわれが一業界の代表者と会
つて
実情を調べるまでもなく、これは
電力
事業を経営する者として、公益性、社会性にかんがみて独自の協会その他の機関でも
つて
十分
調査
をしているんだという確信を持
つて
おられるのか、この二点をお伺いしておきます。
平井寛一郎
32
○
平井参考人
最初の御
質問
は誤解があるのではないかということでございますが、この点は最初にいろいろと申し上げました
よう
に、私
ども
といたしましては十分了解していただける、また今日においては相当御
理解
を実情においては見つつあると思うのです。ただここで御了解を得たいと思うのは、現在
申請
しております
値上げ率
の問題についても、その
内容
等につきまして
政府
が御
審査
の結果どういうふうに御査定になりますか、そういう点で
申請
通り
にきまるとはやはり需用者の方では
考え
ておられませんで、下話はいろいろありますが、それで
契約
するというところには行かないのであります。そういう程度の
お話
でありますので、多少その点での営業取引上の
関係
もありまして、対外的な発表についてはそういうふうな線はあるかと思いますが、現実にお
話合い
は具体的に進んで、おおむねこれで御
理解
の願える線に達したものが多いのであります。これはひとつどこかの
会社
の例についてその辺の空気を御
説明
いたしたいと思うのです。 それから業界と事前に話をしたか、どうか。これは何もかもすべての業界に事前に
お話
をするということはできませんでしたけれ
ども
、
硫安協会
とか日化協とか、そういうふうな特に
電力
に利害
関係
の多い
よう
な産業団体
方面
には、ものによ
つて
は何回も御
説明
に上つたりしております。そういうふうにして私
ども
は
申請
したのでございます。
菊川忠雄
33
○菊川委員 聞けばますます私は疑問を持たざるを得ないのです。
硫安協会
その他に対して事前に
話合い
を何回もされたというが、
硫安協会
から本
委員会
に出されている
意見
書なるものは、
電力会社
と
話合い
をしてあなた方の言い分もわか
つて
いたが、しかも納得できないところから出た決定的な反対
意見
であるということの、われわれの
一つ
の
参考
になるわけなんです。しかるに今の
お話
によると、それぞれの
話合い
を進めておられる
よう
であります。一体どちらがほんとうでし
よう
か。 いま
一つ
は、個々の業者は大体これならいいという目安で交渉しておられるのですか。しからば
平均
一一・四%、実情は二〇%以上という
値上げ率
になるという線で、それぞれの
関係
の
大口
の業者と
話合い
をしておられるのか。これはいずれ公益事業局から査定をされるのだからというので、山をかけた——実際妥協
数字
は別にお持ちで話をされているのか、その
内容
はどちらなんですか。
平井寛一郎
34
○
平井参考人
絶対に山はかけておりませんからその点は御心配いりません。 今特に化学
関係
での
お話
が出ました。先ほ
ども
御
説明
申し上げたのでありますが、もう一度御
質問
の点に触れて補足的に御
説明
申し上げたいと思います。同時に具体的な
話合い
の進行状態を、どこか
一つ
の
会社
の実例について、具体的に
説明
させていただきたいと思います。
福田勝治
35
○
福田参考人
今の
お話
の
硫安協会
の点でありますが、
硫安協会
の方々につきましては、先ほど申し上げた
よう
に、事前に
料金制度
は今度はこういう
よう
にしたいんだということで、いろいろと
話合い
をしております。ところが一体
値上げ率
を幾らにするかということについては、ごく最近
申請
するまでもちろん発表するわけにも行きませんので、その直前に一度
硫安協会
には
値上げ率
はこういうふうになるということは話しております。事前に話しておりましたことは、
料金制度
はこういうふうにやるということについていろいろ
話合い
をしておつたわけであります。それで
硫安協会
から出ているこの資料でありますが、これは
硫安協会
の
考え
方とわれわれのとは非常に違
つて
います。その点は
硫安協会
では、先ほど申し上げました
よう
に、われわれとしては特別
契約
でや
つて
いただくのであります。現に昭和電工さんにはすでに去年から特別
