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山口説明員 海上保安庁
関係につきましてご
説明を申し上げます。
お手元に差し上げてある資料の
運輸省基本政策要綱の中に、実はばらばらに入
つておるわけでございますが、まず災害
防止ならびに
交通安全の確保に関する方策の中に若干載
つておりますしまた最後の海上治安に関する方策というところに載
つておりますが、
説明の便宜上一括して申し上げたいと思います。
海上保安庁の現在の問題といたしましては、何と申しましても巡視艇の増強が必要だと
考えるのであります。御
承知のように一昨年の秋以来、東支那海、韓国水域、あるいは北方水域方面に、
日本漁船の保護のために特別哨戒に出しております。そのために北方には三隻、韓国水域並びに東支那海水域に常時五隻、これだけのものを出すために
大型巡視船かれこれ二十隻以上というものは、この方面の仕事に完全にとられておるわけであります。
従つて現在ではほとんど全管区から
大型巡視船艇を特別派遣して、この業務に当
つておるとい
つてもよいのであります。そのために沿岸の警備救難の業務には、手薄にな
つておるということが言えるのであります。私
どもといたしましては、せめてかような新たに加わりました特別哨戒にさかれております巡視船艇の勢力だけでも、さしあたり埋めてもらいたいと思いまして、これを三箇
年間に埋める
計画で、さしあたり来
年度の
予算の中には、六百五十
トン型の巡視船を二隻新造ということで出しておりますし、さらに三百五十
トン型巡視船三隻、なお古い
小型の巡視船をつぶしまして、そのかわりにつくる代替建造といたしまして三百五十
トン型三隻、以上八隻の巡視船を
予算として計止して、目下大蔵省と折衝いたしております。なおこれに付帯いたしまして、港内艇二十三メートル型あるいは十五メートル型というのがむろんあるわけであります。今日までの大蔵省の方針といたしましては、現在手持ちの巡視船総数九十六隻でございますが、従来の
考え方はこの隻数はふやさぬ、せいぜい質を改善するための代替建造ということで、一両年は建造という方は全然見てもら
つておらないのであります。どうしても昨今の情勢あるいは特別哨戒等にさかれている
関係から 来
年度は是非とも隻数だけは維持してもらいたい、
従つて新造を実現することに最善の
努力をいたしたいと思
つております。これらの巡視船の船艇総計二十億ばかりを要求しておるわけでおります。
次に航空機の増強でございますが、これは二十七
年度の補正
予算で、ヘリコプターの基地が全国に五箇所できております。これに配属すべき航空機としましては、ヘリコプターが六機認られまして、これが配属にな
つておりますが、その航空機の増強は認められておりません。今日まで私
どもは、基地の
整備並びに六機の訓練ということに力を注いでおりましたが、最近の一
年間は現にすべてが現地に配属されて、日常の警備、救難業務に実際に活動して、先般の九州の台風被害の場合にも、緊急輸送にヘリコプターが従事いたしましたし、またこの間の函館の
事件のときも、けが人二人を応急に病院まで運ぶ作業もいたしました。なお機雷の捜索、発見等にも随時出動いたしておりまするし、また海難の捜索にも再々出ておりまして、実用上非常に効果があるということも実証されておるのでございまして、来
年度におきましてはこれらの五つの基地に、せめて二機ずつはヘリコプターを置きたいと思いまして、四機増強法を計上いたしております。なおヘリコプターのみでは不十分でありまして、ピーチクラフト二機、KAL型軽飛行機二機、
従つて飛行機は合計四機になりますが、これらをさしあたり二つの基地くらいは地上設備をそのままでも使える
関係もございまして、飛行機をさしあたり四機要求いたしております。
なお船のことにつきまして、巡視船は先ほど申し上げた
通りでありますが、お手元に特別資料として差し上げてあると思いますが、水路部の所属になります
大型の巡視船を一隻ぜひつく
つていただきたいというので出ております。これは水路部では、現在専用の観測船としましては、わずかに百五十
トンとか二百
トン、三百
トンというようなものが三隻あるだけであります。あとはごく小さい四
トンとか六
トンとかいう測量艇になります。観測船あるいは測量船と名のつくものは、わずかに三百
トン以下のものが現に三隻であ
つて、いずれも老朽船であります。ところがこの水路部の業務といたしましては、国際水路局の規約によりまして
