運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1953-12-22 第19回国会 衆議院 運輸委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十二月二十二日(火曜日)     午後二時十七分開議  出席委員    委員長 關内 正一君    理事 岡田 五郎君 理事 鈴木 仙八君    理事 關谷 勝利君 理事 原   彪君       岡本 忠雄君    木村 俊夫君       徳安 實藏君    南條 徳男君       山崎 岩男君    臼井 莊一君       青野 武一君    山口丈太郎君       館  俊三君  出席政府委員         運輸政務次官  西村 英一君  委員外出席者         海上保安庁長官 山口  傳君         運 輸 技 官         (中央気象台         長)      和達 清夫君         専  門  員 岩村  勝君         専  門  員 堤  正威君     ————————————— 十二月十五日  委員館俊三辞任につき、その補欠として中原  健次君が議長指名委員に選任された。 同月十六日  委員竹谷源太郎辞任につき、その補欠として  山口シヅエ君が議長指名委員に選任された。 同月十八日  委員山口丈太郎君及び山口シヅエ辞任につき、  その補欠として黒澤幸一君及び竹谷源太郎君が  議長指名委員に選任された。 同月二十二日  委員黒澤幸一君、松原喜之次君及び中原健次君  辞任につき、その補欠として山口丈太郎君、青  野武一君及び館俊三君が議長指名委員に選  任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  定点観測に関する件     —————————————
  2. 關内正一

    關内委員長 これより開会いたします。  定点観測に関し政府より説明を求めます。和達説明員
  3. 和達清夫

    和達説明員 定点観測が今回廃止または縮小されましたことにつきまして、経過措置とにつきまして御説明申し上げます。  この定点観測は、昭和二十二年に当時の連合軍指令によつて開始されたものでありまして、北方南方二つの点がございます。この定点観測日本付近気象業務に非常に大きな貢献をして来ましたもので、昨年平和条約成立後も日米安全保障条約に基く行政協定によりましてこの業務を継続して、その経費米国が三、日本が一の割合で負担して参つたのであります。今回米国側からその経費の分担を打切りたい旨の通告がありましたので、日本側といたしましては、やむを得ずこの際の措置といたしまして次のようにいたしました。すなわち北方定点観測はこれを休止する、南方定点観測夏季の六箇月間この業務を継続する、こういうことでございます。この定点観測をいたしておりました船は六隻でございます。そのうち五隻は旧日本海軍海防艦で、米国が接収いたしまして米国の船として貸与して観測をいたしておつたものであります。あとの一隻は中央気象台が以前から持つてつたものでございます。  この二つ定点のうち、北方定点は三陸の東はるかな沖にありまして、有名な海上の難所でございます。特に冬季には連日暴風雨というような荒海でありますので、この五隻の貸与された船は非常にその安全性が十分でないために、昨年の三月にはこの五隻の船長から、航海保安自身がないから代船を早急に考えてもらいたいという要望書がでました。これに対しましてその船を検査いたしてもらいましたところが、船舶局首席検査官から昨年の十一月四日付をもちまして、X点付近のような苛烈な海面における観測業務に使用することは、船の船体強力上不適当と認めるというのをいただいたのであります。これに対しまして私どもとしましてはアメリカ側に、適当なる船にかえてもらいたいという代船の要求を昨年の秋ごろから始めまして、これが外交の交渉になりまして、本年の四月には外務省からアメリカ大使館に口上書が出ております。これに対してアメリカは、本年の七月ごろ日本に渡しましたフリゲートの中に気象観測船があるから、それを使つたらよかろうという回答を得たのですが、その船は実は別の筋でアメリカ日本保安庁とで使う約束ができておりまして、いまさら気象観測船には使うことができないというために、その話もだめになりました。そのうちに十一月の末で援助を打切るというのを、十一月の初めにアメリカ側から申し来つたのであります。  これらの定点気象観測に非常に重要であるということは、日々の天気予報にもまた長期予報にも大切であります。ことに日本の東の広い海には観測点がございませんので、海上船舶にたよつておりますが、船舶では高層観測をいたしておりませんし、またその観測精度も低く、この定点がその多くの観測一つの基準というようなものになつております。その点において、非常に大事な資料を提供しておつたわけでございます。なお東北には、御承知のような冷害というようなものも、国家として重大な問題でありますが、この長期予報にもその資料は非常に重要なものとして使われておつたものでございます。この北方定点は、気象観測をいたしておつたのみならず、往復の道、またその定点において海洋観測をいたし、これもまた冷害対策資料としては非常に重要であつたのでございます。この海洋観測の方のことにつきましては、ただいま定点観測北の方休止になりましたけれども中央気象台にもともとありました船は一隻帰つて参りまして、その船が海洋観測専門に使えるようになりましたので、定点がやつておりました海洋観測は、この専門に使う船をもつて、かなりまで欠陥は補うことが可能であると思います。なお南方定点につきましては、この観測は申し上げるまでもなく、台風や梅雨前線などの予報警報には非常に大切なものであります。年間を通じまして気象資料として大切でありますけれども、特にこの期間わが国にとりまして不可欠と思われますので、この夏季の六箇月間の定点観測だけは続行いたすことになつたのであります。  この船は五隻今までアメリカから借りておりましたが、今回の定点観測休止によりまして、アメリカ側に交渉いたしまして、これができるだけ早く日本政府に返還されるものという約束ができたのであります。その船は日本定点観測に使う。もし使わなければ、日本海上保安庁の使用に供するということになつております。  定点観測は今申し上げましたように、気象にとつて非常に大切なものでございまして、中央気象台といたしましてもこの続行を熱望するところでございますが、今回は経費都合によりまして、一方の半年に縮小せざるを得なくなつた次第でございます。この半年観測をいたしますために、その他の期間にその船を活用する都合上、またその余りのありました船は、海上保安庁がその業務上非常に船を要望されておられましたので、そちらの方でお使いになることになつたのであります。今申し上げましたように、今回の定点観測休止、縮小ということは、非常に災害の多いわが国にとつて、非常に重要な観測であつたので、これをそういうような措置をいたしましたのは、非常に残念でございます。経費のため、やむを得ずそういうふうな措置になつて参つたのでありますが、私どもとしましては、今後これは世界の気象観測あるいは航空にもかかわつておる問題でございますので、事情が許す限り、できるだけすみやかにこの業務の再開されることを熱望し、また努力いたしたいと存じておる次第でございます。
  4. 關内正一

    關内委員長 ただいまの説明に対し、質疑のある方は御発言ください。
  5. 關谷勝利

    關谷委員 ちよつと二、三点お尋ねをしてから、意見を申しあげたいと思います。  この定点観測はいつごろから日本ではやりておつたのか、そうしてどのような重要性があるのかということを、まず最初にお尋ねをいたします。
  6. 和達清夫

