○三浦辰雄君 それに
関連して、私この間実は有名な只見川のほうに先月の初め頃
行つてみたのです。そこでいろいろな問題があります。私は基本的にこういうことを
言つてみたのです。丁度それは
建設基地になる宮渕という十九戸の部落が、すべてを知事に信頼して、そうして一応判を押しますという
決心をする晩の出来事であ
つた。いろいろそこに問題があるが、
一つ感じたのは企業会社、あそこの場合は東北電力ですが、どれまで一体補償という問題を
はつきりしてや
つているか、この点が部落の人もまだわからない。その際今国有林の話が出ましたが、周辺は国有林でもあるので、何とか
一つ骨を折
つてもらいたいという問題があ
つた。私もそれはできるだけのことをしようが、今これという法律はない、ないが、何とか我々としてもそれは
考えなければならないが、基本的な
考えとして、あそこらの生活は大体均らしたところが、金に見積
つて一カ年の生計費二十万円、これがおよそ二十万円になるくらいまでのいろいろな対策については電源会社というものが責任を負うという
考え方を基本に持
つて、そしてそれから更に一割や二割、あの連中がいい生活というとおかしいが、今よりももう少しいい生活ということに対しては、県なり国なり、第二次、第三次のいわゆる受益者としての立場から
言つてもすべきであろう。こういう
意味で私はいろいろなことを聞いてみたのですが、大体そういうようなよそのダムの
関係も出願がどうかという点も一点聞きたいのと、もう
一つはコンクリートを作るのに、その宮渕部落で言えば田圃の九割二分というものが
建設基地に取られてしまうのです。そこで今の渇水期に何とかあそこの部落の所は着手させたいというところから、知事も非常にああいう経過もあ
つて早急にきめたことであるから、何とか自分は絶対に皆さんに迷惑かけないという誠意を披瀝したことから、いろいろ注文があ
つた中で、田圃を造成してくれということが相当強く出た。その田圃を造成しようというところの地域はその下にないわけじやないが、
工事のコンクリート材料の砂利をその造成しようとする僅かの川渕から取る、二メートル以上も取るというのです。そうして二メートル以上も取
つた後に土を埋めて田圃にしなければならないから、農地
関係の県庁の諸君は実際かなわんと
言つている、あけすけの話です。ところが僅かあそこの只見から伊南川に向いて行
つた所へ行けば幾らでも砂利があるんです。これは一体恐らく電源会社としてはコストの
関係から
言つて一番近い所から取りたいのは、これはもう想像
はつくのだけれ
ども、そういうような全体としての部落に対する同情、九割二分までを田畑を失なう部落に対する私は態度から言えば、多少コストは高くな
つても成るべく近い所の伊南川からお取りになるというふうに行政官庁方面としては指図をできないものかどうか。そこで会社の補助というものの誠意と、そうしてそれをめぐるところの行政、県或いは国、こういうものとの間に何かしつくり行かない線があることを痛感して来たんです。これは
工事者から言えば当然目の先にある砂利を取りたい。ところが部落から言えば、すぐその近くに田畑を造成してもらいたい。農地
関係の
技術者から言えば二メートル以上も深く砂利を取つちや後が大変だ。そこであそこらは岩山なんです。土を探して来てその後に埋めて、そうして田圃を造
つてやらなければいけない。私は急がなければならない電源開発の
事業に当
つて、何か共通した会社と行政府といいますか、国と府県との間に共通した断面がそこに出て来たような
感じがしているんです。こういう問題は果してそこだけの特有なものか、私の心配しているように共通したとも言うべき断面なのか、この点を聞きたい。