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門司委員 この
機会に警察問題に関して、大臣に御
質問するのではありませんが、ひ
とつお願いしておきたいと思います。それは去る十一月四日に茨城県の小貝川工事、いわゆる利根川の河川をつけかえるという
一つの大きな問題であります。この工事は三年来問題にな
つておりまして、いろいろつけかえの設計の変更等が行われております。そうしてやつとおちついたものが背割案——背割案とい
つても中間案みたいなものがかけられておる。時間もございませんし、その内容は詳しく申し上げる必要はないと思いますが、これがもし施行されますと、大体三百五十戸くらいの町の中で、約半数以上の二百戸近い家が立ちのきをしなければならないというようなこと、それからその
ために耕地がつぶれるというので、町民はこの計画に反対をしておる。たまたま十一月の四日に、建設省の案ではなか
つたと言
つておりますが、茨城県における新聞記者の
諸君が、ここの
現地を実は
視察いたしましたときに、
町村が半鐘その他を鳴らして、大勢集ま
つて来て、建設省の役人その他が来たということで、反対運動の
ために集ま
つた者が、新聞記者その他に相当の暴行を加えて傷害事件を起しておる。それと同時に越えて十一月の九日に、国警は武装警官を二百名派遣して暴行した住民の検挙に当り、十三名の者を検挙いたしております。町全体が反対をしております事件であ
つて、しかもたといそれが誤りであろうとどうであろうとも、傷害を与えたということはよくないことでございますが、しかしそれについて警察当局が五日もた
つて、しかも小さな町に二百名からの武装警官を派遣して検挙したということは、いたずらにこの騒動を大きくしたようなものである。われわれから
考えて参りますならば、これはやはり任意出頭とか何かの形で事件を大きくさせないということが、私は警察のとるべき態度ではなか
つたかと思う。しかしそう申し上げもしても、事ここ来てはいかんともしがたいので、私が申し上げたいと思いますことは、そういうことが原因にな
つておりまして——ここに新聞の伝えるところによりますと、その茨城県北相馬郡布川町会でこういうことを決定いたしております。「今後も引続いてきようのような不祥
事態が発生する可能性があるので、今後町議一名が常時郷土防衛隊本部に詰める」、この町ではすでに郷土を防衛するというので防衛隊の組織ができておるということであります。このこと自体が非常に穏やかでありませんが、この防衛隊の本部に町会議員一名が常に詰めております。その次には「背割提案反対運動には今後とも犠牲者が出ることが
考えられるので、町内各区域ことに資金カンパを行う」ということを決議しておる。さらにその次には「町民は、山田町長を中心に反対運動に関して一心一体の活動をするなど三項目の決議をした。」とこう書いてあります。町会でこういうことが決議されたということにな
つて参りますると、ま
つたく無警察
状態と言
つても過言でないような
事態をかもし出しているのではないかと思う。
従つてこのような
事態を地方行政の立場から
考えてみますと、いかなる理由がございましようとも、こうした事件が発生しておることについては、やはり問題の真相を究明して、そうして町民に儀牲者の出ないように処置をすることが、私は
一つの行政のあり方であるというように
考えられる、
従つてわれわれはこれらの問題の真相を十分に知ることが必要だと思いまするので、どうかこの次の
委員会でもよろしゆうございますから、この郷土防衛隊の隊長であります山田町長、さらに事件が起
つて五日もして二百名の武装警官を朝時いうちに動員してことさらに事件を大きくする、と言うと語弊があるかもしれませんが、町民に衝撃を与えたような処置をと
つてお
つた長岡茨城県警察隊長、さらに竜ケ崎の警察署長をひ
とつ呼んでいただきますると同時に、この問題の原因をこしらえております建設省の河川課長を呼んでいただきまして、事件の内容を私
どもに十分知らしていただくことがいいのではないかと思いまするので、
委員長におかれましてはこれら四人の人、いわゆる山田町長と長岡警察隊長、建設省の河川課長、さらに竜ケ崎の警察署長を呼んでいただきまして、今議題にな
つております警察問題と直接関連はございませんが、ひ
とつ十分その真相を私
ども知りたいと思いますので、さようにおとりはからいを願いたいと思います。