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大西(正)
委員 大体の構想は麦の半額その他ということなんですが、この際今お
考えにな
つておるのは、従来の
学校給食法の延長と申しますか、その規模を少し拡大するという
意味だと思うのです。それはもつぱら教育的な子供の保健問題が中心にな
つて考えられておる。ところが一方今年の食糧の非常な逼迫した
状況を見まして、この際日本の食糧問題の
解決のためには、米食偏重を是正して、粉食すなわちパン食にたよらなければならぬ、そういうふうな食糧問題の観点から、この
学校給食法というものをもう少し徹底してはどうかと思うのであります。たとえば今外米を輸入しておる。この外米は非常な高い金を払
つて輸入しておりますが、これを全部麦に切りかえるといたしますと、私どもの計算では、その価格の差とそれに要する補給金とを合せますと、約五百億くらいの金が浮く
ように私は計算しておる。そういうことになりますと、この際今のごく限られた地域だけでなしに、
小学校、
中学校、それから定時制の高等
学校約千八百万人ほどおるのですが、これを全部含めまして、一週間大体五日くらい
金額無償で完全な給食をやるためには、あまり財源の
措置は必要じやなかろうと思う。私どもの計算では、大体それだけやるといたしますと、六百二三十億かかる
ように計算しておる。そうすると今言いましたところの米を麦に切りかえることにおいて、その価格の差と補給金を入れまして、五百億の金が浮く、そうするわずかあと百二三十億の財源をどこからか持
つて来れば、この
学校給食というものが理想的な形で実施されると思う。そこで私の
考えるのは、パンのほかにミルクを飲まさなければなりませんけれども、これを今の日本の農業経営は、今のままではとうてい将来発展の
見通しはありませんから、これを酪農中心の農業経営に切りかえるということが
関係方面では始終いわれておる。ところが酪農をや
つてみても、飼料が高くなる、牛乳がすぐ下る。これは需要の面ですぐ降路に突き当る。この際この
学校給食の中にパンと生牛乳というものを与えるということにして、消費の面から、需要の面からこの酪農中心の農業経営の方に規制して行けば、この
方面も非常によくなるのじやないか、こういう
ように私は
考えておる。設備の面なんかは、今ある設備にこれも百二、三十億の金を入れれば、全
学校にこの設備が行き渡ると思うのであります。これは従来の
学校給食法の
考え方とは違
つた、さらに徹底的な大規模なものであります。これをやりますことにおいて、日本の食生活の改善、それから隘路に行き当
つた日本の農業経営の酪農中心への切りかえがここに私は実現する端緒を持つものではないか、こういう
ように
考える。今私の知
つておる
範囲では、各党で、こういうことにつきまして
関係のある方々が
話合いを進めておられる向きもあるのであります。今
文部省が
考えられております案よりもさらに一歩を進めて、この際に
文部省がこの
ような
考え方についてひ
とつ考慮をしてみ
よう、こういうお
考えはございませんでし
ようか。