○
中島説明員 ただいまお手元に
二つの
資料を配付してございますが、当
委員会からいま
一つ、将来の
需給関係及び開発の
進捗状況につきましての
資料の御要求があ
つたのでございますが、これは目下印刷中でございまして、ただいま間に合いませんので、この
二つのものにつきまして、
資料の内容を簡単に御
説明申し上げます。
一つは
電気事業二十八
年度需給並びに
原価関係資料でございますが、この中に
需給計画と
収支関係の
数字がございます。
まず第一の表が二十八
年度の
電力需給計画でございまして、これは今年の四月に決定いたしまして、現在この
計画を
基礎にして進めておるわけであります。第一
ページの左半分が
全国計ということに
なつておりまして、これが全体の総括した
数字でございます。これによりますと、ここに二十八
年度の
計画と二十七
年度の
計画と、それから二十七
年度の暦年の
実績と、その次に
比率が載
つてございますが、この
比率のところを
ごらんくださいますと、前
年度に比べて今年がどういう
程度の増で
計画されているかということがわかるのであります。なお
供給力というのが今国計
のちようど中ほどにありますが、下の方にA/B一〇七、A/C一〇一と
なつておりまして、本
年度の
計画を昨
年度の
計画に比べると七%ふえておる。昨
年度の
実績に比べると、本
年度が異常な
豊水であ
つたために、一%の増ということに
なつております。
それから
ロス率を引きましな残りの
需用端供給量というのが次の欄に出て参ります。
需用の方についてはその次の下の半分になるわけでございますが、たとえば上から七、八行目に
電灯の欄の計というのがあります。この
パーセンテージの欄に一〇八ないし一〇三とございますが、要するに
電灯需用としては、昨
年度よりは
計画上は八%
通旧であり、昨
年度の
実績よりは二%増で
計画されているということてあります。
下から三行目の特別六日
電力でございますが、その
パーセンテージが一〇三、一〇四と
なつておりまして、いずれも四%ないし三%の増で計価しておるわけであります。
この
特別大口電力の二十八
年度計画の一番左の
数字でございますが、百二十五億四千三百七十万という
数字がございますが、この中の一部がいわゆる
標準電力量として
割当の対象となるものでございます。以下はこれは
各社別に
なつておりまして、大体同趣旨で細分したわけでございます。
四、五枚目に
昭和二十八
年度特別六日
電力配当計画というのがございますが、これは先ほど申しました
特別大口の
配当計画でございまして、初めの表には百二十五億幾らとありましたが、ここでは総計の一番下の右の欄にございますが、全体のうちで
標準電力量として
割当てる
数字を百二十三億、こういう
ように決定したわけであります。これは昨
年度の
実績その他本
年度の
需用等を勘案いたしまして、ここにあります
ように公平に
配当をした、こういうことであります。
それから次は
原価関係になりますが、七
ページでございます。
総括原価地域差比較表でありますが、これはいずれも
現行の
料金の
基礎に
なつております
数字でありまして、上から二行目に
決定料金単価というものがございます。これの一番右に
全国計四円七十三銭九厘とございますが、これが現在
電力料金の
基礎に
なつております
全国の
総括原価でございます。これをかりに
地域別に見ますと、中ほどに
北陸の欄で、二円三十五銭六厘とございます。それから
一つ置きまして、
中国というところに六円六十八銭五厘とあります。この
二つの
数字が要するに
各地の
原価を裸で見まして、
最高最低になるわけであります。つまり
北陸では二円三十五銭六厘ででき上り、
中国の
発電原価が六円六十八銭五厘になる、こういう
各地別の
原価がこの欄でおわかりになるということであります。これに
水火力の
調整金を添計いたしまして、若干この
数字がかわるわけであります。
それからその表の下の方には、実際の全体の総合的な金額が書いてございまして、今の
単価でなく、全体の
総額が下の四、五行ほどに書いてございますが、それはそのまま
ごらんに
なつていただけばけつこうだと思います。
それからその次の八
ページでございいますが、いわゆる
水火力調整金でございます。一定の算式によりまして、
水力調整金を
