○吉川(兼)
委員 今
山口委員から御質問になりました九十九里浜の去る十一日の威嚇射撃に関する
漁民の問題でございますが、今
水産庁の
説明員の
お話を聞いておりますと、
沿岸漁業対策というか、あるいは
沿岸漁民対策というか、そういう点から見ますと、はなはだ的がはずれているのじやないかという気がいたします。これは必ずしも
説明員をとらえてのみ問題にすべきことではなくて、吉田内閣全体の問題と思いますけれ
ども、農林省では輸入食糧の問題等に関連して、粉食を奨励するということが、農林大臣保利君の今度の新政策のごとき形で打出されているのであります。申し上げるまでもありませんけれ
ども、粉食には必ず動物性蛋白が伴わなければならないのであ
つて、動物性蛋白の均衡がとれるだけの摂取を伴わない粉食は、かえ
つて体位が弱くなる。これは
予算委員会でも私は一応農林大臣に言
つておいたのですが、動物蛋白の供給——国民の側からいうと摂取でありますが、そういう需給
関係におきましては、
日本の今の情勢ははなはだ悪いのです。早く申しますと、家畜類が非常に少いのであります。これを急増することはなかなか困難であります。
従つて私は魚介類による蛋白をとらなければならないと思うのです。今あなたの話を聞いておりますと——これはあなただけでなく、
水産庁の製作でもございますけれ
ども、
沿岸から沖合い、沖合いから遠洋への転換を考えているという御
説明の
ようでありますが、それで今
日本の食生活の改善等で要請しております魚介類の蛋白の摂取についてうまく行くかどうかということなんです。要するに
沿岸漁業を沖合いないし遠洋
漁業に転換して、しかく漁獲の量が上るかどうかという問題でありまして、これは非常に疑わしいと私は思う。
もう一つの問題は、
沿岸漁業といいますのは、御存じの
ように非常にたくさんの
漁民がこれによ
つて生活しているのです。九十九里浜のごときも、久しきにわたりまして連合軍が演習地といたしておりますために、どれだけ
漁民が生活を圧迫されて、実にひどい状態であるかということは、あなたなんかも御存じじやないかと思います。こういう
ような失業
対策という
ようなものも
伴つておりますから、
沿岸漁業をしかく沖合い
漁業あるいは遠洋
漁業に切りかえて、船の改造も今
お話に
なつた
ようでありますが、そういう
ようなことで
沿岸で生活しております多数の
漁民の失業問題という
ようなものを考えておられるかどうか。非常にいい機会ですから、ちよつと伺
つておきたいと思う。