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井堀委員 労働省の
答弁は、いずれも
労働委員会で伺うことにいたしたいと思いますが、きようはできるだけ
国際条約を
批准なされる
立場にある
外務省並びにそれに
関係のある
立場の方の
答弁をいただこうと思
つております。私が今引例いたしました
数字は
——もちろん国際的な
比較をとる場合においては、非常にむずかしい問題があることはよく承知しております。よくお聞き願いたかつたのは、私の引例いたしましたのは
国内だけの問題で御
判断を
願つてけつこうだと思うのであります。
日雇労働者の例を引きましたが、いいかげんな例でないことは申すまでもありません。
生活保護法の
規定に基く
扶助の問題についても、いいかげんな
数字でないことはお認め願えるものと思うのであります。またこれは私がつくつたのではいけませんから、正式に
労働委員会を通じまして、
労働省から
中小企業における
労働賃金並びに
給与の
総額の
平均を出したものを、それぞれ
条件を付して御
調査を
願つて受取つた資料を私はここで紹介したにすぎぬのであります。でありますから、この
数字に誤りがあれば、
労働省が私に提供された
数字に
相違があるということになるわけであります。そういう点について私が独自に
判断をしたり、か
つてに
調査した
数字でないことを明らかにしておきたいと思う。こういう根拠のある
資料に基いて
お尋ねをしておるわけであります。さらに
比較の問題については多くを言う必要がないと思います。今言うように
日雇労働者の場合であ
つても七千円を必要とするということは、これは何もここで議論しなければわからぬという問題ではないのであります。二百人以下の
中小企業の
労働者の
実態について
先ほども私が例を求めたように、非常に低い
給与であるということも争う
余地がないのである。でありますから、
国内の
労働者の多くの人々が、こういう低い
給与であるということが、すでに
国内的に問題にな
つておるわけであります。国際的には、
日本の
基本産業や大
企業のもとに雇用されております
労働者の
給与賃金を
統計で紹介する場合には、ある程度の
主張はできるかもしれぬが、それ以下のものを出したときにどうするかということを
お尋ねしたわけです。それから国際的な
比較についても、ここにいただいております
労働省の
統計を見ても
——これは
資料をいただくときに
労働省の
説明がついておりますが、
中小企業の三十人以下の場合においては多くの推定に基く計算が多いのであります。すなわち
実態調査が完全に行われていないという
説明がついておりますから、
信憑力が非常に弱い。でありますから、この
数字は
労働省の従来の
立場からいたしますならば、逆に多少掛値がある。高い目に見ておる
といつてもさしつかえない
資料だと私は思う。実際はもつと低いだろう。しかしこれは事実に基いて論議しなければならぬことでありますが、こういう点から
判断いたしまして、そういうものがこの国際的な
比較について採用されてないことは、以上の事実からして明らかであります。そうして
比較的高い
給与のものだけを
統計して国際的な
比較を出しておりますから
——これを一々読上げる煩を私は避けますけれ
ども、
労働省で出しておる一番新しい
統計でありますから間違いないと思うのですが、国際的に
比較してみると相当低いのであります。これが
国際労働会議でも問題にな
つておる。それにつけ加えて
中小企業、
零細企業のものが
統計に出て来たら、これは真剣に考えなければならぬ。
国際競争の中に
正義を唱えて
日本が
貿易をやろうとする場合には、そんな頭隠してしり隠さぬような議論では、
世界を了解させることはできまいと思いますから、真摯な
態度で聞いておるわけであります。決して私は何か攻撃せんがために故意に
資料を整えておるのではないのであります。これに異議があるならば、
労働省の出された
資料に疑義があるのです。
労働省の
見解については、きよう午後から
委員会がありますから十分伺うことにいたしますが、
国際労働条約の
批准が今日まで遅れておる、ことに
賃金の
関係については幾つも
勧告が行われております。その
勧告はことに
日本やアジアの
国々を対象として行われておる
内容がかなりあつたのであります。これはもう御
案内のように、
戦前日本の
繊維産業が極端にたたかれてこりこりしておるわけであります。こういうことを、いいかげんに言いのがれをするとかしないとかいうことでなしに、こういう
批准をどんどん
行つて、そうして国際的な
信用をこういうところでもかち得るようにして行くべきではないかという
意味で、その
批准が困難だという
理由があるならその
理由を述べられるのが正しいと思う。以上の
意味でもつとはつきりした御
答弁を、
条約批准の
立場に立
つております
責任者の
外務大臣がおいでになりませんから、それにかわるべき人から御
答弁を承
つておきたい。