○
土井委員 ただいま
山本君からも
お話がありましたが、それに対してただいままた
委員長から、
総理の
出席はないという
理由などについても
お話を
伺つたのであります。私の
意見も
山本君と同様な
内容を持つ事柄ではありますが、実は昨日の
MSA協定の
承認というような、
日本の国のいわゆる
性格をかえて行くであろうと思われるような
重要法案の場合におきましても
総理は
出席をされない。もとよりその間の
事情というものについてはわれわれは十分
承知しておりまするが、しかし従来の関連から見ますというと、
総理はいろんな場合において
国会軽視の態度が見受けられるのであります。昨日は、事実の上においてはカナダの
総理大臣の
歓迎レセプシヨンか何かに出まして、今朝の
新聞などで見ますというと、ちやんと
写真が出ております。また
麻生和子夫人な
ども出て、
写真が出て、しかも
健康状態であるようなふうに見受けられるのであります。その
総理大臣が、聞くところによると、きのうその会合の途中で痛くな
つて帰られたという話もありまするが、一般的な
印象から言えば、きのうまで非常に元気であ
つた人が、しかもその後
参議院の
予算委員会などに出てそれぞれ
答弁に立たれておる人が、急に
神経痛であるという。もとより
病気は、きのうまで健康であ
つた人も、きよう起きないとは限らないのでありますから、そのことについてどうこう言うわけではありませんけれ
ども、えてしてそういう形は国民から見しましても、何か
総理が
国会を軽視するような具体的な
行動に出ておるのじやないかという疑惑を、持たれるのであります。ことに今回の
防衛庁設置法案は、これまた
保安庁法のかわりのような形になりまして、将来軍隊的な
性格、
内容を持
つて行くことは、われわれも十分考えなければならない。こういう重要な、憲法上から来る
問題等にも影響のあるような、しかも
政府が
責任を持
つてそのことの
説明並びに
答弁に当らなければならない重要な
法案の
上程される場合において、きのうまで健康であられた人が、急にきようは
病気だから、しかも一週間、この
法案が
審議をされる間のような形に見えるのでありますが、そういうことによ
つて欠席されるということは、われわれとしてもそうも賛意を表しがたいし、また、ただいま
山本君も言
つておりましたが、前々
病気であ
つて、そうして
診断書を出しましても途中で出て来たり、あるいは二、三日は出られないと言いながら、
国会の方で強硬に出れば、その翌日は出て来るというようなことが再三再四あ
つたわけであります。われわれから言いますならば、そういう
事態を考えまして、過去においてそうだから今日もそうだとは断定しませんけれ
ども、そういう疑を持たざるを得ないような客観的な情勢があるわけであります。
従つてこの場合、きわめて重要なこうした
法案が
上程される場合には、ぜひ
総理が出て参りまして、その
責任のある
答弁の衝に立たれるということが、これが妥当であり、またそのことが
国会の
審議の上においてきわめて重要、だと考えるのであります。
従つてわれわれは、きようこの
重要法案を
総理の
欠席のままで
上程するということについては賛成しがたいのであります。でき得べくんば、きよう一日はこれの
上程を見合せておいていただいて、明日
上程していただく。明日なお
——六日の
診断書でありますから、
総理が出て来られないという
事態は予想されますけれ
ども、とにかくできるだけ
——神経痛ということでありますが、私
もついこの間
神経痛をわずら
つておりましたけれ
ども、
運営委員会に出て来て十分やれるような
容態です、しかし
容態の
内容はどうかわかりませんが、
運営委員会から十分言
つていただいて、でき得べくんば出て来てもら
つて、本
会議における
答弁ぐらいには立たれるくらいの
誠意を持
つて臨んでもらいたい。
従つて本日の
上程は見合せて、明日どうしても
総理が出て来られないかどうかということについて、さらに
運営委員長を通じて
政府の方に申し入れていただきたい、こういうことを主張申し上げるのであります。
従つて本日
上程については、われわれとしては反対せざるを得ないということだけを御
了承願いたいと思うのであります。