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1954-02-16 第19回国会 衆議院 運輸委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年二月十六日(火曜日)     午前十時三十九分開議  出席委員    委員長 關内 正一君    理事 鈴木 仙八君 理事 關谷 勝利君    理事 松井 豊吉君 理事 山崎 岩男君    理事 岡部 得三君 理事 山口丈太郎君    理事 竹谷源太郎君       岡本 忠雄君    木村 俊夫君       高橋圓三郎君    徳安 實藏君       南條 徳男君    伊東 岩男君       臼井 莊一君    松浦周太郎君       青野 武一君    楯 兼次郎君       正木  清君    中居英太郎君       吉川 兼光君    館  俊三君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 石井光次郎君  出席政府委員         運輸政務次官  西村 英一君         運輸事務官         (運輸局長)  岡田 修一君         運 輸 技 官         (船舶局長)  甘利 昂一君  委員外出席者         高等海難審判庁         長官      長屋 千棟君         運 輸 技 官         (中央気象台         長)      和達 清夫君         専  門  員 岩村  勝君         専  門  員 堤  正威君     ――――――――――――― 二月十五日  自動車運送事業免許制度廃止反対に関する請  願(岡村利右衞門紹介)(第一六六八号)  同(青柳一郎紹介)(第一六六九号)  同(高木松吉紹介)(第一七八六号)  同(坊秀男紹介)(第一七八七号)  只見線中大白川駅、只見間に鉄道敷設の請願(  田中角榮紹介)(第一七八八号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  運輸行政に関する件     ―――――――――――――
  2. 關内正一

    ○關内委員長 これより開会いたします。  運輸行政に関する質疑を続けます。岡本忠雄君。
  3. 岡本忠雄

    岡本委員 私は海運造船政策について、二、三の問題をお伺いいたしたいと思います。  一つ臨時船質等改善助成利子補給法運用造船政策との関連の問題でありますが、最近大阪商船那智川丸太洋汽船に売つて太洋汽船はそれによつて新しい船をつくつたという問題があるようであります。そこでこの問題につきましては、運輸当局としましては係員を現地に派遣されまして御調査なつたと聞きましたので、その大体の経過をお伺いすると同時に、第一には解撤完了証明が出されておるようでありますが、それには遺漏がないかどうかという問題、第二には河内丸は改造であるか新造であるかの問題、第三点は河内丸性能は、でき上つておればどういうような性能を持つておるか。また今後でき上るものであるならばいかなる性能を持つものであるか、少くとも元の船よりは性能はすぐれておるか、優秀船になつておるかという、この三つの点をまずお伺いいたします。
  4. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 大阪商船新造の見合いとして解撤いたしました那智川丸の残骸を太洋汽船に売り払いましたところが、太洋汽船はそれを再生してまた元の船に近いものにしよう、こういう計画を持つておるようでございまして、運輸省といたしましては、実はこの法律運用について、かようなことの発生をほとんど夢にも考えなかつたような次第でございまして、非常に驚いてさつそく現地調査をする等の措置を講じたのでございます。臨時船質等改善助成利子補給法施行規則で、主機を除去して船体鋼製部分の重量の少くとも四分の一に相当する鋼製部分を除去すれば、それで解体したものとみなす、こういうことで進んでおつたわけであります。ところで大阪商船はこの法律に規定する正面のまま解釈をして、主機を除去して銅製部分の四分の一をとつて太洋汽船譲つた、こういうことであります。従いまして一応海運局としては、大体施行規則の要求しているところを満たしているというので、解撤証明を出したようでございますが、この法律を厳重に解釈いたしますと、その主機並びに船体の四分の一の部分を単に一時的にとりはずすだけではなしに、そのものはもちろんのこと代替物をもとりつけてはならない、こういうふうに考えるのでございます。従いまして当初の解撤程度では、この施行規則の要請しているものを満たしていない。そこで、それではその主機を除きかつ船体の四分の一の鋼製部分をとりはずしたものであるか、その残余の船骸を利用した場合に、それが元の那智川丸同一性を保つておるかどうか、こういう判定に相なるわけであります。そこで私ども内部でいろいろ相談いたしまして、船舶同一性があるかないかという点につきましては、これはやや専門的になりますが、船舶基本材である縦強力材並びに横強力材を構成している外板、それから甲板、それから隔壁、助骨、梁等の大部分の新換を含む継続的工事であるかどうかの認定によるべきである、こういう解釈をしております。ところで太洋汽船の今までやつておりました工事は、私ども解釈しておる今申しましたような条件を満たしてないというので、その条件を満たすように指示をしておるわけであります。従つてその条件を満たしますると、これは新造になるかと考えます。それからその性能でございますが、私今正確に申しげることはできませんが、前の船は近海航路の船であつたのでありますが、今度の船は遠海区域航行に適する促進をやつておるように聞いておりまする。この点にきましてはなお詳細調べて、後ほど御答弁申し上げたいと思います。
  5. 岡本忠雄

    岡本委員 今の御説明経過及びただいままでの結果は大体わかりましたが、この法律目的は、第一条にあるごとく、低性能船の減少と外航船舶の増強の二つにあることは疑いないところであります。そこで、この河内丸が内航に使われるか外航に使われるか、今の説明でははつきりしないようでありますけれども、いずれにしましても優秀船にならない限り、この法律目的に反することになるだろうと思う。いわんやもし外航船に使われる場合におきましては、臨時船舶建造調整法というのがもう一つありますから、これによつて建造許可を受ける手続を要する、この点につきまして御見解を伺いたい。
  6. 甘利昂一

    甘利政府委員 那智川丸は二級船で近海航行区域を持つておる船ですが、今度つくります船は三級船で、遠海航行区域を持つておる船であります。従つて臨時船舶建造調整法では五百トン以上の近海航行区域を有するものを建造許可に掲げておりますので、今度の船はトン数五百トン以上でありますが、三級船であり、遠海航行区域を有する船でありますから、建造許可にかからないわけであります。ただ三級船で新造でありますので、船舶安全法の適用を受けて検査は受けます。従つて私たちの今まで調査した範囲においては、この線は相当りつぱな船にするということを意つておりますので、検査の面で合格すれば、三級船としておそらく優秀な船ができるのじやないか、こういうふうに考えております。
  7. 岡本忠雄

    岡本委員 そこでわかりました。ところでかような事例は今後も続々と起るのではないかと私は一応想像するわけであります。そうなりますとこの船に関しましては、約五百万円の利子補給になつておると思いますが、優秀なる船にかわらない場合は、単にその裏を返してみると五百万円の利子補給したにすぎないということになる。そうするとこの法律目的を少くとも、半分減殺されるということになりますので、この種の問題につきましては、運輸省とされましては国家的経済の面からも考えつつ、将来問題を疎漏のないように解決をしていただきたい、かように希望をつけて、この問題については一応終ります。  次にお伺いいたします。これは海運造船政策の問題でありますが、外航船舶建造融資利子補給法の一部改正にあたりまして、海運業造船業合理化が強く要望され、また運輸省政府当局におきましては必ずそれをやるというような御答弁もあつたと私は記憶するのでありますが、その後いかなる合理化措置をとられておるか、またその経過、結果はどういうような効果を上げておられるかという点につきまして、一応御説明願います。
  8. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 海運業合理化につきましては、先般の利子補給法の成立以来、私ども鋭意海運業者指導に努めて来ておるのでありまして、海運業者といたしましては私ども指導まつまでもなく、最近の経理状況の悪化によりまして極力経費の切詰めをやる。たとえば地方の支店、出張所を閉鎖して代理店にするとか、その他の経費の節減を努めておるのであります。私どもといたしましては海運業者に対しまして、たとえば九月期の決算におきまして極力配当を抑制して、これを債務の償還に振り向けるというふうな指導をして来ておる。従つて九月期の決算におきましては、海運業者として配当をしたものがほとんどなかつた考えます。これがいいか悪いか一つの批判の対象になると思いますが、私どもとしてはこの際極力内容の充実に努むべきであるということで、指導をして来ておるわけであります。またその経費内容につきましても、詳細なる報告を徴しまして、その内容で私ども不審と思われる点について海運業者説明を求め、是正の必要なものは是正を求める、かように努めて来ておるのでございます。今さらに年末における各種の支出におきましても、私どもの見まするところでは海運業者として非常なる努力をいたして来ておる、かように考えておるのでございまして、具体的にどういうことをやつておるかということは、ここで詳細申し上げるのに煩にたえない次第でございますが、業者としては最善の努力をいたしておる、かように私ども考えておるのであります。なおしかし私ども監査を発足いたしてから約半年、ようやく海運会社の内情を把握する端緒を得たという程度でございまして、今後一層その指導を強化して行きたい、かように考えております。
  9. 岡本忠雄

    岡本委員 ただいまの御説明で、とにかく努力はしているというお話でありますけれども、なるほど海運業の方には相当アトヴアイスもされ、配当も抑制されたということ、確かに私どももわかりますが、造船方面につきましてはどういうような合理化方法をとつておられますか。
  10. 甘利昂一