各社ごとに出し、さらに
火力調整金をもらう、こういうことになるわけであります。右から三行目の
調整差額というのがございますが、これが結局やりとりをしまして、結果においてもらうか、あるいは払いになるかという
最後の
数字でございますが、たとえば一番上の
北海道でございますが、
北海道は
水力調整金を
総額一億四千八百万円ほど出す。それから
火力調整金といたしましては、六億七千五百万円をもらうことになる。結局それを差引きまして、結果において四億二千六百万円ほどの受取りになる、こういう
数字でございます。
従つて調整差額の欄をずつ
とこらんに
なつていただきますと、
北海道がもらう分になる、以下
東北、
東京、
中部、
北陸、いずれも出し分になる、
あと関西以下が全部もらう、こういうかつこうになりまして、それぞれの出し入れの
数字がこの欄にあります
ような
数字になるわけでございます。
その次の
ページでありますが、これは現在の
総括原価を
費目別に見たものであります。これの詳細の
説明は省略いたしますが、要するに全体といたしまして、
右下の欄にございます
ように、
総括原価千四百四十七億七千五百万円というのが現在の
料金の
原価として
想定されております一箇月分の総
原価でございます。
それからその次の表が、
昭和二十七
年度の
収支実績でございます。これによりますと、二十七
年度におきましては、
合計におきまして、一番右の欄の下から八行目にございますが、三十八億二百万円、これだけが二十七
年度としては
プラスであ
つたという結果でございます。
それから次に二十八
年度の
収支予想がその次の
ページにございます。これは当初本
年度の
需給計画を策定いたしましたときに、それに対応して
収支がどうなるかということを
想定いたした
数字でございますが、
年間百八億の
赤字が出るということを申しましたときの
基礎数字でございます。百八億の
かわりにここでは百九億に
なつておりますが、これらを
合計欄で
ごらんに
なつていただきたいのであります。一番上の収入のところの
合計千七百七十四億、これに対しまして支出が下から六行目ですが、千八百八十三億六千百万円、結局におきましてその
差額百九億千二百万円というものが
年間の
赤字になる。その中で上期においては八億八千万円の
マイナスであり、下期に百億三千万円ほどの
マイナスになる、こういう
想定が一応出たわけであります。
それから次の表が今年の上期の
実績でございます。ただいまの
想定によりまして、上期八億八千万円の
赤字が出るという
予想をいたしましたのに対しまして、上期の
出水が非常に好調であり、約一割五分の
豊水であ
つたために非常に
経理状況が好転いたしまして、その結果この
右下の
数字にございます
ように、
マイナス八億の
かわりに、二十五億四千九百万円ほどの
プラスに
なつた、こういう結果に
なつております。これにはまた若干のこのほかの含みもございますが、この二十五億の中から
配当金等は差引かれるわけでございます。さ
ようにして上期は
各社ともいずれも
プラスでありまして、下期にこの
ようなかつこうになるかどうかということは今後の問題でございます。
大体これが表の
説明でございますが、その次に今後の問題の
一つの
資料といたしまして、新しい
発電所の
原価の
想定をいたしております。
新規発電所は
水力にしても
火力にしても、現在のものと
違つた形になりますので、特に
水力においてはどういうふうになるかという点をいろいろな
想定のもとに
計算をいたしたわけでございます。その
想定はここへ文句で書いてございますので、
説明は省略いたしますが、表によ
つてごらんいただきますと、十五
ページの表にございます
ように、
新規の
水力発電所の
原価はここで見ますと、
キロワツト当り二円九十一銭二厘、この表の中ほどの一番下のところにございますが、二円九十一銭二厘というのが
発電原価でございます。こういう
推定になります。現在の姿では
発電原価は幾らかと申しますと、
ちようど一円五銭ということに
なつております。一円五銭にこれを対応せしめるためには、このほかにさらに
一般管理費として二十一銭四厘を
プラスしなければなりませんので、この二円九十一銭二厘が三円十二銭六厘になります。
従つて現在の一円五銭の
水力の
