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1953-12-02 第18回国会 衆議院 地方行政委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十二月二日(水曜日)     午前十一時十八分開議  出席委員    委員長代理理事 加藤 精三君    理事 灘尾 弘吉君 理事 床次 徳二君    理事 西村 力弥君 理事 門司  亮君       生田 宏一君    河原田稼吉君       熊谷 憲一君    三浦寅之助君       吉田 重延君    橋本 清吉君       藤田 義光君    北山 愛郎君       滝井 義高君    横路 節雄君       大石ヨシエ君    大矢 省三君  出席国務大臣         文 部 大 臣 大達 茂雄君         国 務 大 臣 塚田十一郎君  出席政府委員         自治政務次官  青木  正君  委員外出席者         総理事務官         (自治庁財政部         長)      後藤  博君         総理府事務官         (自治庁財政部         財政課長)   柴田  護君         大蔵事務官         (主計官)   鳩山威一郎君         文部事務官         (管理局長)  近藤 直人君         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君     ————————————— 十一月九日  委員山田長司辞任につき、その補欠として横  路節雄君が議長指名委員に選任された。 同月二十四日  委員井手以誠君辞任につき、その補欠として滝  井義高君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 十一月三十日  地方自治法の一部を改正する法律案門司亮君  外七名提出、第十六回国会衆法第七七号)  地方財政再建整備法案床次徳二君外三名提出、  第十六回国会衆法第八七号)  昭和二十八年における冷害により被害を受けた  地方公共団体起債特例に関する法律案(吉  川久衛君外二十三名提出、第十七回国会衆法第  八号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  参考人選定に関する件  国政調査承認要求に関する件  昭和二十八年度修正地方財政計画に関する件     —————————————
  2. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 これより会議を開きます。  中井委員長は、目下奄美大島を視察されておりますので、私が委員長の職務を行いますから、よろしくお願いいたします。  まず国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。すなわち本国会におきましても、地方行政の実情を調査し、その健全なる発達に資するために、地方自治地方財政警察及び消防に関する事狽につきまして、調査をいたしたいと思いますので、この旨議長承認を求めたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  4. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 それではこれより昭和二十八年度修正地方財政計画について、政府より説明を聴取いたします。後藤財政部長
  5. 後藤博

    後藤説明員 修正地方財政計画説明をいたします。  給与引上及び期末手当等に伴いまして、お手元にあります表によつて説明いたしたいと思いますが、給与引上げ及び期末手当等に伴いまして二百三十九億五千六百万円の経費を必要といたすのであります。事項別に簡単に御説明申し上げます。まず第一に給与引上げに伴いまして六十三億九千九百万円の経費を必要といたしますが、義務教育職員関係国庫負担がございますので、差引五十一億五千六百万円の地方負担が出て参るのでございまして、地方財源が不足して参ります。この計算は、基本給につきましては、各級ごとの人数に各級ごと平均単価をかけまして、それに目の方の各級ごと平均切りかえ率をかけたものの総額であります。これに伴いまして県の一般職員それから市町村一般職員警察消防等職員は大体一四・九四%程度増額になります。それから小学校の職員は一四・七%増額になります。中学校は一四・九三%、盲聾唖学校は一四・七八%、高等学校は一五・一七%、こういうふうに増額になります。その他基本給以外のものにつきましては、それぞれ、従来ありますところのものに、現在かかつておりますところの実数をかけまして、出しております。それが六億九千二百万円、基本給は六十七億七百万円、それから次は期末手当がありますが、これは〇・二五の勤勉手当を繰上げ支給いたしておりますので、その分の補填と、さらに期末手当の〇・二五の増額であります。これに要します経費は、九十二億七千二百万円、これもやはり義務教育関係国庫負担がございますので、差引財源不足額は七十五億六千二百万円であります。  それからその次の公債費の増でありますが、これは本年の財政計画の上におきましては、公債費利子が六分五厘が六分になるという計算をいたしておつたのでありますが、預金部資金利率がそのままでありまするので、六分を六分五厘の計算に直しまして、その差額と、それからもう一つ災害関係の百二十八億の政府資金起債利子増加して参りました。合せて三億二千五百万円の経費を必要といたします。これに対して特例法関係の五十億の利子につきましては、これは特例法によつて起債が認められまするので、二月中の利子だけを国庫負担とし、その差額三億一千二百万円が地方負担額増加なつております。  次の法令の改廃等に伴う経費増加、これが中小漁業信用基金協会の出資の増加が一億六千万円、それから農業委員会の選挙が延びましたので、これは逆に二億三千万円の減になつております。それから民生委員法の改正によりまして四千万円の増、それから災害による中小企業信用保険法施行に伴う経費を三百万円その他二千四百万円ばかりございますので、差引きまして一千万円の経費の増になります。  その次の国庫補助負担金増減に伴う経費増減でありますが、これは各省関係奨励金補助の減に見合うものであります。各省関係奨励金補助が減りましたために経費が五億九千万円減るわけでありますが、国庫負担がございまするので、差引地方経費が二億四千三百万円減つて参ります。それから補正予算に伴いますところの増が逆に十三億四千八百万円ございます。このうち町村合併経費伴つて地方負担分、これは事務費負担分でありますが、これが六億九千四百万円。差引二億二千百万円の増でありますが、その内訳は生活保護関係経費の増に伴いますものが一億一百万円、それから児童保護に伴いますものが二百万円、精神衛生費千百万円、中小企業関係利子補給に伴いますものが四百万円、その他六百万円等でございます。総計では十三億四千八百万円の経費の増でございますが、それに伴いまして、かようなもので二億二千百万円の地方負担分の増があるわけであります。  次の失業対策事業費でありますが、これは災害特例法に伴いまして、補助単価及び補助率引上げられまして、総額がかわつておりませんので、地方負担が減るわけであります。この減つた分が一億六千五百万円、総額が動かないで、補助単価及び補助率がかわつて参りますので、さらに補正予算によつて失業対策費の総予算がふえております。それの増が一億二千万円でございます。これは特例法に伴う事業分量の減を補填するものでありますが、それに見合う地方負担が四千万円ございます。  それから特別道路鋪装整備事業に要する経費、これはいわゆる防衛道路と称するものでありまして、この中で防衛道路は大体全額国庫負担でありますが、道路鋪装部分についてのみは四分の一の負担がございます。大体県で二十三府県が、これに関係いたしておるのでありますが、四十一億二千四百万円の経費が必要でありますが、全額国庫負担でありますので、舗装の部分だけの地方負担が十億三千九百万円あるわけであります。それから来年の中学校の生徒が非常に増加いたします。全国で四十七万人ばかり増加いたします。これに要する建築費の増を二十億、これは大体五万以上の都市を対象といたしまして、大体経費を二十億計算いたしたのであります。その負担分があるわけであります。  それから最後に新規財政需要及び地方税収入増減及び義務教育国庫負担法施行に伴う超過財源増加がございますので、超過財源が十一億一千三百万円、これは県が八億三千万円、市町村が二億八千二百万円、これに見合う国庫負担がございますが、これは七月、八月以降十一月までの義務教育関係国庫負担であります。差引いたしまして超過財源が十三億六千二百万円減になつております。全体を差引いたしますと、百四十五億七千万円の地方負担の増がございます。これを補填するために、下にありますように、地方税増収が五十四億七千万円見込まれますし、平衡交付金で七十六億、地方債で十五億、これによつて不足財源補填をいたしておるのであります。  こういう第二次の補正に伴いまして、紙の裏側にございますように、財政規模が九千百四十九億三千三百万円になるわけであります。府県が五千百五十五億三千二百万円、市町村が三千九百九十四億百万円になります。  その次が歳入関係でありますが、歳入地方税の増は、一番おしまいの紙に地方税収入見込額というのがございます。地方税増収を見込まれますものは、府県税では事業税及び特別所得税でありますが、この事業税のうち法人が延びまして、個人事業税は減つております。差引して七億七千八百万円の増が見込まれるわけであります。特別所得税で四億五千四百万円、合せて事業税関係で十二億三千二百万円の自然増収が見込まれておるわけであります。府県関係ではそのほか自動車税が一億七千四百万円、合せて府県関係は十三億六千百万円の地方税収入の増を見込んでおります。市町村関係では、市町村民税のうち、均等割及び法人税割等増収がありますので、その増が十九億七千五百万円、固定費産税の償却資産の増が十一億八千二百万円、電気ガス税が九億五千二百万円、合せて市町村関係は四十一億九百万円の自然増収を見込んでおるわけであります。平衡交付金は七十六億の増で、合せて千三百七十六億になつております。国庫支出金は三百三十億二百万円の増加がございまして、二千七百十四億一千百万円になつております。雑収入はそのままであります。総計九千百四十九億三千三百万円に相なるわけであります。  その次の紙、地方債でありますが、地方債普道会計——一般会計の分は、当初計画は九百五十三億でありましたが、それに百四十三億加わつて参りまして、千九十六億に相なるわけであります。増加いたしました百四十三億のうち、政府資金の分が百十三億であります。これは災害関係が八十三億、それから義務教育関係危険校舎関係が、公募債でありましたものが、政府啓金に振りかわりますので、その分が二十五億、さらに第二次補正関係で、中学校の建設、増設に伴うもの五億、政府資金をまわしてもらうことにいたしましたので、合せて百十三億になるわけであります。それから公募債の三十億は、これは災害関係で二十億、それから第二次補正予算関係で十億、企業会計は従来のままですが、合せて千三百三十一億になります。  それからその次の二十八年度新規財政審要額、これは先ほど申し上げました基本給及びその他給与引上げに伴うところの関係増加額に関する調べであります。  以上簡単に第二次補正関係財政計画を御説明申し上げました。
  6. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 質疑を許します。横路節雄君。
  7. 横路節雄

    横路委員 財政部長にお尋ねいたしますが、ただいまお話のございました地方財政計画の中の、地方債関係を最初にお尋ねしたいと思うのですが、ただいまお話ございました点の中で、当初にきめられましたいわゆる政府資金でなしに、公募資金である、公募公債の方、この方の消化状況は一体どうなつておるのか。これは私も報道その他いろいろな機関の方で見たのでございますが、大体それらの報ずるところによりますと、公募公債等においての消化されておるものが非常にわずかだ。実際には消化されてないのだ、こういうように伝えておるところもありますので、実際に地方位計画の中で、いわゆる公募公債として出されておるうちで、どの程度今日まで消化されておるか、その点について何か具体的な材料がございましたら、御説明していただきたい。
  8. 後藤博

    後藤説明員 公募公債は、現在割当てたものは大体二百億ございます。そのうち百億はごく最近割当をいたしました。先週の初めごろだと思います。以前から割当てましたものが百億ございます。そのうちで日銀適格担保になる、つまり起債市場に出すものが大体六、七十億ばかりございます。まだ毎月やつておるわけであります。毎月大体五億ずつぐらい消化しております。今まで消化済みのものが、三十五億か四十億と思います。あと残りをまだこれから毎月日銀の折働いたしまして、五億ないし六億のわくをもらつて消化するわけでありますが、大体七十億から八十億くらい消化いたしたい、そういうように考えております。その残りの分と、最近割当てました百億の分が縁故になるわけであります。前に割当てましたものは、それぞれ地方団体でもつて現在各銀行と折衝しておるようであります。ただ利率の問題で話がうまくつかない、八分五厘ぐらいやつたらいいだろうということで、従来から八分五厘であつたのでありますが、八分五厘について、銀行側との話がいろいろついていない点がたくさんございます。しかしこれは話合いの途中でございますから、私どもはつくものと考えております。新らしく百億をごく最近割当てたのでありますが、この分もやはりこれから折衝するわけであります。前の分の利子関係がはつきりすれば、あとの分の消化は可能ではないか、私どもはかように考えております。年度終りごろになつて、たくさんの公募債を出しますことは、地方団体としては困りますので、なるたけ早目に出そう、こういうことで百億をごく最近出したのであります。県によりましては、多少問題のところがあるかと思いますが、私ども消化は可能ではないか、かように考えております。割当てます場合に地方銀行預金状況、貸出しの状況等を頭に入れて割当をいたしております。従つて地方銀行預金の非常に少いようなところ、また長期の貸出しが非常に多いところ、さようなところは公募債でなくて、できるだけ政府資金をまわして行く、かようなつもりで配分をいたしておりますから、この程度のものであれば消化できるのではないか、かように考えております。
  9. 横路節雄

    横路委員 私は重ねて今の点についてお尋ねしたいのですが、そうすると二百億のうち、先週に百億割当をした。従つて以前に百億やつたうちで、消化できたのは三十五億ですから、約六十五億、合計百六十五億残つているわけです。そこでここに一つ調査があるのですが、それにこういうことを発表しているのです。それは東京都、五大府県五大都市発行する市中銀行公募分が六十億円ないし六十五億円、その他の弱小府県市町村発行は、縁故による市中銀行募集分が百六十億ないし百六十五億円で、地方団体の重要な財源を構成しておる。これは当然なのですが、このうち、富裕都道府県発行する市中公募債は、毎月平均五値ずつ消化されている。これはただいま部長の言われた通りです。本年四月から九月までの上半期の合計は三十億四千万円で、これもただいまの数字の通りです。年度末までには予定額を全部消化し得る見通しで、問題はない。問題はその次なんです。ところが弱小府県市町村などの貧困団体発行にかかわる縁故募集による地方債は、本年四月から現在に至るまで、消化できた額はわずかに十億未満自治庁推定)となつております。十億円未満で、予定額の十六分の一にも達していない。特に弱小府県地方責は、国の補助事業を行うための財源としているものが、過半の約九十億円を占めており、財源が得られないままに、せつかく国庫から交付された各種補助金も使用不能となり、年度末には国庫へ返還と余儀なくされる分も相当あると認めている。こういう記事なんです。そこでただいまお話のように、すでに割当をした百億のうちで、日銀から市場に出して来る毎月五億ずつの消化については、これは富祐府県については、こさの記事に載つているように文句はない。ところが実際は、弱小府県市町村などの貧困団体発行にかかわる縁故募集の分は、百六十億のうち、今日までわずか十億程度で、十六分の一しかこれは消化されていないので、年度末までには九十億残つて、これは割当消化しきれないのではないかというのです。私はこの点について、もつとはつきりお聞きしたいのです。ということは、昨年の暮れ、ちようど第十五特別国会における昭和二十七年度補正予算のときに、参議院、衆議院の予算委員会で決議を行いました、いわゆる国家公務員地方公務員に対する。〇・二五の分につきましても、部長御承知のように、国家公務員についてはやつたけれども地方公務員については、公募公債で、約四十一億を得てこれを配付した。これはそのまま何にも解消されていない。その上さらに、今お話のように、公募公債その他で、実際にはあなたも御心配になつておるのではないかと思うが、年度末までには約九十億近くは、弱小府県市町村の分の公募公債については、消化しきれないのではないか。この点について、地方財政計画の中で重要な部面を占める地方債、特に昨年そういう問題等もあつたのですから、ぜひ地方債の問題については、実態がどうなつておるのか、もう少し詳細に御説明していただきたい。
  10. 後藤博