    甘利政府委員 造船に関しまして一番効果的に現れますのは、結局総合的な施策として最後船価が下るということが一番大きな問題であろうと思いますが、これは昨年の九月にやりました外国船の工費についても、前半に比べまして船価が約二八%程度下つております。その内容を詳細に申し上げますと、鉄鋼補給による船価低減が約三%から四%、それから船主のいろいろな費用、設計その他の簡素化によるものが四、五パーセント、その他造船所のいろいろな企業努力によるものを合せまして、大体一六%というような船価低減を見ております。一方、従来の鋼材の補助がなかつた場合、昨年の四月から八月までの間に輸出船としてとれたものは約百十トン、金額にして三十四万ドルでわずかでしたが、八月十五日以降、造船コスト引下げに関する措置がとられましてから一月末までに、予定の九万トンに対して約八万八千トンの輸出船をとつております。金額は二千四百万ドルから五千万ドルに上つておりまして、こういう点から見ますと、元来船価構成要素の七割が材料その他の購入品でありますので、それが国内船外国に比べて非常に高いというので、単に造船業合理化あるいは努力によつてのみでは、とうてい国際船価に太刀討ちできませんが、ただいま申し上げましたような一部の鋼材補給することによつて、これだけの輸出実績が上つておるということを見まして、造船業努力と相まちまして、相当効果を上げておるというふうに考えております。  なお今後とるべき措置としては、鋼材のみならず、その他の一般材料、製品、これらのコスト引下げ措置を講ずべきじやないかと思つておりますが、これに関しましては、造船関連工業と申しますか、補機であるとか航海計器であるとか、そういうものをつくつております業者の設備の改善あるいは合理化等によつてこれらのコスト引下げなければ、容易に船価は下らない。従つて日本の全工業生産コストが全般的に下つて来なければ、船の原価は下つて来ないということでありますが、ただよその業者合理化まつまでもなく、造船所としては十分合理化をやつております。その一例を上げますと、たとえば昭和二十五年に一番初めにやりました外国船の場合の鋼材使用量を一〇〇といたしますと、九次後期の場合はそれが約一割ぐらい減つております。それから工数の面では、その当時を一〇〇といたしますと、現在は七六から七でありますから、工数の面においても相当減つておりますので、造船業としては相当努力をしておる、こういうように認めております。
  11. 岡本忠雄

    岡本委員 さらに私は第二の問題についてお伺いいたします。今やかましくいわれております造船問題をめぐる諸問題というものは、金融界にも相当の影響を与えるだろう、かように一般に推測されておるようでありますが、その結果は金融界が引締めるということになる、またその結果は造船建造有力筋に集中する傾向になりはしないか、かように大体常識的にも考えらもますが、今運輸大臣がおられませんので残念でありますけれども、これは運輸局長船舶局長がここでおわかりになればお答え願いたい、運輸大臣が十二日の記者会見におきまして、三十年度以降の造船については国営造船方式をとらざるを得ないというようなことを言つておることが新聞に出ております。一体何ゆえにかような結論になつておるのか、問題が今ごたごたしておるものだから、それによつて方針をぐらぐらさせたり、またあわてたりした結果の御意見であるかどうか。真に国営方式をとろうという計画を検討されておるのかどうか、こういう点について一応の御説明を願いたい。
  12. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 運輸大臣の言葉でございますが、おそらく運輸大臣はこういう意味でおつしやつたのではいか、かように考えるのです。それは二十九年度でもなかく市中融資がむずかしいのだが、三十年度になるといよいよむずかしくなつて市中融資がつかなくなるのではないか、従つて国営という面に実際上追い込まれるのではないであろうか、こういうふうな趣旨でおつしやつたのではないかと思います。参議院の運輸委員会大臣答弁を私聞いておりましたが、自分としては国営は望ましくない、しかし実際問題として追い込まれるような状況になりはしないか、こういうことを心配している、こういうふうな意味でおつしやつたと私は解するのでございます。
  13. 岡本忠雄

    岡本委員 そういう心配があるというだけで、国営造船方式をとるという考えは今のところは持つておらない、こういう意味でありますか。
  14. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 大臣のお気持はもう一つ確めておりませんが、私は大臣国営まで考えておられない、かように考えます。
  15. 岡本忠雄

    岡本委員 そこで二十九年度造船計画の問題に入つて御質問申し上げます。大体九次までの造船は六月中に完了するだろうと考えられますが、二十九年度造船計画が遅れると、特にまたこれが数箇月も遅れるようなことになりますと、業界に対して非常な問題を起すだろう。そこでいろいろの問題が今取上げられて、運輸省としては忙しいでありましようけれども、しかし二十九年度造船計画は遅れないようにやらなければならない。この点につきまして目下の計画進捗状況はどういうようになつておりますか、またいつごろ計画が実行に移されるかという点についての御確信のあるところを御説明頂きたい。
  16. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 毎年度造船計画でございますが、大体その次の年度予算――ただいまで申しますと、二十九年度予算の通過の見通しがはつきり立つたころから、 私ども造船計画実施のいろいろな作業を開始するのでございます。従いまして、ただいまいろいろ問題が起つておりますけれども、かりにそういう問題が起らないにいたしましても、私どもといたしましては、大体三月の末ころから造船計画実施に必要ないろいろな作業をいたしたい、かように考えておつた次第でございます。従いまして私どもといたしましては、どういう問題が起ろうと、造船計画実施がいつもより特に遅れることのないようにできるだけの努力をいたしたい、かように考えております。しかし先ほども御指摘がありましたように、実は二十九年度造船につきましては、たとい日本にありますような問題が起らない場合でも、市中金融機関は非常に強硬な態度をとつております。二十九年度予算編成のときにも、市中銀行から運輸大臣あてに、まず二十九年度造船計画実施する前に、海運会社担保力の問題を解決してもらいたい、二十九年度にはほとんどの海運会社がもう担保力が残つていない、従つて担保余力のないものに市中銀行としては命を出すことは困難である、この担保余力解決がまず前提である、それから政府財政資金を七割、あと三割を市中銀行、かようにお考えでしようが、市中銀行は七割では困る、率は言わないが、その七割の率をさらにもつともつと上げるようにという要望が、公式に文書で来ておるわけでございます。従いまして、そこへいろいろの問題が起つておりますので、との市中銀行協力をどうして得るかということにつきまして、できるだけ早く市中銀行側と交渉を進めたい、かように考えておる次第でございます。私どもとしては計画実施の遅延がいろいろの問題を起さないようにということにつきまして、できる限りの努力を払いたい、かように考えております。
  17. 岡本忠雄

    岡本委員 遅延しないように極力努力を要望するものでありますが、すでにこの業界には相当の波紋がありまして、大造船所アイドル防止のために、小型船建造に力を注ぐということがしきりに事実問題として起つておるようであります。大造船所としては経営困難とか、工員を首にしないとか、あるいは失業防止のためとか、いろいろの面から当然の自衛の方法だろうと思いますけれども、その及ぶところは中小造船企業に非常な大打撃を与えるということになるかもしれない、こういう点につきましての調整につきましては、運転当局としては非常に大きな問題であろうと思う。この点につい丁の御方針を伺いたい。
  18. 甘利昂一

    甘利政府委員 従来とも不景気になりますと、大造船所中小造船所との間にいろいろ仕事の奪い合いがあつたのでありますが、今お話のように現存すでにそういうことがはつきり出ているというふうには私は考えておりません。主として大きな造船所輸出船受注相当努力を払つておりますし、またわれわれとしましても今後内地の計画造船が来年度のように二十万トンという数字になりますと、やはり造船所全般として輸出船受注に全土を上げなければならぬという観点から、いろいろな受注がやりやすいような指導監督、あるいはたとえば輸出入行の金利を引下げるとか、支払い期間を延ばすとか、あるいは昨年やりすしたような鉄鋼価格引下げであるとか、そういうような面を推進いたしまして、できるだけ輸出船をとる。また輸出船は必ずしも大型船だけではありませんで、最近は東南アジア方面から相当小型輸出船の注文もありまして、これは主として中小造船所がとつております。その調整は役所としてはやつておりませんが、業界相互機関でありますところの造船工業会において、自主的にある程度そういう申合せをしまして、大きな造船所はなるべく小型の船をとらないように、小型の船はなるべくそれに相当した中小企業でやるようにというような自主的な指導をしておりますので、現在のところ大きな造船所小型の船をとつて中小造船所が非常に困つておるというふうなことは私は聞いておりません。
  19. 岡本忠雄

    岡本委員 私は実際問題はあるかないかは実ははつきりは知りませんけれども新聞が伝えておるところはきわめて具体的な会社の名前からトン数から、非常に具体的なようであります。これはひとつ御研究願いたい。二十九年度造船計画が遅れれば遅れるだけ、こういう問題は起るおそれがあるのでありまして、ただいまそのおそれがないというのは少し甘く見過ぎるというふうに私は感じます。今造船工業会が中心になつて、自主的にやつておるというお話けつこうでありますけれども、少くともこれに対しては政府としても相当指導をやる、あるいは協力をするという形があつてほしいと私は思う。さらに輸出船に対して非常に努力しておるという、まことにけつこうでありますが、最近私が耳にして知つたところによりますと、キューバ糖輸入リンクして輸出造船を許可するということが、運輸省との間に話が出たということを新聞で見ましたが、これは事実でありますか。
  20. 甘利昂一

