○木村(文)委員 まず第一に私は
厚生省当局に敬意を、表したいと思います。それは、長い間はかか
つておりますが、この
資料をよくここまで集めて、
発表の段取りまでこぎ着けたことに敬服したい。しかし、この機会に、
大臣がまだ見えられませんので、
一つだけ
政務次官を通して警告を発しておきたいことがありますが、それは過日新聞に出た問題でございますが、この
発表には国民が重大関心を持
つているのであります。それにもかかわらず、この主管省である
厚生省の
発表の前に類似の
発表が出たということを私は見まして、非常に遺憾に思
つているのでありますが、こういう点は今後十分慎んでもらいたい。これはひとり未
帰還者の問題だけでなしによくあることでありますので、こういうことのないようにお伝えを願いたいと思います。
第二番目に
お尋ねしたいことは、
生存者の判明している現在でありますので、この数については今同僚の
青柳委員からるる
お尋ねもあり、それに対する御回答もありましたので、私は時間もございませんので略しますが、まず
生存者の現在の
生活状態が調査されているかどうか、これをひ
とつお尋ねいたします。
第三番目は、その判明者の
留守家族にその
生活状態がわか
つているならば、これを通達しているかどうか、しているとすればどういう方法によ
つて留守家族に対して通達をしているかということを承りたいと思います。
第四番目は、もし
生存者が判明した場合において、政府はその
生存者に対して何らかの方法によ
つて留守家族の
生活状態あるいは近親の
状態について、
留守家族の方の通信によるだけでなく、政府自体が通知しているかどうかという問題についてお聞きしたいと思います。
第五番目といたしまして、
帰還者に対して現在政府のと
つている処遇は、
日本の現在の財政面からすれば、また社会政策の上から
言つても、もちろんまだ十分ではないのでありますけれ
ども、ある
程度国民の納得が行くだけの処遇をしている。私は長い間社会事業の立場に立
つて参りましたが、その私の浅い経験からいたしましても納得が行くのでございます。しかしながら、未
帰還者の家族に対する処遇というものは、私は実態の調査をいたしております。終戦後八年間というものは、小さい
一つの県の団体でございますが、その団体長を引受けまして、実際面において私はいろいろな面から尋ねておるのでありますが、どの面から見ましても、政府のと
つている処置は十分だと
考えられません。従いまして、現在こういうぐあいにや
つているという御
説明と、あわせて、もし不足であるとするならば——十分だとすれば私はもう一ぺん立ち上
つて政府にただしたい点もあり、私の
意見も申し上げる点もございますが、もしや
つていない、現在この
程度である、そのことは今後は財政面が許せばこれこれの具体的なことをやりたいというようなことがあ
つたならば、この機会に、最も
関係の深い当
委員会でありますし、しかも当
委員会の
委員長はこの道にこれくらい熱意を持
つている
委員長だとは私は実は
期待していなか
つたのでありますが、出てみまして私はびつくりしたのでありまして、この
委員長をいただいている間に何かしらの形をつけたい、私は社会事業家としての立場から
言つてもそう
考えるのでありますが、その点を承りたいと思います。
最後に、これは委員の方からも、
委員長からもあるいはまた
政府当局からもおしかりを受けるかもしれませんが、
先ほどどなたかそちらの先輩の方から御
意見がございましたが、われわれは
最終処理を完了したいという熱意を持
つている、これが当
委員会の使命であるというような尊い御発言あ
つたように私は承りましたが、私も昨日より当
委員会にこれで二回目でございますが、初めて出て見まして、
ほんとうに感じたのでございます。今まで
議事録を拝見いたしまして皆様の御活躍なされておるお姿には敬意を表してお
つたのでありますが、はからずもこの委員を拝命いたしまして、その重責を感ずるのでございますが、最終段階に入
つているという御発言まさにその
通りであると思います。政府が今未
帰還者の大体において正確な
数字を
発表し、しかも
大臣の
談話を
発表するまでに至
つておる。私はこの段階におきまして、当
委員会の使命というものはまさに有終の美をあげる備えをしなければならない段階ではあるまいか、こう
考えます。従いまして、この際明確なる
数字を
基礎にいたしましてこの状況を把握いたしまして、これによ
つてさらに当
委員会の活動が
基礎づけられるものである。そこで、一番動かなければならないのは何であるかと言いますと、国内における態勢だと思います。われわれは国民の代表であります。国民がわれわれに
期待するもの、あるいは再軍備をするにしても何をするにしても、この未
帰還者の問題を解決しないで憲法の改正もあり得ない、こう
考えるのです。でありますから、この際ひ
とつ委員長の格段の御
決意によりまして、委員もまた重大なる
決意のもとに、この
数字を
基礎において
関係国にわれわれが命をかけて乗り込んで、そうした実態の調査をするとともに、一日も早く帰還することを、いわゆる人類愛、人類平等の立場から、——独立国にな
つた今日、われわれは平和条約のもとに独立を是認せられたのでありまするから、これを要求する権利を与えられたものと私は確信いたします。従いまして、要請するのでなくして、要求しに参るくらいの重大なる
決意のもとに、私は
関係国にわれわれが手わけをいたしまして出向くときじやないかと
考えます。でありますから、この際あわせて
政府当局もわれわれと相ともにひ
とつこの
決意を固めて政府の役人も同道せしめていただくように、
関係各
当局に
委員長のとりはからいによりまして、この
委員会の名においてひ
とつお運びを願いたいと特にお願い申し上げたいのであります。以上であります。