    後藤説明員 お説の通り、私どももできるだけ公募債を、少くしたい、こういうつもりで、第一次補正予算も第二次補正予算も、できるだけ公募でなしに、政府資金をもらうように努力をいたしておるのであります。しかし残念ながら二百三十五億の公募債というものは、本年度財政上にあるわけであります。公募債消化がむづかしくなつて参つて来ておることは、事実であります。しかし公募債というものは、大体年度終りに多く借りるのであります。年度当初には借りないで、年度中途以後に借りるのが普通であります。従つてこれから先の消化の問題、これに力を入れたいと考えておるのであります。年度当初に割当てましたもののうち、十億ばかりが消化されておらぬのであります。しかし百億を割当てました中で、七十億ばかりは先ほどのお話通り起債市場に出すのであります。それ以外のものにつきましては、各府県それぞれ、努力いたしておりまして、逐次話がまとまつておるようであります。県によりましては、銀行との間で利子の問題、融資条件の問題で話がうまく行つていない。しかし借りる可能性はないということではなくて、話合いがつかない、現在かけひきの段階にあるものが相当ある。従つて借りられないということではなくて、これは簡単に申しますと、こちらの方で折れれば簡単に借りられるのでありますが、できるだけ有利な条件で借りたいということで、努力いたしておりますので、消化が不可能であるということではなくて、消化は可能であるが、しかし条件がまだ折合わない、こういう段階なつております。それから、年度中途以降に公募公債を多く借りることは、利子関係がいろいろございますので、できるだけあとにまわそうという気持が、地方団体にあるようであります。しかしあらかじめどのくらいの公募債割当てたらいいかという見通しをつける必要がございますので、私どもはできるだけ早く公募債割当ててやつてもらおう、こういう意味で先週に百億の残りの分を、全部割当てたわけであります。この分につきましても、一、二の県では非常に困るということを言つておりましたが、しかし大体可能ではないかというふうに払どもは考えております。
  11. 横路節雄

    横路委員 ただいま部長お話通り、この消化については、条件がよければ消化できるというのは、当然なことなんです。これは一般市中銀行なんですから、利率を高くしてやれば、向うは喜んで消化する。しかし利率を高くすれば、これはいわゆる政府資金との関係で、地方公共団体が困るのです。そこで私は委員長を通じてお願いしたいのですが、昭和二十七年度公募公債について、一般市中銀行がどういうように各県ごと消化をして、その各県の市中銀行利率何分でこれを引受けたか、これは私は地方財政の中で、非常に重要だと思いますので、この点をまずできれば明日の地方行政の本委員会に、資料として出してもらいたい。それから二十八年度の今日まで消化されたものについても、同様割当が幾らで、そのうちどの府県がどれだけ一体化して、その消化した府県は一体利率何分でやつているのか、さらに償還期間等についても、条件があるはずでございますから、ぜひこの点を出していただきたいと思います。その出された具体的な資料に基いて、さらに質問をいたしたいと思いますので、この問題については……。
  12. 滝井義高

    滝井委員 関連して……。今横路君の質問を通じて、公募公債状態は大体はつきりいたしたのでございますが、その答弁の中で、公募公債が二百三十五億円だと答弁された。これはおそらく当初予算の二百億と、災害関係の二十億と、今度ベース改訂に伴うところの十五億——こにれは私は公募公債と思つていなかつたのですが、これが公募公債だ、こういうことになるわけですね。そこで計二百三十五億、こう了解してさしつかえないのですね。
  13. 後藤博

    後藤説明員 公募公債は当初二百五億であります。それから第一次補正災害関係で二十億、それから今度十億であります。十億のうちで百億が政府資金であります。
  14. 滝井義高

    滝井委員 それで二百三十五億はわかりました。そうするといま一つ、これは前の十七国会で問題になりました災害関係のいわゆる政府負担についてですが、千五百六十五億というのが大蔵大臣の言明した災害関係における国の負担です。その中の三割の四百六十九億五千万円を本年度において出すということを、三党協定においてきめておるわけであります。そうすると四百六十九億五千万円の中の三百十二億というものは、あの五百十億の第一次補正予算の中からいろいろかき集きてみると出て来る。そうすると残りの百五十七億というものは、資金運用部公募公債市中銀行から出すということで、これは大蔵大臣の言明になつておる。ところが資金運用部については金は出ないということが、大体において阪田理財局長等のこの委員会における答弁ではつきりして来た。そうしますと残りの百五十七億というものは、公募公債市中銀行以外にないというわけです。今のお話でありますと、結局今年度地方財政計画の中で、公募公債は二百三十五億がぎりぎりだということになる。百五十七億の融資の中で公募公債の分というものが、あなたの御説明では全然見込まれてないということになります。これは大蔵大臣予算委員会その他における答弁と、まつたく食い違つた状態が出て来る。百五十七億のうちで大体自治庁は、現在どの程度公募公債を見ておるのか。年度末になりましたので、これもあわせて当然ここで問題にしなければならない重大な要素を含んでおる。これがなければ三党協定というものは、ますますおかしくなつて来て砂上の楼閣になるおそれがある。地方公共団体のいわゆる耕地その他の復旧というものは、すでに六割ぐらい進んでおるのに、その予算実態が百五十七億を加えての三割ぐらいしか金が出て行かないのですから、そうすると百五十七億の公募公億が全然考えられていないということになれば、地方財政というものはこういう計画を出してもらつても根本から話にならない。まずこの百五十七億の公募公債は、大蔵省とどの程度話が進んでおるか、この点も同時にここでお話願つて、あすの計画の中に明らかにしてもらいたい。
  15. 後藤博

    後藤説明員 百五十七億というのは、事業進捗状況に応じて出す額の最高限度である、こういうふうに私ども考えております。従つて百五十七億全部出るものであるかどうかということについては問題があります。それから百五十七億のうちで地方負担分がどのくらいあるか、これも問題もあります。すなわち国の直轄事業も相当あると思います。そういうものと地方負担分がはつきりわからないのであります。これは現実に百五千七億のうち、事業の進歩に応じて直轄事業が幾らで地方負掛の補助事業が幾らであるかというこでとを明確にされない限りは、私ども計算のしようがないのであります。従つてその出て来るのを待つて財政措置をいたしたい、さように考えております。別に考えていないというわけではなくて、的確な数字が出て来ない。従つてどもとしては地方負担に見合う起債がつけられないという状態であります。
  16. 滝井義高

    滝井委員 そうしますとわれわれが二十八年度予算を審議することは、おそらく第二次補正をもつて終りだと思う。その次からは二十九年度予算の審議になる、そうしますと地方財政計画というものは、いつの間にかやみからやみに葬られてしまいまして、百五十七億のうちに、どの程度地方負担が出て来るかというようなことは、ずつとあとにならなければわからなくなりまして、おそらく百五十七億のうちで地方負担は五分の一の三十億くらい出て来ると思うのですが、実際に事業をやつてつてもその金が来ていないとすると、これはすでに地方の単独の経費いわゆる税金を食つておるという形が出て来る可能性が十分にある。従つて自治庁としては大蔵省と急速に折衝していただきまして、実際に百五十七億をどの程度大蔵省は出すんだということを、ある程度はつきりしてもらわなければ、われわれはこの会期中にしか二十八年度予算を審議する機会がないのですから、横路委員地方財政計画に対する資料の要求とともに、この点についてある程度見通しをつけられるように折衝願いたいと思う。
  17. 藤田義光

    ○藤田委員 議事進行について。本日は臨時国会の最初の委員会でありますが、この際委員長の御計画をお伺いしておきたいと思います。当委員会として非常に関心を持つておりますのは、年度財政計画はもちろんでありますが、地方制度並びに税制両調査会の答申案の扱い方をどうするか、また議員立法で政党を超越してつくりました町村合併促進の予算が、仄聞するところによれば自治庁が当初計画しました六分の一前後のさんたんたる状況であるというふうにも了承いたしておりますが、こういう状態では町村合併促進の実現は、絶望ではないかというふうに考えております。またここに財政計画が出ておりますが、たとえば短期融資利子補給は、この前の資料通りに四億二百万計上されておるが、一体銀行利子はどうするか。銀行から短期融資を受けておる団体もたくさんあります。また政府資金の短期融資に対してはどうであるか。非常に利率の高い金融を受けておる地方団体も発生しておりまして、こういうものはいつ現在で、こういう利子の根拠をなす資料調査されたのであるかどうか、いろいろな問題があるわけであります。それから災害に関しましては、予備費のうちから二十億だけさらに出そうという大蔵省の計画がありますが、それはこの地方財政年度計画の中に考慮されて、立案されておるものかどうかという問題もあるのでありますが、委員長としましては、非常に短期の国会でありますが、どういうふうに当委員会を運営される御方針でありますか。この点をまずお伺いしておきたいと思います。実は本日午後われわれは予算に対する態度を最後決定をいたしますので、当委員会の運営状況を報告する関係上、委員長代理で恐縮でありますが、ひとつ委員長の御計画を拝聴したいと思います。
  18. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 了承たいしました。後刻申し上げますが、横路委員質問が継続中でございますから、それに対しての回答を先に求めたいと思つております。  政府の方にお尋ねしますが、横路委員から要求されました二十七年度公募債府県都市別の消化状況並びに二十八年度府県都市別の公募債消化状況、それは明日はむりでしようね。
  19. 後藤博

    後藤説明員 二十八年度のものはちよつとむづかしいですが、二十七年度のものはあると思います。
  20. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 そうしますと、二十八年度のは横路さん、いつごろまで……。
  21. 横路節雄

    横路委員 先ほど財政部長からお話された点で、今日まで三十五億消化しておるということです。これは私たちは富裕県しか消化していないのではないか、他の県については消化ができていないのではないかと思うのですが、富裕県だけにしても三十五億消化ができておるということですから、今日まで消化された分でけつこうです。これは富裕県がおもだろうから、できるのではないかと思いますが、いかがですか。
  22. 後藤博

    後藤説明員 起債市場に出した分はわかりますが、地方縁故分だけは、ちよつとむづかしいのではないかと思います。できる範囲でいたします。
  23. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 横路委員に申し上げますが、地方縁故による分は、ただちに調査しかねるそうでありますが、その分を省いてもよろしゆうございますか。
  24. 横路節雄

    横路委員 やむを得ません。
  25. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 では了承いたします。
  26. 横路節雄

    横路委員 財政部長にお尋ねいたします。  昨年暮れの十五国会で、先ほどお話申し上げましたように、国家公務員については〇・二五を支給した。地方公務員についても同様であるというので、本地方行政委員会におきましても、昨年の十二月から本年の三月まで、地方行政委員会が開かれるたびごとにこの点をただしまして、解散直前、たしか三月十四日でございましたが、閣議で決定を見まして、〇・二五を出す。ただし昭和二十七年度に関しては平衡交付金増額ということは見られないので、とりあえずの措置として地方債をもつてやるということで、たしか総額は四十一億ではなかつたかと私は思うのであります。この点は二十七億と十三億幾らというふうになつておると私は思うのであります。これはいわゆる国会で議決をいたしまして、地方公務員について年末手当として支給されたものにつきまして、これを地方責で、特にそのうち一部分につきましては市中に出して、公募公債でこれをやつたわけです。この点は当時の自治庁長官も非常に不当である、しかし年度が押し迫つているのでやむを得ないが、二十八年度においては、当然これは平衡交付金で見なければならぬと言つている。本地方行政委員会でも、そういうふうな委員各位のお考えであつたわけです。ところが今度出されましたこの修正地方財政計画の中で、この点については何ら見ておらない。この四十一億の起債については、年末手当を支給したのです。年末手当を地方債公募公債でやるということ、それはとりあえずの措置としてはともかく、当然今度はこの四十一億に見合うものについては、平衡交付金で見ておかなければならぬ。それを全然見ないで、地方債公募公債の形のままにしておいて、しかも今度は期末手当〇・五のうち、五十四億も地方税自然増収したのであるという考え方のものに、約三十六億近い、地方公務員の〇・二五に相当するものを、これを全部地方経費でやりくりせよということにしておる。今まででさえ地方財政が圧迫されている上に、さらに地方経費のやりくりでやれということについては私は了解しかねるのです。この点については、この四十一億については、今度全部平衡交付金で措置しました。そして国で〇・五やるうちの〇・二五だけは平衡交付金で見てやつたが、残りの〇・二五については、これは法人税その他がふえたのであるから、これで見ろというならば、まだ話はわかりますが、前の年の赤字四十一億についてはそのままにしておいて、やるということは了解できないのです。この点については村政部長は御承知なすつて、大蔵当局と折衝なすつたのか。それとも四十一億については、あれは地方債だからかまうものかというような気持で全然触れなかつたのか、その点はどうなのかお尋ねいたします。
  27. 後藤博

