○清井
政府委員 ただいま御
質問の主として東支那海を中心とする問題でございますが、これは御指摘の
通り李承晩ラインが一方的に韓国から宣言されまして、そのラインの中では
日本漁船が漁業をや
つてはならない。そこに韓国の主権を行使するという宣言が一方的にされているのであります。この問題がわが国の漁業発展上、また公海に不当に広汎にわたりまして沿岸国が主権を主張するという意味において、国際法上きわめて重大な問題であることは御指摘の
通りであります。私
どもといたしましては、同
方面がわが国の漁業上、特に西
日本方面の漁業上にきわめて重要な影響を及ぼすものでありますので、同問題の解決につきましては、外務省等を通じまして成規な日韓の漁業会談をも
つてこの問題を円滑に解決いたしまして、も
つて日本の漁船が同
方面に安全に漁業し得るようにということを考えているのでございますが、遺憾ながら同会談は先般決裂になりまして、再開を見ないままで今日にな
つているのであります。ところで同
方面におきます漁業の操業
状況は、はつきりした
数字は私
どももつかみ得ないのでありますが、御
承知のような李承晩ラインの宣言が続いておりますので、同
方面におきましてはほとんどわが国の漁船は操業ができないという
状況にな
つているようでございます。
また同時に中共関係におきましても、しばしばわが国の漁船が拿捕されるというような事態がございます。東支那海
方面は、韓国の方と中共の方と両方の関係で、主として東支那海の北部
方面においては非常に漁業に不安を感じておりまして、同
方面に操業しておりました漁船は主として南方に移動いたしまして、今集団的に漁業をや
つているような
状況であります。
さて国府
方面は、同
方面に向いました船が拿捕されるということは最近ございませんが、同
方面におきましても一種の戦闘上必要な海域というものを指示しているようであります。しかしその海域は、
日本漁船が入りましてもすぐ拿捕されることはないようでございます。今のところ安全なようでございますが、これまた特殊な
事情にあるところでございますので、実は完全に不安なしということも言い得ない
状況でございます。
以上御説明申し上げましたように、韓国は李承晩ラインがそのままにな
つてまだ解決しない。中共の方でも拿捕船が時々あり、南方の方も必ずしも絶対に安全だとも言えない場合もあるということであります。同
方面に操業しております漁船の安全につきましては、私
ども非常に腐心いたしておるのであります。
そこで現在の段階といたしましては、韓国につきましては、会談の成規な方途によ
つて解決を見ることが第一でございますが、さしあたり水産庁の監視船がございますので、水産庁の監視船を同
方面に派遣いたしまして、海上保安庁の巡視船と共同いたしまして、同
方面に出漁いたしております漁船の保護に現在当
つているような
状況でございます。