    和達説明員 昭和二十二年に連合軍指令によつて、まず北の方の点が始められました。その後ちよつと詳しい年月は忘れましたが、南方は初めは半年、後に一年になりました。そうして本年の十一月末まで二点とも一年を通じて行われたのであります。この海上定点観測は、海上気象資料が少いこと、また近代の気象高層観測が主でありますが、高層観測は普通の商船で行うことができませんので、特別に観測船を出してするという意味におきまして、気象観測には非常に大切なものでございます。なおその場合におきましてビーコン業務をいたしておりまして、航空にもこれが役立つており増す。このビーコン業務をいたしておりましたのは、北方の点だけでございました。なおわが国にとつては、特別にこの北方の点の意義のありますのは、日本の船が非常にたくさんその方面に出ております。そうして中央気象台は、国際的にきめられた予報その他の担当区域としまして、太平洋の百八十度までの海面を受持つております。こういうような資料の乏しい太平洋の点の観測というものは、そういう海面予報を出したり警報を出したりするために、非常によりどころになつておるものでございます。なお先ほど申し上げましたが、東北北海道地方冷害長期予報資料として用いておるわけであります。
  7. 關谷勝利

    關谷委員 お尋ねすると二十二年からやつてつたというのですが、これは航空にも非常に必要だということを今力説されておりましたが、それ以上に、現存の日本関係から申しますと、その当時の方が日本航空力は多かつたのでありますが、その際には、二十二年以前には、これがなくても事足りておつたというふうに、私たち今のお話を聞きますとうかがわれるのでありますが、その以前はどのような方法でやつてつたのか。それでまた十分事足りておつたのかどうか、この点お尋ねいたします。
  8. 和達清夫

    和達説明員 二十二年前にやつておりませんでしたのは、そういう莫大な経費と難事業というものが、われわれとしては非常にむづかしい、困難じやないかと思つて、思い切つていたさなかつた、それを指令によつて、初めてそういうものが大事であるということがわかつたということを正直に申し上げておきます。
  9. 關谷勝利

    關谷委員 それがなくても、その以前には事足りておつたわけですか。
  10. 和達清夫

    和達説明員 気象観測というものはたくさんの資料を使いますので、資料というものはふえればふえるほど精度が上ります。もちろんその資料重要度にもよりますけれども、ない場合にはないとしての精一ぱい仕事をしておつたわけであります。
  11. 關谷勝利

    關谷委員 そういたしますと、これはなければまたないなりで何とかやつて行ける、こういうふうなお考えですかどうですか、もう一回伺つておきたいと思います。
  12. 和達清夫

    和達説明員 なければしかたがございませんから、その中で最善を尽します。あればあるだけ精度のいいものを出すことができます。
  13. 關谷勝利

    關谷委員 どうもその点、なければなくても事足りるということになりますと、さほど重要でもないというふうなことになるようにも感ぜられる。なしでも済ませます。なければならぬというのならば、また考えようもあるのでありますが、なしでも済まし得るというふうな——ないなりに考えますということになると、この際経費節減というようなことから考えて、なしでけつこうではないのかというふうに、私は予算関係等ではなるのではないかと考えるのでありますが、どうしてもなければならぬということなれば、これはこれだけ重要性があるのだから、どうしても予算に盛つてもらいたいということを、委員会からでも強硬に申し込むという方法もあるのでありますが、今のお話を聞きますと、以前にはなかつたのだ。ないときにはないなりのことでやつてつたのだ。今度もなくなれば、それはないなりにまたやつて行けるのだ。こういうことになると、別にさほど重要なものでもないのだ、こういうふうなことも考えられるのでありますが、そこらの点はつきりと、何やらいらぬものではあるが、あるに越したことはない。それは完全にやつておれば一番いいのですが、今の日本財政のきゆうくつな際に、万全をということは、これはとうてい望み得られないのでありますが、何か節約できるところは節約をしたいというのが、今の予算の編成にあたつて考えなければならぬことでありまするが、その節減は、すべきものはしなければならぬが、たといどうであつても、これはなければならない経費であるというのなら、また考えようもあると思いますが、なければなしで済ますということなら、なくして済ましてもらいたいというのが政府の意向であろうと思います。あなた方がどういうふうに考えておられるのか、そこらあたりが、私何か聞いておりますと、何もそれほどまで重要ではないのだが、しかしあるならばあるに越したことはない。この程度にしか今の御答弁で聞きますと聞えないのでありますが、そこらの点をもう一回伺いたいと思います。
  14. 和達清夫

    和達説明員 あまりに学問的もしくは技術的に申し上げ過ぎまして、誤解を招いて申訳ありません。こういうような場合に、普通の場合絶対不可欠と申すのが、こういう席では普通かとも存じます。しかし私ども現に休止しておつて何とかいたしておるのであります。これを気象業務としまして私が責任をもつてする場合には、絶対不可欠と申してもよろしいかと思います。私自身としましては、この経費はここへ費しても、それだけの価値あるものと思うのでございますけれども、私はそういうことを申し上げるのではなくて、技術上、学問上この一点がなければ、どれだけ予報精度が減るかということは、また調べて話すこともできる。一点がないから絶対できないという問題ではないということを、良心的に申し上げざるを得ない。なお先ほど申し上げましたが、予報精度だけではなくて、この海面保安ということに、これは不可欠と思われるほど重要だということは申し上げられると思います。
  15. 關谷勝利

    關谷委員 海面保安上どうしてもなければならぬ、こういうふうなことに今お話がありましたが、これのないときには、海面保安というものはできていなかつたのかどうか。これまた今までお尋ねしたことと同じようになりますが、これがなければ——陸なら、いろいろな気象全般から申しましてどの程度になるか知りませんが、海上ではどうしてもこれがなければならないものか、あるいはこれはなくても八割、九割まではやり得るのだというふうなお考えであるのか。和達博士のような学者ではないのでわかりませんが、これがなければ大体一割見当狂つて来るのだ、あるいはなければ二割狂つて来るのだ、こういうふうなことの概略の見当から行きますと、どの程度これがなければ、海上保安というふうなことから危険を感ずるといいますか、確実さを失う、こういうことになるか、この点ちよつと伺つておきたいと思う。
  16. 和達清夫

    和達説明員 定点観測がない時代は、そこらを航行しております船舶資料が唯一のものでございます。その船舶資料だけでやる場合と、その標準になるべき定点観測、しかも高速観測もできる定点観測を加えたらば、そこに何割の災害防止率が上るかということは、私頭で数字を申し上げることはいまだできませんでございます。御想像願いましても、非常に大きなパーセンテージを占めると思うのであります。そうしてそのパーセンテージの上るということは、こういう大きな仕事に対しては、私はそのパーセンテージの上るということがすぐにもう重大なことである。これがなければできるできないということを申し上げなくても、その重大さはやはり同じようなことだと思います。
  17. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 ちよつと關谷委員のに関連してお尋ね申し上げたいと思うのですが、先ほど關谷委員から開始の時期はいつか、昭和二十二年だ、その以前はやらなかつたか、やらなかつたという御意見であります。これは非常に重要に私聞えるのです。そこで私お尋ね申し上げたいことは、昭和二十二年前、つまり終戦ずつと前は、これは戦略上の関係があつて必要があつたのだけれども、特にやらなかつたものかどうか。たとえば太平洋気流関係や何かというものを、絶えず電波に乗せて報告をするというようなことが敵方にキヤツチされて、そして日本の上空の気象関係というものはこうだということになつて、飛行機の空襲を受けないとも限らないという判断で、そういうような戦略上の関係でやれなかつたのじやないかと思われるのです。もしそういうことがあつたとすれば、昭和十二年から支那事変であつて戦争遂行という重要な国策のために、その間にプランクが生じたものでなかろうかと私は考えるのですが、その点はどうですか。
  18. 和達清夫

