○岩武
説明員 財政投資、ことに
産業方面に対する財政投資につきましては、
通産省所管の
産業が大部分を占めておりまして、そのほかにも運輸省あるいは農林省等一部他省にわた
つている部分がございますので、便宜私のところの
通産省所管の問題につきまして明年度この
程度のことを
考えているということを御
説明いたしたいと思います。
通産省関係のは主として
開発銀行を通じまして
融資の財源を確保するということにあるのでありますが、そのほかにも
公庫等もございますので、それは追
つて申し上げたいと思います。
まず
開発銀行関係につきましては、電力につきまして本年度は
開発銀行からの
融資四百億を
予定しておりますが、明年度も
設備資金の所要量が千百六十億を越えますので、本年度同様四百億
程度確保したいと存じております。この使途につきましては、大部分は二十七年あるいは今年度からの継続工事でございますが、一部には新規の電源開発
関係も入
つております。それからなお電力につきましては自家発の
関係がございまして、これも両三年来鋭意主張して参
つておりますが、明年度へ繰り越します若干の繰越しがございますし、数箇所の新規着工地点等もございますので、これも明年度三十億
程度必要かと存じております。なおこの電力につきましては、ほかに例の電源開発会社の問題がございまして、これは明年度あたりにおきましていよいよ工事が最盛期に入りますので、明年度は一般会計の方といたしまして三百二十億
程度のものが必要と存じております。なおこれらの財源につきましてはまた
あとからまとめて申し上げたいと思います。
それから鉄鋼でございますが、鉄鋼は御承知のように、いわゆる第一次の合理化政策と申しますのが少し延びまして、明年度に一部
資金的なしわ寄せが来まして、これを明年度手当いたしますれば、大体完了に近づきますので、
あと若干の補完的といいますか、手直しといいますか、一次計画の足らなか
つたところを補うというのが幾つがございますので、そういう計画を重点的に取上げることといたしたいと思います。第二次計画でやれますものの全般につきましては、これはいろいろな角度から検討しておりまするが、まだ全般的な結論を得ておりません。
従つて明年度は、大体鉄鉱
関係は五十億
程度の
資金でまかないたいと
考えております。
それから石炭でございますが、これは明年度
設備資金といたしまして、大体二百六十億
程度の
資金が必要かと存じております。これは御承知のように増資、社債その他の自己調達等もございますが、なお前年度から続けております縦坑の開発をもう小し急ピッチで行いませんと、
コストのむしろ上昇を阻止する、あるいは下げるという効果がありませんので、これはもう少し急ピッチでやる必要があるだろうと思いまして、明年度以降五箇年間に七十九本の縦坑を起しまして、
コストの上昇阻止、並びに
引下げに資じたいと
考えております。その
関係につきましては、相当巨額な金がいりますのと、もう
一つは、
長期の計画に相なりますので、一部は一般会計の方から助成金というような形で見ることも必要じやないかと
考えております。もちろん助成金と申してもこれは放出しつぱなしではございませんので、
長期にわた
つて返済するという形の助成金を
考えてみたらと
思つております。とりあえず
開発銀行の方に対しましては、それらの縦坑
関係あるいは新鉱開発、あるいは
中小炭鉱の合理化等の
資金を
考えまして、七十億
程度要望しておるわけであります。
それから合成
繊維でございますが、これは御案内のように五箇年後に五千万ポンド、全
繊維の生産量の約一割
程度をこれによ
つてまかなうようにしたいということで、現在
企業化されつつあります。ナイロン系あるいは醋酸ビ二―ル系あるいは塩化ビニリデン系の製法のものを一応技術的な目安もつきましたので、これを積極的に助成したいと
考えております。昨年末の設備能力は日産二十七トン
程度でございますが、本年末には日産約四十八トン
程度に相なるかと思いますが、一億五千万ポンドは大体二百トン
程度の設備がいりますので、これを助成して参りたいと
思つております。とりあえず明年度
開発銀行に対しましては約四十億
程度お願いしたいと思います。なお類似の
繊維でありますが、アセテートと申しますか醋酸人絹につきましては若干の
融資を希望しております。
それから硫安でございますが、これは硫安
対策委員会でいろいろ検討いたしました結果、これも五箇年間に二百億
程度の
資金と思いますが、
コストの低下約一割が見込める状況でございますので、現在の
輸出価格の状況並びに内地
価格の
引下げに資しますために、ぜひともやりたいと
考えております。これも明年度といたしまして、
開発銀行に対して約二十五億円
程度必要と
考えております。
その他機械
関係の設備の近代化、合理化、あるいは
輸出振興に直接
関係あります生産
関係、あるいは鉱山
関係あるいはガス
関係、あるいは化学工業等いろいろございます。なおまたいろいろ新しい技術の工業化というものもございますので、これらを合せまして本年度は八十五億
程度でございましたが、明年度は百億
程度必要かと存じております。合計しまして
通産省関係だけで七百二十五億、本年度は通産
関係で六百四十億弱でございますが、明年度はもう少し増加いたしたいと
考えております。ただ問題は、御案内のように財源の問題でございまして、昨年は財政投資全般を通じまして三千三百八十九億の調達源がございました。このうち外から公募債の形で調達しましたものの三百九十五億を除きまして、約三千億弱のものが一般会計、
資金運用部、簡保
資金あるいは
産業投資特別会計等から出ております。その方も見ますと、本年度は減税国債二百億をその財源にと
つておりますために、二十七年度以前の蓄積資本を食いつぶしておりましたその額が五百六十億
程度ございました。合計しまして七百六十億
程度のものがいわばプラス・アルフアの形で出ましたが、明年度はそれが全部なくなりましたので、その辺の
資金の調達がいかが相なりますか、実はわれわれもその点につきましては見通しがつきませんので困
つております。
以上大体
開発銀行の
関係でございますが、この
開発銀行のほかに
中小企業金融公庫もございます。これに対しましても明年度二百億円
程度の出資を期待いたしております。それから一般会計からの直接投資に相なりますが、石油資源の開発のために五箇年計画で約百万トンを目標としまして、積極的な試掘助成並びに採油
促進をはか
つて参りたい、これに対しても所要の助成金を要求しております。その他の鉱山
関係につきましても、いろいろな形で補助金等の
措置によりまして新しい資源の開発を
促進して参りたい。
それからこれは
開発銀行の
融資と
関連がございますが、機械工業について本年度も国産機械の試作補助金という形のもので新しいタイプの機械を国産化することに努力しておりますが、これも明年度はもう少し範囲を広げまして、本年度は大体工作機械でございますが、明年度はその他の鋳鍛造機械あるいは試験
機関につきましてもこの範囲を広げて参りたいと思います。もう
一つは機械工業の致命的な問題であります、設備してある機械年齢が古くな
つて、精度あるいは能率等が非常に劣
つておるという問題であります。これにつきましてはいろいろ輸入等も行われておりますが、それでは足りませんので、もう少し計画的に設備更新をはか
つたらどうかということで、目下三箇年
程度の計画をもちまして、そういうふうな設備機械の更新をやりたいと
考えております。それにつきましてもある
程度の助成
措置を講じたいと
考えております。
大体以上簡単でございましたが、
開発銀行の
関係並びにこれに対しまして一般会計からの財政投資につきまして、
通産省が目下
大蔵省に要求しておるものの内容でございます。