契約
をや
つて
お
つたの
であります。ところが今回
硫安協会
で出された
数字
は、そういう
特約
でなく、規定
料金
でその
料金
をはじいておられるのであります。規定
料金
ではなくと非常に大きな
値上り
になるわけであります。従来
特約
でや
つて
おられたものを今回規定
料金
でおはじきになることになりますので、こういう大きな
値上り率
になると思うのであります。先般われわれ
硫安協会
の方々にもそういうことを申し上げましたら、いやそれは規定
料金
ではじいているんだ。なぜ規定
料金
ではじいたかというと、それは
特約
ということがわからないからはじき
よう
がないんだ、こういう
お話
なのであります。われわれとしては特別
契約
というものは、各
会社
個々の需用の特性に応じて個々に
契約
しなければならないわけでありますので、総括的にはこういうものだということは言
つて
おりますが、個々の
需用家
については個々に
お話
を申し上げまして、これは個々の、
需用家
の特質に応ずる
よう
な
契約
になるわけでありますので、当然これは個々に交渉しなければならぬことになるのであります。われわれとしては今われわれが
申請
したときに
考え
ておりましたのは一応このくらいのことであるということで個々に交渉に当
つて
いるわけであります。大体その交渉で
需用家
がこのくらいならはかろうという程度の了解を得ているのでありますが、得ていない
会社
も多少あります。それは従来
需用家
が、たとえば五千キロお
使い
にな
つて
いらつしやつたものを、今度は急にその二倍の
電気
をくれという
よう
な
お話
が出るものでありますから、そういう
需用家
についてはいろいろの点において交渉が未解決にな
つて
いるというのが現情であります。大部分の
需用家
については、先ほど私の
説明
申し上げたこの
影響調査
表でおわかりになる程度に納まる、今後はそういうことに相なると
考え
ている
よう
な次第であります。
菊川忠雄
36
○菊川委員 今の御
説明
は一方提出された資料の信憑性という問題にもなりますから、私の方でよく調べてみたいと思います。 次にお尋ねしたいのは、先ほど私遅れて参りまして、
最後
の
平井
さんのお言葉の中に、カバーできるものとわれわれは
考え
ておるというふうな御
意見
があ
つたの
であります。これを私は確認をしておきたいのでありますが、一体そういう御見解があ
つて
、それが今度の
申請
の中に入
つて
おるのですか。もし事実そういう
生産
増強
によ
つて
カバーできないという
よう
な実証があれば、
電気料金
の
改訂
を
申請
されるということについては無理があるということを、またお
考え
直しになるのかどうか。これは重大な問題でありますからこの点をお伺いしておきます。
平井寛一郎
37
○
平井参考人
生産
増強
によ
つて
カバーできると、そういう
よう
な表現ではなかつたと思いますが、あるいは申し上げそこ
なつ
たためにそういう御
質問
をいただいたのじやないかと思います。ただこういうつもりで申し上げておるのであります。というのは、今
電気
が足りないのであります。それにこういう
緊縮財政
の中で、ただ一律に緊縮するということで
電力
増強
もやめておくという形では、
電気
は足りない。一方
工場
の
設備
は余
つて
いるという
よう
なでこぼこのままの姿で、ただ不自由をしんぼうするというので、足りない
電気
のわくの中でやれば
生産
に制限が来るのであります。しかし私
ども
はやはりこの際
電源
を
開発
して
電力
を
増強
することによ
つて
そういう
不足
面を補足して、
生産
と消費の面がマツチする
よう
になる。これは産業全体の
合理化
だと思います。そういう
よう
な形をとることによ
つて
自然増産ができると思うのです。それで
工場
の需用にしましても、現在、たとえば化学工業等についても、北陸の例をと
つて
も、電解電炉の
工場
設備
が今までのところはせいぜい四〇%ぐらいの稼働しかしておりません。今回の
料金
申請
の中ではこれを五〇%まで上げることにな
つて
おります。将来
電源
が
増強
されれば、それに応じて
工場
の
設備
その他も
