○長
委員 それでは詳細なことについてはあとで御質問いたしますが、先ほど同僚
山口議員から申し上げておりましたように、こういう
鉄道運賃の
値上げを、かりにこのたびは一等、二等というふうに、非常に一部に限定をされておりますけれ
ども、やはり従来の前例から見ますと、これは当然将来は三等料金も
値上げされる一つの前提だと、われわれもさようにこれを警戒しておるわけです。そこでやはり料金の
値上げをやるということは、国民生活の上にも非常に大きな圧力を加えることになるし、同時に
日本の
経済界にも非常に大きな
負担になることでもありますし、ひいては自立経済の一つの障害にもな
つて来るということで、たとい一部であろうとも、この
値上げについては簡単に賛成することはできないだろう、また国民の
考え方から見ましても、国民生活に
関係のある料金の
値上げをするのであるから、当然国民がこれを心から納得して、こういう
国鉄の経理の
状態であるから、やむを得なかろうという心からの納得がない限りは、やはりこれは無理押しにな
つてしまうだろうと思うのです。ところが今日の
国鉄、さらにまた
国鉄の監督下にある
日本通運株式
会社であるとか、あるいは
鉄道弘済会であるとか、あるいは
鉄道会館であるとか、
交通公社であるとか、その他いわゆる
国鉄一族を中心として今日続々摘発されておりまする汚職、疑獄の現状を見て、
国鉄料金の
値上げに対して国民が心から納得をするということは、当然私は
考えられないと思うのです。先日の二月二十三日の
東京新聞で書いておりましたが、
日本通運株式
会社では
国鉄に対して後払い残金が約五十億残
つてそのままにな
つておる。これがいわゆる日通の浮貸しの温床にな
つておるのだということを、
東京新聞は指摘をしております。こういうことを裏書きするように、この数日の間に
交通公社であるとか、あるいは弘済会であるとか、日通であるとか、それらの
国鉄関係の団体の主要人物が検挙され、しかも今日のところでは浮貸しだということが新聞にも報道されております。私はこういうような
国鉄全体が国民の疑惑を受けておる際に、
国鉄料金の
値上げをやるということは、時期から見てもはなはだふさわしくないと
考えるのであります。さらにまた先般は
運輸省の官房長が、造船疑獄に
関連をして逮捕された。またただいま申しましたように弘済会であるとか、
交通公社であるとか、日通の幹部が続々ひつぱられて、ここに
大臣もおられますけれ
ども、先日の予算
委員会では改進党の中曽根君が、
運輸大臣と大野国務相がそれぞれ百万円ずつ収受しておるという重大な発言をしております。これに対しては
大臣は正面から否定をされました。私は
石井さんに
限つて――私は同郷でございますからよく存じております。
石井さんに
限つてそういうことはよもやないと信じております。しかし中曽根君は、その後の話を聞きますと、議員の職をかけてもこの真相をあくまでも
主張する、こう言
つております。その辺のことにつきまして多くの同僚議員の人々から、繰返しこのことについて質問をされ、
大臣や
国鉄総裁の気持をただしております。私はこれから二、三そういう
関連の問題について御質問を重ねて行きたいと思いまするので、
石井運輸大臣と長崎
国鉄総裁、おのおのこもごもこれらの最近の
運輸省
関係あるいは
国鉄関係の疑獄、世間の疑惑に対して、どういう心境でおられるかということをあらためてここでお
伺いをいたしたいのであります。