    和達説明員 私は気象学気象業務日本における正常な発展がありまするならば、もつと前にこれは行われておつたと思うのであります。不幸にして戦争がありましたり、また海軍気象観測をしておつたというような事情のもとに、これが遅れたものだと私は思います。
  19. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 それでは戦略上の関係によつて特にこれを中止したという意味ではないのですね。わかりました。
  20. 關谷勝利

    關谷委員 重要性が何やら私たち頭の悪いせいかピンと来ません。もう少し強くこういう理由だから、これがどうしてもなければならぬのだということがなければならぬ。なけれげなしで済むのだが、なければないなりにやつて行ける、以前はなかつた、こういうふうなことを聞いておりますと、私は鈍感なのかわかりませんが、必要性がそれほどでもないのではなかろうかというふうな疑点も持つて来るのであります。  さらにそれから後の経過をたどつてみますると、かりに和達博士の言われるような、それほど重要性があるものであろうか。覚書を見てみますると、これは行政協定のとりきめになつております。行政協定というものは、おそらく一方的にこれを破棄するぞよ、はい、さようでございますかというものではないので、それなら命令になつて来るのでありますが、協定でありますから、これは双方対等にとりきめをしておるものと思うのでありまして、これを廃止するというふうな場合には、必ず相談があつて、それに同意をしなければならぬ、こういうふうになつて来るので、これに同意したところだけは出ておるのでありますが、この全文を通じて、何回読んでみましても一向に、これは必要なのだから、どうか置いてもらいたいとか、あるいはどうしてもこれだけは置かなければならぬということを力説した痕跡は、爪の先ほどもないのであります。そうしますと、それほど重要でないから、なしでも済むのではなかろうか、なしでもやつて行けるという気持があつたがゆえに、私はあるいはそういうふうなことを言わなかつたのかとも推測せられるのであります。なおまたアメリカ経済事情のもとにこれが中止せられるのだ、しかもそれを日本政府でやるように努力せよと書いてあるのでありますが、アメリカ日本経済状態を知らぬのではないのでありまして、アメリカ経済でさえやり切れない、アメリカ経済節約の面からさえとりやめなければならぬというのならば、日本経済の面から見たら、とうていできないということくらいはアメリカは知つておるはずです。そうすると、そういうふうなことをやる場合に、あなたよく考えてみてください。アメリカの方で経費が足らないのならば、日本ではなお経費が足りませぬぞ、アメリカの方でどうしても必要ならば置いてもらいたいという主張が、どの面にも現われていないのであります。私はこの点責めるわけではないのです。この間のいきさつを見てみますと、和達博士向うに対しましては、まことに従順ないわゆるイエス・マンであつたのだと私は思うのであります。そうすると、そこらにもこれがなくてもやり得るのだという一つ安心感というか、これを軽視する考えがその中に多少あつたのではない、こういうふうに考えられる点もあるのであります。なおまたこの覚書のCでありますか、「日本代表団首席委員は、本計画を日本財政援助の下に継続することが気象学的に望ましき旨を日本政府に納得させるため、あらゆる努力を払うものとする。」と書いてあるのでありますが、あらゆるどのような努力をせられたのか、ちよつとそのいきさつだけを概略でもよろしいですから述べていただきたい。
  21. 和達清夫

    和達説明員 この協定は、私が代表で出ておりますのは気象分科でありまして、その分科アメリカ代表気象隊長トワデル大佐気象技術者でありまして、もちろん二人ともこの定点観測の重要なことを知つていて、これを存続することに話し合つてつて来ておるものであります。しかしそういうために、トワデル大佐がいたし方なくて財政上から打切りになつたというお話でございまして、何度も私もその点は問い合せましたが、この文書に出てはおりませんけれども、ただイエスという問題ではないかと思つております。なおこの行政協定は、私がそのときにアメリカからそういう打切りは一方的に行い得るものと思いまして、イエスと申しました。後に外務省にもその点を問い合せましたが、外務省でもそういうような一方的のものであるように、つまり義務の解除であるというように伺つておりました。  それから、だからいらないものだと思つていたのじやないかということは、先ほどから申し上げますように誤解相当つて、私の弁解をお聞き入れないようでありますが、良心的に申しましたことをいつまでもそうおつしやられると、非常に困るのであります。私はこれが絶対不可欠であるということは、こうたくさんの気象資料でもつて仕事をしておる場合に、良心的にただ言えなかつただけでありまして、その点はぜひとも誤解を解いていただきたいと思う次第であります。なおあらゆる努力に関しましては、私は役人としての努力相当にいたしたつもりでございますが、その努力がお耳に達するほどでなかつたことは非常に残念であります。
  22. 關谷勝利

    關谷委員 和達博士の良心的なことは、平素よくあなたの御性格を存じあげておりますがゆえに、私もそれは了承いたしますが、向うトワデルとかなんとかいう大佐ですか、そういう大佐でさえ、経済上やむを得ないのであるということになると——私が今これをお尋ねしておりますのは、あなたがこれを希望しておられて、それほど必要なものなら、運輸委員会として何とかして政府予算に繰り込むように努力をいたしたい。そのためには相当あちらこちらで私たち弁解をし、努力をしなければならぬ。その努力をする際に、今私から和達さんがつつ込まれて答弁ができないようなことであるならば、私たちはなおさらこの事柄については知識がない。一方政府当局といたしましては、少しの予算でも打切りたいと考えておりますので、打切る面からのみ話をして来るので、その際あそこもここもつつ込まれて、私たちがそれで行き詰まつた場合には、結局予算に計上されない。そういう場合にはどうしてもこれを押し切るだけのところへ持つていくのには、相当確信を持つて行かなければならぬ。その確信がないのに、——今私は政府側気持であなたにお尋ねしておるのでありますが、それで行き詰まるような程度であつたならば、これはとうてい見込みはないもの、こういうふうに判断をせざるを得ないので、私はその点をしつこいようでありますが、これをつつ込んでお尋ねをいたしておるのでありまして、私たち確信の持てるような御答弁、あなたの良心的な面だけを出しておられたのではこの予算というものはとうてい通らぬ、こういうようなことでありますので、そこに私たちが今までつつ込んでお尋ねをいたしておりますのに対しまして、実はこうなのだ、ああなのだ、こう言えば通るのじやないかと言い得られるような私は資料がほしいというので、今お尋ねしておるのでありますが、良心的とはいいながら、その表現がまことに弱いということになりますと、私たちもまことに心細いので、これをもつて政府の連中と太刀打ちをする資料にはなりかねるような気がするのであります。たとえば向う大佐さえ経済上できないのだというなら、なおさら日本ででき得ないのではないか、それで一応気象台長下つてもらつたらいいじやないか、こういうようなことでこの分だけはがまんしてもらつたらいいじやないか、こういうようなことにもなつて来るのでありますが、もう少し私たちがこれを主張しなければならぬものだ、こう言い得られるような資料がそこに何かおありならば、もう少し強い表現並びにもう少し強い理由というようなものを、そこにはつきりと御説明を願いたいと思います。簡単でけつこうであります。みな予算編成等に当つております者は相当忙しいのであつて、それを一々詳しいことを聞いておるというふうな場面は少いのでありますので、簡潔にしかも強く主張し得られるような資料がほしいと思います。
  23. 和達清夫