    甘利政府委員 それはこういう実情になつております。従来砂糖トン当り輸入価格が大体、百十五ドルから百二十ドルくらい、それが今度キューバ糖を入れますと、八十五ドルから九十ドルくらい、その間に三十ドルないし三十五ドルの差額があるわけです。これをその砂糖輸入した貿易業者から半分ないし相当パーセントを吐き出させまして、輸入業者が船であるとかあるいは車両であるとか、その他いろいろな輸出品をやる場合にそれを容易にするように補給してやるという制度をとつておるのでありまして、いずれにせよ砂糖割当に関する外貨が少いものですから、自然こういう方法をとつておるのでありますが、ただその方法によつて輸入し得る砂糖の量も限りがありますので、非常にはげしい競争があるようであります。従つて通産省の意向としては、船の方にある程度従来からの実績があり、国際競争ができるようなものについては、なるべく遠慮してもらいたいというふうな話がありました。従つて第一回の場合には、たしか船の方は除外されたと思つております。しかし第二回月のものについては、両省の話合いである程度船は入れるということを聞いておりますので、おそらく第二回目においては実現するだろうと思います。従つて船の場合には、ほかの輸出品と比べまして国際的の価格の差がそう高くないものですから、わずかの補償でできる。ただ一隻の金額輸出品と比べて非常に多額に上りますので、一隻あれするためには相当多量の砂糖を入れなければならぬという点において、ほかの輸出産業を圧迫するというふうな傾向はあるかと思います。また一方先ほど申し上げましたように、業界としても、どうしても価格の差で輸出ができないようなものは、こういう砂糖リンクしてテンポラリーに出すということも必要かもしれないが、造船の方にある程度従来からの実績もあり、しかも国際的に広く買われておるようなものについて、こういう制度によつて低い価格輸出することは、今後成規輸出契約に対して非常な障害になりはしないかというふうな業界の声もありますので、この点は業界ともよく相談いたしまして、今後これを継続するかどうかということについてはいろいろまた考える余地がありますが、ただすでにそういう条件で契約して申し込んでおるものもありますから、これについては二回目の割当の際において考慮するということで目下話を進めております。
  21. 岡本忠雄

    岡本委員 問題は、この砂糖とのリンク制という点に考えなければならぬ点があると思う。政府は、日本人はあまり砂糖をなめ過ぎるというので、今度は非常な増税をしておる。こういうような砂糖とのリンクで船を出すということは、国策的に見まして実に考えなければならぬことだと思う。運輸省及び通産省、いずれも相談されるわけでありましようが、外貨予算といいますか、少くとも輸入貨物予算というものは毎年立てられるわけでありますから、この予算計画におきまして、生産財リンクして入れるように考えなければならぬ。砂粒なんかとのリンクは、この際やめられたらどうか、かように私は考えるのでありまして、この点はひとつ御研究願いたいと思います。  最後に私は海運界の再編成の問題について、海運局長にお伺いしたいと思います。海外航路における運賃競争か段と激化して参りましたただいまにおきまして、二十九年度造船計画の公募を契機としまして、オペレーターを中心として海運の再編成を推進する意思はないか。何か考えておられるところがあるかどうか、この点をお伺いします。
  22. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 海運会社を集約統合して、海運会社の企業力と申しますか、経営内容の強化をはかるということにつきましては、私どもといたしましては最大の関心を払つておる次第でございます。昨年の暮れあたり各主要なるオペレーターを招きまして、その意見を徴し、また今年になつてから、金融機関その他の意見を聞くように計画を進めておつたのでございまするが、いろいろな問題でまだその段階に至つておりません。しかし私どもといたしましては、何らかの方策を講ずる必要がある、かように痛感をしておる次第でございます。しかしこの企業の集約統合ということは、言うことは非常にやさしゆうございますが、実際の実行は非常に困難を伴いますので、はたしてそれだけの犠牲を払つて得た結果が良好であるかどうかということを、十分見きわめてやる必要があるのでありまして、私どもの構想を立てるにいたしましても、相当の時日を要するのではないか、かように考えます。それからもう一つそういう機運というものは、各会社が実際上経理的に行き詰まつてどうにもならなくなつた、自分たちだけではやつて行けないという気持が起つたときに、初めて無理なく行い得るものであります。従つてそういう情勢の発生ということが、やはりそういうものを促進する前提じやないか、かように考えるのでございます。ところで本年の日本海運界を見ますると、今後の先行きは非常に悪く、本年の末ごろになりますと、おそらく各海運会社ともほとんど経営上行き詰まりの状態にまで達しはしないか、かようなことが予想されるのでございます。従いましてそういう事態になりますと、好むと好まざるとにかかわらず、集約統合という方向に進むのではないか、かような考えを持つておるのでございますが、運輸省といたしましては、できる限りそういう方向に努力いたすつもりでございます。具体的にそれではどうするかという御質問がありましても、まだそれにお答えするだけの具体的な案を持つてはおりません。  それから各航路における混乱でございますが、これにつきましては、昨年来日本海運業者の間の提携、協調ということを強く勧告いたして参つておるのでございます。従いまして、ニューヨーク航路あるいはインド、パキスタン航路、濠州航路、各航路とも問題が起り、ニューヨーク航路、インド、パキスタン航路等におきましては、まだ問題の解決点には至つておりませんが、日本海運業者の間における協調の機運というものは、昨年の半ば以前とその後におきましては、格段の相違がある。みんな手を握つて日本の海運の円満なる発展を遂げようという気持におきましては、現在間然するところなし、かように私は考えるのであります。
  23. 岡本忠雄

    岡本委員 大体のことはわかりますが、問題は国際海運界の情勢判断で、今局長が言われるように、非常に悪い観測を私も下すのでありますが、いよいよ困つたときに自然に結束するだろうということは支障を来す。そこで実質的にそういう機運が起るように指導しなければならぬのは当然でありますけれども国際競争が非常にきつい。ただいまいささかもうおそいかもしれない。おそいけれども、おそきに過ぎるということはないと思いますから、再編成といいますか、これについては、やはり運輸当局としましては推進力になつて指導せられることがいいのではないかと私は思うのであります。海運関係について最近監査官の制度を設けておられるようでありますが、この制度のごときも単に利子補給の実態調査ということにとどめないで、こういう方面にずつと活用されたらどうか。もとより私は戦時中のようなああいう整理統合というものは大失敗だつたと思いますから、こういうものを言うのじやありませんけれども、少くともここまで日本の海運が復興の緒について来た、かつこれに対しましては諸外国が非常に警戒をしておるという際におきまして、海運界が水も漏らさぬ結束をして行くというような行き方、さらに無用な競争を防ぎ、また合理化をして行くということは、こういう際にこそやらなければならぬ。いざ困つてから結束するのではおそいと思うのでありまして積極的な御指導をお願いしたいのであります。ニューヨーク航路にしろ、結局日本の海運の復興の状況においてはこれを認めざるを得ぬだろうということを、イギリス筋が言つておるということを聞きますけれども、またこのことは先般の利子初給法を審議する際におきまして、一つの理由として説明がされたようでありますが、半面私は、かうに考ええるのは甘いのであつて、おそらくイギリス等は、日本の内部において同胞相はみ、相争うことを期待しておるだろう、かように考える。海運界につきましてはすべて甘い考えは捨てなければならぬと私は思うのであります。こういうように考えてみますと、この際運輸当局は毅然とした方針を立てて、ぐらぐらしないようにひとつつてただきたい。ぐらぐらすること自体がすでにすきを与えることになります。造船疑惑そのほかでいろいろ糾明され、困難な立場に立たれるだろうと思いますけれども、政策そのものは強力に推進していただきたい、かように思います。また一面、事務の渋滞を来すようなことがあつてはならない。こういう点について私は特に運輸当局にお願いをしますが、最後に御見解を伺いたい。
  24. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 ただいま御説がありましたように、外国の海運筋ではむしろ日本海運業者同士骨肉相はむ状況の現出を期待しておるということは、あるいはそう言えるかと存じます。これに対しまして、先ほど申しましたように、日本海運業者全体が今協調の機運に燃えておる。その一つの具体的な現われといたしまして、主要なる海運業者で海運合理化促進懇話会といろ機関を設けまして、そこで各般の具体的なる協調方法を論議いたしておるのでございまして、私ども今御説がありましたように、なお強力にこれを指導して行きたい。なお、私どもの海運政策につきましては、船腹の拡充は、日本の海運の現状からいたしまして、私ども依然として強くその必要性を痛感しておるのでございます。たといいかなる問題が起りましようとも、私ども毅然として私ども考えておる政策に向つて邁進したい、かように考えておる次第でございまして、何分ともこの土の御指導をお願いしたい、かように思います。
  25. 關内正一

    ○關内委員長 青野武一君。
  26. 青野武一

    ○青野委員 私は順を追うて御質問を申し上げたいと思いますが、いろいろお忙しいことと思いますので、中央気象台長に最初に御質問を申し上げたいと思います。  それは前の運輸委員会で問題になりまして、委員会としてはすでに決議の形で意思表示をしておりますが、多少予算関係で困難を感じておる例の定点観測の問題であります。アメリカと協定して曲りなりにも北洋方面の観測を続けて参つたそうですが、最近それが費用の三分の二の負担をしないという方的な申入れで、事実上さしあたり観測船一ぱいの建造盟約六億円といたしましても三隻は必要だ。もしこれがないと、たとえば日本の北洋方面の漁業関係、あるいは暖流、寒流、あるいは台風等の気象の観測が、将来非常に憂慮すべき事態に追い込まれるのではないか。特に海上船舶においては、中央気象台の発表を命綱にしていろいろな海上動作をしておる。そういうものが杜絶することによつて非常に大きな悪影響を受けるのは、ひとり海上業者のみでなく、農民にとつても非常に重大な問題でございます。大蔵省は緊縮予算一点張りで兆円に切り詰めておりますので、予算関係が非常にきゆうくつだと思いますが、この点について、中央気象台としては具体的にどのような考え方を持つておるかということを、私は第一点としてお伺いしたいのであります。
  27. 和達清夫

