○福島説明員 このストライキの原因はもちろん八割増しの退職金の
要求にあるわけであります。
アメリカ側はこれを承諾しないと言
つておる。そこでストライキということにな
つておりますので、われわれもわれわれなりに
日本政府として、組合の言うほどの数字というものは過大であると思うけれ
ども、また現在の実績というものは公務員より多いということは数字の示すところではあるけれ
ども、しかしやはり勤務がいかにも、特殊なものでもあり、また一朝にしてなくな
つてしまうという性質のものでもあるので、退職手当の制度は改善を要すべき面はあると
考えておりまして、いわゆる調達庁案というものを持
つておるわけです。それで組合の諸君に、組合の諸君は八割増し案を否決されれば何が何でもストライキをやるのかどうか、われわれはわれわれの案というもの、
日本政府案、調達庁案というものを
アメリカ軍と
交渉しておりましたのですが、
アメリカ側に、組合の八割増し案は無理だと思う、これは、だれが
考えても無理だ、
日本政府もそう思うだろうと思う、われわれもそう思う、その場合に調達庁案というものは出ておりますが、調達庁案を
アメリカ側が採用すればはたして組合側の方は納得するのか、ストライキをやらないのかということを聞かれるわけです。その際に一方組合は、組合の八割増し案以外の何ものも承認しない、こう言
つておるわけでありまして、
アメリカ側の
立場で言えば、調達庁案を採用いたしましてもかれこれ五億円ばかり金がかかるわけであります。組合案を採用いたしますと六億円ばかり金がかかるわけであります。ですから
アメリカ側の心境といたしましては、組合案も調達庁案も
両方け
つてもストライキ、調進庁案を採用してもストライキ、それなら
両方けるということを言
つておるわけであります。
そこで私
どもは組合に頼んでおりますのは、組合の八割増しというのは、か
つて官吏の退職金制度の改善に際して八割増しという名称のもとに
考えられたことはあるけれ
ども、あれはその書いてあることをしさいに
計算してみれば二割増しという意味でできておるのである。官吏の退職金制度は今日二割増しにな
つておる、それにならえというのであれば八割ということは言えないのではないか、
従つてどうしても八割は無理であるが、それをあくまで八割というのならば、せつかくの調達庁案も、
言葉がきたなくて恐縮ですが、そのあおりを食
つてしま
つてともに討死してしまう。われわれはわれわれの案でこれだけの
努力をしている、だから、何とかわれわれの案自体のメリツトによ
つてアメリカとできるだけ
交渉したい。組合は八割以外の何ものも容認しないというので、たまたま八割だけは少くともおろしてみないかというふうに
つて押し問答しているのが現状ということになります。