稼働率
が上る。確かに
料金
を
値上げ
すれば
生産
費に響くことは当然なのでありますが、しかしその響きますものも、将来にわた
つて
の増産という形によ
つて
、厳格に言えば、順次そういう面から安くなるという点から吸収される面があるという
意味
で申し上げたのでありまして、そうした個々のつながりにおいて申し上げたはずではなか
つたの
であります。その点を、間違
つて
おりましたらひとつ御
理解
を願いたいと思います。
菊川忠雄
38
○菊川委員
電源開発
の使命は、言うまでもなく豊富低廉良質な
電気
の
供給
であります。従いまして悪質で高い
電気
を
供給
してもらうということをわれわれはお願いしたわけではない。そこに問題があるわけです。
従つて
悪質で高い
電気
を
供給
されたならば、結果においては
生産
コストに響いてかえ
つて
逆な結果を引起す場合もあるわけであります。今の
お話
だと、
電気
の
供給
さえ豊富であれば、豊富低廉にして良質の
電気
の点はわれわれにまかしておけばいいという
よう
なお
考え
があるのではないかという心配があるのです。そこで私は
一つ
の例として、先般の
委員会
で私鉄の方から提出された資料——これは関西奈良私鉄の表でございますが、
原価
構成推移表というものを提出をされております。それによれば、
電力
費だけは二十二年度四・二%からずつと急カーブが上
つて
来て、二十七年下期には一〇・九%というふうに上
つて
おるのでありますが、そのために圧迫を受けて、他の材料費、あるいは人件費、諸経費というものが非常に削減を余儀なくされておる。ことに人件費などの
ごと
きは、私鉄の
ごと
きああいう相当活発に運動される組合を持
つて
おる企業でありましても、二十二年度の六〇・一%に対し、二十七年度下期には四七・三%というふうに下
つて
おります。こういうふうに見ますと、たとえば、これは私鉄の方の表だけで申し上げるのでありますが、こういうふうに
電力
費というものが、コスト構成の中の非常な大きな部分を占めて行き、高ま
つて
行
つて
、他の重要経費を圧迫するというふうな状態にある。これはもちろんもつとしさいに検討しなければなりませんが、たとえば私鉄の経営がはたして健全であるかどうかというふうな問題もありまし
よう
けれ
ども
、ともかく
電力
費がこういうふうに高ま
つて
来ることによ
つて
、私鉄は経営上非常な困難に陥
つて
おることは事実であります。
電力会社
では今度一割二分の配当をするために
申請
されるわけでありますけれ
ども
、私鉄では御
承知
の
よう
に四十社が欠損または無配の状態にございます。こういうふうなことを見る場合に、一体
一つ
の私鉄を
考え
てみた場合にも、簡単に
電力
さえ
供給
すれば、値段は多少上げても、それによ
つて
操業ができ、輸送力もふえ、お客もふえてカバーできるのだというふうな断定が下せるとお
考え
ですか、こういう点であります。
平井寛一郎
39
○
平井参考人
現在
電気
が足りません中で、こちらにぜひほしいというふうに無理にお
使い
になるものですから、電圧も下り、
不足
も来しておるのであります。確かに
電気
はそういう
意味
においてサービスが十分でないという非難もあると思います。これはやはり
電源
を
増強
して十分
電気
を送ることによ
つて
そういう問題は解決すると思うのであります。豊富低廉というお言葉がございましたが、これは何しろ物価水準が移動した過程の中で申し上げることは、どうしても話がむずかしくなりますが、私
ども
は豊富低廉な
電気
を現在の経済
事情
の中でできるだけ
供給
するというのを
建前
に
考え
ております。確かにそういうふうな
意味
で、私
ども
はいかに
電源
の
開発
が必要かというところからこの問題をぜひひとつ御
理解
をいただきたいと思うのであります。 それからあとの方の御
質問
でございますが、私
ども
手元の資料を見ましたが、
電鉄
の経営費の中で
電力
費がどのくらいを占めるかという
数字
はちよつとわかりませんが、手元の他の資料によ
つて
見ますと、必ずしもそういうふうにはな
つて
いないのではないかと思います。御引用の資料はどういう統計かわからないのでありますが、ただ問題は、戦後だけでなく、戦前
