○佐々木(盛)
委員 私は特に木村
長官のおいでを煩わしましましたのは、実はきよう改進党の方からきわめて重大な御提案がなされておるのであります。それは午前中の
委員会におきまして、並木君を通じて改進党の政策
委員会の決定として正式に申出がありました。なおその後政策
委員長の三浦君もお見えになりまして、個人的にも御意見を承つたのであります。その案によりますと、ただいま
政府が提案をいたしておりますMSAに基く
秘密保護法を撤回せよ、そうして
日本独自の
防御秘密保護法と申しますか、
アメリカから提供される武器だけに限定するのではなくして、もつと一般的な
日本独自の
防衛秘密を
保護するための立法をせよ、こういう要求なのでございますが、場合によりましては、もしも
政府においてそのようにとりはからわない場合におきましては、この現に提案されておりますところのMSAに基く
秘密保護法に対する態度も、改進党としては重大な変化を来すのではなかろうか、こういうふうな
お話すらあるわけでありまして、われわれこのMSAに基く
秘密保護法のすみやかな通過を望んでおりますものにとりましては、これはまことに重大な問題であります。そこで私は承るわけでありますが、なるほど改進党の方のおつしやるように、
日本の
防衛体制がここに画期的な飛躍を遂げたのであるから、
従つて日本独自の
防衛秘密を
保護する何らかの立法的な
措置が必要である、こういう考え方につきましては私も同感の意を表するわけであります。しかしながら、今日のこの段階においてという条件のもとにおきましては、さなきだに輿論の動向というものもわれわれは十分考えなければならないし、かつはまた会期も非常に切迫した今日であります。こういうときに、もしも
政府ごおいてそのような提案に応じるというようなことになりますと、大混乱を巻き起す、そうして本
法案が通過をしないということになりますその結果というものは、MSAに基くところの
日本に対する武器の貸与ということも中止、あるいは非常な妨害を受け、ここに非常な混乱を生ずるのではなかろうかと考えます。また
MSA協定第三条で、われわれは
秘密保護のための何らかの
措置をしなければならないということを
アメリカに
約束いたしておる。こういう立場からも、今国会におきましてどうしても本
法案が通過しなければならぬ、私はさように考えておるわけなのであります。おそらく私は
政府におきましてもその所信であろうと考えますが、一部には、
政府におきましても考え面して来るのではないだろうか、こういうようなことすら改進党の諸君からも言われておるのであります。従いましてこの際
政府といたしましては、改進党の主張されておりますような、新しい
日本独自の
秘密保護法というものを提案するような用意があるのか。おそらくはないと思います。あくまでも本
法案のすみやかな通過を熱望されるものである。
従つてこれとさしかえをするようなことはしないと思いますが、こういう点につきまして現に非常な疑いをさしはさんでおります。並木君の午前中の提案におきましても、何となくわれわれの疑惑を感るような点が非常に多いのであります。この際
政府におきまして確固不動の方針を鮮明していただきたい、かように考えましたので、御足労を煩わしたような次第であります。