日本が担当している
日本周辺の水路についての資料を、加盟各国に通報しなければならぬ義務を負
つております。またユネスコ等の
関係から、北太平洋の海区における共同海洋観測も実施するように強く要望されております。これらの国際的な協力を果たすためにはどうしても三百
トンあたりの船ではとうてい用をたさないのであります。航続力あるいは耐波性の点からいたしまして、少くとも観測船用としての
大型船は一ぱいなければ、処置に困る。なおさらにこのような船ができますると、最近非常に問題にな
つております海底資源の調査の基本資料が、あわせて得られるという強みもございますが、今日さような作業をするところもなし、する船もないというかつこうで、細々ながら三百
トン以下の船で間に合わせてや
つておるのが現状であります。これらの海底資源の科学的調査をするために、この
大型船が役に立つわけであります。また沿岸の測量をいたします場合の測量艇が、現在ではちりありばらばらでやるわけでありますが、かような
大型船が一ぱいありますと、これが母船となりまして数隻の測量艇を有効に、能率約に使えるといういろいろな点から、どうしても
日本の水路部に測量船としての代表的な船が一ぱい少なくともいるという見地から、一隻九百
トンでございますが、経費といたしましては一億九千四百万をこの際計上いたしております。なお水路部につきましては、三隻の老朽船のうち一ぱいだけ、来年代替建造をお願いする。それから測量艇はわずか四
トンくらいの船でありますが、これに測量機械を積んで沿岸の測量をいたすわけであります。これが現在二十一隻ありますが、いずれもすでに半分は非常な老朽船でありまして、船齢も超過してお
つて、ときどき現に測量に行
つておりまして、浸水して途中でやめるというこも引起しておる
関係もありますので、ぜひともこれに代替建造をいたしたいと
考えております。これが来
年度の
予算では、測量艇六隻建造の経費が千六百八十万円とな
つております。なお水路部全体のことにつきまして
考えておりますことは、御
承知のように水路部は非常に歴史も長くて、いろいろな器具類も非常にいたんでおりますので、これの交代をしなければならぬし、さらに新しい近代的な、主として電波
関係でありますが、そういう最新式の器具をぜひとも入れて、今日の世間の要望に
従つて行かなければならぬ。そういう
関係でいろいろな器具類を数多く取入れる。これらの総経費が七千三百万円で、要するに水路業務の近代化、機械化をはかるための経費であります。
次に航路標識
関係でございますが、航路標識につきましては現在千八百基を持
つておりますが、世間の要望はますます熾烈でありますし、さらに電波による航路標識に対する必要性が非常に強ま
つております。電波標識
関係につきましては、来
年度九箇所につくりたい。燈台が九十箇所、燈浮標が五十五基、霧信号機が五基、以上百五十九基、合計いたしまして九億九千六百万円ほど要求しております。これらが新設でありますが、なお航路標識についきましては、明治二年以来の建設にかか
つておるので、なかには非常にいたんでおるものもありますし、あるいは標識の
改良、改修のものも
相当ありますので、これらにつきましては二箇年ないし十箇年の
計画で逐次
改良、改修をいたして、さしあたり三十
年度につきましては約三百基、二億五千万円を要求しております。なお航路標識につきましては、大体従来の管理方式が、大きな燈台は一箇所の管理をいたしておりましたが、なるべく人員を整理し、能率的、近代的にするために、いろいろ資材とか、ジープとか、オートバイとかいうものがいりますか、そういうものを与え、あるいはまた標識それ自体を自動化することによりまして、数多くの標識を管理するという形をとりました。このことが職員のためにも生活する基地を適当なところに持
つて行ける
関係もあります。さような
関係で現在ある千八百基の航路標識について検討を加えて、集約管理をいたそう。そのことによるほか今後の発展の道はないという結論に達しましたので、逐次これはやりつつあ
つたわけでありますが、一層拍車をかけましてそのことをやるつもりであります。来
年度では、そのための補強資材を若干要求しております。大体海上保安庁といたしましては、警備救難業務、水路、燈台の三つが大きな仕事でありますが、何と申しましても船をふやしていただくことが一歩の問題でありますので、よろしくお願いいたします。