○
松田(鐵)
委員 部長はときどき話をかえ
ますが、私の質問に対する先ほどの
答弁と今のとは、大分言葉がかわ
つておる。大体
特例法を出したときに二年間もかか
つており
ます。あれを
考えてあなたの方が法案を出そうとする。それから現に十六
国会における吉田総理の施政演説、当
委員今においての農林大臣の演説から行きまして、
沿岸から
沖合い、
沖合いから遠洋にという
日本の水産業の
あり方をはつきり明示している。演説にうたわれている。私は総理大臣や農林大臣の説政演説というものは、国民全般がこれを傾聴し、その政策というものはどうなるかと関心を持
つていると思う。水産当局がそれと非常にかけ離れた
水産行政をやられるということであれば、一体
水産委員会は必要があるかということになるのであり
ます。二年も経過した
特例法は、難航してようやく十六
国会を通過したものであるが、当時と今日とは実態ぶ異な
つている。しかもおとといであ
つたか、長官との
打合せ会において完全な
意見の
一致を見たように私は解釈しておるのであり
ます。今
沿岸漁民は、一例を言うならば、愛知県の小手繰りをや
つてお
つた人々で
転換した人人は、一そう二百五十トンだかの船をつく
つた。そしてその成績が非常にいい。そこで愛知県の
漁民は小手繰りから
転換して
沿岸の
漁業を整備しようとして、再び大型の
漁船をつくるべく努力をするのだが、その
許可は一そう六百万円もするというわけで、手も足も出ないということで陳情が来ている。そういう実態が今日あるのであり
ます。
水産庁に行きなさいと言
つたら、行
つたところで相手にならぬというのです。現益の
法律以外に
方法がないからというのです。そういうことはつい先日の話であ
つて、私は長官にも話をしたが、すみやかにこういう問題を解決しなければならないというのが水産当局の御
意見でなければならない。二年待
つて、今
許可を持
つておるものが全部大型の船にな
つてからそのときを見てなどということは、
許可を五百万円にも六百万円にも売ることになる。一トン四万円、そういうことにな
つて行くと、今百五十トンの船の売物があるが、これは今六百万円である。そういうことでは、いたずらにその売ろうとする人は、それ以上
漁業を進展させようという
考え方のない人である。それらに利益を与えておるのが現在の
特例法である。ですから、九十トンの船を持
つてお
つた人、六十トンの船を持
つてお
つた人であ
つても、広大なインド洋から太平洋のまん中に出漁するというときに、
沿岸との問題はどういうように
考えておるか。何も問題はないじやないか。
アメリカにおいても、あのカン詰業者は年一割ずつマーケットに販売する能力があるから増そうとする。ところが冷凍は倍以上出ている。それだけの
アメリカに対する需要もある。また私が
アメリカに寄
つたときにおいても、あの
さんまの問題を解決して米たのです。そういうことから行
つても、今
日本の
漁業が進展して行かなか
つたならば、いつの日に
日本の
漁業が進展でき得るやということを
考えたならば、世界の市場に出す
かつお、
まぐろというものに対して、その生産意欲を全うせんとする
漁民があるならば、これらに対して
許可を与えるようにすることが
日本の
水産行政でなければならない。しかし二千三百という
かつお、
まぐろの
漁民があるが、これらで着業していないものもある。しかしそう無制限に許すわけにも行かないだろうが、三千なら三千というある
程度までの
漁船の
許可を出すという建前を早く決定されなか
つたならば、
北洋に行く船だ
つて、そうそう
かつお、
まぐろばかりに
転換することもできないであろう、こういうことからい
つて、
許可が現在トン四万円以上に売買されておる現実の姿はよく御承知のはずです。ですからこういう利権を与えるよりも、せつかく
漁民が努力して船をつくてや
つて行こうとするものであ
つたならば、これらに対するあのわくの撤廃ということが
考えらつれなければならぬと私は
考える。またそれかとい
つて、いたずらに船ができ得るものではないと思う。なぜならば今日の
日本の
財政、
日本国民の持
つている金では、そう簡単に大きな
漁船がつくられるものではないと思う。ですから資金の面からい
つても、そう簡単に
水産庁が
考えるように、一年のうちに五百そうも三百そうも大型
漁船をつくり得るものではないのだ。しからばわずかの漁回船しかでき得ないとしたならば、それらに対して利権をとられないように、その
権利、造船の
許可を与えることが
水産庁のとるべき政策ではないか私は
考える。二年も待
つたならばではない、もうあすから撤廃すべきが
ほんとうだ、そういう気持になおことを私は希望するものであり
ます。