    和達説明員 この定点観測は日々の天気予報、あるいは特に中共の諸資料の入らない今日におきましては、その高層資料というものは非常に天気予報の重要位置を占めております。第二番にこの海域における海上保安は、ほとんどこの定点観測がその重要な資料を提供しておるのであります。第三番には東北冷害に対しては、最も重要な資料を提供しておるのであります。
  24. 關谷勝利

    關谷委員 どうもその程度では私はまだピンと来ない。私がピンと来ないくらいなら、なおさらまた私から述べた際に、それを受取る人はピンと来ないと思うのでありますが、なお意見をよくまとめておいていただきたいと思いますのは、先日のこと、お尋ねいたしました際には、船は海上保安庁の方で持つてつて、それを出してもらつて自分の方が人員、器材を出して、それで観測ができるというようなお話ちよつと承つてつたのでありますが、本日気象台の方のある職員の方から聞きますと、どうしても自分のところで船を持つておらなければやれないのだ。こういうふうなことを主張しておつたようでありますが、そういうふうな点あたりもよく内部で打合せをして、そうしてこうすればできるのだ、なるべく費用のいらないためには、船は海上保安庁の適当な、ある一定の機関に出してもらつて、そうして自分の方で器材と人員だけを負担してそれでやれるのだ、最小限長こういうふうになるのだ、こういうふうなあなたは一致した意見をまとめておいていただきませんことには、一方台長はそれで運携してできる、下僚の職員はそれではてきないのだ、こういうふうなことになつては、私たち受取る方がその意見さえもまとまつておらないというふうなことで、またいろいろ話をする際におきましても、どうしたらいいのかということがはつきりと私たちが述べるということもできないのでありますが、そういうふうな点はどうなつておりますか、この点お尋ねいたしたいと思います。
  25. 和達清夫

    和達説明員 先日申し上げましたのは半年定点観測をいたすので、あとの残りの分もありますので、海上保安庁が船を差出されましても、われわれは国家の経済上そういうことをいたすのも可能である。もちろんある仕事をいたしますのに、その仕事全部を自分のところでやるほどやりいいことはないことは、申し上げるまでもないと思います。私どもそういう仕事を全年を通じていたしますならば、自分のところで船を持ちまして、これを行うほどやりよいことになく、また観測員もそれを熱望しておることはよく存じております。
  26. 關谷勝利

    關谷委員 理想と実際とは相当かけ離れておるのでありまして、なるべく少い経費でできるだけの効果を上げたいというのがいずれも考えることで、技術上からの理想を述べられたのでは、とうてい今の政府ではやり切れない、負担にたえられないということは、これは和達台長もおわかりであろうと存じます。そういうふうに考えました際に、最小限度経費を少くするためにはそれでやり得るんだ、こういうふうなお考えであるのか、どうしてもそうでなければならぬというのか、その点大体わかつてはおるようでありますが、もう一回簡単に御返答を願います。
  27. 和達清夫

    和達説明員 ただいまのご質問は、経済的に考えれば、気象台があながち船をもたなくても、その資料が入ればよろしいかどうかという御質問、もちろんわれわれは船を持つことが任務ではありません。資料がきちつと入りさえすれば、いかなる方法をもつてしても気象台としてはそれでよろしいのであります。ただそれは理論でございまして、実際行うときには、観測員が自分の船でやることをどれだけ熱望しておるかということは、御想像願える。ただその熱望が経費の上から、バランスの上からやむを得ないといえば、観測員も忍ぶであらうと私も思うのであります。
  28. 關谷勝利

    關谷委員 大体私この、程度で質問をいたしましても、私が期待をしておりまするような御答弁も得られないようでありますので、打切りたいと存じまするが、この定点観測に関する予算を要求いたしますることは、私は今の段階においては相当難問題であろう、こういうように考えておるのでありまして、それがためには相当努力と、相当なる資料が必要であると思いますので、早急にその資料が、ほんとうに納付し得られるような資料の提出ができるのであつたならば、提出をいたしてもらいたいということだけをお願いして、私の質問を打切りたいと思います。
  29. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 この際二、三点お尋ね申し上げたいと思います。今までアメリカとの行政協定の面において使つておりました今度運輸省の方、海上保安庁の方に還付さるべき船、それを今度また継続的に使えないものかどうか。使えないとすればどういう理由で使えないのか、その点ちよつとお尋ねいたします。
  30. 和達清夫

    和達説明員 先ほども申し上げましたように、船舶検査官は、この船をX点付近のごとく苛酷なる海面における観測業務に使用することは、船の船体強力上不適当と認める。と書いてありますが、そういうふうな苛酷な海面でなけれな使えるものと私は思つております。
  31. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 保安庁の方の関係、これは海上保安庁のことではありません。保安庁の関係の方に、この定点観測に使用しても適当だと思われる船が二隻あるというお話なんですが、それではその船をこちらの方に差向けるということの政府内部における交渉をしたことがありますか。
  32. 和達清夫

    和達説明員 その文書をアメリカから受領しまして、外務省を通じて、また私ども自身保安庁と折衝いたしました。保安庁ではこれはアメリカと話し合つて別の目的に使うことが見合つておるということでアメリカに聞きましたところが、アメリカは前にそれを二隻使つたらよかろうというのを取消して参りました。
  33. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 この気象観測というものは、これは航空上も非常に重大な影響を持つて来ると思うのでございますが、もし日本定点観測をこのままかえてしまうということになれば、アメリカなりどこかの国なりがここに来て、そうして自分自身でもつて定点観測をやるというようなことがあり得るかどうか、その点をお尋ねしたい。
  34. 和達清夫

    和達説明員 絶無とは申せませんけれども、私ども日本がそれを行うものと信じております。
  35. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 そこが重大なんです。国際上重大な影響を持つて来るのであつて日本が今これをやらなかつたらば、他国からこれをとられるぞということは重大な問題である。先ほど關谷委員がいろいろな質問をしておる際において、最も重大な一点としてあなたが主張しなければならぬことはここにあると思う。もしそれ日本が今こういう重大な問題をやらなかつたとする。そこへもつて来てアメリカが永久にこれを使用するぞ、あるいはソ連が永久にこれを使用するということになつた場合に、これは公海でありますから、日本でこれを排除して、お前は明けてくれ、今度はおれの国でやるのだというような場合に手遅れになる、そういうことになつたら一大事だ、それこそ今国連をかけてもやらなければならぬ問題だと思うのだが、その点についてあなたどうお考えなさる。政府を納得させるには、これはどうしても抜き差しならぬという、この一点だけでやれると思いますが、あなたどうお考えなさるか。
  36. 和達清夫