発電原価は、新しいものに対しては三円十二銭六厘、約三倍になる、こういうふうな
推定になるわけであります。これにはいろいろな条件がございまして、将来
金利あるいは
租税等につきまして
減免等が行われました場合には、当然この
数字はかわ
つて来るわけでございます。それから
火力発電所の
原価が次にございますが、これも同様の
推定のもとに行
つておりますが、特にこれからつくります新しい
発電所でありますので、現在の
平均の
火力発電所の
稼働率に比べて、
稼働率は一層向上する、こういう
想定のもとに
計算をいたしております。つまり
新規のものにつきましては、
比較的有利に
原価計算をしたということをあらかじめ御了承願いたいのでありますが、これによりますと、
火力発電所の場合におきましては、
新規のものは六円二十五銭八厘、これに先ほどの
一般管理費を加えますと、
火力の場合は十八銭六厘でありますから、六円四十四銭四厘になります。これは
現行の
火力発電所の
発電原価七円二十六銭に比べますと若干の値下りになる、こういうことになるわけであります。それから一番
最後に掲げてあります表は、これは最新鋭の
火力発電所でございまして、これによりますと、今の六円何がしというものが五円六十四銭になり、さらに安くなるというわけであります。
この場合に特に御注意願いたいのは、
水力発電所の場合におきましては、
原価の構成上の
パーセンテージが一番右の欄に掲げてございますが、要するに
原価のうちで九三%が
間接費でありまして、しかも全体の五七・六%というものが
金利に食われておる、こういうことであります、それから
火力の場合はそれが逆に
なつておりまして、
間接費は三割一分であ
つて、実際の
運転費としての
石炭費が六割一分である、こういうふうな姿がここに出ておるわけであります。
それから次にいま
一つの
資料でございますが、これは最近の
需給関係の
見通し並びに最近の
実績の表でございます。第一
ページに
昭和二十八年四月以降の
出水率があげてございますが、四月から九月までの上期におきまして一割四分九厘の
豊水であ
つたということがこの表でわかるわけでございます。ところが十月、十一月、下期に入りまして非常に
状況が悪くなりまして、十月におきましては、右から二行目の一番下にあります
ように、
全国平均では六・一%の農水に落ち、さらに十一月においては
月平均で九二%、要するに
マイナス八%という
出水率であ
つた、こういうことになるわけであります。
それからその次は
石炭の表でございますが、実際の受入、消費、
貯炭の
数字をあげてございます。上期におきましては、百四十三万七千九百トンという
貯炭を期末に持つという当初の
計画に対しまして、実際は百五十三万七千トン持
つた、これだけ
貯炭が増加したということになるわけであります。それから次の十月の表並びに十一月の表も同様なかつこうでつく
つておりますので、これは
説明を省略いたします。
その次に
昭和二十八
年度下期
電力需給の見透しというのがございますが、これは問題でございます。ここに文章で
説明がしてございますが、要するに上期におきましては一五%の
豊水であり、それだけ
水力発電は増加いたしました。それに対応いたしまして
火力の方は若干落ちまして、実際の
火力発電実績は
計画に対して八六%であ
つた。それから
貯水池も
計画以上に水位が上まわ
つておる、こういう
状況で下期に入
つたわけでございます。ところが下期におきましては、上期における
需用増加というものが
予想以上にふえまして、そのために下期の
需用も当然ふえるということを
想定しなければならぬわけであります。それが一方におきましては当初の
予定以上に
発電量そのものを増す。これは
貯水池の
関係もございますけれども、新しく
運転に入る
発電所が、当初の
予定よりか繰上げられたものが
比較的多い。そういうふうな
関係から、下期の
発電量というものが
予定よりかふえる面がある。この
二つの
数字を
プラス・
マイナスするわけでございますが、
説明の2の中ほどに書いてございます
ように、結局において、水害による
マイナスもございますが、そういうものを
プラス・
マイナスいたしまして、当初
計画に比べて二・五%が
供給力としてふえる、こういう
見通しになるわけでございます。これに対して
