○佐々木(盛)
委員 私は他にもたくさんお聞きいたしたいことがあるのですが、今のような事情で、簡単に、あまり趣旨の弁明をいたさないで
質問いたしたいと思います。
今回の
MSA協定が本
委員会にかか
つて以来今日までの間、真剣に
審議をいたしておるのでありますが、その
審議の過程を通じてわれわれがはつきりと見ましたことは、
MSA協定の受諾をめぐ
つて、今世界が二大
陣営にわかれているその中にあ
つて、
日本は中立政策をとるべきである、あるいはインドのような第三勢力の行き方をなすべきである、こうい
つた議論がかなり強く現われ、ことに学者の
陣営などにおきましては、
公聴会等におきましても、その説が非常に強く現われたことは見のがせない事実であります。ところが私たちは
平和条約、
安保条約並びに今回の
MSAを通じてその間に一貫してかわらざるものは、もはや疑う余地もなく、
日本が反共の
陣営にあ
つて、自由世界の一員としてのみ
日本の運命を託そうという基本方針は、私は何ら疑う余地はないと
考えるわけであります。しかしながらそれをしも、場合によ
つて日本の
態度が不明確なことが、かえ
つて私は日韓会談において、あるいは台湾との交渉等におきましても、反共
陣営という共通の基盤の上に立ちながら、アジアにおいて善隣友好であるべきお互いが疑い合
つているような、まことに不幸な事態を来しているのじやないかとも
考えるのです。私はこの
機会に、明らかに
日本が反共の
陣営に立
つて、
自由主義陣営の一員として
日本の活路を見出すべきである、こういう点をこの際
政府はもつと勇敢に、明確にそれに対する決然たる決意のほどを示していただきたい。このことは特に
MSA協定の
締結とは直接
関係がないといたしましても、私はこの
機会に
日本がそうい
つた明確な
態度を示すことが、アジアのためにも世界の平和のためにも、またわれわれの行くべき道を示す上におきましても、まことに私は妥当なことである、そうしなければならぬということを確信いたすわけであります。私はそういうふうに
考えますが、この点はいかがでございますか。
さらに第二点は、私はそういう観点から
考えますと、共産主義並びに共産党というものに対するところの一般の
考え方というものが非常に甘いものであ
つて、
民主主義の世の中においても、言論、結社の自由の名において共産主義というものが存在し得るのだというような
考え方をお持ちの方がいまだにあるのじやないかと思うのです。共産主義というものの本質をお
考えになるならばわかることでありますが、マルクス主義の
立場から
考えましても、レーニン主義の
立場から
考えましても、スターリン主義の
立場から
考えましても、これは明らかに武力革命――暴力を使うことよ
つて目的を達成することは、これもまた合理的であるという暴力革命の
原則に立
つておる。これが今日の世界共産党のと
つております基本的な行き方なのです。
従つて思想は自由であるが行動は別だというのではなく、思想と実際の行動というものは、共産主義の世界においては不離一体のものなのです。
従つて私は共産党、共産主義というものの実体をもう少し研究していただくならば、
民主主義の世の中においてこの共産党というものの存在を合法政党として認めることは、私は非常に疑問であると思う。か
つてマツカーサーでございましたか、
アメリカの
独立記念品に際して、共産党の合法性に対して疑問を抱いておるということを申しましたけれども、私はこの
アメリカが
日本に投げかけた共産党の合法性に対する疑問点につきまして真剣に
考えてみたい。この点について
政府は、依然として共産党の存在を、合法政党としてこれを長く認めるという
考え方か。私は共産党の非合法に対して、
政府は真剣に
考えるべき
段階に到達していると
考えるが、この点はいかがでありますか。
さらにもう一点は、今度の
MSAに関連をいたしまして、御
承知のような秘密保護法ができました。もとより私は国防の
関係上秘密保護の必要は十分認めておるところでありますが、今度の秘密保護法というものは、
MSA協定によ
つてアメリカから与えられる武器についてのみの秘密であります。私は
日本が将来
日本の国防を担当しようとするならば、
日本独自のものがあ
つてしかるべきである、かように
考える。伝え聞くところによりますと、もともとは今度の
MSA協定に基くところの秘密保護法を提案する前に、
政府におかれましては、
関係方面が、
日本独自の
立場から軍機の保護ということについて、何らかの
措置を講じようというお
考えがあ
つたようでありますが、なぜそれを引込めたか。
日本独自の秘密保護、軍機保護というものが必要ではないか。この点について
政府は将来どういうふうにしてや
つて行くか、そういうことを承りたいと思う。
さらに最後にもう一点、私は今日の重大な時局をながめ、
国際情勢の中に浮かんで来る
日本の重大な時局を
考えましたときに、どうしても私は
日本におきますところの保守
陣営というものが既往の一切の行きがかりを捨てて大同団結をする、そうして結集されたところの保守
陣営の総力をも
つて今日の左翼
陣営と対決をする。私はこの対決においてわれわれが勝
つたときこそ、初めて
国家百年の大計を立てることができるという信念を持
つておるわけであります。先般の予算の通過の際におきましても、ここにわれわれが改進党並びに同憂の士とともに手を握りましたならば、予算通過に際しましてもこれは三百三票対百四十三票でも
つて予算が通過したということ、この事実は政局を担当する者は厳粛に
考えなければならないことだ、かように
考える。
従つて政局の安定――特に先ほども
お話がありましたが、今政局は社会一般には非常な不安の目をも
つて見られておるけれども、私はこの際どうしても政局の安定に、政局を担当する方々が
ほんとうに献身的な努力を捧げてや
つていただきたい、私はかように
考えるわけでありますが、この政局の安定ということについて、保守
陣営の大同団結をして、これによ
つて左翼
陣営と対決するのだという気構え、決意のほどをお漏らし願いたいと思いますが、いかがでございますか。