    後藤説明員 昨年の四十一億のものは、起債でもつて財源措置をしたもの、平衡交付金にかわる地方債をもつて財源措置をしたものであるから、本年度においては、その分は考える必要はないのではないか、かように考えておる次第であります。一応前年度において考えて、数字がちやんと合つておるのではないかということであります。
  28. 横路節雄

    横路委員 財政部長にお尋ねいたしますが、この点どうですか。年末手当〇・二五は、去年は一般の市中に出して公募公債でやつた。そういうことは国が責任を持つてやるべきである。国家公務員に対して〇・二五は国の費用をもつてやつた。それと同じ性質の年末手当を、一般の市中に公募公債を出してそれで払えということで、それはもうやつたのだから、それでよいのですということは、年末手当という性質から、それでよろしゆうございますか、どうでしようか、お尋ねいたします。
  29. 後藤博

    後藤説明員 四つ十一億の公募債をもつて年末手当を支給した、そのこと自体は私はよいことだと思つておりません。平衡交付金か何かで、ほんとうの財源措置をすべきものであつた。かように考えております。そのこと自体は非常におかしなゆがめられた財政計画だと思つております。しかし一応財政計画としては交付金にかわるべき起債をもつて充てた、こういうことになつておるのでありまして、それを実際借りられたかどうかという問題はございます。非常に不可能な場合がございます。それから直接にそれを期末手当に出したのではなくて、その分として出しましたけれども起債の措置は他の単独事業をそちらの方にまわして行くとか、何かやりくりでもつてやつたところも、相当あるように思います。直接そのまま起債に持つて行かないで、全体の各地方団体事業の中で振りかえをいたしましてやつたところが多くはないか、またそうやるべきではないか、私はそういうふうに考えておるのであります。
  30. 横路節雄

    横路委員 財政部長は、今の点は当時税務部長でしたから、よく御存じでないかもしれないのですが、年末手当という性格のものを出すのに、公募公債その他で一応つじつまが合つたから、それでもうよいのではないかという考え方は、まつたく通らないので、この点はあなたも御存じの過り、地方自治団体の赤字の全部とは言いませんが、少くとも半分以上は給与費による赤字のわけで、いまだにこの中に昨年の十一月以来の問題になつておりますいわゆる地方公務員については、今日すでに一人当り公には八百円といいますが、千円ないし千二百円程度のものは、それぞれの都道府県市町村の自治体が、御承知の通り財政負担をしておる。これは何といつてもそういうようなものが累積されて、今日二十八年度財政計画をきめた場合でも、当初三百億からの赤字が出るであろうというのが、そのうちの半分以上は給与費に基くものであると思います。そこであなたの方ではそういう問題が解決されていないのに、〇・五組むのにどうしてこの際まるまる〇・五については平衝交付金で見ないで、また地方税をふくらますということで見るのか。その点について私がちよつと了解できませんのは、この間の十七臨時国会においていわゆる九州、和歌山その他の水害、北海道、東北等の冷害におきましても、もちろん市町村民税、あるいは固定資産税等についても減収になつたわけですが、そのほかに事業税についても減収になつておるわけです。これは当然農村等においても、売つた代金については回収不能だというのですから、そういう観点から、この五十四億というのは、ほんとうに五十四億ふえると忠つてつたのですか。実際は平衡交付金でやりたいのだけれども、大蔵省の方からとやかく言われるのでつじつまを合せるためにやつたのか、これはどうもこの間の十七臨時国会に出して来られたあなたの方の、いわゆる水害、冷害等による地方税の自然滅という健全からいつて、筋が合わないと思う。どうして一ぺんに十八臨時国会なつたら、こんなに五十四億ふえるのですか。これは一体どういうわけなのか。どうしてあなたは〇・五に相当する全額をお組みにならなかつたのか、これは私は地方財政計画をお立てになるのに、ほんとうは大臣に来てもらいたかつたのだけれども、大臣がいなかつたら政務次官でもしかたがない。これは政務次官に答弁してもらいます。これは大問題です。  私はほんとうは委員長にお願いしたいのですが、きようの二十八年度修正地方財政計画の中に、たとえば給与引上げに伴うところの給与関係費、期末手当、これがまたぞろ赤字になるのですから、本来から言えば自治庁長官が来て答弁しなければならぬ。参議院ではすでに地方行政委員会で、自治庁長官の不信任案を決議しておる。とにかく政務次官から誠意ある答弁をしていただかなければ大問題です。よく注意して答弁させていただきたい。
  31. 青木正

    ○青木政府委員 横路さんのただいまのお話ですが、私ども期末手当等について、これを公債でやるという考えについては、お話のように不適当と存じます。そこで今回の財政計画におきまして、五十四億の地方税増収の見積りでありますが、これは決してこれだけ必要だからということで見たのではないのでありまして、実際の地方税の、あるいは国税等の増収に見合いまして、当然出て来るという数字を積み上げまして計算いたしたわけであります。そうして地方債の十五億というものは、大体学校の生徒増に伴う経費、あるいは行成協定によるところの公債、こういうふうな考え方に立つておるのでありまして、期末手当の増というものを起債で見るという考えでなしに、自然増による増収平衡交付金で見る、こういう考え方に立つて計画いたしたものであります。
  32. 横路節雄

    横路委員 二十八年度地方税収入見込額の中で、私は財政部長にお尋ねしたいのですが、市町村の普通税の四十一億増のうち、市町村民税については十九億七十五百万の増、固定資産税については十一億八千二百万の増、これだけですでに三十一億の増です。この聞の水害、冷害のときにこれは何と出されたのですか。水害のために土地が埋まり、家が流され、冷害、凶作のためには、当然第二期、第三期、第四期と市町村民税や固定資産税のとれないものをここに減収にして出されたのではないかと思う。前のときには四億四千万円当初より減少だといつて出していながら、今日一月とたたないのに、逆に三十一億の増だということはどうして判断されたのですか。これはまつたくおかしい。これは何か確たる信念があつておやりになつたのですか。一月の間に市町村民税や固定資産税が四億四千万減のものがなぜ三十一億増になるのか、そういう市町村民税がとれる、固定費産税がとれる、三十一億もとれる、前かつら見たら合計三十五億もよけいになるのだ、そういうように変化される経済的な状態の理由があつたら、ぜひここで説明していただきたい。
  33. 後藤博

    後藤説明員 第一次補正のときの三十五億減というのは、災害関係によるところの減収額が三十五億あつたのでありますが、その分を含めて今度の新しい増収を立てておるのでありまして、今度その分は含んでおります。それから第一次補正予算の場合は、これは災害関係だけをとらえておりまして、別に交付金を出さないで全部起債でもつてやる、こういう計画でありましたので、この際はこの増収分を出さなかつたのであります。増収分につきましては、第一次補正のときから大蔵省とわれわれの方との増収の額が違つておりまして、その後折価いたしまして五十四億円に押えたわけでありますが、大蔵省の要求は、面うの見積りでは、もつと非常に高いのであります。九十億ばかりの自然増収があるという数字が向うにはあるのでありますが、われわれは絶対にそういうことはないということで五十四億に抑えたのであります。この分の中には災害の三十五億の滅というものを含んでおります。
  34. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 満井委員にお尋ねいたしますが、滝井委員から御要求されました資料についてでありますが、お言葉の要求をかれこれ差引きまして、結局政府資金資金からどれだけ百五十七億の中に支出できるかということの政府答弁があればいいのですね。
  35. 滝井義高

    滝井委員 いやいや、公募公債です。
  36. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 公募公債の方は資料がそろわないから、答弁ができないということですから、それはあとにしてもらえませんか。
  37. 滝井義高

    滝井委員 どうも大事な横路さんの質問のときに、委員長が変なことを言うので前に返りますが、まだ私の質問があるのですが、そこだけわからないようですから言つておきます。国の負担分が千五百六十五億円ですから、その三割の四百六十九億五千万円をことし出すというのが、内閣の方針になつたわけです。そうしますとそれは第一次補正予算で、三百十二億だけは現金として、予算面から集めてくれてあるわけです。残りの百五十七億というものは、事業の進捗に応じて、必要なものを精査してやつて行くということになつておるわけなんです。そうしますと二十八年度も大体残りはもうあと四箇月くらいしかないわけですから、各地方公共団体災害が起つてから四、五箇月たつのですから、事業の進捗状態というものは、大体わかつておるわけです。そこで百五十七億の中で、資金運用部から大体現在どのくらい出せるのか。この前の答弁では資金軍用部から出せないということだつた。従つて出せないとするならば、当然市中銀行の借入れ、あるいは公募公債という二つしか手は残つていない。従つてこれは当然大蔵当局なり自治庁としては、地方公共団体負担になる分について、公募公債あるいは借入れについて明白にしなければならぬ。市中銀行からの借入れについては、これは問題にしないにしても、公募公債というものについては問題にしておかなければ、二百三十五億というものの消化さえも、現在非常に苦難に直面をしておるので、それにプラス・アルフアという、百五十七億に見合う公募公債が加わつて来ればますます困難になる。そうなればこれは机上の計画だけであつて、まつたく出ないことになる。ところが地方公共団体は現実に事業は進捗しておる。こういう事態は、地方財政計画というものに、大きな破綻を来たす原因になると思う。百五十七億に見合う公募公債というものは、すでに事業の進捗というものが、現実の事態として進んでおるから、当然ある程度の答えを出してもらいたいということなんです。現在の段階ではこれはある程度のものは私は出ると思うのです。もしそれが出ないとするならば、われわれはこの地方財政計画について、予算の面で最終的にやる機会というものは、この機会以外にははい。だから少くとも横路君のあれと一緒にしてもらいたいということなんです。これ以上言う必要はないと思いますので、ひとつあと横路君の質問を続行してもらいたいと思います。
  38. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 政府委員にお尋ねしますが、この災害関係の百五十七億の分の地方団体からの起債の申請は、どつと出て来ているわけなんですか。
  39. 後藤博

    後藤説明員 出ておりません。
  40. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 出ておらなければ、今の議論は意味ないじやないですか。横路さんの御議論の続行を願います。
  41. 横路節雄

    横路委員 部長にお尋ねしますが、この間は救農国会なんだから、税金の減つた方だけを出したので、実際にはふえているのだけれども、それは押えてあつたのだ、こういうことは私は理由にならぬと思う、現にこの間二十八に、あなたはちやんと市町村民税については、これこれ減になる、固定資産税についてはこれこれ減になると言つたが、私どもは当然だと思う。あれだけ大きな水害、冷害、凶作なんです。それを一月たたないのに三十一億増、一月たたなくとも、今日これほどの水害や冷害を受けたのにかかわらず、市町村民税や固定資産税が三十一億も増になる理由は何かと聞いているのです。たとえば給与ペースはいつ上つているのか、まだ上つていないじやないか。固定資産税は何が一体どうなのか、それほどどんどん固定資産税がふえるほどに、いわゆる固定資産税のかかるそれぞれの客体が、どんどん建つているのか、これは私は部長にお尋ねしているのだ。
  42. 後藤博

    後藤説明員 第一次補正の場合には先ほども申しましたように減税分だけを抽出して、三十五億の減収があるということを申し上げたのであります。その際やはり自然増収の而もあつたのでありますが、しかしそれは話がついておりませんし、直接災害関係はございませんので、私どもは申し上げなかつたのであります。このお手元の三ページにあります。先ほど私が申しましたのは、ちよつと間違つておりますが、三ページの上の地方税は五十四億七千万円の自然増収がありますが、災害による地方税の減収額は三十五億で下に立つております。従つて差引きしたその差額増加した、こういうかつこうになつておるわけであります。先ほど私は上に含まつておると申しましたが、そうではなくて、別に立てておるわけであります。その差額だから自然増収になるわけであります。
  43. 横路節雄

    横路委員 財政部長にお尋ねしますが、この前は三十五億減なんだ、今度は三十一億増、そうすると、当初よりは六十六億増になるわけですか、そういうことになるのですね。当初より六十六億の増ということはどこに……。市町村民税と固定資産税が、いわゆる災害地その他を抜いても、当初より六十六億増になるという、そういう経済的条件は、一体どこにあるかと聞いているのだ。
  44. 後藤博

    後藤説明員 五十四億の増と三十五億の減で、差引き十九億の増ということになります。それから固定資産税の問題でありますが、土地、家屋の固定資産税の自然増収があるというのじやなくて、いわば償却資産の見積りが過小であつたということであります。償却資産の見積りが過小であつつたために、現実には償却資産税の自然増収がある。それを立てたわけであります。
  45. 横路節雄

    横路委員 それでは私はあなたにお尋ねするが、固定資産税については、償却資産について過小見積りがあるというならば、市町村民税については、あなたはこの前御指摘のように、この間の国会では減にして出してある。今度十九億だ。約二十何億だけ当初よりは市町村民税はふえることになる。市町村民税が二十何億もふえるという条件は、一体どこにあるかと聞いているのです。ペースも上つていないのに、その原因はどこにあるのですか。
  46. 後藤博

    後藤説明員 市町民税の増は、二十七年度の決算額を基礎にいたしますると、われわれが当初見込んだものよりも自然増収がある、それで増収を見込んだわけであります。当初の見積りが、決算を基礎にいたしませんで、決算がはつきりしなかつたために、決算で出て参つた数字を今度引直してみますと、自然増収というかつこうで出て来るわけでありまして、当初の見積りが過小だつた、こういうことであります。
  47. 横路節雄

    横路委員 財政部にお尋ねしますが、そうすると財政計画年度に立てて、そうしてそれぞれ地方公共団体はそれに従つてつておる。そこでふくらんで来ると、あなたはいつでも税については過小見積りだつたと言つては税をふやして行く、そういうやり方をおとりになるのですか。
  48. 後藤博

    後藤説明員 財政計画上、やはり税の自然増収があるとすれば立てざるを得ないんじやないか、こういうことであります。自然増収があれば、私どもはもちろん財政計画上は税の増収を立てて、その差引計算をやはりせざるを得ない。これは現在の建前からして、私どもはやむを得ないんじやないか。ただ年度の途中に自然増収があつた場合には、その見合うところの財政需要か単独事業か何かありまして、市町村とか府県では、それに見合うとこでの事業をやつておるから、これは他に用いられないのじやないか、こういう議謝はあると思います。しかし私どもとしては、財政計画上、やはり自然増収があれば立てざるを得ない。もしも自然減があれば、これもやはり立てざるを得ない、こういうふうに考えております。
  49. 横路節雄