    和達説明員 ただいま仰せのように、わが国の定点観測業務は、昨年の十月末をもつてその業務を約四分のに縮小された。もう少し詳しく申し上げますと、北と南の二点を年中観測いたしておりましたのを、南の方の台風や豪雨に必要な半年を残しまして、他を休止するのやむなきに至つたのであります。これは先ほどのお話のように、米国の四分の三の負担がとりやめになりましたことから生じまして、気象観測をいたす者としては非常に残念な次第でございますが、この問題の起りにもなつておりますのは、先ほどもお話のありました通り船の問題が相当に問題であつたわけでございます。それで日本といたしましても、日本の気象は御承知のように非常に複雑でございますし、かつただいまのお話のように海上の船舶の安全、あるいは日々の気象業務にも大切な役目をしておるこの定点観測というものは、わが国自体においても行うべきものであるということは私どもも痛感しております。ただ何分にもその経費が、気象台の全予算と比較いたしましても非常に大きなものでございます。かつまたこの前に本委員会において気象業務施設の整備促進に関する決議をいただいておりまして、近年非常に自然災害が続けて起りましたが、治山治水の恒久対策に対する気象の寄与というようなものに対して、すみやかに気象業務を整備すべしというような決議をいただき、また太平洋上の定点気象観測に関する決議もいただき、日本の気象業務に対する御理解と御激励に対して、私どもといたしましてはまことに感激いたしておる次第であります。こういうような気象業務施設の面におきまして、二十九年度予算編成にそれぞれの予算をもつて臨んだのでございますが、先ほど申し上げますように、何分にもどちらも相当経費のいるものでございますが、緊急でありますところの治山治水の水害対策というようなものの方をまず最初にお願いいたしまして、そしてある程度予算を二十八年度の補正予算、二十九年度予算に組み入れていただいたわけでありまして、この定点観測の方はその重要性について多大の関心を払いつつも、実際におきましては第十八回国会の補正予算の際と同様に、南方の方の六箇月をいたすだけにとどまるのやむなきに至つたのであります。仰せのようにわが国は海に取巻かれておりますので、海上の船舶の安全というものは特に重要なことでございます。従来からもこの点には気象台も非常に力を入れまして、定点観測のなかつた時代におきましては、海上を航行しておる船舶から送つて来るところの気象報告が大きな役割を果し、それによつてつてつた次第であります。これに定点観測が加わりますと、この精度が非常に増しますために、海上の船舶の安全性を増し、保安の業務が確実に行われるようになりまして、この定点観測が再び休止になりましたことは非常に残念ではございますが、私どもは財政上の見地からやむなしといたしますれば、この海上を航行している船舶からできるだけの資料をとり、それを活用することによりまして、海上船舶の安全ということにできるだけ努力したいと存じている次第でございます。
  28. 關内正一

    ○關内委員長 青野君にちよつと申し上げますが、大臣は十二時から予算委員会に出席しなければならぬようでありますから、気象台長その他に対する質疑はあとまわしにしまして、運輸大臣に対する質疑を先にお願いいたします。
  29. 青野武一

    ○青野委員 順序がございますので、いきなり石井運輸大臣にだけ質問するということにも行かないのでございますが、また別の機会に御質問できるようになると思います。今の気象台長の御答弁で大体了承いたしましたが、私の質問しようとする点は、今の予算では十分でない、私は三分の一と申しましたが、四分の三のアメリカ側の負担によつて日本の掃海艇か何かで気象観測をやつてつたのが、事実上それが使用にたえないようになつた。そこで十分な気象事業を完遂しようとすれば、南と北で五隻、一隻の建造費六億として約三十億いる、われわれは常識的にそう考える。もし保安庁関係の海上警備隊あたりの費用を多少でもまわせば、海上を通過する各種の船舶からのいろいろな報道によつて、十分その使命を果すことができる。特に北海道は別といたしまして、遠洋漁業のカムチヤツカ、ベーリング海、あるいは樺太の付近、歯舞、色丹、北海道では太平洋岸、あるいは東北六県の冷害地帯、これは御承知の通り単作地帯です。南ももちろん台風関係で大事でございますが、気象事業の完璧を期するのは、片ちんばなわずかの予算で、これで大丈夫と見きわめをつけても、なかなかその通りには行きません。そういう状態に追い込まれるとすれば、十分の仕事を期待することはできません。そこで中央気象舎長としては、具体的に予算関係ではどのようなことをしてもらいたいという考え方をお持ちであるか。質問の要点をつかんで簡単に御答弁願いたいと思いますが、それによつて私は石井運輸大臣にお尋ね申し上げたいと思います。
  30. 和達清夫

    和達説明員 気象の業務というものは、空は非常に高いところまでございまして、わが国のごとく四面を海にとり囲まれたところにおきましては、これを完全に行いますには非常にたくさんの観測が必要になつて参ります。われわれがいろいろ研究いたしましたり、また複雑な計算をしたり、学理を使うのも、一つには費用を少くし、重点的観測をして、こまかい観測を何とか補おうという努力も、そこにございます。いろいろ御理解深くおつしやつてただくのでありますが、これだけすればというようなことを今ここですぐ申し上げるということは、非常にむずかしいことでございます。ただいま日本の気象台がやつていることが十分であるかどうかということになりますば、私はもう少し土高層の観測もふやしていただきたいし、定点観測もできれば北の一点、南の一点でなく、さらにふやしていただきたいと思う次第でありますが、私ども技術者がそういうことを言いまして莫大なお金を申し上げることも、実際問題として不可能な場合もあると存じますので、そういうような計画を別にお出しいたすならば、いつでも資料は提出いたしますが、ここでこれだけあればということは、ちよつと申し上げかねることをお許し願いたいと思います。
  31. 青野武一

    ○青野委員 運輸大臣が十二時までで予算委員会の方に出られるそうですから、ただいまの質問のむし返しになるようでございますが、中途からおいでになりましたので、一応申し上げます。私が中央気象台長にお尋ねいたしましたのは、今までの気象業務に対して、いろいろな費用をアメリカ側が四分の三負担しておつた。それを何かアメリカ側の事情によつて、一方的に中止するという申出があつた。そのために、南方の方はどらかこうかやつて行けるが、北の方は非常に困る。ずつと前の運輸委員会のときに、私は資料ももらつております。そのときの説明も聞きました。そこで、南の方は別として、北の方に六億円の建造費のかかる観測船を三ばいつくるべきである。こういうことは、日本の国民生活の上に重大な影響力を持つている。誤つた気象台の報告によつても、非常な苦しい立場に追い込められつつあるのに、そういう観測ができないような状態において、一方においては保安庁関係の予算ばかり何十億円ふやして行くことは、均衡を失しておる。そこで石井運輸大臣にお尋ねいたしますが、この観測船を三ばい一ぺんにつくることができないとしても、建造の年数もいります。優秀な造船所にありましても、特殊な船舶でありますから、設備、構造等についてもまた違いましよう。そこでこの予算関係ですが、運輸大臣はこの点について、大蔵省とどの程度に御折衝になつたか。一兆円緊縮予算のうちで、今から交渉してもどういう結果になるか、それはわかりませんが、今までの大蔵省との折衝の過程、それから日本の気象事業について、このままでよろしいかどうか。私どもは超党派的立場に立つても、こういう方面にこそ相当予算を獲得すべきであると思います。陸上関係の予算と、海運関係の予算相当差がある。陸上関係が常にまま子扱いされておる。そのために起つて来る造船疑獄等についても、私はあとから質問を申し上げますが、そういう点からいつて、責任者の立場にある石井運輸大臣は、この定点観測、気象事象に対する船舶の不足、アメリカに一方的に約束を破棄せられて後のこの事業に対して、予算関係でどのような折衝をされ、将来についてどういうお考えを持つておられるかといこうことを私はお伺い申し上げたいと思います。
  32. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 気象業務全体につきまして私の考えは、昨年の災害でわれわれが気象方面から報告を聞く範囲においては、判断もできないようなひどい状態が各地に起りました。この場合私は気象台長にも、これをあらかじめ知るような方法は、科学的にもないものか、また実際的には、今の程度ではどうやるのかというようなこと等も、いろいろ聞いたことがあつたのでありますが、まだ十分にはわからないが、相当な設備をすれば、もう少しいろいろな情勢がわかるはずだというようなことが、大体の結論でございました。それで災害問題につきまして、国会の方でも、気象観測に力を入れるべきだという声が出ました。私ども全然同感でありまして、その問題を取上げて、本年の補正、それから来年度予算について予算をこしらえ、大蔵省ともいろいろ折衝いたしたのでありまするが、御承知のように新規事業を一般的には一切やめるという建前で、一兆円の予算を守るという方針のもとに、いろいろな問題を取上げなければならなくなりました。この測候所の問題につきましても、私はふだんの年よりは非常に困難な予算獲得の立場に置かれたのでございましたが、国会の意向等も反映いたしまして、ほかの方よりは予算の上で割合によく見てもらいまして、これによつて観測の方は一歩前進をした、私はまだそのくらいにしか思つていないのであります。まだまだやりたいことがたくさんあるように承知をいたしております。その一つとして、今度の定点観測の問題が出て来るのでございますが、これはアメリカがその費用を出さないということになりました後、気象台長を中心といたしまして、この問題を大蔵省といろいろ折衝いたしました。私どもも一緒になつて折衝をいたしたのでありますが、これにはさつきから気象台長も申しておりましたように、あらためて日本側でやろうという問題になりますると、いろいろな設備、たとえば第一番に船の問題であります。今までの船で勇敢にやつて行くと、それに従事している人たちは言われるのでありますが、気象台長としては、どうしてもあの船で観測は無理だというような考え方もありまして、新規な船がつくられないくらいならば、そして今までのような船で、今まで通りやつて行くことが費用の点で困難であるならば、それをやめて、そこを航行する船、あるいは必要に応じては日本の別な船を出して観測をするということでやつてつても、何とかやつて行けるという測候所側の見方でございます。今度はわずかばかりの予算の増でありましても、それは台風に対する観測の方面に機械設備をだんだんまわしましたので、こちらの方はちよつとお預けの形になつたのでございます。しかし私どもといたしましては、定点観測は戦争前はなかつた、だからもうそこに帰つたつてもしかたがないのだ、たまたまアメリカが来てやつたから、われわれも便乗してやつたのだけれども、それほど大したことでないというふうには決して考えてないのであります。何とかいたしまして予算をまわすことができるようになりますれば、北方の定点観測も回復したいし、また南方の半年というのも一年に延ばしてやれるような状態に持つて行きたいということは、私どもの念願するところでございます。
  33. 青野武一

