○国務
大臣(
塚田十一郎君) 只今
議題になりました
昭和二十八年度分の
地方財政平衡交付金の
単位費用の
特例に関する
法律案の
提案の
理由及び
内容の
概要について御
説明申上げます。
各
地方団体に対して交付すべき
昭和二十八年度分の
地方財政平衡交付金の額の算定に用います
単位費用につきましては、
地方財政平衡交付金法に
規定されているところに従い、すでに本年八月三十一日附を以ちまして本年度分の普通交
付金の額の決定を行な
つたのでありますが、先般成立いたしました一般職の職員の給与に関する
法律の一部を改正する
法律の施行に伴い、明年一月からいわゆる教員給与の三本建制が実施せられますのと、今回
地方公務員につきましても国家
公務員に準じて期末手当等を増額すると共に、明年一月から給与改訂を実施いたすこととなります結果、これらに要する経費等を基準財政需要額に算入するため
単位費用を増額する必要があるのであります。
第二次補正予算に計上されております
地方財政平衡交付金の増額七十六億円が決定致しました暁におきましては、この増額された
単位費用を用いまして本年度分の普通交
付金の決定につきまして、変更を行うようにいたしたのでありますが、明年度以降の
地方財政平衡交付金に用いる
単位費用の改訂につきましては、給与改訂の平年度化を行う必要がありますほか、明年度より実施を予定されている
地方行財政制度の改革等とも密接な関連がありますので、これらの見通しを得てからにしたほうが適当であると
考えられますので、差し当りは、
昭和二十八年度分の
地方財政平衡交付金に用いる
単位費用を改訂することにとどめ、
昭和二十八年度分の
単位費用の改正は、
地方財政平衡交付金法の一部を改正する方法によらないで、
昭和二十八年度分の
地方財政平衡交付金の
単位費用の
特例に関する単独法を設けることといたした次第であります。これが、この
法律案を提出致しました
理由であります。
次に
法案の
内容につきまして、その
概要を御
説明申し上げます。
御承知の
通り、各
地方団体に交付いたします
地方財政平衡交付金のうち普通交
付金は、土木費、教育費等の各行政項目について定められた所要経費の測定単位ごとの
単位費用に当該測定単位の数値を剰じて算定された財政需要額の合算額である基準財政需要額が税目ごとの収入見込額の合算額である基準財政収入額を超える額について交付することとされておりますが、この基準財政需要額の算定に用います各行政項目の測定単位ごとの
単位費用は、行政項目ごとに標準的な条件を備えた団体又は施設を想定し、これらの団体又は施設に配置せらるべき職員の数、備えらるべき器具の種類等から算出された当該行政項目について必要な経費のうち、
地方税及び
地方財政平衡交付金で賄われるべき額と当該標準団体又は施設の経費測定の単位と定められたものの数値で除して決定されたものであります。従いまして、今回のように期末手当の増額や給与改訂が行われます場合にはこれらの団体又は施設に配置されるものとされた職員の給与に要する経費は、増加いたしますので、これらの団体又は施設において、当該行政項目について必要な経費を測定単位の数値で除して定められる
単位費用は、それだけ増加するわけであります。
今回国家
公務員について行われようとしている期末手当等の増額及び給与改訂が
地方公務員についても行われるものとして
単位費用の改訂を行うことが必要となりました結果、その積算の基礎に職員の設置を予想していない橋りよう費、戦災復興費及び災害復旧費等の
単位費用を除き、
単位費用の殆んどすべてについて改正を行うこととなるのであります。
次に第十六
国会で成立いたしました一般職の給与に関する
法律の一部を改正する
法律の施行に伴い、明年一月からいわゆる教育給与の三本建制が実施せられます結果、高等学校教員の給与改善に要する経費について必要額を基準財政需要額に算入するため、今回高等学校費の
単位費用を増額することといたしております。従
つて、高等学校費の
単位費用増加額のうちには、給与の三本建制の実施による増額、期末手当等の増額及び給与改訂による増額が含まれているのであります。
なお、以上のほか今回
提案されております補正予算案との関連において社会福祉費、労働行政費等の
単位費用につきましても期末手当等の増額及び給与改訂によります分のほか所要の増加額を見込んで改訂しております。
今回改訂しようとしております
単位費用によ
つて算定いたしますと
地方財政平衡交付金の交付を受けております全
地方団体の基準財政需要額の増加見込額は道府県分にあ
つては約五十億円、市
町村分にあ
つては約三十億円、都合約八十億円となる見込であります。幸いに本
法律案が成立いたしました上は、各
地方団体につきまして普通交
付金の決定額の変更を行い、可及的速かに追加額を交付し、
地方団体の財政運営に
支障のないようにいたしたいと存じます。
何とぞ慎重御審議の上速かに可決されんことをお願いいたす次第であります。