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森田豊壽君
只今予算の話がありましたから、それと関連して
質問申上げます。この前の
臨時国会におきまして、
会計課長より二十九
年度予算を拝見いたしました。これに対しまして
お茶に対しまする
予算は九百六十万円でしたか、一千万円弱であつた。この
数字は去年と比べますると、百六十万円に対しまして九百六十万円でありますから、随分増加したということが言えましよう。その
内容を見ましたところが、その
内容のうちには七百何十万円かが、これは
お茶を
保管をした場合における、売れなかつた場合における
保管料及び
金利の
補給としまして二分の一を計上したことと私は記憶しておるのです。その二分の一の補助も、
国家財政の上からい
つてやむを得ないものとも
考えられる点もあるのでありまするが、一体その
利子補給或いは
保管料はいつからのものを計上してあるのか、恐らく二十九
年度分でありまするから、四月以降のものに対して、
お茶は五月から出るのでありまするが、新
年度予算としてはそういう
考え方をしておられるでありましようが、一体どういう場合において支払うか、その
内容を聞きたかつたのでありますが、あのときには
官房長に私ちよつと申上げましたが、
官房長はよく
研究しようということで、私はそのときは、
専門家でないかたでありまするから、よく
研究してもらいたいと申上げておいたのでありますが、そのときそういうことについて
説明はなかつたのであります。私は
お茶の
取引のことを先ほど申上げましたが、
輸出茶というものは
玉緑茶と称する、即ち
お話の
通りの
伸び茶でなくして
グリ茶であるということでありますが、この
グリ茶というものは
生産計画を立てまして農家におしまして、
輸出用としてこれを作らせるにあらざれば、
輸出用の
お茶というものはその年は
生産ができないということになるのであります。即ち
輸出向にこしらえた
お茶というものは
内地向にはならないのです。
我が国の人口八千万と仮定いたしまして、一人が百二十匁ずつ
お茶を飲むということが現在における常識でありまして、千三百万貫の
お茶が一年にとれるといたしましても、
外国へ出る
荒茶が、目方で概算すれば三百万貫でありますが、そうすると、丁度概略におきまして国民一人当り百二十匁の
お茶を
飲むということになつておるのであります。その百二十匁の
お茶を飲むのに、
輸出のほうへ
相当のものを持
つて行かなければ
お茶の
需給の
バランスは合わないというのが今までの体験から行きましてそういうことになるのです。従いまして
我が国の
生産量から行きますれば、どうしても
輸出を
相当振興させるにあらざれば、
お茶を作つたものはこういうものを作
つておりながら、
茶業というものは
振興されないことになるのであります。従いまして
輸出を
振興することは
我が国の
外貨獲得の上において必要であるのは申すまでもない、これを
振興させることは
内地の
産業を
振興させ、
内地の
需給の
バランスを合わせる上において非常に必要なことなのでありまするから、この点から行きまして、私は
輸出振興に、いわゆる
輸出のものを
内地へ向けることができないのだから、若し
輸出が少かつた場合には、
買手が買わなかつた場合には、翌
年度へ廻す場合もありましようが、今のところでは過年三年間は私が調べたところによりますと、ポンドで行きますれば二千万ポンドは確実に今まで三年間の経過は
輸出されておるのであります。
従つて今年は
霜害がありましたから、
玉緑茶としてはそう出ないけれども、今のところでさえも、十月末におきまする表を調べてみましたところが、それだけで行きましても二千百万ポンドくらいは出ておるような
状態であります。そのくらいの
状態にあるのであります。調べてみたところがその
状態でありまするから今年は恐らくまだ二割くらい殖えるという
状態でありますが、現在はどうかというと
玉緑茶はないのであります。
輸出はできないという
状態にある。それはどういうわけかというと、
お茶の
