○春日
委員 ただいま
山本委員の御
質問に、
犬養さんはこういうことを答えておられます。それは、
有田君の
逮捕許諾を求めたことに対する
院議のことですが、これをあなたがお受取りにな
つて大臣室の机の上に置いた、しかしこれは、はたして合憲性がどうであるか、こうであるかということを
自分で
判断することができなか
つた。そこで専門家たちを呼んでいろいろと検討しておるうちに、
院議が
決定してしま
つた、こういう
ように述べられておると思うのであります。そこで私がお伺いをしたいことは、本日この
院議がどういう形のものであるにしろ、とにかく蹂躙されまして、その蹂躙されたことが、すなわち司法、立法、行政の三権分立の秩序を根底からゆるがす
ような重大問題にな
つて来ておる。私は、あなたが政府を代表した法務行政の主管者であられる限りにおいては、そういう重要な問題が議せられるときに、いいか悪いか
判断がつかない
ような状況下においてこの処理を推移するがままにゆだねられたというところに、重大な問題が残されておろうと思うのです。今日
国会の権威が無視された、あるいは
国会の
院議を
尊重するならば、やはり司法の権威が侵害される、こういう
ような、
一つをとれば
一つが死ぬという
ような重要な問題で、しかもそれが国政の根底をなすところの重要な問題が今ここに落ちておるというゆえんのものは、その当時あなたのとられた
態度によ
つて、それがここへあとを引いておるのでございます。あなたの
責任たるや、まことに重大であろうと思うわけであります。当然
政党出身の
大臣といたしましては、党議がいかに行われておるかということは、あなたはおわかりにならないはずはないのであ
つて、そういう
ような立法上重大な疑義を後日かもし出す
ようなおそれのある決議案文がつくられたならば、あなたは少くとも職を賭して、これは後日重大な問題が起きるのだから、そういう
ような決議案文はどうかということで、職を賭して、
責任感に徹したところの方途に出るいろいろなご
相談があ
つてしかるべきであると思う。その問題の合憲性の限りにおいては、
国会議員四百六十六名中、わずかに五名の差をも
つてこれが決せられたわけで、
従つてかなり多数の者が、これは重大な
憲法上の疑義をもたらすものだという
確信の上に立
つて反対した。あなたはその
判断ができないために、
採決にも加わらないでうろうろと研究しおるうちに、中腰のままにおられだからこそ、今日こういう重大な問題が起きたと思われる。この点、私はあなたの重大な政治
責任であろうと思われる。当時この案件が取扱われた場合に、当面されたあなたの行動を振りかえ
つてみられて、そこから大きな政治
責任を感ぜられるべきだと思うが、御心境をひ
とつ承
つておきたい。