電鉄
はどうな
つて
おつたかということも
考え
なければならぬと思います。それでこういう点だけは御
理解
願えると思うのでありますが、
電気
事業は終戦後ずいぶん長い間無配の状態でございます。終戦後約十年の間に最近三期配当を続けております。その前に一期や
つて
また無配また一期やつたという状態がある程度でありまして、無配の期の方が多いのでございます。
電気料金
の
値上げ
という問題は、こういう
よう
に固定資本をも
つて
経営する産業であります
関係
上、またそういう点で資産を食いつぶすという点においても時間的に多少しんぼうできるという
意味
もあ
つたの
でありますが、国家の政策としても
電気料金
の
値上げ
というものは極力抑制して、他の産業の復興をまず意図せられたという時期も、終戦後にあ
つたの
ではないかと私
ども
見ております。従いまして、戦後の今の
数字
だけ比べました中で、もしそういうことが事実だとすれば、
電気料金
の
値上げ
の過程が非常に遅れており、現在でも
値上げ
の倍率は、一般の物価の
値上り
より、戦前に比べますとずつと低いという
点等
をも含めて御判断いただけたらいいのではないかと思います。
菊川忠雄
40
○菊川委員 私も
電源開発
については及ばずながら熱意をも
つて
大いに勉強しておるつもりでありまして、
従つて
四国あるいは奥只見まで行
つて
勉強させてもら
つて
おるのであります。日本の
電源開発
が奥地
開発
になるために資金がいることはわか
つて
おるのであります。そこでこの問題は一応それにいたしまして、先ほど杉村氏からお尋ねした問題でありますが、私
ども
の調べてもらつたところによりますと、日本の
電力
事業というものは、
政府
投資が非常に重い部分を占めておる。先ほ
ども
数字
がございましたが、たとえば昭和二十一年から二十七年までをと
つて
見ますと、復金融資が二百二十七億五千六百万円、見返り資金からの融資が四百二十九億九千三百万円、開銀からの借入れが三百六十二億円、合計千十九億四千九百万円、こういうことにな
つて
おります。今度は
設備
資金の方と比べてみますと、大体現在までの比率が四〇%見当にな
つて
おるのではないか。さらに二十八年度開銀からの九
電力
関係
の四百億、それから二十九年度の見込みが三百五十億、こういうふうに押えてみますと、
政府
投資額は相当大きな額を占めておる。そうして
電気
事業の資本構成率で見ますと、もちろん資本の再評価がございますけれ
ども
、年度にして再評価前を見ますと、借入れ資本が一番多いときにおいて八八・四%を占めておる。再評価後の二十六年上期以後、またこの率は下りましたけれ
ども
、現在においても四一・五%を占めておる。こういう状態にな
つて
おりますから、今後
電源開発
資金をさらに多額に導入しますれば、また三十二年度ごろまでにはおそらく八〇%を越え、九〇%くらいに借入れ資本がなるんじやないか、こういうのが日本の今日の
電力
事業の資本構成の大きな変化ではないかというふうに見て参
つて
おる。こういう
数字
の方は推計もありますから多少の狂いはあるにいたしましても、とにかく大きな部分が
電力会社
に株主だけの出資金によ
つて
はまかな
つて
いないということは決定的であります。そういうふうな企業の経営のあり方というものを今日このまま続けられるということ自身われわれには疑問なんです。それは大きな政治上の問題ですけれ
ども
、たとえばアメリカにおいても今後こういう大きな国家資金り投入を必要とするということは、資本主義、社会主義のりくついかんにかかわらず、コーポレーシヨンという方式をと
つて
や
つて
おる。そうすれば、しこく資本の少い、資本蓄積のなかなかでき上らない日本において、九
電力会社
を中心として、そうしてその資本の一部しか出していないところの株主を中心として経営をされ、そこでも
つて
料金値上げ
の際においても一方的に
申請
をされる、こういつたあり方で、今関連産業あるいは
国民
一般が納得するということは、一体普通に
考え
られることであるのかどうなのか、そこに根本的の問題がある。公益事業局があ
つて
、そこで
政府
として調べていただくのだからよいというだけのお
考え
で
申請