    和達説明員 御同感であります。
  37. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 わかりました。これは重要な問題だと思う。そこで先ほど東北地方の冷害関係について政府委員から御説明があつたのでありますが、私のところは青森県で、今度の冷害の最大の影響を受けているところなんであります。ここにおられますところの館委員も私どもと北海道方面をずつと調査に歩いた際にお聞きになつたことと思うのでありますが、北海道における冷害の調査において、陳情団がこういうことを私どもに話した。それはどういうことかと申しますと、今年の気象の報道が、ローカル的な気象観測の報道と中央における報道との間に食い違いがあつた。ローカルの方の報道は今年はどうも気候が悪い、冷害性の凶作が来るかもしれないぞという警告を数回にわたつて発した。しかるに中央における報道はそうではなかつた。どうやらそういう冷害型の凶作が来るようなことは予測せられないというような報道があつた。そこで地方民も非常に迷つて、そうして結局は希望的に今年は気温も普通並であろう、こういう考えをもつておくての多収穫の品種を選んで播種した、その結果として今年は不運にして大冷害を受けたのだ、こう言つている。そこで気象観測さえはつきりするならば、この冷害というものは防止し得るという確信を私は持つておる。どういうところからそういう確信を得ているかと申しますと、台長さんも御承知の通り青森県においては藤坂という試験場がありまして、そこにおる田中という先生が十九年にわたる研究を遂げられて、藤坂五号という耐冷害品種を発見した。この耐冷品種のお蔭で青森県は、今年は冷害の中においても津軽地方一帯、この藤坂五号を植えつけたところだけは、九十四万石という平年昨以上の収穫を上げたのです。もしそれ藤坂五号というものがなかつたとするならば、青森県は一粒の米もとることができなかつた。こういう耐冷品種ができた以上は、気象観測さえはつきりしておれば、来年度においてはどうもいかぬぞ、たとえば太陽の黒点の影響がある、来年はきつとまた冷害が来るかもしれないというようなことを、中央気象台において発表してくれるならば、その際は藤坂五号のような耐冷品種を選んで、それを農民に配給して播種させる、そうして行けば必ず冷害を防ぐことができるわけだ、だから凶作を防止するためには、この気象観測というものは絶対である。この気象観測があつて、そうして今の藤坂五号のような耐冷品種があるならば、東北、北海道においては今後、未来永久に断じてこの冷害災害は受けないで済む、こう農民は言つているのである。そこで私ども、この定点観測という重大な観測を持つておるわけであります。先ほどからるる御説明があつたのでありますが、東北、北海道における冷害はこれによつて防止することができるというのは、まことに力強い御意見だと私は思う。ですから国策上どうしてもやらなければならぬ問題だと私は思う。そういう重大な問題だから台長さん、あなたがもう少し強く何としてもこれはがんばらなければならぬところを、どうもあなたは学者ですからがんばり方が少い。そこで關谷委員も多少さじを投げた傾向がある。われわれとしては本委員会において決議をして、政府を動かしてもやれなければならぬという熱意を持つておる。その熱意をあなた方が持つてくれないことは私としてははなはだ残念なんですが、そういう点において私は東北冷害——東北ばかりではありません。関東においても今年は非常な冷害を受けておるのでありますから、これは国策上絶対にやらねばならぬということを、あなたがはつきりした確信を持つて委員会に臨んで、データでも何でもちやんと出してやつてください。われわれは当委員会においてその決議をして政府を鞭撻しても予算を獲得して、あなた方を事欠かせるようなことはさせないという気構えを持つて臨んでおることを御了解願いたい、それに対するあなたの御意見はどうですか。
  38. 和達清夫

    和達説明員 ただいままことにご理解あふれるお言葉、また御激励をいただきまして感激のほかはありません。私どもこういう科学的の仕事をいたしております者は、そういう点につきまして非常に良心的というとよ過ぎますが、数字的に割切りますので、強く申しません。まことに申訳ありません。おつしやいますように冷害対策にとりましても必要なものでございまして、ただいまのお話のように気象台がこの予報を間違いなく出しまして対策をするならば、東北冷害は大部分救われることになると私も信じております。またそれに気象台も全力を上げてやつております。ただいまの中央と地方との違いというのもここで詳しく申し上げませんけれども、中央も地方も今年は冷害——冷害とははつきり言わないときもありましたが、冷たい夏であるということは前から申しあげております。その点につきましてご了解を願いたいと思います。まことに私姑息な言い方でありますが、ただいまの仰せの通りこれは気象にとつて重要なものでございますので、皆様の御支援によつて再開されますことをぜひお願い申し上げたいと思います。
  39. 關谷勝利

    關谷委員 関連して伺いたいと思います。この「定点観測業務について」というプリントをいただいております。これを予算要求の際に出しますと、かえつて逆効果があるというふうに考えるのでありますが、今年の十一月の末までは、きわめて大きい貢献をすると言うてこの定点観測はやつてつたのであります。しかも今年東北冷害があつて、私はそれがどのように貢献したか、その具体的のことを聞いておらないのでありますが、凶冷対策の資料というようなことでは、もう少し資料を出してもらつたなら多少防げたのじやないか、それ以前に注意をしてもらえば、先ほど山崎委員の御指摘のあつたいろいろな品種当の選択によつて、またそれが防げたのじやなかろうか、こういうことになつておるとすると、ものの役には立つておらなかつたということになるのであります。ことに凶冷対策として先ほど三つ理由を申されました。第三番目には東北冷害に非常に重大な役割をするのだ、こう言われましたのに対しましては、凶冷対策のための長期予報に必要な北方海域の海洋観測につきましては、年来の懸案であつた巡航による海洋観測を今後通年実施することにしておつて、その理由はなくなつた、それで補えるのだ、こういうことになつて来ますので、これをもつて予算に割込みをしようといたしますと、できるものでもこれはできないようなもののプリントになつて来ておるのであります。そこでこれはいかにも重大なんだということがもう少し強くピンと来るように——たち不幸にして気象台のことはよくわかりません。はつきりと技術的なことはわからないと私は申し上げておるのでありますが、わからない関係からかもわかりませんが、どうもこのプリントについても矛盾がある。そしてこれでは予算獲得の資料にはならないということを申し上げておきたいと思います。  なを、中央気象台というものは非常にわかりにくいことは間違いありません。おそらく大臣も政務次官もどのようなものか正体は御存じないと思うのであります。わかつておるのは台長だけであろうと思うのであります。もう少しよく宣伝等もするように、もし機構が不備であつたならば次長制というようなことをとることを、当局に主張することもけつこうでありましよう。そういうふうなことでもう少しよくみんなに理解のできるような方法でいたしませんと、行政整理ということになると、現業でありながらこれが普通のデスク・ワークをやるのと同じように整理をせられて、あとからわいわい言うことになる。今度のような場合にも予算を切られて、またいろいろ言わなければならぬというようなことになるのでありまして、その点につきましてもよく留意をせられませんことには、将来中央気象台というものは消えてなくなるようなことになるのではないか。これは少し表現がきつ過ぎるかもわかりませんが、私はそういうふうな気持もいたしますので、その点御留意を願いたいと存じます。別に御答弁は求めませんが、このプリントでは予算獲得の資料にならないということだけを、私御参考に申しあげておきたいと思います。
  40. 和達清夫