    ○青野委員 御答弁で大体の内容は了解することができました。気象台長のお話を聞きますと、ここでは御答弁はできませんが、必要があればいろいろな資料を差上げてもよろしゆろございますといろお話でございましたので、これは運輸委員全体の希望として、小し僭越でございますが、定点観測に関する気象台側の意向として、もしわれわれに非常に必要な資料がございましたら、御迷惑でございますが至急におつくりになつて、各運輸委員、なお関係者に御配付を願いたい、これは委員長を通じて、委員会の意向としてそういう希望をしてもらいたいと思います。  それから私は、十二時までに予算委員会においでになるので、順序を追うて石井運輸大臣に御質問ができないのは残念でございますが、こまかい数字は本日は申しません。すでに法務委員会造船疑獄に関する問題を取上げられて、決算委員会ときのうの予算委員会でもそれぞれ造船疑獄は中心になつている。私は国際海運の競争裡において日本が落伍しないために、戦前の保有船腹の七割程度を至急につくつて行きたいという石井大臣の御意見には全面的に賛成である。しかしながらあまり事を急ぐがために、こういう問題が次から次と起つて来ては、国民にとつてこれより大きな迷惑はございません。予算委員会あるいは法務委員会決算委員会等で、すでに数字をあげていろいろな問題を具体的に審議されております。聞くところによると、わが党の猪俣浩三委員の質問に答えて、佐藤検事総長は法務委員会の席上で、当時の運輸委員と思いますが、それらの諸君を内偵中であるとか、内査中であるとかいう重大な御発言があつた。そこで運輸委員会は証人喚問というところまで出ることができないかもわかりませんが、これは直接の運輸行政であります。しかもわれわれはその当時の運輸委員ではございませんが、その当時の運輸委員という名をさして、検察当局としては内査中であり、内偵中であるということを法務委員会で検事総長が言明したということになれば、私どもこの問題を全然切り離して、陸運と海運だけの予算を御質問申し上げるわけにも参りません。  私はここにも持つておりますが、大体最近の昭和二十六年、二十七年、二十八年の政党献金を調べてみますと、どうしても金額の多いのは船舶関係の政治寄付金である。日本造船工業会が――政党は申しません。議会を左右する力の強い政党には大体五百万円、その次の政党に三百万円、こういつた献金が毎月ではございませんが、適当な期間を置いて政治資金として献金されている。成規の届出があつたので私は写しをとつて来ております。日本造船協会の方は、特定の政党に、これも期間を置いておりますが、一千万円からの政治資金を提供している。もちろん去年の四月選挙、おととしの十月選挙のときは特に多かつたと思いますが、そういうものはほかの委員会の審議過程の新路記事を読んでみますと、大部分は船主から造船所に船を注文すると、巷間伝えるところによれば造船所の方から一割少いところで二分か三分でしようか、とにかくリベートとして金をもどして来る。そういうものが土台になつて政治献金が行われる。開銀にしても七分五厘の金利を五分に下げて、そのうち三分五厘を金を借りた人が払つて政府が一分五厘の利子補給する。まるで国民全体から取上げて来る税金で船をこしらえているようなものである。そうして一年間一割以内しか利益が上らなかつたという船船会社から届出があつた際は、その届出を中心にしていろいろな恩恵を受けている。国民から取上げる税金でほとんど大部分船をつくつて利子補給までやるということは、合法的にきめられたこととはいいながら、そういう無理が今日の造船疑獄を引起しております。このままに参りますと、やはりこのがんはいつまでも続いて参ります。そこで私は船舶の需給計画であるとか、あるいは船舶建造等に対する資金に関する新造船舶の原価の低減に関する事項、造船関係の工業経営の近代化、そういうものは海運造船合理化審議会で審議され、これは四十名以内で構成されているのでございますが、この機会に国民の疑惑を解くために――それぞれ検察庁において厳正な取調べが進行しておりますから、国会は国会、運輸委員会運輸委員会として、こういう問題を白紙にもどして再検討する時間に遭遇しているのではないかと考える。  あわせて御質問申し上げますが、合理化審議会は四十名以内で組織することになつておりますが、この顔ぶれ、それからその人たちの所属している団体はどのようなものであるか。これがもし弱体な組織であれば、そして財界にいろいろな関係を持つている人が顔をそろえておれば、やはり前と同じような因縁情実をたどつて、ここに持つて来て疑獄の種をまいているのではないかということを私は思慮いたします。一番最初は銀行から金を借り出すために、銀行屋の言う通りに引きずりまわされてつくるから、これを世評銀行船といつている。その次は結局官僚諸君のところに――運輸省の大官のところに頭を下げて融資をしてもらう。そのために結局官僚の言うがままに造船計画が進められて認可をとるから、これを称して第二回目には官僚船、最近では政党を中心にして問題を起すから、できて来る船はどんな名前をつけても、これは政党船だというような悪口が行われ、週刊誌を通じていろいろな問題をまいておりますが、こういう問題の根を断つたあとに、多少のずれはありましよう。計画造船にずれは出て来るかわかりませんが、今申しましたように需給計画であるとか、あるいは新造船舶の原価の低減に関する事項であるとか、建造のための資金関係というものを一ぺん再検討をしてはどうか、私はこういうことを具体的にいろいろな資料に基いて考えておりますが、運輸大臣はどのような御見解をお持ちになつているか。これを一つお尋ねしておきたいと思います。
  34. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 今まで造船を九次までやつて参りました間に、どういうふうにして計画造船を決定するかというのが毎回だんだんかわつて来ているのは、これでもない、あれでもないということで、だんだんかわつて来たのだと思います。私はこの九次の造船の前後期の時代運輸大臣であつたわけであります。九次の初めにおきましては、開銀と運輸省と別々に調査をいたしましたが、運輸省から決定すべき隻数よりもほとんど倍近くだつたと思いますが、適格船だということで、航路の関係、それから役所において調べ得る限りの会社の信用状況等を土台といたしまし案を、開銀の方に出しました。開銀の方でもすつかり調べたものに照して、開銀の方で大体きめるような形になつたのでございますが、後期の場合において、それだけでいいということはどうであろうか、もう少し運輸省と開銀と話し合う、さらにそれに市中銀行が各会社内容をよく知つているはずだから、これを加えて三者で話し合つたらどうであろうかということを私が言い出しまして、ちようどこの前の利子補給問題等が決定いたします際も、国会においてこれだけの援助をするのだから、問題が起らぬようにということの注意の発言も私は聞いておりましたので、特にそのきめ方についてガラス張りの中でやるという形をぜひとらなければいけないというので、そういうようにいたしました。その前段といたしまして、造船合理化審議会に方針を諮問いたしました。その方針の範囲内において、今申したような三者で話をし、研究もして決定したらどうだろうということでございましたが、市中銀行が取引先の関係で、あるものはいい、あるものは悪いということは、どこからか知れるから非常にまずいというような、商売上のお気持でお断りになりました、それで開銀と私の方とで別々に調べて、それを持ち寄つて相談してきめたようなわけでございます。それではこの決定の順序はこの次もその通りでいいかという問題になりますと、私はやはりこの前私の考えておつたような市中銀行がもう一つそこに入つた方が、もつとよくいろいろな情勢がわかるのではないかというふうには考えております。それから、これは私がこの前の造船決定の直後に新聞にも記者会見で申したことでありましたが、造船合理化審議会では非常に大きなわくのことだけしかきめない、これをもう少しここらでこまかく入つたらどうだろうかということも、一つの問題として考えておるということを申したのであります。この造船合理化審議会の委員が四十名でございましたか、その中には学識経験者もあり、また造船業者の中からも出ておるのでございます。これは大きい造船業者も中くらいな造船業者もおります。それから船舶業者の方からも出ております。これはオーナーもあればオペレーターもある。つまりある意味において利害関係の違うような形の者も出ておるというようなことでありまして、そこで議せられるときは、いろいろな利害の違う方たちもあるために、ものは初めから公平に論じていただいておるとは思いますが、なおかりに利益を代表しておるような方であつても、お互いに制しあつて、明るい評議がされておつたと思うのであります。その議事録が、どの程度の議事録か知りませんが、あるはずでありますから、必要によつてはごらん願いたいと思うのでございます。それではこの問題をもつと深く議してもらつたらということを私は考えておりましたが、また一方から見ますと、そういうふうに造船業者あるいは船主というような人たちもおるのでございますから、あまり深いところまで行くことはやはりどうであろうかというようなことも考えますし、また出ておるのでございます。さらにこの次を問題の起らないような情勢にすべきではないか、新たに検討すべきではないかという御説は、私はどんな場合でもこういう次のものをやるときは、前よりもいい状態に持つて行くことを考えるのは当然でございますから、皆さんの方で、こういうふうにすべきではないか、こうしたらもつといいじやないかという御意見等がありましたら、私どもはそういう御意見をみなしんしやくいたしまして、最も明るい方法によつて決定いたしたいと思つております。
  35. 青野武一