    横路委員 財政部長にお尋ねしますが、あなたはこの前の地方財政計画のうちでは、やはり災害、冷害等に伴うところのものについては、どうも金が足りないからといつて、単独事業については五十億を節約したではありませんか。当初事業を予定しておるものを五十億切つておる。あなたの方でこれだけ五十四億の増を見込んだのであるならば、当然この間の救長会と呼ばれるときに、あの救農土木費その他については、単独事業費についても、五十億は当然落さないで残しておいて、これに見合う分としてこの地方税の五十四億を充当すべきではありませんか。前のときには、財源がないのですからと言つて、単独事業の当初計画を五十億切り、それを全部切つておいて、今度は税金がふえましたから、あななたの方では適当に地方の公務員について、それぞれの余裕財源でやつてくれということは、筋が通りませんよ。当然前に単独事業の五十億切つたことと地方税と合せて、もしもこれが事実であるならば、前に単独事業を五十億切つたことについては、あらためてここに五十億を増加しなければならぬでしよう。今日冷害、凶作、水害等における救農土木費がいかに足りないかということは、先般の本会議でも指摘されておる。こういう財政計画の立て方はおかしいじやないですか。それであるならば五十四億に見合うこの間落した五十億のいわゆる単独事業費は、あらためてここに掲げなければならぬ。おかしいじやないですか。  それからもう一つは、あなたは二十七年度の決算額よりもふえたというが、それならばそういうふえる条件はどこにあるのかと聞いておる。市町村民税について、これだけふえて来る理由は一体どこにあるか。減収になつた上にさらに約二十三、四億ふえて来ておるが、どこにそれだけふえる事情があるかというのです。
  50. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 横路委員に申し上げますが、文部大臣が臨席されましたので、ただいまの回答は政府の方の答弁を、もう少し調整してもらう必要があると思うから……。
  51. 横路節雄

    横路委員 それでは財政部長に第三点をお尋ねして、あと門司さんに文部大臣の件をやつてもらいます。  私が財政部長にお尋ねしたい点は、文部大臣は先月の二十日に日本教職員組合の執行部と会見して、期末手当勤勉手当については全額国庫負担をすると答弁をしておる。このことは、この中に組んであるところの地方財政計画からいつて、その通りかどうか、私は自治庁としての態度を明らかにしてもらいたい。先月の二十日文部大臣は、いわゆる勤勉手当期末手当の〇・五については、一部は義務教育国庫負担金、一部については平衡交付金、合せて全額国庫負担をすると言明をしておる。この点を地方財政の当局者としてのあなたに私はお尋ねいたします。私は文部大臣を呼んだのではないから、文部大臣にお聞きしません。この三つだけ……。
  52. 後藤博

    後藤説明員 第一点の単独事業の節約と、それから税の増収の問題でありますが、これは地方団体には個々の団体で自然増収がある団体と、それからまた自然増収のない団体もございます。従つて両建にせざるを得ないのであります。団体が違いますのでやはり節約の分を立てると同時に増収を立てて行く。立てなければ差引勘定でもつてはやれない、やるとかえつて変なことになりはしないか。財政計画上は、個々の地方団体で事情が違いますから、両建にせざるを得ないのであります、かように考えております。  第二の市町村民税の増でありますが、これは先ほど申しましたように十九億の内沢を申しますと、十億が均等割の増であります。それから所得割が七億、法人税割が二億の増であります。このうちの均等割は、これも先ほど申し上げましたように、二十七年の決算を延ばして参りますと十億ばかり自然増とせざるを得ない、こういうことになつておりらます。それから所得割は前年の所得を使つておりますので、所得税のやはり決算が出て参りましたので、それから見ますと、やはり七億の増とせざるを得ない、こういうことになつております。それから法人税割の増は、現年度の所得を基礎にしておりますので、法人税の増収に見合うものであります。これは二億であります。そういう計算をいたしまして、十九億の増が立つわけであります。  それから第三点の期末手当及び勤勉手当の〇・五の問題でありますが、これは私どもも全額公庫負担にしてもらいたいという要求は、もちろんいたしたのでありますが、しかし現在の財政計画上は、税の自然増収も見ざるを得ない、従つて全額国庫負担にはならなかつたのでありますが、気持としてはやはり全額国庫負担にしてもらいたい、こういう要求はいたしたのであります。しかし歳入の方の増を立てざるを得ませんので、その結果全額公庫負担の形にならなかつた、こういうことであります。
  53. 横路節雄

    横路委員 今のこと、は私も文部大臣に聞いたわけじやなく、新聞で見た程度ですが、そうすると文部大臣が十一月二十日に日本教職員組合との間に話をされた、いわゆる勤勉手当期末手当を含めた〇・五については、全額国費で見ますという点については、努力をしたが、そうならなかつたというわけですね。  なお私は引続いてあとやりますから……。
  54. 門司亮

    門司委員 私はこの機会に文部大臣にお聞きをする前に、横路君の質問で、ちよつとふに落ちない問題がありますから、あと資料でよろしゆうございますから出していただきたい。  それから一つ要求がありますから委員長に取上げてもらいたい。それは税金の増額の問題ですが、政府は無理に見積りをしておるように見えるのです。これをずつと見てみますと、たとえば事業税は約一五%まではならぬと思いますが、一四%余り増徴になつております。事実上八十億に対して十二億幾らの増徴になつておる。これらの問題はいろいろな問題を起すと思いますし、今われわれの手元に陳情が来ておりますが、事業税の今年度の査定といいますか、所得税をそのまま移して来ておるというきらいが、多分にあるということを考えられております。当然事業税の性格からいえば、やはり純益課税で行くことが正しい行き方であるから、純益課税としての取扱いが行われなければならないと思うのに、事業税をかけるのにすぐ所得税に基準を置いてかけられておるということで、業者の仲間から非常にたくさん来ておる。そのことのために中小企業というものが、さらに個人が非常に困つておるという実例が、陳情書としてたくさん来ております。読めといえば陳情書がありますから読んでもいいけれども、長くなるから読みませんが、従つてこれを解明いたしますことのために、ひとつ委員長にお聞きを願つておきたいと思いますが、明日でもよろしゆうございますから、直接事業税を取扱つております——大体パーセンテージからいつて一五%程度ふえておりますので、かなり徴税の方は無理が行われておるのではないかというように考えられますので、ごく手近かなところで東京都の主税局長か何かひとつ呼んでもらいまして、そうして実際どういう取扱いをして、どうしておるかということを私どもひとつ聞いておきたいと思う。そのときにやはり同じように参考人として、この所得税、事業税の問題で、今皆さんも御承知のようにいろいろ問題をかもしておりますときに、これを主として東京で取扱つておりますものに國井秀作君という人がおるのですが、この二人を特に呼んでもらつて自治庁財政部長さんに出てもらつて、一体どういうところに、そういう無理が出ておるかということを伺いたい。徴税を見ておりますと、一五%というのは、かなりひどい徴税になると思う。増税になつておるのをずつと見て参りましても、なかなか大きいのであつて、今横路君が言つております市町村民税も十九億七千五百万かよけいとつておるように書いてある。固定資産税が十一億ばかりよけいとれるようになつておりますが、それにいたしましても一番ふえ方の多いのは事業税であるように見受けられるので、その処置を明日でもとつていただきたいということを、まずお願いをいたしておきます。  それから私が文部大臣にお聞きをいたしておきたいと思いますことは、すでに大臣の方が私よりもよく御存じのはずだと思いますので、内容等は申し上げる必要はないと思いますが、明年度就学児童が非常にふえて参ります。そうしてことに中学校の子供が非常にふえて参りまして、一体これをどこに入れるかということで、名地方非常に問題を起しております。従つてこれに対します対策は、当然文部省では講ぜられておるはずだと思いますが、実際われわれの聞いておる範囲では、これは文部省で十分お考えになつていないように、われわれは聞いております。従つて大臣といたしましては来年度急増いたします小中学校の子供を収容する校舎の建築その他の費用について、どういうふうにお考えになつておるのか、また今日までどういうふうな処置がとられておるのか、その点をひとつお聞かせを願つておきたいと思います。
  55. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 お尋ねの問題でありますが、来年は今までと比べまして、入学児童が非常にふえるということになつておりまして、数字もそう正確ではありませんが、大体小中学校を通じて百万、そこで問題になりますのは主として中学校でありますが、中学校の児童も大体五十万人ふえるという見込みになつております。そこで実はこれは非常にうかつな話であつたのでありますが、過去両三年を通じて、こう一挙に激増するということを私はよく知りませんでした。実は打明けたところを申し上げますと、二箇月ぐらいになりますか、まだ二箇月にならぬかもしれませんが、東京都あるいは五大都市の方面から何とかしてもらいたい、こういう非常にせつぱ詰まつた陳情がありまして、実は率直に申し上げますと、当惑したのであります。そこでいろいろ関係省の方にお願いをいたしまして折衝をいたして、これは来年の四月一日から入学する子供のことでありますから、どうしても年度内にとにかく措置をしなければならぬ、こういうまことに焦眉の急に迫つた問題であります。そこでいろいろ折衝いたしました結果、現在到達しました点は、公募債で十億、それから政府資金で五億、合計十五億の起債のわくを認めてもらう、こういうことで現在一応おちついているわけであります。むろんこれは計算の仕方にもよりますし、またこの五十万人急激に増加した児童のために、一体何坪の校舎の増築が必要であるか、こういうことも個々について当つてみなければわからないのでありますが、私どもの方といましては、大体において不十分ながらこれでまかない得るのではないか、こういうふうに考えておるのであります。大体は人口五万以上の郡市を対象といたしまして、これは一応の推定の数字でありますが、一応の推定の数字を立ててみまして、大体これで間に合うのじやないか。実は当初公募債二十億という話もあつたのでありますが、それはいろいろ関係者の方で、そこまではできないということでありました。実はこの公募債というものも、ごく大府県あるいは大都市であれば消化し得るのでありますが、中小のところではこれは絵に描いたもちのようなことになつて、実際は役に立たないので、私どもとしては政府資金を五億円わくを別に認めてもらつた点から見て、むしろ実際にはこの方がいいのじやないかとすら思つておるのであります。私の方でいろいろ数字を検討してみますと、大体十五億円で何とか処理がつく、こういうふうに考えております。ただ建築単価等が、従来二十八年度予算において見積つているその単価によつておりますから、これが事実上不足することは明瞭であります。従つて十五億ということで、全然地方団体の自己資金にまたずに方法が立つかというと、それは心もとない点があります。しかしこれは申し上げるまでもないことでありますが、児童の数の自然増に伴う施設の整備ということは、もうずつと長い間地方団体負担ということでやつておりますので、ことに非常な焦眉の急に迫つてのことでありますから、その辺行き届かぬ点がありましたが、一応これでこの難場を乗り切るように、地方とも協力して行きたい、こう思つております。  なおこれは別のことでありますが、先ほど横路君のお話のうちに、私の言つたことが出ましたから、大体その通りでありますが、ちよつと念のために申し上げておきます。実はこれは政府の内輪の託でありますが、あの当時は大蔵省で、期末手当その他に必要な地方公務員一般に対する費用は、大体半分は国で見る、教職員についてみると、これは義務教育国庫負担法というものがありますから、当然国が半額は負担しなければならない、これは当然な話です。そのあとの半分は、これは一般の地方公務員を通じて、ひとつ節約でやつてもらおう、こういう話があつたのであります。一応国の予算の方は、成立予算は事実節約して緊急な財源に充てるというような措置が再三行われているから、地方でもまずその辺は何とか節約によつて捻出してもらつたらどうか、こういう考え方のようでありました。これは財政当局の考え方です。しかしそれでは教職員の方は、御承知の通り教育委員会ということでやつている関係もありまして、金額も非常に多額に上るので、何とかそういうことでなしに、結局教職員だけが、まま子扱いになるようなおそれがあるものですから、それは困るということを申し述べておつた。これはその当時のことでありまして、全額をそのまま別わくでいわゆる負担の形で出すということは、建前からいつてもできないことでありますし、二分の一ははつきり負担額として出る、あとの二分の一については平衡交付金において財源措置を講ずる、それが地方へ流れたときに、その通り地方が使うかどうかわからぬが、とにかく国としては、あとの二分の一についても、平衡交付金において財源措置をする。私ども当時大蔵省なり自治庁話合いをしておりましたので、こういう点を話したのでありまして、令仰せられたような厳格な意味における負担という問題ではない。二分の一は当然法律によつて国庫負担として計上する。あとの二分の一についても、ただ地方にまかして、何とか節約してやつてくれということでなしに、平衡交付金というものでその財源措置を講ずる、こういう意味で話したのであります。これも新聞が多少間違つて書いたかもしれませんが、正確に言えばそういうわけであります。この点、念のため申し上げておきます。
  56. 門司亮

