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玉置説明員 お答えいたします。
泥炭地
開発に対しての外資導入の問題につきましては、
お話のごとく、これは外部には今日まであまり発表はしておりませんでしたが、計画はすでに、
昭和二十六
年度の
北海道開発五箇年計画というものを策定いたしまして、この線に沿いまして、泥炭地はもとより、未
開発地域の
開発あるいは道路、港湾その他全般にわた
つての計画を樹立して、その年次計画に基いて年々
予算の獲得をいたして参
つたわけであります。特に、御指摘になりました泥炭地
開発の外資導入の地域は石狩川水城にわたるところでありまして、ここには六万町歩の泥炭地がございます。既墾の面もありますが、未開泥炭地はたしか二万六千町歩であ
つたろうと思います。これが
開発によりまして百万石の米の増産ができるわけであります。この百万石の増産によりまして
北海道は完全に自給自足ができるという十分なる見通しがありますがために、先般
大野国務大臣が発表いたしましたごとく、すでに前大蔵大臣の向井さんを通じまして世界銀行に五千万ドルの借款を申入れいたしました。しかるところ、世界銀行におきましてはこれを取上げられまして、十八日に世界銀行のドール団長以下四名がこちらに
視察に参ることに公式な通知を受けております。
視察期間は約二箇月の予定にな
つております。かようにいたしまして、ドール団長が
現地を
視察いたしました結果によ
つて借款の見通しがつくわけでございますが、御
承知のごとく府県には愛知用水ほか一件がありまして、合計三件がこの借款の対象にな
つているわけでありますが、私
ども、欲目に見まして、スケールの点、しかも米の増産計画等から見ますると、
北海道がはるかに優越いたしておるのではないかというような見通しをつけて、非常な期待をかけておる次第でございます。
その他泥炭地
開発におきましては全面積が約二十万町歩ぐらいございます。また
北海道全体の
開発すべき地域が八十万町歩ぐらいあるわけであります。これらの
開発もそれぞれ五箇年計画に基いて着々
実施に入
つているような次第でございまして、次に、しからばこの
入植をどうするかという
お話でございますが、
終戦後今日まで
北海道に
入植いたしました者は合計二万五千九百二十六戸ございます。その中で海外から
引揚げた者で
北海道に
入植した者が五千五百五十九戸、道外すなわち府県から入
つた者が四千百九十五戸、
地元北海道の次三男坊あるいは転業等によ
つて入
つた者が一万六千百七十二戸とな
つているわけであります。そこで、この八十万町歩の
開発、さらに泥炭地の
開発等によりまして相当な
入植ができると存じておりますが、計画に基きまして、さらに今後六百万人の
北海道の人口増殖がはかれる、すなわち人口、食糧問題の解決がこれによ
つて行われるであろうという見通しをつけているわけでございます。また、この
入植は単に
開発ばかりではございません。地下資源の
開発に基くところの鉱工業の産業
開発あるいは地上資源の
開発に基くところの工業の発展等を見込みまして六百万の増殖は完全にはかれるであろう。私個人の意見といたしましては、今日約四百五十万入
つておりますが、将来一千五百万は
北海道に収容できるだろうという個人的な
構想を持
つているような次第であります。
さらに、先ほど
受田委員から
お話になりまして、落しておりました面もつけ加えて申しますと、
開拓地の、いわゆる
入植者の保養
対策といたしまして、簡易診療所を今二十九
年度におきてましては十箇所設置することにいたしております。最初二十棟の
予算要求をいたしましたのが十棟になりましたが、これは府県の人たちから見ますといろいろ比判が出るかもしれませんが、実は
北海道だけが特殊地域としてこれを認められているわけでございまして、間三十
年度におきてましては四十棟を要求する予定をいたしております。
それから、
入植の面でさらにつけ加えておきますが、先ほど申しましたようなことで、三十
年度以降におきてましては十箇年間に四万二千戸の
入植を予定して計画していることもつけ加えて申し上げます。
さらに、先ほど
中山政務次官から
お話がありまして、非常に矛盾を生じているという寒冷地における耐寒
住宅の問題でございますが、これは、
北海道庁といいますか、それから
北海道議会、道民全体の
要望にこたえまして
議員立法と
なつたわけでございますが、この点におきましては、私自身もいささか矛盾を
感じております。と申しますのは、御
承知のように、一戸当り最低十坪といたしまして、
建設量の五割を
補助することにいたしておるわけでございます。耐寒
住宅一戸当りが十二万七千五百円、一般
住宅は九万七千七百五十円、全部が耐寒でなくして、一般
住宅も実は入
つておるわけでございます。二十九
年度はおのおの一千戸分の二億二千五百二十五万円を実は計上いたしておるわけであります。この耐寒
住宅は、先ほど南
建設政務次官もおつしやいましたように、
北海道の朔北の地におきましてはどうしても耐寒を必要といたしますが、
中山政務次官の御指摘になりましたように、矛盾を感ずる点は、かような高級と申しますとおかしいが、金のかかる
住宅に入ろうとする者が、実は全部が全部入れないわけであります。そこで、この耐寒
住宅に入れる地域を政令で指定してもらう方がいいではないかということで、別個に考慮をいたしておるような次第でございまして、この点御了承を願いたいと存じます。
たくさん申し上げたいことがございますが、時間の
関係で、この
程度でひとつごかんべんを願いたいと思います。