取引というものは五月の八十八夜の
お茶ら始まりまして、三
番茶、四
番茶と行きまして、先ず九月
一ぱい、大体におきまして十月の初め頃までに終るのでありますが、そのときに作らせなければ作らせるときがないということになるのであります。
輸出茶というものはそれが今のところでは
北アのほうの需要というものは、初めは
アメリカあたりへ行く場合は早くから売れたのでありますが、今ではむしろ下半期、
お茶のほうの後半期と申しましようか、十月以降におきまして
相当の
取引が行われるという
状態にあるのであります。そのときに
商人は、
輸出商は何と申しましても
銀行から借りる場合におきまして、取りあえずの
数量だけの金しか借りられないのであります。
商取引が整
つておらないのでありますから、
取引が整
つておらない場合におきましては
当座取引のある分だけしか
金融は見てくれない
状態でありますから、
従つて生産者のほうで以て今年は二千万ポンド出るからと
言つて荒茶で三百万貫のものを持
つて来よう、こしらえよう、
玉緑茶にしておこうとしてやりましても、それが資金化することができないのでありますから、十月から来年の
お茶の端境期、四月
一ぱいまでの間、この間においてこれをストックしなければならん。その間におきまするところの
金融と
保管料が最も必要なことでありまして、その間においてやらなければ何にもならない。
余つて来年まで持越すというようなことはないはずであります。又そういうふうなことをしたならば
内地に向かない
お茶でありまするから、品も悪くなりますから、その年のものはその年に売るように
生産計画を立てて
生産者指導をしなければならんという
一つの悩みがあるわけであります。
従つて今の
予算といえども、仮に二十九
年度予算ならば二十九
年度の、来年の十月以降におけるところの
金利と
倉敷、或いは
金利なら
金利、
倉敷なら
倉敷ということに対する
補給をしなければこれは
意味をなさんと思う。今の
お話を聞いておりますというと、その年に売れなかつた場合に来年に延びた、来年の
玉緑茶と一緒に送り出す、
輸出するのだということによりまして、滞貨した場合におけるところの
金融のように私には聞えたのでありますが、それは根本的に私は誤まりだと思う。そういう
考えだというと、この
茶業の
計画生産、
茶業の
取引の
改善や
茶業の
振興、つまり
茶業の
改良発達ということはできないのであります。又
茶業者の
茶業の
経営の
合理化、
輸出振興ということは、それがなくてはできないと思う。その
茶業の
経営の
合理化と
輸出振興を図るのは、勿論申すまでもなく
お茶の
増産改良になるのであります。結論を先に言いますれば結果はそうなるのであります。
従つてお茶の
増産改良をせんとするならばその点をはつきりしまして、そういう
指導をし、そういう
金融措置をするように融資をすること、又
保管をさせること、そうしていわゆる
計画生産することによりまして初めてここに
お茶の
生産の
合理化、
販売の
合理化、すべてが
合理化的に出て来る、今の近代におけるところの
取引が完全にできると私は
考えておるのであります。従いまして
茶業振興、いわゆる茶の
輸出振興対策というものは、
要綱を作るとするならば、先ほどの
お話では
議員立法をやるような気配もあるから
議員立法にしてもらいたい、恐らく
課長の
考えは、
農林省は
大蔵省が
承知しないから、
議員立法でや
つてくれれば
承知するから
議員立法で出す、おれはやりたくてしようがないが、そういう気持でや
つておるのだというふうに私は推察いたしましたが、多分そうだと
考えまするから、そういう
意味におきましておつしや
つておるのでありましようが、これこそ私は
特産課としまして緊急中の緊急の
措置だと思う。この
要綱を十分
一つ研究して、そういう
意味における
要綱を作
つて頂きたい、又
議員立法といたしましても、
農林省がその作つたものに対しましてとやかく言つちや困りまするから、そういう点に対する今からあなたに
一つ考え方を十分承わ
つておきたいと思いまするから、それに対する御
答弁をお願いしたいと思います。