しておられるのか。こういう点について、一体今日の
電気
事業の経営のあり方というものは、この資本構成の
数字
から見てこれでよろしいというお
考え
か、あるいはこれについては何らかの事業自体に相応したところのやり方を
考え
なければならぬという構想をお持ちなのかどうか。そういうことは
考え
なくて、ただわれわれは
電力料
金の
申請
をするについては、そういう資本家、株主の利益の安全を保つということを目途にして
申請
をするならばいいというお
考え
なのか、この点をお尋ねいたします。
平井寛一郎
41
○
平井参考人
今回の
申請
は、株主の利益の安全を目途として
申請
したものというのではなくて、やはり
電源開発
を円満に遂行したいという意図によるものであります。それで確かに
政府
からの融資の面についてはいただいております。たとえば例をと
つて
みますと、二十九年度の資金額は大体千四百六十六億の資金額を持
つて
おる。そのうちで開銀から借入れることに予定いたしておりますのは三百五十億であります。そのほかに債券発行、銀行からの若干の融資等もありますが大部分は内部留保及び自己調達であります。自己調達の資金、だけでも八百四十二億、内部留保二百七十四億を予定し、そういう
よう
な
考え
方で今進めております。ただここで私
ども
がサービス事業としての
電気
事業の立場から非常に苦慮いたしますことは、現在の
金利
は高い。それがために社債にしても、あるいはその他の銀行からの借入金等につきましても、どうしても九%から一二%の
金利
を
負担
せざるを得ない。ところが
金利
が高ければそれだけ
電気料金
が高くなるのでありまして、やはりそういう点で、ある程度
金利
の低い
政府
資金を併用しなければ
原価
が安くならないという
よう
な感じがいたします。開銀の
金利
は、従来の七分五厘が二月一日から六分五厘にな
つたの
でありますが、一般の
金利
と開きがあるという
よう
な点もある。
料金
を上げることはなるべく避けるという
意味
において、私
ども
は、
金利
の引下げとか
税金
とかについても、いろいろ各
方面
に対してお願いを続けている実情にあるのであります。 それから経営の根本問題についての御
質問
がありました。この点については、私
ども
としては、非常に慎重に絶えずいろいろと内部的にも
意見
等を交換いたしておりますが、企業形態をどうするかという御
質問
ではないかと思います。御
承知
の
よう
に、終戦後戦前の統制その他の
関係
ででき上りました経営組織による企業形態が適正であるかどうかということについて、企業再編成令をめぐ
つて
、
電気
事業者の中でも、いかにこれを再編成すべきかということが大きく論議せられ、広く天下の注視するところとなりまして、長く論争の対象に
なつ
たことは、御記憶に新たなことであろうと思います。しかし結果は、現
段階
においては、その後約三年になりますが、現在の企業形態の
よう
な地区別の一貫経営という形態がとられておる。ただここで私
ども
企業形態の問題に触れる場合に、あの長い論争をやつたその間、結局結果的に
電源開発
がおろそかというか、自然円滑に行かなく
なつ
た苦い経験を持
つて
おります。
よう
やくでき上
つて
まだ三年の声を聞かないこの
電気
事業の今の形態をどうするかという問題は、もうしばらく先にな
つて
御検討をいただくことにして、一応今の企業形態ができ上
つたの
を、できるだけその中において国家的な要請として規制をさせるべき面あるいは調整すべき面等について御配慮願
つて
、この企業を育てていただいて、そうした中から将来この面についてまた御検討を願うというふうにお願いいたしたいと
考え
ております。
加藤宗平
42
○
加藤委員長代理
小笠
公韶君
。
小笠公韶
43
○小笠委員 時間もありませんから簡単に事務的なことを
一つ
二つ伺いたいのでありますが、二十九年度の総括
原価
は二千百億という
数字
でありまして、純
不足
二百四十六億、これが
値上げ
の根本にな
つて
おりますが、総括
原価
の中で水の出方をどう見ておるかということをまず伺いたいと思うのであります。 第二の問題は、総括
原価
の
計算
上におきますロスをどう見ておるかということを一応伺いたいと思うのであります。もし総括
