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国務大臣(
小笠原三
九郎君) 来年度の
国民所得というものは、
一つの
予算規模の標準にはなるわけでございまするが、私
どもは併し
国民所得にかかわらず、大体
予算規模を圧縮したい、こういう
考え方で臨んでおるのであります。今、来年度について六兆二千億と見るのは少し多いのではないかという
意味のお言葉にもとれたのでありますが、私
どもといたしましては、実はこの頃、経審のほうで更に調査をいたしておりますが、年度で申しますと、二十八年度でも恐らく実際は五兆九千億以上に上るというふうに今のところは見込まれているのでありまして、私
ども今実数を取調べておりますが、私
どもは六兆二千億というのは、これは経審のほうにも一応聞いてはおりまするが、私
どものほうの見方によりましても、決してこれは甘い見方、辛い見方とは決して申しませんが、甘い見方ではない。これくらいは確実に見込まれると、こう見ておるのであります。そこでそうすると一体この今のままの税法で自然増収はどのくらい見込まれるかと申しますと、所得に伴いまして、いろいろ間接税とかそういつたものは殖えて参りまするので大体七%くらい税金は増加して行くのじやしないか、こういうふうに見込まれますから、まあこの点から二十八年度の当初
予算に比べますと一千億円以上増加する、こういうふうに私
ども見ておるわけであります。従
つてまあ明年度の財源はどのくらいであるかというと、過日衆議院でも申しました
通り、丁度七百億くらいであろう、こういうふうに
考えておるのであります。そこで現在のところは過日たびたび申した
ように、非常に各省の来年度に対する拡張の要求が大きいので、貿易
関係費や、或いは対外債務
処理費などを除きまして、かれこれそういうものを現在の本年と同額といたしまして二兆億円にも達するという状況でございまするが、併しこれについては目下事務当局でも日夜作業を営んでおりまして、この圧縮方に最善の努力を払いつある次第でございまするが、私の心組といたしましては、過日も申上げました
通り、やはり
補正予算後の日本の歳出
規模にとどめたい、か
ような
考えておる次第でございます。そうすると、今
お話にありました
ように自然に殖えて来るものがございます。恩給等もこれは当然平年度化されますから二百二十億円ほど殖えることに相成ります。それからそのほか連合国財産補償費も若干殖えまし
ようし、
給与改善費は、これは度度申しました
通りに、跳返りを見ますれば二百億円くらいになりますが、
給与改善そのものだけを見ますと、四百四十億円
程度になります。ちよつとこの点誤解があ
つてはなりませんから申添えておきますが、なんで跳返りが二百四十億円もあるかとよく言われますが、跳返りのほうは一般的に見ておるのでありまして、一般会計のほうを私は申上げておるのでありますから、特別会計その他への今度の
ベース・アツプその他の問題がついておりますので、大体これを見込むと八百億円くらい見込まれますので、大体三〇%くらいの跳返りがある。従
つてまあ二百四十億くらいの跳返りがあると、こういうふうに実は見ておる次第でございます。そのほかにも外航船の補給金が、船舶の増加に伴
つて今年は五十億円くらい殖える、こんなこと等がございます。まあ、そういう点から防衛費も、これはどのくらい殖えるかというお尋ねがよくあるのですが、これは今折角相談中でありまして、まだ結論的には下せませんが、若干殖えるということは免れませんと思います。又賠償費は今年は対外援助費等と見合いまして百億円
予算に計上してありましたが、これも若干と申上げるほかないのは、これは内輪として申せば余計計上して置けば、日本ではもう出す肚でいるんじやないかということになり、少く計上すれば誠意がないじやないかという問題にも又交渉上なると思いますので、これは外交上の交渉と睨み合せて計上いたしたいと
考えております。災害対策費は、先ほ
どもちよつと申しましたごとくに、私
どもは災害対策費や公共
事業費或いは食糧増産費その他のもの、或いは特に過年度の災害については、これらと絡み合うものもありまするので、一体として
一つ考えてみたい。治山治水費もこれは相当見ませんと、従来の災害がそこから戻
つて来るのだから、そういう点等もあ
つて、それはどう
考えても、一千億円以上に上るのではないかと、こういうふうに
考えるのであります。
そこで私
どもが昨日来本
委員会でも申した
通り、相当思い切つたことを、徹底的というほど思い切つた
予算に対する削減を行な
つて行かなければならない。それにはひとり
行政整理ということばかりでなくて、いわゆる
財政整理がよほど主なものにな
つて来るので、私
どもはよく中央地方を通ずる行
財政の
整理ということを申しておるのはその点です。又只今申しました
ように公共
事業費、補助金等につきましても、根本的に
検討して、今までの
考え方を捨てて、
一つこれらの何といいますか、査定方についての
考えを取きめなければならん、こういうふうに思
つております。それから
財政投融資等につきましても、やはり重点的効率的にこれを扱うということで、今の惰性にとらわれた
財政投融資ではなく、これをもう少し効率的重点的に取扱
つて、全体としての
財政規模の圧縮で
効果を挙げるということに持
つて行かなければならないと思
つております。そのほかに一般経費の節約に対する努力を怠
つてならんことは当然でございまして、これに対して努めたい。こういうことをいろいろや
つて参りまして、どの
程度でこれがよく、何といいますか、調整がとれるかというところをみまして、税制調査会等の答申の次第もありまするから、これに調整的の減税を行いたい。即ち減税しつ放しではございませんで、調整的の減税を行いたい、か
ように
考えておる次第でございます。
もうこの月より二十九年度の
予算を編成しまして、来月になれは、本院にもお
出しすることになりますから、私
ども今折角この編成方について、或いは個々のものから実は成立
つておるものですから、事務的にどこの分が削れるかという点について、どの分をどうしなければならないか、自然に殖えるものはどうなるか、年度計画で立
つているものもございますから、折角
検討いたしておる次第でございます。