○猪俣
委員 一点だけお尋ねいたします。今あなたの全
証言を聞いておりまして、
ちよつと私お尋ねする前に申し上げておきたいことは、私ども
仏教保全会にも
責任はもちろんあると存じますけれども、あなた方世事にうとい人を利用したこの
伊藤斗福なる人物の
責任が一等重大だと思う。そこであなた方もやはり彼に利用された一人じやないかと考えられるのですが、実はどういうふうに利用せられたかをよく知りたいのが私どもの本音なんであります。その立場に立
つてお答え願いたいのだが、この
保全経済会を非常に信用せられて、自分
たちが勧誘して
会員に
なつた人
たちの金というものは全部
保全経済会の方へ流れておる。そこでこれは非常に重大なことであ
つて、もし一朝つまずいた際にはあなた方は
責任を負わなければならぬ立場に今日立
つている。そこでさような重大な場合に立ち至るのにかかわらず、私ども疑問と思うことは、どういう根拠があ
つて保全経済会なりあるいは
伊藤斗福なりをかくまで信用せられたかというその
理由であります。かくかくのことがあるから
保全経済会なり
伊藤斗福を信用したのだということを率直にお話願いたい。あるいは彼からこういうふうな働きかけがあ
つてそれを信用した、あるいはこの会のメンバーの中にこういうりつぱな人
たちが
責任の地位にあるからそれを信用したとか何とか、信用なさるについて根拠があつたろうと思う。その根拠なしにかかる大胆なことをやつたとすれば、あなた方も
伊藤斗福と共同正犯だとわれわれ認めざるを得ないのであります。何の根拠もなしに、西
本願寺というものを背景にして、そうして多額な零細な金を集めて、それを焦げつきにさせてしまうということは重大
責任ですが、あなた方は悪意あ
つてやつたとは私は考えておらない。悪意はないが彼に一ぱい食つたというのが今の状態だと思うのです。そこでお尋ねするのです。どういう
理由があ
つて保全経済会なり
伊藤斗福なりをあなたは信用されたか、どんな働きかけを彼らがあなた方にやつたためにこういうふうに信用することに
なつたか、それをざつくばらんにおつしや
つていただきたい。