原価
二千百億をそのままとりましても、
不足
二百四十六億ということになると、一割二分弱になります。その一割四分四厘の差というものが配当になるかどうかということが
考え
られるのでありますが、それは別といたしまして、まず総括
原価
の中で水の出方をどう見ているか。
石炭
のクローズがあ
つて
、
石炭
の値段が安くなりまして、一七・一%
石炭
の値段が下つたから一四・四%にしたという御
説明
でありますが、水のクローズはつかないものかどうか、水の出方いかんによ
つて
石炭
のクローズが出るかどうか、いわゆる
原価
計算
上の事務的な問題としてお伺いしたい。 次の問題は
料金制度
の問題でありますが、今度の
電気料金
改正
に伴いまして非常に問題が複雑化しておるのは、
料金制度
の変更と
値上げ
とが相伴つたところにあると思うのであります。先ほど御
説明
の中で、
割当
制度
は過渡的なものだ。たしか昭和二十五年から実施したと思うのでありますが、この過渡的だが今ごろはもう
正常化
して一歩踏み出していいのじやないか、こういう御
説明
しか承らなか
つたの
であります。御
説明
によると二十九年度において約二〇%の
電力
増加
を期待しておる。需用の
増加
も当然予想されるのでありますが、この程度のときに大きな
料金制度
の——理想的な形態にあるといたしましても持
つて
行くことが適当な時期かどうかということについてどうお
考え
にな
つて
いるのか、いわゆる
料金制度
の変更を二段制にしたというところに小口需用に最も圧力をかけて来た
原因
があると私は思うのであります。従いまして現在の
制度
が、お言葉の
よう
な、悪い過渡的な
制度
であるといたしましても、今日の
経済情勢
下において、特に小口あるいは
家庭
にロードをかける
よう
な案をこの際やるのが適当かどうかということについて御
意見
を伺いたいと思うのであります。
平井寛一郎
44
○
平井参考人
水の出方は実はお天気次第でありますので、来年度どれだけ出るということはだれも的確に当て得ないのであります。しかしながら
電気
事業はやはり水の出方によ
つて
その経理が非常に左右される実情にありますので、
電気料金
の決定の場合といえ
ども
、あるいは需給計画の策定の場合といえ
ども
、できるだけ長い期間の
平均
をも
つて
、そうしてそれを
基準
として計画を立てる
よう
にしております。そしてその
基準
からでこぼこしたものは別途の方法でそれを
考え
るという行き方がとられておるのでありまして、水の出方は今回の
申請
におきましては、過去十一箇年の
実績
の
平均
によ
つて
おります。それより古いデータは実は配電統合以前の状態でありまして、信用すべき記録がないのでありまして、むしろその記録を入れますともう小し
数字
は下まわる
よう
な傾向になるのではないかと思うのであります。どうも年度によ
つて
豊渇水の
影響
が違うのでやはりそういう
よう
な方法で長年の
平均
によ
つて
見るという
建前
をと
つて
おります。そういたしますと当然豊渇水の
影響
が出るのでありますが、豊渇水の
影響
に対する経理措置は、豊水であつた場合、豊水によ
つて
余分に利益が出た場合に、その豊水の利益というものは、ただすぐにこれを株主の利益配当にまわすという
よう
なことでなしに、これは渇水準備金という
法律
の規定に基いてできた
制度
がございまして、強制積立てをさせられる
建前
にな
つて
おります。同時に平水よりも渇水したために、予想外の赤字の出た部分について、その蓄積された渇水準備金を取りくずすことが
政府
の
認可
によ
つて
できるという形にな
つて
おりますから、この点
電気
事業の経営が豊渇水によ
つて
年々赤字あるいは黒字ということが、生々しく経理の上に出るのを緩和して、そして豊渇水を通じて、安定した経理の状態に持
つて
行くという措置がとられておるのであります。 話が前後するのでありますが、ロスの見方でありますが、終戦後の昭和二十三年ごろにおける
全国平均
のロスは三二・四%であります。そういうふうに大きな
数字
にな
つて
お
つたの
でありますが、その後順次経営努力をいたしまして、
前回
の
料金
申請