    門司委員 大臣にもう一つお聞きしておきたいと思います。今のお話で、大体二十億ぐらいのものが、至急なければならないということについて、十五億ばかりのものが、公募債にいたしましても政府資金にいたしましても、いずれにしても起債で出される、私はこういうことだと思います。十五億のうちの十億が公募債でありますと、これは実際から言うと、なかなか困難であります。これを日本銀行が引受けてくれればいいですけれども、なかなか今の日本銀行の行き方ではそう簡単には行かぬと思う。やはり資金の引揚げをやつておりますので、実際上地方公募債でやれと言われてもやれないと思う。従つて授業には相当困難性があるということは、大臣も一応認めておいてもらいたいと思います。  それからさつきの問題で聞いておきたいことは、これば文部省の見解でありますが、同時に大蔵省、自治庁の見解も、この際はつきり聞いておきたいと思います。教育費のこうした負担については、大体当分の間というような文字を使つた法律ではございますが、実際やはり国が半額を負担して行くということが正しいのではないかと私は思います。これはやはり法の適用を受くべきではないかと思います。自然増については従来地方が見ておつたからと、こう言われますけれども、それならほんとうに自然増に対して、あるいは今までの六・三制その他について国が十分のめんどうを見ておつたかというと、そうではございません。実際六・三制実施についてまだ残つているものの数字が必要だとお言いになるなら、文部省から出た数字がここにありますから、申し上げてもいいのですが、実際六・三制実施のためにこれから教室がどのくらいいるのか、さらにこれに対する金額はどのくらいいるのかということも、私の方の計算ではなくて、文部省の計画書の中にちやんと出ている。この文部省の計画書の中に出ている計画をずつと履行して行きまして、大体ことしの五月現在で調べて見ますと、現在のままで当然政府が責任を負うべき筋合いの教室が大体四千五百で、その教室を建てなければ、ほんとうに授業が正常に復しないというような状態なつております。この上になおかつ今度百万近い子供がふえて参るということになつておりますので、従つて地方の自治体に対しましても、今までの分は国がめんどうを見るのだ、今度の分は国はめんどうを見ないのだというようなわけには参らないと思います。また同時に法律の建前から見ましても、当分の問という字を使つておりますけれども、やはり自然増というものは見込まないということではなかつたと思います。ことに今度の問題が大きく出て参りますことは、六・三制実施に最も大きな原因があると思う。六・三制に原因があつて、中学の方がことさらに教室不足を感じておるならば、私は明らかに今の現行法を適用してさしつかえないと考える。従つてこれらの建築費に対しましては、国が当然半額を負担すべきであると思う。これを地方に全部借金の形で——借金をしてもいいということで、借金をして、そうしてわずかに五億だけは国がめんどう見よう、あとの十億はそつちでかつてに借りられるところがあれば借りろという、不親切な行き方では私はいけないと思う。従つて文部省といたしましては、一体この法律の解釈をどうお考えになつておるのか。私がこれを聞きますのは、繰返して申し上げますが、今回の子供の自然増というものの原因は、いろいろあるでございましようが、学校の施設に関する限りは六・三制を実施したということが、やはり最も大きな原因になつておるということを、私ははつきり申し上げてもさしつかえないと思う。従つて当然これは国がその半額を支給すべきだということに、私は結論としてなると思う。この点に対する文部省の見解をはつきりさせておいていただきたいと思います。
  57. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 公募債がなかなか消化困難であるということは、御指摘の通りでありますが、ただ大都市において特に困難の点が非常に多いのでありまして、これは大都市として子供が非常にふえるということはむろんでありますが、それ以外に、御承知の通り他からの転入が非常に多いのであります。従つてこの問題で一番焦慮しておるのは、大都市方面並びにその衛星都市という方面であります。その方面につきましては、東京とか大阪とかいうようなところでありますれば、あるいは兵庫県あたりでも公募公債で、相当程度にはやつて行ける、こういうことをそれぞれ地元でも申しております。ごくいなかの方に行きますと、ふえる人数も少いのでありますから、一校当りにして何人になりますか、これは精密に調べてみなければわからぬが、必ずしも校舎の増築をしなくても、何とか差繰りのつくところも多いかと思います。先ほど申し上げましたように、五億円の政府資金ということであれば、中小都市の方面にも、相当この緊急な事態に応ずることになりますので、先ほど申し上げましたように二十億の公募債よりは、むしろ今回きまつた十億と、それに政府資金五億という方が、むしろ実情に合うのじやないか、多ければいいことはむろんきまつておるのでありますが、私どもとしてはさように考えております。それから自然増に伴う教育施設についての費用の負担の問題でありますが、これは非常に複雑な事務的な点がありますので、もし私が申し上げることが間違つておりますれば、政府委員の方から訂正してもらいますが、私の承知しておるところでは、いわゆる六・三制実施に伴うものとして、国庫の補助が考えられておるということは、つまり義務教育の延長によつて、現在校舎が十分にないにもかかわらず、その準備というものを無視して、義務教育の延長が急速に行われておる。従つてこの延長分に対しては国で世話してやるのが当然である、こういう見地から出ておるものと思います。六・三制実施に伴つて、校舎の雄筆の補助をするということは、これはあるいは間違つていれば直してもらいますが、中学校の問題であると私は承知しております。そのほかに、戦争中その他いろいろな事情によりまして、いわゆる二部制といいますか、正規でない授業が行われておる。これは要するに非常な事態に関連して、従来児童の自然増というものに、その施設の方が立ち遅れた結果、二部教授というようなことが至るところで行われておる。だからこの不正規授業というものを、地方に手伝つて急速に正常にもどしてやらなければならぬ、こういうことから、この二部制解消のための国庫補助という道が開かれたものと思います。従つていずれにしても当分の間とかいうような関係が起るのは、この点であると私は思つておるのであります。結局二部制、そのほか戦災学校の復旧、これは当然であります。それから二部制とか不正規授業の解消という点からするのは、正確に言うと、これは学童の自然増に対して、国が補助の道を講じておる一つの形だと思うのであります。ただ、そういう特殊な関係で、目前の事態に応ずるための補助という制度がありますけれども、御承知のように、私の了解するところでは、学童の自然増に伴うところの教育施設については、地方負担するというのが長い間の地方と中央との教育の負担区分になつておると思つております。義務教育国庫負担ということは数十年前から問題になつておるのでありますが、その場合でも、義務教育費といつても、施設の費用は含まれていない。教職員給与だけに限定して、これが始終論議になつておるということは、教員の給与については国においても、その割合をどうするかは別として、ある程度負担すべきものである、教育施設については、それぞれの地方負担するのだということが、払は昔から一応原則になつておると思うのであります。これがいいか悪いかは別ものといたしまして、そこで今日までその制度が続けられておりまして、今申し上げるように、それが実質においては二部教授の解消の問題であるとか、あるいは義務教育延長に伴うものであるとかいうことで、義務教育の延長に伴つて六・三制ということで、中学校に補助される場合も、六・三制実施の当時の児童生徒数というものを押えて、それに限定して補助をするというのでなしに、実はその後もふえたものについては、ずるずると六・三制ということでやつておる。これは一部自然の増加数というものが、その中へ入り込んでいるということでありまして、実は大蔵省としてはいつまでたつても切りがないということで、予算折衝の場合には、常にそれが問題になつておる、こういうのでありまして、事実上はこの自然増加数に対しても、国である程度の補助をそういう形において出しておりますけれども、建前としては今日まで一応自然増加というものを、地方で責任を持つということになつておる、今度は直接に自然増ということが、たきく問題になつて来ておりますので、これをまつ正面から当然国で何とか補助をしてやつてもらいたいということが、実はなかなか——ことにこれが来年度の問題でなく、差迫つた二十八年度の問題でありますから、これはちよつとやつてみても、あまり見込みがかいというふうに私ども思うものですから、そこで当面の問題として起債ということで、何とか解決をしたい、ただ地方の財政が非常に窮乏し、そうして校舎の建築というような金のかかることは、非常に困難であることは申し上げるまでもないことでありますから、こういう問題につきましてはなお今後努力して、少くとも地方の財政がもつと安定するまでの間でも、こういう補助の道が講ぜられるように努力はいたしたいと思つております。しかし実情はさようなわけで、今すぐそれをどうこう言つてみたところで、なかなかその通りに行くまいと思つておりますから、そのように御了承願います。
  58. 門司亮

    門司委員 大臣の御答弁は、きわめて現実性をよく把握して、御答弁をなさつたように私受取れるのでありますが、しかし理論的に申し上げますと、さつき申し上げたように中学だけでもまだ六・三制の実施のための教室不足数が四千五百幾つかあります。小学校は一万を越えております。この責任は当然政府が負うべきである。従つてもし政府がこの六・三制を完全に実施しようとするなら、文部省が出しておりまする数字を見ましても、大体国費というものについても、非常にたくさんな費用がいるのではないかということが考えられて参るのでありまして、かりに不正常教育というようなものをなくするということになつて参りますと、文部省の統計を見て参りましても、大体百二十五億くらいの金を今出してもらわなければできない、六・三制の解消だけでもできない、こう書いてあるのです。従つて、今回の問題は単に急にみなが考えついたことで、どうも自然増をうつかりしておつたのだ。だから、これは自然増だから、ひとつ今までの法律にあてはめないで、地方で持つてもらいたいという御意見があるならば、前の問題が全部解消しておるなら、私は一応そういうことでうなづけると思う。しかし五千幾つという教室をこしらえなければ足りない。これは中学校の二部教授ですが、現実に中学校が二部教授をやつておりますもの、七十人以上詰め込んでおるもの、あるいは廊下とか昇降口を使つておるもの、あるいは講堂の間仕切りをやつておるもの、あるいは仮校舎でやつておるもの、こういうまつたく不正常教育というか、中学校の子供を七十人以上一つの教室に詰め込んで、一体教育ができるかどうか。たくさんやつているこの二部教授と、不正常教育だけを政府が責任を持つてお片づけになるといたしましても、なお五千幾つかの教室をこしらえなければ足りないのである。これは当然政府の責任である。この問題がもし解消しておるならば、生徒がふえてもそう大して問題にならなかつたと私は思う。子供がふえて問題になつたときには実際上につちもさつちも行かなくなつている。こういう不正常教育の上にまた何万という子供がふえて参りますと、これはどうにもならないのである。従つて単にこれを大臣のお考えのようにものさしの通りに考えて、子供がふえるのは考えていなかつたということでは私は済まされないと思う。これでは政府の責任があまりなさ過ぎると思う。だから私はこの金というものは、従来の不正常教育を解消する一環であるというふうに考えることが私は正しいと思う。私はこの考え方は間違つていないと思う。そう考えて参りますならば、これは当然政府が半額負担すべきである。それを準額負担しないで、そうして全額を起債にして、とにかく起債の認可だけしてやれば、あとは何とか自治体がするであろうというようなことでやられたのでは、地方の自治体はかなわぬと思う。だから私は、文部大臣のお考えとしては、そういうお考えであつては、ほんとうの実情を——こう申し上げると少し大臣に対して言い過ぎると思いますけれども、御存じになつておるかどうかということを疑わざるを得ないのであります。従つてもう一応私ははつきりひとつ答弁をしておいていただきたいと思いますが、それなら大臣は、従来の不正常教育というものについては、国の責任において一体いつこれを解消されるのか。これを私ははつきりこの機会に聞いておきたいと思います。
  59. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 ごもつともでありますが、これは私どもとしては何とか早く解決したい。そのためには国庫補助——これは二部教授、不正常授業の解消という形でも、いろいろの点ができるわけでありますから、新しいむづかしい形でなしに実は解決して行きたい。これはかつてな考えかもしれませんが、そういうことで実は今努力しておりますが、制度本来の趣旨からいえば、やはり当分のうちとか、臨時的な意味で初めできておるのです。実情にはむろん合いません。実情に合わぬけれども、そういうことでできておる。ですからその制度本来の趣旨からいえば、その当時の児童数を押さえて、そうして二部教授をしておるところは、それを解消する。あとからどんどんふえて来て二部教授が解消するどころか、ところによつてはますますふえておるという点は、要するに児童数の増加伴つて施設が追随し得なかつたということでありますから、これは十分なる補助金なり、大蔵省から予算をとればそれで実は行けるわけですが、大蔵省といたしましては、今言うように、これはいつまでたつてもきりがない、きりがないのみならず、だんだん予算額がふえて来るということで、非常に実は難色を持つております。りくつも一応そういうりくつは立ち得るものでありますから、私どもとしては非常に苦慮して、現に二十九年度予算の折衝についても、その問題は大きな問題としてやつておるわけであります。できるだけそういうことにいたしまして、一日も早くちやんとした施設で、子供の教育が行われるようにしたいということを、切に思つておるのでありますが、何分やはり財政の問題でありますから、りくつはりくつとして、また現在の事情は事情といたしましても、なかなか一挙に解決しがたい。そこで、実はそういう種類の国庫補助は、大蔵省との今までの話合いで、二十八年度と二十九年度と、この二箇年度において解決するという話になつておるようであります。けれども、それでは困りますから、あらためて年次計画を立てて、大蔵省等に当りたいということで、せつかく今折衝しておるのであります。そういうことで、実はおつしやる通りと思いますが、政府側の財政と関連する場合の話は、今申し上げるような事情になつております。この上ともその点については努力したいと思います。
  60. 門司亮

    門司委員 それは文部大臣の意見としては、少し弱過ぎると思います。これはよけいなことですが、文部大臣としてはもう少し十分に、現在の教育の状況を見ていただきたい。実は小学校中学校合せて一万幾らという教室が足らないのでありまして、これが解消しておれば、さつき申し上げたように今回の問題は、こう大きな問題にならなかつたと思う。また地方でも、これが解消しておれば、こういうようなことはなかつたと思う。いずれにいたしましても、これは地方にも一面の責任があるかもしれませんが、実は文部当局に大きな責任がある。従来の問題を解消していなかつたということ、大臣もさつき率直に認められましたように、児童数がふえることを考えておらなかつたということが、私は一つの大きな問題だと思う。従つて文部当局は、そういう弱いことでなくて、もう少し大蔵省に強く当つてもらいたい。この点は特に大臣にお願いしておきませんと、地方自治体の財政は御存じのように非常に逼迫いたしております。そして、当然国が見るべき二分の一の補助があれば、ある程度の教室ができておつたと思いますし、また中学校だけでもここに四千五百という数字が上つておりますけれども、かりにこれのめんどうを国が見ておつたとすれば、それだけでもこれの半分は解消しておると思う。小中学校の一万幾つの教室が足りないのも、国が十分めんどうを見ておれば、地方が一銭も出さなくても半分は数字的にいつて、一応解決できておるということが、多少横道の議論であるが考えられる。従つて国といたしましては、現行法律が生きております以上は、少くとも学校教育に関する限りにおいては、これを十分見てもらいたい。私がこのことを非常に心配いたしておりますのは、もし公募公債その他が十分できなかつた場合は、ただちに寄付金その他で、これが事実上の問題として地方住民にかぶされて来るのであります。国が二分の一補助するといつておりますけれども、実際は二分の一でありませんで、敷地、施設費などについてはあまりめんどうを見ておりません。従つてこれらの問題は地方住民の負担なつて来る。地方自治体の二十億なければならないというのは、単に政府に交渉のできる範囲の二十億であつて、そのほかの敷地の問題であるとか、あるいは教育施設の問題であるとかいうような費用は、この二十億の中に含まれておらないと思う。そういたしますと、その分もやはり地方が出さなければなりません、あるいはこれをPTAにお願いするか、地方住民の負担なつております。この点大臣として特にひとつお考えを願つておきたいと思います。大臣の答弁はきわめて率直でありますので、私はそれ以上質問をしようと思いません。  次に自治庁にこの機会にお伺いしておきたいと思います。今文部大臣からお伺いいたしますと、政府資金を国で大体五億出す、公募債で十億出す、十五億で大体まかなつてもらいたい、こういうことでありますが、自治庁の立場からいつて、この十億が公募債によつて、はたして消化し切れるかどうか、もし消化し切れながつた場合は、どういうふうにお考えになつておるのか、伺いたい。
  61. 後藤博

