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説明員(松岡亮君) それでは六月、七月及び八月、九月の
風水害による
被害農林
漁業者等に対する資金の融通に関する特別措置法の
施行令政令第三百七十一号について概略御
説明申上げます。
法律で
政令に委任されました事項の主な点は、先ず第一点としましては、
被害を受けた農業者、林業者、
漁業者の定義でございます。これは結論的に申上げますと、どのような
被害農林
漁業者が借りることができるかということを
政令に委任いたしております。それから第二点といたしましては、経営資金、つまり農業の場合におきましては営農資金に相当するのでございますが、これの貸付
限度額、これにつきましても委任されておるのであります。その次は同じく経営資金の償還の期限であります。それからその次に重要な点は、先ほど総
務課長から
説明申上げました
暫定法律の場合と同様に
高率適用になりますところの
指定地域に関する
規定であります。大体これらが主要な点でございますが、順を追
つて説明申上げます。
先ず
被害を受けた農林
漁業者の
範囲の
規定は
政令の第一条から第五条でありますが、これは
法律に定められてありますもののほか、この各条に列挙されておりまする生産物又は
施設につきまして損害を受けた農林
漁業者であるということでございます。
第一条は
被害農業者に関するものでありまして、
法律では平年に対して百分の三十以上の減収を受けた場合のほか、特定の
施設につきまして
被害を受けた場合に
被害農業者というということにな
つておりまして、
政令でその
施設を定めたのであります。
第二条及び第三条は林業者に関するものでありまするが、第二条のほうは農業の場合と違
つて、
法律では生産物に関する
規定を
政令に譲
つておりますので、その生産物の
範囲を更に
政令で定めたわけであります。第三条は農業者の場合と同様に林業者の
被害を受けた
施設を列挙いたしたのであります。第四条と第五条は
漁業者関係でありますが、第四条のほうは林業者の場合と同様に
水産物の種類を、列挙いたしております。それから第五条は
漁業者の受けましたところの
施設に関する
被害を列挙いたしたのであります。
次は第六条の経営資金の貸付の
限度額でございますが、その前に御
説明申上げて置きたい点は、特別措置法におきまし融通いたします資金には各種ございます。その第一がが経営資金でございます。これは農業者、林業者、
漁業者の運転資金といつたものでございまして、農業の場合は営農資金でございます。その次は事業資金ということでございまするが、事業資金と申しますのは、
被害を受けました農林漁業組合におきまして、在庫品等が
被害を受けた場合、例えば水によ
つて流されたような場合に、その流された在庫品のために運営上資金を必要といたしまするので、その事業運営上必要な資金を事業資金と申しております。第三番目は
施設復旧資金でございますが、これは個々の
被害、農林
漁業者の
施設の
復旧のために必要な資金、その次は農林漁業組合の共同利用に供する
施設の
復旧に必要な資金、第四番目には
農地、漁港、
林道等の公共事業に該当いたしますところの
被害の
復旧資金でございまして、それらの各種の
施設資金を含めまして
施設復旧資金と申しております。第六条ではその経営資金につきまして、
法律で貸付の一
農家当り或いは一
漁業者当りの貸付
限度を一部
政令に委任いたしておりますので、それの補充
規定といたしまして第六条を設けたのであります。
法律では大体五万円又は
政令で定むるところにより算出される額、そのいずれか低い額とな
つておるのでありますが、その
政令で定める額は、第六条で
市町村長が認定する損失額を
基準といたしまして経営に必要な費用の
範囲内で、それから農業
災害補償法又は漁船損害補償法等による保険金等を差し引いたもを
基準額といたしたのであります。
その次は同じく第七条におきまして経学資金の償還の期限でございますが、これは
法律では
政令の定むるところにより五年以内、こういう
規定にな
つておるのでありまするが、そのうち、後ほど
説明申上げます
指定地域におきましては五年、それから
開拓地及び果樹を栽培しているような場合、その他樹苗育成に必要な資金或いは魚類、貝類、海藻類等の養殖に必要な資金として貸付けられる場合は三年、その他一般の場合は二年以内という
規定にいたしたのであります。参考のために申上げますると、凍霜害、台風第二号の場合におきましては二年が原則でございまして開拓者及び果樹栽培業者の場合が三年とな
つておるのであります。
その次は
指定地域でございますが、経営資金と
施設復旧資金のうち個人に貸付けられるものにつきましては、
被害の激甚な
地域におきましては特に低利の資金にいたしてあるわけでございます。それは
指定地域におきましては、貸付の金利が年三分五厘、その他の場合におきましては開拓者の場合が五分五厘、一般の場合が六分五厘、こういう条件に相成
つておるのでありまするが、その場合に如何なる
地域が
指定されるかという
基準を定めたのが第八条でございます。これにつきましては先ほど総
務課長から
説明のありました
基準と同様でありまして、
災害復旧事業に特有のものを除きまして、ここに掲げてある
基準は全部同一でございますから
説明は省略さして頂きます。なお
指定地域において低利の三分五厘の特に低利な資金を出します場合は、その
補助率は
国庫負担のみが増加いたすのでありまして、
地方の負担は全然増加いたさないのであります。
次に第九条は、先ほど申上げました
施設復旧資金のうち個人の農林
漁業者に対して貸付けられる場合の貸付
対象になりまする
施設の
範囲を定めたのであります。これは
法律に定めまするもののほか、ここに列挙してあります農業、林業、漁業
関係の各種の
施設を掲げてございます。
次に第十条は、先ほど申上げました公共事業
関係の融資の分でございますが、その資金は
補助事業につきましては、
補助のない地元負担分に対しての融資、それから全然
補助のないいわゆる非
補助事業、この分に対しまして低利資金を融通することにな
つておるのでありますが、その場合にさつき
説明のありました
暫定法律によりまして十分の九の
高率補助を受けまする
災害復旧事業に対しましては、原則として地元負担が僅かに一割でありますので、融資は行わないということに相成
つておるのでありまするけれ
ども、
昭和二十八年度において
補助金が交付されない場合は、この融資の
対象として取上げ、その他のものは全部融資
対象にするというように
規定されたのでございます。
最後に第十一条につきましては、これは従来の特別措置法と全く同じ
規定でございまするが、損失補償をやります場合の償還期限到来後の期間、その間における損失に含めらるべき遅延利子の額等を
規定いたしたのでありますが、これはすべて従前の例に従
つております。
以上で簡単でありますが、概略
説明申上げました。