の場合には、二五・七七%という程度まで下げて
申請
をいたしております。その後さらに
実績
はよくなりつつあるのでありますが、今回の
料金
申請
におきまして織込みましたロス率は三四・五五%というふうにして
申請
をいたしております。それから
石炭
クローズ及び水のクローズの
お話
がございましたが、
石炭
の価格変動につきましては、これを
石炭
の価格の変動に応じて、ある
一定
の
基準
で調整する形にな
つて
おります。それが先ほど申し上げました
よう
に、
前回
に
申請
した
料金単価
よりは、小口動力において若干もうすでに値段の下
つて
おるというもとにな
つて
おるのであります。これは今回の
申請
におきましてもやはり
石炭
のクローズはつけております。水のクローズの用意があるかどうかということでございますが、水のクローズというのは、私が先ほど申し上げました渇水準備金という
制度
が、あるいはそれに対応すべき
制度
じやないのであろうか、こういうふうに
考え
ております。それから今回
料金制度
を
改正
する必要があ
つたの
かどうかという御
質問
であ
つたの
でありますが、この点につきましても、実は
電気
事業者の中でもずい篤いろいろと検討をしまして、結果的に今回は
申請
すべきであろうという結論に達して、御
申請
をいたした次第でございまして、元来現行の需給調整規則によりますと、
割当
制度
なるものは、
電力
が非常に、三割も四割も時期的に
不足
するという
よう
な、深刻な事態の中においてつくられた
制度
であり、その持つ需給調整画の能力というものは相当に効果があ
つたの
でありますが、その後年々進みまして、今日では需給の不均衡はかなり緩和されて来ておるのであります。特に地域によりましては、
契約
した
電力
のわく内で操作する限りにおいては、おおむね需給がとれるという
段階
にすでに達しておる
よう
なところもあるのでありまして、全体的にそういう
不足
の期間及び割合というものは、非常に小さくな
つて
来たのであります。そういたしますと、今日ではそういう、需給調整面における利益ということは非常に薄くな
つて
参りまして、むしろ
割当
制度
の持つ欠陥の面が非難の対象にな
つて
おる。もつと言葉をかえて言いますならば、現行の
割当
制度
では非常に不公平な
料金
の実態にな
つて
おる。それから
割当
制度
を通じて、
料金
を個々の
需用家
に対して調節できる
よう
な形にな
つて
おるという点から来る不公平の非難が非常に大きくな
つて
来ております。そこで私
ども
といたしましては、この
段階
においてはやはり本質的な
電気料金
の姿というものは、それぞれの
需用家
に
原価
的に公平に配分するという
建前
でなければならない。同じ
よう
な条件で、同じ数量と同じ質の
電気
をお
使い
になりまする場合に、その単価が先ほどの資料で申し上げました
よう
に、二倍も三倍も違うという姿でいつまでもおくということは、弊害の面こそ多いのじやないか。そうしますと、むしろ一本
料金
ないしはもつと言うならば、逓減
料金
という
よう
な形にまで移行すべきじやないかと思うのでありますが、今一本
料金
に一ぺんに参りますということは、やはりそういう不公平の姿からより公平の姿への移行ではありまするけれ
ども
、現実に個々の
需用家
の中には、そのために大きな
影響
を受けられる面がある。むしろ安くなる面については御批判がないのでありますけれ
ども
、そういう面を
考え
ると、一ぺんに全面的な一本
料金
に移行するのもどうかと
考え
まして、そういう措置をとつたわけなのであります。今回の
申請
に、
制度
もあわせてお願いをしたというのはそういう
事情
であります。ただ東北、北陸におきましては、需給がおおむねバランスされるという
段階
にな
つて
おりますので、一本
料金
という形ですでに
申請
をいたしておるわけであります。
加藤宗平
45
○
加藤委員長代理
ほかに御質疑はありませんか。——御質疑がなければ、以上をもちまして
参考人
よりの
意見
の聴取を終ります。次会は公報をも
つて
お知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時十二分散会