    後藤説明員 十五億のうち、五億が政府資金でありますので、これはできるだけ中都市にうまくまわして、大都市公募でやる、こういう気持でおります。従つて、大都市公募は可能であるかどうかということでありますが、私は現在の大都市は大体可能ではないかと思います。昔のことを考えますと、大都市の現在持つております起債は、全体の起債の中で非常に低いのであります。現在の大都市はこの程度のことは可能ではないか、かように考えております。中都市以下に政府資金をまわして、大都市公募をまわして行きたい、かように考えております。
  62. 門司亮

    門司委員 私はそういうことを聞いているのではなくして、もし起債消化し切れながつたら、自治庁は一体どういうふうに対処するかということを開いているのです。
  63. 後藤博

    後藤説明員 私どもは現在の大都市における財政状況、また大都市の金融機関の状況では借り得るのではないか、従つて現在この程度のものは消化し得る、こういう見通しをつけておるのでございます。消化し得ないということは現在考えておりません。
  64. 門司亮

    門司委員 消化し得ないということを考えていないというのなら、それ以上は水かけ論になりますから、申し上げません。  それからもう一つの問題を聞いておきたいと思います。先ほど文部大臣の意見としては、自然増その他については大体見ないという方針で進まれておるようであります。しかし私がさつきから申し上げておりますように、今度の問題も単なる自然増として、これを片づけていいかどうかということになると、一つの疑問があると思います。それはさつきから申し上げておりますように、前になすべきことをなさないでおりますから、不正常教育が非常にたくさんある。異常にふえたから困つておる。もし不正常教育が、四百五十幾つというような教室が中学校だけでもなくなつておる、あるいは小学校の一万一千の教室の不足がなくなつておるということなら、今日ふえたこともそう大騒ぎしなくても、二部教授あるいはその他をやれば片づくのである。しかしどうにも入れることのできないような状態にまで追い込まれておるから、実際上の問題が起つておる。従つてこれは当然国が今までの二部教授を——完全実施をする一つのしりぬぐいというと、少し言い過ぎかもしれませんが、その一環として当然国がめんどうを見るべきであるというように考える。この考え方について自治庁は一体どういうお考えをお打ちになつておりますか。
  65. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは当然私どもとしては、やはりめんどうを見なければならない性質のものであると考えております。
  66. 門司亮

    門司委員 そうすると文部大臣の意見と自治庁の長打の意見と、ちよつと違うわけでありまして、大蔵省はこれに対してどうお考えになりますが、大蔵省は来ておりませんか。
  67. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 今呼んでおりますから、ちよつとお持ちください。後刻大蔵省から主計官が参ります。
  68. 門司亮

    門司委員 一応大蔵省に来ていただいて、なおこの問題を少し聞きたいと思います。あと大蔵省がおいでになつてから質問します。
  69. 加藤精三

  70. 横路節雄

    横路委員 私自治庁長官にお尋ねしたいのですけれども、その前に文部大臣にお伺いいたします。先ほど文部大臣、お答えの中で、私もいわゆる全額国の費用で見るということは、義務教育国庫負担法に基いて半額は国庫負担金、残りの半分については、地方の財政のやりくりでなしに、平衝交付金で見てもらうのだ、こういう話なんですが、その点学校の職員についてそうなつておりましようか。実はそういうふうに二十日の日に御答弁なつておりますが、今でも実際そうなのかということをお尋ねしたい。
  71. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 その通りなつております。
  72. 横路節雄

    横路委員 それでは自治庁長官にお尋ねいたします。実は長官も御承知だと思いますが、ちようど昨年の募れも年末手当の件が問題になりましたが、そうして〇・二五についてそれぞれ措置をすることになつたわけであります。ところが国家公務員については、既定経費のやりくりでできましたけれども地方公務員についてはできないために、この点につきましては遂に地方債並びに公募公債合せて約四十一億で措置したわけであります。この点につきましては、私は当然二十八年度平衡交付金総額の中で、これは解消しなければ、年末手当を公募公債でやるということは、これは私は国のいわゆる給与の建前からいつてもうまくないと思う。今度これで二十八年度地方財政計画終りますので、その点はどうなさつておるのか。どうもきよう出された計画書を見ましても、その点がないのであります。その点はどうなつておりますか、お聞きしたいと思います。
  73. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは昨年度のことで、私もその後の措置をよく気をつけておりませんでしたのですが、ただいま確かめましたところによりますと、二十八年度財政計画の中には、平衡交付金の中で公債費という形で元利を計上して平衡交付金というものの総額は算出してある。従つて二十八年度の当初の財政計画において、平衡交付金の算出の基礎の中に、それも織り込んでそういうものができておる、こういうようになつておるそうであります。
  74. 横路節雄

    横路委員 今の大臣の御答弁は、私は初めてお聞きするわけなのです。二十八年度地方財政計画の中で、平衡交付金の中に四十一億はちやんとぶち込んで計算してあるのだということは、私は初めて聞きました。これは大臣に、前の予算委員会でも何べんも聞いておるのだが、それが事実ならば、その通りここでお聞きしておきますが、それでよろしゆうございますか。
  75. 後藤博

    後藤説明員 昨年度の四十一億は、昨年の財政計画としては、平衡交付金にかわるべきものとして財源措置を一応したという、かつこうになつておることは、先ほど申し上げた通りであります。本年の財政計画の中には、その元利償還分を見ておるということであります。ただ平衡交付金の中には見ていないが、財政計画の中には見ておる、こういうことであります。
  76. 横路節雄

    横路委員 これはだんだん聞きたいと思いますが、また適当なときに聞きます。私は長官にお尋ねしたいのですが、きようは実は地方財政計画を出されまして、ちよつとびつくりしました。この岡の十七国会のときには、実は水害や冷害のために、地方税は三十五億減になつておるわけであります。ところが今度は地方の二十八年度当初計画よりは、約五十四億増になるので、差引水害とか冷害について三十五億の減だが、結局そういうものをやると実際に八十億からの増になるわけです。もしも水害、冷害がなかつたら八十億増になるわけです。そういう八十億もの地方税の増という算定の基礎は、一体どこにあるのか。このことは特に冷害や水害を受けなかつた地方に、それが全部かぶるということになるので、八十億も増になる算定の基礎は、一体国内のどういうところに、そういう経済状態があるのか、長官にそれをお聞きしたい。
  77. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 財政計画の立て方は、そういうふうにはなつておらないのでありまして、今度の増収は年間を通じての全増収であります。従つて純粋にふえたのはこの前の三十五億を、今度の増収額から控除した額が純粋にふえた額となつております。従つてこの前は三十五億減収しておりますから、この前の補正予算のときには三十五側という減収を頭において、それを特例法による起債でもつて部分、それから一部分は特別平衡交付金まわつておるものもあるわけでありますが、そういうふうにして、三十五億は別の措置で埋めてあるのでありますから、今度は全増収をこの計画の上に出してある、こういう関係なつているわけであります。
  78. 横路節雄

    横路委員 長官の言われたような御説明であれば、実はこの間出されました二十八年度災害関係地方財政計画の中では、いわゆる地方税が三十五億の減だというので、百八十六億実際財源が必要なのだが、どうも財源が見当らないので、いわゆる地方費の単独施行事業費の中から五十八億を削つた。それは、もしも自然増が今のように五十四億もあるということであれば、それは当然既定経費の振替をしないで、自然増の中でやればいい、ところがそういうものはないのだ、こういう建前に立つて五十八億のいわゆる単独事業費の振替をして、このことが救農土木事業その他のものに、実に甚大なるところの影響を及ぼしておるのであります。だから、今大臣がおつしやるように、当然この三十五億についてはそれぞれ別途だということは、この前の計画において一応済んでいるが、それであれば五十八億の切つた分は、今度は当然浮かして来なければならぬ。五十四億の財源があつたと、こういうのですが、一方では、ただいまでは財源がないからといつてつておく、今度はよく調べてみたら、そつちはそつちで削つたが、地方税の方ではひそかに数えていたので、そのうちで〇・二五見るのですということでは、あまりにも地方財政計画を立てる上において、地方団体を圧迫することにはならないでしようか。
  79. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これはそういう考え方ではないのでありまして、あの財政計画は第一次の補正をいたしますときには、国の場合もそうでありましたし、地方の場合においても大体そうであつたのでありますが、第二次補正というものを大体頭に描いておいてやつたわけであります。この前の単独事業を削りましたのは、国の方針と合せて、しかもそれを削つたけれども、一方において災害の細則単独事業が相当ふえましたので、総額においては相当ふえておりますので、そこのところで総額のふえ方と、一方災害のないときに考えていたものを一部分つて、その差額だけが純増になつたわけであります。そういう考え方で、あれは削つたわけであります。従つて財政計画といたしましては、一次と二次を通じて切るべきものは切り、それから財源があると考えられるものは全部出し、そうして必要な支出は全部出して、そこでつじつまを合せたというかつこうになつておるのであります。
  80. 横路節雄

    横路委員 そこで長官にお尋ねしたいのですが、先ほどの文部大臣の御説明の中で、学校教職員に関しましては、半額の〇・二五については、義務教育国庫負担法の中の国庫負担金で見て、残りの半額の〇・二五につきましては平衡交付金で見ました、だから夫年のように地方には迷惑をかけません、こういうお話があつたが、財政部長地方財政計画説明かがら行くと、私はどうもその点がふに落ちないのです。というのは、この平衡交付金については、いわゆる全額見ておれば私も文句はないのですが、どうもそうでないように思うのですけれども、この点は文部大臣のお考えは正しいでしようか。これはどうも見ていないのではないかと思うのですが、その点おわかりでしようか。学校教職員について、〇・二五については平衡交付金で全額見ているとは考は思わないが、文部六臣は先ほど、いわゆる〇・二五については全額平衡交付金で見ていますと言われましたが、この点長官としてはどう考えられましようか。
  81. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 全体の今度の給与改訂、ベース・アップ、それから〇・五の増加というものを含めて考えておるのが、われわれの立場でありまして、そういう観点から地方負担増というものがどれだけあるか、それからして、それに対して見込まれる増収というものが、税の面でどれだけあるか、差引どれだけのものが足りないかという考え方で、そこの不足分が平衡交付金で埋められてある、こういう関係なつておるのであります。ただそれを分解してみると、かりに七十六億の平衡交付金の分は、今度そういう内容分解をしてみると、〇・二五の分は、御指摘のように半分は税で見るという考え方で、それからしてベース・アップの分は、全額平衡交付金で見るという考え方で、ぴつたりとつじつまが合うと、こういうように文部大臣は内容を説明されておりますので、その点は文部大臣のお考えはちつとも間違つておらぬ。そうして自治庁といたしましては、地方財政計画全体として必要なだけの財源措置は、今度の措置で十分できている、こういう形であります。
  82. 横路節雄

    横路委員 そうすると、長官も文部大臣の答弁に賛意を表されたというわけですか。文部大臣は、〇・二五については国庫負担金で見た、残りの〇・二五については平衡交付金で見ましたと言う。決して、いわゆる税の自然増だとか、既定経費の節約だとかいう内容を含めているのではないのです。〇・五のうち〇・二五は国庫負担金で見ました、そうして文部大臣は、残りの〇・二五については平衡交付金で見ました。だから去年のように地方には迷惑をかけませんと、こう言つているのです。私はそのことをお尋ねしたい。〇・二五については、やはり文部大臣のお答えの通り平衡交付金で見てありますかと聞いておるわけで、それでよければいいのです。
  83. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 それはもちろん見ているのでありますが、さらにつけ加えて申しますれば、今度の給与改訂及び年末手当による地方負担増加分は、必要な分、つまり増収でまかなえない分というものは、全額これは平衡交付金で——単に〇・二五のものだけではなしに、全額必要なだけは平衡交付金で見てある、こういうのであります。
  84. 横路節雄