    ○青野委員 重要な点で石井運輸大臣にもう一点あつたのでございますが、予算委員会答弁の関係があるそうですから、これはあとまわしにさしていただきます。これは海運局長でも西村政務次官でもさしつかえありません。でき得れば両者の御答弁を願いたい、存じますが、私はこの委員会等の公開の席上で、特に同僚議員の名前とか閣僚の名前を言いたくはございません。しかしながら、すでに決算委員会において御本人から明らかにされたことであり、新聞紙等にも堂々と載つておることでございますから、便宜上名前は申しますが、その人を弾劾する意味で申しておるのではありません。それは太平洋海運の前社長で、最近、ほん二、三日前やめるまで一取締役でありました小笠原大蔵大臣、これは八次の造船計画のときに、契約船価十五億三千万円、開銀の資金が二億九千七百二十五万円、こういうように数字がこの統計表に出ておる。それから別に――これは申しませんが、船主協会の前会長であり、新日本汽船の社長で、最近まで吉田内閣の閣僚の一人でございますが、その人がそういう立場に立つて、しかも吉田内閣の大臣を勤め、五次、六次、七次、八次と九次の造船計画の前期までことごとく融資を受けておる。それから、これは多少不明な点がありますから私は具体的な数字は申しませんが、やはり今の閣僚の一人が新日本海運に関係を持つておる。こういう立場から融資関係その他でいろいろな動きをされると、勢い運輸省関係のたとえば海運局長であるとか、開銀の諸君であるとか、市中銀行の諸君であるとかいつた人たちは、腹の中では反対しておつても、権力の前には勝てない。いやしくも閣僚の人々が、正面から裏面から融資関係でかりに動いたとすれば、これは太刀打ちはできません。そこでこういう疑獄事件がそこここに火がついて来たのではないかと私は考える。決算委員会の委員の質問に、小笠原大蔵大臣が御答弁しておるのが各紙に載つておりましたのを私は昨日読みましたが、それによると、吉田総理大臣の許可を受けて私は取締役に就任をして今日まで参りましたが、こういう問題が起つた際でございますから辞任をいたしました、ということを言われたそうであります。私はまだ速記録を手に入れておりません。これは新聞記事の内容でありますが、そのように船会社の重役をするのに、何を好んで吉田総理大臣の許可を受けなければならぬか。閣僚になれば、利子補給であるとか、開銀、市中銀行に対して、国家の補助によつて、国民の血税によつて、非常に有利な立場に立つて船をつくることができ、そのまた船の注文を受ける造船所等が、非常に困つた立場に立つていろいろな問題を引起して来る。だからこの際に私は一切を白紙にもどして、計画造船を再検討したらどうだということを、今石井運輸大臣にお尋ねしたのでございますが、こういうことがすべての疑獄事件、汚職事件の温床をなすものであると私は思う。やめても前社長、前協会長といつたような肩書がものをいうのであります。石井運輸大臣が、私は第九次の前期と後期のときに運輸大臣になりましたと申しておられるが、この五次、六次、七次、八次、そして九次の前期まで融資を受けましたその国務大臣は、非常な運動をして運輸大臣になりたがつていたということを、私は巷間伝えるところによつて聞いております。あるいはそうかもわかりません。そうしてほかの船会社をしり目にかけて、ほとんど五次からこつちは全部融資を受けておる。こういうことがいろいろな問題を引起して来るのですが、あなたたちは、こういう大臣が船会社の重役を兼職しておるということについて、言いにくいとは思いますが――それは吉田総理から認可を受けておつたらいいじやないか、そういう根拠はありません。そういうことについて、当事者としてどのようなお考え方を持つておるか、それを私は一番先にお尋ねを申し上げておきたいと思います。
  36. 西村英一

    ○西村(英)政府委員 大臣から答弁した方がいいと思いますけれども、特に私の心境を聞かれましたので御答弁出しますが、少くともそういうような、今御指摘のような方々が、特定の会社に関係しておりましても、私たちの判定からいたしますれば、特定な扱いはすべきものでないと思うのであります。私も第九次の後期の割当には関係したものでありますが、そういうことは特に注意をいたしたようなわけでございます。従来それらの海運会社あるいは造船所が、特に割当を受けましても、それは一概にそういうことのみではなしに、やはりその会社の規模その他によつて、適切に割当てられたと私は思うのであります。しかし、そういう誤解を招くことは確かでありますので、先般も予算委員会で、緒方副総理もこの点につきまして、そういう閣僚の方が特定の会社に関係しておることがどうかということについては、特に研究するということを申されておりますが、私もそれに対しては同感でございます。私からは、この程度しか申し上げられません。
  37. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 私ども船主選考に当りましては、大臣が社長であろうがあるまいが、そういうことは一向考慮に置いておりません。私どもが事務的に見て、この会社が適格であるということを認めました場合に、そのことを大臣、次官に諮つて、その通りに決定しておるわけでございまして、私どもの決定が政治的な力で動かされるということは、絶対にないと私は申し上げます。
  38. 青野武一

    ○青野委員 御答弁の趣旨はよくわかりました。しかし遺憾ながら、結果といたしましては、こういう事件が次から次へと起つて、どこまで広がつて来るかわかりません。既往関係のことは私ども立ち入ることはできませんよう、もう少し時日を待たなければなりませんけれども、個々の関係者について、相当広汎に火が飛びついておるように承るのでございます。従つて、たとえば船会社の経理内容、その事務、経営者の手腕とか力量、経験、それからその船会社から船を注文する造船所建造能力ということは、具体的にどういうところに根拠を置いて御選定になつたか。資料をいただきましても、その点が不明であります。私がこういうことを申し上げるのは恐縮ですが、私も三年間ぐらい、まだ二十前のときですが、造船所でハンマーを握つて、甲板や外板の鋲打ちをやつた経験を持つております。船のエンジンも組み上てて、瀬戸内海で五千トン級の船を三ばい機械をすえつけて、私自身が運転をした。だから一トン当り鉄材がどのくらいいるか、人件費が幾らかかるか、この造船所はどの程度建造能力があるか、この点は、失礼でありますが私は多少経験を持つておりますので、しろうとでも大体わかつておる。その造船所建造能力あるいは船舶会社の経理内容――週間朝日等を読んでみますと、飯野海運あたりの代表者が、非常に政治力を発揮して、各方面に飛びまわつて、ほかの船舶会社が驚くような成績を上げ、融資を獲得しておるというような、これは一方的な発表かもしれませんが、そろいうことも書かれておる。多少政治的に有力な立場にある人が、権力をうしろにして動いた形跡は、歴然たるものがあると私は思う。やがてそれは国民の前に明白にされるのですが、造船所建造能力とか、会社の経理、事務、手腕、経験、そういうことについて、具体的にどのようなところに基礎を置いて御選考になつたか。  それからもう一つ、私は石井運輸大臣に尋ねをして、十分の御答弁を得ずに行かれてしまいましたが、あとでまた再質問をする機会はあると思いますけれども造船合理化審議会は四十名程度の委員をもつて組織しておるが、船会社の代表であるとか、造船所の代表であるとか、それらと近接な友好関係を持続しておるような、いわゆる学識経験者等で組織しておると、運動の主体が結局ここに行つてしまう。運輸癖審議会は委員長を加えて七名ですが、たとえば地方で私営なら私営のバスでも、認可をもらおうとするときに七人に向つて全力をあげて運動をする。その諮問機関である一つの線が出ると、石井運輸大臣が九州旅行中にきめて、これはこの通りきまりましたと持つて行く。これに向つて運動が集中されると ここにまた疑獄の温床ができて来る。私はそういう点については、たとえば造船関係の労働組合の代表者であるとか、日本労働組合の一つの集合体である総評の幹部を入れるとか、大学の先生で全然船会社とか造船所に無関係な、厳正中立の立場をとつている人を厳選して、そういう審議会の委員にするとかいつたようなことでないと、関係者ばかり寄せて委員会、審議会というものをつくると、ちようど富士山の八合目から上を浅間神社に無償で国家が払下げをするその審議会の顔ぶれを見ると、坊主と神主ばかりなんだ。それからそういう連中と関係のある学者なんだ。勢い富士山の八合目以上は浅間神社に、昔持つてつたのだからただつてしまえというようなことになる。そのまた二の舞をふむよらな委員会、審議会の組織である。ここへ向つていろいろな問題が引起つて来ると私は思う。この点について、先ほど申しましたような建造能力であるとか、あるいは会社の経理の内容であるとか、あるいはその事務、手腕等について、具体的にどのようなところに根拠を置いて御選考になつたか、これは非常に重大な問題でございますから、承つておきたいと思います。
  39. 西村英一

