○溝口
三郎君 昨年の
給与改訂の場合に、
参議院で修正可決いたしましたときの根拠は、これは
改訂の号俸表によ
つて標準
生計費を計算してみますと、四級から七級ぐらいの間の国家
公務員が約十九万七千人ぐらいいるのだ。その階級の
職員は標準
生計費が不足するのだ。その総計が計算いたしますと五十七億ぐらいが不足している。世帯が二人から五人なりある四級から七級までそういう計算をいたしまして、その分がどうしても
公務員には足りないのだ。これは是非是正をしてもらわなければ困るというようなことから、修正可決いたしまして、成るべく速やか合理的な
改訂を加えることという修正をいたしたのでございます。先ほどの
説明で一応わかりました。一〇%以上のものがこれは一律に
引上げる分に加算する、一〇%以下のものが中だるみなんだということの御
説明でございますが、大蔵省から配付されました
給与月額新旧比較表、これからみますと、昨年の修正をいたしましたときと今度のこの
改訂が余り変
つていない。よほどまで是正はされたようでございますが、変
つていない。そこで、この表はこれは非常に疑問があるのです。なぜこういう表をお使いにな
つたかということに問題があるのでございますが、その一番初めの欄にある九号、一級の三号、それから二級の三号、そこで四級四号までは扶養家族がないんだ、
人事院の月報では、四級の四号は二欄に書いて、四級の四号から扶養家族は一人殖えて来るのだ、五級の五号は二人にな
つて来るが、なぜ四級の四号、扶養家族が一人そこに出て来るのか、その表をここにお書きにならなか
つたかどうか。それを入れまして
無給地のところの勘定をして、四級の四を、これは号俸で十四号でございますが、扶養家族を一人として、そして七級の五号、これは号俸で三十二号でございますが、その間を昨年の
改訂のときの標準
生計費と
給与との比較をしたのが、五十七億昨年は足りなか
つたのであります。今度の
改訂の
無給地で同じ計算をいたしますと、五十八億不足しているのです。
無給地では四級の四号の増率が九・四%にな
つている。七級の五号の増率は一五・九%くらいにな
つている。
無給地のところでは
人事院の
勧告にほぼ近い
程度の増加率にな
つているのでございます。それでも十九万何千人そこに若しいる人たちの
給与を計算して見ますと、五十八億も不足している。それから標準
生計費が昨年に較べて一人世帯のところでは一二・八%くらいだが、五人世帯のところでは一五・三%標準
生計費は
上つているというところから、折角
給与改訂はや
つたけれ
ども、やはり標準
生計費に不足している分は去年と同額だということなんです。私
どもの言う中だるみというのは、一律に一〇%とかいうのじやなくて、国家
公務員の生活の実態を
考えて見ても、その辺のところをできるだけ上げてもらいたいのだというようなことを昨年から念願をしていたのでございますが、この表から言いますと、これは昨年と余り変りはないんだということなんでございます。そこで問題は、この表をお出しにな
つたからこういう計算をしたんだ。この表は
あとで
人事院に出席して頂いて
説明を伺おうと思
つておりますが、号級表と、扶養家族のこの表は、これは昨年まで
人事院は使
つていたんですが、それが二十四年の九月の
公務員の実態の数字だと称してや
つていたんです。ところが、この数字は本年の
勧告では非常な違いが出て来てしま
つたんです。なぜこういう古いのをお取りにな
つて、こういう誤解を招くような
資料をお出しにな
つたかと、私は不思議に思うのでございます。どつちがいいか。どつちが
人事院では自信がある表なのか。それは
人事院に伺
つた上で、この表は撤回して頂かないと、
公務員に対して非常な誤解を招くことになるんじやないか。例えば四級の四号は、この表で言いますと二十五歳の人で扶養家族が一人ということにな
つている。ところが今度
人事院は新らしい調査をしたんです。二十八年の三月一日現在で生活環境臨時調査というものをや
つたんです。そうすると、三十歳で二十五号という号俸のものがこの表に出ているが、年齢は四・八歳上廻
つている。号俸では十一号上廻
つたところが実態だと称している。だからまるつきり建
つているが、今年の生活環境の臨時調査に基いてや
つて来ますと五十八億なんという
赤字は出ないんだ。もつと黒字にな
つているんだ。そこで、私は、昨年の
改訂の場合には、ここに
只今お出しにな
つたような数字が出ていたから、これを信用して、そうして中だるみということを言うて
参議院では修正可決までして頂いた。ところが一人の扶養家族のところでは、今度は年齢が四・八歳上廻
つて来た。号俸では十一号も上廻
つて来たのだ。一人の扶養家族のところでは年齢は三歳六分上廻
つて来た。号俸は十一号
上つて来たのだ。三人の扶養家族では年齢は三・一、号俸は七号
上つて来ているのだ。以上こういうふうに非常な違いが出て来た。そうすると、一体、標準
生計費を割
つているのか割
つていないのか。この大蔵省のこういうものを配付なさると、これは明らかに四級から七級までは五十八億の標準
生計費は割
つているのだ。ところが新らしい生活環境調査で言えばみんな黒字なんだ。それじや一体どこを信用していいいか、非常に誤解を招きやすい点があるのでございます。私は
人事院が今年調査をやられて、そうして今度はこれによるべきなんだ、昨年のは非常に
資料が古くて間違
つていたのだということを
はつきり言うてもら
つて、そうして中だるみという解釈を変えてもらう必要があると思
つているのです。なぜこういうものを大蔵省はお出しにな
つてわざわざ誤解を招くような
資料を配付されたのか。この点については、
人事院のかたに一遍お伺いして、どつちを採用すべきか、そうして又新らしい調査のほうがいいのだというのだ
つたらば、将来のために、又国民諸君の安心のできるように、今度の号俸表によれば決して標準
生計費は割らないのだという
資料を配付して頂く必要があると私は思
つておる。その点で、どういうお
考えでこういうものを軽卒にお出しにな
つたか、それをお伺いいたしたいと思います。