    横路委員 私は期末手当勤勉手当について大臣に聞いているのです。私はほかのことを聞いているのではありません。地方税の五十四億の増のうちから、このうち幾ら見るかということを聞いているのではありません。私は文部大臣にもそうお尋ねしたのです。期末手当〇・二五、勤勉手当〇・二五、合せて〇・五のうち、〇・二五は国庫負担金で見ました、〇・二五は平衡交付金で見ましたという、私はそのことを聞いているのです。長官はあとなつてから、——私は重ねて別の機会に聞きますが、それで間違いございませんか、それを念を押しておきます。私はこの財政計画は、平衡交付金では全額見ていないと思う。平衡交付金では、全額見るべきものを見ないで、五十四億税が増になつたというので見ているのだ、従つて一部は平衡交付金、一部は自然増という考え方なんだが、私はそういう意味で文部大臣に聞いたら、文部大臣は、そうでないので、残りの〇・二五については、ちやんと平衡交付金で見てありますと、こう言つている。これは速記に間違いなく載つている。私はそうお尋ねしたのだ。私は長官にその点をお尋ねいたします。
  85. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 私の申し上げたことが、ちよつとあるいはその言い方が悪かつたかもしれませんが、私の申し上げたのは、国庫負担金で二分の一を見る、これはもう当然のことでありますから、それで国庫負担金の中で二分の一は見ておる。あとの二分の一というものに対する財源措置は、平衡交付金において考えられておる、こういうことを申し上げたのであつて、これは義務教育費、教職員関係する分である。こういうひもつきで平衡交付金の中に入つているということを申し上げたのではないのであります。平衡交付金の中において、それの財源措置が考慮せられておるはずだ、こういうことを申し上げたのでありまして、平衡交付金としてはやはり財政需要と財政収入とを勘案して、そうして全体としての数字が出るのでありますから、財源措置は平衡交付金において認めておるのであつて、二分の一に対する残り財源措置というものは全然講じてない、こういう意味ではない、こういうことから、決してひもつきで——あれは大体義務教育費については、約十七億というものが、義務教育費のうちに入つております。これは半額負担として、その十七億というものがそのままそつくり義務教育費分として平衡交付金の中に考えられているということを申し上げたのではないので、むろん基準需要としては、十七億というものが中へ入つて、そうして平衡交付金の算定として、全体の平衡交付金の額が出て来た、こういうふうに御承知を願いたいので、決してその十七億がそのままひもつきで中に入つている、こういう意味を申し上げたのではないのでありますから、これは当然平衡交付金の性質上、そういうものだと思つておりますが、その意味で御了承願いたいと思います。
  86. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 横路君にちよつとご相談しますが……。
  87. 横路節雄

    横路委員 一つだけで、私もこれで終りますから……。
  88. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 時間を節約しようというのじやないですけれども、あの論議の内容しついて、結局文部大臣の言われたのは国庫負担金で半額、残り財政計画上の節約でなしに、財政計画上に歳入を立てているということなんでしよう。それでその点はいろいろ言葉の問題もありますので、体その程度にしていただければ……。
  89. 横路節雄

    横路委員 文部大臣は平衡交付金について払が誤解しておると思われているが、それは逆なんですよ。私は文部大臣が平衡交付金について間違つて考えられておるのではないかと思つているんです。
  90. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 それは術語の使い方の問題ですよ。
  91. 横路節雄

    横路委員 そうじやない。それは非常に大事なことです。払は先ほど文部大臣のお話を端的に聞いたのです。それは〇・五のうち〇・二五は国庫負担金で見てある、残りの〇・二五については平衡交付金で見てあるのですかと聞いたら、そうですと言つた。それならそれでいいんです。そこであらためてお尋ねするが、文部大臣それでよろしゆうございましようか。それだけ聞いておきたい。
  92. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 私がそうでありますということは、平衡交付金において残りの二分の一に対する財源措置は講じてある、こういうことを申し上げたのであります。
  93. 横路節雄

    横路委員 平衡交付金についてはひもつきではないのです。だから義務教育国庫負担法のように、半額を支出することになつたことは、私も十分了解しておる。ただ私は文部大臣がおつしやつている〇・二五について、は、平衡交付金の中で見ているというふうに誤解なさつておるのではないか。それはどうしてかというと、実は〇・二五については、平衡交付金である一部を見、その他の部分について税の自然増その他で見ているのだけれども、文部大臣実はこの点は都道府県地方財政に及ぼす圧迫が非常に大きいと思う。だから私は文部大臣のおつしやる通り、〇・二五は平衡交付金で見てもらいたいので、大臣としてはどうかと聞いたところが、大臣はそうですというから、私は長官にそれじや〇・二五を見ておるのかと聞いたら見てないと言うから、意見が違うではございませんか、こう言つた。その点どうですか。
  94. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 今おつしやいましたように、地方における自然増収とか、そういうものを合せてその財源措置が計じてある。こういう意味で申し上げたのでありますから御了承願いたい。
  95. 門司亮

    門司委員 私はさつきの続きを大蔵省の来る前に聞いておきたい。これは自治庁に聞いておきたいのですが、文部大臣から十億を公募債で、あと五億を資金部、こういうお話ですが、これに間違いございませんか。巷間伝えられるところを聞いておると、十億の公債は弾丸道路か何かの形で削られたという話があるんだが、それは間違いでしような。十億に間違いないでしような。どつちがほんとうですか。
  96. 後藤博

    後藤説明員 非常に痛いところとつかれたのですが、私ども財政計画上では、十五億の起債の内訳は今まだはつきりきめておりませんが、弾丸道路も一部含まつておる。こういうふりに私どもは含めておるつもりでおります。ですから十五億まるつきり中学校の分にはまわせないのではないか、かように私どもは考えておるのであります。十五億のうちできるだけたくさんまわして行きたいという気持はございます。
  97. 門司亮

    門司委員 非常に大きな問題ですが、文部大臣は十億が大体認められて、それに五億を足して十五億で、大体地方要求の二十億に対してはこれでいいだろうというお話なんです。ところが自治庁の方は三億削るんだということになると、これは非常に大きな問題だと思うんですが、これに対して自治庁はどうお考えになつているか。これは自治庁の諸君は、よく聞いておいてもらいたいんだが、そういう食い違いがあつては困る。
  98. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 門司さんに申し上げますが、まだ政府の方ではつきり固まつていないらしいので、この答弁はこの次の委員会にまわしていただけないでしようか。御了承願います。
  99. 門司亮

    門司委員 文部省と自治庁と大蔵省との間に食い違いがあるということになると、非常に大きな問題を起しますから、できれば大蔵大臣にも来てもらつて、三人の大臣からはつきりしてもらいたいと思つて、大蔵省に要求しておるのだが、大蔵省は出て来ないから、とりあえず自治庁に聞いておるのだが……。
  100. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 この次の委員会答弁してもらうことにしたいと思います。
  101. 門司亮

    門司委員 問題は、地方の学校の問題を解消するために、二十億いるのを十億に削つて、これも財政の規模の問題からいえば、あるいはやむを得ぬかもしれませんが、しかし文部省としては十億が大体学校に使われるのだと解釈しておる、——ここに私ははつきり言わないで解釈という言葉を使つておいてもよいと思います。ところが自治庁の方に行けば、その解釈が怪しくなつて来て、自治庁の十億という公募公債というものは、道路その他を含んだものだということになつて参りますと、非常に大きな違いがある。従つてそれを大蔵省は一体どう考えておるのか。これをはつきり聞かないと、われわれの納得が行かない。だからこの問題はもし自治庁の方で、できるならばはつきりしてもらいたい。はつきりできないならば、大蔵省に来てもらつて片づけておかぬと、ぐあいが悪い。
  102. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 実は今確めましたところ、昨日になつてそういう話が大蔵省からあつたということであります。自治庁といたしましてそれを承知しておるという考え方ではないのでありまして、一応まだ折衡の余地があると思いますので、折衝いたしまして、部内の意見を統一いたした上で、お答え申し上げたいと思います。私どもといたしましては二十億必要であるという財政計画のもとに、計画を立てて必要額の措置をしたのでありますから、十五億の全部が行くように、ぜひ措置をいたしたい、こういうように考えております。
  103. 加藤精三

  104. 滝井義高

    滝井委員 横路君が大分同じことを触れましたので、簡単にしたいと思いますが、この地方財政計画災害に伴う三十五億の減収と、今度新しく地方税が非常に増加をして出て来ておる問題です。一応県税についてはそのままにしておきまして、市町村民税あるいは固定資産税でありますが、固定資産税は償却資産増加その他で、こういうことになるということだつたのです。先般の災害の大きなところの市町村民税は大体十億の減少を来し、固定資産税は十一億の減収を来すということだつた。大臣のさいぜんの答弁では、そういうものを全部見込んでの上の増収が、こういうように第二次補正予算に伴うところの地方財政計画なつて出て来るのだということでございますが、どうもそれでは市町村民税が今度の財政計画で十九億も増加をして来、固定資産税が十一億、これは一応償却資産その他を考えて納得するにしても、市町村民税の十九億、前の減収の十一億を加えると約三十憾の増加なつて来るわけであります。こういう水増し的な地方税の見積りということは、どうも納得が行かない。解散の後、この地方行政委員会が成立して以来、われわれの論議の対象といものは、現在地方財政というものは非常に赤字になつおるといういろいろの問題を論議をして来たのです。それが年度末になつて、ベース・アップ、期手当寺にからまつて政府地方公共団体と間の、いろいろの税収その他の見積りの相違から、絶えずこういう混乱した問題が起つて来る。われわれはそういう事態を反省をして、この委員会が成立した当初において問題になつたのは、地方公務員のベースが国家公務員より高いのだということが、地方財政の赤字の一つの大きな原因であつたということ、それから学校の見積りというものが、政府は一人当り〇・七坪と見積つたが、実際現実に地方公共団体を見ると、これが〇・九坪になつておる。こういうところに大きな赤字の原因があつたということを、われわれは反省して来たはずなのであります。ところがそういう反省をしたわれわれがこの二十八年度も押し迫つたこの時期になつて、一箇月前には三十五億の税の不足があつたものを、今度はそれが五十何億も増加して来るという、こういう見積りの仕方、これはまたベース・アップにからまつて、当然地方自治体における大きな問題をあとに残すものである。すでにそういうことで起つた赤字を補填するために、再建整備のための議案も継続審査としてこの委員会にかかつておる。あるいは地方制度調査会においても、その答申をやつておるという、こういう事態があるわけです。そういう事態がある中において、どうもわれわれの納得行かないような、こういう地方財政計画——なるほど数字の上では、こうなることは自由かもしれませんが、現実の事態としては、地方公共団体にこういう税収の増が出て来ておつたにしても、一切が災害に使われて今はない。現実に私が二、三の筑豊炭田における富裕な市町村を当つてみても、どこへ行つても年末になつて、予算の組みかえをやつておる。既定経費の大幅な削減をやつておる。これは水害のためにそうせざるを得ないのです。それを今度は税の五十何億の増収予算に見込んでベース・アップをするというならば、必然的に赤字が累増されることは、現実の事態として火を見るよりも明らかである。われわれは財政計画を紙の上で論議しても始まらない。現実の事態はすでに赤字があるので、われわれは財政の再建整備計画まで立てて行つたのですが、これは当然大臣も地方自治庁の長官として認めておられると思う。従つて問題はこういう現実の事態に立つた場合に、こういう財政計画を立てて、この赤字の中において、地方団体はベース・アップができるかどうかということであります。大臣は現実にベース・アップができるとお考えですか。
  105. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは昨年より非常に問題があるので、今度は私どもといたしましても、国の方針に従つて地方ができないということになつては非常に困る。しかも国の財政措置が十分でないために、それが原因になつて、できないということになつてはいけないと思いまして、最大限の措置をしたわけであります。しかしどんなに措置をいたしましても、財政計画というものを立てます場合は、それはそのときに考えられるあらゆる負担増加、支出の増加と、あらゆる収入の増加というものを比較検討いたしまして、その差額を国が地方に対してめんどうを見るという基本の原則は、かえることはできないのでありますから、そういう考え方で措置をしたわけであります。ちよつとあなたも御指摘になりました税の点でありますが、これは先ほどもお答えいたしましたように、今御指摘のようにお考えくださるならば、今度の増収から前回の減収を差引いたものが、財政計画の上では純増として見られておる、こういう関係でございます。ただそれを差引いて今度の財政計画の上で収入として見ないで、全額を見ましたのは、前回は減収というものを立てて、それを別の面で、つまり起債という形でもつて、めんどうを見るということにして、財源措置をいたしておりますので、前回の減収というものは、前回の補正予算財源措置がついておる。従つてそれをゼロと見て、今度は増収を百パーセント計上した、こういう関係なつておるのでありますから、その点御了承願います。
  106. 床次徳二

    床次委員 ただいま自治庁長官から御答弁がありましたが、ただいまの御答弁は、本年度修正地方財政計画に関する御説明と思う。しかしベース・アップの問題につきましては、本年度に限らず、来年度地方財政計画に、非常に大きな影響を持つて参りますので、本年度実施いたしましたところのベース・アップによるところの計画が、はたしてそのまま実行できるかどうかということは、地方財政計画上非常に大きな問題なんです。この点におきまして、自治庁といたしまして明年度地方財政計画に対する見通しを持つて、本年度のベース・アップもやつておられるだろうと思いますが、お手元になかつたならば。本日でなくて明日でよろしゆうございますから、明日の機会におきまして、明年度地方財政計画中におけるところのベース・アップの数字がどうなるか。またその財源に対して、大体お見込みを持つておられるかどうかということについて、大要について御意見をぜひお聞かせ願いたい。
  107. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 今度のベース・アツプをいたしますと、今自治庁計算をいたしております数字では、来年度は二百五十億を年間を通じて必要とする、こういうことになつておるわけであります。従つてこの数字は大蔵省当局において、今度国がベース・アツプをいたしまして二十九年度における国の必要な増加額というものも考えると同町に、地方増加額というものも考えておるはずでありますから、これを明年の財政計画の上では、国が措置できると同時に、地方も必ず措置できるものである。また措置しなければならないものである、こういうように考えております。
  108. 滝井義高

    滝井委員 大体において前の質問から関連して行きますが、今度の地方財政計画に載つております地方公務員の年末手当あるいは勤勉手当ベース改訂の財政的な措置というものは、一般の地方職員と学校関係なつておる。そうしますとこの中には国の委任事務と、国の補助事業に携わる地方職員の措置がこの財政計画を見ると、出ていないようであります。それはしてあるのでしようか、それともしていないのでありますか。
  109. 柴田護

    ○柴田説明員 お答えいたします。全額負担職員につきましては、別途国庫予算に計上されておりまして、それによつて措置されております。一部負担のものにつきましては、従来から事業費的な見方をしておりまして、べース・アップをする場合に考えておりません。
  110. 滝井義高

