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愛知政府委員 この地域給の問題につきましては、これも率直に申し上げるのでありますが、現に地域給をもら
つていなかつた人の数というものは、たとえば国家
公務員で申しますならば、全体の一割にも達しないないような程度でございましたし、従来もこの地域給の
やり方というものにつきまては、いろいろと非難もありましたことは御
承知の
通りと思いますし、またこれは
国会におきましても相当むずかしい、扱いにくい問題として、しばしば論議の対象に
なつたことも事実であるのであります。そこでこれも多少沿革を、私の方からの見方を申し上げたいと思うのでありますが、
先国会あるいは前々
国会当時におきましては、当時の
予算の見通しからいうて、ベース・アップということを全面的に取上げることは非常に困難だという、さような
事態でありました。その当時までにおきましては、地域給をどういうふうにするかということについては、両院の人事
委員会の申合せというようなものもできておりまして、その際において、
予算的にむずかしいけれ
ども、地域給の将来の調整については、できるだけ現在の五つにわかれております
やり方を、できれば二つ程度にする。それから実額の
給与額をできるだけ減らしたくない。そういう趣旨のもとに、できるだけ早い機会に調整した方がよろしかろう、こういうお申合せがございました。その当時におきましては、そのお
考えが適当だと思いましてそういう線でいろいろ
検討して参りました。ところで、先ほ
ども申しましたように、今回の
補正予算におきましては、
給与べースの改善を、人事院の勧告の線に
従つてとにかくやれるという見通しがついた。そこでこの際におきまして、従来いろいろとむずかしい問題であつた地域給の五つを四つにして、そして
給与べースの改善と合せて処理をすることにして、しかも地域給を一部本俸のベース・アップに繰入れるのではありますが、それによ
つて、地域給だけを取上げてみれば減つた方もあるわけでありますが、
給与ベース等を総合調整した
関係におきまして、無級地の人ももちろん均霑する。また一級地以上につきましても、全部本俸に繰入れるということと、それから今後残る地域給と合せればもちろんのことでありますが、実
給与額が相当上る。こういう案に
なつたので、こういう
やり方をすることが最も妥当であろう、かくのごとく
考えたわけでございます。なお全体として、たとえば一四・四%の増加ということになりますうちの五%は、勤務地手当の繰入れ分だと見ましても、一律にベース・アップの分が五%、それから中だるみの是正分が四・四%、こういうふうな
内容になりますので、これまた全体を通じて見ますならば、地域給の問題も一部改善され、また全体の
給与額も上るというこにとになるので、この案が私
どもとしては妥当である、こういう
結論に達したわけでございます。