    ○西村(英)政府委員 どういうところに根拠を置いて選定するかというお尋ねでございますが、とにかく申込みに対して船舶建造はよほど数が少いのでございまして、能力、それから会社の経理状態、その他選考すべき条件というものは、非常にたくさんあろうかと思います。そういうものを総合いたしまして、多くの申込みの中から選ぶわけでございまして、基準のこまかいことについては、後ほど海運局長お話すると思います。それから造船合理化審議会のメンバーのことでございますが、造船合理化審議会といたしましては、その選考のこまかいことにまでは立ち入つておらないわけでございます。大体の海運政策上どういう方向に向つた方がいいかという、総括的な答申をして来るわけであります。従いまして、そういう委員のメンバーの方々によつて、すぐその選考がどういうふうになるというものではないと私は思うのであります。しかしながら、ただいまもこの審議会のメンバー等については、従来と同様万全であつたと申されると思つておりますけれども、なお大臣も申されましたように、研究はしてみたいと思うわけでございます。
  40. 青野武一

    ○青野委員 私はまた適当の機会に順序を追うて申し上げたいのでございますが、時間の関係もありますので、海上保安庁長官と高等海難審判庁長官――これは船舶局長にも関係があると思いますが、お尋ねをしておきたいと思います。これはいろいろの問題が全国的に起つておるが、単なる例を申し上げるのですが、戦後の沈没船の引揚げについては、一体どういうようになつているか。私は北九州の八幡に住んでいるのですが、B29に連続一箇月半くらいいじめられました。玄界灘から関門に向つては、毎晩のようにB29が魚雷、いわゆる機雷を海上に落して、そして南方に帰つて行く。そのために、私が記憶しているだけでも、北九州の玄界灘と関門にかけて、国有の船舶もありましよう。運営会の船もありましよう。小さいの大きいのをつきまぜまして、あるいは肥料を積んだり、あるいは軍需品を積んだり、そして輸送の仕事をしておりました船が、約七十隻程度沈んでいるのは事実です。そういうものは一体どのような方法で引揚げられ、どういう形で処理をされたか、これを私はお尋ねしておきたい。
  41. 甘利昂一

    甘利政府委員 今お話の内地の沿岸に沈んでおります船は相当多数に上つておりますが、おそらく現在までには大部分が引揚げられておると思つております。特に四十メートルあるいは五十メートル以上の深海にあるもので、現在の技術をもつてしてはなかなか困難とか、あるいは経理的に成り立たないものは幾分残つておりますが、大部分引揚げられております。またその引揚げの措置に関しましては、別段許可制もしいておりませんが、たしか運輸省の方に届出制になつておると思います。それでたしか私ども造船課で所掌いたしておりますが、引揚げるために特別に許可を得るとか、そういうことはありません。ただどういう機材をもつて、いついつからいついつまでに引揚げる、あるいはその使用する火薬等はこういうような方法で入手ができるとか、いろいろな詳細な説明書を添えて届出しておると思います。
  42. 青野武一

    ○青野委員 私はその資料がほしいのです。これは非常にめんどうな資料になると思いますが、こういうものは当然運輸省の関係局において、もうすでにでき上つておるはずです。そういうようになつておりますではいけません。というのは、私が知つておるだけでも、たとえば兵隊の服であるとか、毛布であるとか、ズボン、靴、靴下といつたものを満載して行こうとしたときに、どうしても十日か十五日、長くて一箇月で手を上げるような状態になつていたので、こんなものを向うに送つてつたつてしようがないといつて、長崎港外や佐世保軍港港外で、機雷に当つて沈んだ形式をとつて、船自身を爆沈させておいて、潜水業者と話し合つて、どどんそれをとつておるという事実が北九州でもありますよ。しかも大豆なんかを満載しておつて沈んだ。その海の水につかつたかます一俵が当時二百八十円で、北九州帯の農民諸君に配給されておる。またその服がべらぼうな値段で、終戦後北九州方面に流れておる。全国を調査してみますと、いろいろそういうインチキが行われておる。そういうことでございますから、日本全体で推定どの程度船が沈められておるか、そうしてどのようなものを積んでおつたか、犠牲者はどの程度出ておるか、あるいは四十メートル以上は日本の潜水技術の上からいろいろな調査は不可能だというが、それがどの程度あるかというようなことは、もしきよう御答弁できませねば、この次かその次の委員会までに大体でよろしいから、各委員のお手元一通ずつそういう書類をほしいのです。そうすると残つておるのも見当がつきます。というのはなぜかと言いますと、鳥取県のえびす様をまつつてある海上から五千メートルのところに四千トンばかりの船が沈んで、それを大蔵省は国有財産といつて地方のボスに引揚げの許可をやつた。ところがそれは違うのです。民間の船なんです。保険会社から金もとつておる。そこにボスが介在して、国有財産という許可証を振りまわしていろいろな問題を起して、いまだに未解決のままになつております。  そこでここに高等海難審判庁長官もおいでになりますから、船舶局長なり次官なり関係者に、ちよつと古いかもしれませんが、人道問題に関係いたしますので、ひとつ具体的にお尋ね申し上げておきたいと思います。というのは、これは気象台との関係もありますが、昭和二十四年の六月中句ごろに有名なデラ台風がございました。これは中央気象台の発表が全然なつておらぬから、四国の高松から関門方面に向けて五百九十九トンの青葉丸という船がお客をたくさん乗せて出港した。方向違いに台風か通るというので安心して通るうちに、台風にぶつつかつて沈んでしまつた。どこで沈んだか今日まで不明でございましたが、幸いに高等海難審判庁に行つて調べてみまして大体沈没所はわかりましたが、旅客が六十九名と乗組員が十九名死亡しております。これは死体が発見されたから死亡ということが確認された。公文書に載つております。ところが問題になるのは、二十八名の旅客と乗組員の二十五名が行方不明である。これは二十四年六月二十日に今治から高松に行つて、そこから門司港に向けて旅客九十九人、貨物八トンを積んで出港した。この中には何の失態か知らぬが、身元不明の者が六名あつた。船に乗せると小さい瀬戸内海の航路でも、住所氏名はちやんととつておる。それで高浜を出港してからは一時間十海里の速力で走つていた。そのとき気象台からデラ台風の警報が出たが、航路か違うから安心して走つていたわですが、六月二十日午前三時三十分に沈没した。どこに沈没したかと申しますと、瀬戸内海の姫島西端三ツ石鼻からほぼ真方位の二百八十度十海中半の地点に船荷を東方に向け、右舷約四十五度傾斜したまま沈没しておる。そうして旅客が二十八名と乗組員二十五名、合計五十三名が今日まで行方不明である。一説によりますと、潜水夫をごまかしてその船にダイナマイトをしかけたといううわさすら飛んでる。五十三名の死体が今日まで発見せられないということは、青葉丸の船体の中にあるということを私どもは経験の上から推定いたしますが、何とかしてその死体を発見して、遺族に渡して、相当の弔慰金なり慰藉料なりを出すべきである。もくせい号で死んだ者には、葬式料に二十万円、香奠に十万円、慰藉料百万円出した。この船会社は川崎汽船ですが、そんな金をこれだけの人に出したのでは、会社自身の経理からいつて倒れてしまうというので、その沈没箇所がわかつておりながら二年も三年も放任して、ようやくその場所がわつかて、その潜水夫に何らかの方法によつて箝口令をしたが、それがまわりまわつて船のある場所が今日わかつたのでありますが、水深がどれくらいあるかは、高等海難審判庁に参りましてもよくわかりません。地元の神戸地方海難審判庁でなければわからぬと思います。至急に資料を送つてもらいたいということを言いましたが、こういう点について、運輸省の関係者は、大体どの程度に弔慰金を出すのを適当と考えるか、もしそういうことが事実であるなら、どのようなお考えを持つか、五十三の死体がまだ発見されないが、こういう点については、弔慰金なり慰藉料がその遺族に渡つたかどうかということを伺いたい。一九十九名の乗客の中に六名の身元不明ということは、汽船会社の手落ちですよ。身元不明の者にどうして弔慰金をやれるか。彼らにも必ず遺族があるはずだ。ところがこれが調べてないからわからない。こういうようなやり方をして荏苒日を送つて参りましたが、こういうことは人道問題にも関係する。この場所の判定というものについて私は読んで参りましたが、それは近いうちに一つの資料として参りますれば、御希望の方にはお見せするつもりですが、幸いにして甲板で作業しておつた乗組員で増田修一という人と、九十九名の乗客中の一名今津虎太郎という人が生きておる。巷聞伝えるところによりますれば、乗組員も旅客も全滅したから、どこで船が沈んだか、どうなつたかわからないという風説があつたのですが、二人は幸い生きている。この人が現地の神戸か何かの審判庁に証人として出ている。そのときの係官中沢佐久三という人が裁決書をおつくりになつております。そういうのもを調べるとその真相がわかるのですが、はたして川崎汽船はこれらの犠牲者の諸君に対して、死体のわかつただけでも六十九名と乗組員十九名、これらに対して、どの程度の弔慰金を出したか。それから行方不明になつておる合計五十三名の諸君には、どのような方策が講ぜられたか。これはおわかりにならぬとは私は言われまいと思う。たとえばB29が埼玉県の金子村に落ちた。乗組員十名がこつぱみじんにふつ飛んで、三十何軒の家を焼き、電柱に上つてつた職工を爆弾の破片で殺した。年寄りは死んだ。子供も死んだ。そして終戦後四年くらいまでの規約では、トラックでひき殺されたり、B29が落ちて焼き殺されても、たつた六万五千円で片づけられておつた。それで私は労働委員会で、日本人は犬やねこではないと言つて、アメリカ側の反省を求めたことがあります。私は何ももくせい号の犠牲者に百万円出したから、これにも百万円出せと主張しておるのではありませんが、どのような弔慰金が出されておるか、その後どうなつておるかぐらいのことは、運輸次官は御承知のはずであり、高等海難審判庁長官は御存じのはずであると思うので、この点をお尋ね申し上げたいと思う。
  43. 長屋千棟