    滝井委員 そうすると全額負担のものについては、今度のこの財政措置が行われており、一部負担のものは行われていない、こう了解してさしつかえありませんね。  そうすると、全国百三十万の地方公共団体職員の中で、国の一部負担職員は、大体どの程度でございますか。
  111. 柴田護

    ○柴田説明員 お答えいたします。私ども調査では定数としては約十万見当、実数がどれくらいあるかは調査中でありまして、現在調べておりましてわかりません。
  112. 滝井義高

    滝井委員 それはそれくらいにしまして、大臣が忙がれておるようでありますので、大臣にお伺いしたいと思います。次は地方財政平衡交付金の問題ですが、今度の財政措置で期末手当勤勉手当で三十六億と給与改訂のために四十億、計七十六億の地方財政平衡交付金が措置されておる。従つて千三百億の当初予算に七十六億足しますと千三百七十六億円になる。そうしますと今度の予算の中で、町村合併促進のために七億の予算が計上をされておるわけなんです。この町村合併の促進については、いずれまたあとで伺いますが、平衡交付金に関連する分だけを抜き出して、尋ねたいと思うのですが、聞くところによりますと、七億円ではとうてい当初計画されておつた推進はできないと思います。聞くところによると、自治庁は特別平衡交付金の中から二億五千万円くらい出して七億に足してやるというお考えがあるというように聞いてありますが、その通り特別平衡交付金の中から二億五千万円を出すつもりなんですか。
  113. 後藤博

    後藤説明員 お説の通に考えております。特別平衡交付金から出すつもりであります。
  114. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと、特別交付金は八%ですから、千三百億の中から平衡交付金として出て行くものは、百四億そこらである。災害その他で、特別平衡交付金が相当出ておると思うのですが、町村合併促進のために二億五千万円を七億に加えて使うと、特別平衡交付金に不足を来すことがないかどうかということと、さらに町村合併によつて、当然特別平衡交付金なり平衡交付金は合併した町村に、加えたものが行くことになります。そうしますと、ここに特別平衡交付金あるいは平衡交付金全般について、問題が出て来る可能性があるじやないかと思いますが、現在給与関係だけの七十六億の増加だけで、現在千三百七十六億で、そういうものまでまかなつて十分であるのかどうか、この点ひとつ明快に御答弁願います。
  115. 柴田護

    ○柴田説明員 昨年度の特別平衡交付金を交付する場合に、それぞれ交付要因を定めて客観的資料によつて、所要額を算出するわけでありますが、昨年度の交付要因として掲げましたものの中で、本年度は不要になる。本年度顧慮しないでもいいものもあるわけであります。それから災害に相当程度さかなければならぬということも顧慮に入れております。特別平衡交付金全体としては、相当苦しいのでありますが、町村合併促進法という法律の持つておる趣旨等から考えまして、これも重点的に見て参りたい。そうして十分じやございませんけれども、大体何とかやつて行けるのじやないか、かように考えております。
  116. 滝井義高

    滝井委員 それから災害のために出ておるところの地方財政起債特例に関する法律の政令でございますが、何か昨日の本会議であつたか、十月二十八日に政令を出したという答弁が、どの大臣からかあつたと思いますが、地方財政起債に関する特例の政令を出しておりますか。
  117. 後藤博

    後藤説明員 特例法の政令を出しましたのは、二十八日だつたと思います。
  118. 滝井義高

    滝井委員 それでは私はこれで終ります。
  119. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 大石君。
  120. 大石ヨシエ

    ○大石委員 文部大臣が非常に急いでおられますので、私は簡単に質問したいと思います。私はちようど三箇月の間、こちらを留守にしておりましたので、その後の様子を存じ上げませんが、教育制度調査会の答申は、いかにお考えでございますか。道府県教育委員会とそれから五大都市の教育委員会を存置されること、この点について文部大臣はどういうようにお考えになつておるか、事詳細は私は聞きたい。
  121. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 教育制度調査会というのは何か言い違いで、地方制度調査会という意味だろうと思いますが、地方制度調査会において、現在の教育委員の制度を改めた方がよろしいという答申がありましたことは、私も承知しております。私といたしましてはでき得る限り答申については尊重して参りたいと思いますけれども、しかし私が文部省の立場において考えておりますところによれば、教育委員の制度というものは、戦後におけるわが国の学校教育の一つの重要な基本として定められた制度でありまして、今日これを廃止し、あるいは任意設置するという段階ではないと信じておりますので、これはまだ政府としてその地方制度調査会の答申に基いて、どういう施策をとるかということはきまつておりませんけれども、文部省に関する限りは、この答申にはこのまま同意するということはできない、かように考えております。
  122. 大石ヨシエ

    ○大石委員 それでは大臣にお伺いいたしますが、大臣は地方制度調査会の答申に基くことを、そのまま負うことはできないとおつしやいますね。しからばこの言に責任を持つてくださいますね。私は京都府の二区から出ておりますが、特別市制というものが、警察制度、今度は教育委員会、こういうものをだんだん設置して、そうして都会集中主義になつておる。そうするとよい先生は都会へ都会へと行つて、そうしていなかに悪い先生ばかりが残つておる。そうして地域給もいなかの先生は非常に恵まれない。そうして都会は五級地である。いなかは非常に物が高い。それにもかかわらず、現在その五大都市に特権的制度かできるということは、私はこれに対して反対するものです。あなたはここで私の意見に御賛成くださいますか、責任を持つてくださいますか。この点をお伺いする次第です。
  123. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 五大都市に限つて、これを府県の教育委員と離した独立の教育委員として置く。こういうことは私案は詳細にはその趣旨を存じませんが、しかしその前提として一般に市町村教育委員というものを廃止するということの前提がありまして、そうしてその廃止する場合においても、この五大都市のような大きなところでは、これを廃止することは適当でないから、これは存置する、こういう意味だろうと実は思つておるのであります。私は先ほど申し上げましてように、現在の市町村教育委員会の制度を今——存廃はもちろんでありますが、この制度に今手を触れることは、適当でないと考えておるのでありまして、その点におきましては、今大石さんのおつしやるのと同じ意見であります。
  124. 大石ヨシエ

    ○大石委員 私は府県教育委員会制度、かく申しておるのです。それにまた五大都市に、そうした教育委員制度が夜けられることに対して反対するものであります。それはなぜかというと、都会集権主義になつて、いわゆる五大都市は特権的な制度になる。この意味について私はあくまで反対するものでありますから、あなたも私に同調していただきたい、もしこれに反対したら私は承知しませんから、どうぞ御承知願いたい。
  125. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 ちよつと私、あるいはお取違えになつておるかもしれぬと思いますから、念のために申し上げてお直ますが、私は五大都市に限らず、現在の市の教育委員というものもやめるということには、実は反対なのであります。置くのであります。現在の通り置こう、こういうことでありますから、御承知置きを願います。
  126. 大石ヨシエ

    ○大石委員 私の言いますのは、府県の教育委員会に、もう一つ五大都市にそうした教育委員会を別個に置く、こういうことが今出ておる。すなわちそれは地方制度調査会本の答申案である。これについて大臣の見解を聞いておるのです。それで私はこの地方制度調査会の答申に対して、大臣が御賛成くださらないようにお願いしておきます。もし賛成したら私は承知しない。
  127. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 ちよつと私の申し上げることが不徹底のようでありますが、地方制度調査会の結論は、一般の市町村教育委員というものはやめる、但し五大都市だけは残す、こういう趣旨であると思います。そこで私は五大都市に限らず、現在ある通りに一般市町村教育委員というものを残しておきたい、こういうわけでありますから、結局どつちにしても残ることは同じであります。答申案によつても、私の考えによりましても、五大都市の教育委員というものをやめるということにはならぬのでありますから、そこを間違わないようにお願いしたいと思います。
  128. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 西村力弥君。
  129. 西村力弥

    ○西村(力)委員 今度提出されました地方財政の修正計画をずつと見まして、ベース・アツプや年末手当を中心とした財政の裏づけを全部やつているのだ、こう仰せられまするが、この税の増収や、あるいは児童生徒の増加に伴う財源措置の問題とか、そういう点を考えてみますと、どうしてもこれは国が節約をするのだから、地方も節約すべきであるということを前提として、結局はそういうことになるように、この財政計画を仕組んでいるのだ、こういう結論になつて来るのであります。それについては、先ほどからいろいろ御質問がありましたので、こまかくは申しませんが、ただこの際国務大臣である大達文相にお願いしたい点は、国がこの前の予算補正で節約をやつた。そういうことのために、中央官庁の職員が無銭出張をして、地方の自治体にその負担を負いかぶせているという事例がひんぴんとして起きている。こういうことは地方ををますます苦しめるものであつて、これはただちにやめさしてもらはなければならないものであると思う。その点について文教の府を預かる大達さん、国務大臣としてこの点をただちに取上げられまして、そういうことのないように、厳重なる措置をとられるようにお願いしたい。それに対して御回答をいただきたいと思います。
  130. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 御指摘の通り地方に本省の職員が出張いたしまして、地方で饗応、金品を云々というようなことがあれば、不都合であることは申し上げるまでもないことであります。文部省といたしましては、もし文部省職員のうちに、さようなものがおりますれば、ただちに適当なる処分をとるつもりでおります。
  131. 西村力弥

    ○西村(力)委員 私は文部省ばかりでない、文部省の人がこうだというわけではないのですが、政府が節約をしたしわ寄せがこう来ているということは、これは国務大臣として考えていただきたい。そういう点を次官会議にかけるべきであるとか、閣議の一応の話合いにするとか、そういうぐあいにして、かつちりとしてやつてもらはなければ困る。中央の役人がおいでになれば、一応接待するという儀例的なものもあるのですけれども、手ぶらでやつて来て、旅費、宿泊費も全部ぶつかぶせる、こういう事例がひんぴんとして起きつつある。これをやめてもらいたい。これは何も私の県の山形県だけの問題だというわけではなくて、別の県から得た資料を主としているわけであります。この点ひとつ十分なる措置をお願いしたいと思います。
  132. 門司亮

    門司委員 大蔵省からおいでになつているそうですが、私の聞いておきたいと思うことは、おいでになつている人が大臣のかわりに御答弁を願えるというならけつこうでありますが、大臣のかわりに御答弁願えないということになれば、ただ数字を当るだけであります。私の聞きたいと思いますことは、先ほどから申し上げておりまするように、教育費の国庫負担というものの原則が、一体どう解釈さるべきかということが一つの問題であります。単なる事務当局の回答だけでは、この問題は解決できないと思う。私がさつきから申し上げておりますように、文部大臣は大体人口増によるものは、従来地方で見ておつたと言われるし、同時に自治庁の長官は、今日までの状態をにらみ合せて、というと少し言い過ぎかもしれませんが、当然半額はやはり国が負担すべきであるという解釈のもとに立たれておる。この両大臣の解釈の食い違いをどうするかということでありますが、これを一事務官において返答されることは、非常に不見識だと思う。従つて大臣にぜひ出ていただきたい。大臣が出て来られなければ、大臣と同様に責任の持てる人からはつきりと答弁を永めたい。この点をあらためて要求しておきます。明日でもけつこうでありますから、大蔵大臣にぜひ出て来ていただきたい。  事務当局が出て来ておられるそうでありますから伺いますが、先ほどから問題になつておりますものも、今度の十五億の公募公債政府資金から出る要するに公債でありますが、この十五億の公募公債の中に、三億ばかりの道路費その他に振り向けられるものがあるといううわさを聞いておるのでありますが、大蔵省はこれを一体どうお考えになつておりますか。
  133. 鳩山威一郎

    ○鳩山説明員 起債のわくといたしまして、十五億という金額を予定いたしておりますが、これの配分につきましては、今回新たに財政需要として出て参りました臨時事業費といたしまして、中学校関係の建設と、それから行政協定等に基きます道路の舗装費という二つのものがございます。その二つのものに対しまして、起債も振りあてられるという考えを持つておりますが、その配分につきましては、なるべく文教関係につきまして、非常に緊急度が高いというふうに考えておりますので、なるべく多額を中学校の建築に充てる。その額につきましては、関係当局との間でお話合いのもとに、具体的な配分計画をつくつていただくというふうに考えております。金額の具体的な起債計画、配分までは、払の方ではどうといつてきめておりません。
  134. 門司亮

    門司委員 大蔵省がそういう意見だといたしますると、これはかなり大きな政治問題だと思う。文部大臣は十億を学校の費用だと考えておる。大蔵大臣はそのうちに行政協定の道路の舗装費を含んでおる、そうしてその加減は自治庁がやれということになると、自治庁の責任はきわめて重大と思う。これは明日大蔵大臣がおいでになれば、そのことを払はよく聞きたいと思う。十億全額大体学校建築でなければならないと思いまするので、大臣に一応聞いておきたいと思いますが、行政協定の道路の舗装費ということになつて来ると、これはどうなのでする。自治庁としてはこれを全額削るというわけには行かないのですか。
  135. 後藤博

    後藤説明員 行政道路関係は、これは昨年から繰越して参つた仕事であります。国の補助金もついておりますので、四分の三補助でありまして、舗装分については、四分の一が地方負担であります。従つてこれをつけざるを得ないのであります。今のところちよつと削るわけには参らないと思います。
  136. 門司亮

    門司委員 そうなつて来ると、十億のわくが削られるということにならざるを得ないと思います。そうするとこれは非常に大きな問題でありまして、文部省がそう考えておつても、大蔵省と自治庁が、そう考えておらないということになると、これは不可能な問題になる。これはいずれ明日大臣に出てもらつて質問したい。
  137. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 門司さんに御相談申し上げますが、きよう三省でよく協議していただいて、きまつたところを明日の委員会大蔵大臣から、御発表いただくということに、お願いいたしたいと思います。  この際お諮りいたしますが、先ほど門司委員より、地方税の徴収状況などの問題について、参考人として東京都主税局長及び全国事業税対策協議会の代表より実情を聴取されるように、おとりはからい願いたいとのことでありますが、さよう決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  138. 加藤精三

    加藤(精)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて閉会いたします。次会は公報をもつて御通知いたします。     午後二時十一分散会