    和達説明員 このプリントが非常にまずいということはお説の通りでございます。ただ北方海域の海岸観測、これは海洋なのでありまして、定点観測業務をやつておる中では気象高層観測が一番大事ですが、ただ巡航による海洋観測に関する限りは、今後通年実施することになつておるということを書いてあるのであります。海洋観測でありますから、どうぞそのおつもりで……。
  41. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私は気象観測について二、三次官にもひとつお聞きをしたいと思います。定点観測は、今山崎委員も申されたように、太平洋上における領土の確保されておつた当時の状況を、今日のような狭められました領土の関係等から行きますと、非常に観測に困難を生ずる向きが多い。特に中共方面、今中共の管理いたしております大陸方面の気象観測は、戦前におきましては日本の主導権のもとに観測されてわかつてつたのでありますけれども、今日のような状態におきましては、まつたく大陸方面における気象観測ができない状態にあるのであります。そういう場合においては、私はなおさらこの海洋からする気象観測は、絶対的に必要になるというふうに考えるのでありますが、それが今日行政協定によります定点観測は廃止になつたからといつて、そのままに捨ておくことは、将来の日本気象観測に重大なる支障を来して参ると思うのであります。今日気象観測にあたつて、どのような方法で大陸方面の気象を掌握されておるか、ひとつそういつた機構面のことを御答弁願いたい、こういうふうに考えます。
  42. 和達清夫

    和達説明員 ただいまのお話は、中共その他からの気象情報がとまつておる現在、その補いをどうしてつけるかという御趣旨だと思います。気象台では、わが国の西にあります中国大陸の気象情報が入らないということは、現在致命的の欠陥になつております。それを補うためにはどうしてももつと広い範囲、たとえば北半球全体の天気というようなものについて毎日その資料を集めまして、そうしてそれを主体にして、また特に上層の気象を十分に調べまして、その欠を補うという姑息な手段をとつております。
  43. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私今度の打続きます各地の水害等の実際の視察に参りましたときに、各地の気象台を見学させていただきました。そうして各地で一様に申しますことは、今日の気象観測の実際の機械化の面においても、他国に比べてまつたく手遅れの状態にある、こういう集中的小地域の豪雨などは、レーダーさえ完備しておれば、もつと早く予報が出せて的確に気象状況が把握できた。しかるにそれをただ小学校や山間の公共施設を利用して、きわめて幼稚な降雨料のみが観測されておるような状態にある、このようなことではどうしても気象観測に万全を期することはできないし、その損害をできるだけ防止するという本来の使命も全うすることができない、それが全然科学的にもできないような状態にある時代ならば別として、今日のような科学の発達いたしている事情においては、十分にそれが予知できるにもかかわらず、それができないことは遺憾だ、だからぜひとも全国に、たといわずかの箇所でもレーダーの装置をして気象観測をしてもらいたい、こういうような要望が強かつたのでありますが、中央気象台長としては、一体そういつた方面の管轄をしておられます者として、この気象に関するいろいろの声というものをお聞きになつているのかどうか。またお聞きになつているとすれば、あなたの計画として一体どのようなことを政府に要望されようとするのか。また次官等においても、この気象観測というものは、私ども文化の生活をする国民全体のものとしては、きわめて重要な事柄に属するのでありますが、政府の方針として、さらにこの海洋気象観測を継続することはもちろんのこと、もう少しこの気象観測面の充実をはかる意図がないのか。一体政府はどのような方針をとつておられるのか、おのおのからお答えをいただきたいと思います。
  44. 西村英一

    ○西村政府委員 一般的に気象観測業務が、非常に社会生活に広い影響があるということが認識されて参りますれば——実は私も多少その方の業務の一端に従事しておつたこともあるのでありますが、日本といたしましては、農業なりあるいは漁業なりあるいはその他の産業なりに、非常にこの観測業務が役立つのじやないかということが認識されてから、実は非常に急激な発達をしたと申しますか、非常に関心を持たれるようになつたのであります。これは少し前まではやはり現在よりももつと遅れておつた。しかしながら今の状況におきましても、何と申しましてもやはり国が貧乏であつたために、施設その他の点につきましてはいまだに各国の水準に及ばないのであります。先般から治山治水対策のことについていろいろ議論がありますが、治山治水対策の根本問題も、やはり一番先に論じなければならぬことは気象観測の問題です。はつきりした気象観測をつかんで、つまり雨量なりあるいは風速なりをつかんで、そうしてそれによつて判断を下して、それを速報で予報させる、こういうことが最も必要になるわけでありまして、そのことにつきまして政府としても非常に重視いたしておるのであります。私もまたこの問題は治山治水対策の根本問題であると思う。また現在においても相当なダム等も建設しておりますが、これらの操作をするにいたしましても、総合的に気象観測をその河川の水系についてつかんで、そうしてこの洪水調節用のダムの門扉等を操作する、いわゆる水利調整をやるというふうになつてこそ——日本でも河川のいろいろなことをやられておりますが、それらのことが初めてうまく調整がとれて行くのではなかろうかと思つておる。従いまして現在の陸上の観測地点、特に奥地の観測が非常に不備である、奥地の観測をもう少し考えなければいかぬというふうに考えられまして、これは来年からでもやりたいと思つておる。また聞くところによりますと相当に精巧な機械もありまして、雨量等もロボツト雨量計というものを使いますと、無線によりまして雨量が即座にこちらにわかるようになつておりますので、それらのものも相当箇所ふやして設置し、この治山治水対策の根本的な解決方法も、科学的なデータに基いてやりたい、かようにせつかく準備しておるのであります。今問題になつておるのは固定点観測の問題ですが、私は政務次官になりまして一番先に気象台長から報告を受けましたのが、この問題でありまするが、これは実は押しつけられてX点、T点というものを観測するようになつたのでありまするが、しかし洋上に船を浮かべてやるということは非常に大事なことではありますけれども、一面からいうと非常に金のかかることなのであります。しかも当時借りておるところの船が非常に危険であろ。台長といたしましては、あの危険な船を使つてつたのでは、万一の場合責任は持てないということを非常に心配されておつたので、このために何とか新しい船をつくりたいということを、われわれといたしましてもいろいろくめんをいたしておつたのですが、今日までできずに済んだわけであります。今日行政協定によつてはこの固定点観測は一応打切りましたが、私たち考えといたしましては、ただいまあなたが申されましたように、非常に広い陸地を失つておる今日といたしまして、やはり洋上に相当X点、T点のみならず、あるいはZ点、Y点というものも必要になる。またこれがだんだん発達することによつて気象観測はますますその正確度も増して来るということになろうかと思うのであります。気象台長の今の答弁はまことに良心的でございまして、その一点がないからといつてと、こういうことでございまして、その辺は御推察を願いたいわけであります。決してそれが必要でないということを言つておるのではないのであります。私は政府代表するわけではございませんが、運輸省といたしましては、気象観測はあらゆる場合において重要な問題であり、ことに現在問題になつておりまする治山治水対策の根本問題でもあり、もちろん農業その他の産業において、気象観測を利用しております国民も非常に多いということを十分認識しておるつもりでございます。
  45. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 気象台長からの御返事はありませんが、今政務次官の言われるように重大に考えておられるにもかかわらず、この定点観測のとりやめ等の実際から見ますと、何か重要なことは私どもに教えてもらえますが、実際には政府はそのようなことを実行しない。ただ経費がかかるからこれは困難だというような考え、あるいは他の財政支出を削減するのであるから、それにならつて少しでも経費の削減の実績を示さなければならぬのではないかという考えから、実際にはあなたの今言われるようなことを実行しようとはしないのであります。こういうふうに私どもは見受けるのであります。ただその重要性だけを説いても、実際に実行する裏づけをしなければ、何ら効果をなすものではないのであります。その意味から申しますと、このパンフレツトは台長から出されたものかは知りませんが、今まで行政協定によつて定点観測を行つていた、ところが行政協定による定点観測は不可能になつたから、今度は日本側としては経費がかかるからやめる、こういうことでどうもその辺の矛盾が感ぜられるのでありますが、一体政府は今のような状態で、あなたの言明通りもう少し進んでこれを強化する、そのためには本年度は他の経費は別としても、定点観測に必要な諸経費は必ず確保して、この重要業務を継続するのだという御確信があるのか、ひとつお聞かせ願いたい。
  46. 西村英一