需用の増というものを考えますと、
需用増が約五%ございますから、その
需用の増を考えまして、そして下期の全体の
需用と
供給のバランスをとりますと、下期
平水であ
つた場合には
全国平均で約六%の不定になる、こういうふうな
予想になるわけであります。これは
全国平均でありまして、
地区によ
つて非常に
事情が違うわけでございますが、特に
中部あるいは
関東の
地域が
需給面で最も苦しい
状況にある。現在
中部、
関東におきましてはある
程度の自主的な
制限を行
つております。十二月に入りますと水もだんだん減る一方でございますので、この調子で参りますと近く
法的制限をしなければならぬかという
ような
段階にまで近づいておりますが、幸いにして昨日
あたり若干降雨がございましたので、しばらく持
つておるわけでありますが、現在のところ特に
関東から
中部につきましては
需給状況が非常に苦しくなりつつある
状況でございます。
表の方はそういう
ような
資料でございますが、第一
表昭和二十八
年度下期無
制限需用増加率表、一番右の下にあります一〇五%、五%というのが当初の
計画に対して
需用がふえたわけであります。この
内訳を見ますと、
特別大口が
全国の欄で七%増、
一般需用が四%増、この
平均が五%ということになるわけです。
一般需用というのはその上にあります
駐留軍、
電灯、
電力という三つの欄の計でありまして、この表はわかりにくいのでありますが、その
内訳として、たとえば上から二行目の
電灯は二%増である。その他の
電力、
大口から小口に至るまで、
特殊需用を除く
電力が六%増、こういうふうに
なつておりまして、若干のでこぼこはございますが、要するに
全国で五%ふえたというので、この
内訳はどの
需用も
比較的一様に伸びている、特に
産業方面についての伸びは割合多いということが言えると思うのでございます。
次の表は、下期の
電力量と
最大電力とがどう
不足するかという
比較の表でございます。上の半分が量としての
不足、下の半分が
最大電力としての
不足であります。量としての
不足に対しましては、
平水の場合と
渇水の場合と
二つの
想定がございます。
渇水も一〇%、二〇%
二つ予定しております。おそらく二〇%の
渇水は起らないと思いますが、一〇%くらいの
渇水はすでに十一月
あたりでも経験いたしておりますので、この辺の
状況になるということも場合吉によ
つては考えられる。その場合におきましては全体として九・五%の
不足になる、こういうわけであります。但しこれは昨
年度に比べますとまだということになります。それから括孤内が昨
年度、それから
最大電力におきましては、
全国平均というものは
意味がございませんので出してございませんが、
東京が一番苦しい。たとえば
東京の欄で十二月におきましては一三・二%の下足、一月は一七%の
不足であり、二月がピークとして一九・四%の
不足を来しておる、こういうふうなことであります。それから
あと中部、
東北、
関西等につきましては、
電力としての
不足が割合に多いということに
なつております。
それから一番下の欄は下期の
制限段階の
想定でございまして、これは十一月の二十日に
制限の
告示を出しておりますが、その
告示によりまして、各
地区別に
制限をする場合にはどういう
段階になるかという、その
段階の表を
地区別にわけたものでございまして、これは特別の
意味はございません。今後の
需給状況あるいは水の
状況等によりまして、こういうふうな
段階が適用されるというわけであります。
実績とは
関係がないのであります。
大体以上の
ような
数字でございますが、要するに本
年度のこれからの
出水率いかんによりまして左右されるわけでございますけれども、すでに
冬分におきまして大きな水が出るということは期待できませんので、だんだん苦しく
なつて来る。
従つてある時期に至ればまた遺憾ながら昨
年度と同様の
法的制限もやらざるを得ないことになるのではないかというふうに考えております。むろんことしにおきましても
石炭の手当は十分であり、また
火力発電所も最
渇水時におきましてはフルに
運転する
計画をと
つておりますが、
予想以上に
需用が伸びておりますために、必ずしも昨
年度に比べて特別な好転を見なか
つたという点をはなはだ残念に考えておる次第であります。