    ○長屋説明員 お答え申し上げます。海難審判庁は、海難がありました際に審判を開いて、その原因を探求して、将来に向つて海難の防止をはかるというのが法律できめられました権限でありまして、憲判の事柄につきましての御質問なら私からお答えできますけれども、弔慰金その他そういうことにつきましては、全然私の所管外のことでありまして存じません。どのくらいの弔慰金が払われたか、どういう処置をされたかということについては全然存じませんので、お答えすることができません。
  44. 西村英一

    ○西村(英)政府委員 ただいまいろいろお話がありましたが、私もその件については詳細に知りませんので、あるいは関係者がおらないかもしれませんし、あるいは運輸省の所管事項だけでもないようにも見受けられますので、後ほど取調べましてお答えいたしたいと思います。
  45. 青野武一

    ○青野委員 高等海難審判長官に、私は弔慰金がどれくらい出たかをお尋ねしたのではありません。私は先ほどから質問をいたしました重要な内容について、大体係員の方からお聞きになつておると思いますので、それを裏打もするために、こういう事件があつたかどうかということをお尋ねしたのでありまして、弔慰金とか慰藉料の点については、これは職務外のことであることは私も十分知つておりますので、その点は西村政務次官にお尋ねしたのであつて、もし御存じなければ、次官が誠意をもつて調査を願いたい。私の方も調査を進めております。問題はどこまでがほんとうかわからぬ。だから公開の席上であまり微に入り細にわたつて具体的に申しません。何億円といつたような金を出すときに、背に腹はかえられないから、わからぬようなやり方をする。よくある手なんです。だから千トンや五十トンの船――これは五千五百九十トンの船です。四千トンくらいの船は、ダイナマイトを海中に仕掛けたら一ぺんに粉砕されてしまう。それを潜水夫を入れて四十メートルのところまでは必ず取出せる。それがとれて四千トンの鉄骨の船を引揚げることに成功したら、それをばらばらにダイナマイトで粉砕しておいて、八幡製鉄所に持つてつてごらんなさい。黙つて一千万円くらいももうかります。それくらいの価格のものだ。それでいろいろな工作が陰で行われる。そういうことは私も調査を進めて行きますが、運輸省の関係者もひとつ誠意を持つてつてもらいたい。災害があつたときだけ、ほころびを縫い合せるような行き方でなくして、先ほども申しましたように、南の方はどうにかこうにかやつて行けるが、北の方、ベーリング海峡、津軽海峡一帯、日本海から太平洋にかけて定点観測の気象事務がとれないようにしておいて、予算がありませんと言う。東北六県の諸君は常に単作で冷害に苦しんでおる。北洋方面に出て行くかに工船やそのほかいろいろな船が、将来非常に困難に遭遇するといつたことを知りながら、予算に限度があるということで、十分の気象事業が行われないということは、やはりこういう問題に関係して来るのであります。従つてこの問題については御調査の結果を、後ほど二十五名の運輸委員に御配布を願いたい。こういう問題は一つや二つではありません。私が持つておるだけでも相当あるが、ただ一例として申し上げた。もし不幸にして人道上大きな問題があれば、私はまたあらためて適当な委員会で適当な日に御質問申し上げることになります。  それから石井運輸大臣がおいでになりましたので、この点も私は重ねてお尋ねを申し上げようと思つておりましたが、二重になりますので省くことにいたします。それで中途半端で予算委員会の方においでになりましたので、重ねてお尋ねするようで恐縮ですが、船舶の需給計画船舶建造資金あるいは新造船舶の原価の低減造船関連工業の経営の近代化等について、ごく大きいところを大ざつぱに審議するのが造船合理化審議会の役目であり、使命であるといつたような御説明をなさつて御退席になりましたが、私は今西村政務次官からもお答えをしていただきましたが、やはり大臣からの御答弁の方がいいという御意見も中に入つておりましたからお尋ねします。四十名以内で組織しておる造船合理化審議会は、ただ造船関係の諸君や船舶会社の諸君や、それにつながつておる非常にじつこんの間柄のような学識経験者だけでやると、やはりいろいろな面で運動の手がここに延びて来る。そこでそういうことのないように、もつと公平な組織にするためには、あらゆる人をここに集める。未経験者でもいい、書類を一時見ればわかるのであります。そこでたとえば日本の労働運動の中心になつておる総評の代表者であるとか、造船関係の労働組合の代表者であるとか、あるいは早稲田、慶応その他の大学のこういう方面の権威ある学者、無色透明、中立を堅持しておるような人を相当入れて、そして相牽制し合つて公平な審議会としての運営ができるようにすべきである。一方に偏してはなりません。構成からいつて坊主と神主ばかり寄つてつくつておる審議会がかつてに答申案をつくつたから、富士山の八合目以上を無償で浅間神社に払い下げるということになりまして、これは行政監察委員会でだめだという結論を出しました。そういうことではだめなんで、やはり第二の疑獄事件の温床になる。そして人員の構成についてはそういう方面の人も厳選してこそ、運営の妙味も発揮して行かれる。汚職とか疑獄とかいつたような問題を将来起さぬためにも、そういうりつぱな審議会をつくるべきであると思いまするが、その点についての石井運輸大臣の御意見を重ねてお尋ねしておきたい。
  46. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 今の造船合理化審議会の顔ぶれは御承知の通りと思いますが、今おつしやつたような各方面の心持を含んで、各方面から選ばれたのが今の委員でございます。仕事の上においてこういうふうな関係の人もある。船主もあれば造船業者もあるということを申し上げます。これはおのおのその方面の代表的な立場にある人でありまして、どの人たちでも学識経験ありという広い意味の中に含まれて考えられ、しかも相牽制し合うように、一方的に利益が代表されることのないようにという心持は、十分含んで人選をされておるのでございます。労務関係の人も、今ちよつと記憶いたしませんが、多分入つてつたと思います。学者的な人も入つてつたのだと思うております。大体あなたのおつしやると同じような心持で、人選はやつておるつもりでございます。なお、そのあなたのお心持には同感でございます。
  47. 青野武一

    ○青野委員 最後に、もう一言お尋ね申し上げたいと思います。それは少し感情的な質問になるかもわかりませんが、先ほど海運局長から、たとえば吉田内閣の国務大臣が船会社の社長をしておろうと、小笠原大蔵大臣が前社長であろうと、あるいはもう一人おりましたが、船主協会の前会長であろうと、そういつた人のいる会社は、五次、六次、七次、八次、九次前期までは、ほとんど融資を受けるように、非常に成績がよく成功しているのでありますが、それを選定するにあたつては、大臣であろろと、政界の有力な人であろうと、そういうことに拘泥するものではないというような大みえを切つた答弁を承りましたが、私が端的に石井運輸大臣にお尋ねしたいのは、こういう問題で国民に迷惑をかけ、国会全体の名誉の上に泥を塗りつぶした。まだその全貌は、司直の手でやられて発表されておりませんが、こういう疑獄事件に関係した会社には、思い切つて一応融資を中止して、東京検察庁がどの租度まで、どういう結論を持つて来るかというところまでは、多少計画造船は行き詰まりを来し、そこに空白事態が生ずるとしても、やはり大部分国民の金を持つてつて、国際海運界に雄飛するために、戦前の船舶の約七割程度を確保するといつて、非常に御努力になつている石井運輸大臣あたりから見ると、一応国民に対しても、ここで結論の出るまでは、疑獄の中心になつているような風説がある、そして次から次に検察庁に引致、取調べを受けているような関係者の会社は、一応決定をしておつても融資を中止する、それくらいな英断を持つてつてただきたいと私は思うのであります。私どもは国家の名誉、また衆参両院議員諸君の名誉のためにも、この疑獄事件汚職事件は、最後まで追究して、それを明らかにすることによつて、再びこの問題を繰返さないようにして行きたいと思いますから、こういう質問を最後に申し上げて、その所見を私は大臣から承りたいと思います。
  48. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 今度第十次造船が目の前に来るわけでございますが、その場合におきまして、ただいまお話のあつたような諸点を考慮に入れることは当然必要ではないかと私は考えております。具体的にどういうふうになるかは別問題でございますが、まるでいろいろなことを無視して、ただ船をつくるのだから今まで通りだということ以外に、考慮すべきものいろいろあるだろうと、それを頭に入れてやつて行きたいと思います。
  49. 關内正一

    ○關内委員長 残余の質疑は次会に譲ることといたし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十五分散会