    ○西村政府委員 ただいまも申しましたように、北方の地点は相当に危険な地点でありまして、今まで従事しておりました船が必ずしもよくないというわけであります。継続するならば相当安全性のある船を持つて行かなければならない。もちろん船を新造するために予算等の請求はいたしておりますが、今それがどうなるかということについては申し上げる限りではありませんが、何とぞ本委員会の皆様方の御協力を得て、この観測業務が満足に行くように私からもお願いいたし、われわれもまた努力をいたすものであります。
  47. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 もちろん私どもはこの気象観測業務を継続させることについては、非常に重要関心を持つて臨むものでありますけれども、それよりももつと進んだ実際の施策をやつて行きたい、こういうふうに考えるのでありますから、当然協力以上のことを考えておるわけであります。けれどもあなたの今の答弁で行きますと、この委員が何かしなければ、政府の方では実際にその御希望に沿うことができぬというようなことで、委員にまつたく責任を転嫁する——政府で責任を持つてこれだけのことをやれるのだというような、すなおな考えをちつとも出していないと思うのですが、それはどうなんですか。責任を回避する意味ですか、それともどうしても大蔵省その他の方から経費も支出ができないというような、何か障害があるというところから、そういうふうにおつしやるのですか、どうなんですか。
  48. 西村英一

    ○西村政府委員 責任を回避するというふうにとられましたのは、まことに遺憾に思つております。そういう意味では決してありません。われわれといたしましても十分努力いたしまして、気象観測の点に欠けることのないようにやりたいと思つて努力するつもりでおりますが、皆様方の御協力を願いたい、かように申しているわけでございます。
  49. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私は、先ほど山崎委員も申されましたように、この定点観測というものを、日本が実際実行しないということになりますと——今日この太平洋方面におきます交通の面から見ましても、非常に航空機の発達もありまして、太平洋上の交通というものは頻繁になつていることはよく御承知の通りと存じます。またさきの国会におきまして成立いたしました日本航空株式会社法によります国際線に日本航空機も進出をして行くということになつたことは、御承知の通りであります。そういたしますと、私は戦前の太平洋上の航空機による交通あるいは船舶による交通、それと今日ににおきますこの長足の進歩をいたしました交通網の点から見ますると、海洋定点観測なるものが、ただ気象観測それ自体だけではなくて、重要なこれら交通網に対する一つの指標として、目標点を与える役割を今日まで果して参つておる。もしこれを日本が放棄するならば、必ずこれにかわるべきものが外国の手によつて実行されるということは、私は火を見るよりも明らかになつて参ると存じます。そういう場合にこそ私ども最もこの定点観測には重大関心を寄せておるのだということを、日本政府はもつとはつきりと対外にも示すべきである。ただ経費がなくなつたから私の方ではこれをやめるのだというようなことでは、独立後の日本においても、こういう事業は他人まかせにそのまま将来もほうつておかれる、こういうふうに私は見るのでありまして、これは国際的にも非常に日本への不信を招く結果になると思いますが、政府はどういう見解をお持ちになつているか。
  50. 和達清夫

    和達説明員 この定点観測先ほどから言いますように、国内にも非常に重要なものでありますが、国際的にも非常に重要なものでありまして、これの場所あるいは運営方法については、国際民間航空条約あるいは世界気象機関条約、そういうようなものにおいて常に相談され、その運営がなされておるものであります。でございますから、将来もそういうようなことで行われると思いますが、わが国としては世界でも有数な災害国でありまして、その分担といいますか、その協力が世界にも増してもつと進んでやるのが至当ではないかと私は存じておる次第であります。
  51. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 きようは質問が限られておりますので、もう一点お尋ねいたしますが、これは現在まで行つておりました定点観測をそのままに実行するとすると、一体どのくらいな予算が必要になるのか、お聞かせ願いたい。
  52. 和達清夫

    和達説明員 まず北方の方は、船がさしずめ必要になります。その船は一隻約六億かかりまして、一点の観測は三隻必要となります。しかし南方と一緒にこれを行う場合には、船のやりくりで五隻で二点できます。経常費の方は一点が大体年間二億かかります。
  53. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 そういたしますと、北方観測に当る船を新造するには六億かかるという意味ですか。
  54. 和達清夫

    和達説明員 一隻六億であります。
  55. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 今の状態で行きますと、今まで使用いたしておりました船は全然用をなさない、こういうことになるのですか。あるいは多少改装を加え、修繕することによつて使用に耐え得る船があるのかないのか、ひとつお聞かせ願いたい。
  56. 和達清夫

    和達説明員 私、船の知識が不足でございまして、補強すればどのくらいの年数使えるかということについては、ただいまちよつと申し上げかねます。検査官の検査では安全が保しがたい、あぶないというので、無理をすればできるかどうか、それは私よく存じません。あぶないという点におきまして、私どもは今まで使つてつた船を、もう北の辺では使いたくないというように考えております。
  57. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 これは政務次官どうですか。そういう船の修理あるいは改装については、政府としては詳細な調査を船についてされたことがありますか。それとも全然もう北方における定点観測はやめるんだという意味で、そういう船の検査などはされずにただそのままにしておるのか、お尋ねいたしたい。
  58. 西村英一

