○
窪谷説明員 旧軍が持
つておりました機械は、御承知の
ように第一
段階で賠償指定に相な
つたのでありまして、その賠償指定をいたしておりました間に、若干のものが解除に
なつたものもございますが、これは当時連合軍司令部と
日本側の職員とが共同して
調査して、スクラツプにいたしたのであります。これは機械としてに使えない、もうスクラツプ以外には
利用の道にないというものをスクラツプにいたしたのであります。御参考までに現在までの
状況を、ごく概数でございますが申し上げますと、旧軍の持
つておりました機械類で、賠償指定されました台数が三十六万二千五百台でございます。そのうちで先ほど申し上げましたスクラツプ・ダウンするために解除をいたしましたのが六万六千台、これは機械とは申しましてもこおれた機械でありまして、機械という名には値しないものでありますが、それからさらに中間賠償といたしまして、国民
政府でありますとか、オランダ、フイリピン等に持
つて参りましたのが四万四千台ございます。従いまして、講和条約が発効いたしましたときに残存しておりましたのが二十五万二千五百台ということに相な
つております。なお二十七年度中に機械として処分をいたしましたのが約二万八千九百台、
従つて今年度中に残存をいたしておりましたのが二十二万三千六百台ということに相な
つております。このうちでそれぞれ
利用をいたしておりますものと、
利用をしないで集積をいたしておるものとがございますが、駐留軍の用に供しておりますものが一万五十九百台、それから貸付契約をいたしまして、貸付料をと
つて使用をさしておりますものが四万三千台ございます。それからなおそのほかに、現在貸付ないしは売払いの申請中のものが一万九千六百台ございます。
それから各省
関係でございますが、これは主として文部省の
関係その他の学校が多いのでございますが、それらで
使つておりまして、
政府といたしましては所管がえをいたすべきものか一万七百台
程度ございます。それからそのほかに
中小企業の交換機械といたしまして留保をいたしておるのが四万七千八百台、約五万台弱のものがございます。それからそのほかに、たとえば四日市でございますとかいうふうに、
施設と一体として処理することを適当といたすもの、すなわち機械をとりはずして機械だけ持
つて行くというふうな処分の仕方が適当でないと思われるものが三万一千八百台
程度ございまして、それを二十二万三千六百台ということしの年度当初にありましたものから差引きますと、五万四千八百台というものが残るのでございます。この中にはある
程度スクラツプ化する以外には処理の方法がないだろうと見込生れるものがございます。それで第一次補正予算の財源といたしまして、このうちの約二割五分
程度は大観的にスクラップ化し得る数量であるという推定をいたしまして、一万三千台
程度のものはスクラツプ化する以外には
利用の道はない、どうも厳密に見ますと、もう少しあるいはあるのかとも思われますけれ
ども、何分にも虫だ
調査がそう厳密にできておりませんので、その
程度に申し上げたわけでございます。
なお国有機械を全部スクラツプ化してしまつたらどうかというふうに誤解をされる
ような書類というものか、製鉄会社の三社から製鉄原料としてスクラツプ化して払下げをしてもらえぬかという申請が実は私の方にも参
つております。これはよく聞いてみますと、若干誤解があつた
ようでありまして、その数量として二十五万二十台という
数字をあげておるのでありますが、たまたまこれが私
どもが見ております講和条約発効のときに存在しておる数量でありまして、この
数字とどうもよく似通
つておるので、これを全部スクラツプ化してしまうというのはあまりむちやな話ではないかという話をいたしておるのでありまして、ここれを全部スクラツプ化するという
ようなことはとうてい考えられない。スクラツプ化する以外に処置の方法のないものはやむを得ないけれ
ども、いやしくも機械として使えるものは機械として使うことが適当であるというふうなことから、一応申請は出て参りましたけれ
ども、それに対しましては、私
どもは別に何らの措置を講ずる考えは今持
つておりません。ただ現在スクラツプ化し得るものもあることはあるのでありまして、まだ厳密な
調査ができておりませんために、やや大事をとりまして、今列挙をいたしました
ような特殊の用途に供せられておるものを除きました残りの約二割五分
程度、一万二千台でありますから、現在の国有機械の五%
程度のものでありますが、この
程度はスクラツプ化し得るであろうということから、第一次補正予算の財源に充当いたすということをいたした
ような
状況でございます。全部スクラツプ化してしまうという
ような考えは毛頭持
つておりません。
それからなお機械の払下げ値段が高過ぎるという
お話でございまして、実は私
どもちよい
ちよいその話を聞かされるのでありますが、また片一方どうも安過ぎるという
ような御非難も承つたりいたしまして、一体どの辺が真相であるか。ことに会計検査院方面からはむしろ安いんではないかという
ような
お話もある
ようでございます。それらを勘案いたしますと、まず私
どもが現在や
つている
ような値段が適正ではなかろうかということを実は考えておる
ような次第であります。大体概要の御
報告を申し上げる次第であります。