○
吉武委員 私は冒頭に、
田口委員長並びに、本
水産委員会を代表されまして
辻委員と
赤路委員が、先般
拿捕船で
被害を受けましたる各地を
実地視察をなされまして、
慰問かたがた各秤の御
調査をしていただきました点を、
被害を受けました
地元の者といたしまして厚く
お礼を申し上げます。
私は、ただいま両
委員から御
質問になりました点で尽きておるのでありますが、御
当局に
一言お尋ねをし、また要望いたしたい点は、
地元の連中は非常に本問題に困
つておるということでございます。これはもう御想像がつくことと思うのでありますけれ
ども、本日は
岡崎外務大臣を呼んで私は
実情を訴えたいのでありまして、
事務当局の
皆様を責める気はちつともございません。しかしながら、
現地における実際の
実情と
当局の動かれているところの間には、おそらく非常な感覚のずれが出て来やしないかという点を恐れるのであります。先般
実地に
実情調査をされました
各位におかれましては、その点を身につけてお
帰りにな
つての御
質問であろうと思うのであります。そこで、これは前の
委員会にも私申し上げましたのですが、
漁民が捕われているという
家族の心配は、御
当局のお骨折りで帰
つて参りましたので、この点ば私といたしましても御
当局に厚く
お礼を申し上げます。
地元の者としては非常に感謝をしております。泣いて喜んでおります。ただしかし、
帰りましても、
漁民は、ほかの
仕事と違いまして一生小さいときから船の上で
生活して来たものでありますから、大事な船をとられましておかに上りましても、翌日から
生活をする手段を知らないのであります。一人か二人でございますれば他の船に乗せてもら
つて漁をするということができますが、小さい漁村で、百数十名も一挙に
拿捕され、船を十数隻もとられたということになりますると、これは、ほかの船に乗
つてその場をしのぐということもできないのであります。帰
つて来るまでの
生活の援護は、
政府御
当局のあつせんによりまして、
保険に準じた七千円を月々出していただきましたので、やつとその日の
生活はできるかと思います。実は、その金もお骨折りをいただいたにもかかわらず、まだ本人に渡らないという
状況でございます。その点の不平も相当ございますが、これはしかし出していただくということであれば、私はここでは申しません。ただ今後の問題といたしまして、どうしてこの
人たちを
生活させるかという点を、私は実は非常に悩んでいる。
法律の問題といたしましては、帰
つて来たのだからあとは
自分たちでというように簡単に片づくでありましようが、
現実の問題といたしましては、長年船に乗
つていた者がただおかにほつぽり出されて、すぐ翌日から
自分の腕で食えということは無理でございます。従いまして、この点に関しますれば、早く船を取返したいということであります。船と取返しまするためには、やはり
日韓会談を早く
再開するという
方法、あるいはまた他の
外交交渉の
方法をや
つていただく以外に
方法はございません。
行つて、実力で奪
つて帰るということはできないのでありまするから、
従つて外務当局及びその他の御
当局に、この点を実は強く要望する次第でございます。これは
先ほど辻さんからも
お話がありましたように、時期を非常に問題にしているわけであります。これから
交渉して半年もかかるということでは困る。半年間食わずにいるわけには行かないのでありますから、もし、どうしても
再開が遅れる、あるいは
拿捕船の返還が遅れるという
見込みであれば、これは一
外務省だけの問題ではないでありましよう。これはどこの省の問題か、どこの省がやるのだという問題を離れて――
国民としてはどこの省がおやりになろうとかまいません。
政府に対して要望しておるのでありますらか、
政府部内で御
相談にな
つて、どうしてもこれが遅れるということであるならば、その間をどうするかということを至急にお
考えになるべきじやないかと思うのであります。
先ほど辻さんからも
お話がございましたが、この
最盛期に底びき網が出られない、
強行出漁の決意は持
つておりますけれ
ども、出かければそれからそれと
拿捕が続いておるのでありますから、出られない。それではじつとしておるかとい
つても、あれたけの
船員をかかえてこの暮れを越すことができないのであります。私は、これは御
当局が
現地に
行つて、
実地に御
調査になるべきだと思います。
議員各位にはお骨折りをいただいたのでありますが、
政府当局も、もし御
信用にならなければ、
現地に
行つて、
現地の
実情がとうな
つているかということを、
実地に身につけてお
帰りにならなければ、おそらくこの問題を、
ほんとうに熱意を持
つて取上けられるということはできないのではないかという点を、私は心配するわけであります。従いまして、
再開を何とか急いで、
拿捕船を返すということに御
努力を願うのと、もしそれが多少遅れる
見込みでありますれば、
政府部内において、その間においてさしあたりどうする、あるいは
緊急融資の
方法によ
つて、一時をしのぐ
方法をお
考えになりますか、何かその点の
処置をひ
とつ至急お
考え願いたいことを要望いたしまして、重ねて
当局の御意向を伺いたいのであります。