    ○西村政府委員 それは台長も申されましたように、検査官にちやんと見て調査をしてもらつた結果でございます。
  59. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 これは私政府に要望しておきたいのは、こういう船の検査の結果と、それから修繕をすれば二年あるいは三年の使用に耐え得るということになれば、その修繕に要する計画等もやはり立てなければならぬと思いますから、これはその所属の方からひとつ資料として私は提出をしていただきたいと思います。  それから特に希望をしておきたい点は、まず第一に、先ほど山崎委員が申されましたように、戦後における日本気象観測については、先ほども申しましたように大陸方面のほとんどの気象観測法を失いました。従つて今日の天気予報等におきましても、非常に気象台としては苦心をされていても、なおかつ的確な気象観測というものができない。従つて非常に確信のない、混乱したような観測しかできないことも間々あると聞いておるのであります。今日のような災害を再度繰返すことのないように、これを防止する科学的な諸施策は当然必要でありまするし、またそれによつて十分に予防することができるのであります。そういたしますと、私はこの気象観測に数億の金を入れましても、それは十分に償い得る性質のものだと思います。  また第二番目としましては、国際的に見ましても、今日太平洋上における諸交通は、ただアメリカとかあるいは一国のものをさすのではなくて、各国の平和時における航空交通等の発達、それに伴う安全施策の近海における日本の責任は非常に重要であります。もしこれを放置して他の国に譲るといたしますならば、日本気象問題だけではなくて、将来における日本の国際的地位につきましても、非常に不信を招く結果となり、ひいてはこれが日本の将来の気象観測からいたしましても、また航空交通の発展からいたしましても、ゆゆしい問題を招来することを私は憂うるのであります。どうかそういう意味におきまして、他の不要不急の経費は極力削減をして、国家財政支出を緊縮することは、当然私どもの望むところでありますが、この点に関しては、他の面と同じような機械的な考えではなくて、積極的にこれが拡充のための諸施策を、それらに携わつておられる当局からお示しいただきまして、そうして将来に対しまする日本のわれわれの土地を守ると同時に、日本の国際的信頼にこたえる措置を講じていただくように希望いたしたいと思います。
  60. 關内正一

  61. 館俊三

    ○館委員 もうほとんど同僚委員お話になつたので、一番最後ですから申し上げることはございませんけれども、さつきここで気象台長さんに対して、非常に力が弱いという皆さんのお話でしたが、そういうことのために、かえつて委員会気象台長に応援をするというような形ができて来まして、ほとんどここで決議をされるのじやないか、予算もここでうんととるような雰囲気に委員会としてはなつて来たのじやないかと私考えまして、非常に喜んでおるのでありまして、一面からいうと、気象台長さんはなかなか政治家である。弱い面を出してかえつて強くなつてしまつたというように考えるのでありまして、私は非常に喜んでおるのであります。この定点観測廃止反対については、ここに私持つておりますが、財団法人船主協会の全長の淺尾さんから、定点観測の再開についてのお願いというのが石井運輸大臣に出されております。おそらく船舶の航行が非常に不安定になるという見地からお出しになつたのだろうと私は考えております。有力なる船生協会の人としては、このお願いを出されることはもつともだと私は考えております。それからもう一つ聞いたところによりますと、日本航空局としても、国際会議のICOに、これの廃止をしてもらつては因るというような問題を提起したいという考えを持つておるということも聞いておるのであります。それからまた国際民間航空条約の方からは、メモランダムで、これを廃止することはいけないというようなことを申し込んでおるという話も聞いております。かたがたこれは行政協定によつて抜かれたのでありますけれども、乏しい国力の中でもこれを復活することが実際必要である、これは国土の安全を守り、空の運行を確保し、海上の運航を確保する、そういういろいろの点から放すべからざるものだと思つております。多少のお金はかかるのでありまして、そのお金でさつそくに実効が上つて、お米が何ぼ災害から免れ、船が何隻災害から免れた、とかくこういうことを考えがちなのは、こういう金のない国においてはもつともなことでありますけれども、しかし科学技術を進歩させる、維持して行く、こういうことのために、永久的な方法を講じて行くという大切なことが、とかく日本の為政の中に忘れられておるのであります。そういう点も十分に考えていただきたい、こう思つております。ことに行政協定は単にアメリカが自分の都合で、そういうことになつてつたのをやめたときの打合せの条文であります。その条文の中にも「日本代表団首席委員は、本計画を日本財政援助の下に継続することが気象学的に望ましき旨を日本政府に納得させるため、あらゆる努力を払うものとする。」という一項目があつて、本質的にこれをやめることがいいという打合せ方ではないのであります。またそのずつとあとの方に行つて見ますと、「これらの船舶」これは今使つておる船舶のことを上に書いておりますが、「これらの船舶は、定点業務遂行の目的をもつて中央気象台の使用に供するため、運輸省に引渡すものとし、」という一項目もあるのでありまして、この協定は、決してこの定点観測が悪いということのためではないのであります。単にアメリカ都合でこういうふうになつたから、こういう協定を結ぼうということであります。そういうことであつて、これは一向気にならぬとりきめ事項と解釈すべきであると私は思つております。ことに高層気象観測の問題、あるいはまた蓄積された貴重な観測資料というものは、気象台長として最も自主的に守らなければならないものだと私は思つております。そういう意味においても、多少の金をつぎ込んで、日本の将来における科学技術の水準向上のために、技術者の立場、科学者の立場から十分に奮闘されて、この予算の確保に渾身の努力を尽されるのが大事であろうと私は思つております。この点がいつも日本の従来の政府の立場から忘れられておつて、今どうして実効が上るかということばかり考えられておる。それではいけぬのです。日本の将来を築き上げるために、積み重ね積み重ねた科学的な貴重な資料が、今この定点観測廃止によつて分断されてしまう。今ここでお話があつたのですが、今年の六月に定点における海水が非常に冷たかつた定点観測をして六箇年たつて、そういう現象が初めて現われた、そこで観測している技術者の諸君は、初めて現われたのであるから、これが気象全般にどういう影響を及ぼすものであるかという確信はなかつた確信はなかつたのだが、ただ今年おかしな気象が現われるであろう。ところが今年は非常な冷害が現われた。今度これを続けて行つて、これは経験ですから、次のときの非常な資料になる。そういうことが積み重なつてつて日本の国土の上空なり、海岸なり、あるいは稲なり麦なりが守られる。惜しいことだという話を今ここで聞いておる。そういうような意味においても、今ここで実効が幾ら上るかということのみに重点を置くのは、日本の将来を誤つておるいつものやり方だ、そういうことを私は強調しておるのであります。日本のためばかりでなく、国際的な協力として、これはどうしても残さなければならぬ。日本の新しい国の進め方として、国際協力のために、世界の一環としての太平洋岸における空の気象を緻密に正確に、毎日々々の図表が積み重ねられて行く。それが日本のためでもあり、世界のためでもなければならぬのである。私はもうこれで話を終りたいと思うのですが、幸いにしてこういうようなことがここで非常な大事なことであるという結論が、各僚友の委員から出たのでありますから、台長に対しては質問したいことがたくさんあるのでありますけれども、ただ言つておくことは、この協定文のCの中で、「本計画を日本財政援助の下に継続することが気象学的に望ましき旨を日本政府に納得させるため、あらゆる努力を払うものとする。」日本代表首席委員の中には台長がおられたはずです。このあらゆる努力を、今からでもおそうはございませんから、絶対的に払つていただきたい。これをお願いするのであります。あなたに対していろいろお尋ねしたいことも書いて参りましたが、これはよしまして、あらゆる努力を傾注することがこの協定文の中にも書かれてある。あなたがそれを書かれたのだ。こういうことの認識の上に立つて、台長は技術者、学者としての立場ばかりでなしに、気象の政治的立場を積極的に認識されてやつていただくことをお願いいたしまして、私の希望を申し上げたわけであります。
  62. 關内正一

    關内委員長 本日はこの程度でとどめ、次会は明後二十四日午後一時半より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。   午後三時五十三分散会